JPH08143938A - 溶湯の精錬方法 - Google Patents
溶湯の精錬方法Info
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- JPH08143938A JPH08143938A JP29115894A JP29115894A JPH08143938A JP H08143938 A JPH08143938 A JP H08143938A JP 29115894 A JP29115894 A JP 29115894A JP 29115894 A JP29115894 A JP 29115894A JP H08143938 A JPH08143938 A JP H08143938A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、不活性ガスプラズマ加熱により新
たに添加した造滓剤を加熱して再精錬を可及的速やかに
効率良く再精錬ができる方法を提供する。 【構成】 加熱手段を有する容器中で真空または低酸素
分圧雰囲気で予備精錬した後、実質的にスラグのない溶
湯に造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマにより加熱す
るとともに撹拌手段により前記溶湯を撹拌しながら再精
錬することを特徴とする溶湯の精錬方法である。
たに添加した造滓剤を加熱して再精錬を可及的速やかに
効率良く再精錬ができる方法を提供する。 【構成】 加熱手段を有する容器中で真空または低酸素
分圧雰囲気で予備精錬した後、実質的にスラグのない溶
湯に造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマにより加熱す
るとともに撹拌手段により前記溶湯を撹拌しながら再精
錬することを特徴とする溶湯の精錬方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼などの溶湯を、真空、
または低酸素分圧雰囲気下で精錬した後、大気圧付近で
さらにプラズマ加熱で精錬する溶湯の精錬方法に関する
ものである。
または低酸素分圧雰囲気下で精錬した後、大気圧付近で
さらにプラズマ加熱で精錬する溶湯の精錬方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】真空または低酸素分圧雰囲気下での精錬
法(以下、真空または低酸素分圧下精錬と記す)では、
高レベルの清浄鋼等を容易に得ることができることから
広く用いられており、真空誘導加熱炉(VIFとも称さ
れる)はその一つの手段である。この真空または低酸素
分圧下精錬においては、造滓剤は用いず裸湯で精錬は進
行される。すなわち、この精錬において、ある種の不純
物は、それ自身または酸化物等の化合物となって、溶湯
から蒸発、飛散または浮上して分離されることにより、
精錬が進行する。そして、この場合、精錬が進行した状
態では、溶湯中の不純物(本発明で不純物とは不純元素
や非金属介在物の原因となる物質を総称する)を非常に
低いレベルにすることができる。
法(以下、真空または低酸素分圧下精錬と記す)では、
高レベルの清浄鋼等を容易に得ることができることから
広く用いられており、真空誘導加熱炉(VIFとも称さ
れる)はその一つの手段である。この真空または低酸素
分圧下精錬においては、造滓剤は用いず裸湯で精錬は進
行される。すなわち、この精錬において、ある種の不純
物は、それ自身または酸化物等の化合物となって、溶湯
から蒸発、飛散または浮上して分離されることにより、
精錬が進行する。そして、この場合、精錬が進行した状
態では、溶湯中の不純物(本発明で不純物とは不純元素
や非金属介在物の原因となる物質を総称する)を非常に
低いレベルにすることができる。
【0003】真空または低酸素分圧下精錬において、精
錬炉の炉壁フリーボード部分には蒸発、飛散成分の一部
が凝縮等によりスカム状に付着している。また、精錬炉
中の溶湯液面には、スカムとは別種の蒸発できないドロ
ス状等の不純成分が浮上して分離されている。精錬炉の
傾注により出湯する場合、溶湯流によりこれらの付着物
や浮遊物が溶湯中に再度取り込まれ、溶湯中に再び混入
する。
錬炉の炉壁フリーボード部分には蒸発、飛散成分の一部
が凝縮等によりスカム状に付着している。また、精錬炉
中の溶湯液面には、スカムとは別種の蒸発できないドロ
ス状等の不純成分が浮上して分離されている。精錬炉の
傾注により出湯する場合、溶湯流によりこれらの付着物
や浮遊物が溶湯中に再度取り込まれ、溶湯中に再び混入
する。
【0004】前記の再混入等の防止方法として今日まで
試みられた方法には、精錬炉の炉底出湯を行なうととも
に、浮遊不純物の混入防止のため最終出湯部付近の溶湯
を一部炉内に残留させる方法、インダクションスカル炉
により溶湯を空中出湯する方法、また、取鍋またはタン
ディッシュ内においては、セラミックフィルタにより微
小非金属介在物原因物質を除去する方法などが提案され
一部実用化されているが、種々の制約があり、未だ広く
採用されるに至っていない。また、これらの方法は各々
の手段一つではすべての再混入物質や汚染物質等に対し
て有効ではないので、前記各再混入物質等に対して有効
ならしめるためには、これらの手段を組み合わせること
が必要である。しかし、これらは組み合わせるほど、費
用が嵩む等の問題を生ずる。
試みられた方法には、精錬炉の炉底出湯を行なうととも
に、浮遊不純物の混入防止のため最終出湯部付近の溶湯
を一部炉内に残留させる方法、インダクションスカル炉
により溶湯を空中出湯する方法、また、取鍋またはタン
ディッシュ内においては、セラミックフィルタにより微
小非金属介在物原因物質を除去する方法などが提案され
一部実用化されているが、種々の制約があり、未だ広く
採用されるに至っていない。また、これらの方法は各々
の手段一つではすべての再混入物質や汚染物質等に対し
て有効ではないので、前記各再混入物質等に対して有効
ならしめるためには、これらの手段を組み合わせること
が必要である。しかし、これらは組み合わせるほど、費
用が嵩む等の問題を生ずる。
【0005】一方、真空精錬後、黒鉛電極アーク加熱方
式の取鍋精錬炉、ASEA−SKF法などで再精錬する
ことで再混入物質等を除去することも考えられるが、こ
れらの方法では溶湯中への炭素のピックアップの問題が
生じ、せっかく脱炭したものや炭素制御した溶湯のC変
動の問題が発生する。特開平4−918118号は、ス
ラグの存在下で真空脱ガス処理により溶湯を脱炭した
後、sol.Al≧0.2wt%を含有させた状態で、
プラズマ加熱し、塩基度8以上のスラグの存在下で攪拌
し、脱硫する極低炭、極低硫鋼の製造方法を提案してい
る。
式の取鍋精錬炉、ASEA−SKF法などで再精錬する
ことで再混入物質等を除去することも考えられるが、こ
れらの方法では溶湯中への炭素のピックアップの問題が
生じ、せっかく脱炭したものや炭素制御した溶湯のC変
動の問題が発生する。特開平4−918118号は、ス
ラグの存在下で真空脱ガス処理により溶湯を脱炭した
後、sol.Al≧0.2wt%を含有させた状態で、
プラズマ加熱し、塩基度8以上のスラグの存在下で攪拌
し、脱硫する極低炭、極低硫鋼の製造方法を提案してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記提案の方法は、特
殊鋼メーカにおけるごとく、取扱い材質や要求精錬レベ
ルが多岐にわたる場合、またはせいぜい数10トン以下
の比較的小容量の炉の場合には不適当であることが判っ
た。すなわち、材質、精錬レベルによって真空精錬処理
時間が大幅に変化し、かつ予定時間より長引くことが多
く、また小容量の炉の場合、特に溶湯の温度低下のた
め、所期の真空精錬効果が得られない場合が多いからで
ある。本出願人は、前述の炭素のピックアップの問題が
なく、取扱い溶湯の材質や精錬レベルの変化、小容量炉
での精錬、高レベルの精錬等の場合にも柔軟に対応でき
る溶湯の精錬方法およびその装置を提供することを目的
として、特願平6−111098号で次を骨子とする提
案を行った。
殊鋼メーカにおけるごとく、取扱い材質や要求精錬レベ
ルが多岐にわたる場合、またはせいぜい数10トン以下
の比較的小容量の炉の場合には不適当であることが判っ
た。すなわち、材質、精錬レベルによって真空精錬処理
時間が大幅に変化し、かつ予定時間より長引くことが多
く、また小容量の炉の場合、特に溶湯の温度低下のた
め、所期の真空精錬効果が得られない場合が多いからで
ある。本出願人は、前述の炭素のピックアップの問題が
なく、取扱い溶湯の材質や精錬レベルの変化、小容量炉
での精錬、高レベルの精錬等の場合にも柔軟に対応でき
る溶湯の精錬方法およびその装置を提供することを目的
として、特願平6−111098号で次を骨子とする提
案を行った。
【0007】すなわち、本出願人による前記提案は、前
述の予備精錬が溶湯の温度低下により、精錬不能となる
事態があることを見出したことから、加熱手段を有する
容器により真空または低酸素分圧雰囲気中で精錬するこ
とにより、所定のレベルの予備精錬を達成し、その際、
溶湯から一旦分離されてはいるが、いまだその容器内に
止り、スカム状、ドロス状等として存在する不純物の混
入は、ある程度やむを得ないものとして、そのままの容
器内に、引き続き造滓剤を添加するか、または傾注その
他の出湯法で溶湯を更新容器に排出して、この更新容器
内に造滓剤を添加して、この溶湯中に混入した各不純物
を再精錬により、効率的に除去し、またはさらに高レベ
ルに精錬する精錬方法である。
述の予備精錬が溶湯の温度低下により、精錬不能となる
事態があることを見出したことから、加熱手段を有する
容器により真空または低酸素分圧雰囲気中で精錬するこ
とにより、所定のレベルの予備精錬を達成し、その際、
溶湯から一旦分離されてはいるが、いまだその容器内に
止り、スカム状、ドロス状等として存在する不純物の混
入は、ある程度やむを得ないものとして、そのままの容
器内に、引き続き造滓剤を添加するか、または傾注その
他の出湯法で溶湯を更新容器に排出して、この更新容器
内に造滓剤を添加して、この溶湯中に混入した各不純物
を再精錬により、効率的に除去し、またはさらに高レベ
ルに精錬する精錬方法である。
【0008】上記の本発明方法の予備精錬においては造
滓剤の添加による精錬を行なわないため、そのために発
生するスラグがないため、次の重要な工程である再精錬
でこのスラグを改質するため負担がないので効果の高い
再精錬ができる利点がある。しかし、前述のように予備
精錬で不可避的に生成するスカム状、ドロス状の不純物
に対しては、引き続き造滓剤を添加するか、または傾注
その他の出湯法で溶湯を別容器に注湯して、この別容器
に造滓剤を添加してこの溶湯中に混入した各不純物を再
精錬により除去する。上記方法のうち、不活性ガスプラ
ズマ加熱により新たに添加した造滓剤を加熱するととも
に溶湯を撹拌することが、再精錬を行なううえで極めて
重要であることを見出した。本発明は上記の再精錬を可
及的速やかに効率良く再精錬ができる方法を提供するこ
とを目的とする。
滓剤の添加による精錬を行なわないため、そのために発
生するスラグがないため、次の重要な工程である再精錬
でこのスラグを改質するため負担がないので効果の高い
再精錬ができる利点がある。しかし、前述のように予備
精錬で不可避的に生成するスカム状、ドロス状の不純物
に対しては、引き続き造滓剤を添加するか、または傾注
その他の出湯法で溶湯を別容器に注湯して、この別容器
に造滓剤を添加してこの溶湯中に混入した各不純物を再
精錬により除去する。上記方法のうち、不活性ガスプラ
ズマ加熱により新たに添加した造滓剤を加熱するととも
に溶湯を撹拌することが、再精錬を行なううえで極めて
重要であることを見出した。本発明は上記の再精錬を可
及的速やかに効率良く再精錬ができる方法を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述のように、再精錬を
効果的ならしめるためには、溶湯を撹拌手段によって撹
拌しながら再精錬を行ない、湯面上の新たに添加した造
滓剤に新しい溶湯が常に接触するようにすることが必要
である。すなわち、本発明の第1発明は、溶湯を、加熱
手段を有する容器中で真空または低酸素分圧雰囲気で予
備精錬した後、実質的にスラグのない溶湯に造滓剤を添
加し、不活性ガスプラズマにより加熱するとともに撹拌
手段により前記溶湯を撹拌しながら再精錬することを特
徴とする溶湯の精錬方法であり、第2発明は溶湯を、加
熱手段を有する容器中で真空または低酸素分圧雰囲気中
で予備精錬した後、実質的にスラグのない溶湯を前記容
器とは別容器に注湯し、不活性ガスプラズマにより加熱
するとともに撹拌手段により前記溶湯を撹拌しながら再
精錬することを特徴とする溶湯の精錬方法である。望ま
しい撹拌手段は、容器底に設けたホーラスプラグから不
活性ガスによるか、または電磁撹拌である。さらに望ま
しくは、上記の撹拌手段を併用するのがよい。
効果的ならしめるためには、溶湯を撹拌手段によって撹
拌しながら再精錬を行ない、湯面上の新たに添加した造
滓剤に新しい溶湯が常に接触するようにすることが必要
である。すなわち、本発明の第1発明は、溶湯を、加熱
手段を有する容器中で真空または低酸素分圧雰囲気で予
備精錬した後、実質的にスラグのない溶湯に造滓剤を添
加し、不活性ガスプラズマにより加熱するとともに撹拌
手段により前記溶湯を撹拌しながら再精錬することを特
徴とする溶湯の精錬方法であり、第2発明は溶湯を、加
熱手段を有する容器中で真空または低酸素分圧雰囲気中
で予備精錬した後、実質的にスラグのない溶湯を前記容
器とは別容器に注湯し、不活性ガスプラズマにより加熱
するとともに撹拌手段により前記溶湯を撹拌しながら再
精錬することを特徴とする溶湯の精錬方法である。望ま
しい撹拌手段は、容器底に設けたホーラスプラグから不
活性ガスによるか、または電磁撹拌である。さらに望ま
しくは、上記の撹拌手段を併用するのがよい。
【0010】なお、プラズマ加熱下で行なう再精錬前の
予備精錬終了時点の溶湯が実質的にスラグのないものと
は、予備精錬を行なう目的で造滓剤を添加して十分な反
応を終えて発生したスラグがないことを指す。したがっ
て、本発明のうちの第2発明において、別容器の再精錬
に注湯する前の予備精錬終了直前、または終了直後の溶
湯に、造滓剤を添加して再精錬炉に注湯することがある
が、これは予備精錬炉中で造滓剤の添加による精錬を目
的としたものではないので、予備精錬での反応用のスラ
グはないものと実質的に同一であり、本発明方法に包含
されるものである。本発明の精錬方法における望ましい
態様である撹拌の方法は、炉底に設けたポーラスプラグ
からの不活性ガスによるものが、撹拌効果の点から望ま
しい。不活性ガスを吹き込む時に本発明で使用する種類
の造滓剤を粉末の形で吹き込むことも、造滓剤による介
在物の捕捉の点から有効である。また、電磁撹拌装置を
単独またはガス吹き込みと併用して用いてもよい。
予備精錬終了時点の溶湯が実質的にスラグのないものと
は、予備精錬を行なう目的で造滓剤を添加して十分な反
応を終えて発生したスラグがないことを指す。したがっ
て、本発明のうちの第2発明において、別容器の再精錬
に注湯する前の予備精錬終了直前、または終了直後の溶
湯に、造滓剤を添加して再精錬炉に注湯することがある
が、これは予備精錬炉中で造滓剤の添加による精錬を目
的としたものではないので、予備精錬での反応用のスラ
グはないものと実質的に同一であり、本発明方法に包含
されるものである。本発明の精錬方法における望ましい
態様である撹拌の方法は、炉底に設けたポーラスプラグ
からの不活性ガスによるものが、撹拌効果の点から望ま
しい。不活性ガスを吹き込む時に本発明で使用する種類
の造滓剤を粉末の形で吹き込むことも、造滓剤による介
在物の捕捉の点から有効である。また、電磁撹拌装置を
単独またはガス吹き込みと併用して用いてもよい。
【0011】不活性ガスプラズマ加熱装置は、前述のよ
うにバーナのごとく、CO2、H2O、遊離O2等の酸化
性ガスを発生せず、かつ高温加熱に適する。また、本発
明では新たな造滓剤を再精錬炉で添加するから、迅速に
加熱して流動性のあるスラグとし、できるだけ早期に溶
湯と接触させて脱酸や脱硫反応を促進させる必要があ
る。そのためにも本発明の方法である不活性ガスプラズ
マ加熱は有効である。
うにバーナのごとく、CO2、H2O、遊離O2等の酸化
性ガスを発生せず、かつ高温加熱に適する。また、本発
明では新たな造滓剤を再精錬炉で添加するから、迅速に
加熱して流動性のあるスラグとし、できるだけ早期に溶
湯と接触させて脱酸や脱硫反応を促進させる必要があ
る。そのためにも本発明の方法である不活性ガスプラズ
マ加熱は有効である。
【0012】なお、本発明でいう真空または低酸素分圧
雰囲気とは、それぞれ大気圧未満の雰囲気、または大気
中の酸素分圧すなわち213HPa(1013HPa×0.21)未満の酸
素分圧雰囲気を意味する。この条件を満足させる手段と
しては、真空ポンプで排気し減圧すること、不活性ガス
(ArやN2ガス)で酸素の一部を置換すると、または減
圧とガス置換を組み合わせて、数100Torr以下の不活性
ガス雰囲気とする方法がある。
雰囲気とは、それぞれ大気圧未満の雰囲気、または大気
中の酸素分圧すなわち213HPa(1013HPa×0.21)未満の酸
素分圧雰囲気を意味する。この条件を満足させる手段と
しては、真空ポンプで排気し減圧すること、不活性ガス
(ArやN2ガス)で酸素の一部を置換すると、または減
圧とガス置換を組み合わせて、数100Torr以下の不活性
ガス雰囲気とする方法がある。
【0013】
【作用】本発明の再精錬では、浮上または溶湯中に混入
した不純物を新しく添加した造滓剤によって、効率良く
改質もしくは捕集することができる。上記の新しく添加
した造滓剤は、プラズマ加熱により浮上した不純物を迅
速に改質して無害化し、再度溶湯中に再混入するのを防
止するとともに溶湯中の不純物を常時造滓剤と接触させ
ることにより捕集させることができる。撹拌手段として
は、新たに添加した造滓剤や精錬途中のスラグ化したも
のが再度溶湯中に混入しない方法で行なう必要があり、
このため、容器底に設けたポーラスプラグから吹き込む
不活性ガスによるか、または電磁撹拌によるものがよ
い。望ましくは、上記撹拌手段を併用するのがよい。
した不純物を新しく添加した造滓剤によって、効率良く
改質もしくは捕集することができる。上記の新しく添加
した造滓剤は、プラズマ加熱により浮上した不純物を迅
速に改質して無害化し、再度溶湯中に再混入するのを防
止するとともに溶湯中の不純物を常時造滓剤と接触させ
ることにより捕集させることができる。撹拌手段として
は、新たに添加した造滓剤や精錬途中のスラグ化したも
のが再度溶湯中に混入しない方法で行なう必要があり、
このため、容器底に設けたポーラスプラグから吹き込む
不活性ガスによるか、または電磁撹拌によるものがよ
い。望ましくは、上記撹拌手段を併用するのがよい。
【0014】
【実施例】本発明の方法である代表的実施例を以下に示
す。 (実施例1)図1に示す設備を用いて、以下に示す手順
で操業を行なった。大気中でアーク炉を用いてFe−N
i合金を溶解した後、溶湯に酸素を吹き込んで十分脱炭
させた溶湯を取鍋を介して誘導加熱精錬炉5に注湯し
た。なお、前記取鍋には鍋底に設けたスライディングノ
ズル方式によって注湯し、脱炭時に発生したスラグが極
力混入しないよう配慮した。続いて、蓋体3を施し、真
空排気系6aにより大気遮断室a内を真空とし、誘導加
熱炉により予備精錬を行なった。
す。 (実施例1)図1に示す設備を用いて、以下に示す手順
で操業を行なった。大気中でアーク炉を用いてFe−N
i合金を溶解した後、溶湯に酸素を吹き込んで十分脱炭
させた溶湯を取鍋を介して誘導加熱精錬炉5に注湯し
た。なお、前記取鍋には鍋底に設けたスライディングノ
ズル方式によって注湯し、脱炭時に発生したスラグが極
力混入しないよう配慮した。続いて、蓋体3を施し、真
空排気系6aにより大気遮断室a内を真空とし、誘導加
熱炉により予備精錬を行なった。
【0015】並行的に大気遮断室aの外部には、予め予
熱された再精錬容器をセットする。大気遮断室aでの精
錬が完了すると、仕切バルブ4を開放し、その開口を経
て再精錬容器27を軌条および台車24により大気遮断
室aの位置27′へ移動する。
熱された再精錬容器をセットする。大気遮断室aでの精
錬が完了すると、仕切バルブ4を開放し、その開口を経
て再精錬容器27を軌条および台車24により大気遮断
室aの位置27′へ移動する。
【0016】誘導加熱精錬炉5を傾動することにより、
溶湯を再精錬容器27へ出湯する。出湯後副原料投入系
9により造滓剤を添加した。その後、軌条および台車2
4により、溶湯を保持した再精錬容器を速やかに再精錬
位置(27)へ移動し、不活性ガスプラズマ加熱装置に
より加熱して造滓剤を溶融、加熱を行ない、かつ不活性
ガス導入系7bを経てポーラスプラグ28からArガス
吹込み攪拌することにより、再精錬を行なった。再精錬
が終了し、所定の鎮静を行なった後、スライディングノ
ズル29を経てインゴットケース30に鋳造した。
溶湯を再精錬容器27へ出湯する。出湯後副原料投入系
9により造滓剤を添加した。その後、軌条および台車2
4により、溶湯を保持した再精錬容器を速やかに再精錬
位置(27)へ移動し、不活性ガスプラズマ加熱装置に
より加熱して造滓剤を溶融、加熱を行ない、かつ不活性
ガス導入系7bを経てポーラスプラグ28からArガス
吹込み攪拌することにより、再精錬を行なった。再精錬
が終了し、所定の鎮静を行なった後、スライディングノ
ズル29を経てインゴットケース30に鋳造した。
【0017】(実施例2)図2に示す設備を用いて、以
下に示す手順で操業を行った。アーク炉を用い、実施例
1と同じ要領でFe−42Ni合金を溶解脱炭精錬した
前記溶湯を、図示しない取鍋を介して図2の取鍋50に
注湯した。続いて取鍋真空蓋53をセットして取鍋50
内を真空引きを行って脱酸を開始した。脱酸精錬が終了
した時点で真空排気系54を止め、アルゴン底吹き攪拌
装置58からアルゴンガスを流入して置換したうえで、
投入装置55から造滓剤を添加した。次いで取鍋真空蓋
53の外部にセットしてあるプラズマ加熱トーチ56を
取鍋50内に挿入してプラズマ加熱を開始し、同時に前
記アルゴン底吹き攪拌装置58からアルゴンガスを吹込
みながら溶湯を攪拌させて再精錬を行った。なお、前記
アルゴンガスの吹き込み撹拌を促進させる理由で誘導加
熱コイル52を作動させた。再精錬が終了すると、スラ
イディングノズル57を開口し、前記スライディングノ
ズルの下に用意されたインゴットケースに受湯した。
下に示す手順で操業を行った。アーク炉を用い、実施例
1と同じ要領でFe−42Ni合金を溶解脱炭精錬した
前記溶湯を、図示しない取鍋を介して図2の取鍋50に
注湯した。続いて取鍋真空蓋53をセットして取鍋50
内を真空引きを行って脱酸を開始した。脱酸精錬が終了
した時点で真空排気系54を止め、アルゴン底吹き攪拌
装置58からアルゴンガスを流入して置換したうえで、
投入装置55から造滓剤を添加した。次いで取鍋真空蓋
53の外部にセットしてあるプラズマ加熱トーチ56を
取鍋50内に挿入してプラズマ加熱を開始し、同時に前
記アルゴン底吹き攪拌装置58からアルゴンガスを吹込
みながら溶湯を攪拌させて再精錬を行った。なお、前記
アルゴンガスの吹き込み撹拌を促進させる理由で誘導加
熱コイル52を作動させた。再精錬が終了すると、スラ
イディングノズル57を開口し、前記スライディングノ
ズルの下に用意されたインゴットケースに受湯した。
【0018】上記実施例1では、再精錬時に造滓剤とし
てCaOとCaF2が1対1の比率のものと溶鋼トン当
り合計20kg添加した。また、実施例2では、電磁撹拌だ
けでCaOとAl2O3が1対1の比率のものを溶鋼トン
当り合計20kg添加した場合と、電磁撹拌とポーラスプラ
グからArガスを吹き込み撹拌を併用して再精錬時に造
滓剤として、CaO,CaF2およびAl2O3が2対1
対1の比率で溶鋼トン当り合計20kg添加した場合につい
て実施した。表1に比較法として、上記の撹拌を行なわ
ずに実施した場合のO値、S値をそれぞれ10.0とし、一
方本発明法の撹拌を行なって上記の再精錬を実施した時
の30分経過時点のO値、S値の比を示す。
てCaOとCaF2が1対1の比率のものと溶鋼トン当
り合計20kg添加した。また、実施例2では、電磁撹拌だ
けでCaOとAl2O3が1対1の比率のものを溶鋼トン
当り合計20kg添加した場合と、電磁撹拌とポーラスプラ
グからArガスを吹き込み撹拌を併用して再精錬時に造
滓剤として、CaO,CaF2およびAl2O3が2対1
対1の比率で溶鋼トン当り合計20kg添加した場合につい
て実施した。表1に比較法として、上記の撹拌を行なわ
ずに実施した場合のO値、S値をそれぞれ10.0とし、一
方本発明法の撹拌を行なって上記の再精錬を実施した時
の30分経過時点のO値、S値の比を示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1から再精錬時に容器内の溶湯を撹拌す
ることが極めて有効であることがわかる。
ることが極めて有効であることがわかる。
【0021】
【発明の効果】本発明の溶湯の精錬方法は、予備精錬過
程で造滓剤を添加しないので、実質的にスラグのない比
較的きれいな状態で再精錬を行なうことができる利点が
ある。その結果、再精錬時に添加する造滓剤は、持込み
スラグを改質する必要がないため少量ですみ、不活性ガ
スプラズマ加熱により十分加熱されて低粘性かつ活性化
されることにより、効果的、かつ効率良く再精錬を実施
することができる。
程で造滓剤を添加しないので、実質的にスラグのない比
較的きれいな状態で再精錬を行なうことができる利点が
ある。その結果、再精錬時に添加する造滓剤は、持込み
スラグを改質する必要がないため少量ですみ、不活性ガ
スプラズマ加熱により十分加熱されて低粘性かつ活性化
されることにより、効果的、かつ効率良く再精錬を実施
することができる。
【図1】本発明の実施例に用いた装置の一例を示す図で
ある。
ある。
【図2】本発明の実施例に用いた装置の一例を示す図で
ある。
ある。
1 真空または低酸素分圧下精錬装置、2 大気遮断室
本体、3 蓋体、4仕切りバルブ、5 誘導加熱精錬
炉、6a 真空排気系、7a 不活性ガス導入系、7b
不活性ガス導入系、8 副原料投入系、9 副原料投
入系、20 再精錬装置、23 不活性ガスプラズマ加
熱装置、24 軌条および台車、27再精錬容器(再精
錬位置)、27a 容器蓋体、28 ポーラスプラグ、
29スライディングノズル、30 インゴットケース、
31 台車、50 容器、51 溶湯、52 誘導加熱
コイル、53 容器真空蓋、54 真空排気系、55投
入装置、56 プラズマ加熱トーチ、57 スライディ
ングノズル、58アルゴン底吹き撹拌装置、a 大気遮
断室
本体、3 蓋体、4仕切りバルブ、5 誘導加熱精錬
炉、6a 真空排気系、7a 不活性ガス導入系、7b
不活性ガス導入系、8 副原料投入系、9 副原料投
入系、20 再精錬装置、23 不活性ガスプラズマ加
熱装置、24 軌条および台車、27再精錬容器(再精
錬位置)、27a 容器蓋体、28 ポーラスプラグ、
29スライディングノズル、30 インゴットケース、
31 台車、50 容器、51 溶湯、52 誘導加熱
コイル、53 容器真空蓋、54 真空排気系、55投
入装置、56 プラズマ加熱トーチ、57 スライディ
ングノズル、58アルゴン底吹き撹拌装置、a 大気遮
断室
Claims (5)
- 【請求項1】 溶湯を、加熱手段を有する容器中で真空
または低酸素分圧雰囲気で予備精錬した後、実質的にス
ラグのない溶湯に造滓剤を添加し、不活性ガスプラズマ
により加熱するとともに撹拌手段により前記溶湯を撹拌
しながら再精錬することを特徴とする溶湯の精錬方法。 - 【請求項2】 溶湯を、加熱手段を有する容器中で真空
または低酸素分圧雰囲気中で予備精錬した後、実質的に
スラグのない溶湯を前記容器とは別容器に注湯し、不活
性ガスプラズマにより加熱するとともに撹拌手段により
前記溶湯を撹拌しながら再精錬することを特徴とする溶
湯の精錬方法。 - 【請求項3】 撹拌手段が容器底に設けたポーラスプラ
グからの不活性ガスによる請求項1または請求項2に記
載の溶湯の精錬方法。 - 【請求項4】 撹拌手段が電磁撹拌装置による請求項1
または請求項2に記載の溶湯の精錬方法。 - 【請求項5】 撹拌手段が容器底に設けたポーラスプラ
グからの不活性ガスと電磁撹拌装置による請求項1また
は請求項2に記載の溶湯の精錬方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29115894A JPH08143938A (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 溶湯の精錬方法 |
DE69428123T DE69428123T2 (de) | 1994-05-25 | 1994-12-27 | Vorrichtung und Verfahren zum Raffinieren einer Metallschmelze |
KR1019960700397A KR100191701B1 (ko) | 1994-05-25 | 1994-12-27 | 금속 용탕의 정련 방법 및 정련 장치 |
EP95904004A EP0725151B1 (en) | 1994-05-25 | 1994-12-27 | Apparatus and method for refining molten metal |
US08/586,871 US5753004A (en) | 1994-05-25 | 1994-12-27 | Method for refining molten metal and apparatus for same |
PCT/JP1994/002268 WO1995032312A1 (fr) | 1994-05-25 | 1994-12-27 | Procede et appareil d'affinage de metal fondu |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29115894A JPH08143938A (ja) | 1994-11-25 | 1994-11-25 | 溶湯の精錬方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08143938A true JPH08143938A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17765202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29115894A Pending JPH08143938A (ja) | 1994-05-25 | 1994-11-25 | 溶湯の精錬方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08143938A (ja) |
-
1994
- 1994-11-25 JP JP29115894A patent/JPH08143938A/ja active Pending
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