JPH08153743A - 半導体装置の製法およびそれに用いる成形型 - Google Patents

半導体装置の製法およびそれに用いる成形型

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JPH08153743A
JPH08153743A JP29458494A JP29458494A JPH08153743A JP H08153743 A JPH08153743 A JP H08153743A JP 29458494 A JP29458494 A JP 29458494A JP 29458494 A JP29458494 A JP 29458494A JP H08153743 A JPH08153743 A JP H08153743A
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molding die
semiconductor device
mold
resin
substrate
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JP29458494A
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English (en)
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Shinichiro Shudo
伸一朗 首藤
Tatsushi Ito
達志 伊藤
Shinya Akizuki
伸也 秋月
Makoto Kuwamura
誠 桑村
Kazuhiro Ikemura
和弘 池村
Takashi Fukushima
喬 福島
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】樹脂封止後のパッケージの反りの発生を低減す
ることのできる成形型を用いた半導体装置の製法を提供
する。 【要約】 半導体素子8が搭載されたリード基板4を、成形型内に
設置し、この成形型内に封止用樹脂組成物を注入して樹
脂封止することにより半導体装置を製造するトランスフ
ァー成形において、上記成形型として、封止樹脂層形成
領域1の上面の2箇所の角部にそれぞれ注入口2a,3
aが形成された成形型を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板または
ヒートシンク(放熱板)等のリード基板に半導体素子が
搭載され、その搭載面である片面が封止された、あるい
はリード基板の上下の封止樹脂の厚みが異なる半導体素
子搭載済リード基板を封止する半導体装置の製法におい
て、樹脂封止後の半導体装置の反りが小さく、さらに、
熱サイクルテスト(TCTテスト)特性,耐リフローク
ラック性,耐湿信頼性,耐高温放置特性等の諸特性に優
れた半導体装置の製法およびそれに用いる成形型に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスター,IC,LSI等の半導
体素子は、従来、セラミックパッケージ等によって封止
され半導体装置化されていた。が、最近では、コスト,
量産性の観点から、4方向フラットパッケージ(QF
P),スモールアウトラインJリーデッドパッケージ
(SOJ),薄形スモールアウトラインパッケージ(T
SOP)等に代表されるプラスチックパッケージを用い
た樹脂封止が主流になっている。この種の樹脂封止に
は、従来からエポキシ樹脂組成物が使用されており良好
な成績を収めている。しかしながら、半導体分野の技術
革新によって集積度の向上とともに素子サイズの大形
化,配線の微細化が進み、パッケージも小形化,薄形化
する傾向にあり、これに伴って封止材料に対してより以
上の信頼性(得られる半導体装置の熱応力化の低減,耐
湿信頼性,熱衝撃試験に対する信頼性,大形薄形化する
パッケージの反りの問題等)の向上が要求されている。
特に、近年、半導体素子サイズは、益々大形化する傾向
にあり、半導体封止樹脂の性能評価用の加速試験である
TCTテストに対するより以上の性能向上が要求されて
いる。また、半導体装置の実装方法としては表面実装が
主流となってきており、このために半導体パッケージを
吸湿させたうえで半田溶融液に浸漬してもパッケージに
クラックや膨れが発生しないという特性(耐リフローク
ラック性)が要求されるとともに、この表面実装を想定
した半導体パッケージ吸湿後の半田溶融液浸漬後の信頼
性が要求されている。また、近年、半導体素子をプリン
ト配線板やヒートシンク等のリード基板に、直接、固定
し樹脂封止したパッケージも量産されてきており、この
ようなパッケージに関しては、上記の要求特性以外に
も、封止樹脂と、半導体素子を固定したリード基板の収
縮率の不一致等から発生するパッケージの反りの低減も
大きく要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような要求特性に
対して、例えば、封止材料のシリコーン変性等による低
弾性化や、フィラーの高配合充填による封止樹脂の線収
縮率の低減、あるいは吸湿率の低減により、耐TCTテ
スト特性や耐リフロークラック性に関してはその特性を
向上させる技術が提案されている。しかしながら、上記
パッケージの反りの低減に関して、すなわち、反りが問
題となるパッケージに関しては、耐TCTテスト特性や
耐リフロークラック性あるいは耐湿信頼性等と、パッケ
ージの反りの問題とを併せて解決できる技術は未だ確立
されていない。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、樹脂封止後のパッケージの反りの発生を抑制す
ることのできる半導体装置の製法およびそれに用いる成
形型の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、半導体素子が搭載されたリード基板を、
成形型内に設置し、この成形型内に封止用樹脂組成物を
注入して樹脂封止することにより半導体装置を製造する
方法であって、上記成形型として、封止用樹脂組成物を
注入するための注入口が、下記の(X)もしくは(Y)
の態様で少なくとも2箇所形成された成形型を用いる半
導体装置の製法を第1の要旨とする。 (X)注入口を成形型の異なる角部にそれぞれ形成す
る。 (Y)注入口を成形型の角部を挟んだ辺部に形成する。
【0006】そして、半導体素子が搭載されたリード基
板を封止用樹脂組成物で樹脂封止する際に用いられるト
ランスファー成形用の成形型であって、上記成形型の、
封止用樹脂組成物を注入するための注入口が、上記の
(X)もしくは(Y)の態様で少なくとも2箇所形成さ
れている成形型を第2の要旨とする。
【0007】
【作用】本発明者らは、半導体素子が搭載されたリード
基板をトランスファー成形によって樹脂封止した後に発
生するパッケージの反りを低減するために様々な角度か
ら研究を重ねた。そして、半導体装置の製造方法として
用いられるトランスファー成形に着目し、その成形法お
よびこれに用いられる成形型を中心にさらに研究を重ね
た。その研究の過程で、従来の成形型は、パッケージと
なる部分に封止用樹脂組成物を注入する注入口は1箇所
であり、その注入口から延びる延長線と直交する対角線
に沿って、反りの最大値が発生することを突き止めた。
この知見に基づき、上記反りの発生を抑制するために、
さらに研究を重ねた。その結果、少なくとも注入口を別
にもう1箇所設ける、すなわち、注入口を成形型の異な
る角部にそれぞれ形成する(X)か、もしくは、注入口
を成形型の角部を挟んだ辺部に形成する(Y)と、従来
1箇所からの注入により発生した反りが、他の注入口か
らの注入により発生する反りに相殺され、反りの最大値
が分散されることを見出し本発明に到達した。
【0008】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明の対象となる半導体装置としては、
特に限定するものではないが、例えば、リード基板に半
導体素子が搭載され、その半導体素子搭載面が樹脂封止
された片面樹脂封止の半導体装置があげられる。さら
に、半導体素子が搭載されたリード基板全体を樹脂封止
した半導体装置において、半導体素子が搭載されたリー
ド基板側の封止樹脂の厚みを1とした場合、素子が搭載
されていないリード基板側の封止樹脂の厚みが0.8以
下である半導体装置に有用である。このように、素子が
搭載されていないリード基板側の封止樹脂の厚みが0.
8以下であるような半導体装置は、反りが大きくなる傾
向にあり、本発明の成形型を用いる製法では、この問題
点である反りの発生が低減され有効である。上記片面樹
脂封止の半導体装置としては、具体的には、図11に示
すようなボールグリッドアレイ(BGA)と通称される
パッケージ形態の半導体装置があげられる。このパッケ
ージは、回路21が形成されたビスマレイミド(BT)
基板22上に、接着剤層23を介して半導体素子24が
搭載され、上記半導体素子24が、封止樹脂層25によ
って封止されている。30は半導体素子24と回路21
とを電気的に接続する金線である。この封止樹脂層25
による封止は、BT基板22の半導体素子24搭載面の
みの封止(片面封止)である。そして、上記BT基板2
2の封止面と反対側の面に、略球状の半田端子26が設
けられている。さらに、上記BGAの他に、図12に示
すように、リードフレーム27上に接着剤層23を介し
て半導体素子24が搭載され、この半導体素子24搭載
部の略真下部分にヒートシンク28が上記リードフレー
ム27と接触するよう配置され、これらが、リードフレ
ーム27のリード部先端を除き、ヒートシンク28の片
面が露出するよう封止樹脂層25aで封止された半導体
装置があげられる。また、これら片面封止タイプ以外
に、つぎのような半導体装置もあげられる。この半導体
装置は、図13に示すように、リードフレーム27上に
接着剤層23を介して半導体素子24が搭載され、この
半導体素子24搭載部の略真下部分にヒートシンク28
が上記リードフレーム27と接触するよう配置されてい
る。そして、これらが、リードフレーム27のリード部
先端を除き、ヒートシンク28を内蔵した形で封止樹脂
層25bで封止されている。上記図において、30は半
導体素子24とリードフレーム27とを電気的に接続す
る金線である。
【0010】上記リード基板としては、特に限定するも
のではなく従来公知のものがあげられる。例えば、表面
に金属配線が形成されたビスマレイミドトリアジン(B
T)基板等に代表される有機基板があげられる。また、
絶縁層を介して、下記に示す(A)もしくは(B)から
なる金属箔層が形成されたリード基板があげられる。さ
らに、下記に示す(A)もしくは(B)からなる回路配
線が形成されたリード基板があげられる。
【0011】(A)銅または銅を主体とした銅合金。 (B)アルミニウムまたはアルミニウムを主体としたア
ルミニウム合金。
【0012】上記(A)のなかの銅合金としては、例え
ば、主成分の銅の他に、Sn,Ni,P,Zn,Cr,
Si,Fe,Zr等を必要に応じて添加した合金等があ
げられる。
【0013】上記(B)のなかのアルミニウム合金とし
ては、例えば、主成分のアルミニウムの他に、Si,C
u,Mg等を必要に応じて添加した合金等があげられ
る。
【0014】そして、上記リード基板において、その封
止温度である250℃から室温(25℃)までの収縮量
(封止温度から室温まで冷却することによって生じる冷
却収縮量)が0.15〜0.35%であるリード基板を
用いることが好ましい。すなわち、上記収縮量が0.1
5%未満では、封止樹脂自体の収縮が相対的に大きくな
り、パッケージの反りが大きくなる。0.35%を超え
ると、素子との収縮量の差が大きくなり、素子特性に悪
影響を与える傾向がみられるからである。なお、上記収
縮量は、熱機械分析(TMA)によって測定することが
できる。
【0015】本発明の半導体装置の製造において用いら
れる封止用樹脂組成物としては、特に限定するものでは
なく従来公知の封止用材料が用いられるが、なかでも、
エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂組成物を用い
ることが好ましい。
【0016】上記熱硬化性樹脂組成物としては、エポキ
シ樹脂を主成分とし、これに硬化剤,無機質充填剤およ
び他の添加剤を配合したものがあげられる。このような
配合の封止材料は、通常、粉末状、もしくはこれを打錠
したタブレット状になっている。
【0017】上記エポキシ樹脂としては、特に限定する
ものではなく従来公知のものが用いられる。すなわち、
一分子中に2個以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹
脂であればいかなるエポキシ樹脂を用いてもよい。例え
ば、ビスフェノールA系エポキシ樹脂,ビスフェノール
F系エポキシ樹脂,クレゾールノボラック系エポキシ樹
脂,ビフェニル系エポキシ樹脂等の種々のエポキシ樹脂
があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて
用いられる。
【0018】上記フェノール樹脂としては、特に限定す
るものではなくエポキシ樹脂の硬化剤とし作用する従来
公知のものがあげられる。例えば、フェノールノボラッ
ク樹脂,クレゾールノボラック樹脂等があげられる。な
かでも、フェノールノボラック樹脂を用いることが好ま
しい。
【0019】そして、上記エポキシ樹脂とフェノール樹
脂の配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に
対してフェノール樹脂中の水酸基当量を0.6〜1.5
の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは0.
8〜1.2である。
【0020】この封止用エポキシ樹脂組成物には、上記
エポキシ樹脂およびフェノール樹脂以外に、必要に応じ
て、無機質充填剤,硬化促進剤,難燃剤,難燃助剤,シ
ランカップリング剤等のカップリング剤,離型剤,顔
料,低応力化剤等を適宜に配合することができる。
【0021】上記無機質充填剤としては、溶融あるいは
粉砕シリカ粉末,タルク,ケイ砂,炭酸カルシウム,ア
ルミナ粉末等があげられる。特にシリカ粉末を用いるの
が好ましい。上記無機質充填剤の配合量は、エポキシ樹
脂組成物全体の50〜95重量%の範囲に設定すること
が好ましい。特に好ましくは80〜95重量%である。
【0022】また、上記硬化促進剤としては、リン系化
合物,従来公知の三級アミン,四級アンモニウム塩,イ
ミダゾール類,ホウ素化合物等があげられる。
【0023】上記難燃剤としては、ブロム化エポキシ樹
脂,塩素化エポキシ樹脂等があげられる。
【0024】上記難燃助剤としては、三酸化アンチモ
ン,五酸化アンチモン等があげられる。
【0025】上記離型剤としては、モンタン酸,ステア
リン酸およびその金属塩、ポリエチレン系カルナバワッ
クス等の従来公知のものがあげられる。
【0026】上記顔料としては、カーボンブラック,ベ
ンガラ,酸化チタン,酸化クロム,シアニンブルー,シ
アニングリーン等があげられる。
【0027】上記低応力化剤としては、オレフィン系ゴ
ム、ジメチルポリシロキサン系等のシリコーン化合物等
があげられる。
【0028】この封止用エポキシ樹脂組成物は、例え
ば、上記各成分を配合してミキシングロール機等で混練
する。ついで、冷却した後、粉砕し、さらに必要に応じ
てタブレット状に打錠することにより製造することがで
きる。
【0029】本発明の半導体装置は、上記封止用エポキ
シ樹脂組成物を用い例えばつぎのようにして製造され
る。すなわち、リード基板に半導体素子を搭載した半導
体素子搭載済リード基板を準備し、トランスファー成形
により樹脂封止することにより製造される。
【0030】上記トランスファー成形は、25〜250
℃の間の封止温度で行うことが好ましい。すなわち、2
50℃を超えた高温で樹脂封止を行うと、樹脂組成物中
の有機成分の劣化が生じる傾向がみられるからである。
【0031】そして、本発明の半導体装置の製造では、
トランスファー成形に使用する成形型として、パッケー
ジとなる部分に封止用樹脂組成物を注入するための注入
口が、下記の(X)もしくは(Y)の態様で少なくとも
2箇所形成された成形型が用いられる。
【0032】(X)注入口を成形型の異なる角部にそれ
ぞれ形成する。 (Y)注入口を成形型の角部を挟んだ辺部に形成する。
【0033】具体的に説明すると、上記(X)の態様と
しては、図1(a)および(b)に示すように、封止樹
脂層形成領域1の上面の2箇所の角部にそれぞれ注入口
2a,3aを形成した成形型があげられる。また、図2
(a)および(b)に示すように、封止樹脂層形成領域
1の、リード基板4の基板界面の2箇所の角部にそれぞ
れ注入口5a,6aを形成した成形型があげられる。な
お、上記(X)の態様では、2箇所の角部に注入口が形
成された例をあげたが、これに限定するものではなく3
箇所の角部に注入口を形成してもよく、また4箇所の角
部に注入口を形成してもよい。図において、8は半導体
素子である。
【0034】さらに、上記(Y)の態様としては、図3
(a)および(b)に示すように、封止樹脂層形成領域
1の上面の一つの角を挟んだ2辺の中央部にそれぞれ注
入口2b,3bを形成した成形型があげられる。また、
図4(a)および(b)に示すように、封止樹脂層形成
領域1の、リード基板4の基板界面の一つの角を挟んだ
2辺の中央部にそれぞれ注入口5b,6bを形成した成
形型があげられる。なお、上記(Y)の態様では、2辺
にそれぞれ注入口が形成された例をあげたが、上記
(X)の態様と同様、これに限定するものではなく3辺
にそれぞれ注入口を形成してもよく、また4辺にそれぞ
れ注入口を形成してもよい。図において、8は半導体素
子である。
【0035】このように、成形型の封止用樹脂組成物の
注入口を成形型の異なる角部にそれぞれ形成する(X)
か、もしくは、注入口を成形型の角部を挟んだ辺部に形
成する(Y)と、従来1箇所からの注入により発生した
反りが、他の注入口からの注入により発生する反りに相
殺され、反りの最大値が分散される。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明では、半導体素子
が搭載されたリード基板を、成形型内に設置し、この成
形型内に封止用樹脂組成物を注入して樹脂封止する際
に、上記成形型として、封止用樹脂組成物を注入するた
めの注入口が、前述の(X)もしくは(Y)の態様で少
なくとも2箇所形成された成形型を用いて半導体装置を
製造する。このため、従来の成形法では、1箇所からの
注入により発生していた反りが、本発明の成形型を用い
ることより、他の注入口からの注入により発生する反り
によって相殺され、反りの最大値が分散され、その結
果、半導体パッケージ全体の反り量が抑制される。従っ
て、本発明の半導体装置の製法では、特に、樹脂封止に
際して、反りが発生しやすい、片面樹脂封止タイプや、
半導体素子搭載面側の封止樹脂の厚みに比べて搭載しな
い面側の厚みの薄い半導体装置に対して特に有用であ
る。
【0037】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0038】まず、実施例および比較例において製造さ
れる半導体装置の構造および構成を示す。
【0039】〔半導体パッケージの各寸法〕図5(a)
および(b)に示す構成の半導体パッケージを作製し
た。図において、10はビスマレイミドトリアジン基
板、11はエポキシ樹脂系封止樹脂層、12はシリコン
チップである。そして、各々の寸法は下記の通りであ
る。
【0040】ビスマレイミドトリアジン基板10:縦
c48mm×横c48mm×厚みf0.4mm〔封止温
度(175℃)から25℃にかけて冷却した際に生じる
冷却収縮量:0.2%〕 封止樹脂層11:縦b40mm×横b40mm×厚み
e1.0mm 半導体素子12:縦a12mm×横a12mm×厚み
d0.37mm
【0041】つぎに、上記構成の半導体パッケージを製
造するための成形型として、下記に示すように、注入口
が2箇所形成された成形型1〜4(実施例)、および、
注入口が1箇所形成された成形型5〜8(比較例)を準
備した。
【0042】〔成形型1〕図1(a)および(b)に示
すように、封止樹脂層形成領域1の上面の2箇所の角部
にそれぞれ注入口2a,3aが形成された成形型。
【0043】〔成形型2〕図3(a)および(b)に示
すように、封止樹脂層形成領域1の上面の一つの角を挟
んだ2辺の中央部にそれぞれ注入口2b,3bが形成さ
れた成形型。
【0044】〔成形型3〕図2(a)および(b)に示
すように、封止樹脂層形成領域1の、リード基板4の基
板界面の2箇所の角部にそれぞれ注入口5a,6aが形
成された成形型。
【0045】〔成形型4〕図4(a)および(b)に示
すように、封止樹脂層形成領域1の、リード基板4の基
板界面の一つの角を挟んだ2辺の中央部にそれぞれ注入
口5b,6bが形成された成形型。
【0046】〔成形型5〕図6(a)および(b)に示
すように、封止樹脂層形成領域1の上面の1箇所の角部
に注入口7aが形成された成形型。
【0047】〔成形型6〕図7(a)および(b)に示
すように、封止樹脂層形成領域1の上面部の1辺の中央
部に注入口7bが形成された成形型。
【0048】〔成形型7〕図8(a)および(b)に示
すように、封止樹脂層形成領域1の、リード基板4の基
板界面の1箇所の角部に注入口7cが形成された成形
型。
【0049】〔成形型8〕図9(a)および(b)に示
すように、封止樹脂層形成領域1の、リード基板4の基
板界面の1辺の中央部に注入口7dが形成された成形
型。
【0050】〔封止用エポキシ樹脂組成物の作製〕下記
に示すエポキシ樹脂a,bおよびフェノール樹脂c,d
を準備した。
【0051】〔エポキシ樹脂a〕下記に示す化学式で表
されるエポキシ樹脂である。
【化1】
【0052】〔エポキシ樹脂b〕下記に示す化学式で表
されるエポキシ樹脂である。
【化2】
【0053】〔フェノール樹脂c〕下記に示す化学式で
表されるフェノール樹脂である。
【化3】
【0054】〔フェノール樹脂d〕下記に示す化学式で
表されるフェノール樹脂である。
【化4】
【0055】つぎに、下記の表1に示す成分を同表に示
す割合で配合し、ミキシングロール機(温度100℃)
で混練した。ついで、冷却した後、粉砕して粉末状のエ
ポキシ樹脂組成物1〜6を作製した。
【0056】
【表1】
【0057】
【実施例1〜18、比較例1〜12】ついで、上記各成
形型1〜8、および、上記エポキシ樹脂組成物1〜6を
用いて、トランスファー成形により前述の構成の半導体
装置〔図5(a)および(b)参照〕を得た。上記各成
形型およびエポキシ樹脂組成物の組み合わせを下記の表
2〜表6に示す。なお、上記トランスファー成形の条件
は、金型温度175℃,注入時間10秒,保圧時間12
0秒,注入・保圧圧力35kg/cm2 に設定した。
【0058】ついで、得られた半導体装置について、反
りの測定を行った。上記反りの測定は、図10(a)お
よび(b)に示すように、シリコンチップ12搭載の基
板10を封止したエポキシ樹脂系封止樹脂層11の角部
を結ぶ2つの直線(直線mと直線n)、および、辺の中
央部を結ぶ2つの直線(直線oと直線p)の4つの直線
位置における反り量を測定した。なお、反り量の測定に
は、マイクロディプスメーター(TECLOCK社製)
を用いた。この4つの直線位置における反り量の測定結
果を下記の表2〜表6に併せて示す。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】上記表2〜表6の結果から、実施例品と比
較例品とを比べると、同一のエポキシ樹脂組成物を用い
た場合、2箇所の注入口が形成された成形型を用いた実
施例品は、1箇所のみの注入口が形成された成形型を用
いた比較例品に比べて最大反り量が低減されていること
がわかる。例えば、エポキシ樹脂組成物1を用い、成形
型1および成形型5を用いた場合を比較(実施例1と比
較例1の比較)すれば、実施例1の最大反り量は比較例
1に比べて40%以上低減された。また、エポキシ樹脂
組成物6を用い、成形型1および成形型5を用いた場合
を比較(実施例6と比較例6の比較)すれば、実施例6
の最大反り量は1250μmで、比較例6の1620μ
mに比べて約23%も低減された。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の成形型の態様を模式的に示す
平面図であり、(b)はその側面図である。
【図2】(a)は本発明の他の成形型の態様を模式的に
示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図3】(a)は本発明のさらに他の成形型の態様を模
式的に示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図4】(a)は本発明の他の成形型の態様を模式的に
示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図5】(a)は半導体パッケージの構成を示す平面図
であり、(b)はその側面図である。
【図6】(a)は従来の成形型の態様を模式的に示す平
面図であり、(b)はその側面図である。
【図7】(a)は従来の他の成形型の態様を模式的に示
す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図8】(a)は従来のさらに他の成形型の態様を模式
的に示す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図9】(a)は従来の他の成形型の態様を模式的に示
す平面図であり、(b)はその側面図である。
【図10】(a)は半導体装置の反りの測定位置を示す
平面図であり、(b)はその側面図である。
【図11】片面樹脂封止の半導体装置の一例を示す構成
図である。
【図12】上記片面樹脂封止の半導体装置において、ヒ
ートシンクを設けた例を示す構成図である。
【図13】ヒートシンクが内蔵された例を示す構成図で
ある。
【符号の説明】
1 封止樹脂層形成領域 2a,3a,2b,3b,5a,5b,6a,6b 注
入口 4 リード基板 8 半導体素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑村 誠 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 池村 和弘 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 福島 喬 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子が搭載されたリード基板を、
    成形型内に設置し、この成形型内に封止用樹脂組成物を
    注入して樹脂封止することにより半導体装置を製造する
    方法であって、上記成形型として、封止用樹脂組成物を
    注入するための注入口が、下記の(X)もしくは(Y)
    の態様で少なくとも2箇所形成された成形型を用いるこ
    とを特徴とする半導体装置の製法。 (X)注入口を成形型の異なる角部にそれぞれ形成す
    る。 (Y)注入口を成形型の角部を挟んだ辺部に形成する。
  2. 【請求項2】 上記リード基板が、その表面に金属配線
    を有するビスマレイミドトリアジン基板であって、しか
    も250℃から25℃にかけての収縮量が0.15〜
    0.35%である請求項1記載の半導体装置の製法。
  3. 【請求項3】 上記リード基板が、絶縁層を介して、下
    記に示す(A)もしくは(B)からなる金属箔層が形成
    された基板、あるいは下記に示す(A)もしくは(B)
    からなる回路配線が形成された基板であって、しかも、
    上記リード基板の250℃から25℃にかけての収縮量
    が0.15〜0.35%である請求項1記載の半導体装
    置の製法。 (A)銅または銅を主体とした銅合金。 (B)アルミニウムまたはアルミニウムを主体としたア
    ミミニウム合金。
  4. 【請求項4】 半導体素子が搭載されたリード基板を封
    止用樹脂組成物で樹脂封止する際に用いられるトランス
    ファー成形用の成形型であって、上記成形型の、封止用
    樹脂組成物を注入するための注入口が、下記の(X)も
    しくは(Y)の態様で少なくとも2箇所形成されている
    ことを特徴とする成形型。 (X)注入口を成形型の異なる角部にそれぞれ形成す
    る。 (Y)注入口を成形型の角部を挟んだ辺部に形成する。
JP29458494A 1994-11-29 1994-11-29 半導体装置の製法およびそれに用いる成形型 Pending JPH08153743A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012111213A (ja) * 2010-11-29 2012-06-14 Richell Corp トランスファー成形法による成形品の製造方法及び該製造方法で製造された成形品
JP2012227463A (ja) * 2011-04-22 2012-11-15 Denso Corp 電子装置の製造方法

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