JPH08150348A - 粉砕方法および粉砕装置 - Google Patents

粉砕方法および粉砕装置

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JPH08150348A
JPH08150348A JP29692494A JP29692494A JPH08150348A JP H08150348 A JPH08150348 A JP H08150348A JP 29692494 A JP29692494 A JP 29692494A JP 29692494 A JP29692494 A JP 29692494A JP H08150348 A JPH08150348 A JP H08150348A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉粒体原料を所望の粒子径の微粉粒子に粉砕
し得る粉砕技術を提供する。 【構成】 粉砕器5の上部には貯留タンク1が設けられ
ており、この貯留タンク1内に粉粒体原料を収容した状
態で粉砕ノズル51から粉砕器5内に加圧気体を噴射す
る。同時に、貯留タンク1の上方に網状部材18を介し
て配置された分級ヘッド12内の分級室19内に網状部
材18に平行をなす面内に回転自在に設けられたエアブ
ラシ37から網状部材18に加圧気体を噴射する。これ
らの噴射による粉砕動作を所定の時間だけ作動させた後
に、所定の時間だけ粉砕動作を休止させ、粉砕動作と休
止動作とを1サイクルとしてこれを繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粉粒体原料を細分化して
微粉粒子を製造する粉砕技術に関する。
【0002】
【従来の技術】粉粒体原料をより細分化するために使用
されている粉砕装置としては、ハンマーミル、ピンミル
およびジェット粉砕機などがある。ハンマーミルは粉粒
体原料をハンマーによって粉砕する方式の技術であり、
これによって粉砕される微粉粒子の平均粒子径は500
μm以上の比較的大きなものである。
【0003】これに対して、ジェット粉砕機は、「機械
工学便覧 エンジニアリング編」(社団法人日本機械学
会、1991年6月1日発行)C1−40頁〜42頁に記載
されているように、ベンチュリーノズルにより加速され
た粉粒体原料にグラテンディングノズルから噴出される
ジェットを衝突させて、これをループ状の通路内を循環
させるようにした粉砕方式であり、40μm以下の微細
な微粉粒子を得るために使用されている。
【0004】攪拌容器内で多数本のピンを回転させるよ
うにしたピンミルは、300μm程度の微粉粒子を製造
するのに好適である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
で開発されている粉砕装置にあっては、100〜300
μm程度の粒子径の微粉粒子に粉砕するためには不適当
であり、この程度の微粉粒子を得ることができる粉砕機
が望まれている。
【0006】所定の粒子径を有する微粉粒子を分級する
には、網状のフルイ部材を用いることが好ましいが、こ
のようなフルイつまりフィルタは通常化学繊維により形
成されており、その強度はあまり高くない。一方、粉粒
体原料を前記した数値程度までの微粉粒子に細粒化する
には、高い圧力の圧縮空気を用いて粉砕することが必要
となる。このため、網状部材を用いて高い圧力となる分
級用の空間を仕切るようにすると、網状部材が破壊され
てしまい、実用化が困難であることが実験の結果判明し
た。
【0007】本発明の目的は、粉粒体原料を所望の粒子
径の微粉粒子に粉砕し得る粉砕技術を提供することにあ
る。
【0008】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0010】すなわち、本発明の粉砕方法は、下端に粉
砕室を有する貯留タンク内に粉粒体原料を収容した状態
で前記粉砕室内に加圧気体を噴出すると同時に、前記貯
留タンクの上方に網状部材を介して配置された分級室内
に前記網状部材に平行をなす面内に回転自在に設けられ
たエアブラシから前記網状部材に加圧気体を噴出する粉
砕動作を所定の時間だけ作動させた後に、所定の時間だ
け粉砕動作を休止させ、前記粉砕動作と前記休止とを1
サイクルとしてこれを繰り返すことを特徴とする。
【0011】また、本発明の粉砕装置は、圧縮気体を噴
出する粉砕ノズルおよび前記粉砕ノズルからの圧縮気体
により吹き飛ばされる粉粒体原料が衝突する衝突部を有
する粉砕器と、前記粉砕器の上部に取り付けられ、粉粒
体原料を収容する貯留タンクと、前記貯留タンクの上部
に網状部材を介して配置され、前記網状部材を圧縮空気
とともに通過した微粉砕粒子を案内する排出パイプが接
続された分級ヘッドと、前記分級ヘッド内に取り付けら
れ、前記網状部材が前記分級ヘッド内に変形するのを規
制する変形規制部材と、前記分級ヘッドに回転自在に設
けられた中空軸の下端に前記網状部材に平行となって設
けられ、前記網状部材に加圧気体を噴出するエアブラシ
と、前記中空軸を回転させて前記エアブラシを前記網状
部材に沿って回転させた状態のもとで前記エアブラシお
よび前記粉砕ノズルから所定時間圧縮気体を噴射させる
粉砕動作と、前記エアブラシおよび前記粉砕ノズルから
の圧縮気体の噴出を所定時間休止させる休止動作とを回
繰り返し制御する制御手段とを有することを特徴とす
る。
【0012】
【作用】前記粉砕方法および粉砕装置にあっては、貯留
タンク内の貯留室と分級ヘッド内の分級室とを区画する
網状部材には、粉砕室内に供給された加圧気体の圧力が
作用すると同時に、この圧力の作用方向とは逆の方向
に、分級室内に設けられたエアブラシからの加圧気体が
作用することになる。両方の相互に逆の方向からバラン
スするように網状部材に圧力が作用することから、網状
部材は大きく変形することなく、その破損が防止され
る。この破損防止は、分級ヘッド内に設けられた変形規
制部材によっても網状部材が大きく変形することが規制
されることによっても達成される。
【0013】そして、エアブラシから噴出された加圧気
体は、一度網状部材を貯留室内に流入した後に、エアブ
ラシの回転に伴ってエアブラシが退避した部分を通って
分級室内に再度流入して外部に排出されることになるの
で、網状部材の目詰まりが確実に防止されつつ、貯留室
内が異常に高い圧力となることが防止され、円滑な分級
機能が得られる。
【0014】さらに、粉砕ノズルとエアノズルとから所
定の時間だけ加圧気体の噴出させる粉砕動作と、これを
所定の時間だけ休止する休止動作とを交互に複数サイク
ル繰り返すようにしたことから、網状部材が極端に大き
く変形することが防止され、網状部材をその弾性変形限
度以内に常に保持することができ、同一の網状部材を長
期間にわたり使用することがでる。
【0015】このようにして、網状部材つまりフルイを
破損させないようにしながら、網状部材の目詰まりを防
止して、網状部材の細孔により設定される粒度の微粉粒
子を得ることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例である粉砕装置の
要部を示す断面図であり、粉砕装置は貯留タンク1を有
し、この貯留タンク1は上下にそれぞれフランジ部2,
3が設けられ、上端部から下端部に向けて径が徐々に小
径となるようにテーパ形状となっている。そして、貯留
タンク1は横断面は円形となり、上下両端が開口され、
内部に貯留室4が形成されている。
【0018】貯留タンク1の下端には粉砕器5が取り付
けられるようになっており、粉砕器5の上端には貯留タ
ンク1のフランジ部3に図示しないボルトなどにより固
定されるフランジ部6が設けられている。フランジ部6
とフランジ部3との間にゴムや樹脂などからなるシール
材を介在させるようにしても良い。この粉砕器5は、図
5に示すように、断面カップ形状となっており、上端部
は貯留タンク1の下端開口部と連通する開口部を有し、
内部に粉砕室7が形成されている。
【0019】貯留タンク1の上端には上下両端部にフラ
ンジ部8,9が設けられた筒体10が配置されており、
貯留タンク1のフランジ部2に筒体10のフランジ部9
を、図1に示すクランプ部材11により締結することに
よって、筒体10は貯留タンク1に着脱自在に取り付け
られるようになっている。この筒体10は貯留タンク1
の一部を構成している。クランプ部材11としてはボル
トとナットを用いるようにしても良い。また、フランジ
部2とフランジ部9との間にゴムや樹脂などからなるシ
ール材を介在させるようにしても良い。
【0020】筒体10の上側には分級ヘッド12が取り
付けられるようになっており、この分級ヘッド12はク
ランプ部材13により筒体10のフランジ部8に締結さ
れるフランジ部14と、これに連なる筒部15とこの筒
部15に頂部16を介して連なる排出管部17とを有し
ている。
【0021】筒体10のフランジ部8と分級ヘッド12
のフランジ部14との間には、ディスク形状の網状部材
18がその外周部で挟み付けられており、この網状部材
18によって分級ヘッド12内の分級室19と貯留室4
とが区画されている。分級室19には、微粉粒子を外部
に案内するための排出パイプ20が接続されている。網
状部材18は、ナイロン等の化学繊維を格子状に編むこ
とにより形成されており、100〜200メッシュ程度
のフルイないしフィルタの構造となっている。100メ
ッシュの場合には、網状部材18には140μm程度の
細孔が形成され、200メッシュの場合には70μm程
度の細孔が形成されている。メッシュのサイズは製品化
される微粉粒子のサイズによって選択される。
【0022】網状部材18としては、図4に示すように
フルイ構造のディスクを用い、これの外周部の表裏両面
にゴム製の環状シール部材18aを配置するようにして
いるが、ゴム製の環状シール部材18aの内側に網状部
材を一体に取り付けるようにしても良い。
【0023】図2に示すように、分級ヘッド12は、こ
れの排出管部17に取り付けられたブラケット21を、
架台22に設けられた支持部材23に固定することによ
り、架台22に支持されている。
【0024】図1に示すように、排出管部17内にはそ
の中心部に中空軸24が回転自在に組み付けられてお
り、排出管部17の上端部に設けられたフランジ部25
に閉塞板26が図示しないねじ部材により締結されてい
る。中空軸24を回転自在に支持する図示しないベアリ
ングと、分級室19内の気体や微粉粒子が外部に排出さ
れるのを防止するためのシール材とが設けられた軸受部
材27が閉塞板26に固定されている。
【0025】中空軸24を回転するために、図2に示す
架台22に設けられた支持部材28にはモータ31が取
り付けられ、このモータ31のシャフトに設けられたプ
ーリ32と、中空軸24に固定されたプーリ33とに
は、タイミングベルト34が掛けわたされている。モー
タ31によって中空軸24は、たとえば300rpm程
度の回転数で回転するようになっている。
【0026】中空軸24の上端部には、図1に示すよう
に、ロータリージョイント35を介して気体供給パイプ
36が接続されており、このロータリージョイント35
は中空軸24の上端に形成されたねじ部にねじ結合され
るハウジング部35aと、気体供給パイプ36にねじ結
合されるジョイント部35bとを有し、ハウジング部3
5aはジョイント部35bに対してベアリングを介して
回転自在に接続され、内部には気体の漏れを防止するた
めの図示省略したメカニカルシールが内蔵されている。
【0027】中空軸24の下端部には、網状部材18に
対して平行に延びる中空棒状のエアブラシ37が設けら
れ、このエアブラシ37の下面には、図4に示すよう
に、長手方向に延びるスリット38が形成されている。
【0028】分級ヘッド12内には、エアブラシ37と
網状部材18との間に位置させて、図4に示すように十
字となるように棒材39が取り付けられており、この棒
材39は変形規制部材を構成している。
【0029】図3に示す移動台車41は車輪42が設け
られた台車部43とこれに取り付けられた支柱44とを
有し、支柱44には貯留タンク1をそのフランジ部2の
部分で支持するアーム45を有する上下動部材46が上
下動自在に取り付けられている。この上下動部材46は
支柱44に形成された案内溝47に沿って上下方向に移
動するようになっており、支柱44の上端部に回転自在
に取り付けられたリール48には上下動部材46に連結
されたワイヤ49の一端が連結されている。このワイヤ
49の他端は支柱44に設けられた図示しない巻取り具
に連結されている。
【0030】したがって、粉粒体原料を貯留タンク1内
に所定量投入する際には、貯留タンク1を分級ヘッド1
2から分離して移動台車41を用いて貯留タンク1を支
持した状態で行う。粉粒体原料が投入された後には、移
動台車41のアーム45を上昇させて貯留タンク1のフ
ランジ部2を筒体10のフランジ部8に接触させ、次い
で、クランプ部材11によって貯留タンク1を筒体10
を介して分級ヘッド12に締結する。
【0031】図5は粉砕器5を示す拡大断面図であり、
加圧気体を粉砕室7内に噴出する粉砕ノズル51が取り
付けられており、この粉砕ノズル51は粉砕器5の筒部
に固定された雌ねじ部材52にねじ結合され、ねじを緩
めることにより着脱自在となっている。粉砕器5には粉
砕ノズル51に対向させてセラミック製の衝突板53が
設けられており、この衝突板53は粉砕器5の筒部に固
定された雌ねじ部材54にねじ結合されたホルダー55
の先端面に貼り付けられている。このホルダー55の外
側端部には四角形の連結部56が形成されており、この
部分に金具を引っ掛けた状態でホルダー55を金具を用
いて回転させることにより、ホルダー55を着脱するこ
とができる。衝突板53が摩耗した場合には、ホルダー
55を取り外すことにより、容易に交換することができ
る。
【0032】粉砕器5内にはこの中の粉砕室7を粉砕ノ
ズル51側の上流室7aと、衝突板53側の下流室7b
とに区画する仕切り板57が設けられており、この仕切
り板57の上端部57aは、図5に示すように、下流室
7b側に傾斜している。そして、この仕切り板57には
中空ガイド58が、粉砕ノズル51と衝突板53とを結
ぶ直線上に位置させて取り付けられている。この中空ガ
イド58の上流室7a側は粉砕ノズル51に向けて広が
るように形成されたテーパ孔58aとなっており、下流
室7b側は衝突板53に向けて広がるように形成された
テーパ孔58bとなっている。
【0033】図6は前記した粉砕装置の気体供給パイプ
36および粉砕ノズル51に対して加圧空気を供給する
ための加圧空気供給制御部を示す図であり、圧力タンク
61にはコンプレッサ62が流路63により接続されて
おり、コンプレッサ62から供給された加圧空気は圧力
タンク61内に貯留される。この圧力タンク61に気体
供給パイプ36を接続する流路64にはこの流路を開閉
する電磁弁65が設けられている。
【0034】圧力タンク61内の圧縮空気の圧力を検知
する高圧スイッチ66aと低圧スイッチ66bとが圧力
タンク61に設けられており、両方のスイッチ66a,
66bがオンとなった場合に電磁弁65に信号が送られ
て電磁弁65がオンとなり、流路64が開放されるよう
になっている。たとえば、高圧スイッチ66aは圧力タ
ンク61内の圧力が6Kg/cm2程度以上となったらオンと
なり、この圧力よりも低い圧力となったらオフとなる。
そして、低圧スイッチ66bは圧力タンク61内の圧力
が1.5Kg/cm2程度以上となったらオンとなり、この圧力
よりも低い圧力となったらオフとなるように設定されて
いる。
【0035】一方、粉砕ノズル51は流路67によりコ
ンプレッサ62に直接接続されており、圧力レギュレー
タ68で3Kg/cm2程度の圧力に減圧された圧力の空気が
粉砕ノズル51に供給されるようになっている。この流
路67には電磁弁69が設けられ、この電磁弁69は電
磁弁65と同期してオン・オフするようにスイッチ66
a,66bに電気的に接続されている。
【0036】流路63には絞り弁70が設けられてお
り、コンプレッサ62から圧力タンク61内に供給され
る加圧空気の流量が調整されるようになっている。
【0037】図1に示すように、排出パイプ20はサイ
クロン71に接続されており、気体とともにこのサイク
ロン71まで案内された微粉粒子は、このサイクロン7
1で気体と微粉粒子とに分離され、容器72内に捕集さ
れる。ただし、サイクロン71を用いることなく、集塵
バッグを用いて微粉粒子のみを捕集するようにしても良
い。
【0038】次に、前記粉砕装置によって粉粒体原料を
粉砕して微粉粒子を製造する手順について説明する。
【0039】粉粒体原料は、図3に示すように、分級ヘ
ッド12から分離されて移動台車41により支持された
状態の貯留タンク1内に投入される。これにより、粉粒
体原料は、粉砕器5内に満たされるとともに貯留タンク
1内の所定のレベルまで満たされる。図示する場合には
粉粒体原料としては、500μm〜数mm程度の平均粒
径を有する樹脂粒子や砂糖などが使用される。
【0040】粉粒体原料が投入された貯留タンク1は、
移動台車41を移動させて貯留タンク1を分級ヘッド1
2の真下の位置に位置させた状態で、支柱44に設けら
れた図示しない巻取り具により上下動部材46を上昇さ
せることによって上昇される。貯留タンク1のフランジ
部2と筒体10のフランジ部9とが接触したならば、こ
れらのフランジ部をクランプ部材11により締結する。
【0041】このようにして粉砕のための準備が完了
し、次いで粉砕動作が実行される。粉砕の開始は、モー
タ31を起動させるとともにコンプレッサ62を起動さ
せることによりなされる。コンプレッサ62の作動によ
り圧力タンク61内の空気の圧力は徐々に高くなり、低
圧スイッチ66bおよび高圧スイッチ66aが共にオン
になると、2つの電磁弁65,69が同期してオンとな
り、気体供給パイプ36および粉砕ノズル51に対して
加圧空気が供給される。
【0042】これにより、棒状のエアブラシ37は網状
部材18に対して平行な面内を旋回しつつ、圧力タンク
61からの加圧空気がスリット38から噴出することに
なり、粉砕ノズル51はコンプレッサ62からの加圧空
気を噴出する。
【0043】粉砕ノズル51から噴出する気体により、
粉砕室7内の上流室7a内の粉粒体原料は中空ガイド5
8内に入り込み、テーパ孔58aで絞られた後に下流室
7b内に流入し加圧気体によって衝突板53に衝突す
る。衝突板53に衝突した後の粉粒体原料は、衝突によ
って微細化されて粉砕ノズル51からの加圧気体ととも
に、貯留タンク1内に流入する。
【0044】衝突板53に衝突されずに上昇した粉粒体
原料や衝突しても微粉粒子とならなかった粉粒体原料
は、貯留タンク1内で落下する。つまり、粉砕器5と貯
留タンク1内には図1において右回転の循環流が形成さ
れる。このときは、仕切り板57の上端部は、図1およ
び図5に示されるように、下流室7b側に傾斜している
ので、落下した粉粒体原料の殆どは、上流室7a内に落
下することになる。
【0045】貯留室4内の圧力は分級室19内の圧力よ
りも高く設定されているので、微粉粒子に粉砕され貯留
室4内に上昇した粒子は、網状部材18に接触すること
になり、網状部材18の細孔を通過して分級室19内に
流入する。この微粉粒子は排出管部17を通って排出パ
イプ20からサイクロン71にまでに案内される。
【0046】エアブラシ37からは加圧気体が網状部材
18に向けて噴出され、常に、網状部材18の目詰まり
の発生が回避される。このようにエアブラシ37から網
状部材18を貫通するようにして噴出された気体と粉砕
ノズル51からの気体とが貯留室4内に流入し、網状部
材18には高い圧力が作用することになり、分級室19
に向けて網状部材18は湾曲することになる。しかし、
湾曲すると、網状部材18は変形規制部材としての棒材
39に接触することになり、それ以上の湾曲が防止され
るので、網状部材18は破壊することが防止される。
【0047】網状部材18は十字状の棒材39によって
4つに区画された部分からせり出すようにして湾曲する
ことになる。しかしエアブラシ37は300rpm程度
の回転数で高速に旋回しているので、その湾曲した部分
を頻繁に貯留室4内に押し戻すようにエアブラシ37の
スリット38から加圧気体が噴出され、網状部材18が
大きく湾曲して破壊するのが防止される。
【0048】図示する粉砕装置にあっては、エアブラシ
37と粉砕ノズル51とからの加圧気体の噴出を3〜4
秒程度行った後にほぼ同様の時間だけ加圧気体の噴出を
停止するようにし、これを複数回繰り返すようにしてい
る。つまり、圧力タンク61の容量を設定すると、高圧
スイッチ66aがオンすることにより圧力タンク61内
の加圧空気がエアブラシ37から噴出してから、両方の
スイッチ66a,66bがオフとなり、流路64および
流路67が閉じられるまでの時間を設定することができ
る。
【0049】一方、絞り弁70の開度を調整することに
より、流路64が閉じられてから、再度両方のスイッチ
66a,66bが再度オンとなるまでの時間つまり圧力
タンク61内の圧力が設定圧力となるまでの時間を設定
することができ、その時間だけ休止動作が行われる。図
示する場合には、粉砕動作とほぼ同じ時間だけ休止動作
が実行されるようにして、7〜8秒あるいは10秒程度
を1サイクルとして貯留タンク1および粉砕器5内の粉
粒体原料がほぼなくなるまで繰り返して行うようにして
いる。したがって、圧力タンク61および両方のスイッ
チ66a,66bが粉砕動作と休止動作とを繰り返すよ
うに制御するための制御手段を構成している。ただし、
タイマーなどを用いてこれの繰り返しを制御するように
てしても良い。
【0050】このように、数秒間の粉砕動作とほぼ同様
の時間の休止動作とを1サイクルとしてこれを繰り返す
ようにしたことから、粉粒体原料に対して粉砕ノズル5
1から高い圧力の気体を噴出させ、貯留タンク1内の圧
力を高くしても、網状部材18の破壊を確実に防止する
ことができ、長期間にわたり網状部材18を交換するこ
となく、同一の網状部材を使用することが可能となっ
た。ただし、1サイクルの時間は前記した時間に限られ
ず、コンプレッサ62からの吐出圧力、圧力タンク61
の容量、および絞り弁70の開度を調整することによ
り、任意に設定することができる。
【0051】実験の結果、粉粒体原料である樹脂や砂糖
の粒子は、粉砕前は数mm程度の平均粒径を有するもの
であっても、この粉砕装置によって微粉化されサイクロ
ン66で捕集されたものは、100μm〜300μm程
度の所望の平均粒径のものが得られることが判明した。
【0052】以上、本発明者によってなされた発明を実
施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえ
ば、粉粒体原料としては、前記したもの以外に種々のも
のを用いることができる。また、棒材39は十字形状と
なっており、中心部から放射状に4本延びているが、放
射状に6本あるいはそれ以上の本数の棒材を用いるよう
にしても良い。エアブラシ37に形成されるスリット3
8に代えてエアブラシ37に長手方向に所定の間隔毎に
細孔を形成するようにしても良い。
【0053】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0054】(1).網状部材に形成されたメッシュの細孔
に対応する微粉粒子を分級して所望の粒度の微粉粒子を
得ることができる。
【0055】(2).粉砕のために高い圧力の加圧気体を用
いても網状部材の破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である粉砕装置を示す断面図
である。
【図2】図1に示す粉砕装置のうち架台に支持された分
級ヘッドの部分を示す斜視図である。
【図3】図1に示す粉砕装置のうち移動台車に支持され
た貯留タンクの部分を示す斜視図である。
【図4】図1に示す分級ヘッドを上下反転して下面から
見た斜視図である。
【図5】粉砕器を拡大して示す断面図である。
【図6】粉砕装置の加圧空気供給制御部を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 貯留タンク 2,3 フランジ部 4 貯留室 5 粉砕器 6 フランジ部 7 粉砕室 8,9 フランジ部 10 筒体 11,13 クランプ部材 12 分級ヘッド 14 フランジ部 15 筒部 16 頂部 17 排出管部 18 網状部材 19 分級室 20 排出パイプ 21 ブラケット 22 架台 23 支持部材 24 中空軸 25 フランジ部 26 閉塞板 27 軸受部材 28 支持部材 31 モータ 32,33 プーリ 34 タイミングベルト 35 ロータリージョイント 36 気体供給パイプ 37 エアブラシ 38 スリット 39 棒材(変形規制部材) 41 移動台車 42 車輪 43 台車部 44 支柱 45 アーム 46 上下動部材 47 案内溝 48 リール 49 ワイヤ 51 粉砕ノズル 52 雌ねじ部材 53 衝突板 54 雌ねじ部材 55 ホルダー 56 連結部 57 仕切り板 58 中空ガイド 61 圧力タンク 62 コンプレッサ 63,64,67 流路 65,69 電磁弁 66a 高圧スイッチ 66b 低圧スイッチ 68 圧力レギュレータ 70 絞り弁 71 サイクロン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端に粉砕室を有する貯留タンク内に粉
    粒体原料を収容した状態で前記粉砕室内に加圧気体を噴
    出すると同時に、前記貯留タンクの上方に網状部材を介
    して配置された分級室内に前記網状部材に平行をなす面
    内に回転自在に設けられたエアブラシから前記網状部材
    に加圧気体を噴出する粉砕動作を所定の時間だけ作動さ
    せた後に、所定の時間だけ粉砕動作を休止させ、前記粉
    砕動作と前記休止とを1サイクルとしてこれを繰り返す
    ことを特徴とする粉砕方法。
  2. 【請求項2】 圧縮気体を噴出する粉砕ノズルおよび前
    記粉砕ノズルからの圧縮気体により吹き飛ばされる粉粒
    体原料が衝突する衝突部を有する粉砕器と、 前記粉砕器の上部に取り付けられ、前記粉粒体原料を収
    容する貯留タンクと、 前記貯留タンクの上部に網状部材を介して配置され、前
    記網状部材を圧縮空気とともに通過した微粉砕粒子を案
    内する排出パイプが接続された分級ヘッドと、 前記分級ヘッド内に取り付けられ、前記網状部材が前記
    分級ヘッド内に変形するのを規制する変形規制部材と、 前記分級ヘッドに回転自在に設けられた中空軸の下端に
    前記網状部材に平行となって設けられ、前記網状部材に
    加圧気体を噴出するエアブラシと、 前記中空軸を回転させて前記エアブラシを前記網状部材
    に沿って回転させた状態のもとで前記エアブラシおよび
    前記粉砕ノズルから所定時間圧縮気体を噴射させる粉砕
    動作と、前記エアブラシおよび前記粉砕ノズルからの圧
    縮気体の噴出を所定時間休止させる休止動作とを回繰り
    返し制御する制御手段とを有することを特徴とする粉砕
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の粉砕装置であって、前記
    粉砕器内にこの中の粉砕室を前記粉砕ノズル側の上流室
    と前記衝突部側の下流室とに区画する仕切り部材を設
    け、前記貯留タンク内の貯留室内に前記下流室から流入
    した前記粉粒体原料を前記上流室に戻す循環流を形成す
    るようにしたことを特徴とする粉砕装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102658045A (zh) * 2012-05-09 2012-09-12 株洲盛元硬质合金设备制造有限公司 一种搅拌筛分装置和一种制粉机
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