JPH08158999A - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置

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JPH08158999A
JPH08158999A JP30223394A JP30223394A JPH08158999A JP H08158999 A JPH08158999 A JP H08158999A JP 30223394 A JP30223394 A JP 30223394A JP 30223394 A JP30223394 A JP 30223394A JP H08158999 A JPH08158999 A JP H08158999A
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ignition timing
internal combustion
combustion engine
speed
timing control
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JP30223394A
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Daisuke Yamada
大輔 山田
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は内燃機関の始動時における点火時期
を制御する内燃機関の点火時期制御装置に関し、バッテ
リ電圧の変動に伴う内燃機関の失火を防止することを目
的とする。 【構成】 バッテリ電圧に基づいて、固定点火時期制御
と演算点火時期制御とを切り換える回転数NESTAを
設定する。機関回転数NEが切り換え回転数NESTA
より小さく、かつスタータスイッチがオンとなっている
場合は(ステップ100,102)、予め設定した固定
点火時期を点火時期として採用する(ステップ104,
106)。一方、NE≧NESTAである場合、又はス
タータスイッチがオフである場合は(ステップ100,
102)、内燃機関の運転状態に応じた演算点火時期を
点火時期として採用する(ステップ108,110)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の点火時期制
御装置に係り、特に内燃機関の始動時における点火時期
を制御する内燃機関の点火時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特公昭64−1066
3号公報、又は特開平2−37170号公報に開示され
る如く、内燃機関の始動時において、機関回転数が所定
の切り換え回転数に達するまでは、内燃機関の点火時期
を所定のクランク角に固定し、所定の切り換え回転数に
到達した後は、点火時期を内燃機関の運転状態に応じた
演算点火時期に制御する装置が知られている。
【0003】すなわち、内燃機関において理想的な燃焼
状態を実現し得る点火時期は、常に一定ではなく、機関
回転数や吸入空気量等に応じて変動する。従って、内燃
機関の運転状態が的確に把握できる場合には、その運転
状態に応じて適宜点火時期を設定することが好ましい。
一方、内燃機関の運転状態は、始動が開始された後所定
の完爆状態に達するまでの間は比較的不安定である。こ
のため、この間は、内燃機関の運転状態を表す各種パラ
メータの値にも大きな変動が生じ、的確に内燃機関の運
転状態を把握することが困難であり、運転状態に応じた
点火時期を設定すれば、却って円滑な運転状態が損なわ
れる場合を生ずる。
【0004】これに対して、上記各公報に開示される装
置の如く、内燃機関の機関回転数が所定の切り換え回転
数に達するまでは点火時期を所定のクランク角に固定
し、その後機関回転数が切り換え回転数に達した時点で
内燃機関の運転状態に基づいた点火時期制御を開始する
こととすれば、常に安定した燃焼状態を維持することが
でき、円滑な始動性を得ることができる。
【0005】ところで、内燃機関の始動時における運転
状態は、始動時における冷却水温が高いほど、すなわち
内燃機関の暖機が進行しているほど安定である。従っ
て、始動時において冷却水温が既に適当に昇温している
場合は、冷間始動時に比して早期に内燃機関の運転状態
が安定な状態に達する。上記各公報に開示される装置
は、かかる点をも考慮して構成されており、内燃機関の
始動時における冷却水温が高いほど、固定点火時期から
演算点火時期へ切り換える際の切り換え回転数を低く変
更する機能を備えている。
【0006】この場合、冷却水温が低く、内燃機関が安
定状態に移行し難い場合には、機関回転数が比較的高い
回転数に達するまでは固定点火時期を用いた点火時期制
御が実行され、一方、冷却水温が高く、始動後即座に内
燃機関が安定状態に移行し得る場合には、機関回転数が
比較的低い時点で演算点火時期による点火時期制御が実
行され、実情に沿った点火時期制御が実現されることに
なる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関に
おいて安定した燃焼を確保するためには、点火コイル
が、所定の要求電圧以上の電圧を発生することが必要で
ある。一方、点火コイルは、点火コイルへの通電時間が
短いほど、また点火コイルへの供給電圧が低いほど、低
い電圧を発生する特性を有している。
【0008】これに対して、点火コイルへの通電時間
は、点火時期として演算点火時期が採用される場合は定
時間制御により、また点火時期として固定点火時期が採
用される場合は定角度制御により制御されるのが通常で
ある。従って、点火時期として演算点火時期が用いられ
ている場合には、機関回転数によって点火コイルへの通
電時間が変動することはないが、点火時期として固定点
火時期が用いられている場合には、機関回転数が上昇す
るに連れて点火コイルへの通電時間が短縮されることに
なる。
【0009】このため、点火時期が固定点火時期に制御
されている状況下で機関回転数が適当に上昇し、かつバ
ッテリ電圧が低下して点火コイルへの供給電圧が低下し
た場合には、点火コイルの発生電圧が比較的大きく低下
することになり、常に安定した燃焼を得るためには、か
かる状況においても要求電圧が満されるように各諸元を
設定する必要がある。
【0010】また、内燃機関に吸入される吸入空気が比
較的低温である場合には、吸気充填効率が高まり、その
結果高い圧縮圧力を得ることができるが、かかる場合に
は、圧縮圧力が低い場合に比して、安定した燃焼を得る
ために必要とされる点火コイルの発生電圧が上昇するこ
とが知られている。従って、内燃機関において常に安定
した燃焼状態を実現するためには、吸入空気の温度が低
いほど点火コイルに高い電圧を発生させる必要があり、
そのためには、吸入空気の温度が低いほど点火コイルへ
の通電時間を長くすることが必要である。
【0011】これに対して、上記従来の装置は、内燃機
関の冷却水温に基づいて切り換え回転数を変更する機能
は備えているものの、バテッリ電圧の高低、吸入空気温
度の高低等については何らの配慮もなされておらず、そ
の意味で、固定点火時期の実行中に内燃機関の失火を生
ずる可能性を有するものであった。本発明は、上述の点
に鑑みてなされたものであり、バッテリ電圧、吸入空気
温度等に基づいて切り換え回転数を変更することによ
り、点火コイルの発生電圧が安定した燃焼の確保に必要
とされる要求電圧を満たす領域でのみ、点火時期として
固定点火時期を用いることとすることにより上記の課題
を解決する内燃機関の点火時期制御装置を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、機関回転数が所定の切り換え回転数に
満たない場合には、内燃機関の点火時期を予め設定した
固定点火時期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回
転数以上である場合には、内燃機関の点火時期を、内燃
機関の運転状態に基づいて演算した演算点火時期に制御
する内燃機関の点火時期制御装置において、バッテリ電
圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、該バッテリ電圧
検出手段の検出結果に基づいて、前記切り換え回転数を
変更する切り換え回転数変更手段とを備える内燃機関の
点火時期制御装置により達成される。
【0013】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、機関回転数が所定の切り換え回転数に満たない場
合には、内燃機関の点火時期を予め設定した固定点火時
期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転数以上で
ある場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機関の運転
状態に基づいて演算した演算点火時期に制御する内燃機
関の点火時期制御装置において、吸入空気温を検出する
吸入空気温検出手段と、該吸入空気温検出手段の検出結
果に基づいて、前記切り換え回転数を変更する切り換え
回転数変更手段とを備える内燃機関の点火時期制御装置
によっても達成される。
【0014】更に、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、機関回転数が所定の切り換え回転数に満たない場
合には、内燃機関の点火時期を予め設定した固定点火時
期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転数以上で
ある場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機関の運転
状態に基づいて演算した演算点火時期に制御する内燃機
関の点火時期制御装置において、バッテリ電圧を検出す
るバッテリ電圧検出手段と、吸入空気温を検出する吸入
空気温検出手段と、前記バッテリ電圧検出手段と、前記
吸入空気温検出手段の検出結果とに基づいて、前記切り
換え回転数を変更する切り換え回転数変更手段とを備え
る内燃機関の点火時期制御装置によっても達成される。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明において、内燃機関の点火
時期は、現実の機関回転数が、前記切り換え回転数変更
手段によって変更された切り換え回転数より低い場合に
は、機関回転数が上昇するに連れて点火コイルへの通電
時間が短縮される、すなわち点火コイルの発生電圧が低
下する固定点火時期制御が実行される。
【0016】一方、前記切り換え回転数以上である場合
には、機関回転数に因らず点火コイルへの通電時間が常
に十分に確保される、すなわち点火コイルの発生電圧と
して常に十分な電圧を確保し得る演算点火時期制御が実
行される。この際、前記切り換え回転数には、前記バッ
テリ電圧検出手段の検出結果が反映されており、バッテ
リ電圧が低いため点火コイルに供給される電圧が低い場
合には、切り換え回転数が比較的低い回転数に、またバ
ッテリ電圧が高いため点火コイルに供給される電圧が高
い場合には、切り換え回転数が比較的高い回転数に設定
される。
【0017】この場合、バッテリ電圧が低ければ、点火
コイルへの通電時間として比較的長い時間が確保されて
いるうちに固定点火時期制御から演算点火時期制御への
切り換えが行われ、またバッテリ電圧が高ければ、点火
コイルへの通電時間が比較的短時間となるまで上記切り
換えが行われない。従って、固定点火時期制御の実行中
において点火コイルから発生される電圧は、バッテリ電
圧の高低に関わらず、要求電圧に対して常に十分な電圧
となる。
【0018】請求項2記載の発明において、前記切り換
え回転数には、前記吸入空気温検出手段の検出結果が反
映されている。すなわち、吸入空気温が低い場合は、点
火コイルに対する要求電圧が上昇することに対応して、
切り換え回転数が比較的低く、一方、吸入空気温が高い
場合は点火コイルに対する要求電圧が低下することに対
応して、切り換え回転数が比較的高く設定される。
【0019】この場合、内燃機関において安定な燃焼を
確保するための要求電圧が高い場合は、点火コイルへの
通電時間として比較的長い時間が確保されているうち
に、すなわち点火コイルにおいて比較的高圧の発生電圧
が確保されているうちに固定点火時期制御から演算点火
時期制御への切り換えが行われ、また内燃機関において
安定な燃焼を確保るための要求電圧が低い場合は、点火
コイルへの通電時間が比較的短時間となるまで上記切り
換えが行われない。
【0020】従って、吸入空気温の変動に伴って、内燃
機関において安定な燃焼を確保するために必要な要求電
圧が変動した場合においても、固定点火時期制御の実行
中に点火コイルから発生される電圧は、常に要求電圧に
対して十分な電圧となる。請求項3記載の発明におい
て、前記切り換え回転数には、前記バッテリ電圧検出手
段、及び前記吸入空気温検出手段の検出結果が反映され
ている。すなわち、バッテリ電圧、及び吸入空気温に基
づいて、要求電圧を十分に満たすためには長い通電時間
を確保する必要がある場合には比較的低い切り換え回転
数が、一方、比較的短い通電時間で十分に要求電圧を満
たすことができる場合には、比較的高い切り換え回転数
が設定される。
【0021】この場合、バッテリ電圧、及び吸入空気温
が変動した場合においても、固定点火時期制御の実行中
に点火コイルから発生される電圧は、常に要求電圧に対
して十分な電圧となる。
【0022】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である内燃機関の
点火時期制御装置の構成概念図を示す。同図に示すよう
に、内燃機関10のシリンダ内部には、ピストン12が
摺動自在に配設されている。ピストン12の上部に形成
される燃焼室14には、それぞれ吸気通路16又は排気
通路18に連通する吸気ポート、及び排気ポートが開口
していると共に、点火プラグ20の先端部が挿入されて
いる。
【0023】また、内燃機関10のシリンダ周辺には、
内部を冷却水が循環するウォータジャケット22が設け
られている。そして、ウォータジャケット22の壁面に
は、冷却水温THWを検出すべく、水温センサ24が組
み込まれている。吸気通路16には、その内部を流通す
る吸入空気の温度THAを検出するための吸気温センサ
26、アクセルペダルと連動して吸入空気量を制御する
スロットルバルブ28、及び吸入空気量を検出するエア
フロメータ30等が配設されている。
【0024】ここで、上述した水温センサ24、吸気温
センサ26、及びエアフロメータ30の各出力は、本実
施例の要部である電子制御ユニット(ECU)32に供
給されている。ECU32は、マイクロコンピュータを
主体に構成されるユニットであり、上記各センサの出力
信号に加え、バッテリ34の出力電圧(以下、バッテリ
電圧と称す)、スタータスイッチ35のオン・オフ信
号、及びディストリビュータ36に内蔵される回転角セ
ンサ38,40からそれぞれ所定回転角毎に発せられる
パルス信号の供給を受けている。
【0025】ディストリビュータ36は、点火コイル4
2から供給される高圧の2次電流を、内燃機関の回転角
に応じて適当な気筒の点火プラグ20に順次供給する装
置である。ここで、点火コイル42には、イグナイタ4
4から断続的に1次電流が供給されており、誘導起電力
により高圧の2次電流を発生する。また、イグナイタ4
4は、点火コイル42に供給する1次電流を制御するパ
ワートランジスタを内蔵する装置であり、ECU32か
ら供給される点火信号に応じて、点火コイル42に供給
する1次電流を遮断すべく機能する。従って、内燃機関
10の各気筒に配設された点火プラグ20には、ECU
32から点火信号が発せられるタイミング毎にスパーク
が生ずる。
【0026】図2は、ECU32が、点火時期を算出す
べく実行する点火時期算出ルーチンの一例のフローチャ
ートを示す。以下、本ルーチンの内容について説明す
る。図2に示すルーチンが起動すると、先ずステップ1
00において機関回転数NEが所定の切り換え回転数N
ESTA以上であるかが判別される。内燃機関10の運
転状態は、始動開始後十分にNEが上昇するまでは比較
的不安定であることから、上記条件の成立性に基づいて
内燃機関の安定性を判断するためである。
【0027】上記判別の結果、基礎としてNE≧NES
TAが不成立であると判別された場合は、次にステップ
102において、スタータスイッチ35がオン状態であ
るかを判別する。そして、スタータスイッチ35がオン
状態であると判別された場合は、以後ステップ104に
おいて、固定点火制御の実行条件の成立性を表示するフ
ラグXFIXに“1”をセットし、次いでステップ10
6において固定点火時期制御を実行して今回の処理を終
了する。
【0028】NE≧NESTAが成立せず、かつスター
タスイッチ35がオンとなるのは、内燃機関の始動が開
始された後未だ完爆状態に至らない場合、すなわち内燃
機関が不安定な運転状態にある場合に限られ、かかる場
合には、点火時期を予め設定した固定時期に制御するこ
とが適切だからである。尚、この場合、点火コイル42
への通電時間は、定角度制御により、例えば内燃機関が
30°CA回転するのに要する時間等と設定されてい
る。従って、機関回転数NEが上昇するに連れて点火コ
イル42への通電時間は短縮されることになる。
【0029】一方、上記ステップ100においてNE≧
NESTAが成立すると判別された場合、及び上記ステ
ップ102においてスタータスイッチ35がオフである
と判別された場合は、以後ステップ108において、固
定点火制御の実行条件の成立性を表示するフラグXFI
Xに“0”をセットし、次いでステップ110において
演算点火時期制御を実行して今回の処理を終了する。
【0030】すなわち、NE≧NESTAが成立する場
合、又はスタータスイッチ35がオフである場合は、既
に内燃機関10が完爆状態に移行していると、すなわち
不安定な状態を脱していると判断することができ、内燃
機関10の運転状態を表す各種パラメータの検出精度も
安定していると推定できることから、運転状態に応じた
適切な点火時期を設定することとしたものである。
【0031】ここで、内燃機関10の運転状態に応じた
点火時期を演算する手法としては、種々の手法が公知で
あるが、本実施例においては、例えば機関回転数NE
と、吸入空気量Q/Nとの関係で設定したマップを参照
して基準の点火時期を求め、その値を冷却水温THWで
補正する等の手法によって、適切な点火時期を設定する
ことができる。
【0032】尚、この場合、点火コイル42への通電時
間は、定時間制御により制御される。従って、点火コイ
ル42への通電時間は、機関回転数NEの高低に関わら
ず常に十分に確保することができる。ところで、図3
は、点火コイル42において発生し得る電圧Vcと、点
火コイル42への通電時間Tcとの関係を、バッテリ電
圧BATをパラメータとして表したものである。すなわ
ち、同図に示す如く、点火コイル42の発生電圧Vc
は、通電時間Tcが長いほど、またバッテリ電圧BAT
が大きいほど高圧となる。
【0033】言い換えれば、同一の通電時間Tcが確保
されていたとしても、その際のバッテリ電圧BATが標
準時に比して低圧であれば、点火コイル42の発生電圧
Vcは標準時に比して低圧となる。これに対して、内燃
機関10において安定した燃焼を得るためには、点火プ
ラグ20が発するスパークに所定値以上のエネルギを付
与する必要があり、そのためには、点火コイル42の発
生電圧Vcが図3中に破線で示す要求電圧以上であるこ
とが必要である。
【0034】従って、例えば点火コイル42の通電時間
として図3中に示すT0 が確保されている場合、バッテ
リ電圧BATが12V以上確保されていれば、内燃機関
10に失火が生ずることはないが、BATが12Vに満
たない状況下では、内燃機関10が失火する可能性が生
ずる。ここで、本実施例においては、固定点火時期制御
が実行される場合、点火コイル42への通電時間Tc
は、定角度制御により制御され、機関回転数NEの上昇
に伴ってその時間が短縮されることは前記した通りであ
り、仮にNE=NESTAである場合の通電時間Tcが
図3中に示すT0 に相当するとすれば、バッテリ電圧B
ATの低下時には、固定点火時期制御の実行中に内燃機
関10が失火する可能性が生ずることになる。
【0035】一方、かかる失火の可能性を排除すべく、
BATの低下を当初から想定して、NE=NESTAに
おいて確保される通電時間Tcを図3中に示すT1 の如
く設定するためには、BATの正常時を想定すると不当
に低いと認識される回転数にNESTAを設定する必要
が生じ、円滑な始動性を確保する観点からすれば好まし
くない事態が生ずる。
【0036】これに対して、演算点火時期制御の実行時
は、点火コイル42への通電時間Tcが上記の如く定時
間制御によって制御され、そのため、定角度制御の場合
と異なり機関回転数NEの高低に関わらず十分な通電時
間Tcを確保することができる。そこで、本実施例にお
いては、バッテリ電圧BATに対して十分な発生電圧V
cを得るための通電時間Tcが得られる領域でのみ固定
点火時期制御を実行し、固定点火時期制御によっては十
分な通電時間Tcが得られない全領域で演算点火時期制
御を実行することとした。
【0037】図4は、かかる機能を実現すべくECU3
2が実行するNESTA算出ルーチンの一例のフローチ
ャートを示す。すなわち、本実施例においては、先ずバ
ッテリ電圧BATを読み込み(ステップ200)、次に
予め図5に示す如く設定したマップを、上記の如く読み
込んだBATで検索してNESTAを求めることで(ス
テップ202)BATに対応したNESTAの設定を行
う。
【0038】尚、図5に示すマップは、上記図3に示す
通電時間Tc、発生電圧Vc、及びバッテリ電圧BAT
の関係に基づいて、各BATに対して要求電圧を満たす
通電時間Tcの最小値を求め、その値を対応するNEに
換算してBATとの関係で整理したものである。この場
合、バッテリ電圧BATが低く、要求電圧を超える電圧
を得るために比較的長期の通電時間Tcを確保する必要
があると推定される状況下では、比較的低回転領域から
演算点火時期制御が実行され、またバッテリ電圧BAT
が高く、比較的短期の通電時間Tcで要求電圧を超える
電圧が得られる場合には、比較的高回転領域に至るまで
固定点火時期制御が実行されることになる。
【0039】従って、本実施例に係る内燃機関の点火時
期制御装置によれば、バッテリ電圧BATが変動した場
合においても、内燃機関を失火させることなく円滑に始
動させることができる。ところで、図6は、内燃機関1
0の吸入空気温THAと、内燃機関10において安定し
た燃焼を得るために必要とされる要求電圧V0 との関係
を表した図であるが、同図に示す如く、要求電圧V
0 は、THAが低いほど高圧となる。
【0040】かかるV0 の変化は、THAの変化に伴う
吸気充填効率の変化、すなわち燃焼室14内での圧縮圧
力の変化に起因していることは前記した通りであるが、
このように要求電圧V0 が変化する場合、点火コイル4
2への通電時間Tcも、その変化を考慮したうえで決定
する必要がある。すなわち、図7は、THAが標準温度
である場合、低温である場合、及び高温である場合の要
求電圧V0 ,V0 ′,V0 ″と、それらを満たすために
必要とされる通電時間T0 ,T0 ′,T0 ″とを示した
ものであるが、同図に示す如く、THAが変化すれば、
その変化に応じて必要とされる通電時間Tcにも変化が
生じ、より高精度な点火時期制御を実行するためには、
THAをも考慮して固定点火時期制御と演算点火時期制
御とを切り換える回転数NESTAを決定する必要があ
る。
【0041】図8及び図9は、かかる機能を満たすべく
ECU32が実行するNESTA演算ルーチンの一例の
フローチャートと、そのNESTA演算ルーチン中で用
いるマップの一例とをそれぞれ示している。尚、図9
は、上記図5に示すマップをTHAについての3次元マ
ップとして求めたものである。すなわち、上記の機能を
実現するために、ECU32は、先ずバッテリ電圧BA
Tを読み込み(ステップ300)、次いで吸入空気温T
HAを読み込み(ステップ302)、それらに基づいて
図9に示すマップを検索してNESTAを算出する処理
を行う(ステップ304)。
【0042】この場合、バッテリ電圧BATの変動のみ
ならず、THAの変動をも考慮した上で、内燃機関10
において安定した燃焼が得られると推定される場合にの
み固定点火時期制御が実行されることになり、内燃機関
の失火を防止しつつ良好な始動性を確保する点火時期制
御がより精度良く実現できることになる。ところで、上
記図4に示すNESTA算出ルーチンは、バッテリ電圧
BATに基づいてNESTAを決定するルーチンであ
り、また上記図8に示すNESTA算出ルーチンは、バ
ッテリ電圧BATと吸入空気温THAとに基づいてNE
STAを決定するルーチンであるが、同様の手法により
THAのみに基づいてNESTAを決定することも可能
である。
【0043】尚、上述した実施例においては、ECU3
2が上記図4中ステップ200、又は上記図8中ステッ
プ300の処理を行うことにより前記したバッテリ電圧
検出手段が、上記図8中ステップ302の処理を行うこ
とにより前記した吸入空気温検出手段が、また、上記図
4中ステップ202、又は上記図8中ステップ304の
処理を行うことにより前記した切り換え回転数変更手段
がそれぞれ実現されることになる。
【0044】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、バッテリ電圧に応じて切り換え回転数を変更するこ
とにより、固定点火時期制御の実行中においては、バッ
テリ電圧の高低に関わらず、常に要求電圧に対して十分
な電圧を点火コイルで発生させることができる。
【0045】一方、演算点火時期制御の実行中において
は、機関回転数とは無関係に十分に長い通電時間が確保
されていることから、バッテリ電圧に変動に起因して、
点火コイルの発生電圧が要求電圧を下回ることはない。
従って、本発明に係る内燃機関の点火時期制御装置によ
れば、バッテリ電圧の変動に関わらず、常に要求電圧を
超える電圧を点火コイルから発生させることができ、始
動時における内燃機関の失火を有効に防止することがで
きる。
【0046】また、請求項2記載の発明によれば、吸入
空気温に応じて切り換え回転数を変更することにより、
固定点火時期制御の実行中においては、吸入空気温の高
低に関わらず、常に要求電圧に対して十分な電圧を点火
コイルで発生させることができる。一方、演算点火時期
制御の実行中においては、機関回転数とは無関係に十分
に長い通電時間が確保されていることから、バッテリ電
圧に変動に起因して、点火コイルの発生電圧が要求電圧
を下回ることはない。
【0047】従って、本発明に係る内燃機関の点火時期
制御装置によれば、吸入空気温の変動に関わらず、常に
要求電圧を超える電圧を点火コイルから発生させること
ができ、上記請求項1記載の発明に係る装置と同様に、
始動時における内燃機関の失火を有効に防止することが
できる。更に、請求項3記載の発明によれば、バッテリ
電圧と吸入空気温とに基づいて切り換え回転数が決定さ
れる。このため、本発明に係る内燃機関の点火時期制御
装置によれば、それらが共に変動した場合においても、
常に要求電圧を超える電圧を点火コイルから発生させる
ことができ、上記請求項1及び請求項2記載の発明に係
る装置に比して、更に有効に始動時における内燃機関の
失火を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関の点火時期制
御装置の構成概念図である。
【図2】本実施例において実行される点火時期算出ルー
チンの一例のフローチャートである。
【図3】点火コイルへの通電時間と点火コイルに発生す
る電圧との関係をバッテリ電圧をパラメータとして表し
た図である。
【図4】本実施例において実行される切り換え回転数N
ESTA算出ルーチンの一例のフローチャートである。
【図5】本実施例において実行される切り換え回転数N
ESTA算出ルーチン中で用いられるマップの一例であ
る。
【図6】吸入空気温と内燃機関において安定した燃焼を
得るために必要な要求電圧との関係を示す図である。
【図7】吸入空気温と内燃機関において安定した燃焼を
得るために必要な通電時間との関係を示す図である。
【図8】本実施例において実行される切り換え回転数N
ESTA算出ルーチンの他の例のフローチャートであ
る。
【図9】本実施例において実行される切り換え回転数N
ESTA算出ルーチン中で用いられるマップの他の例で
ある。
【符号の説明】 10 内燃機関 20 点火プラグ 26 吸気温センサ 32 電子制御ユニット(ECU) 34 バッテリ 35 スタータスイッチ 38,40 回転角センサ THA 吸入空気温 BAT バッテリ電圧 NE 機関回転数 NESTA 切り換え回転数 Tc 通電時間 Vc 発生電圧 V0 要求電圧

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関回転数が所定の切り換え回転数に満
    たない場合には、内燃機関の点火時期を予め設定した固
    定点火時期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転
    数以上である場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機
    関の運転状態に基づいて演算した演算点火時期に制御す
    る内燃機関の点火時期制御装置において、 バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、 該バッテリ電圧検出手段の検出結果に基づいて、前記切
    り換え回転数を変更する切り換え回転数変更手段とを備
    えることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 【請求項2】 機関回転数が所定の切り換え回転数に満
    たない場合には、内燃機関の点火時期を予め設定した固
    定点火時期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転
    数以上である場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機
    関の運転状態に基づいて演算した演算点火時期に制御す
    る内燃機関の点火時期制御装置において、 吸入空気温を検出する吸入空気温検出手段と、 該吸入空気温検出手段の検出結果に基づいて、前記切り
    換え回転数を変更する切り換え回転数変更手段とを備え
    ることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 【請求項3】 機関回転数が所定の切り換え回転数に満
    たない場合には、内燃機関の点火時期を予め設定した固
    定点火時期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転
    数以上である場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機
    関の運転状態に基づいて演算した演算点火時期に制御す
    る内燃機関の点火時期制御装置において、 バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、 吸入空気温を検出する吸入空気温検出手段と、 前記バッテリ電圧検出手段と、前記吸入空気温検出手段
    の検出結果とに基づいて、前記切り換え回転数を変更す
    る切り換え回転数変更手段とを備えることを特徴とする
    内燃機関の点火時期制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102536583A (zh) * 2011-07-07 2012-07-04 曹杨庆 汽油机等压恒压及多因素补偿点火电路
JP2017089549A (ja) * 2015-11-12 2017-05-25 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の点火時期制御装置
US11545343B2 (en) 2019-04-22 2023-01-03 Board Of Trustees Of Michigan State University Rotary plasma reactor

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