JPH08150771A - カラーフィルタ製造方法およびカラーフィルタ印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクに対するごみなどの異物の混在が少な
くなり、印刷時間の短縮化も可能なカラーフィルタ印刷
機を提供する。 【構成】 ロール状の凹版31が回転すると、インク溜め
32内の着色インク27をインク供給ロール34により凹版31
の外周面に供給し、外周面の凹パターン内に保持する。
凹版31は余剰インクを除去した状態でブランケット37と
接合し、表面にパターンを転移させる。ブランケット37
を取り付けたシリンダ38は、水平方向に移動する透明基
板11の被転写面11a とも接合し、所定パターンの着色イ
ンク27を連続的に透明基板11の被転写面11a に転写す
る。透明基板11の被転写面11a を下向きに保持している
ので、異物の付着量が大幅に減少する。着色インク27が
供給される凹版31がロール状のため、上向きの凹版21に
比べ、凹版31に供給された着色インク27中に異物が混在
し難く、ごみや異物による不良品の発生を大幅に低減で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、たとえばカラー液晶デ
ィスプレイに用いられるカラーフィルタの製造方法およ
びカラーフィルタ印刷機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、カラー液晶表示器には、各画素
部分をそれぞれ赤（Ｒ）、緑（Ｇ）および青（Ｂ）の三
原色に色分けしたカラーフィルタが用いられている。そ
して、このカラーフィルタは、図３で示すように、透明
基板11上に、赤，緑および青の三色を区分する光遮断層
12およびこの光遮断層12によって区分された領域に設け
られる赤、緑および青のカラーフィルタ部13、さらに、
これらカラーフィルタ部13に対するオーバーコート層14
および透明電極15を順次積層形成したものである。

【０００３】このような構成のカラーフィルタ16におけ
るカラーフィルタ部13の形成に際しては、印刷法、顔料
分散法、染色法および電着法などが用いられている。こ
れらのうち、顔料分散法、染色法あるいは電着法など
は、開発が先行し既に実用化されているが、工程が複雑
でコストが下がらない。

【０００４】これに対し、印刷法は低コスト化が可能な
技術として注目を浴び、開発が進められており、カラー
フィルタの製造には凹版オフセット印刷法が用いられ
る。

【０００５】ここで、この凹版オフセット印刷法および
この凹版オフセット印刷法に用いる凹版オフセット印刷
機について、図４および図５を参照して説明する。

【０００６】図４において、18は台車で、この台車18は
横方向に沿って移動可能に構成され、この台車18の上面
の同一直線上には、版定盤19および基板定盤20が所定間
隔で配置固定されている。また、版定盤19上には、所定
の凹パターンが形成された凹版21が固定され、基板定盤
20上には、図３で説明したカラーフィルタ16用の透明基
板11が固定されている。

【０００７】さらに、凹版21の上方にはインク付与装置
であるスキージ23が配設され、この凹版21に形成された
凹パターンにインクを付与する。また、24はドクタで、
スキージ23の近くにはドクタ24が配設され、このスキー
ジ23により凹版21に付与されたインクのうち余分なイン
クを掻き取る。

【０００８】また、台車18の上方に配置されたシリンダ
26の外周面にはインクの転移媒体であるブランケット25
が取り付けられている。さらに、シリンダ26は回転可能
に支持されており、台車18の移動に伴ってこの台車18上
を転動し、ブランケット25が凹版21の上面および透明基
板11の上面とそれぞれ接合するように設定されている。

【０００９】そして、凹版21上にはスキージ23により、
図５（ａ）で示すように、所定の色に着色された着色イ
ンク27が付与される。このうち余分な着色インク27はド
クタ24によって図５（ｂ）で示すように掻き取り、凹パ
ターン内のみに着色インク27を保持させる。この状態
で、図４で示した台車18を移動させると、シリンダ26の
外周に取り付けたブランケット25は凹版21上に接しなが
ら回転し、図５（ｃ）で示すように、凹パターンに保持
された着色インク27はブランケット25に転移される。

【００１０】その後、図４で示した台車18の移動がさら
に進むと、シリンダ26の外周に取り付けられたブランケ
ット25は、図５（ｄ）で示すように、透明基板11上と接
しながら回転し、前述のように表面に転移した着色イン
ク27を透明基板11上に転写する。このため、透明基板11
上には凹版21に形成されたパターンが着色インク27によ
って印刷される。

【００１１】このようにして、赤、緑および青の各色の
着色インク27による所定のパターンを順次透明基板11上
に印刷し、カラーフィルタ16を作成する。

【００１２】このような従来のカラーフィルタ製造方法
では、上述した着色作業は、赤、緑および青の各色毎に
着色インク27を交換して行なっている。しかし、着色イ
ンク27の交換は非常に不便であり、各色毎の着色インク
に合わせた製造条件の設定が困難であり、製造リードタ
イムがかかり過ぎている。さらに、着色インク27の転移
および転写が別々に行なわれるため、タクトタイムも多
くかかっている。

【００１３】また、図４で示したように、凹版21が平板
で、着色インク27が付与される凹パターンが上向きとな
る状態で使用されるため、着色インク27中に異物が混在
し易く、異物混入による不良が発生し易すい。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来のカ
ラーフィルタ製造方法では、着色インク中に異物が混在
し易く、また、着色インクの転移と転写が別々に行なわ
れるため、タクトアップが望めず、着色インクの交換が
不便であるなどの問題を有している。

【００１５】本発明は、インクに対するごみなどの異物
の混在が少なくなり、印刷時間の短縮化も可能となるカ
ラーフィルタ製造方法およびカラーフィルタ印刷機を提
供することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載のカラーフ
ィルタ製造方法は、透明基板にインクを転写してカラー
フィルタを製造するカラーフィルタ製造方法において、
前記透明基板の被転写面を下向きにし、この被転写面に
下方からインク転移、転写媒体を圧接させ、インクを前
記透明基板に転写するものである。

【００１７】請求項２記載のカラーフィルタ印刷機は、
透明基板にインクを転写してカラーフィルタを製造する
カラーフィルタ印刷機において、透明基板の被転写面を
下向きに保持し、この被転写面方向に沿って移動可能な
基板定盤と、外周面に凹パターンが形成され、この凹パ
ターンに供給されるインクを転移、転写媒体を介して前
記被転写面に転写させる回転可能なロール状の凹版とを
具備したものである。

【００１８】請求項３記載のカラーフィルタ印刷機は、
透明基板にインクを転写してカラーフィルタを製造する
カラーフィルタ印刷機において、透明基板の被転写面を
下向きに保持し、この被転写面方向に沿って移動可能な
基板定盤と、互いに異なる色の複数のインク毎に設けら
れ、前記透明基板の移動方向に沿って順次配置されてお
り、外周面に凹パターンが形成され、この凹パターンに
供給されたインクをそれぞれ転移、転写媒体を介して前
記被転写面に順次転写させる各色毎に配設された回転可
能なロール状の凹版とを具備したものである。

【００１９】請求項４記載のカラーフィルタ印刷機は、
請求項２または３記載のカラーフィルタ印刷機におい
て、透明基板の被転写面に接して、この被転写面に付着
したごみを除去するごみ取り機構を有するものである。

【００２０】

【作用】請求項１記載のカラーフィルタ製造方法は、透
明基板のインクが転写される面が下方を向いているの
で、印刷工程中における基板上への異物の付着を防止で
き、異物付着による不良発生を防止できる。

【００２１】請求項２記載のカラーフィルタ印刷機は、
凹版をロール状としたので、この凹版へのインク供給、
余剰インクの除去、媒体への転移、媒体による転写を連
続して行なえ、印刷時間の短縮を図れ、また、凹版がロ
ール状であるため、平板状の場合に比べ、インク中へ異
物が混在し難くなり、透明基板のインクが転写される面
が下を向いたことによる異物の付着を防止できる効果と
相俟って異物混在による不良発生を防止する。

【００２２】請求項３記載のカラーフィルタ印刷機は、
同一の透明基板に対して複数の着色インクを順次転写で
き、面倒なインク交換作業を要せず、カラーフィルタの
印刷時間を短縮する。

【００２３】請求項４記載のカラーフィルタ印刷機は、
請求項２または３記載のカラーフィルタ印刷機におい
て、ごみ取り機構により透明基板の被転写面に付着した
ごみを除去するので、印刷工程におけるごみの付着をよ
り確実に防止する。

【００２４】

【実施例】以下、本発明の一実施例のカラーフィルタ印
刷機を図面を参照して説明する。なお、従来例に対応す
る部分には、同一符号を付して説明する。

【００２５】図１において、図３で示したカラーフィル
タ16を構成する透明基板11は、印刷される被転写面11a
が下向きとなるように、基板定盤20の下面に、たとえば
バキュームチャックなどによって取り付けられている。
そして、この基板定盤20は、透明基板11の被転写面11a
に沿う方向、すなわち水平方向に移動可能に構成されて
いる。

【００２６】また、31はロール状に形成された凹版で、
この凹版31は一定の曲率をなす外周面には凹パターンが
形成され、外周方向に沿って回転可能に支持されてお
り、回転に伴い外周面には、インク溜め32内に貯溜され
た着色インク33がインク供給ロール34によって供給され
る。さらに、この凹版31の外周面にはドクタ35が接触し
ており、凹版31の外周面から余分なインクを除去する。

【００２７】さらに、ロール状凹版31の外周面にはシリ
ンダ38の外周面に一体的に取り付けられた転移・転写媒
体であるブランケット37が接した状態で、その外周方向
に沿って回転可能に支持されている。また、このブラン
ケット37は、基板定盤20の水平方向の移動に伴い、その
外周面が透明基板11の被転写面11a と接するように設定
されている。

【００２８】次に、上記実施例の動作について説明す
る。

【００２９】まず、ロール状の凹版31が右回りに回転す
ると、インク溜め32内の着色インク33は、インク供給ロ
ール34により凹版31の外周面に供給され、凹版31の外周
面に形成された凹パターン内に保持される。また、この
外周面における余剰インクは、凹版31が右回りに回転す
ることにより、その外周面に接するドクタ35によってか
き落とされ、除去される。

【００３０】また、ロール状の凹版31は、余剰インクが
除去された状態でブランケット37と接合し、凹パターン
に保持された着色インク33をブランケット37の表面にパ
ターン状に転移させる。そして、ブランケット37を取り
付けたシリンダ38は、ロール状の凹版31との接合により
左回りに回転する。また、このブランケット37を取り付
けたシリンダ38は、上部において水平方向に移動する透
明基板11の被転写面11a とも接合する。このため、凹版
31からブランケット37上に転移した所定パターンの着色
インク33は、シリンダ38が半回転することにより透明基
板11の被転写面11a に達し、シリンダ38の回転および透
明基板11の左方への水平移動が継続することにより、連
続的に透明基板11の被転写面11a に転写される。この結
果、透明基板11への所定パターンの印刷が完了する。

【００３１】ここで、透明基板11の被転写面11a は、基
板定盤20により下向きに保持されているので、図４で示
す透明基板11の被転写面が上向きの従来構造に比べ、ご
みなどの異物の付着量は大幅に減少する。また、着色イ
ンク33が供給される凹版31がロール状であるため、同じ
く図４で示した従来の平板状で、上向きの凹版21に比
べ、凹版31に供給された着色インク33中に異物が混在し
難くなる。これらの結果、ごみや異物による不良品の発
生を大幅に低減することができる。

【００３２】また、ロール状凹版31およびシリンダ38の
回転により、ロール状の凹版31への着色インク33の供
給、ドクタ35による余剰インクの除去、ブランケット37
に対する凹版31からの着色インク33の転移、このブラン
ケット37からの透明基板11の被転写面11a への転写がそ
れぞれ連続して行なわれる。このため、これらがそれぞ
れ別個に独立して行なわれる従来方法に比べ、印刷時間
を短縮することができる。

【００３３】また、図２で示す実施例は、複数色のパタ
ーン印刷を行う場合の装置構成を示している。この場合
は、基板定盤20に保持された透明基板11の水平移動方向
に沿って、図１で示したものと基本的に同じ構成の転写
装置を、順次直列に配置し、色別された着色インク27R
，27G ，27B により順次所定のパターンを透明基板11
の被転写面11a 上に転写させるものである。

【００３４】ここで、27R は赤色の着色インク、27G は
緑色の着色インク、27B は青色の着色インクで、これら
着色インク27R ，27G ，27B は対応するロール状の凹版
31R，31G ，31B に供給された後、対応するブランケッ
ト37R ，37G ，37B に転移される。このため、水平移動
する透明基板11の被転写面11a がこれらブランケット37
R ，37G ，37B と順次接合することにより、各色毎のパ
ターンが被転写面11aに転写され、図３で示した赤、緑
および青のカラーフィルタ部13を有するフィルタ基板が
完成する。

【００３５】なお、この場合、ロール状の各凹版31R ，
31G ，31B およびこれら凹版31R ，31G ，31B と対応す
る各ブラケット37R ，37G ，37B はある一定の曲率に設
定し、同期比は１：１であるものとする。また、各ブラ
ケット37R ，37G ，37B と透明基板11の被転写面11a と
のギャップはニップが均一にとれるものとする。

【００３６】このように構成すると、赤、緑および青の
３色の転写印刷が連続的に行なわれるので、図４で示し
た従来装置のように、各色毎の着色インクの交換を要す
ることはなく大幅な印刷時間の短縮が可能となる。もち
ろん、図１に示す装置と同様に、透明基板11の被転写面
11a が下向きに保持されたことによるごみなどの異物付
着量の減少、凹版31がロール状であることによる着色イ
ンク27中への異物混在の減少の効果が生じ、ごみや異物
による不良品の発生も大幅に低減する。

【００３７】なお、図２において、41はごみ取り機構
で、このごみ取り機構41は透明基板11の被転写面11a に
接する２個のごみ取りロール42および共通のクリーンロ
ール43からなり、被転写面11a に付着したごみを除去す
る。したがって、透明基板11の被転写面11a は下向きに
保持されているので、ごみの付着量はもともと少ない
が、このようにごみ取り機構41を設けたことにより、一
層確実にごみの付着を防止できる。

【００３８】

【発明の効果】請求項１記載のカラーフィルタ製造方法
によれば、透明基板のインクが転写される面が下方を向
いているので、印刷工程中における基板上への異物の付
着を防止でき、異物付着による不良発生を防止できる。

【００３９】請求項２記載のカラーフィルタ印刷機によ
れば、凹版をロール状としたので、この凹版へのインク
供給、余剰インクの除去、媒体への転移、媒体による転
写を連続して行なえ、印刷時間の短縮を図れ、また、凹
版がロール状であるため、平板状の場合に比べ、インク
中へ異物が混在し難くなり、透明基板のインクが転写さ
れる面が下を向いたことによる異物の付着を防止できる
効果と相俟って異物混在による不良発生を防止できる。

【００４０】請求項３記載のカラーフィルタ印刷機によ
れば、同一の透明基板に対して複数の着色インクを順次
転写でき、面倒なインク交換作業を要せず、カラーフィ
ルタの印刷時間を短縮できる。

【００４１】請求項４記載のカラーフィルタ印刷機によ
れば、請求項２または３記載のカラーフィルタ印刷機に
おいて、ごみ取り機構により透明基板の被転写面に付着
したごみを除去するので、印刷工程におけるごみの付着
をより確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のカラーフィルタ印刷機を示
す正面構成図である。

【図２】同上他の実施例に用いる印刷機の構成例を示す
正面構成図である。

【図３】同上カラーフィルタの構造を示す斜視図であ
る。

【図４】従来例のカラーフィルタ印刷機を示す正面図で
ある。

【図５】同上カラーフィルタ印刷機による印刷工程を示
す工程図である。

【符号の説明】

11 透明基板 11a 被転写面 31 凹版 27 着色インク 37 転移、転写媒体であるブランケット 41 ごみ取り機構

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明基板にインクを転写してカラーフィ
   ルタを製造するカラーフィルタ製造方法において、 前記透明基板の被転写面を下向きにし、 この被転写面に下方からインク転移、転写媒体を圧接さ
   せ、 インクを前記透明基板に転写することを特徴とするカラ
   ーフィルタ製造方法。
2. 【請求項２】 透明基板にインクを転写してカラーフィ
   ルタを製造するカラーフィルタ印刷機において、 透明基板の被転写面を下向きに保持し、この被転写面方
   向に沿って移動可能な基板定盤と、 外周面に凹パターンが形成され、この凹パターンに供給
   されるインクを転移、転写媒体を介して前記被転写面に
   転写させる回転可能なロール状の凹版とを具備したこと
   を特徴とするカラーフィルタ印刷機。
3. 【請求項３】 透明基板にインクを転写してカラーフィ
   ルタを製造するカラーフィルタ印刷機において、 透明基板の被転写面を下向きに保持し、この被転写面方
   向に沿って移動可能な基板定盤と、 互いに異なる色の複数のインク毎に設けられ、前記透明
   基板の移動方向に沿って順次配置されており、外周面に
   凹パターンが形成され、この凹パターンに供給されたイ
   ンクをそれぞれ転移、転写媒体を介して前記被転写面に
   順次転写させる各色毎に配設された回転可能なロール状
   の凹版とを具備したことを特徴とするカラーフィルタ印
   刷機。
4. 【請求項４】 透明基板の被転写面に接して、この被転
   写面に付着したごみを除去するごみ取り機構を有するこ
   とを特徴とする請求項２または３記載のカラーフィルタ
   印刷機。