JPH08158843A - 潤滑油の圧力調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、潤滑油の圧力調整装置に
おいて、リリーフバルブの取付部位の加工・管理を容易
にするとともに、リリーフバルブの組付性を向上し、し
かも、品質管理を容易にすることにある。 【構成】 このため、この発明は、エンジンのバルブ挿
着穴の内面に穴側ねじ部を設け、リリーフバルブのバル
ブ本体の外面には穴側ねじ部に螺合するバルブ側ねじ部
を設け、バルブ本体にはバルブ挿着穴の口元部に当接す
るバルブフランジを設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、潤滑油の圧力調整装
置に係り、特にリリーフバルブの取付部位の加工・管理
を容易にするとともに、リリーフバルブの組付性を向上
し得る潤滑油の圧力調整装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エンジンにおいては、各潤滑油必要部位
に潤滑油を供給するために、オイル通路を設けている。
このオイル通路は、オイルポンプで圧送された潤滑油を
シリンダブロックやシリンダヘッドの各潤滑油必要部位
に導くものである。また、エンジンには、オイル通路内
の潤滑油の圧力を制御するために、リリーフバルブを備
えた圧力調整装置が設けられている。リリーフバルブ
は、例えば、エンジンのシリンダヘッドに形成したバル
ブ挿着穴に取付けられている。

【０００３】即ち、図４に示す如く、エンジンのシリン
ダヘッド１０２には、オイル通路１０４に連通してバル
ブ挿着穴１０６が形成されている。このバルブ挿着穴１
０６には、リリーフバルブ１０８のバルブ本体１１０が
挿着される。このバルブ本体１１０には、バルブ挿着穴
１０６の内面との機密性を確保するために、外面に形成
したリング溝１１２に収容されたＯリング１１４が設け
られている。

【０００４】リリーフバルブ１０８は、バルブ空間１１
６を有するバルブ本体１１０と導入孔１１８と弁体１２
０とスプリング１２２と噴出孔１２４とスプリング支持
体１２６とから構成されている。

【０００５】この図４において、シリンダヘッド２に
は、バルブ挿着穴１０６の口元部１０６ａにＯリング１
１４が損傷しないように、２段階の面取り、つまり、第
１面取り１２８、第２面取り１３０が施されている。

【０００６】また、このような潤滑油の圧力調整装置と
しては、例えば、実公平２−１８２５１号公報に開示さ
れている。この公報に記載のものは、リリーフバルブに
おいて、プランジャの先端部及びケーシングの着座部の
内周部に円錐台形状の当接部を残した状態で該プランジ
ャの先端部又はケーシングの着座部の少なくとも一方の
外周部に、閉弁時にプランジャに油圧が作用する溝を形
成し、これにより、簡単な構造で、閉弁状態におけるプ
ランジャの受圧面積を増大し、開弁時の受圧面積の変化
率を小さくし、開弁時のサージング現象を減少させると
同時に油圧リリフの際のリリーフ圧を安定させ、サージ
ング現象によるケーシングの着座部、プランジャの先端
部の摩耗とそれらの間での異音の発生を低減するもので
ある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来、潤滑
油の圧力調整装置においては、リリーフバルブをエンジ
ンのバルブ挿着穴に取付けた際に、Ｏリングによつて機
密性を確保させているので、バルブ挿着穴の内面の面精
度を高くする必要があった。また、バルブ挿着穴の口元
部がリリーフバルブをバルブ挿着穴に挿着した時にＯリ
ングを損傷しないように、２段階に面取りをしたり、あ
るいは、曲面状に面取りをする必要があった。更に、リ
リーフバルブをバルブ挿着穴に取付けた時も、Ｏリング
を損傷しないように慎重さが必要であった。更にまた、
Ｏリングを取付けるのを忘れた場合に、機密性が損なわ
れるとともに、リリーフバルブの機能も低下する不都合
があった。また、リリーフバルブには潤滑油の圧力によ
って抜ける方向に加重が作用するので、抜け止めが必要
になるという不都合があった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述の不都合を除去するために、エンジンのバルブ挿着穴
に取付けられてオイル通路内の潤滑油の圧力を制御する
リリーフバルブが備えられた潤滑油の圧力調整装置にお
いて、前記バルブ挿着穴の内面に穴側ねじ部を設け、前
記リリーフバルブのバルブ本体の外面には前記穴側ねじ
部に螺合するバルブ側ねじ部を設け、前記バルブ本体に
は前記バルブ挿着穴の口元部に当接するバルブフランジ
を設けたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】この発明の構成によれば、リリーフバルブはバ
ルブ本体のバルブ側ねじ部がバルブ挿着穴の穴側ねじ部
に螺合されることによってエンジンに取付けられるとと
もに、バルブ本体のバルブフランジがバルブ挿着穴の口
元部に当接するので、オイル通路の機密性がねじ部位と
バルブフランジとによって確保され、これにより、リリ
ーフバルブの取付部位の加工・管理が容易になるととも
に、リリーフバルブの組付性を向上し、しかも、品質管
理を容易にすることができる。

【００１０】

【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
且つ具体的に説明する。図１〜３は、この発明の実施例
を示すものである。図２、３において、２はエンジンの
シリンダヘッドである。このシリンダヘッド２には、吸
気側カム軸４、排気側カム軸６が略平行に位置して軸支
して設けられている。

【００１１】吸気側カム軸４は、吸気側ベアリングキャ
ップ８によってシリンダヘッド２に軸支されている。排
気側カム軸６は、排気側ベアリングキャップ１０によっ
てシリンダヘッド２に軸支されている。

【００１２】吸気側カム軸４には、タイミングチェーン
用スプロケット１２と吸気側カムスプロケット１４とが
設けられている。排気側カム軸６には、吸気側カムスプ
ロケット１４に対応して排気側カムスプロケット１６が
設けられている。

【００１３】タイミングチェーン用スプロケット１２に
は、クランク軸（図示せず）の回転に伴って回転するタ
イミングチェーン１８が巻掛けられる。また、吸気側カ
ムスプロケット１４と排気側カムスプロケット１６とに
は、カムチェーン２０が巻掛けられる。このカムチェー
ン２０は、チェーンガイド２２によって案内されてい
る。

【００１４】シリンダヘッド２には、図１、２に示す如
く、潤滑油のオイル通路２４が形成されている。このオ
イル通路２４は、オイルポンプ（図示せず）によって圧
送される潤滑油をシリンダヘッド２の各潤滑油必要部位
に導くものである。

【００１５】また、シリンダヘッド２には、オイル通路
２４の上端部位に圧力調整装置を構成するリリーフバル
ブ２６が取付けられる。

【００１６】このリリーフバルブ２６は、オイル通路２
４内の潤滑油の圧力を制御するものであり、バルブ空間
２８を有する筒状のバルブ本体３０と、このバルブ本体
３０の一端側に嵌入された筒状の通路壁３０Ａによって
形成されてオイル通路２４とバルブ空間２８とを連通す
る導入孔３２と、バルブ本体３０のバルブ空間２８内で
移動可能に設けられたボール状の弁体３４と、この弁体
３４を導入孔３２側に押圧付勢するスプリング３６と、
バルブ本体３０の他端側に形成されてバルブ空間２８と
外部とを連通する噴出孔３８とから構成されている。

【００１７】シリンダヘッド２には、オイル通路２４の
上端部位においてリリーフバルブ２６を取付けるバルブ
挿着穴４０が形成されている。このバルブ挿着穴４０の
内面には、穴側ねじ部４２が形成されている。

【００１８】バルブ本体３０の外面には、穴側ねじ部４
２に螺合するバルブ側ねじ部４４が形成されている。

【００１９】また、バルブ本体３０には、バルブ挿着穴
４０の口元部４０ａに当接するバルブフランジ４６が側
方に突出して設けられている。

【００２０】バルブ本体３０の上端面には、このバルブ
本体３０を回動させるための工具（図示せず）を差込ま
せる溝等の工具用差込部４８が形成されている。

【００２１】更に 、シリンダヘッド２には、点火栓５
０が設けられている。

【００２２】次に、この実施例の作用を説明する。

【００２３】リリーフバルブ２６のバルブ本体３０のバ
ルブ側ねじ部４４をバルブ挿着穴４０の穴側ねじ部４２
に螺合し、バルブ本体３０を工具によって回転させて締
付け操作をし、バルブ本体３０にゆるみが生じない締付
けトルクでバルブ本体３０をバルブ挿着穴４０に締付け
ると、バルブフランジ４６がバルブ挿着穴４０の口元部
４０ａに当接する。

【００２４】この結果、オイル通路２４の機密性は、バ
ルブ挿着穴４０の穴側ねじ部４２とバルブ本体３０のバ
ルブ側ねじ部４４とが螺合するとともに、バルブフラン
ジ４６がバルブ挿着穴４０の口元部４０ａに当接するこ
とによつて果される。これにより、従来のＯリングを、
不要とすることができる。

【００２５】このように、従来のＯリングが不要となる
ことにより、バルブ挿着穴４０の内面の仕上げや、バル
ブ挿着穴４０の口元部４０ａに２段の面取りを省略し、
バルブ挿着穴４０にねじ切りをするだけでよく、よっ
て、加工・管理を容易とし、しかも、廉価とすることが
できる。

【００２６】また、リリーフバルブ２６のバルブ本体３
０の外面のＯリングを収容するリング溝を省略すること
ができ、バルブ本体３０の外面にねじ切りをすればよい
だけなので、加工・管理を容易とし、しかも、廉価とす
ることができる。

【００２７】更に、リリーフバルブ２６をシリンダヘッ
ド２に取付けるのに、締付け操作のみ行えばよいので、
リリーフバルブ２６の組付性を向上することができる。

【００２８】更にまた、従来のＯリングの損傷やＯリン
グの組付け忘れがなくなるので、品質管理を容易に行わ
せることができる。

【００２９】

【発明の効果】以上詳細な説明から明らかなようにこの
発明によれば、エンジンのバルブ挿着穴の内面に穴側ね
じ部を設け、リリーフバルブのバルブ本体の外面には穴
側ねじ部に螺合するバルブ側ねじ部を設け、バルブ本体
にはバルブ挿着穴の口元部に当接するバルブフランジを
設けたことにより、オイル通路の機密性がねじ部位とバ
ルブフランジとによって確保され、これにより、リリー
フバルブの取付部位の加工・管理を容易にするとともに
廉価とし、リリーフバルブの組付性を向上し、しかも、
品質管理を容易とし得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】圧力調整装置の拡大断面図である。

【図２】シリンダヘッドの一部縦断面図である。

【図３】シリンダヘッドの一部平面図である。

【図４】従来の圧力調整装置の拡大断面図である。

【符号の説明】

２ シリンダヘッド ２４ オイル通路 ２６ リリーフバルブ ３０ バルブ本体 ４０ バルブ挿着穴 ４０ａ 口元部 ４２ 穴側ねじ部 ４４ バルブ側ねじ部 ４６ バルブフランジ

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【手続補正書】

【提出日】平成７年１月３１日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンのバルブ挿着穴に取付けられて
   オイル通路内の潤滑油の圧力を制御するリリーフバルブ
   が備えられた潤滑油の圧力調整装置において、前記バル
   ブ挿着穴の内面に穴側ねじ部を設け、前記リリーフバル
   ブのバルブ本体の外面には前記穴側ねじ部に螺合するバ
   ルブ側ねじ部を設け、前記バルブ本体には前記バルブ挿
   着穴の口元部に当接するバルブフランジを設けたことを
   特徴とする潤滑油の圧力調整装置。