JPH08154961A - 褥創防止用パッド及び褥創防止用おむつカバー - Google Patents

褥創防止用パッド及び褥創防止用おむつカバー

Info

Publication number
JPH08154961A
JPH08154961A JP6299815A JP29981594A JPH08154961A JP H08154961 A JPH08154961 A JP H08154961A JP 6299815 A JP6299815 A JP 6299815A JP 29981594 A JP29981594 A JP 29981594A JP H08154961 A JPH08154961 A JP H08154961A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pad
pressure
outer peripheral
peripheral portion
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6299815A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2733027B2 (ja
Inventor
Junjiro Kojima
純二郎 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKAI MEJIKARU SERVICE KK
Original Assignee
TOKAI MEJIKARU SERVICE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKAI MEJIKARU SERVICE KK filed Critical TOKAI MEJIKARU SERVICE KK
Priority to JP6299815A priority Critical patent/JP2733027B2/ja
Publication of JPH08154961A publication Critical patent/JPH08154961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2733027B2 publication Critical patent/JP2733027B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】体圧分散機能を維持して確実に骨突出部の圧接
を予防する。 【構成】褥創防止用具1であって、中空室2aを有する
袋状体に形成される当接部2と、この当接部2の外周に
設けられ、複数個のそれぞれ連通しない中空室8a,8
bを有する袋状体10a、10bからなる外周部8とを
有し、前記当接部2及び前記外周部8の各中空室2a,
8a,8bにはそれぞれ流動性充填体を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、局部の持続的圧迫を
防止して、褥創の発生を予防することができるパッド付
きおむつカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、老人の褥創は、病院、施設等のみ
ならず、在宅看護介護の現場にとっても、重要な問題と
なっている。また、かかる褥創は、老人の敗血症の原因
のうち、40%を占めるとも言われており、他の病因と
もなっている。
【0003】褥創の原因は、圧迫による組織の虚血性壊
死である。したがって、褥創の好発部位は、図14に示
すように、高い圧力のかかる骨突出部となっている。そ
してかかる壊死は、大きな圧力下では、短時間でも発生
し、小さい圧力下では長時間経過後に発生する。
【0004】ここに、かかる持続的圧迫を防止して褥創
を予防するものとして多用されるものとして、例えば図
15に示す円座200がある。かかる円座200は、中
央に孔部210を有する略リング状体であり、体圧を分
散できる充填物が袋状体に充填されて形成されている。
そして、この円座200を、例えば臀部の下に配置し
て、中央の孔部210に仙骨部のような骨突出部を配置
して、骨突出部における圧迫を回避できるようになって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、老人に
おいては、筋肉や脂肪がなく、骨が突出されているた
め、図16に示すように、臀部下に円座200を配置し
ても、中央の孔部210において、仙骨部Sが寝具に圧
接し、かかる仙骨部Sの圧迫を招く場合がある。さら
に、体位変換によって接触部位が移動した際に、充填物
が移動され、接触部位において充填物が減少してしま
い、リング部位においても接触部位を圧迫してしまうこ
ともある。このような不具合は、他の褥創防止用具であ
るエアーマットレスやビーズマットやそばがらマットで
も生じていた。すなわち、適当な体圧分散機能を有しつ
つ形状を変化させ、患者の体位変換や体型の違いに容易
に対応できる褥創防止用具がなく、介護者の負担をより
軽減できる用具が要望されていた。また、仙骨部は、褥
創の多発部位であり、かつ重症部位でもあるため、かか
る仙骨部位の褥創を簡易に予防できる用具が要望されて
いた。
【0006】そこで、本発明は、体圧分散機能を維持し
て確実に骨突出部の圧接を予防することができるパッド
を提供することを目的とする。また、本発明は、褥創防
止機能付きおむつカバーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明者は、以下の発明を完成した。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、褥創防止用具であって、
中空室を有する袋状体に形成される当接部と、この当接
部の外周に設けられ、複数個のそれぞれ連通しない中空
室を有する袋状体からなる外周部とを有し、前記当接部
及び前記外周部の各中空室にはそれぞれ流動性充填体を
充填したことを特徴とする褥創防止用パッドである。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の褥創防止用パッドであって、当接部の中空室内に、体
圧のかかる方向に沿って対向状に設けられ、前記中空室
の内表面が近接されることにより接触されて導通状態に
なるように設けた電極と、前記電極の接触による導通状
態を表示する表示器、とを備えたことを特徴とする褥創
防止用パッドである。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の褥創防止用パッドであって、前記当接部及び前記外周
部の各中空室には、空気を充填可能に設け、前記外周部
の中空室には逆流防止弁を備えるとともに、前記当接部
の中空室における圧力を検出することができる体圧計を
備えたことを特徴とする褥創防止用パッドである。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の褥創防止用パッドであって、前記外周部に取り付けら
れ、外周部への取り付け基部を中心として位置変換可能
に設けられ、前記外周部の範囲内及び/又は前記外周部
の周囲において位置される補助パッド部を有することを
特徴とする褥創防止用パッドである。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1、請求
項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の褥創防止
用パッドを備えたことを特徴とする褥創防止用おむつカ
バーである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。この発明
は、骨突出部に当接する部位とその周囲に当接する部位
とを別室構成とするとともに、骨突出部の周囲当接部位
を複数室構成にすることにより、使用者の体位変換や体
型にかかわらず体圧分散機能を維持することができるも
のである。すなわち、使用者の骨突出部位の形状や、円
座の体圧分散機能によっては、十分に骨突出部の圧接回
避ができなかった従来の用具の欠点を解決したものであ
る。
【0013】ここに骨突出部とは、身体において骨が突
出され、仰臥、側臥等した場合に体重がかかりやすくな
っている部位をいい、具体的には、図14に示される
肩、肩甲骨、脊柱、腸骨部、仙骨部、大転子、踝部が挙
げられる。
【0014】本発明では、積極的に、流動性充填体が充
填された当接部を設けて、骨突出部と寝具等との圧接を
回避する一方、パッドを当接部と複数室に隔てられた外
周部とから構成することにより、骨突出部にかかる体圧
をパッド全体に均等に分散させることができる。
【0015】ここに、当接部とは、前記骨突出部に対応
して設けられ、骨突出部に当接される部分をいう。例え
ば、仙骨部の褥創防止用パッドにおいては仙骨部に当接
される。また、外周部とは、前記当接部の外周に設けら
れ、当接部に当接される骨突出部への圧力を分散できる
ようにした部分である。当接部の外周全範囲を包囲する
ものであってもよく、また、当接部の外周に部分的に設
けるものであってもよい。
【0016】外周部は少なくとも2室以上の構成となる
ため、体位の変化や体圧の変化によって荷重が増えた外
周部位においても、充填体が逃げることがなく、適度な
体圧分散機能が維持されるようになっている。
【0017】必要に応じてかかる適度な体圧分散機能を
維持するには、当接部及び外周部の各室に適量の流動性
充填体が充填されている必要がある。したがって、各室
内の流動性充填体の量が調整可能に、当接部の袋状体や
外周部の各中空部にそれぞれ注入口が形成されるのが望
ましい。
【0018】ここに、流動性充填体とは、体圧に応じて
流動される充填体をいい、例えば、水、空気などの気体
や液体の流動体、ゲル状体やコロイド状体等の半流動
体、各種材質からなるビーズ状体や円筒状体等の固体の
粒状体の集合物などが挙げられる。容易にかつ安価に調
達でき、また、出し入れが容易で、軽量である点から
は、空気が好ましく、体圧分散機能からは、水が好まし
い。
【0019】また、本発明の褥創防止用パッドは、当接
部を構成する袋状体の体圧がかかる方向に押圧された際
に接触されて、導通状態となるような電極(スイッチ)
が設けられている。この電極を介して表示器において、
導通状態を表示できるようにすることで、当接部におい
て、過剰な体圧により押圧され、当接部を構成する袋状
体の内表面が接触あるいは近接して、体圧分散機能が低
下する場合には、この状態(いわゆる底つき状態)を検
出することができる。
【0020】したがって、介護者は、表示器の表示を確
認することで、当接部の底つきを検知でき、これにより
患者の体位変換の必要性を認識することができ、単なる
所定の時間おきの体位変換を必要としなくなる。この結
果、介護が合理化される。なお、表示器は、前記電極の
接触による導通状態を検出するものであり、ランプの点
灯や点滅、ブザーや音声等の音波や電波の発信、画面に
よるモニター等により導通状態を検出できるようにした
ものであればよい。
【0021】さらに、本発明の褥創防止用パッドは、当
接部及び外周部の各中空室に空気を充填可能に設け、外
周部の各室には逆流防止弁を設けるとともに、当接部に
かかる圧力を検出することができる圧力計を設けてい
る。これにより、当接部にかかる圧力から、適切な空気
量を当接部及び外周部に充填可能となる。外周部各室に
設けた逆流防止弁は、荷重が移動した場合に、荷重がか
かった室から空気が移動して、該室における体圧分散機
能が低下しないために設けられている。
【0022】したがって、当接部にかかる体圧に応じた
調整が可能となって、確実に褥創の予防が達成される。
また、体圧計で検出された体圧と時間と空気充填量とを
コンピューターで制御して、自動的に空気充填等をする
ことが可能となる。
【0023】さらに、本発明の褥創防止用パッドは、外
周部に位置変換可能な補助パッド部を設けている。この
補助パッド部により、体位変換の際に、新たに保護が必
要となる骨突出部に対して1個の褥創防止用パッドで、
簡易に対応することができる。また、外周部に重ねて使
用すれば、流動性充填体の量の調整をすることなく、外
周部の体圧分散機能を調整することができる。したがっ
て、体位変換に応じて簡易かつ確実に褥創の予防が図ら
れる。
【0024】また、このような褥創防止用パッドを、お
むつカバーに備えておむつカバーと一体に使用すること
により、褥創の発生しやすい仙骨部での褥創を効果的に
防止することができる。また、身体の移動に伴って褥創
防止用パッドが移動され、身体の所定位置に常に褥創防
止用パッドが配置されるため、シーツの取り替えや体位
の移動等の度に、パッドの位置決めをする手間を省くこ
とができる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、骨突出部に当接部を配して、骨突出部の
底つきを防止する一方、複数室を有する外周部におい
て、骨突出部にかかる体圧の分散機能を体位の変化等に
かかわらず維持して、褥創を予防することができる。
【0026】また、請求項2に記載の発明によれば、当
接部における骨突出部の底つき状態を検出し、介護者
が、簡易にかつ確実に底つき状態を認識できるようにし
たため、介護における褥創予防に関する作業を合理化で
きる。
【0027】また、請求項3に記載の発明によれば、当
接部の圧力を検出することにより、適切な空気充填量の
調整が可能となって、当接部の圧力に応じてきめ細かに
骨突出部での体圧を調整することができる。
【0028】また、請求項4に記載の発明によれば、補
助パッド部を設けたことにより、簡易に当接部に対応す
る骨突出部の体圧分散機能を調整でき、また、この骨突
出部周辺での体圧分散もすることができる。
【0029】また、請求項5に記載の発明によれば、褥
創防止用パッドをおむつカバーに備えているため、仙骨
部等の褥創多発部位で効果的に褥創を防止することがで
きる。
【0030】
【実施例】次に、本発明を具体化した実施例について説
明する。 (実施例1)以下、図1ないし図6に基づいて実施例1
について説明する。図1には、本実施例の褥創防止用パ
ッド(以下、単にパッドという。)1が示されている。
このパッド1は、仙骨部の褥創防止用であり、袋状体の
中空室内部に空気が充填されてなり、厚みと適度なクッ
ション性を有している。
【0031】パッド1は中心部の当接部2とその外周に
一体に設けられた外周部8とから構成されている。当接
部2は、仙骨部Sに当接される部位であり、空気が充填
される略円柱状の中空室2aを形成可能な袋状体に形成
されている。この当接部2の仙骨部Sの当接側でない反
対側には、空気の注入口6が密封可能に開口されてい
る。
【0032】外周部8は、当接部2をとりまくようにリ
ング状に、当接部2に一体に形成されて仙骨部Sの周囲
に当接されるようになっている。外周部8は、当接部2
の左右で2個の中空室8a,8bに分画された袋状体1
0a,10bに形成されている。外周部8の各中空室8
a,8bは、空気が充填されて当接部2よりもやや厚み
を有するように形成されるとともに、各袋状体10a,
10bには、仙骨部の周囲に当接されない部分に密封可
能な空気の注入口12a,12bが開口されている。
【0033】このように形成されたパッド1の各中空室
2a,8a,8bには、それぞれ適切な量の空気が注入
口6、12a,12bから封入され、図1(b)に示す
ような立体形状となっている。
【0034】次に、このように形成したパッド1の使用
における作用・効果について説明する。図2は、このパ
ッド1を身体の仙骨部Sの下に敷いた状態で、仙骨部S
における横断面を頭部方面から透視した図である。本実
施例のパッド1にあっては、仙骨部Sの周囲が外周部8
により当接され、この部位にかかる荷重が分散されると
ともに、最も荷重のかかる仙骨部Sは、下方に突出され
るが、ここに当接部2が当接されるため、仙骨部Sが寝
具に圧接されるのが防止されている。この結果、仙骨部
Sの褥創が効果的に予防される。この際、当接部2に
は、仙骨部Sの荷重によって底つきしない程度の空気圧
になるように空気が充填されている。
【0035】また、仙骨部が当接部2により支持される
ことにより、仙骨部Sにかかる荷重の一部が当接部2に
より分担される結果、外周部8による荷重の分担が低減
され、仙骨部Sとその外周において、より均等な荷重分
布が達成されることになる。
【0036】さらに、本パッド1の外周部8は、当接部
2を挟んで、左右2室構成となっており、各中空室8
a,8bに注入された空気は、それぞれ他方の中空室8
b,8aに移動されないようになっている。すなわち、
図3(a)に示すように、従来の円座200は、リング
部位において不均一に荷重がかかると、荷重がかかった
部位の空気が移動されて空気量が低減され、形態も大き
く変化されることでその部位での体圧分散機能が低下さ
れ、底つき状態が発生していた。
【0037】しかし、本パッド1においては、図3
(b)に示すように、外周部8の一方の中空室8a,8
bに荷重がかかっても、空気は他方の中空室8b,8a
に移動されず、1個の中空室8a,8b内で移動される
に留まり、結果として、空気の移動が少ないため、全体
にパッド1の形状にも大きな変化がなく、体圧分散機能
が発揮された状態が維持されるようになっている。な
お、図3(b)では、側臥位用マットを使用したが、か
かる側臥位用マットを使用せずに単に側臥する場合でも
同様である。
【0038】特に、パッド1において、外周部8を当接
部2の左右で2室構成としたのは、このように、仰向け
から側臥する場合においても、有効に体圧分散機能を発
揮させるためである。すなわち、仰向けから側臥する場
合には、荷重が左右どちらかに移動されるからである。
したがって、よく行われる荷重の移動が骨突出部の全周
となる場合には、外周部8を、3室以上の中空室から構
成するようにして、外周部8のどの部位に荷重がかかっ
ても、空気移動を制限して形状を保持するとともに、体
圧分散機能を維持発揮できるようにすることができる。
【0039】このように、本実施例では、パッド1を単
独で仙骨部Sの下に敷設して使用したが、特に仙骨部用
の本パッド1にあっては、図4に示すように、おむつカ
バーCに一体に固定して使用するのが、便利である。
【0040】このように使用すれば、常に身体に沿って
パッド1が配置され、また、側臥した場合でも、身体に
沿い、再び仰臥した際でも、適正な位置にパッド1が配
置されることになる。さらに、おむつカバーCにおいて
仙骨部Sに対応する位置にパッド1を固定しておけば、
おむつカバーCを装着する際に、ほぼ適正な位置に常に
パッド1が配置されることになり、おむつ替えごとにパ
ッド1の位置を調整する必要がなくなる。
【0041】このように、パッド1をおむつカバーCに
一体に取り付けて使用する場合には、図5に示す構成と
することができる。すなわち、おむつカバーCを構成す
内側生地21、外側生地22の内側に、適当な脱着部材
を介してパッド1を取り付けすることができる。図5に
おいては、オス部材とメス部材とからなる掛止部材24
をパッド1の裏面と生地22の内面に取り付けすること
により、パッド1を脱着可能に設けている。この場合、
パッド1は、必要に応じておむつカバーCの内部から取
り外しできるようになっている。
【0042】なお、本実施例のパッド1は、全体として
略4角形状に形成したが、身体へのフィット感及びおむ
つカバーCに取り付ける際でのフィット感等を考慮し
て、全体を3角形状に形成したパッド28とすることも
できる。すなわち、図6に示すように、当接部30を包
囲する外周部32を外形形状が3角形に形成する。この
場合、外周部32は左右2室構成とすることもできる
し、3辺に沿った3室構成とすることもできる。
【0043】また、かかるパッド32は、パッド1と同
様に、おむつカバーCに脱着可能に設けるともに、取り
つけ位置を移動可能に設けることもできる。このように
設けることにより、使用者の肢位に応じてパッド1の取
り付け位置を変えることができるようになる。したがっ
て、肢位の変形拘縮等が予想されるおむつ使用者にも、
快適でかつ仙骨部の褥創を防止できるおむつカバーCと
することができる。
【0044】(実施例2)次に、図7に基づいて実施例
2について説明する。本実施例では、骨突出部の底つき
を検知し、介護者が認識できるようにしたパッド41に
ついて説明する。図7には、パッド41の断面が示され
ている。パッド41は、実施例1のパッド1と同様に、
当接部42と外周部48とを有しており、当接部42は
中空室42aを有する袋状体であり、また、外周部48
は、当接部42を挟んで左右2室の中空室48a,48
bを有する2個の袋状体50a,50bとから構成され
ている。また、これらの袋状体42、50a,50bに
は密封可能に形成された空気注入口もそれぞれ開口され
ている。
【0045】当接部42の中空室42aと外周部48の
中空室48a,48bには、それぞれ空気が注入されて
おり、適度な厚みと体圧分散機能が付与されている。こ
の当接部42には、リード線54、56を介して電源を
備えた底つき表示器52が接続されている。
【0046】表示器52から配線されたリード線54
は、表示手段として電球52aを備えた表示器52を介
して、当接部42の底面部を指向している。また、同様
に表示器52から配線されたもう一方のリード線56
は、当接部42の底面部を介して上面部を指向してい
る。そして、これらのリード線54、56は、中空室4
2a内部に配置された2個の電極60、62にそれぞれ
接続されている。
【0047】上部電極62は、当接部42の身体の荷重
を直接受ける側の内面に設けられ、下部電極60は、上
部電極62と対向される袋状体44の底面の内側に設け
られている。すなわち、中空室42a内でこれらの電極
60、62は、上下に対向状に配設され、当接部42が
仙骨部Sによる加圧により撓んで当接部42の上面部と
底面部とが接触するほどに近接した場合に、接触される
ようになっている。
【0048】次に、このように形成したパッド41を使
用する場合の作用・効果について説明する。図7(b)
には、このパッド41を患者の仙骨部Sの下に敷設した
場合の断面が示されている。この図においては、患者の
仙骨部Sが下方に突出されてしまい、当接部42が変形
され、上面部と底面部とが接触するほどに近接され、体
圧分散機能が維持されなくなっている。この場合、表示
器52の電源をオンにしておけば、中空室42a内にお
いて、上部電極62と下部電極60とが接触されると、
電源からの通電が可能となることにより、電極60、6
2において導通状態となり、底つき表示器52に通電さ
れ、電球52aが点灯される。
【0049】この点灯により、介護者は、仙骨部Sの底
つき状態を認識することができ、中空室42aへの空気
充填量不足、あるいは中空室42aと中空室48a,4
8bとの空気充填量のアンバランスを調整することによ
り、底つき状態とならないようにパッド41を形成する
ことができる。この結果、本実施例のパッド41は、褥
創発生をより確実に防止することができる。
【0050】また、体位の変換により、パッド41に対
する荷重分布が変更され、底つきが発生した場合でも、
底つき状態を底つき発生と同時に検出することができる
ため、早めの充填量調整、体位変換が可能となり、迅速
な対応により、褥創発生を予防できる。さらに、底つき
検出からの時間経過を表示できるようにすれば、経過時
間を考慮した合理的な介護作業が可能となり、介護者の
負担が軽減される。
【0051】このパッド41も実施例1のパッド1と同
様に、おむつカバーSに一体に、あるいは脱着可能に設
けて使用することができる。
【0052】(実施例3)次に、実施例3について、図
8及び図9に基づいて説明する。本実施例では、当接部
72にかかる圧力を検出して、この圧力に応じた空気充
填量の調整が可能なパッド71について説明する。この
パッド71の構成が図8に示されている。このパッド7
1は、実施例1と同様に、仙骨部の褥創防止を目的とす
るものであり、当接部72と、外周部78とから構成さ
れ、同様に3個の中空室72a,78a,78bを有し
ている。
【0053】本実施例のパッド71が、実施例1のパッ
ド1と異なる点は、当接部72、各袋状体80a,80
bの各空気注入口に空気を注入するための3本に分かれ
た空気注入チューブ110と、圧力計113を備えた空
気注入アダプター100が接続されていることである。
【0054】このアダプター100は、各空気注入チュ
ーブ110に空気を導入するための密封可能な注入口1
12を有している。また、中空室78a,78bに通じ
る注入口90a,90bには、空気の逆流防止弁92
a,92bが設けられており、中空室78a,78bに
注入された空気は、通常には、外部に流出しないように
なっている。なお、中空室72aの空気は、常にアダプ
ター100内を移動可能となっている。
【0055】圧力計113は、アダプター100内の空
気圧、すなわち、現実には、アダプター100及び当接
部72の中空室72aが連通されているため、中空室7
2aの空気圧(当接部72にかかる体圧)を検出するも
のである。圧力計113は図9(a)及び(b)に示す
ように、本実施例においてはバネ114の弾性を利用し
て形成され、空気圧に対応した数値を圧力ゲージ115
で検出できるようになっている。なお、本実施例では、
バネ114の弾性を利用したが、これに限定されるもの
ではなく、他の機構による空気圧検出を用いることがで
きる。
【0056】次に、このように形成したパッド71を使
用する場合の作用・効果を説明する。空気が各中空室7
2a,78a、78bに充填され、空気注入口112が
密封した後、本パッド71を仙骨部S下に敷設した場合
には、当接部72にかかる体圧が圧力ゲージ115にお
いて示される。すなわち、敷設時に圧力ゲージ115に
おいて示される圧力が大きい場合には、当接部72にお
いて、圧接状態が生じていることになる。このため、介
護者は、かかる圧力を、褥創発生における圧力−時間曲
線に当てはめることにより、体位変換に関する必要情報
を確実に把握でき、適切かつ合理的な介護が可能とな
る。
【0057】また、当接部72の空気圧をモニターして
記録できる装置を併せて設けることにより、より一層容
易かつ適切に、必要情報の把握が可能となり、体位変換
の必要性の判断等が容易となり、より適切かつ合理的な
介護が可能となる。さらに、本パッド71の構成に、空
気注入装置を設け、空気圧のモニターから、当接部72
の適切な空気量を自動的に調整するように設けることも
できる。これにより、体位変換の手間や空気圧チェック
の手間を省略することができる。
【0058】このパッド71も実施例1のパッド1と同
様に、おむつカバーCに一体に、あるいは脱着可能に設
けて使用することができる。
【0059】(実施例4)次に、実施例4を、図10な
いし図13に基づいて説明する。本実施例のパッド12
1は、実施例1のパッド1と同様に、主として仙骨部S
の褥創を防止するためのものであり、パッド1と同様
に、当接部122と外周部128とから構成され、計3
つの中空室とから構成されている。本実施例のパッド1
21とパッド1との相違は、パッド121には、外周部
128の上面の一部に左右対照に、フラップ状の補助パ
ッド部130、132が設けられていることである。
【0060】補助パッド部130、132は、それぞれ
内部に空気が充填される袋状体に形成され、空気が充填
されている。これら補助パッド部130、132の取り
付け基部130a,132aは、該取り付け基部におい
て外周部128の内側と外側に、補助パッド部130、
132を折り畳んで、位置変換できるような略ヒンジ状
に形成されている。本実施例では、この取り付け基部1
30a,132aは、外周部128の各袋状体と同素材
で細長い帯状体に形成され、この帯状体を介して、外周
部128の上面に、補助パッド部130、132が一体
化されている。なお、これらの補助パッド部130、1
32の中空室と外周部128の中空室とは連通されるも
のではない。
【0061】次に、このようなパッド121を使用する
場合の作用・効果について説明する。図11に本パッド
121をおむつカバーCに取り付けて使用した状態が示
されている。この図11に示すように、パッド121を
おむつカバーCに取り付けることにより、体位が仰臥位
から側臥位に変換された場合にでも、パッド121は、
身体に沿って移動されることになる。そして、予め補助
パッド部130、132をそれぞれ外周部128の外側
に向けて位置させておけば、側臥した場合に身体の下側
となる仙骨部の側方の骨突出部の大転子部に当接され
て、この部位での褥創発生を防止することができる。
【0062】また、座位を保持する場合には、補助パッ
ド部130、132をそれぞれ、外周部128の内側に
折って、外周部128及び当接部122に重なるように
する。これにより、座位保持時に突出される坐骨結節部
Zにかかる大きな荷重を二重のパッド構造により分散す
ることができる。本実施例では、パッド121をおむつ
カバーCに取りつけたことにより、パッド121を単独
で使用する場合よりも、より簡易にかかる体位変換に対
応することができるようになっている。
【0063】このように、本実施例のパッド121によ
れば、仰臥位のみならず、側臥位、坐位にも、簡易にか
つ適切に対応することができる。なお、補助パッド部1
30、132は必要に応じて、脱着可能に設けることも
可能である。また、本実施例では、おむつカバーCに一
体に設けて説明したが、パッド121を単独で使用して
も、体位変換に際して対象とする骨突出部の周辺の他の
骨突出部にも、簡易に対応できるという作用を奏する。
【0064】また、本実施例では、仙骨部Sの他に大転
子部及び坐骨結節部Zに対応するものとしたが、図13
に示すように、仙骨部の他に大転子部及び腸骨部(図1
4参照)に対応するように形成することもできる。この
場合は、補助パッド部140、142の取り付け基部1
40a,142aをパッド部140、142が上下方向
に移動できるように設けて、対応することができる。こ
れにより、仰臥位から側臥位に変換されたとき、大転子
部あるいは腸骨部の褥創発生を予防することができる。
【0065】なお、これらの実施例では、いずれも仙骨
部Sを対象とするパッドについて説明したが、本発明は
これに限定するものではなく、仙骨部S以外の骨突出部
を対象とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のパッドの平面図(a)と断面図
(b)である。
【図2】パッドの使用状態を示した図である。
【図3】外周部の空気移動が制限されないパッドの使用
例を示した図(a)と実施例1のパッドの使用例とを示
した図(b)である。
【図4】実施例1のパッドをおむつカバーに取り付けた
状態を示した図である。
【図5】パッドのおむつカバーへの取り付け方法を脱着
可能に取りつけた状態を示した図である。
【図6】形状の異なるパッドをおむつカバーに取り付け
た状態を示した図である。
【図7】実施例2の褥創防止用パッドの構造を示した図
(a)とその作動状態を示した図(b)である。
【図8】実施例3の褥創防止用パッドの構造を示した図
である。
【図9】図7の丸印部分の拡大図である。
【図10】実施例4の褥創防止用パッドの構造を示した
図である。
【図11】実施例4のパッドを側臥位において使用して
補助パッド部が大転子部に当接する状態を示した図であ
る。
【図12】実施例4のパッドを座位で使用して補助パッ
ド部が坐骨結節部に当接する状態を示した図である。
【図13】他の実施例として、大転子部と腸骨部との双
方に対応できる補助パッド部を有するパッドを示した図
である。
【図14】褥創の発生部位及び発生率を示す図である。
【図15】従来用いられていた円座を示した図である。
【図16】従来の円座における骨突出部位の圧接状態を
示す図である。
【符号の説明】
1、41、71、121 褥創防止用パッド 2、42、72、122 当接部 2a、42a、72a 中空室 8、48、78、128 外周部 8a、8b、48a、48b、78a、78b 中空室 10a、10b、50a、50b、80a、80b 袋
状体 52 表示器 60、62 電極 112 体圧計 130、132 補助パッド部 C おむつカバー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】褥創防止用具であって、 中空室を有する袋状体に形成される当接部と、 この当接部の外周に設けられ、複数個のそれぞれ連通し
    ない中空室を有する袋状体からなる外周部とを有し、 前記当接部及び前記外周部の各中空室にはそれぞれ流動
    性充填体を充填したことを特徴とする褥創防止用パッ
    ド。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の褥創防止用パッドであっ
    て、 当接部の中空室内に、体圧のかかる方向に沿って対向状
    に設けられ、前記中空室の内表面が近接されることによ
    り接触されて導通状態になるように設けた電極と、 前記電極の接触による導通状態を表示する表示器、とを
    備えたことを特徴とする褥創防止用パッド。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の褥創防止用パッドであっ
    て、 前記当接部及び前記外周部の各中空室には、前記流動性
    充填体として空気を充填可能に設け、前記外周部の中空
    室には逆流防止弁を備えるとともに、前記当接部の中空
    室における圧力を検出することができる体圧計を備えた
    ことを特徴とする褥創防止用パッド。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の褥創防止用パッドであっ
    て、 前記外周部に取り付けられ、外周部への取り付け基部を
    中心として位置変換可能に設けられ、前記外周部の範囲
    内及び/又は前記外周部の周囲において位置される補助
    パッド部を有することを特徴とする褥創防止用パッド。
  5. 【請求項5】請求項1、請求項2、請求項3、請求項4
    のいずれかに記載の褥創防止用パッドを備えたことを特
    徴とする褥創防止用おむつカバー。
JP6299815A 1994-12-02 1994-12-02 褥創防止用パッド及び褥創防止用おむつカバー Expired - Fee Related JP2733027B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6299815A JP2733027B2 (ja) 1994-12-02 1994-12-02 褥創防止用パッド及び褥創防止用おむつカバー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6299815A JP2733027B2 (ja) 1994-12-02 1994-12-02 褥創防止用パッド及び褥創防止用おむつカバー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08154961A true JPH08154961A (ja) 1996-06-18
JP2733027B2 JP2733027B2 (ja) 1998-03-30

Family

ID=17877263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6299815A Expired - Fee Related JP2733027B2 (ja) 1994-12-02 1994-12-02 褥創防止用パッド及び褥創防止用おむつカバー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2733027B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998008473A1 (fr) * 1996-08-28 1998-03-05 Yoichi Inaba Couches de papier rembourrees et couvre-couches pour la prevention des escarres
ES2242466A1 (es) * 2002-09-18 2005-11-01 Manuel Carlos Vilaverde Arcos Pañal antiescaras.
JP2007531565A (ja) * 2004-03-02 2007-11-08 ペイシェント トランスファー システムズ インコーポレイテッド 傾斜のある上面を有する患者移送装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60103956A (ja) * 1983-11-11 1985-06-08 岡田 禮一 成人用おむつカバ−
JPS61203026U (ja) * 1985-06-12 1986-12-20
JP3094220U (ja) * 2002-11-22 2003-06-13 株式会社カナケン マイクロアンペアー治療器

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60103956A (ja) * 1983-11-11 1985-06-08 岡田 禮一 成人用おむつカバ−
JPS61203026U (ja) * 1985-06-12 1986-12-20
JP3094220U (ja) * 2002-11-22 2003-06-13 株式会社カナケン マイクロアンペアー治療器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998008473A1 (fr) * 1996-08-28 1998-03-05 Yoichi Inaba Couches de papier rembourrees et couvre-couches pour la prevention des escarres
ES2242466A1 (es) * 2002-09-18 2005-11-01 Manuel Carlos Vilaverde Arcos Pañal antiescaras.
JP2007531565A (ja) * 2004-03-02 2007-11-08 ペイシェント トランスファー システムズ インコーポレイテッド 傾斜のある上面を有する患者移送装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2733027B2 (ja) 1998-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2010238186B2 (en) System and method for preventing decubitus ulcers
US20150128354A1 (en) Methods, circuits, apparatuses and assemblies for providing a mattress or body portion support cushion with a sensor layer
US6789284B2 (en) Inflatable support
US4255824A (en) Cushion for decubitus ulcers
US5010608A (en) Support system for reducing formation of decubitus ulcers
EP3132781B1 (en) Support apparatus, system and method
US5487197A (en) Pneumatic wheelchair cushion
US5388292A (en) Fluid filled mattress with foam filled chambers
US3848282A (en) Light weight flotation mattress
US20060123552A1 (en) Automatic patient turner
AU2020203243B2 (en) Patient support surface control, end of life indication, and x-ray cassette sleeve
JP2017512074A (ja) 多層クッション・サポート
KR101326288B1 (ko) 고령자 케어용 엠보싱 공기셀 매트리스 부착형 초저상 전동침대 시스템
Rithalia et al. Assessment of alternating air mattresses using a time-based interface pressure threshold technique
JP2733027B2 (ja) 褥創防止用パッド及び褥創防止用おむつカバー
US20050060809A1 (en) Methods and devices for reducing stress concentration when supporting a body
KR20130076147A (ko) 욕창예방 매트리스용 공기압력 제어장치
JP2806992B2 (ja) 褥瘡潰瘍の形成を減ずる支持体系
US20080028532A1 (en) Mattress and method for reducing stress concentration when supporting a body
US20200037779A1 (en) Area support surface seating system
WO1997012531A1 (en) Pressure ulcer-relieving mattress
JP3002089B2 (ja) エアーベッド
KR102635464B1 (ko) 무게 측정이 가능한 에어 매트
CN213851618U (zh) 一种防压疮护理床垫
US20230225915A1 (en) Patient support apparatus cover

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees