JPH0814530B2 - 耐候性試験方法 - Google Patents

耐候性試験方法

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JPH0814530B2
JPH0814530B2 JP23297389A JP23297389A JPH0814530B2 JP H0814530 B2 JPH0814530 B2 JP H0814530B2 JP 23297389 A JP23297389 A JP 23297389A JP 23297389 A JP23297389 A JP 23297389A JP H0814530 B2 JPH0814530 B2 JP H0814530B2
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芳雄 木嶋
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大日本プラスチック株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐候性試験方法に関し、特にプラスチッ
クス,塗料,インキ,顔料,繊維などの耐候性試験にお
いて、初期変化が緩やかで屋外自然劣化に対して極めて
相関性のよい試験結果が得られるようにした耐候性試験
方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、プラスチック材料,塗料等の耐候性を測定する
場合は、一般に、JIS B7751〜7754による耐候性試験機
が使用されている。これらの試験機は、通常、カーボン
アークランプやキセノンアークランプ等の光源を使用
し、その光源の光を試料に照射して耐候性の促進試験を
行っている。
ところが、これらの試験機における試料に対する紫外
線照射強度は、一般に、被照射面1cm2あたり約6mW程度
であり、太陽光1年に相当する紫外線劣化特性を測定及
び判別するのに約数百時間以上を要していた。
しかも、従来は、各ロット別の試料を全数試験にかけ
る方法が一般的に行われているため、測定及びその結果
を判断するのに長時間を要し、極めて非能率的であると
いう問題点があった。
このような問題点を解決する一手段として、この発明
の発明者らは、先に試料を耐候性試験機にかける前に、
各ロット別に試料にメタルハライドランプによる強い紫
外線、例えば被照射面1cm2あたり約50mW以上の強度の紫
外線を照射して、極めて短時間、例えば従来の1/10以下
の時間で紫外線劣化の判別を行える、いわば耐候性試験
のプレ試験を行うためのプレス試験機を提案した(特開
昭60−117128号公報、及び特開昭60−117129号公報参
照)。
ところで耐候性試験は、プラスチックス,塗料などの
試料が実際の使用状態においてさらされることになる物
理的条件下で行われることが望まれる。特に夜間におけ
る試料は、単に太陽光の照射がなく、低温にさらされる
だけではなく、その低温によって結露状態になりやす
い。
したがって、耐候性試験又はそのプレ試験にそのよう
な結露条件を付すことが、屋外自然劣化と相関性をもつ
結果を得る点で好ましいものである。
従来、試料にこのような結露条件を付与する方法とし
ては、例えば、特公昭55−13541号公報に、試料を水に
浸水させる方法が提案されている。しかしながら、この
ような浸水方法は決して実際の結露状態を現出できず、
それに代えうるものではない。
これに対してこの発明の発明者らは、実際の結露状態
を試料に付与する方法として、試料の温度とその試料の
周囲空気の温度と湿度とを調整することを考え、試料載
置台に温度調節手段を設け、該試料載置台を配置した区
画室内に加湿器を配設して、それらに制御手段を通じて
特定の作動条件を付与することによって、紫外線照射源
のオフ期間中に試料の温度を露点以下に低下させ、それ
によって自然結露に近い結露状態を試料に付与すること
ができるようにしたものを提案した(特開昭62−297744
号参照)。
更に試料表面に結露を形成させる手段としては、試料
の裏面に冷却水をスプレーするとか、あるいは電子冷却
素子で試料を冷却する方法が、特開昭58−90146号公報
に開示されている。
ところで、紫外線を照射する促進耐候性試験におい
て、上記のような結露過程を加えた場合、試験時間が経
過すると共に、試料表面に斑点模様が現れると共に、試
料表面の大幅な色変化が現れることが判明した。そして
特に紫外線照射強度の大きい上記の如き促進耐候性試験
方法にこの結露過程を加えた場合は、この現象が顕著に
現れることがわかった。
このような斑点模様や大幅な色変化は、試料を屋外へ
自然放置した場合には、現れない現象であり、したがっ
てこの現象は自然劣化と耐候性試験結果の相関性を考慮
する上で極めて不都合なものである。
このような斑点が発生する原因は、結露過程で試料表
面に形成される結露に含まれる不純物、あるいは試料表
面に形成された結露により試料中より抽出された物質等
が試料表面に付着し、結露過程後の紫外線照射過程にお
いて、残存している結露のレンズ作用等により、これら
の表面付着物が試料表面に焼き付けられる結果、発生す
るものと考えられる。
このような斑点等の発生を防止するため、本件発明者
らは、先に特願昭63−131627号において、試料に人工光
源で紫外線を照射する過程と、該試料の表面に結露させ
る過程と、該結露過程後に前記試料に再度紫外線を照射
する過程とを含む耐候性試験方法において、少なくと
も、紫外線を照射したのち試料の表面に結露させる過程
と該結露過程後に再度紫外線を照射する過程との間に、
前記試料表面を洗浄材で洗浄する過程を加える耐候性試
験方法を提案した。
この耐候性試験方法によれば、少なくとも、紫外線を
照射したのち試料表面に結露させる過程と該結露過程後
に再度紫外線を照射する過程との間に、洗浄材で試料表
面を洗浄する過程を加えることによって、結露過程にお
いて試料表面に付着した不純物あるいは試料表面に抽出
された物質等は、洗浄材で洗浄除去されるので、これら
の物質等が試料表面に付着したまま、次の紫外線照射過
程で焼き付けられることはなくなり、したがって試料表
面への斑点模様の発生は有効に防止することが可能とな
り、またそれに伴い試料表面の大幅な色変化も防止する
ことができるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが先に提案した耐候性試験方法によれば、試料
表面への斑点模様の発生や試料表面の大幅な色変化は有
効に防止されるが、大なる強度の紫外線照射過程に結露
過程及び洗浄過程を加えて短時間で行う極めて苛酷な耐
候性試験であるため、試料表面のみが急激に作用を受け
て劣化し易い。そのため結露過程時などにおいて水分の
試料内部への浸透が充分ではなかったり、あるいは試料
中に含まれる可塑剤,安定剤,酸化防止剤,紫外線吸収
剤,帯電防止剤等の添加剤の内部から表面への移行が充
分ではなく表層のみの劣化で終わり、試料内部の変化が
促進されにくい。特に、PVCのような耐熱性の悪い試料
によっては急激な表面変化によって微妙な劣化状態が得
られず、屋外暴露試験結果に対して相関性等において充
分満足すべき結果が得られないという問題点があること
が判明した。
なお一般にプラスチックスや塗料などには、添加剤と
して次のようなものが用いられている。
熱安定剤 有機錫系安定剤(ジオクチル錫ラウレート,ジブチル
錫マレートなど) カルシウム安定剤(ステアリン酸カルシウムなど) バリウム系安定剤(ステアリン酸バリウムなど) 鉛系安定剤(三塩基性硫酸鉛,ステアリン酸鉛など) エポキシ化合物など 酸化防止剤 フェノール系酸化防止剤 有機イオウ系酸化防止剤 リン系酸化防止剤など 紫外線吸収剤 ヒドロキシベンゾフェノン系 ベンゾトリアゾール系 サリチル酸エステル系など 可塑剤 フタル酸エステル系(DBP,DOP,DHPなど) リン酸エステル系(TCP,TPPなど) トリメリット酸エステル系(TOTMなど) エポキシ化合物系 ポリエステル系など 光安定剤 ヒンダードアミン系 難燃剤 ハロゲン系,リン系など 帯電防止剤 アニオン系,ノニオン系,カチオン系界面活性剤など 本発明は、先に提案した耐候性試験方法における上記
問題点を解決するためなされたもので、急激な表面劣化
を抑え、内部までのマイルドな劣化が促進され、試験初
期の微妙な変化が得られると共に自然劣化に対して極め
て相関性の高い試験結果が得られるようにした耐候性試
験方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
上記問題点を解決するため、本発明は、試料に人工光
源で紫外線を照射する過程と、該試料の表面に結露させ
る過程と、該結露過程後に前記試料に再度紫外線を照射
する過程とを含む耐候性試験方法において、少なくと
も、紫外線を照射したのち試料の表面に結露させる過程
と該結露過程後に再度紫外線を照射する過程との間に、
前記試料表面を洗浄材で洗浄する過程と、試料を光がな
く温湿度一定の状態に保持する過程とを加えることを特
徴とするものである。
このように洗浄過程の他に、試料を光がなく温湿度一
定の状態に保持する過程(以下レスト過程と称する)を
加えることにより、試料内容をより自然条件に近似させ
ることができて急激な表面の劣化が阻止されるばかりで
なく、レスト過程中において、試料内部への水分や浸透
や、種々の添加材のブリードが促進され、これにより他
の試験過程との組み合わせにより内部までの劣化が促進
され、試験初期の微妙な変化と共に相関性の極めて高い
試験結果が得られる。
〔実施例〕
以下本発明の実施例について説明する。第1図は、本
発明に係る耐候性試験方法を実施するために用いる試験
装置の一構成例を示す概略線図であり、1は光源で、例
えば250〜550nmの波長域に、かなり大きなエネルギーを
有するメタルハライドランプと、実質的に波長域を300
〜450nmに絞るフィルタと、水冷ジャケット等で構成さ
れている。そしてこの光源1は、ドーム状平行光用主反
射板2と平行光用補助反射板3からなる反射板の内部に
収納されている。4は石英ガラス製のシールド板で、紫
外線を透過し試料室5と光源部とを遮断するものであ
る。
7は試料室5に配置された試料台で、該試料台7には
試料6が取り付けられ、また図示しない水冷却手段ある
いは電子冷却手段等の温度調整手段が設けられている。
8は送風ノズルで、試料台7に取り付けられた試料6に
対して所定温度の空気を吹き付けて試料6を所定温度に
保持するものである。9は試料室5を加湿するための加
湿槽で、加温用のヒータ10が設けられている。11a,11b
は試料台7に取り付けられた試料6に向けて洗浄材を噴
射するスプレーノズルである。なお洗浄材としては、
水,界面活性剤,空気を含んだ水,アルコール等が用い
られる。
試料台7は前記スプレーノズル11a,11bより噴射され
た洗浄材が滞留せず流下させるため、例えば15゜程度傾
斜して配置されており、それに伴い光源部も傾斜して試
料室5に取り付けられている。また試料室5には図示し
ない温度検出器や湿度検出器等も配置されている。なお
図において、12はスプレーノズルの配管、13は電磁弁、
14は洗浄材供給口、15は光源1,送風ノズル8,加湿槽9の
ヒータ10,電磁弁13,試料台7の温度調整手段等の動作
を、所定のプロセスに従って制御する制御装置である。
このように構成された耐候性試験装置を用いて本発明
に係る耐候性試験を行うには、まず試料台7上に試料6
を載置し、光源1のオン動作で紫外線照射を一定時間
(例えば4時間)受ける。この場合、図示しない温度検
出器の検出信号に基づき、試料6は送風ノズル8から噴
射される空気により一定温度(40〜100℃±1.0℃)に維
持されている。次いで光源1のオフ動作で紫外線照射が
中断すると、温度検出器の検出信号に基づき試料台7の
温度が、試料台7に設けられた図示しない温度調整手段
により露点以下の所定温度に下げられる。また加湿槽9
を加温して蒸気を発生させ、試料湿5を所定湿度に加湿
する。これにより試料台7に保持されている試料6の表
面には結露が生ずる。
この結露状態を一定時間(例えば約1時間)継続させ
たのち、電磁弁13を操作したスプレーノズル11a,11bを
作動させて洗浄材を試料6に向けて噴射し、結露を除去
すると共に試料表面を洗浄する。次いで光源1をオフに
したまま所定温度(例えば45℃)及び湿度(例えば95%
RH)にして、レスト状態を所定時間(例えば5時間)継
続する。次いで再び光源1をオンして、試料6に対して
紫外線を照射する。以下これらの過程を繰り返し実行す
る。
このようにして耐候性試験を実行することにより、屋
外自然放置した場合における結露状態及び夜間の状態に
極めて近似する状態を試料に与えると共に、洗浄過程を
加えることによって、試料表面への斑点模様の発生と、
試料表面の大幅な色変化が防止されると共に試料内部の
劣化が促進されるから、試験初期の微妙な変化や、自然
劣化と極めて相関性の高い耐候性試験結果を得ることが
できる。
なお上記実施例では、洗浄過程は、結露過程と次の紫
外線照射過程との間に加えたものを示したが、この洗浄
過程は、紫外線照射後の次の結露過程に入る前にも加え
るようにしてもよく、この場合は更に効果的に斑点模様
並びに大幅な色変化の発生を防止することが可能とな
る。更にまたこの洗浄過程は結露過程中に加えることも
有効である。
またレスト過程における温度条件は、試料に応じて、
温度は30〜85℃、湿度は20〜100%RHの範囲で適宜設定
条件を変更することが可能である。また各過程の組み合
わせサイクル中におけるレスト過程の挿入時点も適宜選
択することができ、またその組み合わせサイクルも4〜
50時間の範囲で任意に選択することができ、最も自然に
近い条件を実験により選択設定すればよい。
また上記試験装置の構成例では、洗浄材を噴射するス
プレーノズルは、試料上方の左右に2個設けたものを示
したが、スプレーノズルの個数及び配置位置等は、これ
に限らず試料台の形状,大きさ等に応じて適宜設定でき
るものである。また試料を洗浄する手段としては、高温
蒸気を試料表面に噴射して洗浄を行う手段を用いること
ができ、更には超音波洗浄器なども用いることができ
る。
次に本発明による耐候性試験方法による効果を確認す
るために、従来の耐候性試験方法等と共に行った試験例
の結果について説明する。
(1)本発明の試験条件 使用光源:メタルハライドランプ4kW 照射波長:300〜450nm ブラックパネル温度(紫外線照射時):63℃±3℃ 試料面紫外線強度:100±5mW/cm2 結露時試料室湿度:95%RH以上 結露時ブラックパネル温度:30℃±1℃ レスト時試料室湿度:95%RH以上 レスト時ブラックパネル温度:45℃±2℃ 洗浄時間:照射終了後30秒及び結露終了後30秒 洗浄材:イオン交換水 洗浄材温度:20℃ 洗浄材噴射量:試料表面1cm2に付き9cc 洗浄材噴射圧:1.5kg/cm2 試験サイクル:紫外線照射4時間、結露1時間、レスト
5時間 (2)従来例(サンシャインウェザメータ)の試験条件 使用光源:サンシャインカーボンアーク灯 照射波長:280〜1400nm ブラックパネル温度:63℃±3℃ 試料面紫外線強度:5mW/cm2 (3)従来例2(キセノンウェザメータ)の試験条件 使用光源:キセノンアーク灯3.5kW 照射波長:300〜1400nm ブラックパネル温度:63℃±3℃ 試料面紫外線強度:2.3mW/cm2 (4)従来例3(洗浄過程のみを加えレスト過程のない
もの)の試験条件 使用光源,結露条件、洗浄条件,紫外線照射・結露サ
イクル等は本発明の試験条件と同じ (5)参照例1(屋外暴露)の試験条件 期 間:昭和62年5月から昭和63年4月まで12ケ月 場 所:千葉県松戸市 試料としては、次に述べる試料作成条件で作成した硬
質塩化ビニールを用いた。
試料作成条件 (イ)配 合(単位はPHR) PVC(重合度=1100) 100 トリベース 1.0 ステアリン酸塩 1.5 二塩基性ステアリン酸鉛 0.3 ステアリン酸カルシウム 0.3 炭酸カルシウム 8.75 酸化チタン 0.2 カーボンブラック 1.0 (ロ)成形条件 上記配合処方で混合したパウダーを、160〜170℃の熱
ロールで5分間練り、得られた素出しシートを190〜195
℃,10分間のプレスを行い、冷却後約1.0mmのシートとし
て試料を作成した。
以上のようにして作成した試料を、上記試験条件で各
試験を行って、60゜グロス保持率(これは試料表面の反
射率の変化を測定するためのものである)、CIE1976
L,a,b空間表色系による色表示におけるL
(これは試料表面の明度の変化を測定するためのもので
ある)、b値(これは試料表面の色度の黄−青方向の
変化を測定するためのものである)、及びこの表色系か
ら得られる色差ΔE(これは試料表面の色相の変化を
測定するためのものである)を測定した結果を、第2図
〜第9図に示す。
第2図の曲線aは、屋外暴露試験におけるグロス保持
率の変化を示す図で、試験開始後8ヶ月までは急激に20
%まで低下するが、それ以降は殆ど変化が生じていな
い。一方サンシャインウェザメータ(従来例1)では、
第3図の曲線bで示すように、屋外暴露試験と同様な傾
向を示し、またキセノンウェザメータ(従来例2)では
同図の曲線cで示すように、ほぼ直線的な変化を示す
が、いずれもグロス保持率が20%に低下するまでには、
600〜800時間程度必要としていることがわかる。
一方、第4図の曲線dで示すように、洗浄過程のみを
加えた従来例3の場合は、50時間に達する前に20%以下
に低下している。これにより従来例3による方法は、従
来例1,2の約1/10以下の試験時間で、試料のグロス保持
率を屋外暴露時における8ヶ月と同程度の劣化状態にす
ることが可能であることがわかる。しかしながら従来例
3による方法においては、試験期間が50時間経過後もグ
ロス保持率を更に低下し続ける傾向があり、屋外暴露試
験と若干異なる傾向を示している。これに対して本発明
による方法では、同図曲線eで示すように、低下の程度
は若干少ないけれども試験期間が60時間経過後は殆ど変
化せず、屋外暴露試験と極めて近似した試験結果が得ら
れることがわかる。
次に色差ΔEについては、第5図において曲線aで
示すように屋外暴露の場合は、ほぼ直線的に上昇し、12
ヶ月後にΔE値は20に達し、それ以降も急激に上昇す
る傾向が見られるのに対し、従来例1,2共に試験時間が1
000時間になっても、曲線b,cで示すように、飽和状態に
なってΔE値は10に達していない。
一方第6図の曲線dで示すように、従来例3では、50
時間で約15に達し、更に時間経過と共に急激な上昇傾向
を示しているが、試験初期において急激な変化を示すと
共に試験途中において変化が進行しない状態が生じてい
ることがわかる。これに対して、本発明による方法で
は、同図曲線eで示すように、50時間で約20に達すると
共に、初期変化が緩やかで屋外暴露試験と同様に試験時
間経過と共にほぼ直線的に変化し、同様な傾向を示して
いる。
次にL値の測定結果を、第7図(A),(B),
(C)に示す。第7図(A)の曲線aは屋外暴露時の変
化を示すもので、時間経過と共に漸増の傾向を示し、12
ヶ月ではL値は70に達している。一方第7図(B)の
曲線b,cで示すように、従来例1,2では、試験時間が経過
しても殆ど変化しないか、僅かに低下し、屋外暴露試験
とは全く異なる傾向を示している。
一方、第7図(c)の曲線dで示すように、従来例3
では、L値は時間経過と共に一旦低下するが、再び上
昇に転じ、50時間という短時間で、屋外暴露の12ヶ月目
の劣化状態に近い状態に達している。これに対して本発
明による方法では、同図曲線eで示すように、時間経過
と共に殆ど低下することなく漸増の傾向を示し、80時間
でL値はほぼ70に達し、屋外暴露試験と極めて近似し
た試験結果が得られていることがわかる。
次にb値の測定結果について述べると、第8図の曲
線aで示すように、屋外暴露の場合は、試験当初、b
値は(−)値(青)を示していたものが一旦0近傍に変
化し、再び(−)値の高い値に上昇する傾向を示してい
る。一方同図の曲線b,cで示すように、従来例1,2は共
に、(+)値(黄)に変化して、試料表面は時間経過と
共に黄変度を強めていく傾向を示している。
一方、第9図の曲線dで示すように、従来例3は、b
値は一旦(+)値へ変わり黄変するが、504時間で再
び(−)値に戻り、屋外暴露と似た傾向を示している。
これに対して本発明による方法においては、同図曲線e
で示すように、試験当初において黄変する度合は極めて
小さく、従来例3に比べて急激な初期変化が緩和され、
屋外暴露試験により近似した傾向を示していることがわ
かる。
以上の各試験データ等から本発明の方法により耐候性
試験を行わせた場合は、先に提案した洗浄過程のみを加
えた耐候性試験方法に比べ、急激な初期変化が緩和さ
れ、しかも短時間で長期間の屋外暴露時の劣化状態に更
に近似する状態を示すことがわかり、したがって自然劣
化に対して相関性のより高い試験結果が得られることが
確認された。
上記各試験方法による実験においては、試料としては
硬質塩化ビニール板を用いたものを示したが、試料とし
て、材質及び表面色の異なる軟質塩化ビニール板,アク
リル系塗装板等を用いた場合も、本発明による試験結果
と従来例3による試験結果とは、ほぼ同様な結果が得ら
れ、本発明による耐候性試験方法によれば、試料表面へ
の斑点模様の発生や、試料表面の大幅な色変化は有効に
防止することができるばかりでなく、急激な表面劣化を
防いで試料内部までの劣化を促進し、急激な初期変化を
緩和して自然劣化と極めて相関性のある耐候性試験結果
を容易に得ることが確認された。
なお上記本発明の試験例においては、人工光源とし
て、波長域が250〜550nmのメタルハライドランプに実質
的に波長域を300〜450nmに絞るフィルタを組み合わせ、
試験片面紫外線強度が100±5mW/cm2となるようにした光
源を用いて実施したものを示したが、例えば数十mW/cm2
以上の強度が得られる紫外線を含み、更に可視光及び又
は赤外光をも含む光源を放射する人工光源を用いた場合
も、同様な試験結果が得られるものである。
〔発明の効果〕
以上実施例に基づいて説明したように、本発明の耐候
性試験方法によれば、少なくとも、紫外線を照射したの
ち試料表面に結露させる過程と該結露過程後に再度紫外
線を照射する過程との間に、洗浄材で試料表面を洗浄す
る過程と、光のないレスト過程とを加えたので、試料表
面への斑点模様の発生や試料表面の大幅な色変化は有効
に防止することができるばかりでなく、急激な変化劣化
を防いで試料内部までの劣化を促進し、急激な初期変化
を緩和して自然劣化に対して極めて相関性のよい耐候性
試験結果を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る耐候性試験方法の実施に用いる
試験装置の構成例を示す概略線図、第2図は、屋外暴露
試験におけるグロス保持率の変化を示す図、第3図は、
従来例1及び2の試験によるグロス保持率の変化を示す
図、第4図は、本発明及び従来例3の試験によるグロス
保持率の変化を示す図、第5図は、屋外暴露,従来例1
及び2の試験による色差ΔEの変化を示す図、第6図
は、本発明及び従来例3の試験による色差ΔEの変化
を示す図、第7図(A)は、屋外暴露試験によるL
の変化を示す図、第7図(B)は、従来例1及び2の試
験によるL値の変化を示す図、第7図(C)は、本発
明及び従来例3の試験によるL値の変化を示す図、第
8図は、屋外暴露,従来例1及び2の試験によるb
の変化を示す図、第9図は、本発明及び従来例3の各試
験によるb値の変化を示す図である。 図において、1は光源、2は主反射板、3は補助反射
板、4はシールド板、5は試料室、6は試料、7は試料
台、8は送風ノズル、9は加湿槽、10は加温用ヒータ、
11a,11bはスプレーノズル、12は配管、13は電磁弁、14
は洗浄材供給口、15は制御装置を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料に人工光源で紫外線を照射する過程
    と、 該試料の表面に結露させる過程と、該結露過程後に前記
    試料に再度紫外線を照射する過程とを含む耐候性試験方
    法において、少なくとも、紫外線を照射したのち試料の
    表面に結露させる過程と該結露過程後に再度紫外線を照
    射する過程との間に、前記試料表面を洗浄材で洗浄する
    過程と、試料を光がなく温湿度一定の状態に保持する過
    程とを加えたことを特徴とする耐候性試験方法。
JP23297389A 1989-09-11 1989-09-11 耐候性試験方法 Expired - Lifetime JPH0814530B2 (ja)

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