JPH08143910A - 焼結鍛造品の製造方法 - Google Patents

焼結鍛造品の製造方法

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JPH08143910A
JPH08143910A JP28549294A JP28549294A JPH08143910A JP H08143910 A JPH08143910 A JP H08143910A JP 28549294 A JP28549294 A JP 28549294A JP 28549294 A JP28549294 A JP 28549294A JP H08143910 A JPH08143910 A JP H08143910A
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JP
Japan
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density
sintered body
forging
roll
sintered
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JP28549294A
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English (en)
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Imin Chin
偉民 沈
Toshiro Kimura
敏郎 木村
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工業的な信頼性が高く、また、汚染防止の観
点からも優れ、さらに、カバレッジが良好で処理時間の
短い表面高密度化工程を有する焼結鍛造品の製造方法を
提供する。 【構成】 焼結体Wに対して熱間鍛造を行う鍛造工程5
の前に、ロール圧延装置を用いて焼結体Wに対して表面
圧延を行い、焼結体Wの表層部の密度を真密度の98パ
ーセント以上に高める表面高密度化工程4を設けてあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結金属を鍛造して形
成される焼結鍛造品の製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】焼結鍛造品は、図6に示すように、粉末
材料を潤滑剤とともに混合する混合工程、混合した粉末
材料を圧縮成形してプリフォームを形成する成形工程、
プリフォームを焼結炉に入れて加熱、焼結して焼結体を
形成する焼結工程、焼結体に対して熱間鍛造を行う鍛造
工程、所定の機械加工を施す機械加工工程を経て製造さ
れている。このように、従来の焼結鍛造品の製造におい
ては、焼結体をそのまま熱間鍛造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法による焼
結鍛造品の製造では、鍛造工程で焼結体を熱間鍛造する
とき、鍛造体が金型との接触面において急激に冷却(約
1000℃から、600〜700℃への冷却)されてし
まうので圧密が進みにくくなり、焼結鍛造品の表層部に
多数のポア(空孔)が残存する。このポアの存在によ
り、焼結鍛造品の表面から深さ0.3〜0.5mmまで
の領域においては、密度が真密度の95%程度の低密度
となっている。
【0004】そして、表層部にポアが残存することによ
り、製品の強度が低く、さらに、疲労強度も低くなると
いう問題がある。また、強度を必要とする部品では、密
度の低い表層部を除去する機械加工を行わなければなら
ず、製造コストが増加するという問題がある。
【0005】しかも、表層部の密度が低いために、鍛造
中に割れなどの表面欠陥が発生し易かった。かかる問題
を解決すべく、焼結体を熱間鍛造した後に、機械的表面
硬化処理であるショットピーニング処理を施して表層部
のポアを潰し、表層部を高密度化して、高強度の部品を
得るようにした製造方法が提案されている(特公平6−
23403号公報参照)。
【0006】しかしながら、この製造方法により効果と
して得られる疲労強度の上昇は、ポアの圧着によるもの
ではなく、ショット(鋼球)が当たったことによる残留
応力によるものであり、工業的な信頼性が十分なもので
はない。さらに、ショットブラストにおいては疲労強度
を向上させるためにアークハイトを大とし、十分なカバ
レッジをとらねばならないため、比較的長い処理時間を
要していた。
【0007】本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決
するためになされたものであり、工業的な信頼性が高
く、また、処理時間の短縮を図り得る焼結鍛造品の製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る焼結鍛造品の製造方法は、混合した粉
末材料を圧縮成形してプリフォームを形成する成形工程
と、前記プリフォームを加熱、焼結して焼結体を形成す
る焼結工程と、ロール圧延手段を用いて前記焼結体に対
して表面圧延を行い、前記焼結体の表層部の密度を真密
度の好ましくは98パーセント以上に高める表面高密度
化工程と、表層部が高密度化された前記焼結体に対して
熱間鍛造を行う鍛造工程と、を有することを特徴とす
る。
【0009】表面層の高密度化すべき深さを0.5mm
程度とするためには表面高密度化工程において、ロール
径と圧下量とを適当な範囲で組み合わせることが必要で
ある。 ここで、ロール直径は、40mm〜50mmと
することが好ましい。ロール径が小であると塑性変形に
よる圧密深さが小さくなる。ロール径が大であると装置
が大型化し、塑性変形域が広がりすぎるため表面層密度
の増加量が逆に低下する。
【0010】また、前記ロール圧延手段のロールによる
圧下量は、0.2mm以上であることが好ましい。ま
た、前記表面圧延は、1回又は多パスで行うことが好ま
しい。
【0011】
【作用】本発明の製造方法によれば、熱間鍛造を行う前
に、予め、焼結体の表層部のみをロール圧延によって真
密度の好ましくは98%以上の高密度にしてあるため、
鍛造後に得られる鍛造品の表層部および内部の密度が高
く、焼結鍛造品の強度が高く、疲労強度も高くなる。ま
た、鍛造品の表層部密度が高いため、低強度の表層部を
除去する機械加工が不要で、製造コストの面で優れたも
のとなる。しかも、鍛造品の表層部密度が高いために、
鍛造中に割れなどの表面欠陥が発生しにくくなる。ま
た、ロール圧延は短時間(たとえば1.5秒以内)で完
了することから、焼結工程と鍛造工程との間にロール圧
延による表面高密度化工程を追加しても、鍛造前に焼結
体の温度が大幅に低下することはなく、鍛造工程では良
好な熱間鍛造が行われる。
【0012】さらに、本発明の製造方法によれば、鍛造
した後に機械的表面硬化処理を施して鍛造品の表層部を
高密度化する技術に比較して、工業的な信頼性が高く、
またロール圧延であるのでカバレッジが良好で、処理時
間も短くなる。ロール圧延手段のロール直径を40mm
〜50mmとすることにより、表面圧延による表面高密
度化が好適になされる。
【0013】また、ロールによる圧下量が0.2〜0.
5mm程度であれば、数パスの圧延を行っても、端面の
3次元変形がほとんどないので、鍛造金型内への挿入に
問題はない。又、鍛造時にバリが発生し難くなる。ま
た、表面圧延を1回又好ましくは2回以上、3回程度の
多パス、1パス当たりの圧下量は0.1〜0.3mmの
範囲で行うことにより、表面圧延による表面高密度化が
好適になされる。パス数が多すぎると、高密度化が飽和
すると共に、材料も冷却するので効果が小さくなる。圧
下量および表面圧延の回数と、表面部の相対密度との関
係を図5に示す。図5に示す結果が得られた試験では、
ロールとしてφ40.0mmのものを用い、変形温度を
1000℃、初期密度を0.85、回転速度を100r
pmとした。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。図1は
本発明による製造工程を示す流れ図、図2は本発明によ
り製造される焼結鍛造品の一例を示す斜視図である。
【0015】図2に示される焼結鍛造品は、自動車のオ
ートマチック・トランスミッションを構成する一部品で
あるアウターレース10であり、外周のリング部11に
高い疲労強度が要求される部品である。このアウターレ
ース10は、例えば、Cuを1.7〜2.3%、Cを
0.45〜0.65%、残りをFeとする粉末を焼結・
鍛造して得られる。
【0016】このアウターレース10の製造工程を説明
すれば、図1に示すように、まず、上記配合の粉末材料
を潤滑剤であるZn・STとともに混合し(混合工程
1)、その後、混合した粉末材料を平均密度を真密度の
0.84〜0.85%に圧縮成形してプリフォームを形
成する(成形工程2)。次いで、このプリフォームを焼
結炉に入れて、温度1150〜1200℃にて加熱、焼
結して焼結体を形成する(焼結工程3)。その後、ロー
ル圧延装置を用いて熱間焼結体に対して表面圧延を行
い、焼結体の表層部の密度を真密度の98パーセント以
上に高める(表面高密度化工程4)。次いで、表層部が
高密度化された焼結体に対して熱間鍛造を行う(鍛造工
程5)。熱間鍛造を行う温度は、高すぎると金型への熱
負荷が大きくなり、低すぎると鍛造が不良となることか
ら、約1000℃で行うのが好ましい。熱間鍛造により
鍛造体の内部の密度は99%以上に上昇する。そして、
鍛造終了後に検査を行い、合格品に所定の機械加工を施
して(機械加工工程6)、径方向外方に突出した部位を
有するアウターレースを製造する。
【0017】表面高密度化工程におけるロール圧延装置
による表面圧延を概念的に示すと図3および図4に示す
とおりである。表面圧延は、熱間焼結体Wの表層部にの
み歪みを付与するものであり、図3に示すように、互い
に逆方向に回転自在な2つのロール12,13を有する
ロール圧延装置14によりなされる。2つのロール1
2,13は、ワークとしての熱間焼結体Wの外周リング
部11を軸方向の両側から挟み込むように配置され、一
方のロール12が他方のロール13に向けて押圧される
ようになっている。
【0018】図4は、ロール12の回転軸方向から見た
表面圧延を概念的に示す図であり、一方のロール12近
傍のみを示してある。図中ハッチングで示す領域が歪み
が付与される塑性変形域15であり、この塑性変形域1
5の深さは、ロール12,13による圧下量Sの寸法に
依存している。熱間焼結体Wの表面から深さD=約0.
5mmまでの領域においては、密度が真密度の約85%
である。本実施例では、前記領域を塑性変形域15とし
て当該領域の密度を真密度の98%以上とすべく、ロー
ル直径d、表面圧延を行う回数、ロールの負荷およびロ
ール12,13による圧下量Sを決定してある。
【0019】熱間焼結体Wに表面から約0.5mmまで
の領域に歪みを付与する表面圧延を行う場合には、可及
的に小径のロールにより繰り返し小圧力を加えることが
有効である。また、圧下量Sが小さい方が鍛造時に外周
リング部11にバリが発生し難い。このため、試料を用
いた種々の実験を予め行い、ロール直径dは40mm〜
50mm、表面圧延を行う回数は1〜3回の範囲、ロー
ル負荷は約200kg、圧下量Sは0.2mm以下に設
定した。なお、ロール12,13の材質はSKD61、
ロール12,13の大径部は直径46mm、小径部は直
径40mm、ロール12,13の回転速度は毎分300
〜400回転である。
【0020】このように熱間鍛造を行う前に、予め、焼
結体Wの表層部をロール圧延によって真密度の98%の
高密度にしてあるため、鍛造品の表層部および内部の密
度が高く、製品の強度が高く、疲労強度も高くなる。ま
た、鍛造品の表層部密度が高くなるので、後続の機械加
工工程で低強度の表層部を除去する必要がなくなり、製
造コストの面で優れたものとなる。
【0021】しかも、鍛造品の表層部密度が高いため
に、鍛造中に割れなどの表面欠陥が発生しにくくなる。
また、ロール圧延は短時間(本実施例では1.5秒)で
完了することから、焼結工程と鍛造工程との間に表面高
密度化工程を追加しても、焼結炉から取り出され、鍛造
前の焼結体はそれほど冷却されずに熱間鍛造を約100
0℃で行うことができ、鍛造工程における良好な熱間鍛
造を阻害する要因とはならない。
【0022】さらに、本実施例の製造方法は、鍛造した
後にショットピーニング処理を施して鍛造品の表層部を
高密度化する技術に比較して、工業的な信頼性が高く、
またロール圧延であるのでカバレッジが良好で、処理時
間の短縮を図ることができる点などにおいて優れてい
る。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
熱間鍛造を行う前に、予め、ロール圧延手段を用いて焼
結体に対して表面圧延を行い、焼結体の表層部の密度を
真密度の好ましくは98パーセント以上に高めてあるた
め、鍛造品の表層部および内部の密度が高く、製品の強
度が高く、疲労強度も高くなる。また、後続の機械加工
工程で低強度の表層部を除去する必要がなくなり、製造
コストの面で優れたものとなる。しかも、鍛造中に割れ
などの表面欠陥が発生しにくくなる。また、ロール圧延
は短時間で完了することから、焼結工程と鍛造工程との
間に表面高密度化工程を追加しても、熱間焼結体はそれ
ほど冷却されず、鍛造工程で良好な熱間鍛造を行うこと
ができる。
【0024】さらに、本発明の製造方法は、鍛造した後
に機械的表面硬化処理を施して鍛造品の表層部を高密度
化する技術に比較して、工業的な信頼性が高く、また、
ロール圧延であるのでカバレッジが良好で、処理時間の
短縮を図ることができる点などにおいて優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による焼結鍛造品の製造工程を示
す流れ図である。
【図2】図2は本発明により製造される焼結鍛造品の一
例を示す斜視図である。
【図3】図3は表面高密度化工程におけるロール圧延装
置による表面圧延を概念的に示す図である。
【図4】図4はロール圧延装置のロールの回転軸方向か
ら見た表面圧延を概念的に示す図であり、一方のロール
近傍のみを示す図である。
【図5】図5は圧下量および表面圧延の回数と、表面相
対密度の最大値との関係を示すグラフである。
【図6】図6は従来の焼結鍛造品の製造工程を示す流れ
図である。
【符号の説明】
1…混合工程 2…成形工程 3…焼結工程 4…表面高密度化(表面圧延)工程 5…熱間鍛造工程 6…機械加工工程 10…アウターレース(焼結鍛造品) 12,13…ロール 14…ロール圧延装置(ロール圧延手段) S…圧下量 W…ワーク(焼結体)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末材料を圧縮成形してプリフォームを
    形成する成形工程と、 前記プリフォームを加熱、焼結して焼結体(W)を形成
    する焼結工程と、 ロール圧延手段(14)を用いて前記焼結体(W)に対
    して表面圧延を行い、前記焼結体(W)の表層部の密度
    を高める表面高密度化工程と、 表層部が高密度化された前記焼結体(W)に対して熱間
    鍛造を行う鍛造工程と、を有することを特徴とする焼結
    鍛造品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記表面高密度化工程では、前記焼結体
    (W)の表層部の密度を真密度の98パーセント以上に
    高める請求項1に記載の焼結鍛造品の製造方法。
JP28549294A 1994-11-18 1994-11-18 焼結鍛造品の製造方法 Pending JPH08143910A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6753494B2 (en) 2001-07-17 2004-06-22 Hitachi, Ltd. Sintered body and electrode, method for surface densitication of these, process for manufacturing electrode by this method and circuit breaker
JP2009041109A (ja) * 1996-06-14 2009-02-26 Hoganas Ab 成形表面を有する粉末冶金による物体
CN104475739A (zh) * 2014-12-15 2015-04-01 姚烔涛 输出齿轮轴摆辗模具的加工工艺
KR20180059962A (ko) * 2015-04-23 2018-06-05 더 팀켄 컴퍼니 베어링 구성요소를 제조하는 방법

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