JPH08159570A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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Publication number
JPH08159570A
JPH08159570A JP6302397A JP30239794A JPH08159570A JP H08159570 A JPH08159570 A JP H08159570A JP 6302397 A JP6302397 A JP 6302397A JP 30239794 A JP30239794 A JP 30239794A JP H08159570 A JPH08159570 A JP H08159570A
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JP
Japan
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refrigerant
section
heat exchange
expansion valve
temperature
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JP6302397A
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English (en)
Inventor
Shinji Kakehashi
伸治 梯
Masahiro Shitaya
昌宏 下谷
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冬期の様な低温時にも、適切に膨張弁を駆動
して冷媒流量を確保し、十分な冷房能力を維持すること
ができる冷凍装置を提供すること。 【構成】 コンプレッサ1は、ガス状の冷媒を圧縮して
凝縮器2に送り、凝縮器2は、冷媒を外部の空気により
冷却して液状の冷媒として、レシーバ4に送る。レシー
バ4は、冷媒を一時蓄え、レシーバ4を出た冷媒は、膨
張弁6に送られる。膨張弁6は、送られてきた冷媒を減
圧させるものであり、弁7の移動により、その開度が調
節可能とされている。膨張弁6の弁7を駆動するため
に、キャピラリチューブ14を介して感温筒8が接続さ
れている。この感温筒8は、検知した温度に応じて室6
aの圧力を変化させて、ダイヤフラム12を介して弁7
の開度を調節するものであり、熱交換器16の蒸発部1
8の出口と冷媒熱交換部20の冷媒流出路32の入口と
の間に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷凍装置に関し、詳しく
は例えば自動車用空気調和装置等の冷凍サイクルに用い
られる冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用空気調和装置等の冷凍
サイクルに用いられる冷凍装置は、圧縮機,凝縮器,受
液器,膨張弁,(蒸発部などを備えた)熱交換器等によ
り構成されており、この密閉された回路へ冷媒を循環さ
せることにより、蒸発部の冷媒と室内空気とで熱交換を
行なって室内を冷却している。
【0003】前記冷凍サイクルにおいては、膨張弁を通
って断熱膨張した冷媒は、ガスと液との二相流の状態と
なって蒸発部に入り、ここで外部より熱を吸収して気化
(蒸発)し、等温膨張を続けて室内空気の冷却作用を果
たし、その後、この膨張した冷媒は過熱蒸気となって圧
縮器に吸入される。
【0004】また、近年では、熱交換の性能等の観点か
ら、積層型の熱交換器を備えた冷凍装置が開発されてい
る。この冷凍装置は、図11に示す様に、多くの管板を
積層して複数の蒸発流路を形成した蒸発部P1と、冷媒
流入路(被冷却流路)P2及び冷媒流出路(冷却流路)
P3を近接して熱交換可能に形成した冷媒熱交換部P4
と、冷媒流入路P2の上流側に配置された膨張弁(減圧
弁)P5と、冷媒流入路P2と蒸発部P1との間に配置
された固定の絞り部P6等を備えている(特開平5−1
96321号公報参照)。
【0005】そして、この冷凍装置では、冷凍サイクル
の凝縮器P7で凝縮され、膨張弁P5により一旦減圧さ
れた冷媒は、冷媒流入路P2にて更に冷却され、絞り部
P6にて更に減圧された後、蒸発部P1にて蒸発し、周
囲の空気から蒸発熱を吸収して、冷媒流出路P3に導入
される。この冷媒流出路P3に導入された冷媒は、冷媒
流入路P2の冷媒よりも低温化しているので、冷媒流入
路P2の冷媒から熱を奪って冷凍サイクルに還元され
る。この様にして、冷媒熱交換部P4を持たせたことに
より、蒸発部P1に導入される乾き度(冷媒の気体成分
の割合)を低減して、熱交換効率を向上させている。
【0006】また、この冷凍装置では、感温筒P7を用
いて、冷媒温度に応じて膨張弁P5の開度を調節するこ
とによって、冷媒の過熱度制御を行なっている。つま
り、冷媒の過熱度が低下して、圧縮機P8に液冷媒が流
入すると、圧縮機P8の能力の低下等の障害が発生する
ので、それを防止するために、冷媒流出路P3の下流側
に感温筒P7を配置し、冷媒流出路P3から流出する冷
媒の温度に応じて膨張弁P5を開閉することにより、冷
媒の過熱度が一定以下に低下しない様に制御している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の様な
冷凍装置であっても、必ずしも十分でなく、一層の改善
が望まれていた。例えば冬期などの低温時やエアコンの
試運転時の様に、膨張弁P5の上流側の冷媒圧力が低く
なる場合には、冷媒流入路P2の冷媒温度が冷媒流出路
P3の冷媒温度よりも低くなることがあり、それによっ
て、冷媒流入路P2の冷媒が冷媒流出路P3の冷媒によ
って暖められるいわゆる逆熱交換が発生する。
【0008】この逆熱交換が発生する状態では、図11
のa点の冷媒温度よりb点の冷媒温度の方が高くなって
おり、しかも、b点の冷媒は逆熱交換によって冷媒流出
部P3にて冷却されて、感温筒P7が配置されたc点の
冷媒の温度が低下する。よって、このc点の低い温度を
感温筒P7で検知することにより、膨張弁P5は閉じる
様に駆動されるので、冷媒流量が低減してしまう。その
結果、実際にはそれほど冷房能力が高く設定されていな
いにもかかわらず、冷房能力を低減する様に働くので、
冷房能力が過度に低下して、例えばエアコンの曇りを除
去する能力などが不足するという問題があった。
【0009】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、例えば冬期の様な低温時にも、適切に
膨張弁を駆動して冷媒流量を確保し、十分な冷房能力を
維持することができる冷凍装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1の発明は、蒸発部にて冷媒を蒸発させて外部
ガスとの熱交換を行なうとともに、該冷媒を循環させる
冷凍サイクルを有する冷凍装置において、前記蒸発部に
流入する冷媒の冷媒流入路と蒸発部から流出する冷媒の
冷媒流出路とを近接して配置して、冷媒の熱交換を行な
う冷媒熱交換部と、該冷媒熱交換部の冷媒流入路の上流
側に設けられ、冷媒流入路に供給する冷媒を減圧する膨
張弁と、前記冷媒熱交換部の冷媒流入路の下流側に設け
られ、前記蒸発部に流入する冷媒量を制限する絞り部
と、前記蒸発部の出口側と前記冷媒熱交換部の冷媒流出
路の入口側との間に配置され、その配置位置の冷媒温度
を検知して前記膨張弁の開度を調節する感温部と、を備
えたことを特徴とする冷凍装置を要旨とする。
【0011】請求項2の発明は、蒸発部にて冷媒を蒸発
させて外部ガスとの熱交換を行なうとともに、該冷媒を
循環させる冷凍サイクルを有する冷凍装置において、前
記蒸発部に流入する冷媒の冷媒流入路と蒸発部から流出
する冷媒の冷媒流出路とを近接して配置して、冷媒の熱
交換を行なう冷媒熱交換部と、該冷媒熱交換部の冷媒流
入路の上流側に設けられ、冷媒流入路に供給する冷媒を
減圧する膨張弁と、前記蒸発部の出口側と前記冷媒熱交
換部の冷媒流出路の入口側との間に配置され、その配置
位置の冷媒温度を検知して前記膨張弁の開度を調節する
感温部と、を備えるとともに、前記冷媒熱交換部自身が
前記蒸発部に流入する冷媒量を制限する絞り構造を有す
ることを特徴とする冷凍装置を要旨とする。
【0012】請求項3の発明は、前記冷媒熱交換部の冷
媒流入路を迂回して、前記絞り部の上流側に冷媒を導く
バイパス流路を備えたことを特徴とする前記請求項1又
は2記載の冷凍装置を要旨とする。
【0013】請求項4の発明は、蒸発部にて冷媒を蒸発
させて外部ガスとの熱交換を行なうとともに、該冷媒を
循環させる冷凍サイクルを有する冷凍装置において、前
記蒸発部に流入する冷媒の冷媒流入路と蒸発部から流出
する冷媒の冷媒流出路とを近接して配置して、冷媒の熱
交換を行なう冷媒熱交換部と、該冷媒熱交換部の冷媒流
入路の下流側に設けられ、前記蒸発部に供給する冷媒を
減圧する膨張弁と、前記蒸発部の出口側と前記冷媒熱交
換部の冷媒流出路の入口側との間に配置され、その配置
位置の冷媒温度を検知して前記膨張弁の開度を調節する
感温部と、を備えたことを特徴とする冷凍装置を要旨と
する。
【0014】請求項5の発明は、前記膨張弁の開度を調
節する圧力を伝えるチューブに、前記配置位置の冷媒温
度を検知する感温筒が接続されていることを特徴とする
前記請求項1〜4のいずれか記載の冷凍装置を要旨とす
る。
【0015】
【作用及び発明の効果】請求項1の発明では、冷媒熱交
換部によって、蒸発部に流入する冷媒と蒸発部から流出
する冷媒との熱交換を行ない、冷媒流入路の上流側に設
けられ膨張弁によって、冷媒流入路に供給する冷媒を減
圧するとともに、冷媒入流部の下流側に設けられた絞り
部によって、蒸発部に流入する冷媒流量を制限する。ま
た、蒸発部の出口側と冷媒熱交換部の冷媒流出路の入口
側との間に配置された感温部によって、蒸発部から流出
する冷媒温度を感知し、この感知した温度に基づいて膨
張弁の開度を調節する。
【0016】つまり、本発明では、従来の様に、感温部
が、冷媒熱交換部の冷媒流出路の下流側ではなく、蒸発
部の出口側で且つ冷媒熱交換部の冷媒流出部の入口側に
配置されているので、逆熱交換の影響を受けることな
く、蒸発部の出口側近傍の冷媒の温度を検知することが
できる。よって、例えば冬期の低温時の様に、冷媒熱交
換部の冷媒流入部の上流側の冷媒温度より、蒸発部の下
流側の冷媒温度の方が高くなる様な(逆熱交換が発生す
る)状態となった場合でも、蒸発部の出口側の過熱度
(即ち高い冷媒温度)を検知することによって、熱交換
効率を高くして、冷房能力を増大することができる。
【0017】即ち、従来の様に(低い冷媒温度を検知し
て)膨張弁の開度を減少する様に働くのではなく、(高
い冷媒温度を検知して)膨張弁の開度を増大して冷媒流
量を増加する様に調節するので、蒸発部内部の乾き度が
減少し、それによって熱交換効率を高くして、冷房能力
を好適に増大することができる。
【0018】請求項2の発明では、前記請求項1と同様
に、冷媒熱交換部、膨張弁及び感温部を備えており、感
温部によって蒸発部から流出する冷媒温度を感知し、こ
の感知した温度に基づいて膨張弁の開度を調節する。特
に本発明では、前記請求項1の絞り部とは異なり、冷媒
熱交換部自身が蒸発部に流入する冷媒量を制限する絞り
構造を有しているので、装置全体をコンパクトに構成で
きるという利点がある。
【0019】請求項3の発明では、冷媒熱交換部の冷媒
流入路を迂回して絞り部の上流側に冷媒を導くバイパス
流路を備えている。従って、逆熱交換が発生して、冷媒
流入路の冷媒の気化が促進され、冷媒が冷媒流入路内を
流れにくくなる様な場合でも、このバイパス流路を通っ
た冷媒は、逆熱交換を受けることなく、絞り部を介して
蒸発部に達する。このため、冬期の低温時の様に、膨張
弁の上流側の冷媒圧力が低い場合にも、高い熱交換効率
を保持することができるという利点がある。
【0020】請求項4の発明では、冷媒熱交換部によっ
て、蒸発部に流入する冷媒と蒸発部から流出する冷媒と
の熱交換を行ない、冷媒流入路の下流側に設けられ膨張
弁によって、蒸発部に供給する冷媒を減圧する。また、
蒸発部の出口側と冷媒流出路の入口側との間に配置され
た感温部によって、蒸発部から流出する冷媒温度を感知
し、この感知した温度に基づいて膨張弁の開度を調節す
る。
【0021】従って、前記請求項1と同様な効果を奏す
るとともに、流入する冷媒の温度が高く、従って流出す
る冷媒との温度差が大きく、熱交換量も増加するので、
冷媒熱交換部をコンパクトにできるという利点がある。
請求項5の発明では、膨張弁に膨張弁の開度を調節する
圧力を伝えるチューブが取り付けられており、このチュ
ーブには上述した配置位置に取り付けられた感温筒が接
続されている。従って、感温筒で検知した冷媒温度によ
って、冷媒の圧力損失の影響を受けず、適切な過熱度で
膨張弁を駆動することができる。
【0022】尚、前記感温部が配置される蒸発部の出口
側と冷媒流出路の入口側との間としては、蒸発部の出口
と冷媒流出路の入口との間(の例えば流路)が望ましい
が、蒸発部の内部側又は冷媒流出路の内部側に多少入り
込んでいても差し支えない。また、蒸発部と冷媒熱交換
部が積層されて一体の熱交換器とされている場合は、蒸
発部と冷媒流出路との境目に感温筒が配置されることが
望ましいが、空間的に余裕がないので、その場合にも、
前記と同様に、蒸発部の内部側又は冷媒流出路の内部側
に多少入り込んでいても差し支えない。
【0023】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の冷凍装置の好適な実施例
について説明する。 (実施例1)図1は、本実施例の冷凍装置を適用した冷
凍サイクルの概略構成図である。
【0024】図1に示す様に、1はコンプレッサであ
り、車両用に適用された場合には内燃機関(図示せず)
で回転駆動され、ガス状の冷媒を圧縮して凝縮器2に送
るものである。この凝縮器2は、冷媒を外部の空気によ
り冷却して液状の冷媒として、レシーバ4に送るように
接続されている。レシーバ4は、冷媒を一時蓄えると共
に、冷媒中の塵や水分を取り除くものであり、レシーバ
4を出た冷媒は、膨張弁6に送られる。
【0025】膨張弁6は、送られてきた冷媒を減圧させ
るものであり、図2に示す様に、弁7の移動により、そ
の開度が調節可能とされている。この膨張弁6は、弁7
が、ばね10により閉弁方向に付勢力Ps により付勢さ
れると共に、弁7の一端がダイヤフラム12に係合して
いる。また、膨張弁6の弁7と反対側の室6aには、キ
ャピラリチューブ14を介して感温筒8が接続されてい
る。
【0026】尚、前記膨張弁6には、熱交換器16の下
流側の冷媒圧力P0 をダイヤフラム12の他側に導入す
る外均管17が設けられており、弁7による開度は、前
記ばね10の付勢力Ps と外均管17からの圧力P0 お
よびキャピラリチューブ14からの圧力Pf の釣合(P
f =Ps +P0 )により、熱交換器16の下流側での冷
媒圧力と冷媒温度を補償するように構成されている。
【0027】前記感温筒8は、検知した温度に応じて室
6aの圧力を変化させて、ダイヤフラム12を介して弁
7の開度を調節するものであり、熱交換器16の蒸発部
18の出口側と冷媒熱交換部20の冷媒流出路32の入
口側との間に配置されている。特に、本実施例の様に、
蒸発部18の出口と冷媒流出路32の入口とが接してい
る場合は、その境目に検温筒8が配置されるが、蒸発部
18又は冷媒流出路32の内部に多少入り込んでいても
よい。
【0028】この感温筒8は、蒸発部18の下流側の冷
媒温度が上昇すると、感温筒8内の圧力Pf が上昇し、
すなわち冷房負荷が増加すると、この圧力Pf がキャピ
ラリチューブ14を介してダイヤフラム12の一側に作
用して、弁7を開弁方向に移動して、冷媒の量を大きく
するように働く。
【0029】前記熱交換器16は、図1及び図3に示す
様に、冷媒と車室内の空気との熱交換を行なう蒸発部1
8と、蒸発部18に流入する冷媒と蒸発部18から流出
する冷媒との間で熱交換を行なう冷媒熱交換部20とを
備えている。このうち、蒸発部18は、その内部の複数
の冷媒流路(図示せず)を形成する複数のコアプレート
42,43が、フィン44を挟んで交互に積層されたも
のであり、複数の冷媒流路を通る冷媒と、車室内に供給
される空気との間で熱交換が行われるように構成されて
いる。
【0030】一方、冷媒熱交換部20は、側板46とセ
ンタプレート48との間に複数組の第1,第2プレート
51,52が積層されたものであり、複数の冷媒流入路
(被冷却流路)28と複数の冷媒流出路(冷却流路)3
2とが、熱交換可能に近接して配置されている。つま
り、冷媒熱交換部20は、入口孔27を介して膨張弁6
と連通する複数の冷媒流入路(被冷却流路)28を備え
ており、冷媒流入路28の下流側は、絞り部30(図
1)を介して蒸発部18の入口側の冷媒流路と連通して
いる。また、蒸発部18の出口側の冷媒流路に連通する
複数の冷媒流出路(冷却流路)32を備えており、冷媒
流出路32は出口孔34を介して排出流路36(図1)
に連通している。
【0031】次に、上述した本実施例の冷凍装置の動作
について、冷凍サイクルの動作と共に説明する。 (A)まず、夏期における通常の冷凍サイクルを、図4
に例示するモリエル線図と共に説明する。
【0032】コンプレッサ1の駆動により、ガス状の冷
媒が吸入されて圧縮され(f点−g点間)、凝縮器2に
送られる。凝縮器2では、冷媒と空気との間で熱交換を
行い、高温の冷媒を空気により冷却して(g点−a点
間)、液状の冷媒としてレシーバ4に送る。
【0033】レシーバ4に送られた冷媒は、一時蓄えら
れて、膨張弁6に送られる。膨張弁6は、蒸発部18の
出口側と冷媒流出部32の入口側との間に配置された感
温筒8の圧力Pf と、ばね10の付勢力Ps および外均
管17を介して検出される熱交換器16の下流の冷媒圧
力P0 との釣合により、その開度が調節される。
【0034】膨張弁6を通過した冷媒は、その開度に応
じて流量が調節されると共に減圧されて(a点−b点
間)、熱交換器16の入口孔27に送られる。冷媒は、
冷媒流入路28を介して更に冷却され、絞り部30に達
する(b点−c点間)。その後、絞り部30を介して減
圧され、蒸発部18の冷媒流路に送られる(c点−d点
間)。冷媒が冷媒流路内にあるときには、冷媒と空気と
の間で各コアプレート42,43およびフィン44を介
して熱交換が行われて、車室内へ供給される空気が冷却
される(d点−e点間)。
【0035】蒸発部18の冷媒流路から流出した冷媒
は、冷媒流出路32を通り、冷媒流入路28の冷媒から
熱を奪った後、出口孔34を介して排出流路36に排出
される(e点−f点間)。すなわち、冷媒が冷媒流出路
32を流れる際、冷媒流入路28内の冷媒との間で熱交
換が行われる。このため、冷媒流出路32を通過する冷
媒は加熱されて(e点−f点間)過熱蒸気となり、ま
た、冷媒流入路28を通過する冷媒は冷却されて(b点
−c点間)、膨張弁6の通過により気液二相状態となっ
ている冷媒が、液状の冷媒にされる。
【0036】これにより、冷媒流入路28を流れる冷媒
の液化が促進され液状の単相の冷媒となって、絞り部3
0を介して蒸発部18の冷媒流路に送られる。このた
め、図4のd点における冷媒の乾き度が所定値以下に好
ましく低下し、効率のより熱交換を行なうことができ
る。 (B)次に、冬期における逆熱交換が発生する場合の冷
凍サイクルを、図5に例示するモリエル線図と共に説明
する。
【0037】近年の車両の空調にあっては、冬期であっ
ても、冷凍サイクルを実行し、空気を除湿した後、図示
しないヒータにより加熱することがある。この冬期の場
合のように、凝縮器2を通過する空気温度が0〜10℃
と低い場合には、コンプレッサ1で圧縮(f点−g点
間)された冷媒は、凝縮器2に送られ、熱交換により冷
却されて液状の冷媒となる(g点−a点間)。しかし、
凝縮器2では外気温度が低いために、凝縮器2の出口の
圧力P1 が低くなる。
【0038】そして、凝縮器2の圧力P1 が更に低下し
たとき、冷媒が冷媒熱交換部20を通過すると、次のよ
うな逆熱交換が起こる。すなわち、液化された冷媒はレ
シーバ4を通り、膨張弁6により減圧され(a点−b点
間)、冷媒熱交換部20の冷媒流入路28に送られる
(b点−c点間)。その後、絞り部30を介して蒸発部
18の冷媒流路に送られる(c点−d点間)。この際、
供給される冷媒の圧力が低く、冷媒の量も少ない。そし
て、冷媒流路に送られた冷媒は、空気との間で熱交換を
行う(d点−e点間)。図示しないヒータにより加熱さ
れている室内の空気温度は、例えば25℃と高く、冷媒
は過熱蒸気となって、冷媒熱交換部20の冷媒流出路3
2側に送られる。
【0039】そして、蒸発部18の冷媒流路から冷媒熱
交換部20の冷媒流出路32に送られた冷媒は、冷媒流
入路28の冷媒との間で熱交換を行うが、その際、冷媒
流出路32の冷媒の温度の方が高く、冷媒流入路28の
冷媒は加熱されてしまう(b点−c点間)。また、それ
とは逆に、冷媒流出路32の冷媒は冷却されてしまう
(e点−f点間)。
【0040】この様にして、冷媒流入路28の冷媒が加
熱されると、冷媒の気化が促進され、絞り部30を通過
し難くなる。また、冷媒流出路32の冷媒は冷却される
ため、従来の様に感温筒8が冷媒流出路32の下流側に
配置されている場合は、この感温筒8により検出される
冷媒温度が低下し、膨張弁6の開度が減少して流量が低
下する。よって、上述した逆熱交換が起こると、冷凍サ
イクルの熱交換効率が低下してしまう。
【0041】それに対して、本実施例では、感温筒8
は、冷媒流出路32の下流側ではなく、冷媒流出路32
の入口側、具体的には、蒸発部18の出口側と冷媒流出
路32の入口側の境目に配置されている。従って、感温
筒8によって、蒸発部18から流出した直後の(逆熱交
換が行われる前の)過熱度の大きな冷媒の温度を検出す
ることができる。即ち、本実施例では、感温筒8により
検出される冷媒温度が高いので、この冷媒温度によって
調節される膨張弁6の開度が増加して流量が増大する。
そのため、たとえ、上述した様な逆熱交換が起こって
も、冷凍サイクルの熱交換効率が低下することがないと
いう顕著な効果を奏する。 (実施例2)次に、実施例2の冷凍装置について説明す
る。
【0042】図6に示す様に、本実施例の冷凍装置は、
前記実施例1と同様に、コンプレッサ41、凝縮器4
2、レシーバ44、(冷媒流入路45及び冷媒流出路4
6を有する)冷媒熱交換部47、蒸発部48、膨張弁5
1、感温筒52を備えたものであるが、特に膨張弁51
の位置が異なる。
【0043】つまり、本実施例では、膨張弁51は、冷
媒流入路45の下流側で且つ蒸発部48の上流側に配置
されており、固定の絞り部は廃止されている。本実施例
の冷凍装置は、図7のモリエリ線図に示す様に作動する
が、a点とb点との間には圧力差を示す段差は形成され
ておらず、このb点とc点との間と、e点とf点との間
で熱交換を行なうものである。
【0044】本実施例の場合も、前記実施例1と同様な
効果を奏するとともに、装置構成がコンパクトになると
いう利点がある。 (実施例3)次に、実施例3の冷凍装置について説明す
る。
【0045】図8に示す様に、本実施例の冷凍装置は、
前記実施例1と同様に、コンプレッサ、凝縮器、レシー
バ(図示せず)、(冷媒流入路61及び冷媒流出路62
を有する)冷媒熱交換部63、蒸発部64、膨張弁6
5、絞り部66、感温筒67を備えたものであるが、特
にバイパス流路68を設けた点が大きく異なる。
【0046】つまり、本実施例では、冷媒流入部61を
バイパスする様に、絞り部66に連通するバイパス流路
68が設けられており、このバイパス流路68及び冷媒
流入部61の下流側に、各々補助絞り部71,72が設
けられている。尚、この補助絞り部71,72、又は絞
り部66は省略可能である。
【0047】本実施例の場合も、前記実施例1と同様な
効果を奏するとともに、バイパス流路68が設けられて
いるので、たとえ逆熱交換が発生したとしても、その逆
熱交換の影響を受けることのない冷媒を蒸発部64に供
給できる。従って、冷媒の気化が促進される度合を低減
できるので、冷凍サイクルの熱交換効率が低下しないと
いう利点がある。 (実施例4)次に、実施例4の冷凍装置について説明す
る。
【0048】図9に示す様に、本実施例の冷凍装置は、
前記実施例1と同様に、コンプレッサ81、凝縮器8
2、レシーバ84、(冷媒流入路85及び冷媒流出路8
6を有する)冷媒熱交換部87、蒸発部88、膨張弁9
1、感温筒92を備えたものであるが、特に絞り部を省
略した点が異なる。
【0049】つまり、本実施例では、冷媒流入路85自
身が蒸発部88に流入する冷媒量を制限する絞り構造を
有しているので、実施例1の様な固定の絞り部を別途設
ける必要がない。本実施例の冷凍装置は、図10のモリ
エリ線図に示す様に作動するが、上述した絞り部がない
ので、c点とd点との間には圧力差を示す段差は形成さ
れておらず、このb点とc点(d点)との間と、e点と
f点との間で熱交換を行なうものである。
【0050】本実施例の場合も、前記実施例1と同様な
効果を奏するとともに、装置構成がコンパクトになると
いう利点がある。尚、本発明は前記実施例に何等限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々の態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の冷凍装置を適用した冷凍サイクル
の概略構成図である。
【図2】 冷凍サイクルの膨張弁の概略構成図である。
【図3】 冷凍装置の熱交換器の外観を表す斜視図であ
る。
【図4】 実施例1の冷凍サイクルの夏期におけるモリ
エル線図を表すグラフである。
【図5】 実施例1の冷凍サイクルの冬期における逆熱
交換発生時のモリエル線図を表すグラフである。
【図6】 実施例2の冷凍装置を適用した冷凍サイクル
の概略構成図である。
【図7】 実施例2の冷凍サイクルのモリエル線図を表
すグラフである。
【図8】 実施例3の冷凍装置を適用した冷凍サイクル
の概略構成図である。
【図9】 実施例4の冷凍装置を適用した冷凍サイクル
の概略構成図である。
【図10】 実施例4の冷凍サイクルのモリエル線図を
表すグラフである。
【図11】 従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1,41,81…コンプレッサ 2,42,8
2…凝縮器 4,44,84…レシーバ 6,51,6
5,85…膨張弁 16…熱交換器 18,48,
64,84…蒸発部 20,47,63,87…冷媒熱交換部 28,45,85…冷媒流入路(被冷却流路) 30…絞り部 32,46,86…冷媒流出路(冷却流路) 68…バイパス流路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸発部にて冷媒を蒸発させて外部ガスと
    の熱交換を行なうとともに、該冷媒を循環させる冷凍サ
    イクルを有する冷凍装置において、 前記蒸発部に流入する冷媒の冷媒流入路と蒸発部から流
    出する冷媒の冷媒流出路とを近接して配置して、冷媒の
    熱交換を行なう冷媒熱交換部と、 該冷媒熱交換部の冷媒流入路の上流側に設けられ、冷媒
    流入路に供給する冷媒を減圧する膨張弁と、 前記冷媒熱交換部の冷媒流入路の下流側に設けられ、前
    記蒸発部に流入する冷媒量を制限する絞り部と、 前記蒸発部の出口側と前記冷媒熱交換部の冷媒流出路の
    入口側との間に配置され、その配置位置の冷媒温度を検
    知して前記膨張弁の開度を調節する感温部と、 を備えたことを特徴とする冷凍装置。
  2. 【請求項2】 蒸発部にて冷媒を蒸発させて外部ガスと
    の熱交換を行なうとともに、該冷媒を循環させる冷凍サ
    イクルを有する冷凍装置において、 前記蒸発部に流入する冷媒の冷媒流入路と蒸発部から流
    出する冷媒の冷媒流出路とを近接して配置して、冷媒の
    熱交換を行なう冷媒熱交換部と、 該冷媒熱交換部の冷媒流入路の上流側に設けられ、冷媒
    流入路に供給する冷媒を減圧する膨張弁と、 前記蒸発部の出口側と前記冷媒熱交換部の冷媒流出路の
    入口側との間に配置され、その配置位置の冷媒温度を検
    知して前記膨張弁の開度を調節する感温部と、 を備えるとともに、 前記冷媒熱交換部自身が前記蒸発部に流入する冷媒量を
    制限する絞り構造を有することを特徴とする冷凍装置。
  3. 【請求項3】 前記冷媒熱交換部の冷媒流入路を迂回し
    て、前記絞り部の上流側に冷媒を導くバイパス流路を備
    えたことを特徴とする前記請求項1又は2記載の冷凍装
    置。
  4. 【請求項4】 蒸発部にて冷媒を蒸発させて外部ガスと
    の熱交換を行なうとともに、該冷媒を循環させる冷凍サ
    イクルを有する冷凍装置において、 前記蒸発部に流入する冷媒の冷媒流入路と蒸発部から流
    出する冷媒の冷媒流出路とを近接して配置して、冷媒の
    熱交換を行なう冷媒熱交換部と、 該冷媒熱交換部の冷媒流入路の下流側に設けられ、前記
    蒸発部に供給する冷媒を減圧する膨張弁と、 前記蒸発部の出口側と前記冷媒熱交換部の冷媒流出路の
    入口側との間に配置され、その配置位置の冷媒温度を検
    知して前記膨張弁の開度を調節する感温部と、 を備えたことを特徴とする冷凍装置。
  5. 【請求項5】 前記膨張弁の開度を調節する圧力を伝え
    るチューブに、前記配置位置の冷媒温度を検知する感温
    筒が接続されていることを特徴とする前記請求項1〜4
    のいずれか記載の冷凍装置。
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