JPH08158905A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

車両の駆動力制御装置

Info

Publication number
JPH08158905A
JPH08158905A JP29841294A JP29841294A JPH08158905A JP H08158905 A JPH08158905 A JP H08158905A JP 29841294 A JP29841294 A JP 29841294A JP 29841294 A JP29841294 A JP 29841294A JP H08158905 A JPH08158905 A JP H08158905A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative pressure
driving force
throttle valve
vehicle
road surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29841294A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Iwata
徹 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP29841294A priority Critical patent/JPH08158905A/ja
Publication of JPH08158905A publication Critical patent/JPH08158905A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易型の装置を用いて、良好な制御を行う。 【構成】 エンジンの吸気通路にスロットル弁と直列に
設けられる第2スロットル弁4の駆動用アクチュエータ
として、負圧ダイアフラム装置15と三方電磁弁21とを設
ける。スリップ発生時に、三方電磁弁21をONにして、
負圧ダイアフラム装置15に負圧を導くことにより、1/
8開度程度の全閉位置に駆動する。そして、スリップ減
少後は、三方電磁弁21をOFFにして、負圧ダイアフラ
ム装置15に大気圧を導くことにより、全開位置に保持す
るが、全閉位置から全開位置に復帰させる際は、車両走
行路面の摩擦係数(μ)に応じたデューティ比のON−
OFF繰り返し信号で駆動し、低μ路面ほど開動作速度
を遅くして再加速スリップを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の駆動力(トラク
ション)制御装置に関し、特に、エンジンの吸気通路に
スロットル弁と直列に常開の第2スロットル弁を備え、
駆動輪のスリップ発生時に第2スロットル弁を閉じて車
両の駆動力を低減する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】濡れたアスファルト路や雪路等の滑りや
すい路面では、加速時に駆動輪がスリップして、車両が
十分に加速できなかったり、尻振りを起こして安定性が
低下したりする。そこで、車両の駆動力制御装置とし
て、エンジンの出力を低減するために、一部気筒への燃
料カットを行ったり、第2スロットル弁を用いて吸入空
気量を減少することが考えられるが、応答性の面からは
燃料カットによるエンジン出力の制御が好ましい。しか
し、燃料カットによる制御では、燃料が供給された気筒
からの燃え残りガスと燃料カットされた気筒からの新気
とが触媒内で後燃えしやすく、長時間連続して駆動力制
御が続くと、触媒の劣化が早まる問題がある。このた
め、第2スロットル弁を用いた吸入空気量の減少による
駆動力制御と、一部気筒への燃料カットや点火時期の遅
角による駆動力制御とを併用するものが好ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両の駆動力制御装置にあっては、第2スロ
ットル弁の駆動用アクチュエータとしてDCモータを用
いており、DCモータを用いることで、緻密に開度を制
御できるものの、特にFF車用として発進補助を含む低
速域での加速性向上のみに使用目的を限定した場合など
は、それほど緻密に制御する必要はないので、DCモー
タを用いることでコスト高になっているという問題点が
あった。
【0004】また、DCモータは、変速機構上、重量が
重く、またスロットルチャンバと一体であることが一般
的で、汎用性がないという問題点もあった。そこで、第
2スロットル弁の駆動用アクチュエータとして、負圧作
動室への負圧の導入により第2スロットル弁を所定開度
(1/8開度程度)の全閉位置に駆動し、大気圧の導入
により第2スロットル弁を全開位置に復帰させる負圧ダ
イアフラム装置と、この負圧ダイアフラム装置の負圧作
動室に負圧又は大気圧を選択的に導入する三方電磁弁と
を設けることにより、2段階制御として、コストの大幅
な低減を狙った簡易型の駆動力制御装置の開発が試みら
れた。
【0005】この簡易型の駆動力制御装置では、スリッ
プが発生すると、三方電磁弁がONとなり、負圧ダイア
フラム装置の負圧作動室に負圧が導入されて、第2スロ
ットル弁が全開位置から全閉位置に駆動され、スリップ
が減少すると、三方電磁弁がOFFとなり、負圧ダイア
フラム装置の負圧作動室に大気圧が導入されて、第2ス
ロットル弁が全閉位置から全開位置に復帰する。そし
て、スリップ量の微量な制御は応答性の早い燃料カット
などで行うことができる。
【0006】ここで、全開位置から全閉位置までの動作
速度(閉動作速度)は、スリップを早期に抑えることを
可能とするために、時間にして 0.2秒以下という高速度
に設定するのが望ましいが、復帰時の全閉位置から全開
位置までの動作速度(開動作速度)は、スリップ減少後
の急加速を防止するため、比較的低速度に設定する必要
があり、これらの要求を達成すべく、三方電磁弁への負
圧導入通路及び大気導入通路の各通路径を設定してい
る。
【0007】しかし、復帰時の全閉位置から全開位置ま
での動作速度(開動作速度)を走行路面の摩擦係数
(μ)が高い状態(高μ路面状態)での加速性を確保す
べく決定すると、走行路面の摩擦係数(μ)が低い状態
(低μ路面状態)では、これが速すぎて、再加速スリッ
プを誘発し、ハンチングの原因になるという問題点を生
じる。
【0008】本発明は、このような実情に鑑み、負圧ダ
イアフラム装置と三方電磁弁とを用いて第2スロットル
弁を全開位置と全閉位置との2段階に切換える簡易型の
駆動力制御を採用する一方、全閉位置から全開位置への
開動作時(復帰動作時)に、車両走行路面の状態に応じ
た最適な動作速度が得られるようにして、良好な駆動力
制御を行うことのできる車両の駆動力制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明では、車両の駆動力制御装置を図1に示すように
構成する。この車両の駆動力制御装置は、前提として、
エンジンの吸気通路にスロットル弁と直列に介装された
常開の第2スロットル弁と、車両の駆動輪のスリップ状
態を検出するスリップ状態検出手段と、検出されたスリ
ップ状態に応じて第2スロットル弁を閉弁方向に駆動し
て車両の駆動力を低減する第1の駆動力制御手段と、検
出されたスリップ状態に応じてエンジンの燃焼状態を制
御して車両の駆動力を低減する第2の駆動力制御手段と
を備える。
【0010】そして、前記第2スロットル弁の駆動用ア
クチュエータとして、負圧作動室への負圧の導入により
前記第2スロットル弁を所定開度の全閉位置に駆動し、
大気圧の導入により前記第2スロットル弁を全開位置に
復帰させる負圧ダイアフラム装置と、この負圧ダイアフ
ラム装置の負圧作動室に負圧又は大気圧を選択的に導入
する三方電磁弁とを設ける。
【0011】そして、前記第1の駆動力制御手段とし
て、前記スリップ状態検出手段により検出されるスリッ
プ状態に応じたON信号又はOFF信号により前記三方
電磁弁を駆動して前記第2スロットル弁を全閉位置と全
開位置との2段階に制御するON・OFF制御手段と、
車両走行路面の摩擦係数の状態を検出する路面状態検出
手段と、前記第2スロットル弁を全閉位置から全開位置
へ開動作させる時に、前記ON・OFF制御手段に優先
して、摩擦係数の低い路面状態での開動作速度が緩やか
になるように、前記路面状態検出手段より検出される車
両走行路面の摩擦係数の状態に応じたデューティ比のO
N−OFF繰り返し信号で前記三方電磁弁を駆動するデ
ューティ駆動手段とを設けることを特徴とする。
【0012】請求項2に係る発明では、前記デューティ
駆動手段は、開動作の開始から所定時間、ON−OFF
繰り返し信号で前記三方電磁弁を駆動するものであるこ
とを特徴とする。請求項3に係る発明では、前記路面状
態検出手段は、スリップ発生時の車両の加速度の大きさ
に基づいて路面の摩擦係数を検出するものであることを
特徴とする。
【0013】請求項4に係る発明では、前記第2の駆動
力制御手段は、スリップ状態に応じて、一部気筒への燃
料供給を停止し、かつ燃料供給を停止する気筒数を制御
するものであることを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1に係る発明では、第2スロットル弁の
駆動用アクチュエータとして、負圧ダイアフラム装置
と、その負圧作動室に負圧又は大気圧を選択的に導入す
る三方電磁弁とを用い、駆動輪のスリップ発生時には、
三方電磁弁をONにして、負圧ダイアフラム装置の負圧
作動室に負圧を導入し、負圧ダイアフラム装置により、
第2スロットル弁を所定開度の全閉位置、すなわちスリ
ップ抑制のために必要な小開度でありながらもエンスト
を防止し得る開度に駆動することで、簡単なON・OF
F制御で駆動力低減要求に応える。
【0015】また、三方電磁弁をOFFにすることによ
り、負圧ダイアフラム装置の負圧作動室に大気圧を導入
して、第2スロットル弁を全開位置に保持するが、スリ
ップの減少後に、第2スロットル弁を全閉位置から全開
位置に復帰動作(開動作)させる際は、車両走行路面の
摩擦係数の状態(高μ路面、低μ路面など)を検出し、
これに応じたデューティ比のON−OFF繰り返し信号
で三方電磁弁を駆動する。
【0016】このように開動作時にON−OFF繰り返
し信号で駆動することにより、単なるOFF信号とする
場合に比して、開動作速度を緩やかにすることができ、
ON−OFF繰り返し信号のデューティ比(ON時間割
合又はOFF時間割合)を可変とすることで、開動作速
度を制御することが可能となる。これにより、高μ路面
状態では、開動作速度を比較的高速度として、ある程度
の加速性を確保する一方、低μ路面状態では、開動作速
度を比較的低速度として、スリップ減少後の急加速によ
る再加速スリップ(すなわちハンチング)を防止する。
【0017】一方、第2の駆動力制御手段は、エンジン
の燃焼状態を制御して車両の駆動力を低減するもの、具
体的には、一部気筒への燃料カットを含む燃料供給量の
制御や、点火時期の遅角により、エンジン出力を低減す
るものであり、吸入空気量を減少する場合に較べて、エ
ンジン出力が応答よく低下するから、スリップを早期に
抑制することが可能である。
【0018】尚、第1の駆動力制御手段は、第2の駆動
力制御手段に比較して応答性には劣るが、吸入空気量を
制御するという本来の方法でエンジン出力を制御するも
のであるから、燃料供給量の制御や、点火時期の遅角に
より、燃焼状態を悪化させるものと較べ、排気性能など
の点で優れているので、主たる駆動力制御には第1の駆
動力制御手段を用いるのである。
【0019】また、請求項2に係る発明では、開動作の
開始から所定時間、ON−OFF繰り返し信号で三方電
磁弁を駆動し、所定時間後はOFFにして全開状態の保
持を確実にする。また、請求項3に係る発明では、走行
路面に対して滑らずに走行できる車両の駆動力は路面の
摩擦係数が大きいほど大きくなり、駆動力と加速度とは
比例的であるため、スリップを発生する瞬間の加速度に
基づいて路面の摩擦係数を検出する。
【0020】また、請求項4に係る発明では、併用する
第2の駆動力制御手段として、一部気筒への燃料カット
制御手段を採用するので、他の燃料供給量の制御や、点
火時期の遅角などに較べ、排気性能への影響を少なくす
ることができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は車両全体のシステム図、図3は第2スロッ
トル弁の駆動装置のシステム図である。FF車において
横置きに配置されるエンジン1の吸気通路2には、アク
セルペダルに連動して開閉されるスロットル弁3の上流
側に、常開の第2スロットル弁4が設けられている。ま
た、スロットル弁3の下流側の吸気マニホールドには、
各気筒毎に燃料噴射弁31が設けられている。
【0022】一方、左右の前輪(駆動輪)にそれぞれ車
輪速センサ5A,5Bが設けられると共に、左右の後輪
(従動輪)にそれぞれ車輪速センサ6A,6Bが設けら
れ、これらの信号はトラクションコントロールユニット
7に入力されている。トラクションコントロールユニッ
ト7は、駆動輪と従動輪との車輪速差に基づいてスリッ
プの発生を検出し、スリップ発生時に、駆動力低減要求
信号を発生する。駆動力低減要求信号の1つは、第2ス
ロットル弁4の駆動装置(詳しくは後述する三方電磁弁
21)に送られ、これにより第2スロットル弁4が閉弁方
向に駆動される。また、駆動力低減要求信号の他のもの
は、エンジンコントロールモジュール8に送られ、燃料
噴射弁31に対する燃料噴射パルス信号の出力が一部停止
されて、要求低減駆動力に見合った気筒数の燃料カット
が行われる。
【0023】また、走行路面の摩擦係数μを推定すべ
く、駆動輪のスリップ発生時に車両の進行方向の加速度
を検出するために、前後方向加速度を検出する前後Gセ
ンサ32と、横(左右)方向加速度を検出する横Gセンサ
33とが設けられ、これらの信号はトラクションコントロ
ールユニット7に入力されている。また、エンジンコン
トロールモジュール8にはエンジン1の各種情報が入力
されるが、これらの情報はトラクションコントロールユ
ニット7にても使用可能となっている。
【0024】次に、第2スロットル弁4の駆動装置につ
いて説明する。第2スロットル弁4は、吸気通路を構成
する樹脂製のチャンバ10の中心より偏心した位置に弁軸
11を有するバタフライ式の弁で、弁軸11に固定したレバ
ー12の操作により開閉される。このレバー12に対して
は、その揺動範囲を規制するようにストッパ13,14が設
けられており、これらにより、第2のスロットル弁4
が、全開位置と、1/8開度程度の全閉位置とをとるよ
うになっている。
【0025】第2スロットル弁4のレバー12には負圧ダ
イアフラム装置15のダイアフラム16に連結された出力ロ
ッド17が連結されている。負圧ダイアフラム装置15は、
ダイアフラム16により画成される負圧作動室18と、負圧
作動室18に収納されてダイアフラム16を付勢するスプリ
ング19とを備え、負圧作動室18への負圧の導入によりダ
イアフラム16が図で右方に変位して第2スロットル弁4
を全閉位置に駆動し、負圧作動室18への大気圧の導入に
よりダイアフラム16が図で左方に変位して第2スロット
ル弁4を全開位置に復帰させる。
【0026】負圧ダイアフラム装置15の負圧作動室18へ
の連通路20には、負圧又は大気圧を選択的に導入する三
方電磁弁21が接続されている。三方電磁弁21は、OFF
状態では、負圧側ポートP1 を閉じて、大気圧側ポート
2 を開き、ON状態では、逆に、大気圧側ポートP2
を閉じて、負圧側ポートP1 を開くようになっている。
【0027】三方電磁弁21の負圧側ポートP1 は、負圧
導入通路22により負圧タンク23に接続され、この負圧タ
ンク23はチェック弁24を介して吸気マニホールド(吸気
通路2のスロットル弁3下流)に接続されている。三方
電磁弁21の大気圧側ポートP2 は、大気圧導入通路25に
より大気に開放されているが、大気圧導入通路25にはオ
リフィス26が設けられている。
【0028】尚、この駆動装置において、負圧ダイアフ
ラム装置15の出力ロッド17の欠損等により、第2スロッ
トル弁4が自由になった場合は、この第2スロットル弁
4の弁軸11が吸気通路の中心から偏心して設けられてい
て、弁軸11を挟んで左右の弁体部分の受圧面積に差があ
るので、第2スロットル弁4が閉じようとしても、第2
スロットル弁4の上・下流の圧力差(下流側が負圧)に
より、第2スロットル弁4に開弁方向のモーメントが作
用する。よって、かかる故障時にも第2スロットル弁4
を開弁させて、走行が可能となるようになっている。
【0029】次に、スリップ状態に応じた駆動力制御に
ついて、図4により説明する。尚、本駆動力制御は、第
2スロットル弁4による駆動力制御と、一部気筒への燃
料カットによる駆動力制御とを併用して行われる。図4
はトラクションコントロールユニット8にて所定時間
(Δt)毎に実行される駆動力制御ルーチンのフローチ
ャートである。
【0030】ステップ1(図にはS1と記してある。以
下同様)では、車輪速センサ5A,5Bからの信号に基
づいて検出される駆動輪側の車輪速VDと、車輪速セン
サ6A,6Bからの信号に基づいて検出される従動輪側
の車輪速VFとの差を演算し、これをスリップ量S=V
D−VFとして検出する。ステップ2では、検出された
スリップ量Sを所定値S0 と比較し、S≧S0 の場合
は、スリップ発生とみなして、ステップ3へ進む。
【0031】ステップ3では、第2スロットル弁4を全
閉位置に駆動すべく、三方電磁弁21に対し、ON信号
(OFFデューティ0%)を出力する。このON信号に
より、三方電磁弁21において、大気圧側ポートP2 を閉
じて、負圧側ポートP1 を開く。よって、負圧ダイアフ
ラム装置15の負圧作動室18には負圧が導入され、スプリ
ング19の付勢力に抗してダイアフラム16を図3で右方に
変位させて、第2スロットル弁4を1/8開度程度の全
閉位置に駆動する。
【0032】全閉位置での開度を1/8開度程度とする
ことで、スリップを抑制する上で必要な小開度に制限す
ると共に、エンストを防止する。また、このときの全開
位置から全閉位置までの動作時間(図5のt1 )は、ダ
イアフラム16の有効受圧面積、負圧導入通路22の通路径
などにより、低μ路面でのスリップをも早期に押さえる
ことを可能とするために、 0.2秒以下という極めて短い
時間に設定する。
【0033】この後、ステップ4ではフラグFを1にセ
ットし、また、ステップ5ではタイマtを0にリセット
して、ステップ14,15へ進む。ステップ14では、実際の
スリップ量Sと最適な走行が行えるスリップ量の目標値
tgとの偏差ε=S−Stgを算出し、この偏差εに応じ
て要求燃料カット量CをPID制御によって算出する
(次式参照)。
【0034】 C=KP ・ε+KI ・∫εdt+KD ・ dε/dt 尚、KP はP分の制御ゲイン、KI はI分の制御ゲイ
ン、KD はD分の制御ゲインである。ステップ15では、
算出された要求燃料カット量Cに応じた気筒数の燃料カ
ットを行い、本ルーチンを終了する。
【0035】このような燃料カットによる駆動力制御に
より、スリップ量Sを目標値Stg近傍にフィードバック
制御して、最適な駆動力で走行することができる。ま
た、第2スロットル弁4による駆動力制御では、吸入空
気量を制御するという本来の方法でエンジン出力を制御
するため排気性能などの点で優れているものの、応答性
の点でやや問題があるが、このような燃料カットによる
駆動力制御を併用することで、エンジン出力をより速や
かに低下させることができ、スリップを早期に抑制する
ことができる。
【0036】ステップ2での判定で、S<S0 の場合
は、スリップ無しとみなして、ステップ6へ進む。ステ
ップ6では、フラグF=1か否かを判定し、F=1(第
2スロットル弁4の閉弁駆動直後)の場合は、ステップ
7へ進む。ステップ7では、第2スロットル弁4の開動
作開始からの経過時間を示すタイマtの値を所定時間t
0 と比較し、t<t0 の場合は、ステップ8へ進む。
【0037】ステップ8では、前後Gセンサ32からの信
号に基づいて検出される前後方向の加速度Xgと横Gセ
ンサ33からの信号に基づいて検出される横 (左右) 方向
の加速度Ygとから、車両進行方向の加速度の大きさに
比例した値として、走行路面の摩擦係数μを次式により
算出する。尚、kは定数である。 μ=k・ (Xg2 +Yg2 )1/2 ステップ9では、走行路面の摩擦係数μに対応させて予
めデューティ比(OFFデューティ)を定めたマップを
参照し、ステップ8で算出された摩擦係数μからOFF
デューティを検索する。ここで、摩擦係数μが大きい高
μ路面ではOFFデューティを 100%とするが、摩擦係
数μが小さい低μ路面ほどOFFデューティを小さくす
る。
【0038】ステップ10では、第2スロットル弁4を全
開位置に復帰させるべく、三方電磁弁21に対し、ステッ
プ9で検索されたOFFデューティのON−OFF繰り
返し信号を出力する(デューティ駆動)。このようなデ
ューティ駆動により、三方電磁弁21のOFF時に、三方
電磁弁21において、負圧側ポートP1 を閉じて、大気圧
側ポートP2 を開く。よって、負圧ダイアフラム装置15
の負圧作動室18には大気圧が導入され、スプリング19に
よりダイアフラム16を図3で左方に変位させて、第2ス
ロットル弁4を全開位置に復帰させる。
【0039】このときの全閉位置から全開位置までの動
作時間(図5のt2 )は、負圧導入通路22の通路抵抗に
比し、大気導入通路25側にオリフィス26を設けて、通路
抵抗を大きくすることにより、全開位置から全閉位置ま
での動作時間の10倍以上である、2〜7秒に設定して、
スリップ減少後の急加速を防止する。また、摩擦係数μ
が大きい高μ路面ではOFFデューティを 100%とする
ことにより、図5に点線で示すように開動作速度を比較
的高速度にして、ある程度の加速性能を確保し、摩擦係
数μが小さい低μ路面ほどOFFデューティを小さくす
ることにより、図5に実線で示すように開動作速度を比
較的低速度にして、再加速スリップを防止する。
【0040】但し、低μ路面での最小OFFデューティ
においても、これにより形成される大気圧に近い負圧に
より、第2スロットル弁4を全開に駆動し得るようにし
ておくことは言うまでもない。この後、ステップ11で第
2スロットル弁4の開動作開始からの経過時間を示すタ
イマtの値を本ルーチンの実行時間隔Δt分増大させ
て、前述のステップ14,15へ進む。
【0041】ステップ6での判定でF=0の場合、ある
いは、ステップ7での判定でt≧t 0 の場合は、ステッ
プ12へ進む。ステップ12では、第2スロットル弁4を全
開位置に保持すべく、三方電磁弁21に対し、OFF信号
(OFFデューティ 100%)を出力する。これによっ
て、三方電磁弁21により負圧ダイアフラム装置15の負圧
作動室18に完全に大気圧が導入されて、第2スロットル
弁4が全開位置に保持される。
【0042】このように第2スロットル弁4の開動作の
開始から所定時間t0 後は、OFFデューティを 100%
として、第2スロットル弁4の全開状態での保持を確実
にする。この後、ステップ13でフラグFを0にして、前
述のステップ14,15へ進む。本実施例においては、ステ
ップ1の部分がスリップ状態検出手段に相当し、ステッ
プ2,3,12の部分がON−OFF制御手段に相当し、
ステップ8の部分が路面状態検出手段に相当し、ステッ
プ9,10の部分がデューティ駆動手段に相当し、ステッ
プ14,15の部分が第2の駆動力制御手段に相当する。
【0043】尚、本実施例においては、スリップ発生時
に検出された加速度の大きさに基づいて路面の摩擦係数
を検出するようにしたが、スリップ発生時の駆動輪の駆
動力を推定し、該推定された駆動力の大きさに基づいて
路面の摩擦係数を検出するようにしてもよい。また、本
実施例においては、第2スロットル弁4の開動作中のO
FFデューティを一定にしたが、経過時間の関数とし
て、次第に 100%に近づけるようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に係る発明
によれば、第2スロットル弁の駆動用アクチュエータと
して、負圧ダイアフラム装置と、その負圧作動室に負圧
又は大気圧を選択的に導入する三方電磁弁とを用いて、
全開位置と所定開度の全閉位置との2段階制御を行うこ
とにより、簡易な装置で最低限の駆動力低減要求に応え
ることができ、大幅なコストダウンが可能になるという
効果が得られる。
【0045】また、スリップの減少後に、第2スロット
ル弁を全閉位置から全開位置に復帰動作させる際は、車
両走行路面の摩擦係数の状態を検出し、これに応じたデ
ューティ比のON−OFF繰り返し信号で三方電磁弁を
駆動することにより、高μ路面状態では、開動作速度を
比較的高速度として、ある程度の加速性を確保する一
方、低μ路面状態では、開動作速度を比較的低速度とし
て、再加速スリップを防止することができるという効果
が得られる。
【0046】また、請求項2に係る発明によれば、開動
作の開始から所定時間後は完全にOFFにして全開状態
の保持を確実にすることができるという効果が得られ
る。また、請求項3に係る発明によれば、スリップ発生
時の車両の加速度に基づいて路面状態(摩擦係数)を的
確に検出できるという効果が得られる。また、請求項4
に係る発明によれば、併用する第2の駆動力制御とし
て、一部気筒への燃料カットを行うので、他の燃料供給
量の制御や、点火時期の遅角などに較べ、排気性能への
影響を少なくできるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の一実施例を示す車両全体のシステム
【図3】 同上実施例における第2スロットル弁の駆動
装置のシステム図
【図4】 同上実施例における駆動力制御のフローチャ
ート
【図5】 同上実施例における動作特性図
【符号の説明】
1 エンジン 2 吸気通路 3 スロットル弁 4 第2スロットル弁 5A,5B 車輪速センサ 6A,6B 車輪速センサ 7 トラクションコントロールユニット 8 エンジンコントロールモジュール 15 負圧ダイアフラム装置 16 ダイアフラム 18 負圧作動室 19 スプリング 20 連通路 21 三方電磁弁 22 負圧導入通路 23 負圧タンク 24 チェック弁 25 大気導入通路 26 オリフィス 31 燃料噴射弁 32 前後Gセンサ 33 横Gセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 17/02 V 41/22 310 E 330 S 43/00 301 K H 45/00 312 M

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの吸気通路にスロットル弁と直列
    に介装された常開の第2スロットル弁と、車両の駆動輪
    のスリップ状態を検出するスリップ状態検出手段と、検
    出されたスリップ状態に応じて第2スロットル弁を閉弁
    方向に駆動して車両の駆動力を低減する第1の駆動力制
    御手段と、検出されたスリップ状態に応じてエンジンの
    燃焼状態を制御して車両の駆動力を低減する第2の駆動
    力制御手段とを備える車両の駆動力制御装置において、 前記第2スロットル弁の駆動用アクチュエータとして、
    負圧作動室への負圧の導入により前記第2スロットル弁
    を所定開度の全閉位置に駆動し、大気圧の導入により前
    記第2スロットル弁を全開位置に復帰させる負圧ダイア
    フラム装置と、この負圧ダイアフラム装置の負圧作動室
    に負圧又は大気圧を選択的に導入する三方電磁弁とを設
    ける一方、 前記第1の駆動力制御手段として、 前記スリップ状態検出手段により検出されるスリップ状
    態に応じたON信号又はOFF信号により前記三方電磁
    弁を駆動して前記第2スロットル弁を全閉位置と全開位
    置との2段階に制御するON・OFF制御手段と、 車両走行路面の摩擦係数の状態を検出する路面状態検出
    手段と、 前記第2スロットル弁を全閉位置から全開位置へ開動作
    させる時に、前記ON・OFF制御手段に優先して、摩
    擦係数の低い路面状態での開動作速度が緩やかになるよ
    うに、前記路面状態検出手段より検出される車両走行路
    面の摩擦係数の状態に応じたデューティ比のON−OF
    F繰り返し信号で前記三方電磁弁を駆動するデューティ
    駆動手段と、 を設けたことを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】前記デューティ駆動手段は、開動作の開始
    から所定時間、ON−OFF繰り返し信号で前記三方電
    磁弁を駆動するものであることを特徴とする請求項1記
    載の車両の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】前記路面状態検出手段は、スリップ発生時
    の車両の加速度の大きさに基づいて路面の摩擦係数を検
    出するものであることを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の車両の駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】前記第2の駆動力制御手段は、スリップ状
    態に応じて、一部気筒への燃料供給を停止し、かつ燃料
    供給を停止する気筒数を制御するものであることを特徴
    とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の車両
    の駆動力制御装置。
JP29841294A 1994-12-01 1994-12-01 車両の駆動力制御装置 Pending JPH08158905A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29841294A JPH08158905A (ja) 1994-12-01 1994-12-01 車両の駆動力制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29841294A JPH08158905A (ja) 1994-12-01 1994-12-01 車両の駆動力制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08158905A true JPH08158905A (ja) 1996-06-18

Family

ID=17859378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29841294A Pending JPH08158905A (ja) 1994-12-01 1994-12-01 車両の駆動力制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08158905A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7091678B2 (en) 2002-08-29 2006-08-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Device and method for controlling prime mover

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7091678B2 (en) 2002-08-29 2006-08-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Device and method for controlling prime mover

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3448995B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
JP2004346830A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH09249050A (ja) 車両の駆動力制御装置
JPH0730837B2 (ja) トルクコンバータのスリップ制御装置
JP2000248966A (ja) 燃料が直接噴射される燃焼室を有する内燃機関の運転方法およびその制御装置
JP3675018B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
JP2791436B2 (ja) 車両用定速走行装置
JP2727714B2 (ja) エンジンの出力制御方法
JPH08158905A (ja) 車両の駆動力制御装置
JPH0441944A (ja) 内燃機関の出力制御装置
JP2007132225A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH08158895A (ja) 車両の駆動力制御装置
JP3627265B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
JP3700281B2 (ja) 駆動力制御装置
JPH11117778A (ja) 車両用エンジンの制御装置
JP3709652B2 (ja) 車両用駆動力制御装置
JP4021005B2 (ja) 車両用エンジンの吸入空気量制御装置
JP2003343306A (ja) 車両の駆動力制御装置
JPH07115611B2 (ja) 車両の加速スリップ制御装置
JPH1029517A (ja) 車両の旋回制御装置
JPH08121199A (ja) 車両の駆動力制御装置
JP2785255B2 (ja) 車両用定速走行装置
JP3355679B2 (ja) 車両用内燃機関の回転速度制御装置
JPS5813099Y2 (ja) 減速時燃料制御装置
JP3346105B2 (ja) 車両用駆動力制御装置