JPH08144022A - 耐食性および熱間加工性に優れたフェライト系ステンレ ス鋼 - Google Patents

耐食性および熱間加工性に優れたフェライト系ステンレ ス鋼

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JPH08144022A
JPH08144022A JP28938494A JP28938494A JPH08144022A JP H08144022 A JPH08144022 A JP H08144022A JP 28938494 A JP28938494 A JP 28938494A JP 28938494 A JP28938494 A JP 28938494A JP H08144022 A JPH08144022 A JP H08144022A
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JP
Japan
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corrosion resistance
stainless steel
ferritic stainless
hot workability
steel
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Withdrawn
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JP28938494A
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English (en)
Inventor
Yasuto Inohara
康人 猪原
Naoji Yamanouchi
直次 山之内
Isamu Kage
勇 鹿毛
Masaitsu Tanaka
賢逸 田中
Toshiya Nishimura
俊弥 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐食性および熱間加工性に優れた
フェライト系ステンレス鋼に関し、特に外装材、建材等
に用いるのに好適なフェライト系ステンレス鋼である。 【構成】 重量%で、C:0.003%以下、Si:
0.1〜1.0%、Mn:0.01〜1.0%、S:
0.005%以下、Cr:19〜26%、Mo:0.7
〜2%、N:0.01%以下、Nb:0.05〜0.1
%、を含み、かつ、残部はFeおよび不可避不純物から
なることを特徴とする耐食性および熱間加工性に優れた
フェライト系ステンレス鋼である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性および熱間加工
性に優れたフェライト系ステンレス鋼に関し、特に外装
材、建材等に用いるのに好適なフェライト系ステンレス
鋼である。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼に比べ耐
食性、耐酸性が劣っていたフェライト系ステンレス鋼
も、SUS444などの高耐食性を有する鋼種が開発さ
れた。これらは、耐応力腐食割れに優れ、かつ熱膨張率
が小さいなどの理由により建材、温水槽等に広く使用さ
れている。
【0003】フェライト系ステンレス鋼の耐食性を向上
させる方法には、CrおよびMo量の増加や、Nb、C
uの添加が有効であることが一般に知られているが、そ
れに伴い鋼板製造時に割れが生じたり、焼鈍等でスケー
ル直下にCr欠乏層が生成し、冷延板など焼鈍後の耐食
性の劣化をきたす等の問題が生じている。
【0004】また溶接部の耐食性および靭性の改善に大
きな影響を及ぼすCおよびNを固定するために安定化元
素を添加する技術が提案されているが、その元素の種類
によって鋼の特徴はそれぞれ異なるが、代表的な鋼とし
ては、Nb安定化鋼およびTi安定化鋼が知られてお
り、例えば、Sの低減とNbなどの添加により耐銹性を
高めた特公昭59−52226、Nb添加により溶接部
靭性を高めた特公昭58−73726、鋼表面にSi、
NbおよびCr酸化物皮膜を形成させて耐銹性を高めた
特公昭63−25052、(C+N)量によりNb量を
定めて溶接性を向上させた特公昭56−20349、M
nSの生成を抑制するとともにNbを添加して耐局部腐
食性を改善した特開昭55−158254、Nbおよび
Vを添加して溶融熱影響部の靭性を高めた特公昭63−
66378などがある。
【0005】更に、靭性の改善のために熱延および熱処
理時に組織を微細化し、優れた靭性を得る特公平1−3
3532など製造方法の改善がなされている。
【0006】
【解決しようとする課題】このように、フェライト系ス
テンレス鋼における耐食性、溶接部靭性の問題について
は改善されてきているが、熱間加工性が悪く、工場で大
型鋼塊から製造する際には熱片挿入を必要とするなど製
造面での制約があった。
【0007】この発明は、上記の問題点を解決するため
になされたもので、フェライト系ステンレス鋼の優れた
諸特性を損なうことなく、優れた耐食性および著しく優
れた熱間加工性を有するフェライト系ステンレス鋼を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を解
決するために、以下を要旨とする、即ち重量%にて、
C:0.003%以下、Si:0.1〜1.0%、M
n:0.01〜1.0%、S:0.005%以下、C
r:19〜26%、Mo:0.7〜2%、N:0.01
%以下、Nb:0.05〜0.1%、を含み、かつ、残
部はFeおよび不可避不純物からなる耐食性および熱間
加工性に優れたフェライト系ステンレス鋼である。
【0009】
【作用】高耐食フェライト系ステンレス鋼の特長を損な
うことなく熱間加工性に優れたフェライト系ステンレス
鋼について鋭意研究を行なった。その結果、耐食性劣化
の原因となるC量を従来言われている極く低いレベルよ
りもさらに低いレベルに抑制することにより、著しく熱
間加工性を改善することができることを見いだした。そ
のため、高価なNbの添加量を極く微量としても、溶接
熱影響部の耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼を
得ることができ、合金原料コストの低減も可能である。
【0010】以下に本発明の鋼成分元素の範囲を限定し
た理由について説明する。Cは、鋼の耐食性および延性
に大きな影響を及ぼす成分であり、C含有量が少ないほ
ど耐食性が向上するため、できる限り低減することが望
ましい。一般には、0.01%以下において高耐食性が
得られるといわれているため、この組成範囲において耐
食性および熱間加工性を中心に鋭意研究を行なった。そ
の結果、本発明鋼においては、C量を0.003%以下
にすることにより耐食性とともに熱間加工性が著しく改
善されることがわかった。そこで、上限値を0.003
%とする。
【0011】Siは、脱酸剤、熱間加工性改善材として
有効な元素である。0.1%未満では十分な脱酸効果が
得られないため下限は0.1%とする。また、過剰に添
加すると逆に熱間加工性を劣化させるため上限は1%と
する。
【0012】Mnは、脱硫剤および脱酸剤として有効な
元素である。0.01%未満では十分な効果が得られな
いため下限は0.01%とする。また、1%を越えて添
加すると鋼中のSと結合して可溶性のMnSを形成して
耐食性を低下させ、かつMnにより硬さが上昇し、伸び
が低下して加工性を損なうので上限は1%とする。
【0013】Sは、0.005%以下で耐食性が著しく
向上するため、この値を上限とする。
【0014】CrおよびMoは、オーステナイト系ステ
ンレス鋼のSUS304以上でSUS316並みの耐食
性を確保するためにCr:19%以上、Mo:0.7%
以上が必要である。しかし、Crが26%、Moが2%
を越えると延性が低下し、絞り加工などが難しくなるた
め、Crは19%以上26%以下、Moは0.7%以上
2%以下とする。
【0015】Nは、Cr窒化物を形成すると耐食性を劣
化させるため、上限値を0.01%とする。
【0016】Nbは、C固定のためにはNb≧8〔C〕
を満たすことで十分であるが、更に耐食性を向上させる
ために0.05%以上添加し、これにより不働態皮膜中
に濃化し耐食性を向上させる効果がある。そのため下限
値は0.05%とする。上限は加工性劣化および経済性
を考慮し、0.1%とする。
【0017】
【実施例】フェライト系ステンレス鋼の実施例を表1に
示す。耐食性は、熱処理(1200℃x30min、水
冷)を施した鋼板を45x30mmに切り出し、表面を
研磨した試片について塩化第二鉄孔食試験JISG05
78に準拠し、1時間の浸漬で評価した。
【0018】本発明例により製造したフェライト系ステ
ンレス鋼はオーステナイト系ステンレス鋼のSUS30
4より優れ、SUS316と同様、また、フェライト系
ステンレス鋼の高Nb添加材並みの耐食性を有してい
る。
【0019】熱間加工性は、熱間圧延時の割れの有無で
評価し、割れが発生しなかった場合は○、割れが発生し
た場合は×とした。本発明材は、熱間圧延時に割れを生
じないのに十分な延性を有していることがわかる。
【0020】
【表1】
【0021】図1は、本発明鋼と比較鋼(但し、CとN
b以外は発明鋼の範囲)について、横軸にC量、縦軸に
Nb量をとり、耐食性および熱間加工性の関係を示した
ものであるが、本発明鋼の耐食性および熱間加工性の優
れていることがわかる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、高耐
食フェライト系ステンレス鋼板に優れた熱間加工性を与
えることができるので、経済的に製造することができ
る。
【0023】この結果、従来やむを得ず高価なNiを多
量に含むSUS304やSUS316のオーステナイト
系ステンレス鋼を使用していた分野、あるいは、溶接部
の耐食性改善のために高価なNbを多く含み、分塊圧
延、熱間圧延の困難さのために製造コストの高い特殊な
フェライト系ステンレス鋼を使用していた分野に、本発
明による安価なフェライト系ステンレス鋼を適用するこ
とが可能となり、工業的な利益は極めて大きいものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明鋼と比較鋼について、横軸にC量、縦軸
にNb量をとり、耐食性および熱間加工性の関係を示し
たものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 賢逸 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 西村 俊弥 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.003%以下、S
    i:0.1〜1.0%、Mn:0.01〜1.0%、
    S:0.005%以下、Cr:19〜26%、Mo:
    0.7〜2%、N:0.01%以下、Nb:0.05〜
    0.1%、を含み、かつ、残部はFeおよび不可避不純
    物からなることを特徴とする耐食性および熱間加工性に
    優れたフェライト系ステンレス鋼。
JP28938494A 1994-11-24 1994-11-24 耐食性および熱間加工性に優れたフェライト系ステンレ ス鋼 Withdrawn JPH08144022A (ja)

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JP28938494A JPH08144022A (ja) 1994-11-24 1994-11-24 耐食性および熱間加工性に優れたフェライト系ステンレ ス鋼

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JP28938494A JPH08144022A (ja) 1994-11-24 1994-11-24 耐食性および熱間加工性に優れたフェライト系ステンレ ス鋼

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ID=17742526

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013118277A1 (ja) * 2012-02-09 2013-08-15 日新電機株式会社 電力貯蔵電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013118277A1 (ja) * 2012-02-09 2013-08-15 日新電機株式会社 電力貯蔵電池

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Effective date: 20020205