JPH08159941A - 微小表面硬度測定装置 - Google Patents

微小表面硬度測定装置

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JPH08159941A
JPH08159941A JP30256094A JP30256094A JPH08159941A JP H08159941 A JPH08159941 A JP H08159941A JP 30256094 A JP30256094 A JP 30256094A JP 30256094 A JP30256094 A JP 30256094A JP H08159941 A JPH08159941 A JP H08159941A
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三郎 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 先端に探針(12)を取り付けた両持ちレバ
ー(11)、その両持ちレバーを固定する両持ちレバー
台(14)、両持ちレバーの変位を測定する1軸レバー
用アクチュエータ(15)、試料の位置を変化させる3
軸観察用アクチュエータ(17)、および、変位計(1
6)からなる表面硬度測定装置であって、探針の垂直押
し込み力と押し込み深さとの測定により微小表面の硬さ
を測定する。 【効果】 押し込み力−押し込み深さとの測定によって
ナノスコピックレベルにおける微小表面硬度測定を行う
ことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、微小表面硬度測定装
置に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、
構造材料中の結晶粒界、亀裂先端近傍の微小領域、薄
膜、材料表面の酸化膜、積層膜、イオン注入層などの表
面硬度の測定に有用な、ナノスコピックレベルでの微小
硬さ測定を可能とする、新しい微小表面硬度測定装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、電気電子、通信などの
諸産業においては、その材料の高性能化および高度化の
発展には著しいものがあり、それら材料の高性能化およ
び高度化を支える技術のひとつとして、結晶粒界や、亀
裂先端近傍の微小領域、薄膜、材料表面の酸化膜、積層
膜、あるいはイオン注入層などにおいて、その表面の硬
さやヤング率を精度よくnm、nN等のナノスコピック
レベルで測定することが重要な課題になっている。
【0003】従来、材料の表面硬度を測定する装置とし
ては、ビッカース硬さ試験機等が用いられており、例え
ば、ビッカース硬さ試験機では、ダイヤモンドなどでで
きた圧子を材料表面に一定の荷重で押しつけ、その荷重
を抜いた後に残存した永久くぼみの表面積を用いて、表
面硬度測定している。しかしながら、このようなビッカ
ース硬さ試験機に代表される従来の硬さ試験機では、ナ
ノメートル(nm)、および、ナノニュートン(nN)
を対象とするナノスコピックレベルの測定は不可能であ
った。
【0004】一方、最近になって、原子間力顕微鏡(A
FM)の技術を用いて、ナノスコピックレベルを対象と
する硬さ測定に関する検討が進められてもいる。この原
子間力顕微鏡(AFM)を用いた表面硬度測定装置とし
ては、例えば図1に示したものが知られており、この装
置は、先端に探針(2)を取り付けた片持ちレバー
(1)、その片持ちレバー(1)を固定するレバー台
(7)、レーザー発生器(3)、検出器(4)、並びに
上部に試料(5)を取付け固定した三軸駆動アクチュエ
ータ(6)から構成されている。
【0005】そして、この装置においては、三軸駆動ア
クチュエータ(6)をz方向、すなわち、垂直方向に押
し上げ、片持ちレバー(1)に作用する力を、レーザー
発生器(3)とその検出器(4)を組み合わせた光てこ
方式によりレバーの回転角として計測し、このレバーの
回転角から押し込み力を算出している。しかしながら、
このAFMを用いた表面硬度測定装置では、押し上げ変
位量に比較し、探針が試料に押し込まれる量は、1桁以
上小さいため、押し込み深さを精度良く測定することは
できないという欠点がある。
【0006】そこでごく最近になってから、前記図1に
おいて、三軸駆動アクチュエータ(6)をz方向、すな
わち、垂直方向に押し上げた後、そのアクチュエータ
(6)を下げ、力を除いた後に残っている試料表面の圧
痕に着目して、この圧痕から表面硬度を測定する方法が
検討されている。すなわち、この方法においては、アク
チュエータをx−yの水平面内で走査し、取得した材料
表面のAFM像から、圧痕の深さを測定し、そして、そ
の圧痕の深さが、探針が試料に押し込む深さとほぼ等し
いとの仮定のもとに、試料の表面硬度を求めるものであ
る。
【0007】しかしながら、ナノスコピックレベルにお
いては、探針が試料表面から力を除く過程での試料表面
の弾性変形により、押し込み深さが浅くなる量が無視で
きなくなるために、圧痕深さから求まる表面硬度は、押
し込み深さから求められる真の表面硬度よりも、著しく
大きくなってしまうという問題が生じている。またさら
に、このような測定装置においては、片持ちレバーを用
いているために、三軸駆動アクチュエータを押し上げる
と、その片持ちレバーが歪んでしまい、探針を試料に対
して垂直に押し込めず、圧痕深さに大きな誤差が含んで
しまうという欠点が避けられない。例えば図2に例示し
たように、探針先端が水平方向に移動してしまい、圧痕
が水平方向に長くなってしまうのである。つまり、この
ようなAFM像を用いて、試料表面の圧痕の深さを測定
しても、その値は、真の値を示していないことになる。
【0008】このように、従来の表面硬度測定装置にお
いては、AFM技術を用いているとしても、試料表面の
弾性変形を無視し、しかも片持ちレバーの歪みが避けら
れないことによって、表面硬度測定には大きな誤差がと
もなわざるを得なかった。この発明は、以上の通りの事
情に鑑みてなされたものであって、従来技術の欠点を解
消し、ナノスコピックレベルにおいても、高精度で測定
することが可能な、新しい表面硬度測定装置を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するために、中間部に探針を配設した両持ちレバ
ーと、その両持ちレバーを固定する両持ちレバー台、両
持ちレバー用の1軸アクチュエーター、試料の位置を変
化させる観察用3軸アクチュエータ、並びに変位計とを
備えた表面硬度測定装置であって、両持ちレバーに配設
した探針を試料表面に垂直に押し込み、この時の押し込
み力と押し込み深さとを測定して微小硬さ測定を行うこ
とを特徴とする微小表面硬度測定装置を提供する。
【0010】そしてまた、この発明は、上記の装置にお
いて、両持ちレバー台の対向するレバーアームの間に
は、その間隔を調整して両持ちレバーに加わる張力を調
節する張力調節手段が設けられていることや、張力調節
手段は、その一端部が一方のレバーアーム内側に当接す
るネジ手段からなること、両持ちレバー台の対向するレ
バーアームの各々は、切欠き部の配設によるバネ体とな
っている装置をもその一つの態様として提供する。
【0011】
【作用】すなわち、この発明は、従来のAFM硬さ測定
装置に用いられている片持ちレバーの構造として本質的
に相異して両持ちレバーの構造を採用し、この構造によ
り、従来の片持ちレバーの構造では避けられなかった歪
みを解消し、レバーに力を加えても、探針は試料の表面
に垂直に押し込むことができるようにしている。
【0012】また、この発明では、試料表面の弾性変形
までも考慮し、探針の押し込み深さを求め、レバー用1
軸アクチュエータの伸びと両持ちレバーのバネ定数とか
ら押し込み力を求め、押し込み力−押し込み深さ曲線を
取得し、ナノスコピックレベルにおける表面硬度測定を
可能としている。さらに詳しくこの発明の表面硬度測定
装置について説明すると、まず、その構成としては例え
ば、図3(a)(b)に例示したものをひとつの態様と
して示すことができる。
【0013】すなわち、この発明の表面硬度測定装置
は、その中間部に探針(12)を取り付けた両持ちレバ
ー(11)と、その両持ちレバーを固定する両持ちレバ
ー台(14)、両持ちレバーの変位を測定する両持ちレ
バー用1軸アクチュエータ(15)、試料の位置を変化
させる観察用3軸アクチュエータ(17)、並びに変位
計(16)とを備えている。
【0014】このレバー台(14)はレバー用1軸アク
チュエータ(15)と接続し、z方向すなわち垂直方向
に移動できるようにしている。また両持ちレバー(1
1)の探針(12)の取り付け部は、垂直変位のみとな
るので、変位計(16)を用いた変位測定では従来まで
の通常のAFMで用いる光てこ方式は採用せず、光学焦
点式やトンネル電流を利用するSTM方式等を用いるこ
とにする。
【0015】また、レバー用1軸アクチュエータ(1
5)にピエゾセラミックスを用いる場合には、ピエゾセ
ラミックスの持つヒステリシスの影響を避けるため、そ
れに歪みゲージを貼り付けてもよい。この発明における
両持ちレバー台(14)としては、例えば図4(a)
(b)に例示したものをひとつの態様として示すことが
できる。
【0016】両持ちレバー台(14)には両持ちレバー
(11)が取り付けられることになる。この取り付けに
際しては、たとえば貼着時には、両持ちレバー(11)
に初期張力が生じ、この張力は、表面硬度測定において
押し込み力−押し込み深さ測定に影響を及ぼす。そこ
で、両持ちレバー台(14)の対向するレバーアーム
(24)(25)の間には、両者の間隔を調整して、こ
の張力を調節する手段を設けることが有効となる。図4
(a)(b)の例では、その一端部が一方のレバーアー
ム(24)の内側に当接調節ネジ(23)を設けてい
る。そして、さらにこの例では、レバーアーム(24)
(25)には切欠き部(28)(29)を設けて、レバ
ーアーム(24)(25)をバネ部(26)(27)と
してもいる。
【0017】例えば、この構成によって、両持ちレバー
(11)を取り付ける前に、レバーアーム(24)(2
5)に対して調節ネジ(23)でその間隔を広げ、次
に、両持ちレバー(11)を両持ちレバー台(14)に
取付けて、さらに張力が残留する場合には、調節ネジ
(23)を締めたり、または、ゆるめたりすることによ
り、両持ちレバー(11)の張力を0にすることが望ま
しい。
【0018】ばね部(26)(27)は、調節ネジ(2
3)による変位を大きくするためのものである。もちろ
んこの発明においては、両持ちレバーとして、図3およ
び図4に例示した形状に限定されるものではなく、例え
ば、円盤状薄膜の中央に探針を設けた両持ちレバー等を
用いることも可能である。
【0019】そしてこの発明の表面硬度測定装置では、
表面硬度の測定に際しては、まずはじめに小さい測定力
のもとで図3に示した観察用3軸アクチュエータ(1
7)をx−yの水平面内で駆動させ、硬さを測定する位
置に探針(12)の先端を移動させる。次に、レバー用
1軸アクチュエータ(15)を伸ばし、探針(12)の
先端を試料(13)の表面に押し込む。
【0020】探針の押し込み深さは観察用3軸アクチュ
エータ(17)の垂直方向の伸び量と等しくなり、また
押し込み力はレバー用1軸アクチュエータ(15)の伸
びと両持ちレバー(11)のばね定数の積として与えら
れるので、表面硬度を求めるために必要な押し込み力−
押し込み深さ曲線を求めることができる。さらに、この
発明においては、探針の先端を試料の表面に押し込んだ
時、探針(12)が試料(13)に押し込まれて位置が
下がると、観察用3軸アクチュエータ(17)をz方向
すなわち垂直方向に伸ばし、両持ちレバー(11)の探
針(12)の取り付け部の垂直方向の位置を常に一定に
保つようにフィードバック制御を行ってもよい。
【0021】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明について説明する。
【0022】
【実施例】図3に例示した表面硬度測定装置を用いて、
金、SUS403鋼、およびSNCM439鋼につい
て、微小表面硬度を測定した。上記の試料とした材料の
表面はあらかじめエメリー紙で研磨した後に、アルミナ
粉でバフ研磨した。
【0023】図3の両持ちレバーとしては、長鎖20m
m、幅1mm、厚さ20μmのSUS304鋼薄板中央
に対稜角60°で高さ0.2mmの三角錐形状のダイヤ
モンド探針を取り付けたものを使用した。また、変位計
としては光学焦点式のものを用い、最大出力10V、精
度300nm/Vのものを用いた。また、観察用3軸ア
クチュエータには最大走査範囲が、x、y方向で、24
μm、z方向で4.5μmのものを用いた。
【0024】試料の金、SUS403鋼、およびSNC
M439鋼の押し込み荷重−押し込み深さの関係を示し
たものが図5である。この図5に示したように、どの押
し込み力の場合においても、SNCM439鋼、SUS
403鋼、金の順に押し込み深さが大きくなっているこ
とがわかる。比較のために従来のビッカース硬さ試験機
を用いて、押し込み荷重0.5Nのもとでビッカース硬
さ値Hvを求めた。その結果は、金がHv=77.4,
SUS403鋼がHv=198、SNCM鋼がHv=5
20であった。
【0025】次に、種々の条件下で求めた最大押し込み
力とそのときの最大押し込み深さの関係を両対数グラフ
上に表し、その精度について評価した。まずはじめに、
従来の測定方法で用いられていた手法としての、圧痕の
深さを測定するためのAFM像を観察した。図6、図7
および図8は、押し込み荷重と押し込み曲線を求めた後
に形成されていた圧痕について、AFM像を用いて観察
した結果であり、図6は金表面に形成された圧痕のAF
M像、図7はSUS403鋼表面に形成された圧痕のA
FM像、図8はSNCM439鋼表面に形成された圧痕
のAFM像を示している。これらのAFM像の表示で
は、上下を逆にして表示しており、中央付近の白く飛び
出した部分が圧痕である。
【0026】この図6〜8に示されているように、圧痕
はダイヤモンド探針と同じ三角錐となっており、また柔
らかい金の場合には最も大きく、硬いSNCM439の
場合には最も小さくなっていることがわかる。種々の条
件下で求めた最大押し込み力とそのときの最大押し込み
深さの関係を両対数グラフ上で表わすと、図9の、金の
場合の押し込み力と、押し込み深さおよび圧痕深さとの
関係、図10の、SUS403鋼における押し込み力
と、押し込み深さおよび圧痕深さとの関係、図11の,
SNCM439鋼における押し込み力と、押し込み深さ
および圧痕深さとの関係として示される。各々の図にお
いて●印は観察用3軸アクチュエータのz軸移動量から
正確に測定した探針の試料への押し込み深さであり、○
印は荷重を除いた後に前記のAFM像より測定した圧痕
の深さを示したものである。このように、●印探針の試
料への押し込み深さと、○印の圧痕の深さとは、大きな
差があることがわかる。
【0027】この違いは、以下の通りに考察される。す
なわち、まず一般的には、ビッカース硬さHvは、押し
込み力F〔N〕と押し込み時の材料の圧力接触面積S
〔mm2 〕とから、次式で定義される。
【0028】
【数1】
【0029】この発明のように、探針として三角錐ダイ
ヤモンドを用いると、Sは次式で与えられる。
【0030】
【数2】
【0031】ここで、h〔mm〕は押し込み深さ、θは
三角錐の対稜角であり、この発明ではθは60°であ
る。図9、図10および図11中の実線は、前述の通常
のビッカース硬さ試験機で求めたそれぞれの材料のビッ
カース硬さHvを用い、この値を式(1)に代入し、式
(1)と式(2)とから求められる押し込み力Fと押し
込み深さhとの関係を示したものである。
【0032】一方、材料が弾性体で塑性変形せず、圧痕
を作らないと仮定すると、数値解析で求めた押し込み荷
重F〔mN〕と弾性押し込み量he〔μm〕の関係は次
式で与えられる。
【0033】
【数3】
【0034】ここで、Cは定数であり、以下の式で与え
られる。
【0035】
【数4】
【0036】この式(4)において、Eはヤング率で、
金では80〔GPa〕、SUS403鋼とSNCN43
9鋼では210〔GPa〕である。また、式(4)にお
いて、νはボアソン比で3つの材料において、この値を
0.3とし、また、αは三角錐側面と中心角とのなす角
で、この実施例で用いた対稜角60°の三角錐において
は、α=19.5°となる。
【0037】図9、図10および図11中の一点鎖線
は、式(3)と(4)から求められる押し込み力と弾性
押し込み深さとの関係を示したものである。これらの図
9、図10および図11の実線と一点鎖線を参照しなが
ら、●印探針の試料への押し込み深さと、○印の圧痕の
深さとの大きさ差異について検討すると、図9〜図11
において、●印の実測した押し込み力−押し込み深さ曲
線では、押し込み深さが大きい側では実線に近づき、押
し込み深さが小さい側では一点鎖線に近づくことがわか
る。
【0038】一方、○印の実測した圧痕深さは、●印の
実測した押し込み深さから、一点鎖線の弾性押し込み深
さを引いたものと理論的には一致するはずであるが、そ
れらは押し込み力が弱くなるにつれて、実線あるいは一
点鎖線から著しく離れることがわかる。つまり、大きな
押し込み力で、大きな圧痕が形成される場合には、従来
の方法で行っているように、○印の圧痕深さを用い、式
(1)と(2)とから表面硬度が求められるが、ナノス
コピックレベルにおける表面硬度測定では圧痕深さは採
用できないことがわかる。
【0039】この発明の測定装置による測定の有意性が
明瞭となる。すなわち、この発明の装置による測定は、
より高精度で、真の微小表面の硬さを、押し込み力と押
し込み深さとの相関性として明示することが可能とな
る。また、さらに、一般的な硬さの定義によると、測定
対象の厚さは、押し込み深さの10倍以上必要であり、
この点を考慮して、図5並びに図9、図10および図1
1の結果を検討すると、押し込み深さの最小値は、10
nm以下となっており、従って、この発明は、少なくと
も100nm厚さの薄膜の硬さ測定を可能とし、半導体
分野などで今後開発が進められる種々の薄膜構造の材料
強度特性評価に使用できることがわかる。
【0040】なお、図9、図10および図11の押し込
み力は、マイクロニュートン(μN)レベルにあるが、
これは金、SUS403鋼、および、SNCM439鋼
のように比較的硬い材料を用いたことによるものであ
り、さらに柔らかい材料を対象にする場合には、押し込
み力はナノニュートン(nN)レベルとなる。
【0041】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
り、押し込み力−押し込み深さ曲線を取得することが可
能となり、ナノスコピックレベルにおける表面硬度測定
を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の表面硬度測定装置を示した概略図であ
る。
【図2】従来の表面硬度測定装置を用いた場合のAFM
像としての図面に代わる顕微鏡写真である。
【図3】(a)(b)は、各々、この発明の表面硬度測
定装置を例示した正面図および族面図である。
【図4】(a)(b)は、各々この発明の表面硬度測定
装置の一部としてのレバーおよびレバー台の構成を例示
した正面図および側面図である。
【図5】この発明の実施例としての、押し込み力と押し
込み深さを示した関係図である。
【図6】この発明の実施例において、金の試料表面の圧
痕を示したAFM像としての図面に代わる顕微鏡写真で
ある。
【図7】この発明の実施例において、SUS403試料
表面の圧痕を示したAFM像としての図面に代わる顕微
鏡写真である。
【図8】この発明の実施例において、SNCM439試
料表面の圧痕を示したAFM像としての図面に代わる顕
微鏡写真である。
【図9】この発明の実施例において、押し込み力と押し
込み深さを示した関係図である。
【図10】この発明の実施例において、押し込み力と押
し込み深さを示した関係図である。
【図11】この発明の実施例において、押し込み力と押
し込み深さを示した関係図である。
【符号の説明】
1 片持ちレバー 2 探針 3 レーザー発生器 4 検出器 5 試料 6 三軸駆動アクチュエータ 7 レバー台 11 両持ちレバー 12 探針 13 試料 14 両持ちレバー台 15 レバー用1軸アクチュエータ 16 変位計 17 観察用3軸アクチュエータ 18 ひずみゲージ 23 調節ネジ 24 レバーアーム 25 レバーアーム 26 ばね部 27 ばね部 28 切欠き部 29 切欠き部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間部に探針を配設した両持ちレバー
    と、その両持ちレバーを固定する両持ちレバー台、両持
    ちレバー用の1軸アクチュエータ、試料の位置を変化さ
    せる観察用3軸アクチュエータ、並びに変位計とを備え
    た表面硬度測定装置であって、両持ちレバーに配設した
    探針を試料表面に垂直に押し込み、この時の押し込み力
    と押し込み深さとを測定して微小硬さ測定を行うことを
    特徴とする微小表面硬度測定装置。
  2. 【請求項2】 両持ちレバー台の対向するレバーアーム
    の間には、その間隔を調整して両持ちレバーに加わる張
    力を調節する張力調節手段が設けられている請求項1の
    測定装置。
  3. 【請求項3】 張力調節手段は、その一端部が一方のレ
    バーアーム内側に当接するネジ手段からなる請求項1の
    測定装置。
  4. 【請求項4】 両持ちレバー台の対向するレバーアーム
    の各々は、切欠き部の配設によってバネ体となっている
    請求項1、2または3の測定装置。
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