JPH08157305A - 除菌剤 - Google Patents

除菌剤

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JPH08157305A
JPH08157305A JP33200194A JP33200194A JPH08157305A JP H08157305 A JPH08157305 A JP H08157305A JP 33200194 A JP33200194 A JP 33200194A JP 33200194 A JP33200194 A JP 33200194A JP H08157305 A JPH08157305 A JP H08157305A
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solidified
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Hiroaki Endo
弘明 遠藤
Hiroshi Endo
宏 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【目 的】 流水路における流失性除菌剤の提供 【構 成】 (1)焼石膏 (2)(1)に対して、銀、銅または亜鉛化合物の一種
または二種以上の混合物の3〜40重量%の範囲内で選
ばれた量。 (3)(1)に対して、銀、銅または亜鉛化合物を担持
できる無機粉末または顆粒の8〜43重量%の範囲内で
選ばれた量。 上記(1)(2)(3)の混合物を主成分とし、これを
固結させるに際し流水によって崩壊せずに徐々に流失し
ていく脆弱性を該固結物に付与できる作用をもった天然
または合成の水溶性化合物の水溶液を加えて固結させた
ことを特徴とする流失性をもった除菌剤。 【効 果】 流水路に置いて、ヌメリ防止、悪臭の発
生の防止効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流水路に用いて流水に
よって崩壊せずに徐々に流失して除菌効果を発揮できる
除菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、台所流しのストレーナー(くずか
ご)や、浴室の排水口などに設置して除菌作用を発揮さ
せる目的で、トリクロロイソシアヌール酸、ジクロロイ
ソシアヌール酸ソーダあるいは1−ブロモ−3−クロロ
−5・5−ジメチルヒダントインなどの粉末を圧縮成型
して錠剤としたものが用いられているのは公知である。
【0003】ところが、これらの公知の除菌剤は以下に
述べる欠点があった。すなわち、(1)次亜塩素酸ソー
ダを主剤とする台所用漂白剤やアルカリ性洗剤などのア
ルカリ性物質および食酢などの酸性物質が接触すると塩
素ガスを発生して危険性が大きいこと、(2)錠剤が使
用中に割れを生じるため流水による流失が早いこと、
(3)熱湯を使用した場合に溶解が早く使用寿命が著し
く低下すること、(4)鉄製品をさびさせること、
(5)水を流さない日が続く時は取り除いて別に保管す
る必要があることなどがあげられる。これらの欠点は、
いずれも使用上の注意事項として表示してあるが消費者
によっては守られない場合があり、安全性の懸念と使い
にくさが指摘されていた。
【0004】以上の従来品の欠点を改良したものとし
て、安定化二酸化塩素液を担体に吸着させて錠剤とした
商品が最近上市されているが、この商品にしても食酢な
どの酸が多量にかかった場合は二酸化塩素ガスが発生す
る欠点があった。
【0005】焼石膏に水を加えて固結物とすることは公
知であり、焼石膏に他の成分を添加して各種用途に用い
る試みも行なわれている。例えば、特開昭54−864
84号公報には焼石膏にマグネシウム、鉄、臭素、フッ
素などの水溶性ミネラルイオン成分物質を混合して水で
固結してミネラルイオンの放出固結物を得る技術が開示
されている。
【0006】また、特開昭59−193979号公報に
は、焼石膏と水の担持能をもった化合物との混合物に揮
発性成分を含有する水性液体を加えて固化し、消臭剤な
どの揮発性組成物とすることが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開昭54
−86484号公報に開示された技術は、固結物を水中
に入れるか固結物を容器となし、この中に水を入れてミ
ネラルウォーターを得るのを目的としているために、固
結物が容易に水に溶けて脆弱化しないように強度をもた
せた固結物としている。
【0008】すなわち、該固結物は70重量%以上の焼
石膏を用いることによって、固結物の強度を保つと共に
ミネラルイオンが微量ずつ徐々に溶出するようにしてお
り、しかも、焼石膏に混合するミネラルイオン成分物質
は水溶性のものを用いてその量を20%に制限し、これ
を超える場合は固結物の脆弱化を防ぐために水性接着剤
または水溶性熱硬化樹脂を用いて固結物の強化を計るも
のである。従って、特開昭54−86484号公報に開
示された技術では、本発明の目的とする流水によって流
出していき除菌効果を発揮できる除菌剤を得ることが出
来ない。
【0009】次に特開昭59−193979号公報の技
術は、焼石膏と吸液性粉末との混合物に揮発性薬剤を加
えて固結させて消臭剤などの揮発性組成物として用いる
ものであり、該組成物の流水による流失性は不明であ
り、また、その除菌効果は期待できず、かつ、それらを
示唆する技術も記述されていない。
【0010】除菌剤そのものは、例えば、銀イオンを担
持させた抗菌セラミックスや数多くの有機薬品が知られ
ているが、流水路における除菌剤として商品化された例
は先述の既存商品以外には見当たらない。
【0011】以上、要するに流水路の除菌剤としては先
述のイソシアヌール酸系などの錠剤品が上市されている
ものの、酸やアルカリ物質と接触して有害ガスを発生し
て安全性に欠けること、流水によって使用中に破損しや
すいこと、熱湯によって使用寿命が短くなることなどの
欠点があって、安全性にすぐれながら効果のある商品の
出現が要望されている状況にある。
【0012】本発明は、上述の現状に鑑みなされたもの
で、従来品除菌剤で達成できなかった安全性、とくに
酸、アルカリ性物資と接触しても有害ガスが発生しない
性質を備え、かつ、流水による破損や熱湯による使用寿
命の低下などの従来商品の欠点を改良した流水路に用い
る除菌剤を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者は、有害ガスを発生せず安全性にすぐれる
除菌剤として、銀、銅および亜鉛化合物の除菌作用に着
目し、その錠剤化について鋭意研究を進める過程で、
(1)これらの除菌剤が流水で一度に流失せずに徐々に
流失していくには、これら金属化合物をとくに多孔性構
造をもった無機粉末に担持させると効果があること、
(2)固結剤として焼石膏を用いるに際し、その量は7
0重量%未満とすると固結物の流失性が適度であるこ
と、および(3)固結物が流水によって破損、粉化など
の崩壊をせずに、しかも流水によって流失していく脆弱
性を備えるためには、天然または合成の水溶性化合物の
添加が効果をもつことを見出して本発明を完成するに至
った。
【0014】すなわち、本発明は、(1)焼石膏、
(2)焼石膏に対して銀、銅または亜鉛化合物の3〜4
0重量%の範囲内で選ばれた量、(3)焼石膏に対して
銀、銅または亜鉛化合物を担持できる無機粉末または顆
粒の8〜43重量%の範囲内で選ばれた量の三成分の混
合物を主成分とし、これに天然または合成の水溶性化合
物の水溶液を添加することにより崩壊せずに徐々に流水
によって流失していく脆弱性を持たせた固結物としたこ
とを特徴とする流失性をもった除菌剤を要旨としてい
る。
【0015】
【作 用】本発明の構成と作用とを説明する。まず、本
発明で用いる焼石膏は硫酸カルシウムの半水塩または一
水塩であれば、とくにその製法と純度は問わず用いう
る。
【0016】本発明で用いる銀、銅または亜鉛化合物と
しては、硝酸銀などの銀の水溶性塩、銀粉末、酸化銀な
どの水不溶性銀化合物、硫酸銅、酢酸銅などの無機また
は有機の水溶性銅塩、亜酸化銅、炭酸銅などの水不溶性
銅化合物、亜鉛華、硫酸亜鉛などの亜鉛化合物があげら
れるが、銅化合物が除菌効果と経済性の面からより好適
に用いられる。
【0017】金属銀および金属銅などがイオン化して除
菌作用を呈することは、例えば、食器、微細銅線を織り
こんだ靴下、台所流しの銅製ストレーナー(くずかご)
としてこれらが用いられていることからも明らかであ
る。従って、本発明で用いる銀、銅または亜鉛化合物と
しては、必ずしも水溶性塩に限られたものでなく、水溶
性、水不溶性にかかわらず用いうる。
【0018】一方、これらの金属化合物は固結物となし
て流水中に置かれた場合、水溶性塩のほうが水不溶吐化
合物よりイオン化するのが容易であるから除菌作用は強
いが水による流失性は大きい。すなわち、これらの金属
化合物において水溶性塩は除菌効果は大きいが水流失性
が早く、逆に水不溶性化合物は除菌効果は前者より劣る
ものの水溶解性が低いので流水による流失性は少なく除
菌効果の持続性がある。
【0019】従って、除菌性の持続性とその効果の大き
さのバランスをとるにはこれらの水溶性塩と水不溶性化
合物との併用が望ましい。その好ましい両者の量比は水
溶性塩の50〜90重量%に対し水不溶性塩の50〜1
0重量%である。
【0020】さらに、本発明では、後述するように、多
孔性無機粉末に、銀、銅または亜鉛化合物を担持させて
用いることによって水溶性塩の流失性を遅くする手段を
採用することができる。
【0021】銀、銅または亜鉛化合物を担持できる無機
粉末または顆粒としては、例えば多孔性の構造をもつと
かあるいは花弁状の結晶構造をもつなどの担持能の大き
い無機粉末、具体的には、天然または合成ゼオライト、
けい藻土、酸化アルミナ、活性炭、ホワイトカーボン、
花弁状結晶構造をもったケイ酸カルシウムなどが用いら
れるが、多孔性構造をもったゼオライト、酸化アルミ
ナ、けい藻上などがより好適に用いられる。顆粒の粒度
としては1mmφ以下のものが望ましい。
【0022】次に、本発明で用いる天然または合成の水
溶性化合物としては、該固結物に流水によって崩壊せず
に徐々に流失していく脆弱性を付与できる化合物であれ
ばとくに制限はなく、一般には、無機、有機の水溶性金
属塩、天然または合成の蛋白質、多糖類、天然または合
成のセルロース化合物、あるいはポリビニルアルコール
などの合成高分子化合物などがあげられるが、好ましく
は、可溶性でんぷん、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース塩あるいはセルロースエーテル化合物な
どのセルロース誘導体が用いられる。
【0023】これらは、水への溶解に時間を要する場合
は予め水溶液とした上で用いた方が好ましく、その濃度
は溶解作業性の点から1〜8重量%が好適に用いられ
る。
【0024】本発明で用いる各成分の量比は、まず、焼
石膏に対して、銀、銅または亜鉛化合物を3〜40重量
%、好ましくは10〜40重量%、銀、銅または亜鉛化
合物を担持できる無機粉末または顆粒を8〜43重量
%、好ましくは33〜43重量%の範囲とし、しかも、
焼石膏の使用量はこれら三成分合計量の80重量%以
下、好ましくは70重量%未満を用いる。
【0025】銀、銅または亜鉛化合物の3重量%未満の
使用は除菌効果が劣るため、また、40重量%を超える
使用は、とくに銅化合物の下水への受入許容濃度値を超
えるおそれがあるため避けた方が好ましい。
【0026】銀、銅または亜鉛化合物を担持できる無機
粉末の8重量%未満は、銀、銅または亜鉛化合物を担持
するのに不十分となり、除菌効果の持続け低下につなが
ることから、上限の43重量%を超える使用は、焼石膏
の相対的使用量が減ることから、固結物の強度低下の原
因となるため本発明より除かれる。
【0027】焼石膏の使用量を制限する理由は、その相
対的使用量が多い程固結物の強度が上がり、その結果、
固結物の流水による流失性は低下し、それに従って共存
する除菌性金属化合物の溶出性が低下し除菌効果が劣る
結果が得られていることによる。
【0028】次に、固結物に流水によって崩壊せずに徐
々に流失していく脆弱性を付与できる天然または合成の
水溶性化合物の水溶液の適量は、焼石膏、金属化合物お
よび担体無機粉末の構成比によって左右されるが、1〜
8重量%の水溶液を用いた場合、上記三成分の合計量に
対して通常40〜120重量%が用いられる。その用い
る量は、流込み成型するのに適したスラリー液の粘度に
なるように選ぶのは当然のことながら、同時に固結物の
脆弱性と流失性のバランスを考慮して決定すべきであ
る。
【0029】ここで、上記三成分の合計量に対して用い
る水溶性化合物溶液の量が40重量%未満ではスラリー
状にするのに不十分なため、また、120重量%以上を
用いるとスラリー液の粘度が低くなり固結が不十分なた
め避けるべきである。
【0030】本発明除菌剤の配合を決定するに際して
は、環境への影響を考慮して流失する銀、銅または亜鉛
化合物の濃度は下水道への受入許容値(銀については規
制なし、銅化合物の濃度は3mg/l、亜鉛化合物の濃
度は5mg/l)以下となるようにその化合物の使用量
およびその流失性の調節を計る配慮が望ましい。
【0031】本発明除菌剤を調製するには、焼石膏、
銀、銅または亜鉛化合物および銀、銅または亜鉛化合物
を担持できる無機粉末を定められた量比に従って均一に
混合した後、天然または合成の水溶性化合物の水溶液を
加えてスラリー状とし、型に流し込めば約30〜60分
で固化するのでその後型から取り出せばよい。
【0032】ここで、銀、銅または亜鉛化合物はそのま
ま他の成分と混合して用いる方法以外に、予め銀、銅ま
たは亜鉛化合物を担持できる例えば多孔性無機粉末に担
持させて用いることがより好ましい。これは、多孔性無
機粉末に銀、銅または亜鉛化合物を担持させて固結させ
た固結物は、担持させずに得られた固結物よりもその流
水によるイオン溶出が抑制され持続性が改良される効果
が見出されたことによる。
【0033】水溶性銀、銅または亜鉛塩を担体に担持さ
せるには該水溶液を多孔片無機粉末に吸着させて乾燥さ
せるなどの常法に従ってよい。また、水不溶性の銀、銅
または亜鉛化合物を多孔性無機粉末に担持させるには、
予めこれらの水溶性塩を担持させた後、加熱または還元
などの化学反応を用いてこれらを担持させたまま水不溶
性に変える常法が採用できる。
【0034】本発明除菌剤の調製に際して、例えば木酢
液、エチルアルコール、塩化ナトリウム、ベンズイミダ
ール系防ばい剤などの除菌能をもった他の有機または無
機の薬剤、あるいは界面活性剤、香料、着色剤などを添
加して除菌効果や商品価値の向上を計ることは固結を妨
げない0.01〜30重量%の範囲内で任意に行ってよ
い。
【0035】本発明除菌剤は、たとえばネットなどに入
れて台所流しのストレーナー内、浴室の排水口、あるい
はトイレットの手洗タンク水道蛇口下などに置いて用い
れば、約30〜50日間にわたって崩壊することなく徐
々に流失していくと共に除菌効果を発揮してヌメリ発生
を防止し、しかも、流失した粉末成分は再固結しないの
でパイプを詰めることもない。また、従来品のごとく、
酸やアルカリ性物質と接触しても有害ガスを発生するこ
ともなく取扱上安全である。さらに、流水の温度差によ
って使用寿命が左右されにくいこと、鉄製品をさびさせ
ないこと、水を流さない日が続いてもそのまま放置でき
ることなど従来市販品にない特徴をもっている。
【0036】
【実 施 例】本発明を実施例により具体的に説明する
が、これによって本発明は限定されるものではない。な
お、部および%は、特に明示しない限り重量部、重量%
である。
【0037】実施例1 硫酸銅五水和物(和光純薬工業株式会社製)の20%水
溶液20部を多孔性酸化アルミナ(住友化学工業株式会
社製、グレードA−11)40部に吸着担持させる。
【0038】この吸着物60部を焼石膏(睦化学工業株
式会社製、グレードA)100部と均一に混合した後、
2%のメチルセルロース(和光純薬工業株式会社製)水
溶液100部中に加え混合してスラリー状となし、直径
40mmφ、高さ16mmのプラスチック型中に流し込
み放置して固結させ、1時間後に型より抜き取り本発明
固結物を得た。
【0039】比較例として、上記多孔吐酸化アルミナの
代りに炭酸カルシウム粉末(和光純薬工業株式会社製)
を用いて同様に固結物を得た。
【0040】こうして得られた本発明品と比較品の34
部の固結物をそれぞれ100ml/分の流水中に置いて
12時間、24時間後の固結物中の銅イオンの残存%を
定量したことろ、結果は表1に示すとおりで、明らか
に、多孔性無機粉末を使用した方が、固結物中の銅の流
出を少なくする効果があった。なお、銅の定量は発光分
析法によった。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2 本発明固結物と、比較例として特開昭54−86484
号公報の技術による固結物を下記表2の配合に従って、
実施例1同様の手順で調製した。
【0043】こうして得られた各35部の固結物を20
0l/分の流量で流れる水路中に置いて、5時間、10
時間後の流失重量をチェックしたところ、本発明固結物
が5時間で40%、10時間で83%であったのに対
し、比較例固結物はそれぞれ4.6%、10%の値を示
した。
【0044】上述の流失性の差を実地テストで確認する
ため、朝、昼、夜の3回炊事を行う家庭でネットに入れ
た上述の35部の固結物を台所流しのストレーナー(く
ずかご)中に入れてテストしたところ、本発明固結物が
32日間でほぼ全量流失したのに対し、比較例固結物は
32日後に15%の重量減を示したにとどまり流失性が
少ないことが判明した。
【0045】
【表2】
【0046】実施例3 本発明固結物に、流水によって徐々に流失していく脆弱
性を付与できる作用をもった天然または合成の水溶性化
合物の水溶液の効果とその使用量を調べるために下記表
3の配合で固結物を調製した。
【0047】本発明品と比較例3−1の配合で実施例1
の方法によってそれぞれ33部の固結物錠剤とし、これ
をネットに収納して台所流しのストレーナー内および浴
室排水孔上に置きその流失性をチェックしたところ、本
発明品が表面から徐々に流失していき破損もなく小さく
なり30日間で流失したのに対し、比較例3−1品は約
7日後に錠剤全面に細孔が生じ形状もいびつな形となり
約14日後には割れを生じ、39日後には流失した。こ
のことから、可溶性でんぷんが固結物に流水によって崩
壊せずに徐々に流失していく脆弱性を付与する効果があ
ることが明らかになった。
【0048】また、比較例3−2、比較例3−3の成型
テストの結果から、水溶性化合物水溶液の用いる量は粉
末量に対し、40%未満および120%以上は不適であ
ることが判明した。
【0049】
【表3】
【0050】実施例4 細孔をもった市販酸化アルミナ(住友化学工業株式会社
製、グレードA−11)1000部に、20%の硫酸銅
水溶液500部を吸着させる。
【0051】この吸着物を排風装置を備えた電気炉内で
650〜690℃で焼成して担持させた硫酸銅を水不溶
性の酸化銅となし、酸化銅担持酸化アルミナを得た。
【0052】水溶性銅化合物として硫酸銅、水不溶性銅
化合物として炭酸銅と上記の酸化銅担持物とを用いてそ
の除菌効果の差を検討するため表4の配合で本発明固結
物を調製した。
【0053】表4のA,B,Cの除菌効果を比較するた
めに、実施例1の成型法で33部の固結物を得る。朝、
昼、夜の3回炊事を行う9家庭を実地テストのモニター
として選び、A,B,Cの除菌効果を台所流しのストレ
ーナーでのヌメリ発生迄の期間とその発生程度によって
判定した。
【0054】その結果、Aが18〜20日後にぬめりが
発生(3家庭の平均、以下同様)したのに対し、Bは2
7〜29日後に発生し、Cは3〜4日後に僅かながらぬ
めりの発生がみられその状態で約45日間効果が持続し
た。以上の結果から、水不溶性銅化合物は除菌効果は多
少劣るものの効果の持続期間が長いこと、水溶性銅化合
物は除菌効果はすぐれるものの効果の持続性が十分でな
いことが明らかになった。
【0055】
【表4】
【0056】実施例5 天然ゼオライト(和光純薬工業株式会社品、粒度0.5
mmアンダー)に硝酸銀の飽和水溶液を吸着させて、実
施例1と同様の方法を用い450〜470℃で焼成して
18%の酸化銀を担持したゼオライト粉末を得た。
【0057】これを用いて、除菌作用を有する金属化合
物とこれを担持できる無機粉末の使用適量を表5の配合
でテストした。
【0058】表5のD,Eの配合で実施例1同様に34
部の固結物を調製して台所流しのストレーナーでぬめり
防止能をテストしたところ、Dは硫酸亜鉛、酸化銀を担
持すべき無機粉末が少ないためか、除菌効果はすぐれる
も約14日後には効果が低下した。また、Eは除菌性金
属化合物の使用量が少ないため効果の期間が約10日間
と短く、かつ、固結物としての強度が劣るため流失性が
大きく18日後には流失してしまった。
【0059】以上の結果から焼石膏に対して用いる除菌
性金属化合物の3.0部未満および40部以上は本発明
固結物とするには不適であること、および、焼石膏に対
する無機粉末の使用量では、8部未満および43部以上
は同様に本発明固結物を得るには不十分であることが判
明した。
【0060】
【表5】
【0061】実施例6 4%のヒドロキシピロピルメチルセルロース水溶液10
部、4.2部の酢酸銅一水和物を溶解した市販木酢液9
5部(セイコー産業株式会社品、商品名ネオシューレ
ス)および市販界面活性剤(日本アムウエイ株式会社、
商品名デイシュドロップ)5部の混合液に焼石膏148
部、酢酸銅一水和物15部および市販多孔性けい藻土
(米国ジョンズマンビレ社製、商品名セライト)28部
を加えてスラリー液として40mmφ、高さ16mmの
プラスチック型に流し込み成型した。
【0062】こうして得られた34部の固結物をネット
に収納し台所流しのストレーナー内に入れてテストした
ところ、30日間にわたってヌメリ発生の防止効果を示
し、同時に排水口から吹き上げる悪臭に対して消臭効果
があった。なお、固結物は36日後に約2部になる迄流
失した。
【0063】別の34部の固結物をネットに入れ、台所
流しのストレーナー内で18〜20℃の水と40〜43
℃の温湯を使用した場合についてその流失性をテストし
たところ、前者が約36日間で流失したのに対し、温湯
を使用した分は29日間で流失し約20%使用寿命が低
下した。
【0064】比較例として、市販のジクロロイソシアヌ
ール酸ナトリウム製剤の除菌剤(株式会社植木製、商品
名ヌメトール)を同様の条件でテストしたところ、18
〜20℃の水で25日開、40〜43℃の温湯で11日
で流失し水温差による使用寿命の差が大きかった。
【0065】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているから、各種流水路に置くだけで流水によって徐々
に流失していき、しかも中途で崩壊することもなく除菌
作用を発揮できる。さらに、流水路において接触しやす
い酸性洗剤、食酢などの酸性物質、次亜塩素酸ナトリウ
ム、苛性ソーダなどを主成分とするかび取り剤や漂白剤
などのアルカリ性物質と接触しても有害ガスが発生する
危険性もない。また、鉄をさびさせない、流水の温度差
によって使用寿命が左右されにくいなどの特徴をもつも
ので、これらの効果はこの種従来品では到底達成し得な
かったものであり、安全性と取扱性とにすぐれた除菌剤
として日常生活上きわめて有益である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)焼石膏 (2)(1)に対して、銀、銅または亜鉛化合物の一種
    または二種以上の混合物の3〜40重量%の範囲内で選
    ばれた量。 (3)(1)に対して、銀、銅または亜鉛化合物を担持
    できる無機粉末または顆粒の8〜43重量%の範囲内で
    選ばれた量。 上記(1)(2)(3)の混合物を主成分とし、これを
    固結させるに際し流水によって崩壊せずに徐々に流失し
    ていく脆弱性を該固結物に付与できる作用をもった天然
    または合成の水溶性化合物の水溶液を加えて固結させた
    ことを特徴とする流失性をもった除菌剤。
JP33200194A 1994-11-29 1994-11-29 除菌剤 Pending JPH08157305A (ja)

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