JPH08153578A - 電子レンジ - Google Patents

電子レンジ

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Publication number
JPH08153578A
JPH08153578A JP29292694A JP29292694A JPH08153578A JP H08153578 A JPH08153578 A JP H08153578A JP 29292694 A JP29292694 A JP 29292694A JP 29292694 A JP29292694 A JP 29292694A JP H08153578 A JPH08153578 A JP H08153578A
Authority
JP
Japan
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cooking
heated
microwave
thawing
excitation
Prior art date
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Pending
Application number
JP29292694A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuki Takahashi
由紀 高橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2個以上の励振口を有するものにおいて、被
加熱物を解凍調理する際に、その被加熱物を中央部も周
辺部も均一に解凍することのできるようにする。 【構成】 切換器13の回転位置によってマグネトロン
12から放射されたマイクロ波が上側の励振口9から加
熱室2内に供給される状態と下側の励振口10から加熱
室2内に供給される状態とを得ることができる。マイク
ロ波が上側の励振口9から供給されるときには調理皿6
の中央部が強く加熱され、下側の励振口10から供給さ
れるときには調理皿6の周辺部が強く加熱されるように
なっている。そして、解凍調理の場合には、マイクロ波
を上側の励振口9から供給する時間が解凍の進行に伴っ
て長い状態から短い状態へと変化し、下側の励振口10
から供給する時間は逆に短い状態から長い状態へと変え
られると共に、マイクロ波の強度も解凍の進行に伴って
次第に弱くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加熱室内へのマイクロ
波の供給制御に改良を施した電子レンジに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、電子レンジでは加熱室の
天井壁もしくは側壁の上部に1個の励振口を有し、マグ
ネトロンにより生成したマイクロ波をこの励振口から加
熱室内に供給して被加熱物を加熱調理するようにしてい
る。この場合、加熱室内の底部には調理皿が設けられ、
被加熱物はその調理皿に載せられるようになっている。
ところが、従来のものでは、マイクロ波の電界強度の分
布パターンから、加熱室内において加熱強度の大きい部
分と小さい部分が生じるため、調理皿の中央部分と周辺
部分とで加熱強度が異なってくることがあり、電子レン
ジにて解凍調理を行う場合、被加熱物の一部は未解凍で
あったり、或いは逆に温められ過ぎて煮えたりする等、
仕上がりにムラが生じることがあった。
【0003】そこで、加熱室の側壁に2個の励振口を設
け、両励振口から加熱室内に放射されるマイクロ波の電
界強度の分布パターンを異ならせて、調理皿の中央部と
周辺部における加熱強度が同等になるようにしたものが
供されている。このものでは、例えば冷凍食品としてシ
ューマイやギョーザのように調理皿上に複数個を分散さ
せて解凍調理を行う場合、調理皿の中央部に配置された
ものも、周辺部に配置されたものも比較的均等に解凍さ
れるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2個の
励振口から放射されるマイクロ波の電界強度の分布パタ
ーンが常に一定で調理皿の中央部と周辺部の加熱強度が
常に同等であると、被加熱物として比較的大きな塊の単
一の食品を解凍調理する場合、被加熱物の中央部と、加
熱室内の雰囲気に晒されて自然に解凍が進んでいく周辺
部とでは解凍調理の進行具合が異なり、やはり、仕上が
りにムラが生じる。上述のシューマイやギョーザ等の加
工済(調理済)冷凍食品は解凍調理後、続けて電子レン
ジにて加熱することになるため、解凍終了時に若干温め
られていても余り問題はないが、魚介類或いは生肉の冷
凍品のように解凍後、刺身として生で食べるものや煮込
み調理等によって旨みを引き出すものは、解凍時の被加
熱物の温度が零度付近にあることが望ましく、特に、生
で食べるものの場合、解凍終了時に加熱し過ぎの部分が
あるとまずくなるという問題点があった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は少なくとも2個以上の励振口を有するも
のにおいて、被加熱物を解凍調理する際に、その被加熱
物を中央部も周辺部も均一に解凍することのできる電子
レンジを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電子レンジは、
加熱室と、マグネトロンと、前記加熱室の室壁に位置を
異ならせて設けられ、前記マグネトロンから供給される
マイクロ波を前記加熱室内に放射するための複数個の励
振口と、これら複数個の励振口を開閉する開閉手段と、
前記開閉手段を制御する開閉制御手段とを具備し、前記
開閉制御手段は、解凍調理時に前記加熱室内の被加熱物
の調理時間の経過と共に前記複数個の励振口の開閉比率
を変化させるように構成されていることを特徴とする
(請求項1)。
【0007】この場合、被加熱物の重量を検出する重量
センサを備え、開閉制御手段は、その重量センサの検出
結果に応じて解凍調理開始時の複数個の励振口の開閉比
率を決定するように構成されていると良い(請求項
2)。さらに、重量センサの検出結果に応じて被加熱物
の解凍調理時間を決定する調理時間設定手段を備えてい
ると良い(請求項3)。
【0008】また、マグネトロンの出力を変化させるマ
イクロ波出力制御手段を備え、このマイクロ波出力制御
手段は解凍調理時間の経過と共にマグネトロンからのマ
イクロ波出力が弱くなるよう制御すると良い(請求項
4)。
【0009】そして、複数個の励振口は、調理室内にマ
イクロ波を放射するときに、電界強度が被加熱物を載置
する調理皿の中央部で大きくなるような位置に設けられ
た一方の励振口と、前記調理皿の周辺部で電界強度が大
きくなるような位置に設けられた他方の励振口とからな
り、開閉制御手段は、解凍調理時間の経過と共に開口比
率を前記一方の励振口については次第に小さくなるよう
に、前記他方の励振口については次第に大きくなるよう
に変化させるよう構成されていると良い(請求項5)。
【0010】この場合、一方の励振口と他方の励振口と
は、加熱室の室壁の上下に設けられ、下側の他方の励振
口は調理皿の近傍に位置するよう構成されていると良い
(請求項6)。
【0011】
【作用】請求項1記載の電子レンジによれば、解凍調理
時において、マグネトロンからマイクロ波が発生する
と、このマイクロ波は複数個の励振口から交互に電界強
度の分布パターンを異ならせて加熱室内に供給される。
このため、開閉手段によりこれら複数個の励振口を開閉
させると、開口している励振口から供給されるマイクロ
波の電界強度パターンに対応して被加熱物のうち、より
強く加熱される部分が或る部分(例えば中央部分)と残
りの部分(例えば周辺部分)とで交互に変わるようにな
る。そして、解凍調理時間の経過と共に複数個の励振口
の開閉比率が変化するので、解凍され難い部分(例えば
中央部分)と解凍され易い部分(例えば周辺部分)とに
対し、より強く加熱される時間と比較的弱く加熱される
時間との比率を、解凍の進行に伴って変えることができ
るので、被加熱物全体を均一に解凍することができる。
【0012】請求項2記載の電子レンジによれば、被加
熱物の重量に応じて解凍調理開始時における複数個の励
振口の開閉比率が決まり解凍調理が開始される。その結
果、被加熱物の重量、すなわち大きさによって解凍され
難い部分の解凍難度が変わるという事情があっても、解
凍調理初期に解凍され難い部分に対し、より強く加熱さ
れる時間と比較的弱く加熱される時間との比率を、解凍
難度に応じて変えることができ、より一層均一に解凍で
きる。
【0013】請求項3記載の電子レンジによれば、被加
熱物の重量に応じて解凍調理時間が決定されて解凍調理
を実行し、解凍調理終了時に被加熱物が過不足なく解凍
される。請求項4記載の電子レンジによれば、解凍調理
時間の経過と共にマグネトロンからのマイクロ波出力が
弱くなるので、加熱強度が順次弱くなり、過剰に加熱さ
れることがない。
【0014】請求項5記載の電子レンジによれば、複数
個の励振口のうち一方の励振口からマイクロ波が供給さ
れると、調理皿に載置されている被加熱物の中央部分を
より強く加熱し、他方の励振口から供給されると調理皿
に載置されている被加熱物の周辺部分をより強く加熱す
る。そして、解凍調理時には、調理時間の経過と共に複
数個の励振口各々の開口比率が変化し、被加熱物の中央
部分は調理開始時は加熱強度が大きく、調理時間の経過
と共に小さくなり、被加熱物の周辺部分は調理開始時は
加熱強度が小さく、調理時間の経過と共に大きくなるた
め、被加熱物全体として過不足なく均一な解凍調理を行
うことができる。
【0015】請求項6記載の電子レンジによれば、下側
の励振口は調理皿の近傍に位置するように構成されてい
るので、下側の励振口から加熱室内に放射されるマイク
ロ波は調理皿に載置された被加熱物に直接吸収され被加
熱物の周辺部位を効率良く加熱することができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図面を参照し
ながら説明する。まず、図2において、外箱1内には内
部を加熱室2とした内箱3が配設されている。前記外箱
1の前面には加熱室2を開閉するための扉4が設けられ
ていると共に、操作パネル5が設けられている。加熱室
2の底部には、図示しない被加熱物が載置される調理皿
6が配設されており、図1に示すように、この調理皿6
は調理皿駆動用モータ7によって回転されるようになっ
ている。さらに、詳しくは図示しないが、この調理皿駆
動用モータ7に設けられた周知の重量センサ8に前記調
理皿6を支持する駆動軸7aが接続され、この重量セン
サ8により被加熱物の重量が検出されるようになってい
る。
【0017】そして、前記加熱室2の室壁のうち右壁部
(内箱の右壁部)2aの上下部にはマイクロ波を供給す
るために複数個、この場合2個の励振口9,10が形成
されており、これら励振口9,10のうち下側の励振口
10は調理皿6の近傍に位置するように構成されてい
る。前記励振口9,10が形成された内箱3の右壁部2
aの裏側には、図3及び図4に示すように、これら励振
口9,10を包囲するようにT字形の導波管11が設け
られており、この導波管11の操作パネル5と反対側側
面にはマグネトロン12が配設されていて、そのアンテ
ナ12aが導波管11内に突設されている。該マグネト
ロン12は図示しないマグネトロン駆動回路に駆動され
て発振動作し、導波管11を介して励振口9,10から
加熱室2内にマイクロ波を供給する。
【0018】なお、上側の一方の励振口9から加熱室2
内にマイクロ波が放射されると、その電界強度は調理皿
6の中央部で大きくなるため、調理皿6に載置される被
加熱物の中央部分が比較的強く加熱されるようになり、
下側の他方の励振口10から加熱室2内にマイクロ波が
放射されると、その電界強度は調理皿6の周辺部で大き
くなるため、調理皿6に載置される被加熱物の周辺部分
が比較的強く加熱されるようになる。
【0019】前記導波管11内には、図1に示すよう
に、.個の励振口9,10の略中央に位置するように切
換器13が導波管11の外側壁部に回動可能に取り付け
られている。この切換器13は直接励振口9,10を開
閉するものではないが開閉手段として機能し、マグネト
ロン12から放射されるマイクロ波が導波管11内を上
側の励振口9,下側の励振口10或は両側の励振口9,
10に向かうように切り換えるようになっている。この
切換器13は回転体としての2枚の平行な円板13a,
13aの間に反射体としての3本の金属製シャフト13
bを円板13a,13aに対して垂直に挟んで構成され
ている。これらシャフト13bは円板13a,13aの
円周部の略4分の1を占める位置に配置されており、電
子レンジのマイクロ波の波長が12.2cmであること
から、マグネトロン12から放射され導波管11を通っ
てシャフト13bに当たるマイクロ波がシャフト13b
の間を通過せず全て反射されるように、シャフト13b
間は12.2cm以下になるよう設定されている。そし
て、導波管11の外側壁部11aの裏側には図示しない
取付具を介して切換器回転用モータ14が取り付けられ
ており、このモータ14の回転軸14aが切換器13の
2枚の円板13aのうち外側のものに連結されている
(図3及び図4では切換器回転用モータ14は省略して
いる)。
【0020】次に、図5において電気的構成について述
べる。制御装置15はマイクロコンピュータ、各種駆動
回路、A/D変換器等を有して構成されており、その入
力としては、重量センサ8、ポテンショメータ16から
の出力信号が与えられる他に、前記操作パネル5に設け
られた各種スイッチ17からの出力信号が与えられるよ
うになっている。さらに、この制御装置15はマイクロ
コンピュータに保有する運転プログラムに従い各種の入
力に応じて調理皿駆動用モータ7、マグネトロン12、
切換器回転用モータ14を駆動制御し、もって運転調理
を実行するようになっている。なお、ポテンショメータ
16からは切換器13の回転角度に応じた値が出力さ
れ、制御装置15はこの値を検出してシャフト13bが
適切な位置に移動するようモータ14を通断電制御する
ようになっている。
【0021】詳しくは後の作用説明にて述べるように、
制御装置15はそのソフトウェア構成により被加熱物を
解凍調理する場合には、被加熱物の重量に応じて調理時
間を決定することや、解凍調理時間の経過と共にマイク
ロ波出力を低下させること、及び切換器13を回転させ
て2個の励振口9,10から加熱室2内へ供給されるマ
イクロ波の放射時間の比率を変化させること等を制御す
るようになっている。従って、この制御装置15は本発
明にいう調理時間設定手段やマイクロ波出力制御手段、
開閉制御手段を含んで構成されているのである。なお、
マイクロ波出力の制御は、マグネトロン駆動回路を介し
てマグネトロン12をデューティー制御することにより
行っている。
【0022】さて、マイクロコンピュータにはメモリが
付属されていて、このメモリには様々な情報が記憶され
ている。以下、本実施例における解凍加熱調理時のメモ
リの記憶情報について説明する。
【0023】マイクロ波による加熱調理、すなわち誘電
加熱によって被加熱物の単位体積中に発生する電力損失
はpは、周波数をf(Hz)、電界強度をE(V/
m)、誘電損をε・tanδとすると次の式で表され
る。
【0024】
【数1】 この電力損失は、誘電体に物理的あるいは化学的な変化
を伴うエネルギーの吸収や発散を生じないならば誘電体
自体を発熱させる加熱電力となる。この式から被加熱物
の誘電損に比例して加熱されることが明らかである。誘
電損は物質により異なり、また物質の状態、例えば温度
によっても異なる。誘電加熱で最も対象となる水につい
ても温度によって誘電損は大きく変化し、特に氷の状態
に比して水の状態では誘電損は非常に大きい。解凍調理
の場合は、調理が進むにつれて被加熱物に含まれる水分
が氷から水に変化するので、この点を考慮しなければな
らない。
【0025】また、被加熱物を加熱するに必要な熱量Q
(cal)は、加熱する方法や手段に関係なく一定で、
被加熱物の重量をM(g)、温度上昇をΔT(℃)、比
熱をc(cal/g・℃)とすると、次の式で表され
る。
【0026】
【数2】 すなわち、一定の温度上昇には、被加熱物の重量が大き
いほど多くの熱量を必要とする。
【0027】そして、誘電加熱の場合、マイクロ波電界
による物質自体の発熱を利用するものであるから、理想
的には熱媒体の加熱エネルギーや熱の伝導時間を考慮す
る必要がなく、加えたマイクロ波電力に比例して昇温さ
せることができるので、電波の発生源から被加熱物に至
る伝送路の損失を考慮したマイクロ波効率をηとし、加
熱時間をt(s)とすると、必要なマイクロ波電力P
(w)は、次の式で求められる。
【0028】
【数3】) また、被加熱物である冷凍食品は、冷凍室から取り出し
たときから解凍は始まっており、特に被加熱物の周辺部
分は表面が室温雰囲気に直接触れるため自然に解凍が進
む。従って、解凍調理開始時は特に被加熱物の中央部の
冷凍状態が保持されているので、被加熱物の周辺部分に
比して中央部分が強く加熱されるように、そして、調理
時間の経過と共に中央部分が解凍された状態になるの
で、周辺部分をより強く加熱するように、調理時間の経
過と共に2個の励振口9,10の開閉比率、すなわち2
個の励振口9,10から加熱室2内に供給されるマイク
ロ波の放射時間の比率を変化させるべく切換器13を回
転させなければならない。
【0029】以上の点からマイクロコンピュータのメモ
リには、凍結調理時における被加熱物の重量と凍結調理
時間との関係、被加熱物の重量と調理開始時の2個の励
振口9,10の開閉比率との関係、及び残り調理時間と
マイクロ波出力との関係、残り調理時間と2個の励振口
9,10の開閉比率との関係が記憶されており、重量セ
ンサ8からの検出信号に基づき、図6のような関係で解
凍調理を実行するようになっている。なお、図6におい
てAは上側の励振口9からの、Bは下側の励振口10か
らのマイクロ波照射時間(秒)を示している。
【0030】次に上記構成の作用を図6も参照して説明
する。加熱室2内に被加熱物である冷凍食品、例えば刺
身用の冷凍魚肉を調理皿6に載置した後、操作パネル5
の各種スイッチ17におけるメニュースイッチの操作に
より「解凍」を選択してスタート操作を行うと、制御装
置15は次の手順で調理動作を実行する。
【0031】まず、制御装置15は重量センサ8からの
検出信号を読み込んで被加熱物(冷凍魚肉)の重量を検
出する。次に、この重量検出結果に基づいて解凍調理時
間を決定し、図6に示すように残り調理時間とマイクロ
波出力及び励振口9,10の開閉比率とが関連付けられ
てメモリに記憶されたデータテーブルから上記のように
決定した解凍調理時間に対応するマイクロ波出力及び励
振口9,10の開閉比率を選択し、解凍調理を開始す
る。そして、その後、1分経過する毎(最後の残り時間
2分を除く)に、上記データテーブルから残り調理時間
に対応するマイクロ波出力及び励振口9,10の開閉比
率を選択して解凍調理を進行させていく。具体的には、
重量検出結果に基づいて解凍調理時間が例えば7分と決
定されると、この解凍調理時間に基づいて図6に示すデ
ータテーブルを参照して決定されたマイクロ波出力26
0Wでマグネトロン12が駆動されて解凍調理が開始さ
れる。同時に、調理開始時の励振口9,10からのマイ
クロ波放射時間の比率が決定され、タイムカウントが開
始される。切換器13一往復の回転動作は30秒周期で
行われるようになっているが、この調理開始当初は最初
の25秒間は切換器13のシャフト13bの位置が下側
の励振口10側(図3参照)に、残り5秒間は上側の励
振口9側(図4参照)に位置するように切換器回転用モ
ータ14が作動するようになっており、マグネトロン1
2から放射されるマイクロ波は、まず上側の励振口9か
ら加熱室2内に供給され、25秒経過すると切換器13
が回転して下側の励振口10から5秒間、加熱室2内に
供給される(図3及び図4においてそれぞれ矢印A及び
Bで示す)。
【0032】上記のマイクロ波出力及び切換器13の回
転動作が2回繰り返されて調理開始時から1分間経過、
すなわち残り時間6分になるとマイクロ波出力が240
Wとなり、切換器回転用モータ14は切換器13を、3
0秒間のうち20秒間はシャフト13bが下側の励振口
10側に、10秒間は上側の励振口9側に位置するよう
に回転させる。
【0033】このように、タイムカウントに伴い図6に
示すようなマイクロ波出力及び励振口9,10からのマ
イクロ波放射時間の比率によって解凍調理が進行する。
そして、残り時間2分になると解凍調理終了時までシャ
フトは上側の励振口9側に位置した状態で切換器13は
回転せず、マイクロ波出力133Wで下側の励振口10
からマイクロ波が加熱室2内に供給される。
【0034】ここで、上側の励振口9からマイクロ波を
供給したときには被加熱物の中央部分が比較的強く加熱
され、下側の励振口10からマイクロ波を供給したとき
には被加熱物の周辺部分が比較的強く加熱される。従っ
て、解凍調理開始時は下側の励振口10に比して上側の
励振口9からマイクロ波が供給される時間を長くするこ
とにより、被加熱物の中央部分をより強く解凍し、中央
部分の解凍が進むにつれて順次、上側の励振口9に比し
て下側の励振口10からマイクロ波が供給される時間を
長くして周辺部分も解凍させ、全体として均一な解凍が
実行されるのである。
【0035】以上のような解凍調理動作中には、解凍調
理時間(7分)が経過したかどうかが常に監視されてお
り、解凍調理時間が経過するとマグネトロン12の駆動
が停止されて、解凍調理動作が終了される。
【0036】このように本実施例によれば、解凍調理時
において、マグネトロン12からマイクロ波が発生し、
このマイクロ波が上側の励振口9から加熱室2内に供給
されると調理皿6に載置される被加熱物の中央部分が比
較的強く加熱されるようになり、下側の励振口10から
加熱室2内にマイクロ波が放射されると調理皿6に載置
される被加熱物の周辺部分が比較的強く加熱されるよう
になる。従って、切換器13を回転させて導波管11内
のマイクロ波の通過経路を切り換えることにより、被加
熱物のうち比較的強く加熱される部分が中央部分と周辺
部分とで交互に変わるようになる。そして、解凍調理時
間の経過と共に上下の励振口9,10各々から加熱室2
内に供給されるマイクロ波の放射時間の比率が変化する
ので、被加熱物のうち解凍され難い部分である中央部分
と解凍され易い部分である周辺部分とに対し、より強く
加熱される時間と比較的弱く加熱される時間との比率
を、解凍の進行に伴って変えることができ、被加熱物全
体を均一に解凍することができる。
【0037】そして、解凍調理開始時に、重量センサ8
からの被加熱物の検出重量に応じて、単位時間(この場
合30秒間)における上側の励振口9からのマイクロ波
放射時間と下側の励振口10からの放射時間との比率が
変化するので、被加熱物の重量によって解凍され難い中
央部分の解凍難度が変わるという事情があっても、解凍
調理開始初期に解凍され難い部分である中央部分に対
し、より強く加熱される時間と比較的弱く加熱される時
間との比率を、解凍難度に応じて変えることができ、よ
り一層均一に解凍できる。すなわち、重量が重い被加熱
物(例えば刺身)では一般に厚さも厚いので、中央部は
周囲温度の影響を受け難く、解凍難度は高いといえ、逆
に重量が軽い被加熱物では一般に厚さも薄いので、中央
部は周囲温度の影響を受け易く、解凍難度は低いといえ
る。このため、重量が重く中央部の解凍難度の高い被加
熱物に対しては解凍初期に中央部が強く加熱される時間
を長くし、逆に重量が軽く中央部の解凍難度が低い被加
熱物に対しては解凍初期に中央部が強く加熱される時間
を短くすることは、均一解凍にとって効果的であるとい
えるものである。
【0038】さらに、解凍調理時間の経過と共に上側の
励振口9と下側の励振口10とからのマイクロ波放射時
間の比率が変化するので、解凍され難い部分である被加
熱物の中央部分に対しては、解凍調理開始時はより強く
加熱される時間が長く、解凍調理時間の経過と共に順次
短くなり、一方、解凍され易い部分である被加熱物の周
辺部分に対しては、解凍調理開始時はより強く加熱され
る時間が短く、解凍調理時間の経過と共に順次長くな
る。従って、被加熱物全体として、より一層均一に良好
な加熱をすることができる。
【0039】また、被加熱物の重量に応じて解凍調理時
間が決定されるので、使用者が調理時間を設定せずとも
良い。しかも、解凍調理時間に対応して解凍調理開始時
のマグネトロン12からのマイクロ波出力が決定される
と共に、そのマイクロ波出力は解凍調理時間の経過に応
じて順次弱められるので、被加熱物のうち解凍の進行に
伴って氷から水に変化した部分が多くなって誘電損が大
きくなる(発熱量が大きくなる)という事情があっても
過剰加熱のおそれがない。しかも、マイクロ波出力の大
きいときに加熱された部分の熱が次にマイクロ波出力が
一段下げられたときに被加熱物全体に伝導されるように
なるので、被加熱物全体が均一に温度上昇するようにな
り解凍調理の終了時には被加熱物全体を均一に解凍する
ことができる。
【0040】そして、2個の励振口9,10は加熱室2
の右壁部2aに上下に設けられており、特に、下側の励
振口10は調理皿6の近傍に位置するので、下側の励振
口10から加熱室2内に放射されるマイクロ波は被加熱
物に直接吸収されて周辺部を効率良く加熱することがで
きる。従って、上側の励振口9のみからのマイクロ波放
射による解凍調理時のように、調理皿6の上にプラスチ
ック製の解凍網を置き、その上に被加熱物を載置して加
熱室2底部に反射されるマイクロ波が効率よく当たるよ
うにする必要がなく、前記解凍網が不要になる。尚、解
凍調理以外の調理ではマイクロ波が両励振口9,10か
ら供給される。また、本願は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば励振口9側に2つの励振口が設けら
れ、合計で3つ以上の励振口を有するものであっても良
い等、種々の変形が可能である。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
電子レンジによれば、次の効果を得ることができる。
【0042】請求項1の発明によれば、解凍調理時にお
いて、マグネトロンから発生するマイクロ波は複数個の
励振口から交互に電界強度の分布パターンを異ならせて
加熱室内に供給されるので、開閉手段によりこれら複数
個の励振口を開閉させると、開口している励振口から供
給されるマイクロ波の電界強度パターンに対応して被加
熱物のうち強く加熱される部分がある部分(例えば中央
部分)と残りの部分(例えば周辺部分)とで交互に変わ
るようになる。そして、解凍調理時間の経過と共に複数
個の励振口の開閉比率が変化し、解凍され難い部分(例
えば中央部分)と解凍され易い部分(例えば周辺部分)
とに対し、より強く加熱される時間と比較的弱く加熱さ
れる時間との比率を解凍の進行に伴って変えることがで
きるので被加熱物全体を均一に解凍することができる。
【0043】請求項2の発明によれば、被加熱物の重量
に応じて解凍調理開始時の複数個の励振口の開閉比率が
決定されるので、被加熱物の重量、すなわち大きさによ
って解凍され難い部分の解凍難度が変わるという事情が
あっても、解凍調理初期に解凍され難い部分に対し、よ
り強く加熱される時間と比較的弱く加熱される時間との
比率を、解凍難度に応じて変えることができ、より一層
均一に解凍できる。
【0044】請求項3の発明によれば、被加熱物の重量
に応じて解凍調理時間が決定されるので、使用者が調理
時間を設定せずとも解凍調理終了時に被加熱物が過不足
なく解凍されて良好な仕上がりとなる。
【0045】請求項4の発明によれば、解凍調理時間の
経過と共にマグネトロンからのマイクロ波出力が弱くな
り、加熱強度が順次弱くなるので、解凍の進行に伴って
被加熱物に含まれる水分のうち氷から水に変化した部分
が多くなって誘電損が大きくなるという事情があっても
過剰加熱のおそれがない。しかも、マイクロ波出力の大
きいとき加熱された部分の熱が次にマイクロは出力が一
段下げられたときに被加熱物全体に伝導されるようにな
るので、被加熱物全体が均一に温度上昇することにな
り、解凍調理の終了時には被加熱物全体を過剰に加熱す
ることなく均一に解凍することができる。
【0046】請求項5の発明によれば、解凍調理時間の
経過と共に、複数個の励振口各々の開口比率を変化さ
せ、被加熱物のうち解凍され難い部分である中央部に対
しては、調理開始時は加熱強度が大きく、解凍調理時間
の経過と共に順次小さくなり、解凍され易い部分である
周辺部に対しては、調理開始時は加熱強度が小さく、解
凍調理時間の経過と共に順次大きくなるので、被加熱物
全体としてより一層均一に解凍することができる。
【0047】請求項6の発明によれば、加熱室の室壁の
上下に設けられた複数個の励振口のうち下側の励振口は
調理皿の近傍に位置するように構成されているので、下
側の励振口から加熱室内に放射されるマイクロ波は調理
皿に載置された被加熱物に直接吸収され被加熱物の周辺
部位を効率良く加熱することができる。従って、上側の
励振口のみからのマイクロ波放射による解凍調理時のよ
うに、調理皿の上に解凍網を載せ、その上に被加熱物を
載置して加熱室底部に反射されるマイクロ波が効率よく
当たるようにする必要がなく、前記解凍網が不要にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す加熱室部分の概略的構
成の縦断正面図
【図2】全体の斜視図
【図3】切換器のシャフトの位置によりマイクロ波が上
側の励振口へ向かって導波管内を通過する様子を示す概
略的構成の縦断側面図
【図4】切換器のシャフトの位置によりマイクロ波が下
側の励振口へ向かって導波管内を通過する様子を示す概
略的構成の縦断側面図
【図5】電気的構成のブロック図
【図6】調理時間と励振口の開閉比率及びマイクロ波出
力との関係を示す図
【符号の説明】
2は加熱室、2aは右壁部(室壁)、6は調理皿、8は
重量センサ、9,10は励振口、12はマグネトロン、
13は切換器(開閉手段)、15は制御手段(開閉制御
手段、調理時間制御手段、マイクロ波出力制御手段)を
示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱室と、 マグネトロンと、 前記加熱室の室壁に位置を異ならせて設けられ、前記マ
    グネトロンから供給されるマイクロ波を前記加熱室内に
    放射するための複数個の励振口と、 これら複数個の励振口を開閉する開閉手段と、 前記開閉手段を制御する開閉制御手段とを具備し、 前記開閉制御手段は、解凍調理時に前記加熱室内の被加
    熱物の調理時間の経過と共に前記複数個の励振口の開閉
    比率を変化させるように構成されていることを特徴とす
    る電子レンジ。
  2. 【請求項2】 被加熱物の重量を検出する重量センサを
    備え、 開閉制御手段は、その重量センサの検出結果に応じて解
    凍調理開始時の複数個の励振口の開閉比率を決定するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1記載の電
    子レンジ。
  3. 【請求項3】 重量センサの検出結果に応じて被加熱物
    の解凍調理時間を決定する調理時間設定手段を備えてい
    ることを特徴とする請求項2記載の電子レンジ。
  4. 【請求項4】 マグネトロンの出力を変化させるマイク
    ロ波出力制御手段を備え、 このマイクロ波制御手段は解凍調理時間の経過と共にマ
    グネトロンからのマイクロ波出力が弱くなるよう制御す
    ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の
    電子レンジ。
  5. 【請求項5】 複数個の励振口は、調理室内にマイクロ
    波を放射するときに、電界強度が被加熱物を載置する調
    理皿の中央部で大きくなるような位置に設けられた一方
    の励振口と、前記調理皿の周辺部で電界強度が大きくな
    るような位置に設けられた他方の励振口とからなり、 開閉制御手段は、解凍調理時間の経過と共に開口比率を
    前記一方の励振口については次第に小さくなるように、
    前記他方の励振口については次第に大きくなるように変
    化させるよう構成されていることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載の電子レンジ。
  6. 【請求項6】 一方の励振口と他方の励振口とは加熱室
    の室壁の上下に設けられ、下側の他方の励振口は調理皿
    の近傍に位置するよう構成されていることを特徴とする
    請求項5記載の電子レンジ。
JP29292694A 1994-11-28 1994-11-28 電子レンジ Pending JPH08153578A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000043270A (ko) * 1998-12-28 2000-07-15 전주범 전자렌지의 해동 조리방법
JP2011222279A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Toyo Eng Works Ltd マイクロ波加熱装置及びマイクロ波加熱方法

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