JPH08154936A - 針状超音波探触子およびこれを用いる超音波画像診断装置 - Google Patents

針状超音波探触子およびこれを用いる超音波画像診断装置

Info

Publication number
JPH08154936A
JPH08154936A JP6298326A JP29832694A JPH08154936A JP H08154936 A JPH08154936 A JP H08154936A JP 6298326 A JP6298326 A JP 6298326A JP 29832694 A JP29832694 A JP 29832694A JP H08154936 A JPH08154936 A JP H08154936A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
needle
ultrasonic
inner needle
ultrasonic transducer
transmission medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6298326A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3483053B2 (ja
Inventor
Koichi Yokozawa
宏一 横澤
Shizuo Ishikawa
静夫 石川
Yukio Ito
由喜男 伊藤
Hidezo Sano
秀造 佐野
Hiroshi Kanda
浩 神田
Ryuichi Shinomura
隆一 篠村
Yutaka Masuzawa
裕 鱒沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Medical Corp filed Critical Hitachi Medical Corp
Priority to JP29832694A priority Critical patent/JP3483053B2/ja
Publication of JPH08154936A publication Critical patent/JPH08154936A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3483053B2 publication Critical patent/JP3483053B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検体内深層部の組織性状診断および高分解
能撮像に好適な針状超音波探触子を提供すること。 【構成】 先端が穿刺針状をなす中空の外針の内部に剛
性体である内針を有し、内針の側面に少なくとも1個の
超音波変換器を設けた針状超音波探触子であって、超音
波の送受波時には、前記内針の少なくとも超音波変換器
を設けた部分を、前記外針の先端から露出させ、前記内
針を前記外針に対して移動させて、前記超音波変換器を
走査することを特徴とする針状超音波探触子、および、
これを用いる超音波画像診断装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波診断装置用の探触
子に関し、特に被検体内深層部の組織性状診断および高
分解能撮像に好適な針状超音波探触子およびこれを用い
る超音波画像診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】臓器に発生した病変を診断する方法とし
ては、生体検査(バイオプシ)が知られている。これは、
超音波撮像装置で体腔内の臓器を描出しながら、穿刺針
を病変部まで刺入し、針の内部に病変部の生体組織を導
入して採取し、これを鑑別して病名の診断を行うもので
ある。しかし、この方法では、生体組織を体外に摘出し
た後、検査するため、直ちに診断することができず、ま
た、組織が生体内の状態から変化するという問題があっ
た。そのため、穿刺針に超音波変換器を取り付けて直接
病変部に刺入し、病変部の組織性状を測定したり、周囲
の生体組織を画像化する針状超音波探触子が提案されて
きた。これまでに提案されているこのような針状超音波
探触子は、例えば、特公平4-78299号公報に開示されて
いる如く、針に凹部を設けてその壁面に超音波変換器を
設けたもの、特公平5-125号公報に開示されている如
く、穿刺針の内針と超音波変換器を交換可能としたも
の、あるいは、特開昭60-90542号公報に開示されている
如く、外針の一部に開口部を設けて、内針側面に実装し
た超音波変換器が露出するようにしたものなどであっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】針状超音波探触子は、
病変の微細な構造を検査するために細胞レベルで生体組
織を描画する。このためには、少なくとも数10μm程
度の 高い分解能が必要である。高分解能を得るために
は 超音波変換器の送受波の中心周波数が50MHz以上
の高周波であることが望ましいが、周波数が高いほど超
音波の生体による減衰が大きくなる。周波数50MHz
以上では 超音波の深達長は1mm以下である。そこで、
針状超音波探触子では、超音波変換器と生体組織の間隔
はできるだけ小さくとる必要がある。一方、直径1mm以
下の針に超音波変換器を多数搭載することは実装上困難
であり、画像化するためには超音波変換器を走査するこ
とが不可欠である。なお、この際、超音波変換器と生体
組織が直接接触していると、走査の際に生体組織を破壊
してしまい、正確な診断ができなくなる。従って、超音
波変換器と生体組織の間隔を、例えば、300μmから
1mmの間に制御することが必要である。このように、針
状超音波探触子では、これまでの探触子とは異なる技術
課題がある。以下でこれを整理する。
【0004】第1は、超音波変換器に 高い位置精度が
必要になることである。数10μm以上の画像分解能を
要求すれば、超音波変換器には、それ以上の位置精度が
必要である。このためには、超音波変換器の走査の際の
ブレや、走査速度のムラを防止する必要がある。第2
は、超音波の送受波時に、超音波変換器と生体組織の間
隔を、例えば、300μmから1mmの間に 保つ必要があ
ることである。このとき、超音波変換器と生体組織の間
に超音波伝達媒体を供給し、直接接触しないようにしな
ければならない。第3は、超音波変換器を連続に回転走
査した場合、超音波の送受波用の信号線や超音波伝達媒
体を供給するパイプの接続の問題である。接続部分を工
夫することにより、これらが回転に伴って針に巻きつく
のを防止することはできる。しかし、直径1mm以下の針
の内部に複雑な接続部分を設けることは困難な場合も考
えられる。本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、従来の技術における上述の如
き問題を解消し、被検体内深層部の組織性状診断および
高分解能撮像に好適な針状超音波探触子およびこれを用
いる超音波画像診断装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、先
端が穿刺針状をなす中空の外針の内部に、剛性体である
内針を有し、内針の側面に少なくとも1個の超音波変換
器を設けた針状超音波探触子であって、超音波の送受波
時には、前記内針の少なくとも超音波変換器を設けた部
分を、前記外針の先端から露出させ、前記内針を前記外
針に対して移動させて、前記超音波変換器を走査するこ
とを特徴とする針状超音波探触子、または、前記内針の
内部に超音波伝達媒体を給排する管を有することを特徴
とする針状超音波探触子、および、上記針状超音波探触
子を用い、上記超音波変換器により得た信号から、周囲
の生体組織を画像化する超音波画像診断装置であって、
上記内針に搭載された超音波変換器が、針の軸に対して
往復する回転走査をしつつ超音波を送受波する際に、そ
の往路において得られる信号と復路において得られる信
号とを、各々異なった記憶装置に記憶することを特徴と
する超音波画像診断装置によって達成される。
【0006】具体的には、前述の第1の課題を解決する
ためには、先端が穿刺針状をなす中空の外針の内部に、
剛性体である内針を設け、その内針の側面に超音波変換
器を実装する。ここで、外針の内径と内針の外径の間隔
は、例えば 50μm以下とする。外針の一部に開口部を
設けて超音波変換器を露出させれば、前述の特開昭60-9
0542号公報に開示されている技術と類似の構成になる。
ここでは、体内に刺入する際には、内針を外針内に収納
しておき、超音波の送受波時に内針を外針の先端から出
して(または、逆に外針を抜いて)超音波変換器を露出す
るものとする。更に、ブレを防ぐためには、外針と内針
の間に同様の間隔で剛性体の中間筒を入れることも有効
である。必要に応じて、外針,中間筒,内針各々の間
に、直径50μm以下の テフロン球などの小球をはさ
み、摩擦抵抗をへらすこととする。超音波変換器を走査
するためには、この内針を駆動する必要があるが、その
ためには、外針の鋭利な端部と反対の端部に直接駆動装
置を設け、金属ワイヤなどを介さずに剛性体である内針
を駆動する。
【0007】また、前述の第2の課題を解決するために
は、上述の内針の内部に超音波伝達媒体を給排する管を
設けて、超音波変換器と生体組織の間に伝達媒体を供給
する如き構成が有効である。伝達媒体としては、生理食
塩水など生体に無害なものを用いることはもちろんであ
る。伝達媒体を給排する給排器は、簡単には注射器の本
体またはこれと類似の注入器でもよいが、圧力検出手段
と圧力調整手段を設けたものであればよりよい。伝達媒
体が生体組織中に浸透して静水圧が安定しない場合や、
伝達媒体を生体組織に接触させたくない場合は超音波変
換器を被う水袋を設け、ここに伝達媒体を満たす。水袋
はラテックスゴムなど伸縮性に富んだものを用いる。更
に、前述の第3の課題を解決するためには、超音波変換
器を走査する際、駆動装置と内針の間に適切なギアを設
けるか、または駆動装置に制御信号を与えることによ
り、針の軸に対する内針の回転動作を往復運動とする。
また、必要に応じて、往路で得られる信号と復路で得ら
れる信号は各々異なる記憶装置に記憶させる。本発明に
係る針状超音波探触子およびこれを用いる超音波画像診
断装置は、これらの工夫が総合されたものということが
できる。
【0008】
【作用】本発明に係る針状超音波探触子においては、中
空の外針の内部に、間隔50μm以下で剛性体の内針が
あるため、内針はブレることなく 回転,並進動作可能
である。ここで、体内に刺入する際には内針を外針内に
収納しておき、超音波の送受波時には内針を外針の先端
から出して、超音波変換器を露出する構造にすることに
より、超音波変換器は全周の回転動作が可能となり、従
来より広い範囲を走査できる。また、外針と内針の間に
同様の間隔で入れた剛性体の中間筒は、その先端が穿刺
針状である必要がないため、より安定して内針を保持で
きる。各針や中間筒の間に挿入した小球により、これら
の間の摩擦抵抗が低減し、滑らかに動作する。この内針
を駆動する際、金属ワイヤなどを用いて動力を伝達する
と、特に回転方向に速度のムラを生ずるが、針端部に搭
載した駆動装置により、直接、剛性体である内針を駆動
することにより、回転の速度ムラを防止できる。これら
により、第1の課題である、超音波変換器の走査の際の
位置精度の向上が達成できる。
【0009】内針内の伝達媒体給排管を通じて超音波変
換器と生体組織の間に伝達媒体を供給すれば、超音波変
換器と生体組織の接触を防止できる。ここで、超音波変
換器と生体組織間との間隔は伝達媒体の静水圧に依存す
るため、この静水圧を制御できるほうがよりよい。伝達
媒体給排器に圧力検出手段と圧力調整手段を設けること
により、この静水圧の制御が可能となる。超音波変換器
を覆う水袋は、伝達媒体が生体組織中に浸透して静水圧
が安定しない場合や、伝達媒体を生体組織に接触させた
くない場合に、上述の効果を得るのに有効である。水袋
が伸縮性を持つため、針状超音波探触子の刺入時は縮ん
だ状態にしておき、測定前に伝達媒体を注入して膨らま
せることができ、針状超音波探触子の刺入の妨げにはな
らない。これらにより、上記第2の課題である、超音波
変換器と生体組織間の距離の制御並びに直接接触の防止
が達成できる。
【0010】超音波変換器の走査方法としては、例え
ば、針の軸に対して並進と回転動作を同時に行い、走査
線が軸周囲に螺旋を描くようにする方法がある。更に、
内針の針の軸に対する回転動作を往復運動とすれば、超
音波の送受波用の信号線や超音波伝達媒体を供給するパ
イプと内針間の接合部に格別な工夫を加えることなく、
これらの信号線やパイプが針に巻きつくのを防止でき
る。このとき、往路の走査線と復路の走査線は平行にな
らないため、その信号は各々異なる記憶装置に記憶さ
せ、別々に画像化する。必要に応じて、画像上で加算平
均をとることも有効である。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。なお、以下の実施例中に示した数値や素材
は一例として示したものであり、必ずしもこの通りであ
る必要はない。また、説明を容易にするため、図の寸法
と説明文の寸法は必ずしも一致していない。図1は、本
発明の一実施例に係る針状超音波探触子の全体構成を示
す説明図である。本実施例に係る針状超音波探触子は、
先端が穿刺針状をなす中空の外針1の内部に同じく中空
の保持用中間筒2を設け、更に、内部に超音波変換器1
0を搭載した内針3を設けた構造を有する。外針,中間
筒,内針は、いずれもステンレスなどの剛性体である。
外針は 外径1mm、内径0.8mm、外針と中間筒の間隔は
50μmである。中間筒は 外径0.7mm、内径0.5mm、
中間筒と内針の間隔は50μmである。内針の外径は0.
4mmである。価格を低減するなどの目的で構造を簡素に
する場合は、中間筒はなくてもよいが、その場合、内針
の外径を0.7mm程度とすることが望ましい。
【0012】内針の内部には、超音波変換器の送受波信
号を伝達する信号線30と、超音波伝達媒体を給排する
管4とが通っている。外針の鋭利な先端と逆の端部に
は、駆動装置31と駆動制御器32とが設けられ、金属
ワイヤ等を介さずに、直接、内針3を回転,並進駆動す
る。ここで、駆動制御器32は、内部にギアを有し、駆
動速度の調整や回転方向の転換等を行う。図1では、カ
バーを切り開いて内部の駆動装置31と駆動制御器32
を示している。伝達媒体給排装置41,圧力検出器4
3,圧力調整器42により、任意の圧力で伝達媒体を供
給できる。また、50から55までは、超音波の送受波
や内針の駆動制御,信号処理ならびに画像表示を行う部
分であり、記憶装置が2個(52,53)設けられてい
る。
【0013】本実施例に係る針状超音波探触子(以下、
単に「探触子」という)を使用する際の手順を、以下で簡
単に述べる。中間筒2および内針3を外針1の内部に収
納した状態の詳細を、図2に示す。この図は、外針を切
開して内部を示した図である。この状態で、探触子を体
内の関心部位に刺入する。ここでは、外針先端の開口部
は、ポリエチレンなどの非伸縮性の膜22で覆われてお
り、膜と内針先端間の空隙23には超音波伝達媒体が満
たされている。これは、空隙23に空気や必要のない生
体組織が入り込むのを防ぐためである。また、外針と中
間筒,中間筒と内針間の摩擦抵抗を低減するため、各々
の間に ベアリングとして、直径50μm以内のシリコン
球5が 数十個入っている。
【0014】また、ここでは図示していないが、探触子
を体内に刺入する際には、体の表面から、より広範囲を
観察できる公知の超音波診断装置でモニターしつつ、探
触子を刺入する。探触子の先端が関心部位に達したとこ
ろで外針を少し引き、先端開口部を覆っていた非伸縮性
膜22を破って、中間筒と内針とを露出させ、中間筒の
位置を調整して、図1の状態を得る。この後、内針内の
管4を介して生体組織内に伝達媒体を供給する。更に、
外針を固定した状態で、内針を駆動装置31,32によ
って駆動し、これと連動して超音波を送受波し、公知の
超音波顕微鏡の原理により、超音波変換器周囲の表層組
織像(Cモード像)を得る。
【0015】ここで、超音波変換器の走査線が針の軸の
周囲に螺旋を描くように走査した場合の画像の概念図
を、図7に示す。図7の中で、横軸は軸方向の座標、縦
軸は軸周囲の回転座標であり、軸周囲の円筒を切り開い
た形になる。走査線の幅は30μm程度、間隔は5μm程
度であるが、図では説明を容易にするため走査線の幅や
間隔を粗く描いている。針の軸に対する変換器の回転動
作を往復運動にする場合は、運動方向の転換を駆動制御
器32内のギア、または、駆動制御回路50の電気制御
によって行う。この場合、その往路で得た信号と復路で
得た信号は各々異なる記憶装置52,53に記憶され、
別々に処理される。必要があれば画像化したのち加算平
均される。
【0016】個々の画像の概念図を、図8に示す。2つ
の画像を加算することにより、図7とほぼ同様の画像が
得られる。ここで、記憶装置52,53は、個別のハー
ドウエアである必要はなく、一つのハードウエアをソフ
トウエアにより分離して用いる方が簡便である。超音波
変換器と生体組織間の距離が長過ぎたり、超音波変換器
と生体組織が接触したりする場合には、圧力検出器43
と圧力調整器42により、伝達媒体の圧力を調整する。
検査終了後は、必要に応じて伝達媒体を給排装置に回収
する。図7,図8では説明を容易にするため、走査途上
の図を示した。また、図8でも、走査線は実際の画像よ
りも粗く描いている。
【0017】図3は、本実施例の探触子の 内針の断面
(図1のAA')の一例を示したものである。内針の本体
3に超音波変換器が搭載されているが、それはサファイ
アの音響レンズ材11上に音響レンズ13を設け、レン
ズと反対面に電極14,圧電体12,対向電極15が積
層された構造である。内針の本体3には、これらの電極
と相対する位置に電極14',15'があり、信号線30
に接続されている。繁雑になるのを避けるため図示はし
ていないが、本体側電極14'または15'と本体11の
間には緩衝材があり、電気的な接触を確実ならしめてい
る。また、これは、電極14と14'、15と15'間に
インジウムなど圧力によって容易に変形する金属をはさ
む構造であってもよい。
【0018】16は電極(14および14')と対向電極
(15および15')間を絶縁するための空隙である。4
は超音波伝達媒体を給排するための管である。図1から
図3に示した例では、超音波変換器が内針に1個搭載さ
れた例を示したが、実装上可能であれば、複数個搭載す
るほうが望ましいのは言うまでもない。図4から図6に
示した実施例は、伝達媒体が生体組織中に浸透して静水
圧が安定しない場合や、伝達媒体を生体組織に接触させ
たくない場合に設ける超音波変換器を覆う伸縮性に富ん
だ水袋の構造を示した例である。図4に示した例では、
中間筒のない場合に水袋が外針の開口部を覆う形で設け
られている。この場合には、図2に示した非伸縮性の膜
22は不要である。
【0019】生体内に刺入する際は、内針2は外針1内
部に収納されており、水袋20は外針の開口部を塞ぐ形
で縮んでいるため、全く穿刺針の形状をしている。外針
の開口部と内針先端間の空隙が超音波伝達媒体で満たさ
れていることは、図2に示した例と同じである。内部針
先端が関心部位60に達したところで外針を数mm引き抜
くとともに、超音波伝達媒体を管4を通して供給し、そ
の圧力で水袋を膨らませる。これにより、図4の形状が
得られる。水袋内部で超音波変換器10を走査しつつ、
伝達媒体21,水袋20を介して超音波を送受波し、生
体組織60を観察する。この方法は構造が簡素である
が、超音波変換器の視野の一部が外針の先端によって遮
られるので、使用に際しては、この点に配慮する必要が
ある。
【0020】その点を改良したのが、図5に示す如き構
造である。この構造では、図1に示した構造において中
間筒2の先端開口部を水袋20が覆っている。図1の説
明と同様の動作を行うことにより、伝達媒体の水圧によ
り水袋20が膨らんで、図5に示す形状となる。そこ
で、図4についての説明と同様に、水袋内部の超音波変
換器10を走査しつつ、伝達媒体21,水袋20を介し
て生体組織60に対して超音波を送受波できる。図6
は、水袋20を、特開昭60-90542号公報に開示された針
状超音波探触子に設置した実施例である。外針の側面に
開口部があり、その開口部を伸縮性の膜が覆っている。
内針内の伝達媒体給排管4は、図のように屈曲して超音
波変換器の近傍に開口している。
【0021】針状超音波探触子の刺入時には、水袋20
は針の直径外には広がらず、刺入の障害にはならない。
刺入後、超音波伝達媒体を管4を通して供給し、その圧
力で水袋を膨らませ、図6の形状を得る。この方法で
は、超音波変換器の走査範囲が狭いが、外針の位置を調
整して超音波変換器を露出させるなどの操作が不要であ
る。図5,図6に示した実施例でも、穿刺前には外針の
開口部と内針先端間の空隙が超音波伝達媒体で満たされ
ていることは、図4と同じである。なお、上記各実施例
はいずれも本発明の一例を示したものであり、本発明は
これらに限定されるべきものではないことは言うまでも
ないことである。例えば、数値や素材は、必ずしもこの
通りである必要はない。
【0022】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明によ
れば、被検体内深層部の組織性状診断および高分解能撮
像に好適な針状超音波探触子およびこれを用いる超音波
画像診断装置を実現できるという顕著な効果を奏するも
のである。より具体的には、針状超音波探触子におい
て、超音波変換器の位置精度が向上でき、また、超音波
変換器と生体組織の間隔を 300μmから1mm程度の適
切な間隔に保つことができ、更に、超音波変換器の回転
走査によって、超音波の送受波用の信号線や超音波伝達
媒体を供給するパイプが針に巻きつくのを回避すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る針状超音波探触子の全
体構成を示す説明図である。
【図2】図1に示した実施例における、刺入前の状態を
説明する図である。
【図3】図2に示した実施例の部分の断面図である。
【図4】本発明の一実施例に係る水袋の構成例を示す図
(その1)である。
【図5】本発明の一実施例に係る水袋の構成例を示す図
(その2)である。
【図6】本発明の一実施例に係る水袋の構成例を示す図
(その3)である。
【図7】本発明によって得られる画像の概念図(その1)
である。
【図8】本発明によって得られる画像の概念図(その2)
である。
【符号の説明】
1 外針 2 保持用中間筒 3 内針 4 超音波伝達媒体給排管 5 シリコン球 10 超音波変換器 11 音響レンズ材 12 圧電体 13 音響レンズ 14,14’ 電極 15,15’ 対向電極 16 絶縁用空隙 20 伸縮性水袋 21 超音波伝達媒体 22 非伸縮性膜 23 外針・内針先端間の空隙 31 駆動装置 32 駆動制御器 40 給排管の開口部 41 超音波伝達媒体給排器 42 圧力調整器 43 圧力検出器 50 駆動制御装置 51 送受波装置 52,53 記憶装置 54 信号処理装置 55 表示装置 60 生体組織
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 秀造 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 (72)発明者 神田 浩 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 (72)発明者 篠村 隆一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鱒沢 裕 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端が穿刺針状をなす中空の外針の内部
    に、剛性体である内針を有し、内針の側面に少なくとも
    1個の超音波変換器を設けた針状超音波探触子であっ
    て、超音波の送受波時には、前記内針の少なくとも超音
    波変換器を設けた部分を、前記外針の先端から露出さ
    せ、前記内針を前記外針に対して移動させて、前記超音
    波変換器を走査することを特徴とする針状超音波探触
    子。
  2. 【請求項2】 先端が穿刺針状をなす中空の外針の内部
    に、剛性体である内針を有し、内針の側面に少なくとも
    1個の超音波変換器を設けた針状超音波探触子であっ
    て、前記内針の内部に超音波伝達媒体を給排する管を有
    することを特徴とする請求項1記載の針状超音波探触
    子。
  3. 【請求項3】 前記外針と内針の間に剛性体の中間筒を
    少なくとも1層設けたことを特徴とする請求項1または
    2記載の針状超音波探触子。
  4. 【請求項4】 前記外針の先端の開口部が膜で覆われて
    いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
    の針状超音波探触子。
  5. 【請求項5】 前記外針の先端開口部を覆う膜が伸縮性
    を有することを特徴とする請求項4記載の針状超音波探
    触子。
  6. 【請求項6】 前記の中間筒の先端の開口部が伸縮性の
    ある膜で覆われていることを特徴とする請求項3記載の
    針状超音波探触子。
  7. 【請求項7】 先端が穿刺針状をなす中空の外針の内部
    に、剛性体である内針を有し、内針の側面に少なくとも
    1個の超音波変換器を設け、該内針を該外針に対して動
    かすことにより前記超音波変換器を走査する針状超音波
    探触子であって、前記超音波変換器の走査範囲を囲む外
    針の一部に開口部を設け、該開口部が伸縮性のある膜で
    覆われていることを特徴とする針状超音波探触子。
  8. 【請求項8】 前記内針の内部に超音波伝達媒体を給排
    する管を有し、この管の一端が前記外針開口部の、前記
    膜の内側に対して開口することを特徴とする請求項7記
    載の針状超音波探触子。
  9. 【請求項9】 前記の内針と外針の間に、これらの間隔
    よりも直径の小さい球状体を複数個挿入したことを特徴
    とする請求項1または7記載の針状超音波探触子。
  10. 【請求項10】 前記の外針と中間筒の間、前記の中間
    筒と外針の間、または、前記の中間筒同志の間に、その
    各々の間の間隔よりも直径の小さい球状体を複数個挿入
    したことを特徴とする請求項3記載の針状超音波探触
    子。
  11. 【請求項11】 前記の内針内の超音波伝達媒体の給排
    管に接続された超音波伝達媒体の給排装置を有し、該給
    排装置に超音波伝達媒体の圧力を検出する検出手段,超
    音波伝達媒体の圧力を調整する手段または前記検出手段
    と調整手段の双方を設けたことを特徴とする請求項2ま
    たは8記載の針状超音波探触子。
  12. 【請求項12】 穿刺針状をなす側と反対側の端部に、
    前記内針を該内針の軸に対して並進または回転させる駆
    動装置を設け、該駆動装置と内針とが直接接続されてい
    ることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載
    の針状超音波探触子。
  13. 【請求項13】 前記内針を、該内針の軸に対して並進
    すると同時に回転動作させ、前記超音波変換器の走査線
    が針の軸の周囲に螺旋を描くことを特徴とする請求項1
    から12のいずれかに記載の針状超音波探触子。
  14. 【請求項14】 前記内針を、該内針の軸に対して回転
    動作させて前記超音波変換器を走査させる際に、回転方
    向を転換しつつ往復運動することを特徴とする請求項1
    から12のいずれかに記載の針状超音波探触子。
  15. 【請求項15】 請求項13または14に記載の針状超
    音波探触子を用い、前記超音波変換器により得た信号か
    ら、周囲の生体組織を画像化する超音波画像診断装置で
    あって、前記内針に搭載された超音波変換器が、針の軸
    に対して往復する回転走査をしつつ超音波を送受波する
    際に、その往路において得られる信号と復路において得
    られる信号とを、各々異なった記憶装置に記憶すること
    を特徴とする超音波画像診断装置。
JP29832694A 1994-12-01 1994-12-01 針状超音波探触子およびこれを用いる超音波画像診断装置 Expired - Fee Related JP3483053B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29832694A JP3483053B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 針状超音波探触子およびこれを用いる超音波画像診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29832694A JP3483053B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 針状超音波探触子およびこれを用いる超音波画像診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08154936A true JPH08154936A (ja) 1996-06-18
JP3483053B2 JP3483053B2 (ja) 2004-01-06

Family

ID=17858216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29832694A Expired - Fee Related JP3483053B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 針状超音波探触子およびこれを用いる超音波画像診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3483053B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004113391A (ja) * 2002-09-25 2004-04-15 Olympus Corp 超音波診断装置
JP2005278762A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Fujinon Corp 穿刺型内視鏡用プローブ
WO2006028249A1 (ja) * 2004-09-10 2006-03-16 Microsonic Co., Ltd. 超音波プローブ、超音波診断装置、及び超音波診断方法
CN106859740A (zh) * 2017-02-16 2017-06-20 黄慧瑛 超声引导穿刺针及超声引导穿刺系统

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014081050A1 (ko) * 2012-11-21 2014-05-30 알피니언메디칼시스템 주식회사 초음파 의료기기에 사용되는 멤브레인 가드, 가이드링, 그를 포함하는 트리트먼트 헤드

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5975047A (ja) * 1982-10-25 1984-04-27 アロカ株式会社 超音波診断装置
JPS6090542A (ja) * 1983-10-24 1985-05-21 株式会社日立製作所 超音波診断装置
JPS6274811U (ja) * 1985-10-30 1987-05-13
JPH02107239A (ja) * 1988-10-17 1990-04-19 Aloka Co Ltd 穿刺針式超音波診断装置
JPH02206441A (ja) * 1989-02-03 1990-08-16 Aloka Co Ltd 超音波診断装置
JPH02206447A (ja) * 1989-02-03 1990-08-16 Aloka Co Ltd 超音波伝搬速度計測装置
JPH0345249A (ja) * 1989-07-12 1991-02-26 Aloka Co Ltd 超音波診断装置
JPH05285141A (ja) * 1992-04-06 1993-11-02 Olympus Optical Co Ltd 超音波プローブ用バルーンシース
JPH0630938A (ja) * 1992-07-17 1994-02-08 Olympus Optical Co Ltd 超音波プローブ
JPH08117232A (ja) * 1994-10-24 1996-05-14 Olympus Optical Co Ltd 穿刺具
JPH08228996A (ja) * 1995-02-24 1996-09-10 Fuji Photo Optical Co Ltd 可撓膜装着装置

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5975047A (ja) * 1982-10-25 1984-04-27 アロカ株式会社 超音波診断装置
JPS6090542A (ja) * 1983-10-24 1985-05-21 株式会社日立製作所 超音波診断装置
JPS6274811U (ja) * 1985-10-30 1987-05-13
JPH02107239A (ja) * 1988-10-17 1990-04-19 Aloka Co Ltd 穿刺針式超音波診断装置
JPH02206441A (ja) * 1989-02-03 1990-08-16 Aloka Co Ltd 超音波診断装置
JPH02206447A (ja) * 1989-02-03 1990-08-16 Aloka Co Ltd 超音波伝搬速度計測装置
JPH0345249A (ja) * 1989-07-12 1991-02-26 Aloka Co Ltd 超音波診断装置
JPH05285141A (ja) * 1992-04-06 1993-11-02 Olympus Optical Co Ltd 超音波プローブ用バルーンシース
JPH0630938A (ja) * 1992-07-17 1994-02-08 Olympus Optical Co Ltd 超音波プローブ
JPH08117232A (ja) * 1994-10-24 1996-05-14 Olympus Optical Co Ltd 穿刺具
JPH08228996A (ja) * 1995-02-24 1996-09-10 Fuji Photo Optical Co Ltd 可撓膜装着装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004113391A (ja) * 2002-09-25 2004-04-15 Olympus Corp 超音波診断装置
JP2005278762A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Fujinon Corp 穿刺型内視鏡用プローブ
WO2006028249A1 (ja) * 2004-09-10 2006-03-16 Microsonic Co., Ltd. 超音波プローブ、超音波診断装置、及び超音波診断方法
EP1800605A1 (en) * 2004-09-10 2007-06-27 Microsonic Co., Ltd. Ultrasonic probe, ultrasonograph, and ultrasonography
EP1800605A4 (en) * 2004-09-10 2009-10-14 Microsonic Co Ltd ULTRASONIC PROBE, ECHOGRAPHER AND ULTRASONOGRAPHY
US8021305B2 (en) 2004-09-10 2011-09-20 Microsonic Co., Ltd. Ultrasound probe, ultrasonograph, and ultrasonography
JP4815621B2 (ja) * 2004-09-10 2011-11-16 マイクロソニック株式会社 超音波プローブ及び超音波診断装置
CN106859740A (zh) * 2017-02-16 2017-06-20 黄慧瑛 超声引导穿刺针及超声引导穿刺系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP3483053B2 (ja) 2004-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3654309B2 (ja) 針状超音波探触子
JPH0525604Y2 (ja)
US5829439A (en) Needle-like ultrasonic probe for ultrasonic diagnosis apparatus, method of producing same, and ultrasonic diagnosis apparatus using same
JP4815621B2 (ja) 超音波プローブ及び超音波診断装置
US6685644B2 (en) Ultrasound diagnostic apparatus
CN107736900A (zh) 一种双换能器血管内超声成像装置
JP3409655B2 (ja) 経内視鏡的に挿入される超音波診断装置
JPS624131B2 (ja)
CN115251993A (zh) 微型多频阵列式超声换能器、多频超声三维成像探头及其成像方法
JP3483053B2 (ja) 針状超音波探触子およびこれを用いる超音波画像診断装置
EP1698281A1 (en) Ultrasonic probe
US20070232921A1 (en) Transducer assembly having a wide field of view
JP4074169B2 (ja) 超音波送受信ユニット
JPS624130B2 (ja)
JP2706145B2 (ja) 体腔内診断用超音波探触子
JP3462904B2 (ja) 針状超音波探触子
JPH059097B2 (ja)
JP3676453B2 (ja) 針状超音波探触子
CN105167807A (zh) 一种人体体内的超声检测方法、诊断仪及换能器
JP3929524B2 (ja) 針状超音波探触子及びそれを用いた超音波診断装置
JP2664631B2 (ja) 超音波探触子
JP2001198125A (ja) 画像診断装置
CN215738807U (zh) 实现超声和相干光断层的内窥镜同位成像探头及其系统
CN217219063U (zh) 腔内探头及超声设备
JP3239597B2 (ja) 超音波診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091017

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101017

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees