JPH0815554B2 - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

排気ガス浄化用触媒

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JPH0815554B2
JPH0815554B2 JP63261033A JP26103388A JPH0815554B2 JP H0815554 B2 JPH0815554 B2 JP H0815554B2 JP 63261033 A JP63261033 A JP 63261033A JP 26103388 A JP26103388 A JP 26103388A JP H0815554 B2 JPH0815554 B2 JP H0815554B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関の排気ガス浄化用の触媒に関し、
特に触媒に吸着されている硫黄酸化物が、炭化水素によ
り還元されて硫化水素として排出されるのを防ぐことが
できる排気ガス浄化用触媒に係るものである。
[従来の技術] 従来排気ガス浄化用触媒は、担体基材と、担体基材の
表面に形成される担持層と担持層に担持される貴金属触
媒とから構成されているものが知られている。
この排気ガス浄化用触媒は、内燃機関等で排出される
ガス中に含まれる有害成分である炭化水素(HC)、一酸
化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等を還元により低減
し、亜硫酸ガス(SO2)を酸化して硫酸ガス(SO3)とし
て担持層に吸着させて浄化をおこなっている。しかし排
気ガス中に未燃焼の炭化水素が多く含まれると、貴金属
触媒の作用により還元性の水素が形成され、担持されて
いる硫酸ガスが還元されて硫化水素を形成し悪臭を有す
る排気ガスが排出されることがある。
この硫化水素の排出を制御する方法として実開昭54−
31210号公報には、排気ガス浄化用触媒に硫化水素酸化
用触媒装置を設けて硫化水素の排出を制御する装置の開
示がある。
またSAE Technical Paper Series 872134 Novem
ber 2−5、1987には三元触媒(CO、HC、NOxを同時に
浄化処理する触媒で、白金族元素とセリウム酸化物等を
触媒として担持したもの)にニッケルを添加して硫化水
素を還元して吸着して排出を抑える触媒の開示がある。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記の別途に硫化水素を除去する専用
の触媒を形成することは、コストの上昇および自動車の
場合には重量増となり好ましくない。また前記の通常の
三元触媒にニッケル等を添加する方法では、貴金属触媒
を担持している活性アルミナとニッケルとが排気ガス浄
化時の高温で反応して、例えばスピネル結晶型のNiAl2O
4を形成して触媒の活性が大幅に低下するという問題が
ある。
本発明は前記の事情に鑑みてなされたもので、ニッケ
ルとアルミナとの反応を抑制し、かつ硫化水素の発生を
も抑制した高活性の浄化触媒とすることを技術課題とす
る。
[課題を解決するための手段] 本発明の排気ガス浄化用触媒は、耐熱性担体基材と、
該耐熱性担体基材の表面に形成された金属酸化物の担持
層と、該担持層に担持された貴金属触媒とからなる排気
ガス浄化用触媒において、 前記金属酸化物は、アルミニウム2モルに対しセリウ
ムが0.1〜0.6モル、ニッケルが0.01〜1.0モル、バリウ
ムが0.01〜1.25モルの割合の各酸化物で構成され、該ニ
ッケルと該バリウムとは複合酸化物を形成しており、該
セリウムの酸化物は複合酸化物と酸化アルミニウムとの
担持層の表面上に存在し、前記貴金属触媒は、白金、パ
ラジウム、ロジウムの少なくとも一種が担持されている
ことを特徴とする。
耐熱性担体基体は、ハニカム構造のセラミックスや耐
熱性金属板で形成されている。例えばコージェライト、
ムライト、スピネル等のモノリス担体や耐熱金属(フェ
ライト鋼)の平板と波板とを重ねて巻上げてハニカム状
にしたものを用いることができる。
金属酸化物の担持層は、酸化アルミニウムを主成分と
し酸化セリウム、酸化ニッケル、酸化バリウムが前記の
特定の割合で混合されて担体基材上に多孔質層として担
持されている。
本発明の特徴は、担持層を構成する金属酸化物の酸化
ニッケルと酸化バリウムとが複合酸化物を形成してお
り、かつ、この複合酸化物および酸化アルミニウムの表
面上に酸化セリウムが存在していることである。
この酸化ニッケルと酸化バリウムとの複合酸化物は、
例えば水溶性のニッケル塩とバリウム塩をニッケル元素
およびバリウム元素基準でほぼ等モルの混合溶液にアン
モニア水を加えて両金属の水酸化物として共沈澱させ、
析出した複合化物を焼成して複合酸化物として形成され
るもので、NiBaO2、NiO(BaO)あるいはそれらの混合
物である。なお、この複合酸化物は担持層に担持する前
に酸化物とするか、前記の共沈澱させ析出した複合化物
を担持した後担持層を加熱して複合酸化物としてもよ
い。
複合酸化物および酸化アルミニウムの表面上に酸化セ
リウムを存在させる方法は、耐熱性担体基材上にまず複
合酸化物と酸化アルミニウムの酸化物層を形成し、次に
セリウムを溶解した水溶液を前記酸化物層に接触させて
複合酸化物および酸化アルミニウムの表面にセリウムを
吸着させ、この吸着させたセリウムイオンを加熱により
酸化物とする。このようにして複合酸化物および酸化ア
ルミニウムとこれらの表面上に付着した酸化セリウムと
からなる担持層を形成することができる。
この金属酸化物の割合は、酸化物中の金属元素を基準
にしたモル量で、アルミニウム2モルに対してセリウム
は0.1〜0.6モル用いる。セリウムが0.1モル未満である
と酸素ストレージ能(酸素の取込みあるいは放出する)
が不足となり触媒活性が低下する。0.6モルを超えるとH
Cの浄化率が低下するので好ましくない。ニッケルは0.0
1〜1.0モルである。0.01モル未満では硫化水素の発生を
阻止するのに不十分であり、また1.0モルを超えるとア
ルミナとの反応が促進され耐久性が低下し好ましくな
い。バリウムは0.01〜1.25モル用いる。このバリウムは
ニッケルと複合酸化物を形成するために、少なくともニ
ッケルと等モル以上であることが必要である。したがっ
て、ニッケルよりやや多めに用いる。また1.25モルを超
えると硫黄被毒の原因となり好ましくない。
担持層の形成は、例えば予め形成したニッケルとバリ
ウムとの複合酸化物と酸化アルミニウムとを混合して形
成したスラリーを担体基材の表面にウォシュコートして
担持層を形成させる。次いでセリウムを溶解した水溶液
を前記担持層に含浸させ焼成することで、セリウムの酸
化物が複合酸化物および酸化アルミニウムの上に担持さ
れた金属酸化物の担持層が形成される。
酸化ニッケルは単独で担持層に分散されていると、排
気ガスの高温下でアルミナと反応して複合酸化物(NiAl
2O4)を形成し亜硫酸ガスや硫酸ガスおよび硫化水素な
どの硫化物との反応活性が低下する。そこでニッケルと
バリウムとの複合酸化物を形成させることにより酸化ニ
ッケルとアルミナとの複合化反応を抑制するとともに触
媒活性物質の触媒活性の低下を阻止している。
貴金属触媒は、白金族の白金、パラジウム、ロジウム
の少なくとも一種が前記金属酸化物の担持層に通常の触
媒量担持されている。貴金属触媒担持法は、白金族化合
物の水溶液を前記担持層に含浸させ乾燥することで担持
できる。
[発明の作用および効果] 本発明の排気ガス浄化用触媒は、金属酸化物の担持層
として、特定量のニッケルとバリウムとの複合酸化物を
酸化アルミニウム中に分散させて酸化物層を形成し、こ
の酸化物層の上にセリウム酸化物を担持させて構成した
ものである。これによりニッケル触媒の触媒活性を高め
硫化水素の排出を抑制し、硫黄酸化物による悪影響を阻
止して触媒性能を長時間保持することができる。
なお、前記の触媒反応は下記の反応式で進行すると考
えられる。
炭化水素の少ないリーンの時 Al2O3+CeO2+5SO2+5/2O2→Al2(SO4)+Ce(SO4) となり亜硫酸ガスを吸着して硫化水素の発生を抑制す
る。
炭化水素の多いリッチの時 Al2(SO4+Ce(SO4+5H2+5/2NiBaO2→Al2O3 +CeO2+5H2S+5/2NiBaO2→Al2O3+CeO2+5NiBaS+5H2O となり硫化水素をニッケルバリウムの複合酸化物が捕捉
して排出を抑制する。
ニッケルをバリウムと複合酸化物を形成して酸化物の
担持層に担持することにより、酸化ニッケルとアルミナ
との反応が抑制されニッケルが硫黄化合物と反応しやす
い活性状態を保つことができる。
また、酸化セリウムが複合酸化物と酸化アルミニウム
とからなる担持層の表面上に存在するため硫化水素が含
まれた排出ガスが排出されるのを阻止することができ
る。
[実施例] 以下、実施例により本発明を説明する。
[実施例1] ニッケルとバリウムとの複合酸化物と製造 硝酸ニッケル{Ni(NO3}1モル/の水溶液
と、硝酸バリウム{Ba(NO3}1モル/の水溶液
を等量混合する。次にこの混合溶液にアンモニア水(NH
4OH)を徐々に添加していくと(NiBa)(OH)の沈澱
が析出する。水溶液中のニッケルとバリウムが全量析出
するまでアンモニア水を添加する。この時の液のpHは4.
0である。析出した沈澱をろ別して、1200℃で1時間焼
成すると複合酸化物のNiBaO2とNiO(BaO)との混合物
の粉末が得られた。
担持層の形成 γ−アルミナの粉末(平均粒径5μm)102重量部(A
l2モル)を水に分散させたスラリーに前記で作製したニ
ッケルとバリウムとの複合酸化物の粉末(平均粒径5μ
m)10重量部(Ni0.05モル、Ba0.05モル)を加えて形成
したスラリー液とした。このスラリー液に市販のコージ
ェライト質のハニカム形状の担体基材を浸漬した。この
担体基材をスラリー液から引上げ100℃で1時間乾燥し
た後700℃で2時間焼成した。
次に硝酸セリウム(68.8g/)の水溶液に前記の担体
基材を浸漬した後、100℃で1時間乾燥した後700℃で2
時間焼成して金属酸化物の担持層を形成した。この担持
層は、アルミナが120g/、複合酸化物(NiBaO2)が0.0
5モル/、酸化セリウムが0.4モル/担持されてい
る。
この金属酸化物の担持層は、ニッケルとバリウムが複
合酸化物としてアルミナ中に分散されて担持層を形成し
ている。その担持層に硝酸セリウムの水溶液が含浸され
焼成されているため、複合酸化物と酸化アルミニウムと
の担持層の表面上に酸化セリウムが存在していることに
なる。
その後、貴金属のジニトロジアンミン白金硝酸水溶
液、塩化ロジウム塩酸水溶液を前記の担持層に順次含浸
させ、白金を1.5g/、ロジウムを0.3g/それぞれ担持
させて実施例1の触媒を形成した。第1表に触媒の担持
層を形成している物質の組成を示した。
[実施例2] 前記実施例1の複合酸化物の製造方法においてアンモ
ニア水を加えて沈澱させたニッケルとバリウムとの複合
化物をろ別し、焼成することなく乾燥して得た粉末をγ
−アルミナのスラリー液に混合分散させた。なお、複合
酸化物は焼成後混合するよりも沈澱状物として単離して
アルミナに混合した担持した後、焼成して酸化物とした
方が担持層での分散性が良い。
次にコージェライト質のハニカム担体基材に前記スラ
リー液をウォシュコートして100℃で1時間乾燥した
後、700℃で2時間焼成して担持層を形成した。この担
持層に硝酸セリウムの水溶液を含浸させ100℃で1時間
乾燥した後、700℃で2時間焼成した。さらに常法によ
り貴金属触媒の白金およびロジウムを実施例1と同様に
して担持させて実施例2の触媒を形成した。第1表に担
持層の組成割合を示した。
[実施例3] 実施例1における複合化物の形成を塩化ニッケルと塩
化バリウムを用いて焼成処理して作製した複合酸化物を
用いた以外は実施例1と同様な方法で実施例3の触媒を
作製した。第1表に担持層の組成割合を示した。
[実施例4] 実施例2において複合酸化物の形成を塩化ニッケルと
塩化バリウムを用いて焼成処理せず沈澱をろ別したまま
の複合酸化物を用いた以外は実施例2と同様な方法で実
施例4の触媒を作製した。第 1表に担持層の組成割合を示した。
[比較例1] 実施例1において、複合酸化物を用いないで酸化ニッ
ケルとアルミナで担持層を形成し、次いでセリウム水溶
液を含浸させて担持させた以外は実施例1と同様にして
比較例1の触媒を作製した。第1表に担持層の組成割合
を示した。
[比較例2] 実施例1において、複合酸化物を混合しないでアルミ
ナのみで担持層を形成し、次いでセリウム水溶液を含浸
させて担持させた以外は実施例と同様にして比較例2の
触媒を調整した。
なお、使用した担体基材は、直径φ=35mm、長さL=
50mm、(試験用品)と容積1.7のオーバルタイプ(通
常品)である。
担持層の量は担体基材の容積当たりで表され、第1表
に示すように金属酸化物はアルミナ120g/(Al金属元
素を基準とすると2.3モル/に相当する)、酸化セリ
ウム0.3モル/(Ce元素を基準とする量である)、複
合酸化物(NiBaO2)0.01〜1.0モル/(Ni、Ba元素を
基準とする量である)(実施例1は0.05モル、実施例2
は0.03モル、実施例3は0.07モル実施例4は0.1モルで
ある)。貴金属触媒は白金1.5g/、ロジウム0.3g/、
である。
評価と結果 試験品の担体基材を用い前記の実施例および比較例の
各担持層を形成した触媒を用いて、空燃比A/F=15.0で
1時間、イオウ分含有量が0.1重量%のガソリンを使用
時のモデルガスとして担体基材に流通した後、A/F=13.
0の条件で5分間の硫化水素ガス生成量を測定した(初
期)。この時の触媒は600℃に保持した。結果を第2表
に示す。
次に900℃×50h、エンジン回転数3000rpmの条件で耐
久試験をした後、前記と同様にして硫化水素ガス生成量
を測定した(耐久後)。結果を第2表に示す。
これとは別に通常寸法のタイプの担体基材を用い前記
の実施例および比較例の各担持層の形成した触媒を用い
て、3のエンジンに取付けHC、CO、NOxの浄化率を測
定した後、900℃で300時間の耐久試験後のHC、CO、NOx
の浄化率を測定した。結果を第3表に示す。
初期、耐久後の触媒の担持層を切り取り酸化物のX線
回折分析をおこなったところ、NiBaO2およびNiO(BaO)
の解析ピークが存在するのが確認された。またニッケ
ルとアルミニウムが反応して生成される複合酸化物NiAl
2O4のピークは確認できなかった。
第2表に於いて、実施例(1〜4)の触媒は初期およ
び耐久性試験後の硫化水素の生成量が10ppm以下であ
り、耐久性試験後においても測定の誤差程度の増加であ
り、耐久性に優れていることを示している。酸化ニッケ
ルを複合化しない比較例1の場合は、初期の硫化水素の
排出は阻止するが耐久試験後ではアルミナと反応して複
合化物となり、酸化ニッケルの活性を失うため排出量が
多くなる。一方ニッケルとバリウムの複合酸化物を添加
しない比較例2では、硫化水素の生成量が100ppm(初
期)と実施例の各触媒に比べて著しく多い。また、耐久
後においても触媒劣化のため初期の量よりは少ないが、
80ppmであり実施例の各触媒よりも硫化水素の発生量が
多い。
第3表に示すHC、CO、NOxの浄化率は、初期、および
耐久後においても各触媒ともほぼ同一であり、NiBaO2
添加量には左右されていない。また、実施例と比較例と
を比べてもHC、 CO、NOxの浄化率には変化が認められないことは、NiBaO
2の添加によって浄化率に悪影響を与えないことを示し
ている。
したがって本発明の触媒は、硫化水素の発生を抑制す
る効果を有しかつHC、CO、NOxの浄化にも優れた触媒で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−76548(JP,A) 特開 昭52−26390(JP,A) 特開 昭62−129146(JP,A) 特開 昭49−123473(JP,A) 特開 平2−102739(JP,A) 欧州特許出願公開244127(EP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性担体基材と、該耐熱性担体基材の表
    面に形成された金属酸化物の担持層と、該担持層に担持
    された貴金属触媒とからなる排気ガス浄化用触媒におい
    て、 前記金属酸化物は、アルミニウム2モルに対しセリウム
    が0.1〜0.6モル、ニッケルが0.01〜1.0モル、バリウム
    が0.01〜1.25モルの割合の各酸化物で構成され、該ニッ
    ケルと該バリウムとは複合酸化物を形成しており、該セ
    リウムの酸化物は該複合酸化物と酸化アルミニウムとの
    担持層の表面上に存在し、前記貴金属触媒は、白金、パ
    ラジウム、ロジウムの少なくとも一種からなることを特
    徴とする排気ガス浄化用触媒。
JP63261033A 1988-10-17 1988-10-17 排気ガス浄化用触媒 Expired - Fee Related JPH0815554B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009082880A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Mazda Motor Corp 排気ガス浄化触媒装置

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