JPH08152288A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JPH08152288A
JPH08152288A JP25370095A JP25370095A JPH08152288A JP H08152288 A JPH08152288 A JP H08152288A JP 25370095 A JP25370095 A JP 25370095A JP 25370095 A JP25370095 A JP 25370095A JP H08152288 A JPH08152288 A JP H08152288A
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恵津夫 長谷川
Toshiya Nagasawa
聡也 長沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒熱交換部や蒸発部の様な熱容量の異なる
部位を有する熱交換器であっても、好適にろう付けを行
なうことができる熱交換器を提供すること。 【解決手段】 積層型熱交換器は、多数のプレートが積
層されて一体にろう付け接合されたものである。この熱
交換器1は、ジョイントブロック10と、冷媒間で熱交
換させる冷媒熱交換部(α部)20と、冷媒と室内空気
とを熱交換させる蒸発部(エバ部)30とから構成され
ている。冷媒熱交換部20を構成するプレート21の板
厚t1は0.4mmに設定され、蒸発部30のプレート3
1の板厚t2は0.6mmに設定されている。つまり、両
プレート21,31の板厚t1,t2の比t1/t2(=約
0.67)は、0.17≦t1/t2≦0.75の範囲内に
設定されている。また、両プレート21,31の素材
は、アルミニウム合金であり、その表面には、ろう材が
薄膜状に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱交換器に関し、例
えば自動車用空気調和装置等の冷凍サイクルなどに用い
られる積層型等の熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用空気調和装置等の冷凍
サイクルを構成する装置は、圧縮機,凝縮器,受液器,
膨張弁,蒸発器等を備えており、この密閉された回路へ
冷媒を循環させることにより、蒸発器の冷媒と室内空気
とで熱交換を行なって室内を冷却している。そして、こ
の冷凍サイクルにおいては、膨張弁を通って断熱膨張し
た冷媒は、ガスと液との二相流の状態となって蒸発器に
入り、ここで外部より熱を吸収して気化(蒸発)し、等
温膨張を続けて室内空気の冷却作用を果たし、その後、
この膨張した冷媒は過熱蒸気となって圧縮器に吸入され
る。
【0003】また、近年では、前記冷凍サイクルに使用
される装置として、熱交換の性能等の観点から、積層型
の熱交換器が開発されている。この熱交換器は、多くの
管板(=プレート)が積層されたものであり、複数の蒸
発流路を有する蒸発器(=エバ部;以下蒸発部と称す)
や、冷媒流入路及び冷媒流出路が近接して配置された冷
媒熱交換部(=α部)や、冷媒流入路と蒸発部との間に
配置された固定の絞り弁等を備えている。そして、絞り
弁を介して蒸発流路に冷媒を分配して供給することによ
って、冷媒と室内空気との熱交換を行なうとともに、近
接して配置された冷媒流入路及び冷媒流出路に(蒸発部
に流入或は蒸発部から流出する)温度の異なる冷媒を流
すことによって、冷媒同士の熱交換を行なっている(特
開平5−196321号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の熱交換器を製
造する場合には、表面にろう材層を有する同一板厚の板
材を加工して管板を作成し、その管板を(冷媒熱交換部
や蒸発部を構成する様に)積層した状態で、所定の温度
に加熱して一体にろう付けを行なっているが、しばしば
ろう付け不良が発生するという問題があった。
【0005】つまり、素材部分の多い冷媒熱交換部と素
材部分の少ない蒸発部とでは、その構造上、熱容量に大
きな差があるので、どちらかの部位に好適な様にろう付
け温度を設定すると、どうしても(好適に温度設定され
ない)他方の部位にろう付け不良が発生するという問題
があった。
【0006】具体的には、熱容量の低い蒸発部に合わせ
て加熱条件を設定した場合は、熱容量の高い冷媒熱交換
部では昇温スピードが遅くなるため、蒸発部にてろう材
の溶融温度(ろう付け温度)に達してからかなり遅れ
て、冷媒熱交換部がその温度に達する。ところが、冷媒
熱交換部がろう付け温度に達するまで蒸発部を加熱し続
けると、高温状態が過度に長くなって蒸発部の管板その
ものを溶かし、製品に悪影響を及ぼすので、それほど加
熱時間を長くとることができない。その結果、冷媒熱交
換部の加熱温度が不足して半焼きとなり、内部ろう付け
が十分できず、冷媒流路の短絡が発生するという問題が
ある。逆に、熱容量の高い冷媒熱交換器に合わせて加熱
条件を設定した場合は、蒸発部に対して加熱時間が過度
に長くなってしまうので、管板が溶けて製品に悪影響が
出るという問題が発生する。
【0007】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、冷媒熱交換部や蒸発部の様な熱容量の
異なる部位を有する熱交換器であっても、好適にろう付
けを行なうことができる熱交換器を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
・まず、各請求項について説明する。請求項1の発明の
熱交換器は、複数の板材が積層されて形成された複数の
蒸発流路を有し、冷媒と外部雰囲気との間で熱交換を行
なう蒸発部と、複数の板材が積層されて形成されるとと
もに冷媒流入路及び冷媒流出路が近接して配置され、冷
媒同士で熱交換を行なう冷媒熱交換部とが一体にろう付
けされてなる積層型の熱交換器であり、特に、その冷媒
熱交換部の板材の板厚が、蒸発部の板材の板厚よりも薄
くされている。
【0009】この冷媒熱交換部と蒸発部とを一体にろう
付けする場合には、例えば冷媒熱交換部を構成する板材
を(冷媒熱交換部を形成する様に)積層するとともに、
蒸発部を構成する板材を(蒸発部を形成する様に)積層
し、同一工程して加熱することによって、冷媒熱交換部
と蒸発部とを同時にろう付けして熱交換器を形成する。
このとき、従来では、冷媒熱交換部の方が熱容量が大
きいので(即ち蒸発部との熱容量の差が大きいので)、
ろう付けの際の加熱温度や加熱時間の設定が容易ではな
く、その設定の仕方によっては、冷媒流路の短絡が発生
したり板材が溶けてしまう等の問題が発生していたが、
本発明では、冷媒熱交換部の板材の板厚を蒸発部の板材
の板厚よりも薄く設定しているので、冷媒熱交換部と蒸
発部との熱容量が均一化され、よって、上述した短絡や
板材の溶融の発生を抑えることができる。
【0010】請求項2の発明の熱交換器は、冷媒熱交換
部の指標A1と蒸発部の指標A2との比(A1/A2)が、
1/2.2以上2.2以下の範囲である。そのため、両部
位の熱容量が近くなり、所定のろう付け温度にてろう付
けを行なう場合には、両部位共に好適なろう付けを行な
うことが可能となる。
【0011】請求項3の発明では、冷媒熱交換部を構成
する板材の板厚t1と蒸発部を構成する板材の板厚t2と
の比(t1/t2)が、0.17以上0.75以下の範囲で
あるので、両部位の熱容量が近くなる。つまり、この異
なる厚さの板材を用いることにより、前記請求項2と同
様に、所定のろう付け温度にてろう付けを行なう場合に
は、両部位共に好適なろう付けを行なうことが可能とな
る。
【0012】請求項4の発明では、冷媒熱交換部と蒸発
部とが板材を積層して形成されるとともに、両熱交換部
が直接に接合される積層型の熱交換器であるので、この
様な構造の積層型熱交換器の一体ろう付けを好適に行な
うことが可能である。 ・次に、本発明を、図1を参照してより具体的に説明す
る。
【0013】本発明は、熱交換器において、ろう付け不
良を生ずることなく好適に一体ろう付けが可能な条件
を、熱交換器の熱容量に着目して実験研究した結果得ら
れたものである。ここでは、(冷媒熱交換部の指標A1
/蒸発部の指標A2)と、(冷媒熱交換部の板材の厚さ
t1/蒸発部の板材の厚さt2)との関係は、図1に示す
様になる。つまり、本発明では、実験研究によって、一
体ろう付けに好適な範囲は、指標の比A1/A2が、1/
2.2≦A1/A2≦2.2の範囲とされており、これは、
板材の厚さに直すと、板材の厚さの比t1/t2が、0.
17≦t1/t2≦0.75の範囲に相当する。即ち、こ
の範囲であれば、熱交換器を所定のろう付け温度にて好
適に一体ろう付け可能となる。
【0014】尚、前記指標の比A1/A2が2.2を上回
る場合(即ち板厚の比t1/t2が0.75を上回る場
合)に、冷媒熱交換部に好適な様に温度条件を設定した
ときには、蒸発部は高温状態が過度に長くなって、板材
そのもの溶かし、製品に悪影響を及ぼし、逆に蒸発部に
好適な様に温度条件を設定したときには、冷媒熱交換部
は半焼きとなり、内部ろう付けが十分にできず好ましく
ない。一方、指標の比A1/A2が1/2.2を下回る場
合(即ち板厚の比t1/t2が0.17を下回る場合)
に、冷媒熱交換部に好適な様に温度条件を設定したとき
には、蒸発部は半焼きとなり、内部ろう付けが十分にで
きず、逆に蒸発部に好適な様に温度条件を設定したとき
には、冷媒熱交換部は高温状態が過度に長くなって、板
材そのもの溶かし、製品に悪影響を及ぼすことになり好
ましくない。
【0015】また、前記冷媒熱交換部の指標A1及び蒸
発部の指標A2とは、所定の容積における冷媒熱交換部
の素材の割合及び蒸発部の素材の割合を各々示すもので
ある。尚、前記基準容積とは、前記式(1)の分子と分
母とで同一であり、所定の基準となる容積を意味する。
【0016】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の熱交換器の好
適な実施の形態の例(実施例)について説明する。尚、
図2は積層型熱交換器の一部を破断して示す斜視図を示
し、図3は図2のA部分線を拡大して示している。
【0017】本実施例の積層型熱交換器(以下、単に熱
交換器と呼ぶ)は、例えば自動車用冷凍サイクルに用い
られるものであり、多数の板材が積層されて一体にろう
付け接合されたものである。図2及び図3に示す様に、
熱交換器1は、冷凍サイクルの配管に接続され冷媒の導
入および気化後の冷媒を熱交換器1の外に送出するジョ
イントブロック10と、冷媒間で熱交換させる冷媒熱交
換部(α部)20と、冷媒と室内空気とを熱交換させる
蒸発部(エバ部)30とから構成されている。
【0018】前記ジョイントブロック10には、図示し
ない膨張弁から流出した二相状態の冷媒の入口となる流
入口11と、気化後の冷媒を送り出す流出口12とが設
けられている。前記冷媒熱交換部20は、板材(管板=
プレート)21がろう付けにより複数積層されたもので
あり、積層された各プレート21の間に冷媒を流すよう
に構成されている。つまり、図4((a)は正面図、
(b)は(a)のB−B線拡大断面図)に示す様に、プ
レート21は、積層したときに冷媒の流路が形成される
ように平板に凹凸が形成されたものであり、プレート2
1の中央には、縦方向に流路となる複数の溝22が形成
され、プレート21の上下の端部には、冷媒が流れる孔
23,24が穿設されている。
【0019】前記蒸発部30は、前記冷媒熱交換部20
のプレート21とは異なる凹凸を有するプレート31
と、室内空気を効率的に冷却するための波板状のコルゲ
ートフィン32(以下、フィン32と呼ぶ)とが、ろう
付けにより積層されたものである。つまり、図5
((a)は正面図、(b)はその積層状態の断面図)に
示す様に、プレート31は、略長方形の板状で、その上
部に筒形の入口タンク33となる孔34と出口タンク3
5となる孔36とが形成されている。また、このプレー
ト31は、積層したときにプレート31間に冷媒の流路
が形成されるように、外周に対して中央部がくぼんでお
り、この中央部の隔壁37の両側に複数のクロスリブ3
8が形成されている。
【0020】本実施例では、特に前記冷媒熱交換部20
を構成するプレート21の板厚t1は0.4mmに設定さ
れ、蒸発部30のプレート31の板厚t2は0.6mmに
設定されている。つまり、両プレート21,31の板厚
t1,t2の比t1/t2(=約0.67)は、0.17≦t
1/t2≦0.75の範囲内に設定されている。また、両
プレート21,31の素材は、アルミニウム合金(例え
ばJIS;A3003)であり、その表面には、例えば
JIS;A4104からなるろう材が(厚さ;両面15
%の)薄膜状に形成されている。
【0021】従って、本実施例の熱交換器1を製造する
場合には、前記両プレート21,31を積層して、冷媒
熱交換部20及び蒸発部30を組み立てるとともに、冷
媒熱交換部20にジョイントブロック10を取り付け
て、図示しない治具で固定し、そのまま炉内で加熱す
る。この加熱条件として、約40分間でろう付け温度の
570℃まで昇温し、その後この温度以上の状態にに約
5分間保ち、その後冷却する。これによって、両プレー
ト21,31等のろう材が溶融・凝固し、熱交換器1の
一体ろう付けが完了する。
【0022】この様に、本実施例では、冷媒熱交換部2
0のプレート21の板厚t1と蒸発部30のプレート3
1の板厚t2との比t1/t2を、0.4/0.6=約0.6
7と、上述した0.17≦t1/t2≦0.75の好適な範
囲内に設定したので、前記の様に加熱条件を設定した場
合、ろう材の十分な溶融を行なうことができ、しかも加
熱不足となることがないという顕著な効果を奏する。そ
れによって、従来の様に、加熱し過ぎてプレート自体が
溶けてしまうこともなく、半焼き等のろう付け不良に起
因するショートサーキットと呼ばれる冷媒流路の短絡が
発生することもない。
【0023】次に、本実施例の効果を確認するために行
った実験例について説明する。 (実験例1)この実験では、冷媒熱交換部と蒸発部とを
構成する各プレートの厚さが異なる熱交換器の一体ろう
付けを行ない、そのろう付けの状態を観察した。
【0024】具体的には、冷媒熱交換部と蒸発部とのプ
レートの厚さを変え、その場合において、プレートの厚
さ、プレートの厚さの比(t1/t2)、冷媒熱交換部と
蒸発部との同一容積における素材割合、指標の比(A1
/A2)を求め、上述した実施例のろう付け条件にて、
プレートの厚さが異なる熱交換器(試料1〜4)の一体
ろう付けを行なった。尚、各試料No.1〜4において実
験を行なう個数は各々30個とした。その結果を、下記
表1に記す。
【0025】
【表1】
【0026】この表1から明らかな様に、実施例の様に
冷媒熱交換部のプレートの厚さを、例えば0.4mm
(試料No.1)の様に、蒸発部の厚さ0.6mmより薄い
板厚に変更した場合には、冷媒熱交換部の素材に占める
割合(指標A1)が、42%から28%に減少する。つ
まり、上述した指標の比A1/A2が、2.8(=42%
/15%)から約1.9(=28%/15%)に変更さ
れる。また、試料No.2の指標の比A1/A2が2.2の
場合は、ろう付け条件をいろいろ変えて、なんとか好適
にろう付けを行なうことができた。
【0027】これによって、指標の比A1/A2が2.
2、即ち、プレートの厚さの比t1/t2が0.75の場
合が、好適なろう付けができる臨界点であると判断する
ことができる。尚、冷媒熱交換部と蒸発部との密度比が
逆転した場合でも、一方が他方の2.2倍以内であれば
よい訳であるので、指標の比A1/A2の下限は、その逆
数をとって、1/2.2ということになる。更に、これ
に対応するプレートの厚さの比t1/t2は、前記図1か
ら分かる様に、0.17ということになる。これに対し
て、比較例の試料No.3では、上述した指標の比A1/A
2が2.8と大きく、一体ろう付けの好適な範囲外である
ので、好適なろう付けができなかった。また、比較例の
試料No.4では、指標の比A1/A2が2.3とやや大き
く、一体ろう付けの好適な範囲外であるので、好適なろ
う付けができなかった。 (実験例2)この実験は、前記実施例(試料No.2)と
比較例(試料No.3)の熱交換器を組み立て、実際に加
熱してろう付けし、その際の各部位の温度変化等を測定
して、ろう付け状態を観察したものである。
【0028】具体的には、実施例として、冷媒熱交換部
のプレートの板厚t1を0.45mmとしたが、他の板厚
は、前記実験例1と同一(0.6mm)とした。そし
て、この実施例と比較例の熱交換器を炉内に入れて徐々
に加熱するとともに、炉内温度、冷媒熱交換部、蒸発部
の温度を測定した。その結果を、図6に示す。
【0029】実施例を示す図6(a)から明らかな様
に、実施例の熱交換器は、ろう材が溶融する572℃に
着目すると、蒸発部IIが572℃に達してからわずか2
分後に冷媒熱交換部Iが572℃に達している。その後
蒸発部IIと冷媒熱交換部Iとの温度差はわずか5℃の間
隔で推移し、冷媒熱交換部Iが572℃以下になるまで
の約10分間にわたり、ろう材溶融温度以上に保たれる
ことになる。
【0030】つまり、実施例の熱交換器の場合、蒸発部
IIと冷媒熱交換部Iとは、ほぼ同じタイミングでろう材
の溶融がはじまり、長い時間にわたってろう材が溶融状
態保たれる。その結果、ろう材が十分に必要箇所にゆき
渡るので、ろう付けのむらがなくなり、短絡が防止され
る。また、冷媒熱交換部Iが572℃に達するまでの期
間、過度に蒸発部IIが加熱されることがないので、プレ
ートの溶融による破損が防止できることが分かる。
【0031】一方、比較例を示す図6(b)から明らか
な様に、比較例の熱交換器は、同じくろう材が溶融する
572℃に着目すると、蒸発部IIが572℃に達してか
ら5分間も経過してから冷媒熱交換部Iが572℃に達
している。その後蒸発部IIと冷媒熱交換部Iとの温度差
は大きな温度差である12℃の間隔で推移し、冷媒熱交
換部Iが572℃以下になるまでのわずかな期間だけ、
ろう材溶融温度以上に保たれることになる。
【0032】つまり、比較例の熱交換器の場合、蒸発器
IIがろう材の溶融温度に達してからも冷媒熱交換部Iは
長い期間にわたりその温度に達せず、冷媒熱交換部Iを
ろう付け可能にするには蒸発部IIは過度に高温の期間を
続ける必要があるので、プレートは損傷してしまう。し
かも、その損傷を押さえるために加熱時間を短くする
と、冷媒熱交換部Iがろう材の溶融温度に達してからわ
ずかの期間で温度が低下することになるので、冷媒熱交
換部Iに関しては十分にろう材が溶融せず、ろう付けの
むらが生じてろう付け不良となることが分かる。
【0033】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱交換器の原理を説明する説明図で
ある。
【図2】 本実施例の熱交換器を一部破断して示す斜視
図である。
【図3】 熱交換器の図2におけるA部分を拡大して示
す説明図である。
【図4】 冷媒熱交換部のプレートを示し、(a)はそ
の一部を破断して示す正面図、(b)はそのB−B断面
図である。
【図5】 蒸発部のプレートを示し、(a)はその一部
を破断して示す正面図、(b)はその積層状態を示す説
明図である。
【図6】 実験例2による熱交換器の温度変化を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1…熱交換器、 10…ジョイントブ
ロック、20…冷媒熱交換部、 30…蒸発
部、21,31…プレート(板材,管板)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の板材が積層されて形成された複数
    の蒸発流路を有し、冷媒と外部雰囲気との間で熱交換を
    行なう蒸発部と、 複数の板材が積層されて形成されるとともに冷媒流入路
    及び冷媒流出路が近接して配置され、冷媒同士で熱交換
    を行なう冷媒熱交換部と、 が一体にろう付けされてなる積層型の熱交換器におい
    て、 前記冷媒熱交換部の板材の板厚が、前記蒸発部の板材の
    板厚よりも薄いことを特徴とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 下記式(1)で指標Aを定義した場合、 【数1】 前記冷媒熱交換部の指標A1と蒸発部の指標A2との比
    (A1/A2)を、 下記式(2)の範囲に設定したことを特徴とする前記請
    求項1記載の熱交換器。 【数2】
  3. 【請求項3】 前記冷媒熱交換部を構成する板材の板厚
    t1と前記蒸発部を構成する板材の板厚t2との比(t1
    /t2)が、下記式(3)の範囲であることを特徴とす
    る前記請求項1記載の熱交換器。 【数3】
  4. 【請求項4】 前記冷媒熱交換部と蒸発部とが直接にろ
    う付けにて接合されたものであることを特徴とする前記
    請求項1〜3のいずれか記載の熱交換器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006043864A1 (en) * 2004-10-21 2006-04-27 Alfa Laval Corporate Ab A plate heat exchanger and a plate module
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CZ302437B6 (cs) * 2001-07-05 2011-05-18 Denso Corporation Zpusob výroby tepelného výmeníku
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