JPH08158397A - ヘドロなどの除去方法及び除去装置 - Google Patents

ヘドロなどの除去方法及び除去装置

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JPH08158397A
JPH08158397A JP6331959A JP33195994A JPH08158397A JP H08158397 A JPH08158397 A JP H08158397A JP 6331959 A JP6331959 A JP 6331959A JP 33195994 A JP33195994 A JP 33195994A JP H08158397 A JPH08158397 A JP H08158397A
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pipe
sludge
water
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opening
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JP6331959A
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Tadao Tomiyama
忠夫 富山
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に湖沼やダムなどの底に大量に溜まってい
るヘドロや土砂などを二次汚染・汚濁を発生させずに、
しかも低コストで除去する方法とその装置を提供するこ
とにある。 【構成】 本発明に係るヘドロなどの除去装置10は配
管16の一端開口部18がヘドロ40などを除去すべき
湖沼などの水中に配設されるとともに、該他端開口部2
4が少なくとも該一端開口部18の位置よりも鉛直方向
に低く、該湖沼などの水圧の影響を受けない位置に配設
され、且つ該配管16内の水の流れを停止させる遮断弁
22,26を有する輸送管12と、該輸送管12の他端
開口部24から排出されるヘドロ40などの混ざった水
を受けて、ヘドロ40などと水との固液を分離させる固
液分離装置14とを備えて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヘドロなどの除去方法及
び除去装置に関し、特に湖沼やダムなどの底に大量に溜
まっているヘドロや土砂などを除去する方法とその装置
に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】琵琶湖を
はじめとして比較的大きな湖沼の周辺地域には工場など
が林立して、それらから排出されるたとえばパルプなど
の固形成分を含む工場排水により、湖沼の底にはヘドロ
などが溜まっていることが多い。これらヘドロなどが溜
まることによって、周辺地域に悪臭を放つだけでなく、
水質の悪化を促進させて、飲料水として使用できなくな
ったり、湖沼から収穫される魚介類が食用に適さなくな
ったり、種々の問題を生ずる。
【0003】このため、従来よりヘドロなどを除去する
ために、浚渫船を浮かべ、ポンプやバケットなどにより
ヘドロなどを汲み上げたり、すくい上げたりして、運搬
船の船倉に入れ、水分を船外に放出するという作業が行
われてきた。
【0004】ところが、このような作業を行うと、船外
に放出される水にヘドロなどが混ざって、一部が再び水
中に戻されることになるため、水が広範囲にわたって非
常に汚濁されてしまう。その結果、水中に浮遊させられ
たヘドロが自然に沈殿するまで、相当の日数を要してし
まい、その間に魚介類が死んでしまったり、悪臭が酷く
なったりするという問題があった。また、浚渫作業に多
量のエネルギーを必要とし、さらに一旦、運搬船に積み
込んだヘドロなどを船から降ろす作業が必要であるな
ど、時間とコストの掛かる作業であった。
【0005】ところで、山の多い我が国では飲用用水、
工業用水、農業用水を確保するために、山間部に多数の
ダムが設けられている。しかし、ダムの底には山の地表
から流れ出た土砂が年々堆積して、必要な貯水量を確保
できなくなってきている。
【0006】ところが、ダムの底を浚渫するために浚渫
船を持ち込むことはできず、また、バケットなどを吊る
すために大型のクレーン車などを山奥に搬入させること
もできない。このため、多くのダムでは根本的な対策が
取られないまま、年々有効貯水量が減少するままに放置
されているのが現状であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はこれ
らの問題を解決するために熟考を重ねていたところ、あ
る着想を得て、本発明をするに至った。本発明に係るヘ
ドロなどの除去方法の要旨とするところは、配管の一端
開口部を湖沼などの水中に配設するとともに、少なくと
も該配管の他端開口部を前記一端開口部の鉛直方向の位
置よりも低く、該湖沼などの水圧の影響を受けない位置
に配設し、該一端開口部から他端開口部へ配管内を流れ
る流れにより、一端開口部からヘドロなどを水とともに
吸い込み、他端開口部から排出して、ヘドロなどを除去
することにある。
【0008】また、かかるヘドロなどの除去方法におい
て、前記配管内に水が充満させられているとともに、該
配管の一端開口部と他端開口部の間の一部を該内圧が大
気圧以下になるように一端開口部よりも鉛直上方に配設
したことにある。
【0009】次に、本発明に係るヘドロなどの除去装置
の要旨とするところは、配管の一端開口部がヘドロなど
を除去すべき湖沼などの水中に配設されるとともに、該
他端開口部が少なくとも該一端開口部の位置よりも鉛直
方向に低く、該湖沼などの水圧の影響を受けない位置に
配設され、且つ該配管内の水の流れを停止させる遮断弁
を有する輸送管と、該輸送管の他端開口部から排出され
るヘドロなどの混ざった水を受けて、ヘドロなどと水と
の固液を分離させる固液分離装置とを備えることにあ
る。
【0010】かかるヘドロなどの除去装置において、前
記輸送管の配管の中間部が水面上に出ている場合におい
て、該配管内に水を満たすためのポンプが備えられてい
ることにある。
【0011】また、かかるヘドロなどの除去装置におい
て、前記輸送管の一端開口部側の配管に、ヘドロなどを
吸い込むための吸い込み管を接続するための接続部が複
数形成されていることにある。
【0012】更に、かかるヘドロなどの除去装置におい
て、前記輸送管の配管の側面に1又は複数形成される開
閉し得る一端開口部は鉛直上方に開口させられるように
構成され、該開口させられた一端開口部に、底からヘド
ロなどを掬い上げて投入する掬い上げ装置を備えること
にある。
【0013】
【作用】本発明に係るヘドロなどの除去方法は配管の一
端開口部を湖沼などの水中に配設するとともに、少なく
ともその配管の他端開口部を一端開口部の鉛直方向の位
置よりも低い空中に配設することによって、一端開口部
から他端開口部へ圧力差により配管内を流れる強い流れ
を得ることができる。この水の流れにより、一端開口部
からヘドロなどを水とともに吸い込み、他端開口部から
排出して、ヘドロなどを除去することができる。ここ
で、配管の一端開口部と他端開口部が上述の位置関係に
あれば、その中間部分は通常いかなる位置に配設されて
いても良く、たとえば配管の中間部分の一部が水面上に
出ていても、水流を得ることができ、この場合、水流の
強さは配管の一端開口部と他端開口部の落差によって決
まることになる。また、配管の中間部分の全てが水面下
にある場合は、水流の強さは上記一端開口部と他端開口
部の落差に加えて、配管の最高高さと水面との落差すな
わち水圧を利用することができる。
【0014】次に、本発明に係るヘドロなどの除去装置
は輸送管の配管の一端開口部がヘドロなどを除去すべき
湖沼などの水中に配設されるとともに、その他端開口部
が少なくとも一端開口部の位置よりも鉛直方向に低い位
置の空中に配設されており、少なくとも一端開口部と他
端開口部の落差によって水流を得ることができ、この水
流によってヘドロなどを水とともに吸い込み、他端開口
部から排出して、ヘドロなどを除去することができる。
この配管内の水流は遮断弁によって制御することがで
き、除去装置の作動を停止させるときは遮断弁を遮断す
ることにより行うことができる。一方、輸送管によって
輸送されてきたヘドロなどの混ざった水は固液分離装置
によりヘドロなどと水とに分離させられ、集められたヘ
ドロなどの固形成分はその内容に応じて適切な処分がな
される。また、分離された水は濾過などの処理がなされ
た後、川などに放流される。
【0015】上記ヘドロなどの除去装置において、輸送
管の配管の全部が水面より下方にある場合は、水圧によ
って一端開口部から他端開口部へ水が流れることになる
が、配管の一部が水面より上に出ている場合には、水圧
によって水が流れ出ることはない。そこで、配管の途中
にポンプたとえば真空ポンプあるいは液体ポンプなどを
用いて、配管内に水を充填させた後、放水することによ
り、その後は落差によって水の流れを得ることができ
る。
【0016】
【実施例】次に、本発明に係るヘドロなどの除去方法及
び除去装置の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
【0017】図1に示すように、本実施例に係る除去装
置10は輸送管12と固液分離装置14とから構成され
ている。輸送管12は配管16と、その配管16の一端
開口部18側に複数の接続部20と、その接続部20に
対応させて配管16の流路を遮断する複数の遮断弁22
と、その配管16の他端開口部24側に他端側の流路を
遮断する1の遮断弁26と、その配管16の中間部分に
配管内の流路に水を満たすためのポンプ28とを備えて
構成されている。この輸送管12における配管16の一
端開口部18側は、たとえば湖30の湖底32を這うよ
うに配設され、本管34に分岐部を設けて複数の枝管3
6を配設することも可能である。一方、配管16の他端
開口部24側はたとえば川岸あるいは川底などに沿って
配設されて、他端開口部24の開口部の高度は湖底32
の高度よりも充分低くなるように配設される。
【0018】ここで、より詳しく説明すると、配管16
は多数の直管や曲管などを適宜フランジなどにより気密
に接続して構成され、その内部にヘドロや土砂などを水
とともに流したとき、磨耗に耐えるとともに、水圧など
の圧力に対して強いものが用いられる。配管16の本管
34と枝管36の内径は同一であっても良いが、本管3
4の内径を枝管36の内径よりも大きくし、本管34内
の流速を低くするように構成しても良い。但し、本管3
4内で水とともに運ばれるヘドロや土砂などが沈殿しな
い程度の流速になるように、本管34の内径が設定さ
れ、特に配管16の他端開口部24では吐出される水の
勢いを極力低くするために、配管16の内径を徐々に大
きくするのが好ましい。
【0019】配管16の一端開口部18側は1又は複数
の枝管36により構成されていて、枝管36には1又は
複数の接続部20と遮断弁22が配設されている。接続
部20にはヘドロなどを水とともに吸い取るための吸引
具38が接続されるように構成され、吸引具38が接続
されていない接続部20は盲板などによって密閉され
る。また、遮断弁22は接続部20に吸引具38を接続
するとき、接続部20に水が流入するのを防ぐととも
に、吸引具38によるヘドロなどの除去作業を中断又は
中止するときに、配管16内の水の流れを遮断するため
のものである。一方、配管16の他端開口部24側の遮
断弁26はヘドロなどの除去作業を中断又は中止した
り、吐出量を制御するときに使用される。
【0020】ヘドロなどを水とともに吸い取るための吸
引具38は図2に示すように、ヘドロ40などを吸引す
る吸引管42と、防護柵44とから構成されている。吸
引管42は可撓性の配管46を介して輸送管12の接続
部20に適宜接続され、この吸引管42はワイヤー48
にて図示しない船上のクレーンなどにより吊るされ、適
宜移動させられて、ヘドロ40などの吸引位置が任意に
変えられる。この吸引管42は開口部が防護柵44内に
テーパー状に大きく開いて構成され、水中に舞い上がっ
たヘドロ40などを最大漏らさずに水とともに吸引し得
るように構成されている。吸引管42は防護柵44に対
して上下方向の適宜位置に調整することができ、ヘドロ
40などを効率的に吸引し得るように調整される。な
お、吸引管42によってヘドロ40などを効率的に吸引
させるために、図中二点鎖線で示すように、水を噴出さ
せるノズル43を配設し、ノズル43から噴出させられ
た高速水によりヘドロ40などを舞い上がらせて吸引す
るように構成することも可能である。一方、防護柵44
はこのようなヘドロ40などの除去作業において、潜水
具などを付けて作業する作業者や魚などが吸引管42に
吸引されるのを防ぐためのものであり、編み目の大きさ
などは適宜選定される。また、この防護柵44は吸引管
42とともにワイヤー49により移動させられるのが好
ましい。
【0021】以上説明したように、吸引管42によって
吸引されたヘドロ40などは可撓性の配管46と接続部
20を介して配管16を通り、さらに他端開口部24の
遮断弁26を通って、固液分離装置14に吐出される。
固液分離装置14は図3に一例を示すように、1又は複
数の沈殿槽50と、1又は複数の濾過槽52を備えて構
成される。そして、配管16の他端開口部24から吐出
されるヘドロ40などの入った水を1の沈殿槽50に入
れた後、順次ヘドロ40などの固形成分のうち重いもの
から沈殿させ、最終的に濾過槽52のフィルター54を
通過させて、清浄にした水のみを川などに放流するので
ある。また、沈殿槽50や濾過槽52にヘドロ40など
が多量に沈殿したときには、その沈殿槽50や濾過槽5
2をクレーンなどを用いて除去し、新しい沈殿槽50又
は濾過槽52を配設する。一方、集められたヘドロ40
などはその成分に応じて適切な処理が施され、再利用に
供されたりあるいは処分されることになる。
【0022】以上の構成に係るヘドロなどの除去装置1
0はまず輸送管12のうち配管16が敷設され、一端開
口部18側には少なくとも1の接続部20と遮断弁22
が設けられ、他端開口部24側には少なくとも遮断弁2
6が設けられる。湖底32に敷設される配管16は予め
作業範囲に適宜分岐させて配設されるとともに適宜、接
続部20と遮断弁22を設けておいても良く、あるいは
作業の進み具合に応じて順に配管16を延長させていっ
ても良く、何ら限定されない。また、配管16の適切な
位置にポンプ28が設けられ、さらに吸引具38が接続
部20に接続された後、ポンプ28が駆動させられ、吸
引具38から先ず水が吸水されて、配管16内に水が充
填される。その後、遮断弁26が開けられて水が他端開
口部24側から吐出される。その結果、配管16の一端
開口部18側と他端開口部24側との高度差に基づく圧
力差によって、吸引具38から他端開口部24側に水が
吸引されて、安定して流れるようになる。そのとき、ポ
ンプ28の駆動を停止させて、圧力差だけで水を吸水さ
せるようにし、次いで吸引具38からヘドロ40などを
吸引除去するのである。この吸引作業において、ポンプ
28は停止しているため、ヘドロ40や土砂などによっ
て破損することはない。
【0023】以上、本発明に係るヘドロなどの除去方法
と除去装置の一例を詳述したが、本発明は上述の実施例
に限定されるものではない。
【0024】たとえば、配管の一端開口部と他端開口部
の高度差を充分に取ることができないため、吸水力が弱
い場合には、図4に示すように、配管16の中に回転翼
56を設け、その回転翼56をモーター57などによっ
て強制的に回転させて、強い水力を得るように構成して
も良い。このようにすれば、配管16内にヘドロ40や
土砂などが沈殿することはなく、当初の流量を確保する
ことができる。このような強制的に水流の速度を高める
構造としては、配管16の一部に回転円筒体を配設し、
その回転円筒体の内壁部に螺旋状のフィンを突設させ、
回転円筒体とともにフィンを回転させて水流を得るもの
であっても良いなど、構造などは特に限定されるもので
はない。
【0025】また、湖底などに堆積したヘドロや土砂な
どが固まって、吸引管からの吸引力のみでは吸引できな
い場合がある。このような場合には、図5に示すよう
に、吸引管58の先端部の内径部に水流によって回転さ
せられる回転翼60と、その回転翼60の回転力によっ
て回転させられ、吸引管58から突出させられたスクリ
ュー62を備えて構成することも可能である。すなわ
ち、吸引管58に吸い込まれた水やヘドロなどが回転翼
60に当たり、回転翼60を高速で回転させ、その回転
力によってスクリュー62を回転させつつ、ヘドロや土
砂などを掘り起こしながら水とともに吸引管58により
吸引するのである。本実施例ではスクリューを回転翼で
回転させるように構成していたが、その他、別途配設し
たモーターなどによってスクリューを回転させるように
しても良く、あるいは潜水具を着けた作業者が湖底を掘
り起こすように構成しても良いなど、特に限定されな
い。
【0026】次に、図6に示すように、本発明に係るヘ
ドロなどの除去装置64における輸送管66の配管68
はフロート70によって水面に浮かせるように構成する
ことも可能である。かかる構成は水上交通などに支障が
ない場合に採用されるのが好ましい。配管68の長さは
作業船72の上で適宜継ぎ足すなどにより調整されるこ
とになる。また、配管68の1又は複数箇所に角度を変
えるジョイント部を設けておき、作業船72を移動させ
ることによって、任意に作業位置を変えることができる
ようにしても良い。なお、本実施例においては、作業船
72に積載されたポンプによって、作業開始時に配管6
8内に水を充填し、その後は前述と同様にして作業が行
われることになる。
【0027】また、図7に示すように、本発明に係るヘ
ドロなどの除去装置74はダム76の底に堆積した土砂
78を除去するために利用することも可能である。本実
施例に係る除去装置74は輸送管80の配管82が全て
ダム76の水面下に配設されていて、ポンプを用いずに
水流を得ることができ、しかも、配管82の一端開口部
84と他端開口部86との間に高度差による圧力だけで
なく、ダム76の水面からの水圧も作用し、強い水流を
得ることができる。本実施例において、ダム76の水面
下に配設される配管82は着脱可能に構成されるのが好
ましく、また、配管82に接続される吸引具87は作業
船88によって移動させられるように構成されるのが好
ましい。ここで、吸引具87は、前述のヘドロ40など
の比較的軽い物とは異なり、土砂78などの重量物を吸
引することになるため、図8に示すように、その吸引管
89は端部内径部に絞りなどを形成して、水の吸引速度
を速くすることにより、土砂78の吸引力を強くするの
が好ましい。なお、前述の図5に示すような吸引管58
を用いるのも好ましい。
【0028】このような本発明に係るヘドロなどの除去
装置74をダムの建設時に予め設置し、あるいは建設後
であっても一度設置すれば、大がかりな浚渫船などの装
置を搬入する必要がなくなる。なお、特に貯水量が多い
季節などに、土砂などの除去作業を行えば良い。
【0029】更に、図9に示すように、本発明に係るヘ
ドロなどの除去装置90は、輸送管92における水面下
にある配管94の一端開口部96側に鉛直上方に開口す
るバケット98が1又は複数配設され、且つそのバケッ
ト98の開口部にヘドロ40や土砂などを湖底などから
機械的に掬い上げて投入する掬い上げ装置100が配設
されて構成される。この掬い上げ装置100は作業船1
02のクレーンなどによって位置が変えられるようにさ
れていて、掬い上げ装置100によって湖底などから掬
い上げられたヘドロ40などはバケット98の開口部に
投入される。投入されたヘドロ40などは、バケット9
8の開口部に流入する水に引き込まれるようにして他端
開口部側へ流れることになる。ここで、バケット98な
どの位置は水面下であって、可能な限り深い方が水面か
らの水圧を更に利用することができて有利である。な
お、掬い上げ装置100はスクリュー式やコンベア式な
どによってヘドロなどを掬い上げる装置の他、水中ポン
プによって吸引するものであっても良く、更にこれらを
併用するものであっても良いなど、特に限定されるもの
ではない。また、バケット98には遮断弁が内蔵されて
いて、作業を中断又は中止しているときには、その遮断
弁を遮断しておく。
【0030】以上、本発明に係るヘドロなどの除去方法
及びその除去装置の実施例を図面に基づいて種々説明し
たが、本発明は以上の実施例に限定されるものではな
く、上述の実施例を適宜組み合わせることも可能であ
る。
【0031】更に、輸送管の他端開口部側に水力発電装
置を設けて、配管によって勢い良く送られてくるヘドロ
などの混ざった水流を利用して発電を行い、作業に必要
な電力を確保するようにしても良い。
【0032】また、配管の内部に螺旋状のフィンを適宜
突設させておき、内部の水流を螺旋状に回転させながら
送るように構成しても良い。この構成により、配管内に
砂利などの重量物が沈殿するのを防ぐことができる。更
に、配管内にヘドロなどから発生する気泡や湖沼などの
底から出る気泡などによって空気やガスが溜まる場合
は、配管の適宜箇所に空気抜きを設けるのが好ましい。
【0033】更に、固液分離装置は沈殿層と濾過槽とか
ら構成するだけでなく、いずれか一方のみで構成しても
良く、あるいはヘドロを微生物などにより分解処理する
ために、バイオ処理槽を設けることも可能である。固液
分離装置の構成は吸引除去するヘドロなどの特性に対応
して適宜変更することが可能であり、特に限定されるも
のではない。その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範
囲内で、当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変
形を加えた態様で実施し得るものである。
【0034】
【発明の効果】本発明に係るヘドロなどの除去方法及び
除去装置は輸送管の配管の一端開口部を湖沼などの水中
に配設するとともに、少なくとも該配管の他端開口部を
前記一端開口部の鉛直方向の位置よりも低く、その湖沼
などの水圧の影響を受けない位置に配設しているため、
高度差による圧力差により一端開口部から他端開口部へ
配管内を流れる水流を得ることができ、自然のエネルギ
ーを利用して人工のエネルギーを必要としないため、ラ
ンニングコストをほとんど必要としない。
【0035】そして、この水流を利用して一端開口部か
らヘドロなどを水とともに吸い込んで他端開口部から排
出して、ヘドロなどを除去するようにしているため、湖
底などに堆積しているヘドロなどが水中に舞い上がった
としても、配管の一端開口部から吸引されてしまい、湖
沼などの水質が汚染,汚濁されることはない。更に、吸
引除去されたヘドロなどは固液分離装置によって、ヘド
ロなどが除去された後、清浄な水のみが川などに放流さ
れることとなるため、河川が汚染,汚濁されることもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘドロなどの除去方法及び除去装
置の一例を示す概念説明図である。
【図2】図1に示すヘドロなどの除去装置に用いられる
吸引具の一例を示す要部破砕断面説明図である。
【図3】図1に示すヘドロなどの除去装置に用いられる
固液分離装置の一例を示す断面説明図である。
【図4】本発明に係るヘドロなどの除去装置における輸
送管の配管の他の実施例を示す要部断面説明図である。
【図5】本発明に係るヘドロなどの除去装置に用いられ
る吸引具における他の吸引管の実施例を示す要部断面説
明図である。
【図6】本発明に係るヘドロなどの除去方法及び除去装
置の他の実施例を示す概念説明図である。
【図7】本発明に係るヘドロなどの除去方法及び除去装
置の更に他の実施例を示す概念説明図である。
【図8】本発明に係るヘドロなどの除去装置に用いられ
る吸引具の他の例を示す要部破砕断面説明図である。
【図9】本発明に係るヘドロなどの除去方法及び除去装
置の更に他の実施例を示す概念説明図である。
【符号の説明】
10,64,74,90:除去装置 12,66,80,92:輸送管 14:固液分離装置 16,68,82,94:配管 18,84,96:一端開口部 20:接続部 22,26:遮断弁 24,86:他端開口部 28:ポンプ 38,87:吸引具 40:ヘドロ 42,58,89:吸引管 56,60:回転翼 76:ダム 78:土砂 98:バケット 100:掬い上げ装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配管の一端開口部を湖沼などの水中に配
    設するとともに、少なくとも該配管の他端開口部を前記
    一端開口部の鉛直方向の位置よりも低く、該湖沼などの
    水圧の影響を受けない位置に配設し、該一端開口部から
    他端開口部へ配管内を流れる流れにより、一端開口部か
    らヘドロなどを水とともに吸い込み、他端開口部から排
    出して、ヘドロなどを除去することを特徴とするヘドロ
    などの除去方法。
  2. 【請求項2】 前記配管内に水が充満させられていると
    ともに、該配管の一端開口部と他端開口部の間の一部を
    該内圧が大気圧以下になるように一端開口部よりも鉛直
    上方に配設したことを特徴とする請求項1に記載するヘ
    ドロなどの除去方法。
  3. 【請求項3】 配管の一端開口部がヘドロなどを除去す
    べき湖沼などの水中に配設されるとともに、該他端開口
    部が少なくとも該一端開口部の位置よりも鉛直方向に低
    く、該湖沼などの水圧の影響を受けない位置に配設さ
    れ、且つ該配管内の水の流れを停止させる遮断弁を有す
    る輸送管と、該輸送管の他端開口部から排出されるヘド
    ロなどの混ざった水を受けて、ヘドロなどと水との固液
    を分離させる固液分離装置とを備えることを特徴とする
    ヘドロなどの除去装置。
  4. 【請求項4】 前記輸送管の配管の中間部が水面上に出
    ている場合において、該配管内に水を満たすためのポン
    プが備えられていることを特徴とする請求項3に記載す
    るヘドロなどの除去装置。
  5. 【請求項5】 前記輸送管の一端開口部側の配管に、ヘ
    ドロなどを吸い込むための吸い込み管を接続するための
    接続部が複数形成されていることを特徴とする請求項3
    又は請求項4に記載するヘドロなどの除去装置。
  6. 【請求項6】 前記輸送管の配管の側面に1又は複数形
    成される開閉し得る一端開口部は鉛直上方に開口させら
    れるように構成され、該開口させられた一端開口部に、
    底からヘドロなどを掬い上げて投入する掬い上げ装置を
    備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載す
    るヘドロなどの除去装置。
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