JP2001198125A - 画像診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】組織表面の精細な断層像と周辺臓器への浸潤状
況等との把握を行える画像診断装置を提供すること。 【解決手段】超音波プローブ２０は、細長で可撓性を有
するプローブ挿入部２１のプローブ先端部２２に超音波
送受信部となる超音波振動子（図示せず）を備えた振動
子ユニット２３と、この振動子ユニット２３に一端部が
連結固定し他端部を回転及び進退させる駆動ユニットに
固定した細長で矢印ａ方向に回転させる駆動力を伝達す
るとともに矢印ｂ，ｃ方向へ進退移動自在なコイルシャ
フト２４とを配設して形成された超音波プローブ本体２
５と、この超音波プローブ本体２５が挿入される中空で
可撓性を有し先端が封止された管状の挿入部２６を備え
たアウターシース２７とで構成されている。そして、プ
ローブ先端部２２の進退範囲内の挿入部２６先端部側
に、ＭＲ装置３によって検出可能な磁気共鳴造影部２９
ａ，２９ｂ，２９ｃを３箇所設けている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は三次元の超音波画像
を得る超音波画像診断装置と、磁気共鳴断層像を得る磁
気共鳴観測装置とを備えた画像診断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、体内の断層像を観察できるよ
うにした超音波プローブが種々開発されている。このよ
うな体腔内挿入式の超音波プローブが開発されたことに
より、体外式の超音波プローブでは診断が困難であった
深部臓器の微細な観察が可能となった。

【０００３】特に、気管や食道、胃といった消化管にで
きる腫瘍の診断においては、腫瘍がどの程度の深さまで
浸潤しているかといったことまで診断が可能であるた
め、その有用性が認められている。

【０００４】このような体腔内挿入式の超音波プローブ
では、ラジアル走査、あるいはリニア走査といった単独
の走査方式によって得られる画像を表示するものが主で
あった。

【０００５】しかし、腫瘍等病変部を３次元的に捉えて
把握したいという要望から超音波プローブに回転走査さ
せると同時に進退駆動させることで、リニア像とラジア
ル像とを同時に得て３次元画像を構築するようにしたも
のも種々提案されている。

【０００６】一方、核磁気共鳴（以下、ＭＲとも略記す
る）現象を利用した非侵襲な人体の診断方法が発展して
きた。例えば、前記ＭＲ現象を利用したＭＲイメージン
グ（以下、ＭＲＩという。）装置では、人体を静磁場中
に置き、所定の周波数の高周波磁場を与えることによっ
て人体内のスピンを持つ核を励起させ、この励起した核
が元に戻る間に生じる所定の周波数のＭＲ信号を検出し
てコンピューター処理することによって人体の断層像を
得るようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記体
腔内用磁気共鳴観測装置では隣接臓器間の浸潤状況や周
辺臓器との位置関係等を精細に描出することはできる
が、アンテナの極近傍の組織を高精細に描出することが
難しかった。

【０００８】これに対して、超音波画像診断装置では超
音波振動子近傍の組織を精細に描出することはできる
が、超音波信号の進達度が浅いため、周辺臓器との位置
関係等を描出することは困難であった。このため、たと
え前述したように３次元画像を構築した場合でもこの画
像から位置関係などの状態を把握することは容易でなか
った。

【０００９】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、組織表面の精細な断層像と周辺臓器への浸潤状
況等との把握を行える画像診断装置を提供することを目
的にしている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の画像診断装置
は、回転運動及び進退運動を同時に行いながら超音波を
送受信する超音波送受信部を有する三次元的な超音波画
像を得られる超音波プローブを備えた超音波画像診断装
置と、体内の核磁気共鳴信号を受信して体内の磁気共鳴
断層像を得る体腔内用磁気共鳴観測装置とを具備する画
像診断装置であって、前記超音波プローブの超音波送受
信部近傍の先端部非可動部に磁気共鳴断層像に描出可能
な磁気共鳴造影部を設けている。

【００１１】この構成によれば、磁気共鳴断層像に超音
波プローブに設けた磁気共鳴造影部が表示される。つま
り、ＭＲ装置に超音波プローブに設けた磁気共鳴造影部
の点がデータとして取り込まれているので、この取り込
まれいる点のデータを基に、３次元的な超音波画像と磁
気共鳴断層像とを演算処理して合成画像の生成が可能に
なる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。図１ないし図７は本発明の一実施形
態に係り、図１は画像診断装置の概略構成を説明する
図、図２は超音波画像診断装置を説明する図、図３はＭ
Ｒ装置を説明する図、図４は画像診断装置の３次元超音
波／ＭＲＩ合成画像処理部を説明する図、図５は超音波
プローブの挿入部を管腔に挿入している状態を説明する
図、図６は表示装置に表示される３次元超音波画像とＭ
ＲＩ画像とを示す図、図７は表示装置に表示される３次
元超音波／ＭＲＩ合成画像を示す図である。

【００１３】図１に示すように本実施形態の画像診断装
置１０は、図示しない駆動ユニットによって回転運動及
び進退運動を同時に行いながら超音波を送受信する超音
波送受信部を有する超音波プローブ２０と、この超音波
プローブ２０に電気的に接続され三次元超音波画像を得
る超音波観測装置３０とを備えた超音波画像診断装置２
と、永久磁石、常伝導磁石、あるいは超伝導磁石等の静
磁場を発生させる磁場発生手段を備えたＭＲ本体４０
と、体内の核磁気共鳴信号を受信して体内の磁気共鳴断
層像を得るＭＲ観測装置５０とを備えた体腔内用磁気共
鳴観測装置（以下ＭＲ装置とも略記する）３と、前記超
音波画像診断装置２、ＭＲ装置３で処理・作成された単
独画像又は合成画像を表示する表示装置４とで主に構成
されている。

【００１４】図２に示すように本実施形態の超音波画像
診断装置２は、超音波診断像を３次元表示させるいわゆ
る超音波三次元画像診断装置であり、前記超音波プロー
ブ２０は、細長で可撓性を有するプローブ挿入部２１の
プローブ先端部２２に超音波送受信部となる超音波振動
子（図示せず）を備えた振動子ユニット２３と、この振
動子ユニット２３に一端部が連結固定し他端部を回転及
び進退させる駆動ユニットに固定した細長で矢印ａ方向
に回転させる駆動力を伝達するとともに矢印ｂ，ｃ方向
へ進退移動自在なコイルシャフト２４とを配設して形成
された超音波プローブ本体２５と、この超音波プローブ
本体２５が挿入される中空で可撓性を有し先端が封止さ
れた管状の挿入部２６を備えたアウターシース２７とで
構成されている。なお、前記コイルシャフト２４内には
前記超音波振動子から延出する信号線が挿通している。

【００１５】前記超音波観測装置３０は、前記振動子ユ
ニット２３の超音波振動子に電気的に接続され、超音波
振動子に印加する高電圧の電気パルスを発生させる駆動
手段である振動子駆動部３１及び前記超音波振動子で受
信した超音波信号を増幅、包絡線検波といった所定の処
理等を施して三次元画像処理を行う超音波信号処理部
（以下信号処理部と略記する）３２を備え、この信号処
理部３２で処理した映像信号を前記表示装置４に出力し
て三次元超音波画像を表示する構成になっている。

【００１６】一方、前記ＭＲ装置３は、磁気共鳴観測を
行ってこれに伴うＭＲ信号を得るＭＲ信号送受信部５１
及びこのＭＲ信号送受信部５１からのＭＲデータに基づ
いてＭＲ像を作成するためのデータ生成と、この生成さ
れたデータに基づいてＭＲ表示画像を作成する画像処理
を行うデータ処理部５２を備え、このデータ処理部５２
で処理した映像信号を前記表示装置４に出力してＭＲＩ
画像を表示する構成になっている。

【００１７】そして、本実施形態の超音波プローブ２０
においてはプローブ先端部２２の進退範囲内の挿入部２
６先端部側に、前記ＭＲ装置３によって検出可能な磁気
共鳴造影部２９ａ，２９ｂ，２９ｃを３箇所設けてい
る。

【００１８】また、本実施形態においては前記超音波画
像診断装置２又は前記ＭＲ装置３の一方に対して一体又
はそれぞれに対して別体に構成した三次元超音波／ＭＲ
合成画像処理部６０を備えている。この三次元超音波／
ＭＲ合成画像処理部６０は、前記ＭＲ装置２のデータ処
理部５２で生成したＭＲデータと、前記超音波画像診断
装置２の信号処理部３２で生成した超音波画像データと
に基づいて超音波画像とＭＲ画像とを合成して前記表示
装置４上に三次元超音波／ＭＲ合成画像を表示させるた
めのものである。

【００１９】図４に示すように三次元超音波／ＭＲ合成
画像処理部６０は、前記信号処理部３２及び前記データ
処理部５２の画像記憶手段である画像データ記憶部３
３，５３と、この画像データ記憶部３３，５３に記憶さ
れている超音波画像データ及びＭＲデータを座標変換す
る座標変換部３４，５４と、この座標変換部３４，５４
で座標変換されたデータから前記挿入部２６に配置させ
た磁気共鳴造影部２９の各点を一致させる座標変換及び
画像合成や陰影付加といった各種処理を実行して超音波
画像とＭＲ画像との対応付けを行う画像処理プロセッサ
６１とで構成され、この画像処理プロセッサ６１で演算
処理して生成された三次元超音波／ＭＲ合成映像信号が
表示装置４へ出力されるようになっている。

【００２０】なお、本実施形態においては表示装置４を
１つとしているが、各装置２，３毎にそれぞれ表示装置
を設ける構成にしてそれぞれの表示装置に三次元超音波
／ＭＲ合成画像を表示させるようにしても、又三次元超
音波／ＭＲ合成画像表示用の表示装置を単独に設ける構
成等にするようにしてもよい。

【００２１】上述のように構成した画像診断装置１０の
作用を説明する。まず、患者をＭＲ本体４０の磁場内に
配置し、図５に示すように体腔内に超音波プローブ２０
の挿入部５２を管腔内に挿入する。そして、前記超音波
プローブ本体２５を回転及び進退させて超音波を出射す
る。

【００２２】すると、図６に示すように前記表示装置４
の画面上の各表示領域には病変部近傍を示す三次元超音
波画像と、複数のＭＲＩ画像の中から１つの画像とが表
示される。このとき、表示された前記３次元超音波画像
及びＭＲＩ画像上に、例えば病変部及び血管や前記挿入
部２６に配置されいる磁気共鳴造影部２９ａ，２９ｂ，
２９ｃを示す画像点９ａ，９ｂ，９ｃが表示される。

【００２３】ここで、術者が三次元超音波／ＭＲ合成画
像を望むときには、例えば表示装置４に設けられている
図示しない選択スイッチを操作する。このことによっ
て、表示装置４の画面上に表示されていた三次元超音波
画像及びＭＲＩ画像が例えば図７に示す三次元超音波／
ＭＲ合成画像に切り換わって表示される。

【００２４】このように、超音波プローブの挿入部に磁
気共鳴造影部を設けたことによって、この磁気共鳴造影
部を基に固有の座標軸に変換して、体腔内用磁気共鳴観
測装置で精細に描出された隣接臓器間の浸潤状況や周辺
臓器との位置関係等と、超音波画像診断装置では精細に
描出された超音波振動子近傍の組織と画像合成した三次
元超音波／ＭＲ合成画像を表示装置上に表示させること
によって、組織表面の精細な断層像と周辺臓器への浸潤
状況等との把握を確実に行って診断能を大幅に向上させ
ることができる。

【００２５】なお、本実施形態においては超音波プロー
ブとＭＲ装置とで画像診断装置を構成しているが、前記
超音波プローブを内視鏡に設けられている処置具チャン
ネルを介して体腔内の所定位置に導くように構成したも
の、つまり、さらに内視鏡装置を設けて画像診断装置を
構成するようにしてもよい。

【００２６】尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに
限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々変形実施可能である。

【００２７】［付記］以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができ
る。

【００２８】（１）回転運動及び進退運動を同時に行い
ながら超音波を送受信する超音波送受信部を有する超音
波プローブを備え、複数の超音波画像から三次元的な超
音波画像を得る超音波画像診断装置と、体内の核磁気共
鳴信号を受信して体内の磁気共鳴断層像を得る体腔内用
磁気共鳴観測装置と、を具備する画像診断装置におい
て、前記超音波プローブの超音波送受信部近傍の先端部
非可動部に磁気共鳴断層像に描出可能な磁気共鳴造影部
を設けた画像診断装置。

【００２９】（２）前記先端部非可動部に少なくとも３
つの磁気共鳴造影部を設けた付記１記載の画像診断装
置。

【００３０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、組
織表面の精細な断層像と周辺臓器への浸潤状況等との把
握を行える画像診断装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１ないし図７は本発明の一実施形態に係り、
図１は画像診断装置の概略構成を説明する図

【図２】超音波画像診断装置を説明する図

【図３】ＭＲ装置を説明する図

【図４】画像診断装置の３次元超音波／ＭＲＩ合成画像
処理部を説明する図

【図５】超音波プローブの挿入部を管腔に挿入している
状態を説明する図

【図６】表示装置に表示される３次元超音波画像とＭＲ
Ｉ画像とを示す図

【図７】表示装置に表示される３次元超音波／ＭＲＩ合
成画像を示す図

【符号の説明】

２…超音波画像診断装置 ３…ＭＲ装置 １０…画像診断装置 ２０…超音波プローブ ２１…プローブ挿入部 ２２…プローブ先端部 ２３…振動子ユニット ２９ａ，２９ｂ，２９ｃ…磁気共鳴造影部 ３０…超音波観測装置 ４０…ＭＲ本体 ５０…ＭＲ観測装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転運動及び進退運動を同時に行いなが
   ら超音波を送受信する超音波送受信部を有する三次元的
   な超音波画像を得られる超音波プローブを備えた超音波
   画像診断装置と、 体内の核磁気共鳴信号を受信して体内の磁気共鳴断層像
   を得る体腔内用磁気共鳴観測装置と、 を具備する画像診断装置において、 前記超音波プローブの超音波送受信部近傍の先端部非可
   動部に磁気共鳴断層像に描出可能な磁気共鳴造影部を設
   けたことを特徴とする画像診断装置。