JP3239597B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置

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JP3239597B2
JP3239597B2 JP5253794A JP5253794A JP3239597B2 JP 3239597 B2 JP3239597 B2 JP 3239597B2 JP 5253794 A JP5253794 A JP 5253794A JP 5253794 A JP5253794 A JP 5253794A JP 3239597 B2 JP3239597 B2 JP 3239597B2
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啓友 糸井
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富士写真光機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、患者の体内に挿入され
る挿入部の先端に超音波トランスデューサを設けた超音
波診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超音波診断装置のうち、患者の体内に挿
入される挿入部を備えた、体内挿入型のものは、従来か
ら知られている。この体内挿入型の超音波診断装置は、
本体操作部に可撓部材からなる挿入部を連設して、この
挿入部の先端部分に超音波トランスデューサを装着する
構成としたもので、この超音波トランスデューサを体内
壁に対面させて、超音波パルスを送信して、体内組織の
断層部から反射するエコーを受信し、この受信信号を処
理することにより、超音波画像という形態で体内組織の
状態に関する情報を取得するようにしたものである。そ
して、この超音波トランスデューサを直線方向(リニア
走査)あるいは回転方向(ラジアル乃至コンベックス走
査)に移動させながら、所定の距離乃至角度間隔毎に超
音波パルスを送信して、反射エコーを受信することによ
って、所謂Bモード走査が行われて、体内における所定
の範囲の超音波画像が得られる。
【0003】一般に、音源として、超音波トランスデュ
ーサの送受信面から送信された超音波ビームは、体内組
織の中を進行する間に発散することから、超音波ビーム
の指向性を改善し、方位分解能を向上させるために、超
音波ビームをフォーカスさせる必要がある。このフォー
カス機能を持たせるために、超音波トランスデューサの
送受信面側に音響レンズを貼り付けるようにして設ける
構成としたものは従来から用いられている。ここで、音
響レンズは、その材質と体内との音響インピーダンスの
差を利用して、超音波ビームを絞るようにしたものであ
り、音速が生体より速い材質のものを用いる場合には、
音響レンズを凹曲面形状となし、また音速が生体より遅
い材質を使う場合には、凸曲面形状とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、体内組織に
関する情報を取得するに当って、体内壁に近い位置をよ
り精査する必要がある場合と、深部における精密な情報
を取得する必要がある場合とがある。前者の場合には、
音響レンズにより超音波ビームが最も絞られるフォーカ
ス位置が近い位置、即ち音響レンズの焦点距離が短い方
が検査・診断を行うべき部位の分解能が高くなり、また
後者の場合には、これとは反対に焦点距離が長い方が分
解能が良い。このように、診断すべき部位によっては、
焦点距離を変えることができる方が好ましい。しかしな
がら、前述した従来技術のものにあっては、音響レンズ
は超音波トランスデューサにおける送受信面側に固着し
て設けられていることから、この音響レンズのフォーカ
ス位置を変えることはできなかった。
【0005】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、音響レンズによる超
音波ビームのフォーカス位置を制御できるようにするこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、挿入部の先端にキャップを設けて、
このキャップ内に回転方向に走査する超音波トランスデ
ューサを設けると共に超音波伝達媒体を封入し、この超
音波トランスデューサからキャップを介して超音波信号
を送受信するものであって、前記キャップの内面のう
ち、前記回転方向に走査する間に超音波トランスデュー
サにより超音波パルスが送信され、かつ反射エコーが受
信される位置と対応する部位に可撓膜を設け、この可撓
膜と前記キャップ内面との間に閉鎖したチャンバを形成
し、このチャンバ内に前記キャップ内に封入した超音波
伝達媒体とは異なる音響インピーダンスを持った他の超
音波伝達媒体を充填することにより、前記可撓膜が曲面
形状となった音響レンズ部を形成する構成としたことを
その特徴とするものである。
【0007】
【作用】体内に挿入される挿入部に超音波トランスデュ
ーサを装着する際において、この超音波トランスデュー
サを回転させて、ラジアル走査を行う場合には、体内壁
の巻き込みを防止するために、またこのラジアル走査
や、これ以外の走査方式、例えばリニア走査を行う場合
であっても、超音波トランスデューサを保護し、体液等
が付着して汚損したり、また洗浄及び消毒を行う際に、
消毒液が付着したりしないようにするために、挿入部の
先端にキャップを設け、このキャップ内に超音波トラン
スデューサを収容させるようにしている。そして、キャ
ップ内には、超音波信号の減衰を極力抑制するために、
音響伝達特性の良好な媒体、即ち超音波伝達媒体が封入
されている。
【0008】そこで、このキャップの内面側に、このキ
ャップ内に封入されている超音波伝達媒体とは音響イン
ピーダンスの異なる超音波伝達媒体を充填することによ
り、曲面形状となった音響レンズ部を形成している。こ
れによって、両超音波伝達媒体の間において音響レンズ
としての機能を発揮させることができる。キャップ内の
超音波伝達媒体の方がインピーダンスが低い場合には、
音響レンズ部をキャップ内に向けて膨出させて、音響レ
ンズ部を凸曲面状となし、また音響レンズ部の方が高イ
ンピーダンスである場合には、音響レンズ部は凹曲面状
に形成すれば良い。
【0009】以上のように、超音波伝達媒体を充填して
なる音響レンズ部を形成することによって、この音響レ
ンズ部に供給される超音波伝達媒体の量によりレンズの
曲率を変化させて、超音波ビームがフォーカスされる位
置を変えることができる。また、組成の異なる超音波伝
達媒体を音響レンズ部に充填することによっても、同
様、音響レンズ特性を変化させることができる。従っ
て、検査すべき部位等に応じて、超音波伝達媒体の量ま
たは種類を変えれば、最も情報が必要な部位に超音波ビ
ームをフォーカスさせることができる。
【0010】音響レンズ部に対する超音波伝達媒体の供
給量を挿入部に連設されている本体操作部側で遠隔操作
により制御を行えるように構成すれば、体内に挿入した
状態で、超音波ビームのフォーカス位置を適宜調整でき
るようになる。従って、体内における浅部を精査する場
合には、フォーカス位置を超音波トランスデューサに近
接した位置になるように設定することによって、この部
位の分解能を向上させ、また深部の精査を行う場合に
は、超音波トランスデューサから遠い位置でフォーカス
されるように設定する。これによって、必要な部位の分
解能を容易に向上させることができるようになり、より
高精度な診断が可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例につい
て説明する。まず、図1に超音波診断装置の全体構成を
示す。図中において、1は超音波プローブ、2は超音波
観測装置である。超音波プローブ1は、体内に挿入され
る軟性部材からなる挿入部10と、この挿入部10の基
端部が連設された本体操作部11及び超音波観測装置2
に接続されるコード12を備えている。一方、超音波観
測装置2は、超音波の送受信制御を行うと共に、受信信
号を処理して超音波画像信号を生成するための信号処理
部20と、この信号処理部20からの信号に基づいて超
音波画像が表示されるモニタ21とを備える構成となっ
ている。
【0012】図2に挿入部10の先端部分の断面を示
す。この図から明らかなように、軟性部材からなる挿入
部10の先端部には、音響特性に優れた部材からなるキ
ャップ13が取り付けられており、このキャップ13内
には超音波トランスデューサ14が収容されている。超
音波トランスデューサ14はラジアル走査を行えるよう
にしたものであり、このために超音波トランスデューサ
14にはコントロールケーブル15の先端が連結されて
いる。コントロールケーブル15は、金属線材を密着コ
イル状に巻回することにより形成したフレキシブルシャ
フト15aと、このフレキシブルシャフト15aを被装
する可撓チューブ15bとから構成される。可撓チュー
ブ15bの両端は固定的に保持されており、フレキシブ
ルシャフト15aは、その先端が超音波トランスデュー
14に連結され、基端部は本体操作部11内に延在さ
れて、この本体操作部11に内蔵したモータにより回
駆動することによって、その先端に連結した超音波トラ
ンスデューサ14を回転させるようになっている。な
お、超音波トランスデューサ14に接続される信号ケー
ブルはフレキシブルシャフト15a内に挿通されてい
る。
【0013】コントロールケーブル15を構成するフレ
キシブルシャフト15aにより遠隔操作で、超音波トラ
ンスデューサ14が回転駆動され、この間に所定の角度
毎に超音波パルスを送信して、体内からの反射エコーが
受信されるが、この超音波の送受信信号の減衰を極力抑
制するために、キャップ13の内部は密閉構造となって
おり、超音波伝達媒体が封入されている。
【0014】ここで、超音波トランスデューサ14から
送信される超音波ビームを絞ることによりその指向性を
高め、もって方向分解能を向上させるようにしなければ
ならない。このために、キャップ13の内面に音響レン
ズ部16が形成されている。この音響レンズ部16は、
キャップ13の周胴部における超音波トランスデューサ
14から超音波パルスが送信され、かつ体内からの反射
エコーが受信される部位の内面に円環状の凹部17を形
成し、この凹部17を閉鎖するように可撓膜18を装着
している。このように、可撓膜18で閉鎖された凹部1
7により形成されるチャンバ16a内にキャップ13内
の超音波伝達媒体とは異なる他の超音波伝達媒体を充填
して、この可撓膜18を内方に膨出させることによっ
て、音響レンズ効果を持たせる。従って、チャンバ16
aには超音波伝達媒体を供給するための供給チューブ1
9が接続されており、この供給チューブ19から供給さ
れる超音波伝達媒体は、キャップ13内に封入されてい
る超音波伝達媒体より高い音響インピーダンスのものが
用いられる。
【0015】ところで、音響レンズとして機能させるた
めには、可撓膜18は円弧状に膨出しなければならな
い。一般に、超音波伝達媒体をチャンバ16a内に供給
した時に、可撓膜18は概略円弧状に膨出するが、より
正確に円弧状に膨出させるためには、例えば図3に示し
たように、可撓膜18の断面形状として、中間部が最も
薄肉で、両端部側に向けて連続的に肉厚が大きくなる形
状のものを用いる方が好ましい。なお、可撓膜18は、
弾性及び音響特性に優れたものを用いなければならない
ことは言うまでもない。
【0016】以上のように、チューブ19を介して音響
レンズ部16を構成するチャンバ16a内に超音波伝達
媒体を供給することによって、音響レンズ機能を発揮さ
せるが、供給される超音波伝達媒体の量をコントロール
することによって、可撓膜18の膨出度合いを変化させ
て、音響レンズとしての特性を変えることができる。こ
の超音波伝達媒体の供給量を制御できるようにするため
に、図4に示したように、供給チューブ19の基端部
は、本体操作部11内にまで延在されて、この本体操作
部11内に設けたシリンダ30に接続されている。この
シリンダ30にはピストン31が摺動可能に挿嵌されて
おり、このピストン31をシリンダ30に沿って摺動変
位させることによって、超音波伝達媒体をチャンバ16
a内に送り込むことができるようになっている。ピスト
ン31を動作させるために、ピストン31には送りねじ
32が相対回転可能に連結して設けられている。送りね
じ32は、本体操作部11のケーシング11a内面に固
着して設けた雌ねじ部材34に螺挿されており、この送
りねじ32の基端側を回転させると、雌ねじ部材34に
対して螺出入することになって、軸線方向に移動して、
ピストン31がシリンダ30に沿って摺動変位する。
【0017】送りねじ32を回転駆動するために、駆動
軸35が本体操作部11のケーシング11aに固定して
設けた一対の軸受部材36,36に回転自在に支承され
ている。そして、この駆動軸35の先端部は二又部35
aとなり、また送りねじ32の基端部は面取りが施され
た連結部32aとなって、この連結部32aが駆動軸3
5の二又部35aに挿嵌されており、これによって送り
ねじ32と駆動軸35との間のジョイント部を構成して
いる。従って、駆動軸35を回転させると、これに追従
して送りねじ32が回転する。ただし、送りねじ32
は、その回転により軸線方向に移動するが、駆動軸35
はこの送りねじ32の軸線方向の動きに影響されること
はない。そして、駆動軸35を回転駆動するためにウォ
ーム歯車伝達機構が用いられる。即ち、駆動軸35の軸
受部材36,36間の部位には、ウォームホイール37
が固定して設けられており、このウォームホイール37
にはウォーム38が噛合しており、このウォーム38に
連設した回転軸39は本体操作部11のケーシング11
aから外部に導出されて、その先端部は操作つまみ39
aとなっている。なお、超音波伝達媒体供給量制御機構
としては、これ以外にも、例えば注射器等を用いること
もできる。
【0018】従って、操作つまみ39aを手指で回転さ
せると、ウォーム歯車伝達機構を介して駆動軸35が回
転し、この駆動軸35にジョイント部を介して連結され
ている送りねじ32が追従回転すると共に、それが軸線
方向に動くことになるから、ピストン31がシリンダ3
0内を摺動変位して、音響レンズ部16に対して超音波
伝達媒体が給排される。音響レンズ部16を構成するチ
ャンバ16a内に超音波伝達媒体が供給されて、可撓膜
18が内方に膨出した時に、キャップ13内の超音波伝
達媒体が押し退けられるために、この余剰の超音波伝達
媒体を吸収するアキュムレータの機能を持たせる必要が
ある。このためには、キャップ13の先端面を薄膜化さ
せることにより拡縮部13aとなし、可撓膜18が膨出
した時には、この拡縮部13aが、図2に仮想線で示し
たように、先端側に膨出させるようにすれば良い。ま
た、図5に示したように、キャップ13の内部と、挿入
部10の軟性部分との間を連通させる連通パイプ40を
設け、この連通パイプ40の基端側に可撓性容袋41を
接続するようになし、音響レンズ部16への超音波伝達
媒体の供給量に応じて、可撓性容袋41を伸縮させるこ
とによって、キャップ13内の容積変化に対処すること
もできる。
【0019】以上のように、音響レンズ部16内に超音
波伝達媒体を供給することにより可撓膜18を内方に膨
出させて、音響レンズとしての機能を発揮させるが、安
定したレンズ特性を持たせるためには、膨出した可撓膜
18の保形性を良好ならしめる必要がある。このため
に、音響レンズ部16に供給される超音波伝達媒体はキ
ャップ13内に封入した超音波伝達媒体とは異なる音響
インピーダンスを持ったものでなければならないのは当
然として、これに加えて、できるだけ高い粘度の媒体を
用いることによって、外力が加わっても容易には変形せ
ず、安定した形状に保持するようにしている。このよう
に高い粘度の超音波伝達媒体を用いるために、音響レン
ズ部16内に供給する際には、かなり高い圧力となるこ
とから、供給チューブ19は耐圧性の良好なものとす
る。
【0020】本実施例は以上のように構成されるもので
あって、この超音波診断装置を構成する超音波プローブ
1は、患者の体内に挿入されて、その体内組織の状態を
検査することができる。
【0021】而して、本体操作部11で操作を行いなが
ら、挿入部10を患者の体内に挿入して、その先端部分
を例えば消化管等の内部における検査対象部にまで導
く。そこで、コントロールケーブル15を作動させて、
超音波トランスデューサ14を回転駆動し、この間に所
定の角度毎に超音波パルスを体内に向けて送信する。体
内組織の断層部分で送信された超音波ビームは、その一
部が反射することになり、この反射エコーは超音波トラ
ンスデューサ14により受信される。そして、この受信
信号はコード12を介して超音波観測装置2に伝送さ
れ、これと共にエンコーダ等により検出される超音波ト
ランスデューサ14の角度位置の信号が超音波観測装置
2に取り込まれて、これらの信号が信号処理部20で所
定の処理を行うことにより、モニタ21に超音波画像が
表示されることになる。なお、このラジアル走査を行う
に当って、挿入部10の先端におけるキャップ13の全
周が体内壁と密着しない場合には、周知のバルーンを装
着させて、このバルーン内に超音波伝達媒体を充填す
る。
【0022】ところで、超音波ビームは音源である超音
波トランスデューサ14から送信されると、そのままで
は発散することになって、指向性が悪くなり、十分な方
向分解能が得られない。そこで、音響レンズを用いて超
音波ビームを絞る。この音響レンズのフォーカス位置
は、音響レンズの曲率に応じて変化する。而して、本発
明においては、音響レンズ部16に超音波伝達媒体を供
給することにより音響レンズとしての機能を発揮させる
ようにしている。そして、この音響レンズ部16に供給
される超音波伝達媒体の供給量を制御することによっ
て、そのフォーカス特性を変化させることができるよう
になる。
【0023】今、図6に示したように、音響レンズ部1
6を構成するチャンバ16a内に所定量の超音波伝達媒
体を供給することによって、可撓膜18を曲率半径R1
となるように膨出変形させたとする。このチャンバ16
a内に供給された超音波伝達媒体はキャップ13内の超
音波伝達媒体より音響インピーダンスが高いために、両
超音波伝達媒体の音響インピーダンスの差に応じて、音
響レンズ機能が発揮されて、超音波トランスデューサ1
4から送信される超音波ビームはそのフォーカス位置F
1 に至るまではビーム径が縮径するように絞られて、こ
のフォーカス位置F1 を過ぎると、ビームは発散する傾
向となる。即ち、この時の音響レンズの焦点距離は、超
音波トランスデューサ14の送受信面からフォーカス位
置F1 までの距離D1 である。そして、このフォーカス
位置F1 を含めた前後の部位V1の間の部位の超音波画
像は高い分解能を持ったものとなる。
【0024】一方、操作つまみ39aを操作して、音響
レンズ部16におけるチャンバ16a内の超音波伝達媒
体をある量だけシリンダ30内に戻すと、図7に示した
ように、可撓膜18の膨出量が減少することになり、そ
の曲率半径がR2 と大きくなる。この結果、超音波トラ
ンスデューサ14から送信される超音波ビームの絞り角
度が小さくなって、フォーカス位置はF2 と遠くなり、
焦点距離はD2 と長くなる。この結果、高い分解能が得
られる部位はV2 に変化する。
【0025】以上のことから、検査を行うべき部位が体
内壁に近い浅部である場合には、音響レンズ部16を図
6に示した状態となし、また深部の検査を行う場合に
は、音響レンズ16を図7に示した状態とすれば良い。
しかも、挿入部10を体内に挿入したまま、操作つまみ
39aを回転させるという極めて簡単な操作を行うだけ
で、最も検査する必要がある部位に焦点を合わせること
ができるので、高い分解能で、鮮明な超音波画像を取得
できるようになり、検査・診断の精度が著しく向上す
る。
【0026】なお、音響レンズ部16に供給される超音
波伝達媒体として、キャップ13内に封入されている超
音波伝達媒体より音響インピーダンスの高いものを用い
るように構成したが、音響レンズ部16の方の超音波伝
達媒体の音響インピーダンスの方が低いものを用いる場
合には、図2に仮想線で示したように、可撓膜18を凹
曲面形状とする。そして、この可撓膜18における凹曲
面の曲率を変えることによって、前述と同様、フォーカ
ス位置を変化させることができる。また、音響レンズ部
16における可撓膜の曲率半径は同じでも、内部に供給
される超音波伝達媒体の種類またはキャップ13内に封
入される超音波伝達媒体を変えることによって、両超音
波伝達部材の音響インピーダンスの差を変化させるよう
にすれば、やはりフォーカス位置を変化させることがで
きる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、キャッ
プの超音波トランスデューサと対面する部位には、前記
キャップに封入した超音波伝達媒体とは異なる音響イン
ピーダンスを持った他の超音波伝達媒体を充填してなる
音響レンズ部を形成するようにしたので、この他の超音
波伝達媒体をキャップ内に供給して膜部材を曲面形状に
することによって、この音響レンズ部によるフォーカス
位置を任意に調整できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す超音波診断装置の
全体構成図である。
【図2】超音波プローブの先端部分の断面図である。
【図3】可撓膜の拡大断面図である。
【図4】超音波伝達媒体供給量制御機構の構成を示す断
面図である。
【図5】余剰超音波伝達媒体を吸収するアキュムレータ
の構成を示す説明図である。
【図6】音響レンズ部の超音波ビームの絞り状態の一例
を示す作用説明図である。
【図7】音響レンズ部の超音波ビームの絞り状態の他の
例を示す作用説明図である。
【符号の説明】
1 超音波プローブ 2 超音波観測装置 10 挿入部 11 本体操作部 13 キャップ 14 超音波トランスデューサ 16 音響レンズ部 16a チャンバ 17 凹部 18 可撓膜 19 供給チューブ 30 シリンダ 31 ピストン 39a 操作つまみ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 8/00 - 8/15 A61B 18/00 G01N 29/24

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 挿入部の先端にキャップを設けて、この
    キャップ内に回転方向に走査する超音波トランスデュー
    サを設けると共に超音波伝達媒体を封入し、この超音波
    トランスデューサからキャップを介して超音波信号を送
    受信するものにおいて、 前記キャップの内面のうち、前記回転方向に走査する間
    に超音波トランスデューサにより超音波パルスが送信さ
    れ、かつ反射エコーが受信される位置と対応する部位に
    可撓膜を設け、この可撓膜と前記キャップ内面との間に閉鎖したチャン
    バを形成し、このチャンバ内に 前記キャップ内に封入し
    た超音波伝達媒体とは異なる音響インピーダンスを持っ
    た他の超音波伝達媒体を充填することにより、前記可撓
    膜が曲面形状となった音響レンズ部を形成する構成とし
    たことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 前記可撓膜を前記チャンバ内に封入され
    た他の超音波伝達媒体により凸曲面または凹曲面を有す
    る形状としたことを特徴とする請求項1記載の超音波診
    断装置。
  3. 【請求項3】 前記可撓膜は、その断面形状として、中
    間部が最も薄肉で、両端部側に向けて連続的に肉厚が大
    きくなる形状としたことを特徴とする請求項2記載の超
    音波診断装置。
  4. 【請求項4】 前記音響レンズ部には、それに封入され
    る他の超音波伝達媒体の供給量を制御することによっ
    て、超音波ビームのフォーカス位置を可変ならしめる構
    成としたことを特徴とする請求項2記載の超音波診断装
    置。
  5. 【請求項5】 前記音響レンズ部に超音波伝達媒体の供
    給量を制御するために、一端がこの音響レンズに接続し
    た供給チューブと、この供給チューブの他端を本体操作
    部側に配設したシリンダと、このシリンダ内の容積を変
    化させるピストンと、このピストンを操作するための操
    作手段とを備える構成としたことを特徴とする請求項4
    記載の超音波診断装置。
  6. 【請求項6】 前記キャップには、前記音響レンズ部に
    他の超音波伝達媒体が充填された時に、このキャップの
    内容積の変化を吸収する手段を備える構成としたことを
    特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
  7. 【請求項7】 前記キャップの先端面を可撓部材で形成
    して、前記キャップの内容積が変化した時には、この可
    撓部材を変形させることによって、前記キャップの内容
    積変化を吸収する構成としたことを特徴とする請求項6
    記載の超音波診断装置。
  8. 【請求項8】 前記キャップと前記挿入部との間に、連
    通パイプを設けると共に、この連通パイプの前記挿入部
    内側の端部に可撓性容袋を接続し、前記キャップの内容
    積が変化した時には、この可撓性容袋を拡縮させる構成
    としたことを特徴とする請求項6記載の超音波診断装
    置。
  9. 【請求項9】 前記他の超音波伝達媒体は前記キャップ
    内の超音波伝達媒体より粘度が高いものとする構成とし
    たことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
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