JPH08158732A - 連動扉の取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連動扉における連動機構を保護してその連動
機能を良好に保持できるものであって、連動扉の取付け
を簡易にした取付装置を得ること。 【構成】 溝形の固定レールを前面開口状に架設し、固
定レールの開口下部に内扉上端の車輪を遊嵌し、外扉上
端に設けた可動レールを内扉の車輪上に載架し、可動レ
ール両側の両車輪を固定レールの下部に遊嵌し、固定レ
ールの開口上部を塞ぐ凸部を内面に凸設した閉塞板を固
定レールの開口前面部に被着する。 【効果】 扉の連動機構を保護してその機能を良好に保
持すると共に、建物の開口上部を補強して左右方向の動
揺や捩れを防止し、内外両扉の建付けを適正に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、組立建物等の開口部
に設ける連動引違扉の取付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】実開昭５８−１１５６７号公報に引違ド
アの考案が紹介されていて、同公報の実用新案登録請求
の範囲の記載によれば、「固定レール上を転動自在であ
って、間隔をおいてフレームに支持してある複数のロー
ラと、上記フレームからアームを介して吊下げいてる内
側の扉と、上記ローラに跨って乗架し、ローラを転動し
ながら移動する可動レールと、この可動レールからアー
ムを介して吊下げている外側の扉と、を具備しているこ
とを特徴とする引違ドア。」であって、同公報の第１図
と第２図に前記引違ドアの各部材間の組合せ係合状態が
図示されて連動引違扉の作動機構のみが紹介されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記公報の引違ドアの
構成においては、外扉はその上端部に設けた可動レール
が内扉上端部のフレームに設けた複数のローラ上に乗架
しているのみであるから、ローラ上から離脱し易くて連
動扉の機能を失う惧れが認められる。そこで本発明にお
いては、同種の連動扉において、内扉と外扉及び固定レ
ールの三者の係合状態を離脱し難くし、両扉の作動を円
滑軽快にして連動扉の機能を良好にしその良好な連動機
能を長期維持できると共に、内外両扉の建物開口部への
着脱操作を容易にした連動扉の取付装置を開発すること
を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題解決の手段とし
て、建物開口部の上端縁に沿って溝形の固定レールを前
面開口状に架設し、該固定レールの開口内下部に内扉の
上端縁上に設けた車輪を転動自在に遊嵌し、外扉の上端
縁上に延設した可動レールを前記内扉上端の車輪上に載
架し、該車輪を転動させて可動レールが左右摺動するよ
う係合し、外扉上端部で可動レールの両側部に対設した
両車輪を固定レールの下部に遊嵌し、固定レールの開口
上部の空間を塞ぐ挿入凸部を内側面に凸設した閉塞板を
固定レールの開口前面部に被着するよう構成する。

【０００５】

【作用】 内扉の車輪上に外扉上端の可動レールを載架し外扉
の荷重の負荷と外扉の移動により内扉の車輪を同方向へ
転動させて両扉が連動し、内外両扉の移動距離の割合が
１対２となって両扉が開閉作動する。 固定レールの開口部前面に被着した閉塞板により、
固定レール開口部内における内外両扉の車輪と可動レー
ル等の係合状態及び各車輪の固定レールへの嵌合状態を
保持して両扉の連動機能を良好状態に維持する。 閉塞板の被着により建物開口上部を補強して左右方
向の捩れを防止して、内外両扉の取付け状態を常に適正
に保持し、両扉の建付けを正しくしてその連動機構を安
全に保つ。

【０００６】

【実施例】本発明の一実施例を図示した添付図面の各図
につき説明する。図１は、本発明に係る連動扉の取付装
置を施した組立物置を、右側上部を破断して扉の取付要
部を示した斜視図であって、図中の符号１は内扉、２は
外扉、３は固定袖壁、４は固定レール、５は上枠、６は
可動レール、７は外扉１の車輪、８は閉塞板、９は前床
枠兼敷居、１０は四隅部の各隅柱、１１は間柱、１２は
前記隅柱と間柱の間に嵌合固定した各壁板、１３は屋根
板、１４は屋根化粧板、１５は棚板を夫夫示す。

【０００７】図２は、前記組立物置の前面開口上部にお
ける固定レール４に対する内扉１と外扉２の嵌着係合状
態を示す拡大斜視図であって、固定レール４は前面を開
口した溝形材であって、背部立面４ａの下端縁から前方
へ舟底形の車輪受片４ｂを曲成し、上端縁から前方へ幅
広くＬ形に凸壁４ｃを曲成し、該凸壁を上枠５の前面に
固着することにより建物開口部の上端縁部に架設してあ
る。なお、該固定レールの上下幅は、内外両扉の車輪及
び可動レールを嵌め易くするために幅広く形成し、両扉
の車輪及び可動レールを嵌着した上方部に空間Ｓが形成
されるようにしてある。

【０００８】前記固定レール４に対して先ず、内扉１の
上端の左右両車輪７’，７”を空間Ｓから車輪受片４ｂ
上に遊嵌させて内扉１を吊下げ、次に内扉１の両車輪中
の右側車輪７”の上側に外扉２の上端部に延設した溝形
の可動レール６を載架すると共に、可動レール６の両側
部でアーム２ａにより突設された左右両車輪７，７を固
定レール４の車輪受片４ｂ上に遊嵌する。この状態にお
いて、可動レール６は車輪７”を支点として天秤状に支
えられるよう左右両車輪７，７の下端が車輪受片４ｂか
ら僅かに浮上る程度の高さに両車輪を設けているので、
外扉２の荷重の一部が可動レール６を介して車輪７”上
に負荷され、その負荷により生じる摩擦力で可動レール
６が左右に移動するに伴って車輪７”が同方向へ転動す
るから、内外両扉が１対２の移動距離で同方向へ連動す
るよう構成してある。

【０００９】図３は、前記固定レール４に内外両扉１，
２を吊持させた状態において、内外両扉の中間部を破断
省略して示した縦断面図であって、固定レール４の開口
内上部に形成された空間Ｓに挿入して空間Ｓを塞ぐこと
ができる凸部８ａを内側面に凸設した閉塞板８が固定レ
ール４の開口部前面に被着され、該閉塞板上端の突片８
ｂをボルト１６で上枠５の前面部に固定してあり、この
閉塞板８で固定レールの開口部を塞いで内部の各車輪と
可動レールの嵌着係合部が上方へ動揺して離脱しないよ
う、また、内部へ雨水や塵埃等が侵入しないよう保護す
ると共に、固定レール４の前面部の体裁を良好にし併せ
て建物開口部を補強する。

【００１０】外扉２の上端部には、上方へ延設した可動
レール６を突設してあり、これを内扉１の上端部にボル
ト１７で突設したアーム１ａ上端の車輪上に載架してい
るが、その載架された車輪は外扉１の車輪７の向こう側
にあるので見えない。また、前記可動レール６の手前で
外扉２の上端からボルト１８で上方へ突設したアーム２
ａの上端に車輪７が軸支されてあり、この車輪７を固定
レール４の車輪受片４ｂ上に遊嵌してある。符号１９及
び２０は前記両アーム１ａ，２ａの上端高さを調整する
押ねじを示し、両アームの高さ調整により車輪の高さを
調整して両扉の固定レールに対する嵌合状態を適正にす
る。

【００１１】前記内外両扉の下端部においては、ボルト
２１，２２により固着されて下方へ突設した水平方向回
転自在な転子２３，２４が敷居９の摺動溝２５，２６内
へ転動自在に遊嵌されていて、この両転子により両扉の
下端部の前後振れを防止し、両扉の安定を保持してその
作動を円滑にする。

【００１２】図４及び図５は、外扉２の左右位置による
可動レール６の天秤状態（傾斜状態）を示した夫夫の正
面図であって、図４に示すように可動レール６が車輪
７”の左方に多く移動した時点では右側の車輪７が浮上
って隙間Ｇを生じ、図５に示すように可動レール６が車
輪７”の右方へ多く移動した時点では左側の車輪７が浮
上って隙間Ｇを生じる。このようにして外扉の荷重が常
に車輪７”と片方の車輪７との両車輪上に負荷されて両
扉が円滑に摺動するよう構成してある。

【００１３】図６及び図７は、内外両扉１，２の位置関
係とその連動距離を示す各正面図であって、図６では両
扉が固定袖壁の前面部で内外に重合している状態を示
し、図７では図６の状態から外扉２を右方へ移動して内
扉１を連動させた状態を示し、内外両扉の移動距離ａと
ｂは約１対２の割合であって、両扉の連動により建物の
開口部を完全に塞ぎ、また開放することを容易にする。

【００１４】図８、図９及び図１０は、本発明に係る連
動扉の取付装置において、内外両扉の取付手順を示した
図であって、図８から図１０までの手順で両扉を建物の
開口部で固定レール４と前床枠兼敷居との間に嵌入吊下
するものであって、先ず図８に示すように、内扉１の車
輪７’と７”を固定レール４の開口部内へ空間Ｓにより
一旦上方へ上げてから固定レールの下部に嵌入すると同
時に、下端部の回転子２３を摺動溝２５に嵌入する。次
に、図９に示すように、外扉２の上端部を内扉１の上端
部前面に配し上方へ上げて可動レール６を車輪７”上に
載置できる前方位置に配置し、続いて図１０に示すよう
に、外扉２の上端部を固定レール４の開口内に入れて可
動レール６を内扉の車輪上側に載架すると共に、外扉の
両車輪７を固定レール４の車輪受片４ｂ上に載置し、同
時に外扉２の下端部を内方へ入れて回転子２４を摺動溝
２６内に嵌入する。その後において、閉塞板８を固定レ
ール４の前面に配し、凸部８ｂを空間Ｓへ挿入して該閉
塞板を固定レール４の開口部前面に被着する。

【００１５】

【発明の効果】 内外両扉の車輪及び可動レールを開口部へ嵌着係合
させた固定レールの開口部前面へ閉塞板を被着すること
により、閉塞板内面の凸部で開口上部空間を塞いで車輪
と可動レールとの上下動揺と離脱を阻止してそれらの係
合状態を保持し、両扉の連動機構を安定させ維持すると
共に、閉塞板前面部で固定レールの開口を塞ぎ、内部へ
の水分と塵埃の侵入を防いで内部の連動機構を保護す
る。 閉塞板を固定レールの前面に被着することにより、
建物の開口上部を補強し左右方向の動揺や捩れを防止し
て内外両扉の建付けを適正に保持して連動機能を良好に
維持すると共に、開口上部の体裁を良くして建物に美観
を付与する。 内扉の右側車輪上に可動レールを天秤状態に載架す
るので、外扉の荷重が常に内扉の前記車輪に負荷されて
該車輪が可動レールと共に同一方向へ確実に移動するか
ら、両扉の連動機能が失調しない。 上記諸効果により、両扉の連動機構に障害がなく、
１対２の連動距離を確保して建物開口部の開閉操作を正
確に実施できる。 固定レールの上下幅を広くして内外両扉の上端部の
各車輪と可動レールの嵌入を容易にしたので、両扉の取
付け取外し操作を簡易にし、閉塞板の着脱により扉の着
脱が容易であり、閉塞板によりその嵌着部を固定でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る連動扉の取付装置を施した組立建
物の一部を破断して要部を示す斜視図

【図２】図１における内外両扉の取付要部を示す拡大斜
視図

【図３】固定レールに内外両扉を吊持させた状態におけ
る中間部破断の縦断面図

【図４】外扉の左方位置における可動レールの傾斜状態
を示す正面図

【図５】外扉の右方位置における可動レールの傾斜状態
を示す正面図

【図６】内外両扉の開放時の位置関係を示す正面図

【図７】内外両扉の閉止時の位置関係と連動距離を示す
正面図

【図８】本発明の連動扉の取付装置における取付手順の
初最の状態を示す概略側面図

【図９】同じく取付手順の途中の状態を示す概略側面図

【図１０】同じく取付手順の終わりの状態を示す概略側
面図

【符号の説明】

１ …内扉 ２ …外扉 ３ …固定袖壁板 ４ …固定レール ４ｂ…車輪受片 ５ …上枠 ６ …可動レール ７ …外扉の車輪 ７’…内扉の左車輪 ７”…内扉の右車輪 ８ …閉塞板 ８ａ…凸部 ８ｂ…突片 ９ …前床枠兼敷居 １０…隅柱 １１…間柱 １２…壁板 １３…屋根板 １４…屋根化粧板 １５…棚板 Ｓ …空間 Ｇ …隙間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物開口部の上端縁に沿って溝形の固定
   レールを前面開口状に架設し、該固定レールの開口内下
   部に内扉の上端縁上に設けた車輪を転動自在に遊嵌し、
   外扉の上端縁上に延設した可動レールを前記内扉上端の
   車輪上に載架し、該車輪を転動させて可動レールが左右
   摺動するよう係合し、外扉上端部で可動レールの両側部
   に対設した両車輪を固定レールの下部に遊嵌し、固定レ
   ールの開口上部の空間を塞ぐ挿入凸部を内側面に凸設し
   た閉塞板を固定レールの開口前面部に被着するよう構成
   した連動扉の取付装置。