JPH08152192A - 天井設備機器取付方法および天井設備機器設置用ボルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 傾斜した天井設備機器設置用ボルトに対して
も、簡単に天井設備機器の取付孔を合わせることがで
き、取付作業性の向上を図ることができる天井設備機器
取付方法を提供する。 【構成】 ボルト１４の先端に、可撓性を有する棒状の
取付孔案内具１７を着脱自在に取り付け、この取付孔案
内具１７を介して取付孔１６をボルト１４に案内する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、天井設備機器を建物の
天井に取り付ける天井設備機器取付方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、空調装置や照明機器といった天
井設備機器を建物の天井に取り付ける際には、図１に示
すように、天井壁１０から離隔配置されて天井裏１１を
画成する天井板１２に取付用開口１３を設け、この取付
用開口１３に天井設備機器Ｍ１、Ｍ２をはめ入れる。か
かるはめ入れによって天井設備機器Ｍ１、Ｍ２が天井Ｃ
Ｅから下方に突出することを防止し、建物の天井ＣＥの
見栄えをよくしている。

【０００３】天井設備機器Ｍ１、Ｍ２の重量を支持する
のは、天井壁１０に固定されて下方に延びる天井設備機
器設置用ボルト１４である。このボルト１４は、二股状
の基端を天井壁１０内に埋め込まれて固定され、先端に
締められるナット１５を介して天井設備機器Ｍ２を支持
する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】天井設備機器設置用ボ
ルト１４は、しばしば天井壁１０に傾斜して固定され
る。かかる場合に、天井設備機器Ｍ１、Ｍ２を天井ＣＥ
に取り付けようとすると、天井設備機器Ｍ１、Ｍ２自体
は取付用開口１３によって水平移動をある程度規制され
ていることから、天井設備機器設置用ボルト１４の先端
と天井設備機器の取付孔１６とが位置ずれを起こす。し
たがって、ボルト１４の先端を取付孔１６に挿入させる
ことが難しくなる。特に、複数のボルト１４に対応取付
孔１６を合わせる場合には、１つのボルトを取付孔に挿
入させた後、このボルトを変形矯正しながら他のボルト
を取付孔に挿入する必要がある。この結果、取付作業性
が悪化し、作業時間の長期化を招いている。しかも、作
業者は、脚立の上に立ちながら顔を天井に向けて作業を
行うため、作業姿勢が異常になりやすく、作業者の負担
が重かった。

【０００５】特に、空調設備の保守点検を行う場合、最
寄りの照明機器Ｍ２を天井ＣＥから取り外して、これに
よって開放状態になった取付用開口１３を利用して、作
業者が天井裏１１にもぐり込んだり、隣接する空調設備
機器Ｍ１を点検することが多い。したがって、天井設備
機器Ｍ２を再び天井ＣＥに取り付け直す際に、ボルト１
４が天井設備機器Ｍ２の取付孔１６に簡単に挿入されれ
ば、保守点検の作業時間を短縮することが可能である。

【０００６】本発明は、上記実情に鑑みなされたもの
で、傾斜した天井設備機器設置用ボルトに対しても、簡
単に天井設備機器の取付孔を合わせることができ、取付
作業性の向上を図ることができる天井設備機器取付方
法、およびその方法に使用される天井設備機器設置用ボ
ルトを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第１発明によれば、建物の天井壁に固定されて下方
に延びるボルトに、天井設備機器の対応する取付孔を合
わせて、天井壁から離隔配置された天井板に設けられた
取付用開口に天井設備機器をはめ入れて、天井設備機器
を建物の天井に取り付ける天井設備機器取付方法におい
て、ボルトの先端に、可撓性を有する棒状の取付孔案内
具を着脱自在に取り付け、この取付孔案内具を介して前
記取付孔をボルトに案内することを特徴とする天井設備
機器取付方法が提供される。

【０００８】また、第２発明によれば、基端を建物の天
井壁に固定されて下方に延び、先端に締められるナット
を介して、天井壁から離隔配置された天井板に合わせて
天井設備機器を支持する天井設備機器設置用ボルトにお
いて、先端に、天井板から下方に突出する取り外し可能
な可撓性の棒状取付孔案内具を備えることを特徴とする
天井設備機器設置用ボルトが提供される。

【０００９】

【作用】上記第１発明の構成によれば、取付孔案内具を
撓ませてその先端を取付孔に進入させる。続いて、取付
孔案内具を通じてボルトを変形矯正させながら天井設備
機器を上昇させていく。取付孔がボルトの先端に位置決
めされながら、天井設備機器は天井に取り付けられる。

【００１０】また、第２発明の構成によれば、第１発明
の実施に欠かせないボルトが提供される。

【００１１】

【実施例】以下、添付図面を参照しつつ本発明の好適な
実施例を説明する。

【００１２】図１に示すように、鉄筋コンクリート製建
物の天井ＣＥは、コンクリートスラブからなる天井壁１
０と、この天井壁１０に離隔配置されて天井壁１０との
間に天井裏１１を画成する天井板１２とを備える。天井
壁１０には、所定位置に複数の天井設備機器設置用ボル
ト１４が固定されて下方に延びている。天井板１２に
は、天井設備機器設置用ボルト１４に対応して、天井設
備機器Ｍ１、Ｍ２を受容する複数（本実施例では２つ）
の取付用開口１３が互いに隣接して設けられる。

【００１３】一方の取付用開口１３には、室内の温度や
湿度を調整する空調装置Ｍ１がはめ込まれ、他方の取付
用開口１３には、蛍光灯を用いて室内を明るくする照明
機器Ｍ２がはめ込まれている。照明機器Ｍ２は、天井設
備機器設置用ボルト１４の先端に締められたナット１５
を介して、天井板１２に合わせて天井設備機器設置用ボ
ルト１４によって支持される。

【００１４】次に、本発明に従って、照明機器Ｍ２を天
井ＣＥに取り付ける天井設備機器取付方法を説明する。
建物の建築時に、天井設備機器設置用ボルト１４が天井
壁１０に傾斜して固定された場合を想定する。この場
合、天井設備機器設置用ボルト１４の先端と、照明機器
Ｍ２の取付孔１６との間には、図２に示すように、位置
ずれＤが発生している。

【００１５】まず、図３（Ａ）に示すように、天井設備
機器設置用ボルト１４の先端に、可撓性を有する棒状の
取付孔案内具１７を着脱自在に取り付ける。図３（Ｂ）
に示すように、天井設備機器Ｍ２を徐々に持ち上げてい
き（矢示Ａ）、取付孔案内具１７を撓ませつつその先端
を天井設備機器Ｍ２の取付孔１６に挿入する。取付孔案
内具１７を介して取付孔１６を天井設備機器設置用ボル
ト１４の先端へと案内しながらさらに天井設備機器Ｍ２
を上昇させ続ける。天井設備機器設置用ボルト１４に
は、取付孔１６間のピッチに合わせるように相互に寄せ
合わせる矯正力（矢示Ｂ、Ｂ１）が働き、取付用開口１
３によって水平移動を規制させながらも天井設備機器Ｍ
２の上昇（矢示Ｃ）が可能となる。このとき、傾斜して
いる天井設備機器設置用ボルト１４に取付孔案内具１７
を通じて作業者の人力によって積極的に矯正力を加えな
がら天井設備機器Ｍ２を上昇させると、天井設備機器Ｍ
２はほぼ水平な姿勢を保ちながら上昇することができ
る。

【００１６】最終的に全ての天井設備機器設置用ボルト
１４の先端が取付孔１６に挿入された時点で、取付孔案
内具１７をねじ抜き方向に回転させて抜き取り、天井設
備機器設置用ボルト１４の先端にナット１５を締める
（図１参照）。その後、蛍光灯や照明カバーを取り付け
れば、天井設備機器Ｍ２の天井ＣＥへの取り付けは完了
する。

【００１７】この方法によれば、天井設備機器設置用ボ
ルト１４が天井壁１０に傾斜して固定されていても、取
付孔案内具１７を用いてこの天井設備機器設置用ボルト
１４を変形矯正しながら天井設備機器設置用ボルト１４
を照明機器Ｍ２の取付孔１６に容易に挿入することがで
きる。したがって、照明機器Ｍ２の取付作業性が向上
し、作業時間の短縮化を図れる。

【００１８】特に、空調装置Ｍ１の保守点検を行う場
合、最寄りの照明機器Ｍ２を天井ＣＥから取り外して、
これによって開放状態になった取付用開口１３を利用し
て、作業者が天井裏１１にもぐり込んだり、隣接する空
調設備Ｍ１を点検することが多い。したがって、照明機
器Ｍ２を再び天井ＣＥに取り付け直す際に、天井設備機
器設置用ボルト１４を簡単に取付孔１６に挿入すること
ができるので、保守点検の作業時間をも短縮することが
可能である。

【００１９】上記方法によって使用された取付孔案内具
１７をさらに詳細に説明する。この取付孔案内具１７
は、例えば、中空の筒状合成樹脂製部材から構成され
る。取付孔案内具１７の先端には、図４に示すように、
天井設備機器設置用ボルト１４先端のねじ山部の直径よ
りもやや小さい内径を有する連結部１７ａが設けられ
る。この連結部１７ａによれば、十分な連結力を発揮し
つつ、天井設備機器設置用ボルト１４に対する相対回転
によって取付孔案内具１７を容易に取り付け、取り外し
することができる。

【００２０】この連結部１７ａは、取付孔案内具１７の
可撓性を利用して、天井設備機器Ｍ１、Ｍ２の重量が作
用した場合でも連結を保持しうる締め付け力を有するこ
とが望ましい。連結部１７ａに、天井設備機器設置用ボ
ルト１４の雄ねじに合った雌ねじを埋め込んでおき、ね
じ結合によって連結力を発揮させてもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上のように第１発明によれば、たとえ
ボルトが天井壁に傾斜して固定され、天井設備機器の取
付孔に位置が一致しない場合でも、取付孔案内具を用い
てボルトを変形矯正させてボルトを取付孔に挿入させる
ことができる。

【００２２】また、第２発明によれば、第１発明の実施
に欠かせないボルトが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】建物の天井の構造を示す概略断面図である。

【図２】傾斜した天井設備機器設置用ボルトを示す作用
説明図である。

【図３】天井設備機器の天井への取付方法を説明する作
用図である。

【図４】取付孔案内具の縦断面図である。

【符号の説明】

１０ 天井壁，１２ 天井板，１３ 取付用開口，１４
天井設備機器設置用ボルト，１５ ナット，１７ 取
付孔案内具，ＣＥ 天井，Ｍ２ 天井設備機器

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物の天井壁に固定されて下方に延びる
   ボルトに、天井設備機器の対応する取付孔を合わせて、
   天井壁から離隔配置された天井板に設けられた取付用開
   口に天井設備機器をはめ入れて、天井設備機器を建物の
   天井に取り付ける天井設備機器取付方法において、 ボルトの先端に、可撓性を有する棒状の取付孔案内具を
   着脱自在に取り付け、この取付孔案内具を介して前記取
   付孔をボルトに案内することを特徴とする天井設備機器
   取付方法。
2. 【請求項２】 基端を建物の天井壁に固定されて下方に
   延び、先端に締められるナットを介して、天井壁から離
   隔配置された天井板に合わせて天井設備機器を支持する
   天井設備機器設置用ボルトにおいて、 先端に、天井板から下方に突出する取り外し可能な可撓
   性の棒状取付孔案内具を備えることを特徴とする天井設
   備機器設置用ボルト。