JPH08149669A - 楔形引留クランプおよび既設クランプの取替方法 - Google Patents
楔形引留クランプおよび既設クランプの取替方法Info
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- JPH08149669A JPH08149669A JP30962894A JP30962894A JPH08149669A JP H08149669 A JPH08149669 A JP H08149669A JP 30962894 A JP30962894 A JP 30962894A JP 30962894 A JP30962894 A JP 30962894A JP H08149669 A JPH08149669 A JP H08149669A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 既設の圧縮形引留クランプを撤去して、径間
側電線２０を再引留めするための楔形引留クランプを提
供する。 【構成】 支持金具２２を径間側電線２０の不足長さを
補うよう長く設定し、その一端に径間側電線２０を挟持
する楔１８，１８を設け、他端にジャンパ側電線２４を
固定する電線固定金具２６およびジャンパ金具２８を設
ける。さらに、支持金具２２の他端を引留金具１０，１
０に固定する振れ止め金具３４，３４を設ける。ジャン
パ金具２８は、支持金具２２とは別体に形成して、ボル
ト・ナット３０で揺動自在とし、締め付けにより当接す
る支持金具２２とジャンパ金具２８の当接面に、相互に
噛合して揺動を禁止する凹凸部２２ａ，２８ａを設け
る。
側電線２０を再引留めするための楔形引留クランプを提
供する。 【構成】 支持金具２２を径間側電線２０の不足長さを
補うよう長く設定し、その一端に径間側電線２０を挟持
する楔１８，１８を設け、他端にジャンパ側電線２４を
固定する電線固定金具２６およびジャンパ金具２８を設
ける。さらに、支持金具２２の他端を引留金具１０，１
０に固定する振れ止め金具３４，３４を設ける。ジャン
パ金具２８は、支持金具２２とは別体に形成して、ボル
ト・ナット３０で揺動自在とし、締め付けにより当接す
る支持金具２２とジャンパ金具２８の当接面に、相互に
噛合して揺動を禁止する凹凸部２２ａ，２８ａを設け
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、異常を生じた既設の圧
縮形引留クランプを撤去して、電線を再引留めするため
の楔形引留クランプとその取替方法に関するものであ
る。
縮形引留クランプを撤去して、電線を再引留めするため
の楔形引留クランプとその取替方法に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】圧縮形引留クランプにあっては、図７に
示すごとく、径間側電線５０とジャンパ側電線５２とが
切り分けられ、径間側電線５０の端部がクランプ本体５
４に圧縮接続され、ジャンパ側電線５２の端部がジャン
パソケット５６に圧縮接続され、クランプ本体５４とジ
ャンパソケット５６とがボルトナットにより締め付け固
定される。このような構造の引留クランプでは、経年変
化等により、径間側電線５０とクランプ本体５４の圧縮
接続部、ジャンパ側電線５２とジャンパソケット５６の
圧縮接続部、およびクランプ本体５４とジャンパソケッ
ト５６の接続部の電気抵抗が増加して発熱等の異常が発
生する場合がある。
示すごとく、径間側電線５０とジャンパ側電線５２とが
切り分けられ、径間側電線５０の端部がクランプ本体５
４に圧縮接続され、ジャンパ側電線５２の端部がジャン
パソケット５６に圧縮接続され、クランプ本体５４とジ
ャンパソケット５６とがボルトナットにより締め付け固
定される。このような構造の引留クランプでは、経年変
化等により、径間側電線５０とクランプ本体５４の圧縮
接続部、ジャンパ側電線５２とジャンパソケット５６の
圧縮接続部、およびクランプ本体５４とジャンパソケッ
ト５６の接続部の電気抵抗が増加して発熱等の異常が発
生する場合がある。
【０００３】かかる異常が発生した場合には、引留クラ
ンプの取り替え等の補修が必要である。しかしながら、
径間側電線５０とジャンパ側電線５２は、引留クランプ
に圧縮接続されており、分解して電線を切断することな
しに引留クランプを取り替えることは困難がある。そこ
で、補修の方法としては、以下のものが考えられる。ま
ず、径間側電線５０を引留クランプの外部かつ近傍で切
断し、その切断端部を新たな引留クランプに圧縮接続す
る。切断による径間側電線５０の長さが不足する分は、
引留クランプの引留金具を長くして補う。また、径間側
電線５０全体を交替すれば、格別に引留金具の長い引留
クランプを用いなくても補修できる。そしてまた、径間
側電線５０の長さが不足する分は、適宜な長さの新たな
電線をスリーブにより圧縮接続して補い、補足された電
線を引留クランプに圧縮接続することも考えられる。
ンプの取り替え等の補修が必要である。しかしながら、
径間側電線５０とジャンパ側電線５２は、引留クランプ
に圧縮接続されており、分解して電線を切断することな
しに引留クランプを取り替えることは困難がある。そこ
で、補修の方法としては、以下のものが考えられる。ま
ず、径間側電線５０を引留クランプの外部かつ近傍で切
断し、その切断端部を新たな引留クランプに圧縮接続す
る。切断による径間側電線５０の長さが不足する分は、
引留クランプの引留金具を長くして補う。また、径間側
電線５０全体を交替すれば、格別に引留金具の長い引留
クランプを用いなくても補修できる。そしてまた、径間
側電線５０の長さが不足する分は、適宜な長さの新たな
電線をスリーブにより圧縮接続して補い、補足された電
線を引留クランプに圧縮接続することも考えられる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記の補修方法には、
それぞれ以下のごとき不具合がある。まず、径間側電線
５０の長さの不足分を引留クランプの引留金具の長さで
補う方法にあっては、引留クランプの位置が全体として
ずれることにより、ジャンパ側電線５２の位置と形状が
ずれるという不具合がある。ジャンパ側電線５２の形状
は、鉄塔に設けられた上アームおよび下アームとの距離
等が規定されており、補修によりジャンパ側電線５２の
形状等が変更されることは望ましくない。また、径間側
電線５０全体の交替にあっては、経済的でないこと明ら
かである。
それぞれ以下のごとき不具合がある。まず、径間側電線
５０の長さの不足分を引留クランプの引留金具の長さで
補う方法にあっては、引留クランプの位置が全体として
ずれることにより、ジャンパ側電線５２の位置と形状が
ずれるという不具合がある。ジャンパ側電線５２の形状
は、鉄塔に設けられた上アームおよび下アームとの距離
等が規定されており、補修によりジャンパ側電線５２の
形状等が変更されることは望ましくない。また、径間側
電線５０全体の交替にあっては、経済的でないこと明ら
かである。
【０００５】そしてまた、径間側電線５０の長さの不足
を、適宜な長さの新たな電線をスリーブにより圧縮接続
して補足する方法にあっては、圧縮接続部の機械的強度
に関して、不安が新たに生ずることとなる。
を、適宜な長さの新たな電線をスリーブにより圧縮接続
して補足する方法にあっては、圧縮接続部の機械的強度
に関して、不安が新たに生ずることとなる。
【０００６】本発明は、かかる従来技術の事情に鑑みて
なされたもので、異常を生じた既設の圧縮形引留クラン
プの取り替えに適した楔形引留クランプとその取替方法
を提供することを目的とする。
なされたもので、異常を生じた既設の圧縮形引留クラン
プの取り替えに適した楔形引留クランプとその取替方法
を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の楔形引留クランプは、径間側電線を挟持
する楔が一端に設けられ前記径間側電線の長さ不足分を
補うだけの長さを有する支持金具の他端部にジャンパ側
電線を固定する電線固定金具とジャンパ金具を設けると
ともに、前記支持金具の他端部を引留金具に固定する振
れ止め金具を設けて構成されている。
めに、本発明の楔形引留クランプは、径間側電線を挟持
する楔が一端に設けられ前記径間側電線の長さ不足分を
補うだけの長さを有する支持金具の他端部にジャンパ側
電線を固定する電線固定金具とジャンパ金具を設けると
ともに、前記支持金具の他端部を引留金具に固定する振
れ止め金具を設けて構成されている。
【０００８】また、前記ジャンパ金具を前記支持金具と
は別体とし、前記支持金具に対して前記ジャンパ金具を
ボルトナットにより揺動自在となし、前記ボルトナット
の締め付けにより当接する前記支持金具とジャンパ金具
の当接面に相互に噛合して揺動を禁止する凹凸部をそれ
ぞれ設けて構成しても良い。
は別体とし、前記支持金具に対して前記ジャンパ金具を
ボルトナットにより揺動自在となし、前記ボルトナット
の締め付けにより当接する前記支持金具とジャンパ金具
の当接面に相互に噛合して揺動を禁止する凹凸部をそれ
ぞれ設けて構成しても良い。
【０００９】そして、本発明の既設クランプの取替方法
は、径間側電線とジャンパ側電線が切り分けられて圧縮
形引留クランプで圧縮接続された既設クランプの取り替
えにおいて、前記径間側電線を前記圧縮形引留クランプ
の外部かつ近傍で切断し、その切断端に新たなジャンパ
側電線の一端を溶融接合し、請求項１記載の楔形引留ク
ランプの楔で溶融接合部の片側の前記径間側電線を挟持
固定するとともに、前記電線固定金具で溶融接合部を挟
んで反対側の前記新たなジャンパ側電線を固定する。
は、径間側電線とジャンパ側電線が切り分けられて圧縮
形引留クランプで圧縮接続された既設クランプの取り替
えにおいて、前記径間側電線を前記圧縮形引留クランプ
の外部かつ近傍で切断し、その切断端に新たなジャンパ
側電線の一端を溶融接合し、請求項１記載の楔形引留ク
ランプの楔で溶融接合部の片側の前記径間側電線を挟持
固定するとともに、前記電線固定金具で溶融接合部を挟
んで反対側の前記新たなジャンパ側電線を固定する。
【００１０】
【作 用】請求項１記載の楔形引留クランプにあって
は、支持金具の一端に設けた楔により径間側電線を挟持
するので、機械的強度の不安はない。そして、支持金具
は、径間側電線の長さ不足分を補うだけの長さを有する
ので、支持金具の他端に固定されるジャンパ側電線は、
引留クランプの取替前とその位置と形状が変更されな
い。さらに、支持金具の他端部を振れ止め金具で引留金
具に固定したので、支持金具が長いことに起因して、支
持金具が変形する虞もない。
は、支持金具の一端に設けた楔により径間側電線を挟持
するので、機械的強度の不安はない。そして、支持金具
は、径間側電線の長さ不足分を補うだけの長さを有する
ので、支持金具の他端に固定されるジャンパ側電線は、
引留クランプの取替前とその位置と形状が変更されな
い。さらに、支持金具の他端部を振れ止め金具で引留金
具に固定したので、支持金具が長いことに起因して、支
持金具が変形する虞もない。
【００１１】また、請求項２記載の楔形引留クランプに
あっては、支持金具に対してジャンパ金具の角度を適宜
に調整してその角度で確実に固定することができ、ジャ
ンパ側電線を所定角度で適宜に設定し得る。
あっては、支持金具に対してジャンパ金具の角度を適宜
に調整してその角度で確実に固定することができ、ジャ
ンパ側電線を所定角度で適宜に設定し得る。
【００１２】そして、請求項３記載の既設クランプの取
替方法にあっては、異常を発生した既設の圧縮形引留ク
ランプに対して、径間側電線の端部を楔で挟持すること
で機械的強度の不安が生じず、また長い支持金具の他端
にジャンパ側電線を固定するので、ジャンパ側電線の位
置と形状が引留クランプの取り替えにより変更されるこ
とがない。
替方法にあっては、異常を発生した既設の圧縮形引留ク
ランプに対して、径間側電線の端部を楔で挟持すること
で機械的強度の不安が生じず、また長い支持金具の他端
にジャンパ側電線を固定するので、ジャンパ側電線の位
置と形状が引留クランプの取り替えにより変更されるこ
とがない。
【００１３】
【実施例】以下、本発明の楔形引留クランプおよび既設
クランプの取替方法の一実施例につき図１ないし図６を
参照して説明する。図１（ａ）は、本発明の楔形引留ク
ランプの一実施例の平面図であり、図１（ｂ）は、引留
金具を一部切り欠いた図１（ａ）の側面図である。図２
（ａ）は、支持金具とジャンパ金具の側面図であり、図
２（ｂ）は、図２（ａ）の部分的底面図である。図３
（ａ）は、ジャンパ金具単体の側面図であり、図３
（ｂ）は、図３（ａ）のＡ矢視図である。図４は、図１
（ｂ）のＢ−Ｂ断面図であり、図５は、図１（ｂ）のＣ
−Ｃ断面図であり、図６は、図１（ｂ）のＤ−Ｄ断面図
である。
クランプの取替方法の一実施例につき図１ないし図６を
参照して説明する。図１（ａ）は、本発明の楔形引留ク
ランプの一実施例の平面図であり、図１（ｂ）は、引留
金具を一部切り欠いた図１（ａ）の側面図である。図２
（ａ）は、支持金具とジャンパ金具の側面図であり、図
２（ｂ）は、図２（ａ）の部分的底面図である。図３
（ａ）は、ジャンパ金具単体の側面図であり、図３
（ｂ）は、図３（ａ）のＡ矢視図である。図４は、図１
（ｂ）のＢ−Ｂ断面図であり、図５は、図１（ｂ）のＣ
−Ｃ断面図であり、図６は、図１（ｂ）のＤ−Ｄ断面図
である。
【００１４】図において、引留金具１０，１０は、従来
の楔形引留クランプより長く設定され、その一端にクラ
ンプ本体１２がボルト１４，１４により連結される。こ
のクランプ本体１２は、２分割されて形成され、ピン１
６，１６…により一体化される。クランプ本体１２内に
は、一対の楔１８，１８が径間側電線２０を挟持して挿
入される。図６に示すごとき、楔１８，１８の外形断面
形状とクランプ本体１２の内孔の断面形状の協働作用に
より楔１８，１８が挿入されるとクランプ本体１２は２
つに分解されることがない。
の楔形引留クランプより長く設定され、その一端にクラ
ンプ本体１２がボルト１４，１４により連結される。こ
のクランプ本体１２は、２分割されて形成され、ピン１
６，１６…により一体化される。クランプ本体１２内に
は、一対の楔１８，１８が径間側電線２０を挟持して挿
入される。図６に示すごとき、楔１８，１８の外形断面
形状とクランプ本体１２の内孔の断面形状の協働作用に
より楔１８，１８が挿入されるとクランプ本体１２は２
つに分解されることがない。
【００１５】そして、楔１８，１８の一方に、支持金具
２２の一端が連結される。この支持金具２２は引留金具
１０，１０が長く設定された分だけ長く設定され、その
他端にジャンパ側電線２４を固定する電線固定金具２６
が設けられる。また、支持金具２２の他端には、別体に
形成されたジャンパ金具２８がボルト・ナット３０を揺
動軸として揺動自在に設けられる。このボルト・ナット
３０により締め付けられて圧接される支持金具２２とジ
ャンパ金具２８の当接面には、相互に噛合して揺動を禁
止する放射状の凹凸部２２ａ，２８ａが設けられる。そ
して、ジャンパ金具２８の遊端側にジャンパ側電線２４
を固定する固定金具３２が設けられる。なお、支持金具
２２およびジャンパ金具２８には、電線受け用のＵ字状
溝２２ｂ，２８ｂが設けられている。
２２の一端が連結される。この支持金具２２は引留金具
１０，１０が長く設定された分だけ長く設定され、その
他端にジャンパ側電線２４を固定する電線固定金具２６
が設けられる。また、支持金具２２の他端には、別体に
形成されたジャンパ金具２８がボルト・ナット３０を揺
動軸として揺動自在に設けられる。このボルト・ナット
３０により締め付けられて圧接される支持金具２２とジ
ャンパ金具２８の当接面には、相互に噛合して揺動を禁
止する放射状の凹凸部２２ａ，２８ａが設けられる。そ
して、ジャンパ金具２８の遊端側にジャンパ側電線２４
を固定する固定金具３２が設けられる。なお、支持金具
２２およびジャンパ金具２８には、電線受け用のＵ字状
溝２２ｂ，２８ｂが設けられている。
【００１６】さらに、支持金具２２の他端より、一対の
振れ止め金具３４，３４が突設され、振れ止め金具３
４，３４の先端で引留金具１０，１０にボルトで固定さ
れる。
振れ止め金具３４，３４が突設され、振れ止め金具３
４，３４の先端で引留金具１０，１０にボルトで固定さ
れる。
【００１７】かかる構成からなる本発明の楔形引留クラ
ンプを用いて、既設の圧縮形引留クランプの取替方法に
つき以下説明する。まず、既設の圧縮形引留クランプの
外部かつ近傍で（図７における切断箇所）、径間側電線
２０とジャンパ側電線２４がそれぞれ切断される。そし
て、ジャンパ側電線２４は、新規な電線を用いるかまた
は圧縮形ジャンパスリーブや溶融接合等により電線を接
続して、従来よりも所定寸法だけ長く設定される。さら
に、径間側電線２０の切断端とジャンパ側電線２４の一
端が溶融接合される。この溶融接合部４０を中間とし
て、径間側電線２０が楔１８，１８に挟持固定され、ジ
ャンパ側電線２４が電線固定金具に固定される。さらに
また、ジャンパ側電線２４の適宜な箇所が、ジャンパ金
具２８に固定金具３２で固定される。そして、径間側電
線２０を挟持する楔１８，１８がクランプ本体１２に挿
入され、引留金具１０，１０の他端が鉄塔の碍子（図示
せず）等に連結される。さらに、ボルト・ナット３０を
緩めてジャンパ金具２８の角度を適宜に調整した後に再
度ボルト・ナット３０を締め付けてジャンパ金具２８が
支持金具２２に固定される。
ンプを用いて、既設の圧縮形引留クランプの取替方法に
つき以下説明する。まず、既設の圧縮形引留クランプの
外部かつ近傍で（図７における切断箇所）、径間側電線
２０とジャンパ側電線２４がそれぞれ切断される。そし
て、ジャンパ側電線２４は、新規な電線を用いるかまた
は圧縮形ジャンパスリーブや溶融接合等により電線を接
続して、従来よりも所定寸法だけ長く設定される。さら
に、径間側電線２０の切断端とジャンパ側電線２４の一
端が溶融接合される。この溶融接合部４０を中間とし
て、径間側電線２０が楔１８，１８に挟持固定され、ジ
ャンパ側電線２４が電線固定金具に固定される。さらに
また、ジャンパ側電線２４の適宜な箇所が、ジャンパ金
具２８に固定金具３２で固定される。そして、径間側電
線２０を挟持する楔１８，１８がクランプ本体１２に挿
入され、引留金具１０，１０の他端が鉄塔の碍子（図示
せず）等に連結される。さらに、ボルト・ナット３０を
緩めてジャンパ金具２８の角度を適宜に調整した後に再
度ボルト・ナット３０を締め付けてジャンパ金具２８が
支持金具２２に固定される。
【００１８】ここで、引留金具１０，１０および支持金
具２２が、従来のものより長く設定される寸法につき説
明する。径間側電線２０は、既設の圧縮形引留クランプ
の近傍で切断される分だけ短くなる。また、その切断端
部にジャンパ側電線２４が溶融接合されるので、その溶
融接合部４０およびその両側の熱影響部の治金的性質が
変化し、所望の機械的強度が失なわれる虞がある。そこ
で、楔１８，１８が、溶融接合による熱影響を受けてい
ない部分で径間側電線２０を挟持固定できるように、引
留金具１０，１０および支持金具２２が、従来のものの
寸法Ｌ（図７に示す）よりｍ以上長く設定される。この
ように、引留金具１０，１０および支持金具２２の寸法
は、楔１８，１８で所望の機械的強度が保持される部分
で径間側電線２０を挟持固定できるように、径間側電線
２０の長さの不足分を補うだけ、従来のものより長く設
定されている。
具２２が、従来のものより長く設定される寸法につき説
明する。径間側電線２０は、既設の圧縮形引留クランプ
の近傍で切断される分だけ短くなる。また、その切断端
部にジャンパ側電線２４が溶融接合されるので、その溶
融接合部４０およびその両側の熱影響部の治金的性質が
変化し、所望の機械的強度が失なわれる虞がある。そこ
で、楔１８，１８が、溶融接合による熱影響を受けてい
ない部分で径間側電線２０を挟持固定できるように、引
留金具１０，１０および支持金具２２が、従来のものの
寸法Ｌ（図７に示す）よりｍ以上長く設定される。この
ように、引留金具１０，１０および支持金具２２の寸法
は、楔１８，１８で所望の機械的強度が保持される部分
で径間側電線２０を挟持固定できるように、径間側電線
２０の長さの不足分を補うだけ、従来のものより長く設
定されている。
【００１９】上述の取替方法にあっては、径間側電線２
０とジャンパ側電線２４が溶融接合されるので電気的特
性は良好である。そして、楔１８，１８は、径間側電線
２０を挟持して張力を与えるので、機械的強度の点で何
んら不具合はない。なお、溶融接合部４０およびその両
側の熱影響部は、治金的特性が変化して機械的強度が低
下する虞があるが、その両側の径間側電線２０とジャン
パ側電線２４がそれぞれ支持金具２２の両側端で固定さ
れ、溶融接合部４０に張力が加わらず、機械的強度の面
で不安を生じさせない。さらに、引留金具１０，１０と
支持金具２２を従来のものより所定寸法だけ長くするこ
とで、径間側電線２０の短い分を補うことができ、ジャ
ンパ側電線２４は、その位置と形状を変化させなくても
良い。このジャンパ側電線２４の形状を設定するさい
に、ジャンパ金具２８の角度を適宜に調整するととも
に、その長さを適宜に調整することで、容易に既存の形
状に設定できる。しかも、支持金具２２は、長く設定さ
れるために、従来のもののごとく楔１８，１８でクラン
プ本体１２に一端が固定されるだけでは、片持ちばりで
あって強い曲げ応力が加わる。そこで、振れ止め金具３
４，３４により支持金具２２の他端が引留金具１０，１
０に固定されており、支持金具２２が変形するようなこ
とがない。
０とジャンパ側電線２４が溶融接合されるので電気的特
性は良好である。そして、楔１８，１８は、径間側電線
２０を挟持して張力を与えるので、機械的強度の点で何
んら不具合はない。なお、溶融接合部４０およびその両
側の熱影響部は、治金的特性が変化して機械的強度が低
下する虞があるが、その両側の径間側電線２０とジャン
パ側電線２４がそれぞれ支持金具２２の両側端で固定さ
れ、溶融接合部４０に張力が加わらず、機械的強度の面
で不安を生じさせない。さらに、引留金具１０，１０と
支持金具２２を従来のものより所定寸法だけ長くするこ
とで、径間側電線２０の短い分を補うことができ、ジャ
ンパ側電線２４は、その位置と形状を変化させなくても
良い。このジャンパ側電線２４の形状を設定するさい
に、ジャンパ金具２８の角度を適宜に調整するととも
に、その長さを適宜に調整することで、容易に既存の形
状に設定できる。しかも、支持金具２２は、長く設定さ
れるために、従来のもののごとく楔１８，１８でクラン
プ本体１２に一端が固定されるだけでは、片持ちばりで
あって強い曲げ応力が加わる。そこで、振れ止め金具３
４，３４により支持金具２２の他端が引留金具１０，１
０に固定されており、支持金具２２が変形するようなこ
とがない。
【００２０】なお、上記実施例にあっては、径間側電線
２０とジャンパ側電線２４が溶融接合されているが、こ
れに限られず、優れた電気的特性で接続されれば良く、
圧縮形スリーブ等を用いて接合しても良い。ここで、楔
１８，１８による所望の機械的強度を有する部分で径間
側電線２０を挟持固定することで、径間側電線２０とジ
ャンパ側電線２４の接続における機械的強度が問題とな
らないことは、容易に理解できるであろう。また、振れ
止め金具３４，３４は、支持金具２２の他端を引留金具
１０，１０に固定できれば、いかなる構造であっても良
い。さらに、上記実施例では引留金具１０，１０も支持
金具２２と同様に径間側電線２０の不足長さ分だけ長く
設定しているが、これに限られず、引留金具１０，１０
の他端を不足長さを補う別途の金具を介して鉄塔の碍子
等に連結しても良い。
２０とジャンパ側電線２４が溶融接合されているが、こ
れに限られず、優れた電気的特性で接続されれば良く、
圧縮形スリーブ等を用いて接合しても良い。ここで、楔
１８，１８による所望の機械的強度を有する部分で径間
側電線２０を挟持固定することで、径間側電線２０とジ
ャンパ側電線２４の接続における機械的強度が問題とな
らないことは、容易に理解できるであろう。また、振れ
止め金具３４，３４は、支持金具２２の他端を引留金具
１０，１０に固定できれば、いかなる構造であっても良
い。さらに、上記実施例では引留金具１０，１０も支持
金具２２と同様に径間側電線２０の不足長さ分だけ長く
設定しているが、これに限られず、引留金具１０，１０
の他端を不足長さを補う別途の金具を介して鉄塔の碍子
等に連結しても良い。
【００２１】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明の楔形引留クランプおよび既設クランプの取
替方法は、以下のごとき格別な効果を奏する。
に、本発明の楔形引留クランプおよび既設クランプの取
替方法は、以下のごとき格別な効果を奏する。
【００２２】請求項１記載の本発明の楔形引留クランプ
にあっては、切断されて短くなった径間側電線を楔で挟
持するので、機械的強度で何んら不具合は生じない。そ
して、支持金具は、径間側電線の長さの不足分を補う長
さを有するので、支持金具の他端に固定されるジャンパ
側電線は、既存のものとその位置と形状が同様に設定さ
れ得る。そして、振れ止め金具により支持金具の他端が
引留金具に固定されるので、支持金具は長くても変形す
ることがなく、ジャンパ側電線の形状を確実に保持でき
る。
にあっては、切断されて短くなった径間側電線を楔で挟
持するので、機械的強度で何んら不具合は生じない。そ
して、支持金具は、径間側電線の長さの不足分を補う長
さを有するので、支持金具の他端に固定されるジャンパ
側電線は、既存のものとその位置と形状が同様に設定さ
れ得る。そして、振れ止め金具により支持金具の他端が
引留金具に固定されるので、支持金具は長くても変形す
ることがなく、ジャンパ側電線の形状を確実に保持でき
る。
【００２３】また、請求項２記載の本発明の楔形引留ク
ランプにあっては、支持金具に対してジャンパ金具の調
整された角度を、凹凸部の噛合により確実に固定するこ
とができ、ジャンパ側電線のジャンパ深さ等の形状を適
宜に設定するのに好適である。
ランプにあっては、支持金具に対してジャンパ金具の調
整された角度を、凹凸部の噛合により確実に固定するこ
とができ、ジャンパ側電線のジャンパ深さ等の形状を適
宜に設定するのに好適である。
【００２４】そして、請求項３記載の本発明の既設クラ
ンプの取替方法にあっては、機械的強度の面で不安が生
ずることがなく、またジャンパ側電線の形状を既存のも
のと同様に設定し得る。しかも、径間側電線とジャンパ
側電線が溶融接合されるので、電気的特性は、経年変化
により劣化することもない。
ンプの取替方法にあっては、機械的強度の面で不安が生
ずることがなく、またジャンパ側電線の形状を既存のも
のと同様に設定し得る。しかも、径間側電線とジャンパ
側電線が溶融接合されるので、電気的特性は、経年変化
により劣化することもない。
【図１】（ａ）は、本発明の楔形引留クランプの一実施
例の平面図であり、（ｂ）は、引留金具を一部切り欠い
た（ａ）の側面図である。
例の平面図であり、（ｂ）は、引留金具を一部切り欠い
た（ａ）の側面図である。
【図２】（ａ）は、支持金具とジャンパ金具の側面図で
あり、（ｂ）は、（ａ）の部分的底面図である。
あり、（ｂ）は、（ａ）の部分的底面図である。
【図３】（ａ）は、ジャンパ金具単体の側面図であり、
（ｂ）は、（ａ）のＡ矢視図である。
（ｂ）は、（ａ）のＡ矢視図である。
【図４】図１（ｂ）のＢ−Ｂ断面図である。
【図５】図１（ｂ）のＣ−Ｃ断面図である。
【図６】図１（ｂ）のＤ−Ｄ断面図である。
【図７】圧縮形引留クランプの側面図である。
１０ 引留金具 １２ クランプ本体 １８ 楔 ２０ 径間側電線 ２２ 支持金具 ２２ａ，２８ａ 凹凸部 ２４ ジャンパ側電線 ２６ 電線固定金具 ２８ ジャンパ金具 ３０ ボルト・ナット ３４ 振れ止め金具 ４０ 溶融接合部
フロントページの続き (72)発明者 西田 英司 神奈川県川崎市高津区久本１丁目８番１号 旭電機株式会社内
Claims (3)
- 【請求項１】 径間側電線を挟持する楔が一端に設けら
れ前記径間側電線の長さ不足分を補うだけの長さを有す
る支持金具の他端部にジャンパ側電線を固定する電線固
定金具とジャンパ金具を設けるとともに、前記支持金具
の他端部を引留金具に固定する振れ止め金具を設けて構
成したことを特徴とする楔形引留クランプ。 - 【請求項２】 請求項１記載の楔形引留クランプにおい
て、前記ジャンパ金具を前記支持金具とは別体とし、前
記支持金具に対して前記ジャンパ金具をボルトナットに
より揺動自在となし、前記ボルトナットの締め付けによ
り当接する前記支持金具とジャンパ金具の当接面に相互
に噛合して揺動を禁止する凹凸部をそれぞれ設けて構成
したことを特徴とする楔形引留クランプ。 - 【請求項３】 径間側電線とジャンパ側電線が切り分け
られて圧縮形引留クランプで圧縮接続された既設クラン
プの取り替えにおいて、前記径間側電線を前記圧縮形引
留クランプの外部かつ近傍で切断し、その切断端に新た
なジャンパ側電線の一端を溶融接合し、請求項１記載の
楔形引留クランプの楔で溶融接合部の片側の前記径間側
電線を挟持固定するとともに、前記電線固定金具で溶融
接合部を挟んで反対側の前記新たなジャンパ側電線を固
定することを特徴とする既設クランプの取替方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30962894A JP3342208B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 楔形引留クランプおよび既設クランプの取替方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30962894A JP3342208B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 楔形引留クランプおよび既設クランプの取替方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08149669A true JPH08149669A (ja) | 1996-06-07 |
| JP3342208B2 JP3342208B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=17995325
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30962894A Expired - Fee Related JP3342208B2 (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 楔形引留クランプおよび既設クランプの取替方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3342208B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007188838A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 圧縮端子の角度調整金具 |
| JP2011259587A (ja) * | 2010-06-08 | 2011-12-22 | Asahi Electric Works Ltd | 楔型引留クランプ |
| CN108365560A (zh) * | 2018-03-29 | 2018-08-03 | 国网福建省电力有限公司泉州供电公司 | 一种架空输电线路跳线并钩线夹半自动更换工具 |
| RU183392U1 (ru) * | 2018-03-02 | 2018-09-21 | Общество С Ограниченной Ответственностью "Мзва" (Ооо "Мзва") | Анкерный зажим |
| JP2021129348A (ja) * | 2020-02-12 | 2021-09-02 | 古河電工パワーシステムズ株式会社 | 楔形引き留めクランプ及び楔形引き留めクランプを用いた碍子装置改修方法 |
-
1994
- 1994-11-18 JP JP30962894A patent/JP3342208B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007188838A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | 圧縮端子の角度調整金具 |
| JP2011259587A (ja) * | 2010-06-08 | 2011-12-22 | Asahi Electric Works Ltd | 楔型引留クランプ |
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| CN108365560A (zh) * | 2018-03-29 | 2018-08-03 | 国网福建省电力有限公司泉州供电公司 | 一种架空输电线路跳线并钩线夹半自动更换工具 |
| JP2021129348A (ja) * | 2020-02-12 | 2021-09-02 | 古河電工パワーシステムズ株式会社 | 楔形引き留めクランプ及び楔形引き留めクランプを用いた碍子装置改修方法 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
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