JPH08153953A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JPH08153953A JP32159694A JP32159694A JPH08153953A JP H08153953 A JPH08153953 A JP H08153953A JP 32159694 A JP32159694 A JP 32159694A JP 32159694 A JP32159694 A JP 32159694A JP H08153953 A JPH08153953 A JP H08153953A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不良品が少なく,製造コストが安価であり,
かつ高密度化が容易な,プリント配線板の製造方法を提
供すること。 【構成】 プリント配線板上に樹脂封止用のダム枠を圧
着するに当り,上記プリント配線板上に,上記ダム枠を
嵌め込むための嵌合穴を有する枠治具を配置し,次いで
上記嵌合穴に上記ダム枠を嵌め込み,その後,該ダム枠
をプリント配線板に加熱圧着する。上記枠治具は補強材
と合成樹脂とよりなる複合樹脂板を用いてなると共に,
該枠治具は,予め上記合成樹脂のガラス転移点よりも高
い温度において加熱,加圧する前処理を施し,その後上
記嵌合穴を形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,電子部品搭載部の周囲
にダム枠を有するプリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】後述する図2に示すごとく,電子部品搭載
部10と,その周囲に設けたパターン回路とを有するプ
リント配線板1には,上記電子部品搭載部10を取り囲
むように,ダム枠11が接着されている。このダム枠1
1は,電子部品の樹脂封止に当たって該樹脂が外部へ流
出することを防止するために設けられる。
【0003】上記プリント配線板1の製造に当たって
は,図3に示すごとく,まず,有機系樹脂基板であるガ
ラス−エポキシ材より,多連状基板2を成形する。上記
多連状基板2は多数の個片20と該個片20同士の間に
設けられた切断部28とより構成されている。
【0004】上記個片20は,中央に電子部品搭載部1
0を有してなり,該電子部品搭載部10の周囲にはパタ
ーン回路の一部であるボンディングパッド12が,ま
た,個片20の外周部には側面スルーホール13が設け
られている(図2)。そして,上記ボンディングパッド
12の外周がダム枠11の圧着部21となる。なお,符
号29は後述する,位置決め用の固定ピン49(図6)
を挿入するための固定ピン用穴である。
【0005】次に,上記多連状基板2にダム枠11を配
置,圧着するに当たっては,枠治具9を用いる。上記枠
治具9は,図4に示すごとく,上記多連状基板2と同形
状で,上記多連状基板2におけるダム枠11の圧着部2
1と同位置に,ダム枠11の外形と同形状の嵌合穴90
を設けてなる薄板である。また,図5に示すごとく,上
記ダム枠11は,その中央に電子部品搭載部10よりも
大きい形状の枠穴110を有する角形の薄板である。そ
して,上記ダム枠11は,その裏面に,多連状基板2に
圧着するための接着剤119が設けてある。
【0006】そして,上記多連状基板2にダム枠11を
圧着するに当たっては,図6,図7に示すごとく,ま
ず,固定ピン49を立設した下治具4を準備し,上記多
連状基板2を位置決め固定する。即ち,該多連状基板2
の固定ピン用穴29を,上記固定ピン49に挿入する。
【0007】次に,多連状基板2の上に枠治具9を位置
決め載置する。即ち,上記枠治具9の固定ピン用穴99
を,上記固定ピン49に挿入し,枠治具9を多連状基板
2の上に配置する。次に,上記枠治具9における各嵌合
穴90にダム枠11を,接着剤119を設けた面を下に
向けて投入する。
【0008】その後,上記下治具4,多連状基板2,枠
治具9及びダム枠11よりなるセット物を,加熱炉に入
れ,加熱下において上方より押型(図示略)により加圧
し,ダム枠11の加熱圧着を行う。冷却後,上記のセッ
ト物を分解し,ダム枠11の圧着された多連状基板2を
切断部28において切断する。これにより,各個片20
がそれぞれダム枠11を設けたプリント配線板1となる
(図2参照)。なお,実際には,上記切断は,上記多連
状基板2の電子部品搭載部10に電子部品を搭載し,該
電子部品を樹脂で封止した後に,行うことが多い。
【0009】ところで,上記枠治具9の大きさ,上記嵌
合穴90の大きさ,形状等は,得ようとするプリント配
線板の種類及びこれに用いるダム枠11の大きさ,形状
等によって異なる。このため,得ようとするプリント配
線板に応じて,異なる枠治具を用いる必要がある。従っ
て,特に少量多種のプリント配線板を安価に製造するに
当たっては,上記枠治具9の製造コストを安くすること
が重要である。
【0010】このため,従来,上記枠治具は,ガラス−
エポキシ材等よりなる有機系樹脂基板を,所定の形状に
打ち抜き加工することにより構成されている。即ち,プ
リント配線板を構成する基板は,ガラス−エポキシ材等
の有機系樹脂基板よりなり,このような基板は大量に使
用されている。このため,上記有機系樹脂基板を流用
し,枠治具9を形成させることにより,該枠治具9の製
造コストを低くすることができる。
【0011】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記枠治具を
構成する有機系樹脂基板の厚さは0.4〜0.8mm程
度であり,上記枠治具9はダム枠11の圧着の際に加え
られる加熱,加圧により伸長することがある。
【0012】即ち,図8に示すごとく,上記枠治具9の
外形状は点線98に示すごとく伸長し,これに応じて,
嵌合穴90も点線908に示す位置,大きさへと変形し
てしまう。このように変形した枠治具9を次回のダム枠
11圧着のために,多連状基板2に対して重ねた場合,
該枠治具9に設けられた嵌合穴90の位置と,多連状基
板2の圧着部21の位置とが,ずれてしまうという問題
が生じる。また,上記固定ピン49への挿入穴99も点
線998の位置へとずれてしまう。このため,枠治具9
を下治具4へ配置できなくなるおそれがある。
【0013】上記問題を回避する為に,枠治具の伸長に
よる,嵌合穴と圧着部とのずれの量等を予め考慮し,多
連状基板上のダム枠圧着部の面積を広くすることも考え
られる。しかし,この場合には,ダム枠の配置範囲を広
く取るため,プリント配線板における,例えばボンディ
ングパッド等の高密度化が妨げられてしまう。
【0014】また,上記枠治具が大きく伸長する前に,
伸長していない新しい枠治具と交換することも考えられ
る。しかし,枠治具の使用量が増大することになるた
め,その分,プリント配線板の製造コストが高くなる。
更に,図9に示すごとく,枠治具の伸長は,使用回数と
共に大きくなるが,第1回目の使用によって全伸長量の
半分近くに伸長してしまうという特性がある。このた
め,枠治具の交換による位置ずれの防止も,効果が期待
できない。
【0015】本発明は,かかる問題に鑑み,不良品が少
なく,製造コストが安価であり,かつ高密度化が容易
な,プリント配線板の製造方法を提供しようとするもの
である。
【0016】
【課題の解決手段】本発明は,電子部品搭載部と,その
周囲に設けたパターン回路とを有するプリント配線板に
対して,上記電子部品搭載部を取り囲むように上記プリ
ント配線板上に樹脂封止用のダム枠を圧着するに当り,
上記プリント配線板上に,上記ダム枠を嵌め込むための
嵌合穴を有する枠治具を配置し,次いで上記嵌合穴に上
記ダム枠を嵌め込み,その後,該ダム枠をプリント配線
板に加熱圧着するプリント配線板の製造方法において,
上記枠治具は補強材と合成樹脂とよりなる複合樹脂板を
用いてなると共に,該枠治具は,予め上記合成樹脂のガ
ラス転移点よりも高い温度において加熱,加圧する前処
理を施し,その後上記嵌合穴を形成したものであること
を特徴とするプリント配線板の製造方法にある。
【0017】本発明において最も注目すべきことは,上
記製造方法によって使用される枠治具は,予め上記合成
樹脂のガラス転移点よりも高い温度において加熱,加圧
する前処理を施し,その後上記嵌合穴を形成したもので
ある(図1参照)。
【0018】上記前処理における加熱温度は,使用する
複合樹脂板によって異なるが,例えば,該複合樹脂板に
ガラス−エポキシ材を使用した場合には,140〜20
0℃であることが好ましい。上記加熱温度が140℃未
満の場合には,ガラス転移点以下である為,樹脂の軟化
が弱く,前処理時の伸長量が小さくなり,前処理として
の効果が期待できないおそれがある。一方,200℃よ
りも高い場合には,エポキシ樹脂の硬化が過度に進行し
て樹脂が脆くなり,枠治具としての強度が低下するおそ
れがある。
【0019】次に,上記前処理における加圧力は,10
〜100kgf/cm2 であることが好ましい。上記加
圧力が10kgf/cm2 未満である場合には,樹脂の
硬化収縮力に対抗できず,伸長量が小さくなるおそれが
ある。一方,100kgf/cm2 より大きい場合に
は,材料の板厚低下等の変形を招くおそれがある。
【0020】次に,上記前処理の時間は,30〜120
分であることが好ましい。上記時間が30分未満である
場合には,枠治具の材料が前処理時に必要な温度に達す
る事が困難になるおそれがある。一方,120分より長
い場合には,前処理時間が長くなり,生産性が低下する
おそれがある。
【0021】また,上記前処理は,例えば,加熱圧着機
によって行い,また温度,圧力以外の条件として,ダム
枠を接着する際の組合せ条件と同等にすることが好まし
い。
【0022】次に,上記複合樹脂板は,例えば,プリン
ト配線板に用いられる有機系樹脂基板であることが好ま
しい。更には,ダム枠を圧着しようとするプリント配線
板と同じ材料の有機系樹脂基板であることが好ましい。
上述の材料は,プリント配線板の製造工程において大量
に使用されるため,入手しやすくかつ安価である。よっ
て,枠治具の製造コストを安価とすることができる。
【0023】そして,上記複合樹脂板としては,上述の
ガラス−エポキシ材の他に,ビスマレイミドトリアジ
ン,ガラス−ポリイミドを使用することができる。
【0024】
【作用及び効果】本発明のプリント配線板の製造方法に
おいて,ダム枠の圧着に当たって使用する枠治具は,上
述の前処理が施されてあり,予め,ダム枠圧着時におけ
る最大伸長限度(図6参照)まで充分伸長されている。
【0025】このため,上記ダム枠の圧着の際,再び枠
治具が加熱,加圧されるが,この時,該枠治具は伸長し
ない。よって,枠治具における嵌合穴の位置ずれもな
い。従って,ダム枠の圧着位置がずれることによるプリ
ント配線板の不良がない。更に,枠治具の繰り返し使用
も可能となり,プリント配線板の製造コストが安価にな
る。
【0026】更に,枠治具の伸長を予想して上記嵌合穴
を大きくしておく必要がないので,ダム枠を圧着する圧
着部の面積も小さくできる。そのため,プリント配線板
における,例えばボンディングパッド等の高密度化も容
易となる。
【0027】上記のごとく,本発明によれば,不良品が
少なく,製造コストが安価であり,かつ高密度化が容易
な,プリント配線板の製造方法を提供することができ
る。
【0028】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかるプリント配線板の製造方法につ
き,図1,図2及び前記図3〜図6を用いて説明する。
図2に示すごとく,本例のプリント配線板1の製造方法
は,電子部品搭載部10と,その周囲に設けたパターン
回路とを有するプリント配線板1に対して,上記電子部
品搭載部10を取り囲むように上記プリント配線板1上
に樹脂封止用のダム枠11を圧着する。
【0029】そして,上記ダム枠11の圧着に当たって
は,図6,図7に示すごとく,上記プリント配線板1上
に,上記ダム枠11を嵌め込むための嵌合穴90を有す
る枠治具9を配置し,次いで上記嵌合穴90に上記ダム
枠11を嵌め込み,その後,該ダム枠11をプリント配
線板1に加熱圧着する。
【0030】なお,上記枠治具は補強材と合成樹脂とよ
りなる複合樹脂板を用いてなると共に,該枠治具は,図
1に示すごとく,予め上記合成樹脂のガラス転移点より
も高い温度において加熱,加圧する前処理を施し,その
後上記嵌合穴を形成してある。そして,上記複合樹脂板
としては,本例の製造方法において作成されるプリント
配線板の基板に用いるガラス−エポキシ材を使用する。
【0031】次に,上記枠治具の製造方法について説明
する。まず,図1に示すごとく,得ようとするプリント
配線板の基板と同一材料である,厚さ0.7mmのガラ
ス−エポキシ材をプリント配線板の多連板2(図3)と
略同じ形状にカットする。
【0032】その後,上記加熱,加圧による前処理をガ
ラス−エポキシ材に対して行う。即ち,上記ガラス−エ
ポキシ材を,上下一対の加圧型により,加熱下におい
て,加圧する。上記加熱は,ガラス−エポキシ材の種類
によって異なるが,FR−4用を用いた場合にはガラス
転移点温度である125℃よりも高い温度で行い,最高
温度が160℃となるように温度を調整する。また,上
記圧力は,最高圧力が40kg/cm2 となるように調
整する。なお,上記前処理の継続時間は50分間であ
る。
【0033】冷却後上記ガラス−エポキシ材に対し,図
4に示すごとく,固定ピン用穴29を穿設する。次いで
打ち抜き加工によりダム枠11用の嵌合穴90を穿設す
る。これにより,枠治具9を得る。
【0034】次に,プリント配線板の製造に当たって
は,従来例において示したごとく,多連状基板2に対
し,上述の手順により得られた枠治具9を,図6に示す
ごとく配置し,枠治具9の嵌合穴90内にダム枠11を
配置し,これらを共に加熱圧着する。これにより,図2
に示すごとく,ダム枠11を圧着したプリント配線板1
を得る。なお,図2において,符号12はボンディング
パッド,14はソルダーレジスト,13は側面スルーホ
ール,15はガラス−エポキシ基板である。
【0035】次に,本例における作用効果につき説明す
る。本例の製造方法においては,ダム枠11の圧着に当
たって,枠治具を使用するが,この時,上記枠治具も共
に加熱,加圧されることとなる。本例の枠治具は製造に
当たって,前処理を施し,予め,ダム枠圧着時における
最大伸長限度(図6参照)まで充分伸長されてある。
【0036】このため,上記圧着に伴う枠治具の伸長も
なく,これに伴う嵌合穴の位置ずれもない。従って,ダ
ム枠の圧着位置がずれることによるプリント配線板の不
良がない。更に,枠治具の繰り返し使用も可能となり,
プリント配線板の製造コストが安価になる。
【0037】更に,枠治具の伸長を予想して上記嵌合穴
を大きくしておく必要がないので,ダム枠圧着用の圧着
部の面積も小さくできる。そのため,プリント配線板に
おける,ボンディングパッド等の高密度化も容易とな
る。
【0038】従って,本例によれば,不良品が少なく,
製造コストが安価であり,かつ高密度化が容易な,プリ
ント配線板の製造方法を提供することができる。
【0039】実施例2 本例は,本発明にかかる枠治具(図4参照)をダム枠圧
着工程に使用した際の伸長率について,比較例とともに
説明するものである。本例にかかる試料1は,実施例1
に示した枠治具である。また,比較例としての試料C1
は試料1と同様の材料で構成され,その製造過程におい
て前処理を行っていない枠治具である。
【0040】次に,上記試料1及びC1を,実施例1に
おいて示すダム枠の圧着に使用する。そして,使用前に
おける試料1及びC1の枠治具の大きさと,上記ダム枠
の圧着に10回使用した後の大きさとをそれぞれ測定
し,伸長率を求める。
【0041】上記測定の結果,本例にかかる試料1の伸
長率は0.01〜0.03%であった。一方,比較例に
かかる試料C1の伸長率は0.05〜0.07%であっ
た。従って,本例にかかる試料は,ダム枠の圧着に伴う
加熱,加圧により,伸長し難いことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,枠治具の製造工程を表す説
明図。
【図2】実施例1における,プリント配線板の断面図。
【図3】従来例における,多連状基板の説明図。
【図4】従来例における,枠治具の斜視図。
【図5】従来例における,ダム枠の斜視図。
【図6】従来例における,プリント配線板へのダム枠圧
着方法の説明図。
【図7】従来例における,ダム枠圧着時の説明図。
【図8】従来例における,枠治具の問題点を示す説明
図。
【図9】従来例における,枠治具の使用回数と伸長率と
の関係を表す線図。
【符号の説明】 1...プリント配線板, 10...電子部品搭載部, 11...ダム枠, 2...多連状基板, 9...枠治具, 90...嵌合穴,

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品搭載部と,その周囲に設けたパ
    ターン回路とを有するプリント配線板に対して,上記電
    子部品搭載部を取り囲むように上記プリント配線板上に
    樹脂封止用のダム枠を圧着するに当り,上記プリント配
    線板上に,上記ダム枠を嵌め込むための嵌合穴を有する
    枠治具を配置し,次いで上記嵌合穴に上記ダム枠を嵌め
    込み,その後,該ダム枠をプリント配線板に加熱圧着す
    るプリント配線板の製造方法において,上記枠治具は補
    強材と合成樹脂とよりなる複合樹脂板を用いてなると共
    に,該枠治具は,予め上記合成樹脂のガラス転移点より
    も高い温度において加熱,加圧する前処理を施し,その
    後上記嵌合穴を形成したものであることを特徴とするプ
    リント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記前処理時の加圧
    力は,10〜100kgf/cm2 であることを特徴と
    するプリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記複合樹
    脂板は,プリント配線板に用いられる有機系樹脂基板で
    あることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記複合樹脂板は,ダム枠を圧着しようとするプリント
    配線板と同じ材料の有機系樹脂基板であることを特徴と
    するプリント配線板の製造方法。
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