JP2805290B2 - 磁粉探傷試験方法用磁粉の評価治具 - Google Patents

磁粉探傷試験方法用磁粉の評価治具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁粉探傷試験方法
用磁粉の評価治具に関する。
【0002】本発明に係る磁粉探傷試験方法用磁粉(以
下、「磁粉」ともいう)の評価治具は、磁粉メーカー及
び磁粉ユーザー(主として鉄鋼メーカーや自動車メーカ
ー)において磁粉のキズ検出性能を評価するために使用
される。
【0003】
【従来の技術】周知の通り、角ビレット,丸ビレット等
の各種鋼材やシャフト,ナックルアーム等の各種鋼製部
品は通電することによって磁化できるので、その非破壊
検査に当っては、JIS G 0565−1992に規
格化されている磁粉探傷試験方法が適用されている。
【0004】上記JIS規格に示されている通り、磁粉
探傷試験方法には、非蛍光磁粉(Fe粒子粉末,Fe3
4 粒子粉末,γ−Fe2 3 粒子粉末等の導磁性粒子
粉末又は該粉末の粒子表面に顔料を付着させたもの)並
びに蛍光磁粉(上記導磁性粒子粉末の粒子表面を紫外線
照射によって励起され黄色乃至黄緑色に発光する蛍光物
質を付着させたもの)が用いられている。なお、前者に
比較して後者の方がキズ検出性能が優れているので、鉄
鋼メーカーや自動車メーカーでは後者の蛍光磁粉が汎用
されており、市販品としては、例えばスーパーマグナ蛍
光磁粉LY−20(商品名:マークテック株式会社
製),スーパーマグナ蛍光磁粉LY−2300(商品
名:同上)及びスーパーマグナ蛍光磁粉LY−4300
(商品名:同上)が挙げられる。
【0005】磁粉探傷試験方法の実施に当って、用いる
磁粉のキズ検出性能が探傷結果を大きく左右することは
よく知られており、磁粉メーカーは勿論、磁粉ユーザー
においても、様々な磁粉のキズ検出性能評価手段が採用
され、また、研究されている。
【0006】従来、磁粉のキズ検出性能評価に採用され
ている代表的な手段は、上記JIS規格に規定されてい
るA型標準試験片を使用する手段である。
【0007】A型標準試験片は、JIS C 2504
の1種を焼なました薄板並びにJIS C 2504の
1種の冷間圧延のままの薄板に、それぞれ放電加工によ
って直線形又は円形の溝を形成し、該溝を人キズとし
たものである。
【0008】A型標準試験片を使用した磁粉のキズ検出
性能評価は、通常、磁粉探傷試験方法の対象とする検査
物(例えば、鋼製角ビレット)の表面に該試験片を貼り
付け、該検査物を磁化し、当該試験片に磁粉を施用して
試験片面に形成される磁粉指示模様を目視にて観察する
ことによって行われている。
【0009】なお、A型標準試験片は、特開昭57−6
1944号公報に開示されている通り、湿式磁粉探傷試
験方法に使用中の磁粉液(水に磁粉を分散させたもので
あり、通常、非蛍光磁粉の場合には水1l当り2〜10
gが、蛍光磁粉の場合には水1l当り0.2〜2.0g
が、それぞれ加えられる)をA型標準試験片に施用して
試験片面に形成される磁粉指示模様の光強度を光強度検
出装置(フォトダイオードと増幅器によって構成されて
いる)によって検出し、検出した光強度信号によって該
磁粉液の磁粉濃度を管理するという態様で使用されるこ
ともあり、特開昭58−223058号公報に開示され
ている通り、極間式磁粉探傷装置自体にA型標準試験片
を、該試験片が検査物に密着するように取り付けて置
き、探傷作業時に絶えず磁粉のキズ検出性能評価を行う
という態様で使用されることもある。
【0010】また、自然キズのある導磁性体材料(自然
キズのある鋼製角ビレットやシャフト)を標準試験片と
して使用する手段も古くから採用されている。
【0011】また、特開昭58−127159号公報に
は、疲労試験機を用いて疲労クラックを発生させた導磁
性体材料を標準試験片として使用する手段が開示されて
いる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】近時、品質管理基準が
厳しくなるにつれ、磁粉メーカーは勿論、鉄鋼メーカー
や自動車メーカーにおける磁粉探傷試験方法の実施現場
では、磁粉のキズ検出性能を、より正確に、より簡便
に、より低コストで、評価できる標準試験片が強く要望
されている。
【0013】ところが、A型標準試験片には、(1)磁
化の条件や磁粉の種類を同一に設定しても、検査物への
貼り付け状態や検査物の表面凹凸状態によって、磁粉指
示模様が変動することが避けられず、評価結果にバラツ
キが生じるという問題がある。
【0014】また、(2)A型標準試験片の使用に当っ
ては、磁化電源や磁化装置を必須とすると共に、使用後
には、前記JIS規格に「…使用後は必ず溶剤で洗浄を
行い、洗浄した後は指先で試験片面に触れないようにし
て,清浄な脱脂綿や紙などで溶剤を取り除き,…」とさ
れている厄介な洗浄作業を必要とし、簡便さに欠けると
いう問題点がある。
【0015】さらに、(3)A型標準試験片は、前記J
IS規格に規定されている板厚が、50μm のものと1
00μm のものとの二種であり、いずれも使用時に折れ
曲がり易く、同規格に「…初期の形状・寸法・磁気特性
に変化を生じた場合は,使用してはならない。…」とさ
れているので、折れ曲がってしまうと再使用できない消
耗品であり、磁粉のキズ検出性能評価の頻度が多くなる
とコスト高になるという問題点がある。
【0016】一方、自然キズのある導磁性材料を標準試
験片とする場合には、これを直接磁化することができ、
強度的にも問題はないので、上記(1)、(3)の問題
点は解消するが、上記(2)の問題点があり、しかも、
(4)所要の深さ・形状の自然キズをもつものを入手す
ることが困難という問題がある。
【0017】さらに、(5)所要の深さ・形状の自然キ
ズをもつものが入手できても、これと同一キズ深さ・同
一キズ形状の自然キズをもつものを入手することは不可
能であり、同一キズ深さ・同一キズ形状をもつ複数個の
標準試験片が準備できないので、複数種の磁粉について
キズ検出性能を比較するに当っては、1個の標準試験片
を繰返し使用して各磁粉毎に磁粉指示模様を写真撮影な
どによって記録し、該記録を比較する必要があり、磁粉
指示模様の実物を比較することができないという問題が
ある。
【0018】また、疲労試験機を用いて疲労クラックを
発生させた導磁性体材料を標準試験片とする場合にも、
これを直接磁化することができ、強度的にも問題はな
く、所要の深さ・形状のキズをもつものが製作できるの
で、上記(1)、(3)、(4)の問題点は解消する
が、上記(2)の問題点があり、また、同一キズ深さ・
同一キズ形状の再現性が充分ではないので、上記(5)
の問題点が解消するとは言い難く、しかも、(6)所要
の深さ・形状のキズをもつものを製作するためには非常
に手間がかゝるという問題がある。
【0019】本発明は、かゝる現況に鑑み、上記(1)
〜(6)の諸問題点を解決し、磁粉のキズ検出性能を、
より正確に、より簡便に、より低コストで、評価できる
磁粉探傷試験方法用磁粉の評価治具を提供することを技
術的課題とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成できる。
【0021】即ち、本発明Iは、磁化することによって
永久磁石化できる強磁性体材料からなる直方体の一面
に、一方の辺端縁から対向する他方の辺端縁にかけ
て、0.1〜0.4mmの範囲内の幅をもつ直線状溝を
その深さに表面から2〜5mmの範囲内に到る直線状勾
配をつけて形成すると共に、該溝が形成されている面に
非磁性体材料からなる0.1〜0.5mmの範囲内の厚
みをもつシート体を貼り付けてなり、前記直方体が磁化
されているときに前記溝から生じる漏洩磁束の強さが該
溝の深さの勾配に対応して強から弱に段階的に変化して
いることを特徴とする磁粉探傷試験方法用磁粉の評価治
具である。
【0022】また、本発明IIは、磁化することによっ
て永久磁石化できる強磁性体材料からなる直方体の一面
に、一方の辺端縁から対向する他方の辺端縁にかけ
て、0.1〜0.4mmの範囲内の幅で1〜5mmの範
囲内の一定深さをもつ直線状溝複数本を、間隔を置き、
且つ、個々の直線状溝の一方の辺に対する角度を90
°〜30°の範囲内において順次小さくして形成すると
共に、該溝が形成されている面に非磁性体材料からなる
0.1〜0.5mmの範囲内の厚みをもつシート体を貼
り付けてなり、前記直方体が磁化されているときに前記
各溝から生じる漏洩磁束の強さが該各溝の一方の辺に
対する角度に対応して強から弱に段階的に変化している
ことを特徴とする磁粉探傷試験方法用磁粉の評価治具で
ある。
【0023】本発明I、IIの構成をより詳しく説明すれ
ば、次の通りである。先ず、本発明I、IIに共通して用
いている強磁性体材料からなる直方体は、磁化すること
によって永久磁石となる材料、例えば、工具鋼,バネ
鋼,軸受鋼,機械構造用炭素鋼等を所定寸法のブロック
体に加工したものである。なお、磁化することによって
永久磁石となるものであれば、合金鋼を用いることもで
きる。
【0024】上記直方体ブロックの寸法は、通常、長片
100〜150mm、短辺20〜50mm、高さ10〜15
mm程度とすることが、取扱い,加工,材料費の面から好
ましい。
【0025】本発明I、IIに共通して用いている非磁性
体材料からなる厚さ0.1〜0.5mmのシート体は、ポ
リエステル,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリ塩化
ビニル,ポリエチレン,四フッ化エチレン,ABS(ア
クリルニトリル/ブエジエン/スチレン)等の合成樹脂
製シートを始め、アルミニウム又はアルミニウム合金,
銅又は銅合金等の金属製シートやセラミックス製シート
を、上記直方体ブロックの直線状溝が形成されている面
の寸法と同一乃至略同一寸法に加工したものである。
【0026】本発明I、IIに係る磁粉の評価治具は、上
記各材料を用いて製作され、製作に当って、溝の形成は
周知の放電加工技術によればよく、精密放電研削加工装
置、例えば放電加工装置DWC−110Z(形式名:三
菱電機株式会社製)を用いることによって容易に所要の
溝が形成でき、上記直方体ブロックと上記シート体との
貼り合せは周知の接着技術によればよく、種々の接着
材、例えば両面接着テープ、より具体的にはパイロン両
面接着テープW101(商品名:株式会社共和製)を用
いることによって容易に貼り合せることができる。な
お、上記シート体として合成樹脂製シートを選択した場
合には、該合成樹脂製シートの種類によっては接着材を
用いることなく熱溶着によって貼り合せることも可能で
ある。
【0027】次に、本発明I、IIに係る磁粉の評価治具
における上記強磁性体材料からなる直方体の一面に形成
した直線状溝について詳述する。
【0028】よく知られている通り、磁粉探傷試験方法
は磁化されている検査物のキズから漏洩する磁束に磁粉
が吸引される現象を利用し、吸引された磁粉によって形
成される磁粉指示模様によってキズを検出しているもの
であるが、この場合、深いキズからの漏洩磁束は強いの
で吸引される磁粉量が多くなり、浅いキズからの漏洩磁
束は弱いので吸引される磁粉量が少なくなるから、漏洩
磁束の強・弱により変化する磁粉量(磁粉指示模様)に
よって磁粉のキズ検出性能を評価することができる。
【0029】即ち、例えば、キズ検出性能が不明である
二種の磁粉が存在するとき、導磁性体材料に溝(人
ズ)を形成して試験片とし、該試験片の磁化条件を変え
ることによって溝から生じる漏洩磁束の強さを強→弱に
段階的に変化させて行く状態下で、当該試験片に一方の
磁粉を施用して溝に磁粉が吸引されなくなった(磁粉指
示模様が形成されなくなった)時点の磁化条件と、同様
に他方の磁粉を施用して溝に磁粉が吸引されなくなった
(磁粉指示模様が形成されなくなった)時点の磁化条件
とを比較することによって、いずれの磁粉がより弱い漏
洩磁束まで磁粉指示模様を形成できるか、換言すれば、
いずれの磁粉がより浅いキズまで検出できるかを評価す
ることができる。
【0030】ところが、上記評価手法を具現化するため
には、非常に複雑な磁化制御機構と大変厄介な作業とを
必要とする。
【0031】本発明I、IIは、上記強磁性体材料からな
る直方体の一面に特定の直線状溝を形成し該溝から生じ
る漏洩磁束の強さを強→弱に段階的に変化させることに
よって、上記評価手法を正確、且つ、簡便に実施できる
ようにしたものである。
【0032】本発明Iにおいては、溝から生じる漏洩磁
束の強さを強→弱に段階的に変化させるために、図2に
示す如く、上記強磁性体材料からなる直方体1の一面1
1に、一方の短辺12端縁から対向する他方の短辺13
端縁にかけて、幅0.1〜0.4mmの直線状溝2をその
深さに表面から2〜5mmに到る直線状勾配をつけて形成
している。この直方体1が磁化されているときには、直
線状溝2の深さが最も深い短辺13端縁近傍部から生じ
る漏洩磁束が最も強く、短辺12端縁側に近付くに従っ
て生じる漏洩磁束は徐々に弱くなって行き、短辺12端
縁近傍部では殆んど零となる。磁化は軸通電法によって
直線状溝2に対して直角方向の磁場を加えて行なう。な
お、一方の長辺端縁から対向する他方の長辺端縁にかけ
て直線状溝2を形成した場合には、当然のことではある
が、磁化はコイル法によって直線状溝2に対して直角方
向の磁場を加えて行なう。
【0033】本発明IIにおいては、溝から生じる漏洩磁
束の強さを強→弱に段階的に変化させるために、図4に
示す如く、上記強磁性体材料からなる直方体1の一面1
1に、一方の長辺14端縁から対向する他方の長辺15
端縁にかけて、複数本(通常、3〜4本)の幅0.1〜
0.4mmで深さ2〜5mmの直線状溝3、31、32を間
隔を置き、且つ、個々の直線状溝3、31、32の一方
の長辺14に対する角度を90°〜30°の範囲内にお
いて順次小さくして形成している。この直方体1が磁化
されているときには、磁束(磁力線)の方向に対する角
度が90°をなす直線状溝3から生じる漏洩磁束が最も
強く、磁束(磁力線)の方向に対して平行に近付く角度
をなすほど生じる漏洩磁束は弱くなって行く。磁化はコ
イル法によって直方体1の長手方向に対して平行方向の
磁場を加えて行なう。なお、一方の短辺端縁から対向す
る他方の短辺端縁にかけて複数本の直線状溝3、31、
32を形成した場合には、当然のことではあるが、磁化
は軸通電法によって直方体1の長手方向に対して直角方
向の磁場を加えて行なう。
【0034】本発明I、IIにおいて直線状溝2、3の幅
を0.1〜0.4mmの範囲内に設定しているのは、幅
0.1mm未満の溝を形成することは加工技術上非常に困
難であり、一方、幅が0.4mmを越えると、評価対象と
する磁粉が細かい場合には、溝の両側縁に磁粉が別れて
付着するため、線状の磁粉指示模様が二本となり、評価
対象とする磁粉が粗い場合には、磁粉の溝への付着が不
均一になるため線状の磁粉指示模様の幅方向の輪郭が不
明瞭になるからである。
【0035】本発明Iにおいて直線状溝2の深さにつけ
る直線状勾配を表面から2〜5mmの範囲内に到るものに
設定しているのは、表面から2mm未満の勾配では溝から
生じる漏洩磁束の強さの変化範囲が少ないため評価がし
ずらくなり、また、本発明者の行った実験結果から常用
されている磁粉のキズ検出能力を評価するに当っては、
深さ5mmの溝であれば充分であり、これを越える深さは
必要としないことを確認しているからである。
【0036】本発明IIにおいて直線状溝3、31、32
を1〜5mmの範囲内の一定深さのものに設定しているの
は、深さ1mm未満の溝では評価対象とする磁粉の種類に
よっては明瞭な線状の磁粉指示模様が形成されない場合
があり、また、上記の通り、常用されている磁粉のキズ
検出性能の評価に当って深さ5mmを越える溝を必要とし
ないからである。なお、直線状溝3、31、32の一方
の長辺14端縁における間隔は4〜6mm程度とすること
が、加工面や磁粉指示模様の目視性面から好ましい。
【0037】次に、本発明I、IIに係る磁粉の評価治具
における上記非磁性体材料からなるシート体について詳
述する。
【0038】上記強磁性体材料からなる直方体の一面に
上記直線状溝を形成したものを用いて磁粉のキズ検出性
能を評価する場合には、その使用後、再使用に備えて、
前記したA型標準試験片の場合と同様に、洗浄作業を必
要とするが、該直線状溝の内部に入った磁粉を完全に除
去することは非常に困難である。
【0039】本発明I、IIは、図1、図3に示す如く、
上記強磁性体材料からなる直方体1の上記直線状溝2、
3が形成されている一面11に上記非磁性体材料からな
るシート体4を貼り付けることによって、上記使用後の
洗浄作業を簡便に実施できるようにしたものである。
【0040】本発明I、IIにおいて、シート体の材料を
非磁性体材料に特定しているのは、導磁性体材料からな
るシート体4を貼り付けた場合には、上記強磁性体材料
からなる直方体1が磁化されているときに上記直線状溝
2、3から生じる漏洩磁束が該シートに拡散してしまう
からである。一方、非磁性体材料からなるシート体4を
貼り付けた場合には、かゝる拡散現象が起らないので、
該シート体4の表面に上記直線状溝2、3から生じる漏
洩磁束によって吸引された磁粉による線状の磁粉指示模
様が形成できるのである。
【0041】本発明I、IIにおいて、非磁性体材料から
なるシート体4の厚みを0.1〜0.5mmの範囲内に設
定しているのは、0.1mm未満では充分な強度が得られ
ず耐久性に欠け、また、0.5mmを越えるとシート体4
の表面に明瞭な線状の磁粉指示模様が形成できないから
である。なお、明瞭な磁粉指示模様を形成するためには
シート体4の厚みを可及的に薄くすることが望ましいの
で、強度上の問題がない場合にはできるだけ薄いシート
を選定すべきである。
【0042】次に、本発明I、IIに係る磁粉の評価治具
の使用法を説明する。
【0043】本発明I、IIに係る磁粉の評価治具は、い
ずれも、上記強磁性体材料からなる直方体1を磁化した
状態で使用する。前記した各方法によって磁化して置け
ば、直方体1は上記強磁性体材料であるので永久磁石化
しているから、磁化電源や磁化装置がない場所で使用で
き、この場合には、前記JIS規格に示されている残留
法(磁化操作の終了後に磁粉を適用する方法)によって
評価対象とする磁粉のキズ検出性能を評価することにな
り、また、磁化電源や磁化装置のある場所では、前記J
IS規格に示されている連続法(磁化操作中に磁粉を適
用する方法)によって評価対象とする磁粉のキズ検出性
能を評価することもできる。
【0044】残留法、連続法のいずれによる場合にも、
評価対象とする磁粉を磁粉液(前記JIS規格に示され
ているところに準じて、非蛍光磁粉の場合には水1l当
り磁粉2〜10gを、蛍光磁粉の場合には水1l当り磁
粉0.2〜2gを、それぞれ分散させる)として適用す
ることが好ましい。
【0045】適用に際し、残留法の場合には磁粉液中に
評価治具を浸潰して引上げるという操作が適しており、
連続法の場合には評価治具の上記非磁性体材料からなる
シート体4表面に磁粉液を散布するという操作が適して
おり、いずれの操作による場合にも、該シート体4表面
に線状の磁粉指示模様が形成される。
【0046】本発明Iに係る磁粉の評価治具を使用した
場合には、当該シート体4表面に形成されている線状の
磁粉指示模様の長さをスケールにより測定し該測定値に
よって評価対象とした磁粉のキズ検出性能を評価する。
なお、測定した線状の磁粉指示模様の長さが長ければ長
いほど、より浅いキズまで検出できる能力を具備してい
る。
【0047】本発明IIに係る磁粉の評価治具を使用した
場合には、当該シート体4表面に形成されている個々の
線状の磁粉模様を比較観察し該観察結果によって評価対
象とした磁粉のキズ検出性能を評価する。なお、明瞭に
観察できた線状の磁粉指示模様が長辺14に対する角度
の小さいものであればあるほど、より浅いキズまで検出
できる能力を具備している。
【0048】
【発明の実施の形態】次に、本発明I、IIの各実施の形
態を説明する。
【0049】(本発明Iの実施の形態)材質SK−3の
工具鋼を用いて長片100mm,短辺30mm,高さ15mm
の図2に示す直方体ブロック1を2個作成し、各直方体
ブロック1に、放電加工装置DWC−110Z(形式
名:三菱電機株式会社製)を用い、面11の一方の短辺
12端縁から対向する他方の短辺13端縁にかけて幅
0.2mmの直線状溝2をその深さに表面から2mmに到る
直線状勾配をつけて形成した。
【0050】次に、厚さ0.1mmのアルミニウム箔を1
00mm×30mmに切断してシート体4を2枚作成し、こ
れら各シート体4を上記各直方体ブロック1の直線状溝
2が形成されている面11に、それぞれ、パイロン両面
接着テープW101(商品名:株式会社共和製)を用い
て貼り付け、図1に示す構成の磁粉評価治具2個を製作
した(なお、図1にはパイロン両面接着テープW101
は図示していない)。
【0051】一方、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−20
(商品名:マークテック株式会社製),スーパーマグナ
蛍光磁粉LY−2300(商品名:同上)及びスーパー
マグナ蛍光磁粉LY−4300(商品名:同上)を評価
対象磁粉とし、各0.5gを、それぞれガラス製ビーカ
に入れ、各ビーカ毎に磁粉用分散剤BC−1(商品名:
マークテック株式会社製:界面活性剤を主成分とする)
を各2gづつ加えてビーカ内の磁粉とよく混合した後、
各ビーカに水1lを加えて3種の磁粉液を調製した。
【0052】ここに得た磁粉評価治具と磁粉液とを用
い、残留法によって、次の通りの評価作業を実施した。
【0053】上記磁粉評価治具の内の1個を、軸通電法
により磁化電流値直流1000Aで直線状溝2に対して
直角方向の磁場を加えて磁化した後、該磁化後の評価治
具を、先ず、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−20(前
出)を用いて調製した上記磁粉液中に2秒間浸潰してか
らゆっくりと引き上げ、シート体4表面に形成されてい
る線状磁粉指示模様の短辺13端縁から短辺12に向っ
て延びている長さを、紫外線灯照射下に、スケールを用
いて測定したところ90mmであった。測定後、当該評価
治具を水洗するとシート体4表面に形成されていた線状
磁粉指示模様は容易に除去でき、紫外線灯照射下でチェ
ックしても残留している蛍光磁粉は認められなかった。
【0054】次に、水洗後の上記評価治具を改めて磁化
することなくそのまま用い、上記と同一の浸潰・引き上
げ操作によって、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−230
0(前出)を用いて調製した上記磁粉液によりシート体
4表面に形成させた短辺13端縁から短辺12に向って
延びている線状磁粉指示模様の長さを、上記と同様にし
て、測定したところ85mmであった。測定後、当該評価
治具を水洗するとシート体4表面に形成されていた線状
磁粉指示模様は容易に除去でき、上記と同様にチェック
しても残留している蛍光磁粉は認められなかった。
【0055】さらに、水洗後の上記評価治具を改めて磁
化することなくそのまま用い、上記と同一の浸潰・引き
上げ操作によって、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−43
00(前出)を用いて調製した上記磁粉液によりシート
体4表面に形成させた短辺13端縁から短辺12に向っ
て延びている線状磁粉指示模様の長さを、上記と同様に
して、測定したところ86mmであった。測定後、当該評
価治具を水洗するとシート体4表面に形成されていた線
状磁粉指示模様は容易に除去でき、上記と同様にチェッ
クしても残留している蛍光磁粉は認められなかった。
【0056】上記の各測定結果から、評価対象磁粉のキ
ズ検出性能は、1位:スーパーマグナ蛍光磁粉LY−2
0(前出)、2位:スーパーマグナ蛍光磁粉LY−43
00(前出)、3位:スーパーマグナ蛍光磁粉LY−2
300(前出)の順位でより浅いキズまで検出可能なも
のと評価できる。
【0057】ここに得た磁粉評価治具と磁粉液とを用
い、連続法によって次の通りの評価作業を実施した。
【0058】上記磁粉評価治具の他の1個を、軸通電法
により磁化電流値直流500Aで直線状溝2に対して直
角方向の磁場を加えて磁化した状態において、先ず、ス
ーパーマグナ蛍光磁粉LY−20(前出)を用いて調製
した上記磁粉液を該評価治具のシート体4面に散布し、
該シート体4面に形成されている線状磁粉指示模様の短
辺13端縁から短辺12に向って延びている長さを、紫
外線灯照射下に、スケールを用いて測定したところ92
mmであった。測定後、当該評価治具を水洗するとシート
体4表面に形成されていた線状磁粉指示模様は容易に除
去でき、紫外線灯照射下でチェックしても残留している
蛍光磁粉は認められなかった。
【0059】次に、水洗後の上記評価治具を上記と同一
の磁化条件で磁化した状態において、上記と同一の散布
操作によって、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−2300
(前出)を用いて調製した上記磁粉液によりシート体4
表面に形成させた短辺13端縁から短辺12に向って延
びている線状磁粉指示模様の長さを、上記と同様にし
て、測定したところ87mmであった。測定後、当該評価
治具を水洗するとシート体4表面に形成されていた線状
磁粉指示模様は容易に除去でき、上記と同様にチェック
しても残留している蛍光磁粉は認められなかった。
【0060】さらに、水洗後の上記評価治具を上記と同
一の磁化条件で磁化した状態において、上記と同一の散
布操作によって、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−430
0(前出)を用いて調製した上記磁粉液によりシート体
4表面に形成させた短辺13端縁から短辺12に向って
延びている線状磁粉指示模様の長さを、上記と同様にし
て、測定したところ89mmであった。測定後、当該評価
治具を水洗するとシート体4表面に形成されていた線状
磁粉指示模様は容易に除去でき、上記と同様にチェック
しても残留している蛍光磁粉は認められなかった。
【0061】上記の各測定結果による評価対象磁粉のキ
ズ検出性能の評価順位は、上記残留法によった場合と一
致している。
【0062】(本発明IIの実施の形態)材質SK−3の
工具鋼を用いて長片100mm,短辺30mm,高さ15mm
の図4に示す直方体ブロック1を2個作成し、各直方体
ブロック1に、放電加工装置DWC−110Z(形式
名:三菱電機株式会社製)を用い、面11の一方の長辺
14端縁から対向する他方の長辺15端縁にかけて3本
の幅0.2mmで深さ2mmの直線状溝3、31、32を、
長辺14端縁における各間隔5mmを置き、且つ、各直線
状溝の一方の長辺14に対する角度を直線状溝3は90
°、直線状溝31は67.5°、直線状溝32は45°
として形成した(図4参照)。
【0063】次に、厚さ0.1mmのアルミニウム箔を1
00mm×30mmに切断してシート体4を2枚作成し、こ
れら各シート体4を上記各直方体ブロック1の直線状溝
3、31、32が形成されている面11に、それぞれ、
パイロン両面接着テープW101(商品名:株式会社共
和製)を用いて貼り付け、図3に示す構成の磁粉評価治
具2個を製作した(なお、図3にはパイロン両面接着テ
ープW101は図示していない)。
【0064】ここに得た磁粉評価治具と前記本発明Iの
実施の形態で調製した3種の磁粉液とを用い、残留法に
よって、次の通りの評価作業を実施した。
【0065】上記磁粉評価治具の内の1個を、コイル法
によって内径300mm、幅70mm、コイル巻き数5回の
磁化コイルの内壁に置き磁化電流値直流1500Aで直
方体1の長手方向に対して平行方向の磁場を加えて磁化
した後、先ず、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−20(前
出)を用いて調製した前記磁粉液中に2秒間浸潰してか
らゆっくりと引き上げ、シート体4表面に形成されてい
る直線状溝3、31、32に対応する各線状磁粉指示模
様を、紫外線灯照射下に、目視にて観察し、○:明瞭、
△:明瞭性が劣る、×:不明瞭乃至指示模様なしの3段
階に分類したところ表1に示す通りであった。測定後、
当該評価治具を水洗するとシート体4表面に形成されて
いた各線状磁粉指示模様は容易に除去でき、紫外線灯照
射下でチェックしても残留している蛍光磁粉は認められ
なかった。
【0066】次に、水洗後の上記評価治具を改めて磁化
することなくそのまま用い、上記と同一の浸潰・引き上
げ操作によって、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−230
0(前出)を用いて調製した前記磁粉液によりシート体
4表面に形成させた直線状溝3、31、32に対応する
各線状磁粉指示模様を、上記と同様にして、観察・分類
したところ表1に示す通りであった。測定後、当該評価
治具を水洗するとシート体4表面に形成されていた各線
状磁粉指示模様は容易に除去でき、上記と同様にチェッ
クしても残留している蛍光磁粉は認められなかった。
【0067】さらに、水洗後の上記評価治具を改めて磁
化することなくそのまま用い、上記と同一の浸潰・引き
上げ操作によって、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−43
00(前出)を用いて調製した前記磁粉液によりシート
体4表面に形成させた直線状溝3、31、32に対応す
る各線状磁粉指示模様を、上記と同様にして、観察・分
類したところ表1に示す通りであった。測定後、当該評
価治具を水洗するとシート体4表面に形成されていた各
線状磁粉指示模様は容易に除去でき、上記と同様にチェ
ックしても残留している蛍光磁粉は認められなかった。
【0068】
【表1】
【0069】表1の観察・分類結果から、評価対象磁粉
のキズ検出性能は、1位:スーパーマグナ蛍光磁粉LY
−20(前出)、2位:スーパーマグナ蛍光磁粉LY−
4300(前出)、3位:スーパーマグナ蛍光磁粉LY
−2300(前出)の順位でより浅いキズまで検出可能
なものと評価できる。なお、この評価結果は、本発明I
の実施の形態において残留法によって評価した場合と一
致している。
【0070】ここに得た磁粉評価治具と前記本発明Iの
実施の形態で調製した3種の磁粉液とを用い連続法によ
って次の通りの評価作業を実施した。
【0071】上記磁粉評価治具の他の1個を、コイル法
によって上記と同じ磁化コイルの内壁に置き磁化電流値
直流1000Aで直方体1の長手方向に対して平行方向
の磁場を加えて磁化した状態において、先ず、スーパー
マグナ蛍光磁粉LY−20(前出)を用いて調製した前
記磁粉液を該評価治具のシート体4面に散布し、該シー
ト体4表面に形成されている直線状溝3、31、32に
対応する各線状磁粉指示模様を、上記残留法による場合
と同様にして、観察・分類したところ表2に示す通りで
あった。測定後、当該評価治具を水洗するとシート体4
表面に形成されていた各線状磁粉指示模様は容易に除去
でき、上記残留法による場合と同様にチェックしても残
留している蛍光磁粉は認められなかった。
【0072】次に、水洗後の上記評価治具を上記と同一
の磁化条件で磁化した状態において、上記と同一の散布
操作によって、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−2300
(前出)を用いて調製した前記磁粉液によりシート体4
表面に形成させた直線状溝3、31、32に対応する各
線状磁粉指示模様を、上記と同様にして、観察・分類し
たところ表2に示す通りであった。測定後、当該評価治
具を水洗するとシート体4表面に形成されていた各線状
磁粉指示模様は容易に除去でき、上記と同様にチェック
しても残留している蛍光磁粉は認められなかった。
【0073】さらに、水洗後の上記評価治具を上記と同
一の磁化条件で磁化した状態において、上記と同一の散
布操作によって、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−430
0(前出)を用いて調製した前記磁粉液によりシート体
4表面に形成させた直線状溝3、31、32に対応する
各線状磁粉指示模様を、上記と同様にして、観察・分類
したところ表2に示す通りであった。測定後、当該評価
治具を水洗するとシート体4表面に形成されていた各線
状磁粉指示模様は容易に除去でき、上記と同様にチェッ
クしても残留している蛍光磁粉は認められなかった。
【0074】
【表2】
【0075】表2の観察・分類結果による評価対象磁粉
のキズ検出性能の評価順位は、上記残留法によった場合
と一致している。
【0076】
【実施例】以下に本発明I、IIの実施例及び比較例を示
す。
【0077】実施例1 前記本発明Iの実施の形態と同一仕様にて図1、2に示
す構成の磁粉評価治具10個を製作し、各評価治具を軸
通電法により磁化電流値直流1000Aで直線状溝2に
対して直角方向の磁場を加えて磁化した後、該磁化後の
各評価治具を前記本発明Iの実施の形態にて調製したス
ーパーマグナ蛍光磁粉LY−20(前出)を用いた磁粉
液に2秒間浸潰してからゆっくり引き上げ、各シート体
4表面に形成されている各線状磁粉指示模様の短辺13
端縁から短辺12に向って延びている長さを、紫外線灯
照射下に、スケールを用いて測定したところ、各長さは
90mm±1mmの範囲内にあり、この結果から各直線状溝
2はほぼ同一寸法・形状に形成されていることが確認で
きた。
【0078】実施例2 直線状溝2をその深さに表面から4mmに到る直線状勾配
をつけて形成した以外は、前記本発明Iの実施の形態と
同一仕様にて図1、2に示す構成の磁粉評価治具1個を
製作した。
【0079】上記評価治具を用いて前記本発明Iの実施
の形態と同一条件にて残留法による評価作業を実施した
結果は、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−20(前出)を
用いて調製した磁粉液により形成された線状磁粉指示模
様の長さは94mm、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−23
00(前出)を用いて調製した磁粉液により形成された
線状磁粉指示模様の長さは87mm、スーパーマグナ蛍光
磁粉LY−4300(前出)を用いて調製した磁粉液に
より形成された線状磁粉指示模様の長さは92mmであっ
た。
【0080】また、上記評価治具を用いて、磁化電流値
を直流250Aとした以外は、前記本発明Iの実施の形
態における残留法と同一条件にて残留法による評価作業
を実施した結果は、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−20
(前出)を用いて調製した磁粉液により形成された線状
磁粉模様の長さは42mm、スーパーマグナ蛍光磁粉LY
−2300(前出)を用いて調製した磁粉液により形成
された線状磁粉指示模様の長さは40mm、スーパーマグ
ナ蛍光磁粉LY−4300(前出)を用いて調製した磁
粉液により形成された線状磁粉指示模様の長さは41mm
であった。
【0081】実施例3、比較例1 シート体4を厚さ0.5mmのアルミニウム板に変更した
以外は、前記本発明Iの実施の形態と同一仕様にて図
1、2に示す構成の磁粉評価治具1個を製作した。
【0082】上記評価治具を用いて、磁化電流値を直流
1000Aとした以外は、前記本発明Iの実施の形態に
おける連続法と同一条件にて連続法による評価作業を実
施した結果は、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−20(前
出)を用いて調製した磁粉液により形成された線状磁粉
模様の長さは81mm、スーパーマグナ蛍光磁粉LY−2
300(前出)を用いて調製した磁粉液により形成され
た線状磁粉指示模様の長さは70mm、スーパーマグナ蛍
光磁粉LY−4300(前出)を用いて調製した磁粉液
により形成された線状磁粉指示模様の長さは81mmであ
った。
【0083】なお、上記評価治具を用いて、磁化電流値
を直流250Aとした以外は、前記本発明Iの実施の形
態における連続法と同一条件にて連続法による評価作業
を実施したが、いずれの磁粉液の場合にもシート体4面
上に線状磁粉指示模様は形成しなかった。この結果から
磁化電流値が低い場合には、シート体4の厚さをできる
だけ薄いものとすべきことが判る。
【0084】実施例4 直線状溝2をその深さに表面から4mmに到る直線状勾配
をつけて形成した以外は、前記本発明Iの実施の形態と
同一仕様にて図2に示す構成の直方体ブロック1を3個
作成した。
【0085】次に、厚さ0.2mmのアルミニウム箔、厚
さ0.4mmのアルミニウム板及び厚さ0.5mmのアルミ
ニウム箔を、それぞれ100mm×30mmに切断してシー
ト体4を3枚作成し、これら厚みの異なる各シート体4
を上記各直方体ブロック1に、前記本発明Iの実施の形
態と同一手段によって貼り付け、図1に示す構成の磁粉
評価治具3個を製作した。
【0086】上記各評価治具を用いて、前記本発明Iの
実施の形態における残留法と同一条件にて残留法による
評価作業を実施した結果は表3に示す通りであった。
【0087】
【表3】
【0088】実施例5 前記本発明IIの実施の形態と同一仕様にて図3、4に示
す構成の磁粉評価治具10個を製作し、各評価治具をコ
イル法により前記本発明IIの実施の態様で使用した磁化
コイルによって磁化電流値直流1000Aで直方体1の
長手方向に対して平行方向の磁場を加え磁化した後、該
磁化後の各評価治具を前記本発明Iの実施の形態にて調
製したスーパーマグナ蛍光磁粉LY−20(前出)を用
いた磁粉液に2秒間浸潰してからゆっくり引き上げ、各
シート体4表面に形成されている直線状溝3、31、3
2に対応する各線状磁粉指示模様を紫外線灯照射下に、
目視にて観察し、前記本発明IIの実施の態様における場
合と同様にして分類したところ、いずれの評価治具も、
直線状溝3(90°)に対応する線状磁粉指示模様は
○、直線状溝31(67.5°)に対応する線状磁粉指
示模様は△、直線状溝32(45°)に対応する線状磁
粉指示模様も△に分類でき、この結果から各評価治具の
溝は、ほぼ同一寸法・形状に形成されていることが確認
できた。
【0089】実施例6、比較例2 実施例5で製作した磁粉評価治具1個を用い、磁化電流
値を直流900Aとした以外は、前記本発明IIの実施の
形態における連続法と同一条件にて連続法による評価作
業を実施した結果は表4に示す通りであった。
【0090】
【表4】
【0091】なお、上記評価治具を用いて、磁化電流値
を直流500Aとした以外は、前記本発明IIの実施の形
態における連続法と同一条件にて連続法による評価作業
を実施したが、いずれの磁粉液の場合にもシート体4面
上に線状磁粉指示模様は形成しなかった。
【0092】
【発明の効果】本発明I、IIによれば、ほぼ同一寸法
・形状の溝(人キズ)をもつ磁粉の評価治具が、再現
性よく、しかも、容易に製作でき、また、強度的にも耐
久性に優れたものが製作できる。そして、ほぼ同一寸法
・形状の溝(人キズ)をもつ複数個の磁粉の評価治具
を併用することによって複数種の磁粉による各磁粉指示
模様の実物を比較することができる。
【0093】また、本発明I、IIに係る磁粉の評価治具
は、使用後の洗浄が非常に容易である。
【0094】また、本発明I、IIに係る磁粉の評価治具
を永久磁石化して置くことにより、磁化電源や磁化装置
がない場所において残留法による評価作業が実施でき
る。
【0095】従って、本発明I、IIは、前記(1)〜
(6)の諸問題点が解決できるから、磁粉メーカーは勿
論、鉄鋼メーカーや自動車メーカーなどの磁粉ユーザー
の要請を満たすものであり、その産業利用性は大きいと
言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明Iに係る磁粉の評価治具の斜視図。
【図2】図1におけるシート体4を除いた状態を示す斜
視図。
【図3】本発明IIに係る磁粉の評価治具の斜視図。
【図4】図3におけるシート体4を除いた状態を示す平
面図。
【符号の説明】
1 強磁性体材料からなる直方体 11 面 12 一方の短辺 13
他方の短辺 14 一方の長辺 15 他方の長辺 2 一方の短辺12端縁から対向する他方の短辺13端
縁にかけて形成されている直線状溝 3 一方の長辺14端縁から対向する他方の長辺15端
縁にかけて形成されている直線状溝 4 非磁性体材料からなるシート体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−99257(JP,A) 特開 昭56−11352(JP,A) 実開 昭53−75185(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/72 - 27/90

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁化することによって永久磁石化できる
    強磁性体材料からなる直方体の一面に、一方の辺端縁
    から対向する他方の辺端縁にかけて、0.1〜0.4
    mmの範囲内の幅をもつ直線状溝をその深さに表面から
    2〜5mmの範囲内に到る直線状勾配をつけて形成する
    と共に、該溝が形成されている面に非磁性体材料からな
    る0.1〜0.5mmの範囲内の厚みをもつシート体を
    貼り付けてなり、前記直方体が磁化されているときに前
    記溝から生じる漏洩磁束の強さが該溝の深さの勾配に対
    応して強から弱に段階的に変化していることを特徴とす
    る磁粉探傷試験方法用磁粉の評価治具。
  2. 【請求項2】 磁化することによって永久磁石化できる
    強磁性体材料からなる直方体の一面に、一方の辺端縁
    から対向する他方の辺端縁にかけて、0.1〜0.4
    mmの範囲内の幅で1〜5mmの範囲内の一定深さをも
    つ直線状溝複数本を、間隔を置き、且つ、個々の直線状
    溝の一方の辺に対する角度を90°〜30°の範囲内
    において順次小さくして形成すると共に、該溝が形成さ
    れている面に非磁性体材料からなる0.1〜0.5mm
    の範囲内の厚みをもつシート体を貼り付けてなり、前記
    直方体が磁化されているときに前記各溝から生じる漏洩
    磁束の強さが該各溝の一方の辺に対する角度に対応し
    強から弱に段階的に変化していることを特徴とする磁
    粉探傷試験方法用磁粉の評価治具。
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