JPH08159075A - キャンドモータポンプ - Google Patents
キャンドモータポンプInfo
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- JPH08159075A JPH08159075A JP32175294A JP32175294A JPH08159075A JP H08159075 A JPH08159075 A JP H08159075A JP 32175294 A JP32175294 A JP 32175294A JP 32175294 A JP32175294 A JP 32175294A JP H08159075 A JPH08159075 A JP H08159075A
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- Japan
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- partition wall
- rotor
- stator
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 回転軸に固定されたモータ回転子がモータ固
定子隔壁と接触することを防止し、且つ軸受の負荷を軽
くし、軸受の異常摩耗を防止したキャンドモータポンプ
を提供する。 【構成】 ポンプ羽根車とモータ回転子12とが同一回
転軸1に固着され、ポンプの搬送流体自体で、又は搬送
流体とは別の密封液体で、モータの冷却と軸受の潤滑を
行うために、少なくともモータの固定子22に搬送流体
あるいは密封液体が浸入しないように隔壁24で包んだ
構造を有するキャンドモータポンプにおいて、モータの
固定子の回転子と対向する隔壁表面に凹凸27を設け
た。
定子隔壁と接触することを防止し、且つ軸受の負荷を軽
くし、軸受の異常摩耗を防止したキャンドモータポンプ
を提供する。 【構成】 ポンプ羽根車とモータ回転子12とが同一回
転軸1に固着され、ポンプの搬送流体自体で、又は搬送
流体とは別の密封液体で、モータの冷却と軸受の潤滑を
行うために、少なくともモータの固定子22に搬送流体
あるいは密封液体が浸入しないように隔壁24で包んだ
構造を有するキャンドモータポンプにおいて、モータの
固定子の回転子と対向する隔壁表面に凹凸27を設け
た。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキャンドモータポンプに
係り、特にポンプ羽根車とモータ回転子とが同一回転軸
に固着され、該ポンプの搬送流体自体で、又は搬送流体
とは別の密封液体でモータの冷却と軸受の潤滑を行うキ
ャンドモータポンプに関する。
係り、特にポンプ羽根車とモータ回転子とが同一回転軸
に固着され、該ポンプの搬送流体自体で、又は搬送流体
とは別の密封液体でモータの冷却と軸受の潤滑を行うキ
ャンドモータポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】上述したキャンドモータポンプにおいて
は、従来は同一回転軸に固着された羽根車とモータ回転
子の間に、メカニカルシールを挿入してポンプの搬送流
体、又は搬送流体とは別の密封液体がモータあるいはケ
ーシング外に漏れることを防止していた。
は、従来は同一回転軸に固着された羽根車とモータ回転
子の間に、メカニカルシールを挿入してポンプの搬送流
体、又は搬送流体とは別の密封液体がモータあるいはケ
ーシング外に漏れることを防止していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キャン
ドモータポンプではモータの電磁気的吸引力により、モ
ータが負ばね特性を呈し、モータの固定子と回転子間の
隙間を搬送流体が流れると、回転軸を前向き振れ回り振
動を励起する流体力が回転軸に作用する。このため回転
軸に固定されたモータ回転子がモータ固定子隔壁と接触
する、あるいは回転軸の軸受摩耗を促進すること等によ
り、故障の原因となっていた。
ドモータポンプではモータの電磁気的吸引力により、モ
ータが負ばね特性を呈し、モータの固定子と回転子間の
隙間を搬送流体が流れると、回転軸を前向き振れ回り振
動を励起する流体力が回転軸に作用する。このため回転
軸に固定されたモータ回転子がモータ固定子隔壁と接触
する、あるいは回転軸の軸受摩耗を促進すること等によ
り、故障の原因となっていた。
【0004】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
で、回転軸に固定されたモータ回転子がモータ固定子隔
壁と接触することを防止し、且つ軸受の負荷を軽くし、
軸受の異常摩耗を防止したキャンドモータポンプを提供
することを目的とする。
で、回転軸に固定されたモータ回転子がモータ固定子隔
壁と接触することを防止し、且つ軸受の負荷を軽くし、
軸受の異常摩耗を防止したキャンドモータポンプを提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のキャンドモータ
ポンプは、ポンプ羽根車とモータ回転子とが同一回転軸
に固着され、該ポンプの搬送流体自体で、又は搬送流体
とは別の密封液体で、前記モータの冷却と軸受の潤滑を
行うために、少なくともモータの固定子に前記搬送流体
あるいは密封液体が浸入しないように隔壁で包んだ構造
を有するキャンドモータポンプにおいて、前記モータの
固定子の前記回転子と対向する隔壁表面に凹凸を設けた
ことを特徴とする。
ポンプは、ポンプ羽根車とモータ回転子とが同一回転軸
に固着され、該ポンプの搬送流体自体で、又は搬送流体
とは別の密封液体で、前記モータの冷却と軸受の潤滑を
行うために、少なくともモータの固定子に前記搬送流体
あるいは密封液体が浸入しないように隔壁で包んだ構造
を有するキャンドモータポンプにおいて、前記モータの
固定子の前記回転子と対向する隔壁表面に凹凸を設けた
ことを特徴とする。
【0006】また、前記隔壁表面に設けた凹凸は、ネジ
形状をした溝を設けたことを特徴とする。
形状をした溝を設けたことを特徴とする。
【0007】また、前記隔壁表面に設けた凹凸は、多角
形のくぼみを形成したものであることを特徴とする。
形のくぼみを形成したものであることを特徴とする。
【0008】また、前記ポンプの搬送流体とは別の密封
液体を前記モータの固定子隔壁と回転子間に強制補給す
る手段を備えたことを特徴とする。
液体を前記モータの固定子隔壁と回転子間に強制補給す
る手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
【作用】羽根車とモータ回転子とが同一回転軸に固定さ
れ、少なくともモータの固定子を搬送流体や密封液体が
浸入しないように隔壁で包んだ構造のキャンドモータポ
ンプにおいては、回転子の表面と流体との剪断力によ
り、モータの固定子隔壁と回転子との隙間の流体の流れ
が、回転軸の回転方向に加速される。モータの固定子隔
壁の回転子と対向する隔壁表面に凹凸を設けることによ
り、固定子隔壁表面の流体の流れ部分の摩擦係数を大き
くし、モータの固定子隔壁と回転子との隙間の流体の流
れが回転軸の回転方向に加速されることを防止すること
ができる。
れ、少なくともモータの固定子を搬送流体や密封液体が
浸入しないように隔壁で包んだ構造のキャンドモータポ
ンプにおいては、回転子の表面と流体との剪断力によ
り、モータの固定子隔壁と回転子との隙間の流体の流れ
が、回転軸の回転方向に加速される。モータの固定子隔
壁の回転子と対向する隔壁表面に凹凸を設けることによ
り、固定子隔壁表面の流体の流れ部分の摩擦係数を大き
くし、モータの固定子隔壁と回転子との隙間の流体の流
れが回転軸の回転方向に加速されることを防止すること
ができる。
【0010】流体の流れが回転軸の回転方向に加速され
ないと、回転軸の振れ回り運動を減速するような力が回
転軸に作用し、回転軸の振れ回りを抑制し、モータの冷
却効果や軸受の潤滑作用を高める。
ないと、回転軸の振れ回り運動を減速するような力が回
転軸に作用し、回転軸の振れ回りを抑制し、モータの冷
却効果や軸受の潤滑作用を高める。
【0011】回転子と対向するモータの固定子隔壁表面
に設けた凹凸を、ネジ形状の溝とすることにより、回転
方向とは逆方向の周方向流速を生成することができる。
に設けた凹凸を、ネジ形状の溝とすることにより、回転
方向とは逆方向の周方向流速を生成することができる。
【0012】モータの固定子隔壁の回転子と対向する隔
壁表面に設けた凹凸が、多角形のくぼみであることによ
り、固定子隔壁表面での流体の流れに対する摩擦抵抗を
増大することができる。
壁表面に設けた凹凸が、多角形のくぼみであることによ
り、固定子隔壁表面での流体の流れに対する摩擦抵抗を
増大することができる。
【0013】ポンプ搬送流体とは別の密封液体を外部か
らモータ部分に強制補給する手段を備えることにより、
ポンプ搬送流体とは別の密封液体を用いたキャンドモー
タポンプにおいても、モータの冷却効果や軸受の潤滑作
用を高め、故障を防止することができる。
らモータ部分に強制補給する手段を備えることにより、
ポンプ搬送流体とは別の密封液体を用いたキャンドモー
タポンプにおいても、モータの冷却効果や軸受の潤滑作
用を高め、故障を防止することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付図面を
参照しながら説明する。
参照しながら説明する。
【0015】図1はキャンドモータポンプの断面構造の
一例を示す。回転軸1には羽根車11及びモータの回転
子12が固着されている。回転軸1は、ラジアル軸受2
5により回転軸1の半径方向に支持され、回転軸1には
スラストディスク14を備え、スラスト軸受26により
軸方向に支持されている。本実施例においては、ラジア
ル軸受25及びスラスト軸受26は、ともに磁気軸受が
採用され、回転軸1を非接触で支持している。モータ
は、固定子磁極22に巻線23が施され、固定子の隔壁
24により流体が浸入しないようになっている。同様
に、回転軸1に固定された回転子12は、回転子の隔壁
13により隔離されている。ポンプ部分及びモータ部分
はケーシング2に収納され、搬送流体は吸い込みフラン
ジ21からポンプ内に吸い込まれ、羽根車11により加
圧されるが、その一部の流体は、ラジアル軸受25と回
転軸1間の隙間、及びモータ固定子22と回転子12間
の隙間、さらにスラスト軸受26とスラスト板14との
隙間を流れ、パイプ28により吸い込みフランジ21部
分に還流する。この間に、搬送流体は、モータ部分を冷
却し、軸受部分の潤滑作用を高める。
一例を示す。回転軸1には羽根車11及びモータの回転
子12が固着されている。回転軸1は、ラジアル軸受2
5により回転軸1の半径方向に支持され、回転軸1には
スラストディスク14を備え、スラスト軸受26により
軸方向に支持されている。本実施例においては、ラジア
ル軸受25及びスラスト軸受26は、ともに磁気軸受が
採用され、回転軸1を非接触で支持している。モータ
は、固定子磁極22に巻線23が施され、固定子の隔壁
24により流体が浸入しないようになっている。同様
に、回転軸1に固定された回転子12は、回転子の隔壁
13により隔離されている。ポンプ部分及びモータ部分
はケーシング2に収納され、搬送流体は吸い込みフラン
ジ21からポンプ内に吸い込まれ、羽根車11により加
圧されるが、その一部の流体は、ラジアル軸受25と回
転軸1間の隙間、及びモータ固定子22と回転子12間
の隙間、さらにスラスト軸受26とスラスト板14との
隙間を流れ、パイプ28により吸い込みフランジ21部
分に還流する。この間に、搬送流体は、モータ部分を冷
却し、軸受部分の潤滑作用を高める。
【0016】図2は、本発明の第1実施例のモータの固
定子隔壁表面に設けた凹凸を示す。(A)は、モータ固
定子隔壁周辺の回転軸に添った断面図である。モータ固
定子磁極22には巻線23が巻回され、隔壁24により
搬送流体から離隔されており、モータ固定子隔壁24
は、モータ回転子12の隔壁13に対向しており、両方
の隔壁13,24の間に搬送流体が流れる。(B)は、
モータ固定子隔壁表面を展開した図である。モータ固定
子隔壁24の表面には(A)図に示すような凹凸27が
設けられ、この凹凸27は(B)に示すように、回転子
の回転方向とは逆方向の周方向流速を隔壁間の隙間に流
れる搬送流体の流れに対して逆方向の周方向流速を生成
するようなネジ形状としている。この隔壁表面に設けた
凹凸が搬送流体の流れ方向に対してロータの回転に伴い
搬送流体の流れを妨げる方向に作用する。
定子隔壁表面に設けた凹凸を示す。(A)は、モータ固
定子隔壁周辺の回転軸に添った断面図である。モータ固
定子磁極22には巻線23が巻回され、隔壁24により
搬送流体から離隔されており、モータ固定子隔壁24
は、モータ回転子12の隔壁13に対向しており、両方
の隔壁13,24の間に搬送流体が流れる。(B)は、
モータ固定子隔壁表面を展開した図である。モータ固定
子隔壁24の表面には(A)図に示すような凹凸27が
設けられ、この凹凸27は(B)に示すように、回転子
の回転方向とは逆方向の周方向流速を隔壁間の隙間に流
れる搬送流体の流れに対して逆方向の周方向流速を生成
するようなネジ形状としている。この隔壁表面に設けた
凹凸が搬送流体の流れ方向に対してロータの回転に伴い
搬送流体の流れを妨げる方向に作用する。
【0017】図3(A)(B)は、本発明の第2実施例
のモータの固定子隔壁表面に設けた凹凸を示す断面図及
び展開図である。本実施例においては、図示するように
三角形のくぼみ27を多数配置している。なお、本実施
例では三角形のくぼみ27が多数規則的に配列されてい
るが、四角形、五角形、六角形等の多角形でも同様な作
用効果を得ることができる。このような凹凸27は、回
転子の回転に伴い回転子と固定子隔壁との隙間に流れる
搬送流体に対して摩擦抵抗を増やすことになる。
のモータの固定子隔壁表面に設けた凹凸を示す断面図及
び展開図である。本実施例においては、図示するように
三角形のくぼみ27を多数配置している。なお、本実施
例では三角形のくぼみ27が多数規則的に配列されてい
るが、四角形、五角形、六角形等の多角形でも同様な作
用効果を得ることができる。このような凹凸27は、回
転子の回転に伴い回転子と固定子隔壁との隙間に流れる
搬送流体に対して摩擦抵抗を増やすことになる。
【0018】次に、モータ固定子隔壁表面に設けた凹凸
の作用効果について、図4を参照しながら説明する。
の作用効果について、図4を参照しながら説明する。
【0019】図4(A)は、固定子隔壁表面に凹凸を有
さない従来の構造である。この場合には、固定子隔壁2
4の表面の摩擦係数が小さく、回転軸1が振れ回る場合
である。隙間に流れる搬送流体Lは、回転子隔壁13表
面の剪断力により、回転子回転方向に大きく加速され
る。ここで回転軸1の中心が偏心量e、偏心速度Ve で
振れ回ると、回転子隔壁13と固定子隔壁24との隙間
が周方向に不均一となる。そして最小隙間Sの回転方向
に対して手前側で圧力が最大となるような圧力分布Pを
発生する。その圧力分布Pの合力Ff は、偏心方向e と
同方向成分Ffbと偏心速度Ve と同方向成分Ffaとに分
解できる。そして、偏心方向成分Ffbは、モータの磁気
吸引力Fm と釣り合う方向の力となる。しかしながら、
偏心速度方向成分の力Ffbは、回転軸の振れ回りの偏心
速度Ve と平行であり、回転軸の振れ回り運動を加速す
るように作用する。これにより益々回転軸1の振れ回り
振動の振幅(振れ回り半径e)を大きくする。
さない従来の構造である。この場合には、固定子隔壁2
4の表面の摩擦係数が小さく、回転軸1が振れ回る場合
である。隙間に流れる搬送流体Lは、回転子隔壁13表
面の剪断力により、回転子回転方向に大きく加速され
る。ここで回転軸1の中心が偏心量e、偏心速度Ve で
振れ回ると、回転子隔壁13と固定子隔壁24との隙間
が周方向に不均一となる。そして最小隙間Sの回転方向
に対して手前側で圧力が最大となるような圧力分布Pを
発生する。その圧力分布Pの合力Ff は、偏心方向e と
同方向成分Ffbと偏心速度Ve と同方向成分Ffaとに分
解できる。そして、偏心方向成分Ffbは、モータの磁気
吸引力Fm と釣り合う方向の力となる。しかしながら、
偏心速度方向成分の力Ffbは、回転軸の振れ回りの偏心
速度Ve と平行であり、回転軸の振れ回り運動を加速す
るように作用する。これにより益々回転軸1の振れ回り
振動の振幅(振れ回り半径e)を大きくする。
【0020】図4(B)は、固定子隔壁表面に凹凸を設
けた本発明の構造である。この場合には固定子隔壁24
表面の搬送流体Lの隙間流れに対する摩擦係数が大きく
なり、回転軸1の振れ回り振動を抑えることができる。
モータ固定子隔壁24の表面に凹凸が存在し、隙間に流
れる搬送流体Lに対して摩擦係数が大きい時には、隙間
を流れる搬送流体は、回転子表面の剪断力により回転子
の回転方向に加速されようとするが、固定子隔壁24表
面との剪断力が大きいので、(A)の場合と比較して、
隙間を流れる搬送流体Lの周方向流速は小さくなる。回
転軸1の中心が偏心量e、偏心速度Ve で振れ回ると、
回転子隔壁13と固定子隔壁24表面との隙間が周方向
に不均一となることは(A)と同様である。しかしなが
ら、周方向速度が回転軸1の振れ回り速度Ve より小さ
いと、最小隙間Sの後方側で圧力が最大となるような圧
力分布Pを発生する。
けた本発明の構造である。この場合には固定子隔壁24
表面の搬送流体Lの隙間流れに対する摩擦係数が大きく
なり、回転軸1の振れ回り振動を抑えることができる。
モータ固定子隔壁24の表面に凹凸が存在し、隙間に流
れる搬送流体Lに対して摩擦係数が大きい時には、隙間
を流れる搬送流体は、回転子表面の剪断力により回転子
の回転方向に加速されようとするが、固定子隔壁24表
面との剪断力が大きいので、(A)の場合と比較して、
隙間を流れる搬送流体Lの周方向流速は小さくなる。回
転軸1の中心が偏心量e、偏心速度Ve で振れ回ると、
回転子隔壁13と固定子隔壁24表面との隙間が周方向
に不均一となることは(A)と同様である。しかしなが
ら、周方向速度が回転軸1の振れ回り速度Ve より小さ
いと、最小隙間Sの後方側で圧力が最大となるような圧
力分布Pを発生する。
【0021】その圧力分布の合力Ff は、偏心方向eと
同方向成分Ffbと、偏心速度Ve と反対方向の力成分F
faに分解できる。偏心方向成分の力Ffbは、モータの磁
気吸引力Fm と釣り合う方向の力となる。また、偏心速
度Ve と反対方向の力成分Ffaは、回転軸の振れ回り速
度Ve を減速するように作用する。このため、回転軸1
の振れ回り振動の振幅(振れ回り半径e)を小さくす
る。
同方向成分Ffbと、偏心速度Ve と反対方向の力成分F
faに分解できる。偏心方向成分の力Ffbは、モータの磁
気吸引力Fm と釣り合う方向の力となる。また、偏心速
度Ve と反対方向の力成分Ffaは、回転軸の振れ回り速
度Ve を減速するように作用する。このため、回転軸1
の振れ回り振動の振幅(振れ回り半径e)を小さくす
る。
【0022】キャンドモータポンプではモータの電磁気
的吸引力により、モータが負ばね特性を持ち、モータの
固定子と回転子間の隙間を搬送流体が流れると、回転軸
を前向き振れ回り振動を励起する流体圧力Pが回転軸に
作用していた。モータ固定子隔壁24の表面に凹凸を設
けることにより、隔壁表面部分の搬送流体に対する摩擦
係数を大きくすることができ、モータの固定子隔壁24
表面と回転子隔壁13表面との隙間の搬送流体の流れ
が、回転軸の回転方向に加速されることを防止する。固
定子隔壁24表面と回転子隔壁13表面間の狭い隙間内
の搬送流体の流体力Ff が、回転軸1の振れ回り速度V
e と反対方向の成分の力Ffaを発生するようにして、回
転軸の前回り振れ回り振動を抑圧することができる。そ
して、回転軸の振動を安定化してモータの両側にある軸
受の負荷が小さくなり、軸受の異常摩耗を防止する。と
同時に、モータの回転子と固定子が、その全長にわたり
軸受作用を持つため、回転軸1の回転子隔壁13がモー
タ固定子隔壁24と接触することを防止し、更にモータ
の冷却効果を高めることができる。
的吸引力により、モータが負ばね特性を持ち、モータの
固定子と回転子間の隙間を搬送流体が流れると、回転軸
を前向き振れ回り振動を励起する流体圧力Pが回転軸に
作用していた。モータ固定子隔壁24の表面に凹凸を設
けることにより、隔壁表面部分の搬送流体に対する摩擦
係数を大きくすることができ、モータの固定子隔壁24
表面と回転子隔壁13表面との隙間の搬送流体の流れ
が、回転軸の回転方向に加速されることを防止する。固
定子隔壁24表面と回転子隔壁13表面間の狭い隙間内
の搬送流体の流体力Ff が、回転軸1の振れ回り速度V
e と反対方向の成分の力Ffaを発生するようにして、回
転軸の前回り振れ回り振動を抑圧することができる。そ
して、回転軸の振動を安定化してモータの両側にある軸
受の負荷が小さくなり、軸受の異常摩耗を防止する。と
同時に、モータの回転子と固定子が、その全長にわたり
軸受作用を持つため、回転軸1の回転子隔壁13がモー
タ固定子隔壁24と接触することを防止し、更にモータ
の冷却効果を高めることができる。
【0023】尚、本実施例は、ポンプの搬送流体がその
ままモータ部分を冷却し軸受部分の潤滑効果を高める例
について説明した。しかしながら、搬送流体とは別の密
封液体をモータの固定子隔壁と回転子間に封じ込めて強
制補給する手段を備えることにより、密封液体が上述の
実施例の搬送流体と同様に作用して、回転軸の振れ回り
を同様に抑制することができる。
ままモータ部分を冷却し軸受部分の潤滑効果を高める例
について説明した。しかしながら、搬送流体とは別の密
封液体をモータの固定子隔壁と回転子間に封じ込めて強
制補給する手段を備えることにより、密封液体が上述の
実施例の搬送流体と同様に作用して、回転軸の振れ回り
を同様に抑制することができる。
【0024】又、本実施例においては、モータ回転子側
に隔壁を設けた例について説明したが、この隔壁は必ず
しも必要ないことは勿論のことである。更に、回転子自
体に、又はその隔壁表面に凹凸を設けることにより、一
層の回転軸の振れ回り抑制効果が得られる。
に隔壁を設けた例について説明したが、この隔壁は必ず
しも必要ないことは勿論のことである。更に、回転子自
体に、又はその隔壁表面に凹凸を設けることにより、一
層の回転軸の振れ回り抑制効果が得られる。
【0025】又、本実施例においては、軸受は回転軸を
非接触で支持する磁気軸受の例について説明したが、動
圧軸受或いは玉軸受等の機械的な軸受を用いたキャンド
モータポンプについても、同様の作用効果が得られるの
は勿論のことである。
非接触で支持する磁気軸受の例について説明したが、動
圧軸受或いは玉軸受等の機械的な軸受を用いたキャンド
モータポンプについても、同様の作用効果が得られるの
は勿論のことである。
【0026】
【発明の効果】キャンドモータポンプでは、モータの電
磁気的吸引力によりモータが負ばね特性を呈する。この
ため、モータの固定子と回転子間の隙間を流体が流れる
と、回転軸を前向き振れ回り振動を励起する流体力が回
転軸に作用し、回転軸がモータ固定子隔壁と接触するこ
とがあり、故障の原因となっていた。モータ固定子隔壁
の表面に凹凸を設けることにより、モータ固定子と回転
子間の狭い隙間内の流体に対して摩擦力を与えることが
でき、回転軸の振れ回り偏心速度と反対方向の力を回転
軸に与えることができ、回転軸の振れ回り運動を減速す
るように作用させることができる。このため回転子の振
れ回り振動を小さくでき、回転軸がモータ固定子隔壁と
接触することを防止できる。総じて本発明によれば、回
転軸の振動を抑圧することができ、回転子と固定子との
接触事故等を防止し、軸受の負担を軽減することができ
る。
磁気的吸引力によりモータが負ばね特性を呈する。この
ため、モータの固定子と回転子間の隙間を流体が流れる
と、回転軸を前向き振れ回り振動を励起する流体力が回
転軸に作用し、回転軸がモータ固定子隔壁と接触するこ
とがあり、故障の原因となっていた。モータ固定子隔壁
の表面に凹凸を設けることにより、モータ固定子と回転
子間の狭い隙間内の流体に対して摩擦力を与えることが
でき、回転軸の振れ回り偏心速度と反対方向の力を回転
軸に与えることができ、回転軸の振れ回り運動を減速す
るように作用させることができる。このため回転子の振
れ回り振動を小さくでき、回転軸がモータ固定子隔壁と
接触することを防止できる。総じて本発明によれば、回
転軸の振動を抑圧することができ、回転子と固定子との
接触事故等を防止し、軸受の負担を軽減することができ
る。
【図1】キャンドモータポンプの一構造例を示す縦断面
図。
図。
【図2】本発明の第1実施例の固定子隔壁表面に設けら
れた凹凸の説明図。
れた凹凸の説明図。
【図3】本発明の第2実施例の固定子隔壁表面に設けら
れた凹凸の説明図。
れた凹凸の説明図。
【図4】固定子隔壁表面に設けられた凹凸の作用の説明
図であり、(A)凹凸がない場合、(B)凹凸がある場
合を示す。
図であり、(A)凹凸がない場合、(B)凹凸がある場
合を示す。
1 回転軸 12 モータ回転子 13 回転子隔壁 22 モータ固定子(磁極) 23 モータ巻線 24 モータ固定子隔壁 27 凹凸(くぼみ) e 振れ回り半径 Ve 振れ回り速度 P 圧力分布 Fb 圧力分布の合力 Ffa 偏心速度と同方向(反対方向)成分の力 Ffb 偏心方向と同方向成分の力 Fm モータの磁気吸引力 L 搬送流体の流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮坂 俊文 東京都中央区銀座1丁目3番1号 株式会 社荏原電産内 (72)発明者 岩田 實 東京都中央区銀座1丁目3番1号 株式会 社荏原電産内
Claims (4)
- 【請求項1】 ポンプ羽根車とモータ回転子とが同一回
転軸に固着され、該ポンプの搬送流体自体で、又は搬送
流体とは別の密封液体で、前記モータの冷却と軸受の潤
滑を行うために、少なくともモータの固定子に前記搬送
流体あるいは密封液体が浸入しないように隔壁で包んだ
構造を有するキャンドモータポンプにおいて、前記モー
タの固定子の前記回転子と対向する隔壁表面に凹凸を設
けたことを特徴とするキャンドモータポンプ。 - 【請求項2】 前記隔壁表面に設けた凹凸は、ネジ形状
をした溝を設けたことを特徴とする請求項1記載のキャ
ンドモータポンプ。 - 【請求項3】 前記隔壁表面に設けた凹凸は、多角形の
くぼみを形成したものであることを特徴とする請求項1
記載のキャンドモータポンプ。 - 【請求項4】 前記ポンプの搬送流体とは別の密封液体
を、前記モータの固定子隔壁と回転子間に強制補給する
手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のキャンド
モータポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32175294A JPH08159075A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | キャンドモータポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32175294A JPH08159075A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | キャンドモータポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08159075A true JPH08159075A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=18136056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32175294A Pending JPH08159075A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | キャンドモータポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08159075A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020128745A (ja) * | 2019-02-01 | 2020-08-27 | ホワイト ナイト フルイド ハンドリング インコーポレーテッドWhite Knight Fluid Handling Inc. | ロータを支承し、当該ロータを磁気的に軸線方向に位置決めするための磁石を有するポンプ、及びこれに関連する方法 |
-
1994
- 1994-11-30 JP JP32175294A patent/JPH08159075A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020128745A (ja) * | 2019-02-01 | 2020-08-27 | ホワイト ナイト フルイド ハンドリング インコーポレーテッドWhite Knight Fluid Handling Inc. | ロータを支承し、当該ロータを磁気的に軸線方向に位置決めするための磁石を有するポンプ、及びこれに関連する方法 |
KR20220004942A (ko) * | 2019-02-01 | 2022-01-12 | 화이트 나이트 플루이드 핸들링 인크. | 회전자를 저널연결하고 자기적으로 축방향으로 위치설정하기 위한 자석을 가지는 펌프 및 관련 방법 |
US11421694B2 (en) | 2019-02-01 | 2022-08-23 | White Knight Fluid Handling Inc. | Pump having magnets for journaling and magnetically axially positioning rotor thereof, and related methods |
JP2022130358A (ja) * | 2019-02-01 | 2022-09-06 | ホワイト ナイト フルイド ハンドリング インコーポレーテッド | ロータを支承し、当該ロータを磁気的に軸線方向に位置決めするための磁石を有するポンプ、及びこれに関連する方法 |
US12012965B2 (en) | 2019-02-01 | 2024-06-18 | White Knight Fluid Handling Inc. | Pump having opposing magnets between a rotor and stator, and related assemblies, systems, and methods |
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