JPH08143933A - 溶湯の精錬方法 - Google Patents

溶湯の精錬方法

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JPH08143933A
JPH08143933A JP6291152A JP29115294A JPH08143933A JP H08143933 A JPH08143933 A JP H08143933A JP 6291152 A JP6291152 A JP 6291152A JP 29115294 A JP29115294 A JP 29115294A JP H08143933 A JPH08143933 A JP H08143933A
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molten metal
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JP6291152A
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Takashi Mukai
孝 向井
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Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品の炭素含有量が厳しく制限されるステン
レス鋼、Ni基合金あるいはFe−Ni合金、または製
品の硫黄含有量が厳しく制限される上記の鋼や合金の
他、中炭素系の構造用鋼や高炭素系の合金工具鋼、さら
に製品の炭素含有量と硫黄含有量がともに厳しく制限さ
れる鋼や合金などの溶湯の精錬方法を提供する。 【構成】 予め溶解した溶湯に酸素源または酸素源と不
活性ガスの混合物を添加または吹き込み、炭素含有量が
0.01%以下に調整した溶湯を、加熱手段を有する容器へ
注湯し、該容器中で真空または低酸素分圧雰囲気で予備
精錬をした後の溶湯に造滓剤を添加し、不活性ガスプラ
ズマにより加熱して再精錬を行ない、炭素0.01%以下に
することを特徴とする溶湯の精錬方法であり、前記再精
錬は別の容器で行なうことができ、また前記の溶解と予
備精錬を同じ容器で実施してもよい。 さらに再精錬は
特定の造滓剤を添加して硫黄の含有量を0.005%以下にす
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶湯を脱炭精錬し、続い
て真空、または数100Torr以下の不活性ガス雰囲気等の
低酸素分圧雰囲気下で精錬した後、大気圧付近でさらに
プラズマ加熱下で再精錬を行ない、それぞれ炭素 0.01%
以下、硫黄 0.005%以下にする溶湯の精錬方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】真空または低酸素分圧雰囲気下での精錬
法(以下、真空または低酸素分圧下精錬と記す)では、
高レベルの清浄鋼等を容易に得ることができることから
広く用いられており、真空誘導加熱炉(VIFとも称さ
れる)はその一つの手段である。この真空または低酸素
分圧下精錬において、ある種の不純物は、それ自身また
は酸化物等の化合物となって、溶湯から蒸発、飛散また
は浮上して分離されることにより、精錬が進行する。そ
して、この場合、精錬が進行した状態では、溶湯中の不
純物(本発明で不純物とは不純元素や非金属介在物の原
因となる物質を総称する)を非常に低いレベルにするこ
とができる。
【0003】この真空または低酸素分圧下精錬におい
て、精錬炉の炉壁フリーボード部分には蒸発、飛散成分
の一部が凝縮してスカム状に付着している。また、精錬
炉中の溶湯液面には、別種の蒸発できないドロス状等の
不純物成分が浮上して分離されている。精錬炉の傾注に
より出湯する場合、溶湯流によりこれらの付着物や浮遊
物の一部が洗い流されて溶湯中に再度取り込まれ、溶湯
中に再混入する。さらに、受湯容器である取鍋またはタ
ンディシュの内張り耐火物は、それが受湯前に十分加熱
されていない場合、活性ガス成分を吸着しており、また
この耐火物は受湯後、真空または低酸素分圧下での処理
により活性化した溶湯と一部反応し、または溶湯に侵食
されて、これら活性ガス、反応生成物、侵食物により溶
湯を汚染する。
【0004】前記の再混入の防止方法として今日まで試
みられた方法には、精錬炉の炉底出湯を行なうととも
に、浮遊不純物の混入防止のため溶湯を一部炉内に残留
させる方法、インダクションスカル炉により溶湯を空中
出湯する方法、また、取鍋またはタンディッシュ内にお
いては、セラミックフィルタにより微小非金属介在物原
因物質を除去する方法などが提案され一部実用化されて
いるが、種々の制約があり、未だ広く採用されるに至っ
ていない。また、これらの方法はすべての再混入物質や
汚染物質等に対して有効ではないので、前記各再混入物
質等に対して有効ならしめるためには、これらを組み合
わせることが必要である。しかし、これらは組み合わせ
るほど、費用が嵩む等の問題を生ずる。また真空誘導溶
解炉では、真空精錬を行なうために、造滓剤を添加しな
いのでスラグの発生がない。したがって、脱硫を行なう
ことがほとんど不可能であるという問題がある。
【0005】一方、真空精錬後、黒鉛電極アーク加熱方
式の取鍋精錬炉、ASEA−SKF法などで再精錬する
ことで再混入物質等を除去したり、脱硫を行なうという
ことも考えられるが、これらの方法では電極が黒鉛質で
あり、その電極を溶鋼表面上のスラグ中に浸漬するの
で、脱酸、脱硫ができる反面、溶湯中への炭素のピック
アップの問題がある。また特開平4-318118号には、真空
脱ガス処理により溶湯を脱炭した後、Sol.Al≧0.2wt%
を含有させた状態で、プラズマ加熱し、塩基度8以上の
スラグの存在下で撹拌し、脱硫する極低炭素、極低硫鋼
の製造方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記提案の方法では、
プラズマ精錬前時点でのスラグをプラズマ精錬炉に持ち
込むので、プラズマ精錬中でのSol.Alおよびスラ
グの塩基度を8以上に高くしなければならない。すなわ
ち、スラグを持ち込むので、スラグの改質のために大量
の脱酸剤をおよび還元剤を必要とするため、精錬効果が
劣る問題があった。ところで、ステンレス鋼、Ni基合
金あるいはFe−Ni合金など製品の中には、要求され
る特性を害する理由から、炭素の混入を厳しく制限され
る金属材料が多い。他方、上記の鋼や合金、または中炭
素系の構造用鋼や高炭素系の合金工具鋼の中には、製品
の加工方向により機械的性質が異なる理由から、硫黄の
混入を厳しく制限される金属材料も多い。さらに、Fe
−Ni合金のうちのある種の電磁気材料などでは、上記
の炭素と硫黄をともに厳しく制限されるものもある。
【0007】上記の炭素や硫黄の混入の多くは溶解時の
固体原料から持ち込まれ、精錬によって低酸素の材料ほ
ど脱炭を強化しなければならない。また低硫黄とする材
料にはCaOを主体とする造滓剤を添加して効率よく脱
硫精錬を行なう必要がある。このうち、脱炭は酸素など
との反応で、燃焼させる手段が知られており、さらに減
圧雰囲気や真空雰囲気と組み合わせると効率がよい。し
かし、いずれの場合も反応生成物は酸化物であり、これ
が精錬炉の溶湯面や炉壁に付着して、溶湯の動きによっ
ては溶湯中に再混入してせっかく精錬した溶湯を汚染す
るという危険性が大きいものである。一方、脱硫に関し
ては、前工程の予備精錬の仕方や溶湯の移動時の取扱い
方法によっては、前の工程で発生したスラグが存在する
状態で行なうことにより、このスラグの改質に負担がか
かり、効率のよい脱硫が行なえない欠点があった。
【0008】しかし、上記の脱炭処理や脱硫処理を回避
しようとすると、精錬炉への挿入材料について低Cや低
Sの高級な材料を選択する必要があり、溶解するための
原料費が著しく高価になり、経済的な量産に適さない欠
点がある。本発明の目的は、上記のような製品の炭素含
有量が厳しく制限されるステンレス鋼、Ni基合金ある
いはFe−Ni合金、または製品の硫黄含有量が厳しく
制限される上記の鋼や合金の他、中炭素系の構造用鋼や
高炭素系の合金工具鋼、さらに製品の炭素含有量と硫黄
含有量がともに厳しく制限される鋼や合金などの精錬時
に、前述の炭素のピックアップの問題がなく、持込みス
ラグを改質する必要もなく、高レベルの精錬等の場合に
も柔軟に対応できる溶湯の精錬方法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱手段を有
する容器中で行なう真空または低酸素分圧雰囲気の脱酸
精錬に先駆けて、別容器または前記脱酸精錬を行なうも
のと同じ容器内で固体原料の溶解と、引き続いて溶解し
た溶湯の炭素含有量の調整を行なう一次精錬を有する。
この際、対象とする溶解材料が中炭素系構造用鋼や高炭
素系合金鋼など炭素を含有する材料の場合には、炭素源
を添加して溶湯中の炭素含有量を調整する。また、ステ
ンレス鋼、Ni基合金、Fe−Ni合金などのうち、炭
素の混入が厳しく制限される材料の場合には、溶湯に酸
素源を供給することにより、脱炭精錬を行なって低酸素
レベルに調整する。
【0010】続いて、炭素含有量の調整または低炭素レ
ベルに脱炭精錬を終えた溶湯は、上記別容器の場合には
取鍋を介して脱酸すべき容器に移し、また脱酸すべき容
器で溶解を行なった溶湯は同じ容器内で炭素含有量の調
整または低炭レベルに脱炭精錬を終えた後、真空または
低酸素分圧雰囲気で予備精錬を行なって脱酸を完了す
る。本発明の特徴は、上記のような一次精錬および予備
精錬を行なうことによって、次工程のプラズマ加熱下の
再精錬に極力きれいな溶湯の状態で実施して脱硫やその
他の再精錬が安価で、かつ効率よくできることを見出し
た点にある。
【0011】すなわち、本発明のうちの第1発明は、予
め溶解した溶湯に酸素源または酸素源と不活性ガスの混
合物を添加または吹き込み、炭素含有量が0.01%以下に
調整した溶湯を、加熱手段を有する容器へ注湯し、該容
器中で真空または低酸素分圧雰囲気で予備精錬をした後
の溶湯に造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマにより加
熱して再精錬を行ない、炭素 0.01%以下にすることを特
徴とする溶湯の精錬方法であり、第2発明は予め溶解し
た溶湯に酸素源または酸素源と不活性ガスの混合物を添
加または吹き込み、炭素含有量が0.01%以下に調整した
溶湯を、加熱手段を有する容器へ注湯し、該容器中で真
空または低酸素分圧雰囲気で予備精錬をした後、前記溶
湯を前記容器とは別容器に移すとともに造滓剤を添加
し、不活性ガスプラズマにより加熱して再精錬を行な
い、炭素の0.01%以下にすることを特徴とする溶湯の精
錬方法である。
【0012】第3発明は、加熱手段を有する容器中の溶
湯に酸素源または酸素源と不活性ガスの混合物を添加ま
たは吹き込み、炭素含有量が0.01%以下に調整した後、
真空または低酸素分圧雰囲気で、その他の予備精錬をし
た後の溶湯に造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマによ
り加熱して再精錬を行ない、炭素の0.01%以下にするこ
とを特徴とする溶湯の精錬方法であり、第4発明は加熱
手段を有する容器中の溶湯に酸素源または酸素源と不活
性ガスの混合物を添加または吹き込み、炭素含有量が0.
01%以下に調整した後、真空または低酸素分圧雰囲気
で、その他の予備精錬をした後の溶湯を前記容器とは別
容器に移すとともに造滓剤を添加し、不活性ガスプラズ
マにより加熱して再精錬を行ない、炭素の0.01%以下に
することを特徴とする溶湯の精錬方法である。
【0013】第5発明は予め溶解した溶湯を、加熱手段
を有する容器へ注湯し、該容器中で真空または低酸素分
圧雰囲気で予備精錬をした後の溶湯に主としてCaOお
よびCaF2、主としてCaOおよびAl23、または主
としてCaO,CaF2およびAl23からなるいずれ
かの組合せの造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマによ
り加熱して再精錬を行ない、硫黄 0.005%以下にするこ
とを特徴とする溶湯の精錬方法である。第6発明は溶湯
を、加熱手段を有する容器中で真空または低酸素分圧雰
囲気中で予備精錬をした後、前記溶湯を前記容器とは別
容器に移すとともに、主としてCaOおよびCaF2
主としてCaOおよびAl23、または主としてCa
O,CaF2およびAl23からなるいずれかの組合せ
の造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマにより加熱して
再精錬を行ない、硫黄 0.005%以下にすることを特徴と
する溶湯の精錬方法であり、第7発明は加熱手段を有す
る容器中の予備精錬をした後の溶湯に、主としてCaO
およびCaF2、主としてCaOおよびAl23、または
主としてCaO,CaF2およびAl23からなるいず
れかの組合せの造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマに
より加熱して再精錬を行ない、硫黄 0.005%以下にする
ことを特徴とする溶湯の精錬方法である。
【0014】第8発明は、加熱手段を有する容器中の真
空または低酸素分圧雰囲気中で予備精錬をした後の溶湯
を前記容器とは別容器に移すとともに、主としてCaO
およびCaF2、主としてCaOおよびAl23、または
主としてCaO,CaF2およびAl23からなるいず
れかの組合せの造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマに
より加熱して再精錬を行ない、硫黄 0.005%以下にする
ことを特徴とする溶湯の精錬方法であり、第9発明は予
め溶解した溶湯に酸素源または酸素源と不活性ガスの混
合物を添加または吹き込み、炭素含有量が0.01%以下に
調整した溶湯を加熱手段を有する容器へ注湯し、該容器
中で真空または低酸素分圧雰囲気で、予備精錬をした後
の溶湯に、主としてCaOおよびCaF2、主としてC
aOおよびAl23、または主としてCaO,CaF2
よびAl23からなるいずれかの組合せの造滓剤を添加
し、不活性ガスプラズマにより加熱して再精錬を行な
い、炭素 0.01%以下、硫黄 0.005%以下にすることを特
徴とする溶湯の精錬方法である。
【0015】第10発明は、予め溶解した溶湯に酸素源
または酸素源と不活性ガスの混合物を添加または吹き込
み、炭素含有量が0.01%以下に調整した溶湯を加熱手段
を有する容器へ注湯し、該容器中で真空または低酸素分
圧雰囲気で、予備精錬をした後、前記溶湯へ注湯し、該
容器中の真空または低酸素分圧雰囲気中で予備精錬をし
た後の溶湯を前記容器とは別容器に移すとともに、主と
してCaOおよびCaF2、主としてCaOおよびAl2
3、または主としてCaO,CaF2およびAl23
らなるいずれかの組合せの造滓剤を添加し、不活性ガス
プラズマにより加熱して再精錬を行ない、炭素 0.01%以
下、硫黄 0.005%以下にすることを特徴とする溶湯の精
錬方法であり、第11発明は加熱手段を有する容器中の
溶湯に酸素源または酸素源と不活性ガスの混合物を添加
または吹き込み、炭素含有量が0.01%以下に調整した
後、真空または低酸素分圧雰囲気中で、その他の予備精
錬をした後の溶湯に、主としてCaOおよびCaF2
主としてCaOおよびAl23、または主としてCa
O,CaF2およびAl23からなるいずれかの組合せ
の造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマにより加熱して
再精錬を行ない、炭素 0.01%以下、硫黄 0.005%以下に
することを特徴とする溶湯の精錬方法である。
【0016】第12発明は、加熱手段を有する容器中の
溶湯に酸素源または酸素源と不活性ガスの混合物を添加
または吹き込み、炭素含有量が0.01%以下に調整した
後、真空または低酸素分圧雰囲気中で、その他の予備精
錬をした後の溶湯を前記容器とは別容器に移すととも
に、主としてCaOおよびCaF2、主としてCaOお
よびAl23、または主としてCaO,CaF2およびA
23からなるいずれかの組合せの造滓剤を添加し、不
活性ガスプラズマにより加熱して再精錬を行ない、炭素
0.01%以下、硫黄 0.005%以下にすることを特徴とする
溶湯の精錬方法である。第1ないし第12発明におい
て、予備精錬として誘導加熱方法によるものが望まし
い。
【0017】本発明でいう真空または低酸素分圧雰囲気
とは、それぞれ大気圧未満の雰囲気、または大気中の酸
素分圧すなわち213HPa(1013HPa×0.21)未満の酸素分圧
雰囲気を意味する。この条件を満足させる手段として
は、真空ポンプで排気し減圧すること、不活性ガス(A
rやN2ガス)で酸素の一部を置換すると、または減圧
とガス置換を組み合わせて、数100Torr以下の不活性ガ
ス雰囲気とする方法がある。これらのための実用炉とし
ては、真空誘導炉(VIF)、AOD炉、VOD炉など
があるが、プラズマ精錬での造滓剤を有効に活用するた
めに予備精錬として誘導加熱方法によるものが望まし
い。また第2発明において、更新容器は予備精錬でのス
プラッシュやヒューム等による汚染を受けないように準
備するとよい。
【0018】また、本願の精錬方法および装置におい
て、再精錬は、ポーラスプラグ、その他の方法によるA
rなどのガス吹込み法や誘導法等による撹拌条件下で行
なうことが望ましく、また再精錬容器からの出湯は、容
器底に設けたスライディングノズル方式によるものが傾
注法やストッパ形式のものよりスラグの混入やプラズマ
加熱によるストッパの損傷等の不都合がなく適当であ
る。
【0019】このように本発明は、きれいな溶湯とする
ことにより、不活性ガス下で実施する最終再精錬をプラ
ズマ加熱により新たな造滓剤を添加して前工程で発生し
たスカム状、ドロス状または溶湯中に混入する不純物を
効率良く捕集して鋼や合金中に生成する非金属介在物な
どの有害物質を除去するとともに、必要に応じて厳しく
制限される硫化物の原因となる硫黄を効果的に捕集する
ことができる点で極めて重要である。つまり、再精錬の
段階で造滓剤を添加して予備精錬を実施すれば、多量の
スラグが発生し、この状態で再精錬を行なうと、再精錬
で新たに添加する造滓剤は、スラグの改質に多くの負担
がかかり、そのため、多量の造滓剤と加熱源になるプラ
ズマによる加熱効果も不足し、主目的である不純物の捕
集や脱硫効果が効率良く行なえないのである。
【0020】
【作用】本発明のうち、第1発明ないし第4発明は、特
に炭素の混入を厳しく制限される一次精錬に適した溶湯
の精錬方法で、再精錬を終了して鋳造する段階における
C含有量が0.01%以下の溶湯にするための精錬方法に関
するものである。比較的低炭素の溶湯は、後工程である
真空または低酸素分圧雰囲気で行なう予備精錬でも可能
であるが、Cの含有量が0.01%以下に制限されるような
溶湯に対しては、一次精錬で酸素源の供給によってCO
ガス化して溶湯外に排出しておくことが重要である。そ
のためには、溶解した溶湯に酸素源とする酸素ガスまた
は酸素ガスと不活性ガスの混合ガスを吹き込むか、また
溶湯の主成分や副主成分の酸化物を添加、あるいは上記
ガス体の吹き込みと酸化物の添加を併用して脱炭反応を
促進させる。
【0021】この場合、酸素源を添加または吹き込んで
も大半はCOガスとなって容器外に排出されるので、ス
ラグの発生はほとんどなく、きれいな溶湯状態で脱炭を
終了させることができる。本発明の第1および第2発明
は、溶解と上記脱炭工程である一次精錬を、次の脱酸工
程を行なう容器とは別の容器により実施するもので、別
容器によって一次精錬を終了した溶湯を、次工程の脱酸
用の容器に注湯した後、次の溶解を脱酸作業と平行して
行なうことができ、大量生産を連続して効率良く実施す
る利点が有る。
【0022】また、第2および第3発明は、一次精錬と
次工程の脱酸工程を同じ容器内で行なえるため、別の場
所に溶解設備を設置する必要がなく、場所を省略するこ
とができる。次に、第5発明ないし第8発明は、特に硫
黄の混入を厳しく制限される再精錬に適した溶湯の精錬
方法である。ここで重要な点は、前工程で実質的にスラ
グのない比較的きれいな状態の溶湯で再精錬を継続させ
ることである。つまり、溶解に始まる予備精錬では、ス
ラグの発生源となる造滓剤の添加がなく、スカム状、ド
ロス状または溶湯中に混入する不純物を、不活性ガスプ
ラズマ加熱下で新たに添加する造滓剤によって効率良く
捕集し、かつ必要に応じて厳しく制限される硫黄を効率
良く脱硫させることである。
【0023】さらに本発明の特徴は、上記再精錬で新た
に添加する造滓剤の中に基本的にSiO2を添加しない
点である。すなわち、造滓剤の添加で発生するスラグの
性質を表す基準の一つであるSiO2は、前述の予備精
錬で生成する不純物のうち、炉壁の侵食あるいは溶解原
料から混入または発生するものだけを利用して再精錬を
行なうため、新たに添加する造滓剤が少量で済み、再精
錬を効率良くできるのである。再精錬で使用する造滓剤
として、脱酸と脱硫効果の高いCaOを必須とし、流動
性を高めて精錬効果を向上させる目的で低融点のCaF
2と、脱酸効果および流動性改善の目的でAl23を適
宜組合せたものを主に添加する。
【0024】新たに添加する造滓剤が「主として」と
は、本発明の造滓剤が95%以上のほとんどを占めること
を意味するが、塩基度調整のための極少量のSiO2
どの添加は許容される。しかし、本発明の方法によれば
通常はSiO2も予備精錬炉の不純物として持ち込まれ
るので添加する必要はない。この際、塩基度を調整する
ためのSiO2は添加せずとも、予備精錬時に不純物と
して混入するSiO2と新たに添加する上記のCaOと
によって塩基度2以上に調整する。望ましい塩基度は3〜
7である。
【0025】また、不活性ガスプラズマ加熱法は、上述
のように主としてCaOおよびCaF2、主としてCa
OおよびAl23、または主としてCaO,CaF2およ
びAl23からなるいずれかの合成造滓剤を効果的に加
熱する一方、溶湯や造滓剤の表面を被覆して溶湯の酸化
や造滓剤が酸化性となることを防ぎつつ、溶湯を昇温
し、または温度低下を補償し、かつ、黒鉛電極アーク加
熱法のごとく、炭素のピックアップ等の再汚染の危険が
ない。なお、本発明方法では、後述の実施例のように予
備精錬以上の高レベルにまで精錬を行なうものを含んで
も良いことは言うまでもない。
【0026】このように第5ないし第8発明は、実質的
にスラグのない状態の溶湯に、基本的にはSiO2を含
まない新たな造滓剤を添加して、前工程で含まれる不可
避的な不純物を効率的に補集するとともに、必要に応じ
てSを0.005%以下に脱硫することができる。なお、プラ
ズマ加熱下で行なう再精錬前の予備精錬終了時点の溶湯
が実質的にスラグのないものとは、予備精錬を行なう目
的で造滓剤を添加して十分な反応を終えて発生したスラ
グがないことを指す。したがって、本発明のうちの第2
発明において、別容器の再精錬に注湯する前の予備精錬
終了直前、または終了直後の溶湯に、造滓剤を添加して
再精錬炉に注湯することがあるが、これは予備精錬炉中
で造滓剤の添加による精錬を目的としたものではないの
で、予備精錬での反応用のスラグはないものと実質的に
同一であり、本発明方法に包含されるものである。
【0027】また、大気中で実施される不活性ガスプラ
ズマ加熱法は、上述のように造滓剤を効果的に加熱する
一方、溶湯や造滓剤の表面を被覆して溶湯の酸化や造滓
剤が酸化性となることを防ぎつつ、溶湯を昇温し、また
は温度低下を補償し、かつ、黒鉛電極アーク加熱法のご
とく、炭素のピックアップ等の再汚染の危険がない。な
お、本発明方法では、後述の実施例のように予備精錬以
上の高レベルにまで精錬を行なうものも含む。
【0028】本発明の第5および第6発明は、溶解工程
を、次の脱酸工程を行なう容器とは別の容器により実施
するもので、別容器で得られた溶湯を、次工程の脱酸用
の容器に注湯した後、次の溶解を脱酸作業と平行して行
なうことができ、大量生産を連続して効率良く実施する
利点がある。また、第7および第8発明は、溶解工程と
次工程の脱酸工程を同じ容器内で行なえるため、別の溶
解設備を行なう場所を省略することができる。次に本発
明のうちの第9発明ないし第12の発明は、炭素の混入
および硫黄の混入がともに厳しく制限される精錬に適し
た精錬方法で、上記第1発明ないし第4発明と第5発明
ないし第8発明とを組み合わせた構成からなるが、低炭
素と低硫黄を同時に満足する溶湯が大量に、効率良く、
しかも安価に行なえる精錬方法として極めて有効であ
る。
【0029】本願の方法発明における再精錬は、予備精
錬段階で一旦分離されたものの残留する不純物および非
金属介在物の一部を不活性ガスプラズマ加熱により活性
化させた造滓剤により効果的に吸収させることにより行
なわれる。すなわち、本発明において、造滓剤は不活性
ガスプラズマ加熱により十分加熱されて低粘性かつ活性
化されることにより、前記付着物、浮遊物等の不純物の
再混入物質および非金属介在物ならびに耐火物に起因す
る汚染物質を効果的に捕集することができ、望ましくは
後述の不活性ガス吹込み等による十分な撹拌により、溶
湯と十分に相互に交換しつつ接触し、高い精錬効果を生
ずる。
【0030】なお、プラズマ加熱下で行なう再精錬前の
予備精錬終了時点の溶湯が実質的にスラグのないものと
は、予備精錬を行なう目的で造滓剤を添加して十分な反
応を終えて発生したスラグがないことを指す。したがっ
て、本発明のうちの第2,4,6,8,10,12発明
において、別容器の再精錬に注湯する前の予備精錬終了
直前、または終了直後の溶湯に、造滓剤を添加して再精
錬炉に注湯することがあるが、これは予備精錬炉中で造
滓剤の添加による精錬を目的としたものではないので、
予備精錬での反応用のスラグはないものと実質的に同一
であり、本発明方法に包含されるものである。
【0031】また、不活性ガスプラズマ加熱法は、上述
のように造滓剤を効果的に加熱する一方、溶湯や造滓剤
の表面を被覆して溶湯の酸化や造滓剤が酸化性となるこ
とを防ぎつつ、溶湯を昇温し、または温度低下を補償
し、かつ、黒鉛電極アーク加熱法のごとく、炭素のピッ
クアップ等の再汚染の危険がない。本発明の精錬方法に
おける望ましい態様である撹拌の方法は、炉底に設けた
ポーラスプラグからの不活性ガスによるものが、撹拌効
果の点から望ましい。また、電磁撹拌装置を単独または
併用して用いてもよい。不活性ガスプラズマ加熱装置
は、前述のようにバーナのごとく、CO2、H2O、遊離
2等の酸化性ガスを発生せず、かつ高温加熱に適すか
ら、本発明において再精錬に用いることはもちろん、容
器を更新する場合は予備精錬継続中に、他方でこの加熱
装置を用いて再精錬容器を高清浄かつ高温に予熱するの
に用いることが望ましい。
【0032】
【実施例】
(実施例1)図1に示す設備において、以下に示す手順
で操業を行なった。誘導加熱精錬炉5で固体原料を溶解
し、この溶湯に酸素ガスとArガスの混合ガスを吹き込
み十分脱炭させた後、真空排気系6aにより大気遮断室
a内を真空にして脱酸を行なった。
【0033】並行的に大気遮断室aの内部には、予め予
熱された再精錬容器が容器蓋体27aを付けてセットさ
れている。これは予備精錬中のスプラッシュなどを防止
するためである。大気遮断室aでの精錬が完了すると、
誘導加熱精錬炉5を傾動することにより、溶湯を再精錬
容器27′へ出湯する。次に仕切バルブ4を開放し、そ
の開口を経て再精錬容器27′を軌条および台車24に
より再精錬位置27へ移動する。続いて副原料投入系9
により造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマ加熱装置に
より加熱して造滓剤の溶融、加熱を行ない、かつ不活性
ガス導入系7bを経てポーラスプラグ28からArガス
吹込み撹拌することにより、再精錬を行なった。再精錬
が終了し、所定の鎮静を行なった後、スライディングノ
ズル29を経てインゴットケース30に鋳造した。
【0034】次に本願の方法発明の効果を各種のテスト
例で説明する。いずれも、実験に用いた溶湯は、Fe−
42Ni合金である。図2は、アーク炉で溶解し、特に脱
炭処理をしない状態で真空誘導加熱精錬炉に受湯して、
引き続き前記精錬炉を真空にして予備精錬をした時の経
過時間に対する精錬の進行度合を、鋼中のO値,C値お
よびS値で測定した結果を示した図である。図2から、
真空精錬により経過時間とともに、溶湯中の酸素が気化
する際に炭素と反応してCOガスとなって精錬炉外に排
出される結果、脱酸とともに脱炭も急速に進行する反
面、脱硫は進行しないことがわかる。
【0035】図3は、前記予備精錬と同一条件で予備精
錬した溶湯を、別の容器に注湯し、予め不活性ガスプラ
ズマ加熱装置で内張り耐火物を加熱した再精錬容器へ上
述と同一条件の傾注により受湯し、造滓剤を添加すると
共に、炉底のポーラスプラグによるアルゴンガス撹拌と
溶湯上面からの不活性ガスプラズマ加熱を行ないつつ、
本発明における再精錬を行なった時のO値、S値、C値
の変化を示すものである。なお、再精錬時に添加した造
滓剤は、CaOとCaF2とAl23を2対1対1の比
率で溶湯トン当り合計で20kgであった。図3から、
本発明に係る再精錬で再混入物の再溶解は防止され、時
間の経過とともに脱硫が進行し、また酸素濃度も徐々に
低下していることがわかる。
【0036】一方、図4は前記の実施例と同様な予備精
錬を行なった溶湯を従来実施された精錬のうちの一つで
あるASEA−SKF炉に注湯して再精錬を行なった時
の経過時間に対するO値、S値、C値の変化を示したも
のである。図4から、従来のASEA−SKF炉による
精錬は、脱酸、脱硫に対して有効であるが、加熱電極が
黒鉛製のため炭素のピックアップにより急激にC値が増
加しており、炭素の混入が厳しく制限される鋼や合金に
対して不適当であることがわかる。
【0037】(実施例2)図5に示す設備を用いて、以
下に示す手順で操業を行なった。実施例1と同じFe−
42Ni合金の固体原料を容器50内に投入した後、容器
真空蓋53を施し、真空排気系54により容器50内を
減圧し、誘導加熱コイル52により溶解を開始した。次
いで溶解した溶湯に図示しないランスをこの溶湯51に
挿入し、前記ランスを介して外部から酸素ガスとArガ
スを混合したガスを吹き込んで脱炭精錬を行なった。上
記の混合ガスの吹き込みを終了した後に、引き続いて酸
化ニッケルと酸化鉄(Fe23)を合計で溶湯トン当り
3kg投入装置55から添加した。次に真空排気系54
の容量を高めて脱酸を開始した。脱酸精錬が終了した時
点で溶湯サンプルを採取した結果、O値が66ppm、C値
が27ppm、S値が83ppmであった。続いて真空排気系54
を止め、アルゴン底吹き撹拌装置58からアルゴンガス
を流入して置換した。
【0038】次いで投入装置55からCaOとCaF2
を1対1の比率で、溶湯トン当り合計で20kgの造滓
剤を添加した。次いで、容器真空蓋53の外部にセット
してあるプラズマ加熱トーチ56を容器50内に挿入し
てプラズマ加熱を開始し、同時に前記アルゴン底吹き撹
拌装置58からアルゴンガスを吹き込みながら、溶湯を
撹拌させて再精錬を行なった。再精錬が終了すると、ス
ライディングノズル57を開口し、前記スライディング
ノズルの下に用意されたインゴットケースに受湯した。
このようにして得られた鋳塊から採取した試料を分析し
た結果、実施例1の真空精錬によって脱炭、脱酸し、さ
らにブラズマ加熱炉で再精錬した合金のO値が35ppm、
C値が60ppm、S値が79ppmであったのに対して、上記方
法による合金は、O値が27ppm、C値は28ppm、S値が35
ppmであった。
【0039】なお、以上の実施例において、予備精錬の
例として真空精錬法を用いた例で述べたが、本発明はこ
れに限定されない。すなわち、精錬対象である溶湯が含
有する合金成分元素によっては、その成分の蒸発等によ
る損失を防止抑制するため、通常、絶対圧力で200Torr
程度以下の不活性ガス雰囲気が適宜選定されており、高
真空でない場合も本発明に含む。次に、図5に示す設備
を用いて上記の実施例2と同じ要領でFe−42Ni合金
を溶解、脱炭および真空処理による予備精錬を行なった
後、CaOとAl23を1対2の比率で、溶湯トン当り
5kgの造滓剤を添加して再精錬を行なった。得られた
鋳塊から試料を採取して分析した結果、O値が50ppm、
C値が30ppm、S値が55ppmであった。
【0040】(実施例3)図1に示す設備を用いて、構
造用合金鋼であるJIS SNCM420を固体原料か
ら溶解した。真空精錬を行なった後の溶湯からサンプル
を採取して迅速分析したところ、C値が目標値より低い
ため、副原料投入系8から黒鉛を投入してC値が0.20%
になるように調整した。続いて、実施例1と同様な方法
で再精錬を行なって鋳塊を得た。鋳塊から採取した試料
を分析した結果、O値が22ppm、C値が0.1904ppm、S値
が36ppmであった。
【0041】
【発明の効果】本発明の溶湯の精錬方法は、予備精錬過
程で造滓剤を添加しないので、実質的にスラグのない比
較的きれいな状態で再精錬を行なうことができる利点が
ある。その結果、再精錬時に添加する造滓剤は、持込み
スラグを改質する必要がないため少量ですみ、不活性ガ
スプラズマ加熱により十分加熱されて低粘性かつ活性化
されることにより、効果的、かつ効率良く再精錬を実施
することができる。本発明の精錬方法によれば、製品の
炭素含有量が厳しく制限されるステンレス鋼、Ni基合
金あるいはFe−Ni合金、または製品の硫黄含有量が
厳しく制限される上記の鋼や合金の他、中炭素系の構造
用鋼や高炭素系の合金工具鋼、さらに製品の炭素含有量
と硫黄含有量がともに厳しく制限される鋼や合金などの
精錬時に、前述の炭素のピックアップの問題がなく、持
込みスラグを改質する必要もなく、高レベルの精錬等の
場合にも柔軟に対応できる溶湯の精錬が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた装置の一例を示す図で
ある。
【図2】アーク炉で1次精錬した溶湯を真空誘導炉で予
備精錬した時の、精錬経過時間に対する精錬の進行度合
を鋼中の酸素濃度で示した図である。
【図3】上記予備精錬(図2)後、本発明のCaO、C
aF2およびAl23よりなる造滓剤にて、プラズマ再
精錬を行った時の時間経過と溶湯中のO値、C値、S値
の変化を示す図である。
【図4】従来方法である真空精錬後の溶湯をASEA−
SKF炉で再精錬を行なったFe−42Ni合金の経過時
間とO値、C値、S値の変化を示す図である。
【図5】本発明の実施例に用いた装置の一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 真空または低酸素分圧下精錬装置、2 大気遮断室
本体、3 蓋体、4仕切りバルブ、5 誘導加熱精錬
炉、6a 真空排気系、7a 不活性ガス導入系、7b
不活性ガス導入系、8 副原料投入系、9 副原料投
入系、20 再精錬装置、23 不活性ガスプラズマ加
熱装置、24 軌条および台車、27再精錬容器(再精
錬位置)、27a 蓋体、28 ポーラスプラグ、29
スライディングノズル、30 インゴットケース、3
1 台車、50 容器、51溶湯、52 誘導加熱コイ
ル、53 容器真空蓋、54 真空排気系、55 投入
装置、56 プラズマ加熱トーチ、57 スライディン
グノズル、58 アルゴン底吹き撹拌装置、a 大気遮
断室

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め溶解した溶湯に酸素源または酸素源
    と不活性ガスの混合物を添加または吹き込み、炭素含有
    量が0.01%以下に調整した溶湯を、加熱手段を有する容
    器へ注湯し、該容器中で真空または低酸素分圧雰囲気で
    予備精錬をした後の溶湯に造滓剤を添加し、不活性ガス
    プラズマにより加熱して再精錬を行ない、炭素 0.01%以
    下にすることを特徴とする溶湯の精錬方法。
  2. 【請求項2】 予め溶解した溶湯に酸素源または酸素源
    と不活性ガスの混合物を添加または吹き込み、炭素含有
    量が0.01%以下に調整した溶湯を、加熱手段を有する容
    器へ注湯し、該容器中で真空または低酸素分圧雰囲気で
    予備精錬をした後、前記溶湯を前記容器とは別容器に移
    すとともに造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマにより
    加熱して再精錬を行ない、炭素の0.01%以下にすること
    を特徴とする溶湯の精錬方法。
  3. 【請求項3】 加熱手段を有する容器中の溶湯に酸素源
    または酸素源と不活性ガスの混合物を添加または吹き込
    み、炭素含有量が0.01%以下に調整した後、真空または
    低酸素分圧雰囲気で、その他の予備精錬をした後の溶湯
    に造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマにより加熱して
    再精錬を行ない、炭素の0.01%以下にすることを特徴と
    する溶湯の精錬方法。
  4. 【請求項4】 加熱手段を有する容器中の溶湯に酸素源
    または酸素源と不活性ガスの混合物を添加または吹き込
    み、炭素含有量が0.01%以下に調整した後、真空または
    低酸素分圧雰囲気で、その他の予備精錬をした後の溶湯
    を前記容器とは別容器に移すとともに造滓剤を添加し、
    不活性ガスプラズマにより加熱して再精錬を行ない、炭
    素の0.01%以下にすることを特徴とする溶湯の精錬方
    法。
  5. 【請求項5】 予め溶解した溶湯を、加熱手段を有する
    容器へ注湯し、該容器中で真空または低酸素分圧雰囲気
    で予備精錬をした後の溶湯に主としてCaOおよびCa
    2、主としてCaOおよびAl23、または主としてC
    aO,CaF2およびAl23からなるいずれかの組合
    せの造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマにより加熱し
    て再精錬を行ない、硫黄 0.005%以下にすることを特徴
    とする溶湯の精錬方法。
  6. 【請求項6】 溶湯を、加熱手段を有する容器中で真空
    または低酸素分圧雰囲気中で予備精錬をした後、前記溶
    湯を前記容器とは別容器に移すとともに、主としてCa
    OおよびCaF2、主としてCaOおよびAl23、また
    は主としてCaO,CaF2およびAl23からなるい
    ずれかの組合せの造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマ
    により加熱して再精錬を行ない、硫黄 0.005%以下にす
    ることを特徴とする溶湯の精錬方法。
  7. 【請求項7】 加熱手段を有する容器中の予備精錬をし
    た後の溶湯に、主としてCaOおよびCaF2、主とし
    てCaOおよびAl23、または主としてCaO,Ca
    2およびAl23からなるいずれかの組合せの造滓剤
    を添加し、不活性ガスプラズマにより加熱して再精錬を
    行ない、硫黄 0.005%以下にすることを特徴とする溶湯
    の精錬方法。
  8. 【請求項8】 加熱手段を有する容器中の真空または低
    酸素分圧雰囲気中で予備精錬をした後の溶湯を前記容器
    とは別容器に移すとともに、主としてCaOおよびCa
    2、主としてCaOおよびAl23、または主としてC
    aO,CaF2およびAl23からなるいずれかの組合
    せの造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマにより加熱し
    て再精錬を行ない、硫黄 0.005%以下にすることを特徴
    とする溶湯の精錬方法。
  9. 【請求項9】 予め溶解した溶湯に酸素源または酸素源
    と不活性ガスの混合物を添加または吹き込み、炭素含有
    量が0.01%以下に調整した溶湯を加熱手段を有する容器
    へ注湯し、該容器中で真空または低酸素分圧雰囲気で、
    予備精錬をした後の溶湯に、主としてCaOおよびCa
    2、主としてCaOおよびAl23、または主としてC
    aO,CaF2およびAl23からなるいずれかの組合
    せの造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマにより加熱し
    て再精錬を行ない、炭素 0.01%以下、硫黄 0.005%以下
    にすることを特徴とする溶湯の精錬方法。
  10. 【請求項10】 予め溶解した溶湯に酸素源または酸素
    源と不活性ガスの混合物を添加または吹き込み、炭素含
    有量が0.01%以下に調整した溶湯を加熱手段を有する容
    器へ注湯し、該容器中で真空または低酸素分圧雰囲気
    で、予備精錬をした後、前記容器とは別容器に移すとと
    もに、主としてCaOおよびCaF2、主としてCaO
    およびAl23、または主としてCaO,CaF2および
    Al23からなるいずれかの組合せの造滓剤を添加し、
    不活性ガスプラズマにより加熱して再精錬を行ない、炭
    素 0.01%以下、硫黄 0.005%以下にすることを特徴とす
    る溶湯の精錬方法。
  11. 【請求項11】 加熱手段を有する容器中の溶湯に酸素
    源または酸素源と不活性ガスの混合物を添加または吹き
    込み、炭素含有量が0.01%以下に調整した後、真空また
    は低酸素分圧雰囲気中で、その他の予備精錬をした後の
    溶湯に、主としてCaOおよびCaF2、主としてCa
    OおよびAl23、または主としてCaO,CaF2およ
    びAl23からなるいずれかの組合せの造滓剤を添加
    し、不活性ガスプラズマにより加熱して再精錬を行な
    い、炭素 0.01%以下、硫黄 0.005%以下にすることを特
    徴とする溶湯の精錬方法。
  12. 【請求項12】 加熱手段を有する容器中の溶湯に酸素
    源または酸素源と不活性ガスの混合物を添加または吹き
    込み、炭素含有量が0.01%以下に調整した後、真空また
    は低酸素分圧雰囲気中で、その他の予備精錬をした後の
    溶湯を前記容器とは別容器に移すとともに、主としてC
    aOおよびCaF2、主としてCaOおよびAl23、ま
    たは主としてCaO,CaF2およびAl23からなる
    いずれかの組合せの造滓剤を添加し、不活性ガスプラズ
    マにより加熱して再精錬を行ない、炭素 0.01%以下、硫
    黄 0.005%以下にすることを特徴とする溶湯の精錬方
    法。
  13. 【請求項13】予備精錬の加熱手段は誘導加熱によるも
    のである請求項1ないし12のいずれかに記載の溶湯の
    精錬方法。
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