JPH08143905A - 粉末射出成形による精密金属部品製造用高性能結合剤/成形剤組成物 - Google Patents

粉末射出成形による精密金属部品製造用高性能結合剤/成形剤組成物

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JPH08143905A
JPH08143905A JP29268494A JP29268494A JPH08143905A JP H08143905 A JPH08143905 A JP H08143905A JP 29268494 A JP29268494 A JP 29268494A JP 29268494 A JP29268494 A JP 29268494A JP H08143905 A JPH08143905 A JP H08143905A
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文信 陳
Meichi Ko
明智 江
Chokun Rin
兆▲君▼ 林
Kokuyo O
國曜 翁
明雄 ▲頼▼
Meiyu Rai
Kenzai Tei
建財 鄭
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 相容性が優れ、極めて均一な状態で圧粉体に
均一に分布することができるとともに、圧粉体が優れた
物性と寸法完全性を示し、最終製品の精密度を確保でき
る、結合剤組成物を提供する。 【構成】 (1)結晶性が高く溶解度パラメータが低い
第一重合体と、(2)結晶性が低く溶解度パラメータが
高い第二重合体と、(3)第一および第二重合体の繰返
し単位またはそれぞれの類似構造の単量体のブロックを
含むブロック共重合体よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属粉末射出成形法に
よる金属部品製造用結合剤組成物に関する。さらに、本
発明は、該結合剤組成物の用途に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末射出成形は金属部品製造における新
技術である。粉末射出成形法の主な利点は、複雑な外形
を有する小さい高精度寸法部品を快速かつ簡単な方法で
製造できることにある。一般に、粉末射出成形法は、先
ず金属粉末と多成分結合剤組成物とを混合し、そしてこ
の金属粉末/結合剤の混合物を射出成形法により圧粉体
(GREEN COMPACT )に成形するなどの工程を含む。続い
て、この圧粉体をその所要形状になるまで加熱により脱
脂し、焼結する。結合剤に多成分を使用し、各成分を異
なる段階で焼却することにより、脱脂工程における、圧
粉体が変形または崩壊することを避け、最終焼結製品の
寸法安定性を確保することを可能にする。
【0003】最もよく用いられる金属粉末射出成形用結
合剤組成物は、通常二種またはそれ以上の重合体成分と
適量のオイルまたはワックスを含む。この結合剤組成物
には、界面活性剤および/または可塑剤としての脂肪酸
がよく加えられる。続いて、結合剤組成物は金属粉末と
混合され、射出成形組成物とされる。結合剤組成物にお
ける重合体成分としては、通常ポリスチレンのような非
結晶性重合体とポリプロピレンのような結晶性重合体な
どが挙げられる。結合剤組成物中における各重合体成分
間は、その性質が異なるため、相容性がしばしば問題と
なる。重合体成分間の不相容性は結合剤組成物を不均一
にし、焼結部品の寸法安定性と形状の精度に悪影響を及
ぼすため、最終製品の最終寸法と形状の精密制御を困難
にする。
【0004】米国特許第4,158,688号には、リ
チウムで変性したβ−アルミナの粉末を含む顆粒状固体
を焼結製品に成形する結合剤組成物が記載されている。
この組成物はブロック共重合体と可塑剤を含む。そのブ
ロック共重合体は式X−〔B(AB)n A〕n ’で示さ
れる。式において、Aは室温にてガラス状または結晶状
を呈する直鎖または分枝重合体で、Bは加工温度にて弾
性体をなす重合体であり、nは0または正整数で、n’
は2より大きい正整数を示し、XはAまたはBを示す。
可塑剤はオイル、ワックス、またはその混合物である。
上記特許に、多成分重合体結合剤が使われたが、相容性
の問題については何も言及されていない。
【0005】米国特許第4,283,360号には、溶
媒に溶解する樹脂および溶解しない樹脂と、セラミック
または金属粉末と、可塑剤とを混合して成形するセラミ
ック金属成形法が開示されている。この方法において、
成形体は有機溶媒処理で溶媒溶解性樹脂が溶解された
後、焼成を経てセラミックまたは金属製品となる。この
特許にも、溶媒溶解性と不溶解性樹脂の間の強い不相容
性の問題は言及されていない。しかし、この不相容性
は、焼結製品の寸法安定性に悪影響を及ぼす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、金属部品の粉末射出成形用改良結合剤組成物を提供
することを目的とする。本発明は更に、溶解度パラメー
タの低い第一重合体と、溶解度パラメータの高い第二重
合体と、第一および第二重合体の単量体またはそれぞれ
に構造的に類似する単量体ブロックを含むブロック共重
合体とからなる結合剤組成物を提供することを目的とす
る。該ブロック共重合体は、第一および第二重合体が高
流動性を示す均一な液体混合物を生成するよう混和性を
向上する溶解助剤の役目を果たす。
【0007】本発明のもう一つの目的は、金属粉末の射
出成形法による金属部品製造用結合剤組成物を提供する
ことである。
【0008】本発明の又一つの目的は、金属粉末の射出
成形法による金属部品の製造法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)溶解度
パラメータが低い第一重合体と、(B)溶解度パラメー
タが高い第二重合体と、(C)第一および第二重合体の
繰返し単位またはそれぞれの類似構造の単量体のブロッ
クを含むブロック共重合体とよりなる結合剤組成物に関
する。更に詳しくは、本発明は、(A)結晶性が高く溶
解度パラメータが低い第一重合体と、(B)結晶性が低
く溶解度パラメータが高い第二重合体と、(C)第一お
よび第二重合体の繰返し単位またはそれぞれの類似構造
の単量体のブロックを含むブロック共重合体とよりなる
結合剤組成物に関する。
【0010】溶解度パラメータの定義は重合体に関する
多くの教科書、たとえば、RaymondB.Seymour and Charl
es E. Carraher, Jr., Polymer Chemistry, 2nd. ed.,
Marcel Dekker, Inc.(1988)に見られる。
【0011】本発明の第一重合体は好ましくはポリオレ
フィンで、特に好ましくはC1-8 α−オレフィンの重合
体であり、さらに好ましくはポリエチレンまたはポリプ
ロピレンである。
【0012】本発明の第二重合体は、第一重合体と比
べ、結晶性が低く溶解度パラメータが高い重合体であ
り、好ましくはポリエステルまたはビニール芳香系重合
体で、さらに好ましくはポリ(メチルメタクリレート)
またはポリスチレンである。
【0013】本発明のブロック共重合体は,通常第一お
よび第二重合体の繰返し単位を含むが、第一および第二
重合体の繰返し単位と類似構造の単量体のブロックを含
む共重合体、たとえばイソプレン/スチレンブロック共
重合体も本発明のブロック共重合体として使える。本発
明のブロック共重合体は昇温にて熱可塑性を示す。冷却
後、優れた粘着性を得る。本発明の結合剤組成物におい
て、ブロック共重合体は、第一および第二重合体が高流
動性を示す均一な液体混合物を生成するよう混和性を向
上する溶解助剤の役目を果たす。
【0014】本発明のブロック共重合体は、好ましくは
エチレン/スチレンブロック共重合体、プロピレン/ス
チレンブロック共重合体、またはイソプレン/スチレン
ブロック共重合体である。
【0015】本発明の結合剤組成物は、テスト温度20
0℃、荷重6.2Kgにおけるメルトインデックス(M
I)が0〜100g/10分間である。結合剤組成物の均
一性は、結合剤組成物をガラス板に薄く延ばし、その被
覆層の均一性を視的検査することにより評価できる。
【0016】本発明の結合剤組成物に使われる第一重合
体/第二重合体/共重合体の組合せは、好ましくはポリ
プロピレン/ポリスチレン/スチレン−エチレン共重合
体またはスチレン−エチレン共重合体であるが、これに
限らない。その他の例として、ポリエチレン/ポリスチ
レン、ポリプロピレン/ポリ(メチルメタクリレー
ト)、ポリエチレン/ポリ(メチルメタクリレート)等
が挙げられる。
【0017】また、本発明は、結合剤組成物、分散剤お
よび金属粉末よりなる金属粉末射出成形組成物に関す
る。その分散剤は好ましくはオイル、ワックスまたはそ
の混合物、その金属粉末は好ましくはカルボニル鉄粉、
ステンレス粉またはその混合物である。好ましくは、本
発明は、(A)C1-8 α−オレフィンの重合体である第
一重合体と、(B)ポリエステルおよびビニール芳香系
重合体よりなる群から選ばれた第二重合体と、(C)第
一および第二重合体の繰返し単位またはそれぞれの類似
構造の単量体のブロックを含むブロック共重合体と、
(D)オイル、ワックスまたはその混合物を含む分散剤
と、(E)カルボニル鉄粉、ステンレス粉およびその混
合物よりなる群から選ばれた金属粉末と、を含む金属粉
末射出成形組成物に関する。
【0018】さらに、本発明は、金属粉末射出成形法に
より金属部品を製造する方法にも関する。金属部品の製
造において、第一重合体と、第二重合体と、ブロック共
重合体とを混合し、得られた白色ゲル状混合物を可塑剤
に均一に分散し、生成した射出成形結合剤を金属粉末と
混合し、射出成形組成物となし、次に射出成形圧粉体に
形成させ、これを焼結し予定の形状と寸法となす。詳し
くは、本発明の金属粉末射出成形法により金属粉末から
金属部品を製造する方法は、 (イ) (A)C1-8 α−オレフィンの重合体である第
一重合体と、(B)ポリエステルおよびビニール芳香系
重合体よりなる群から選ばれた第二重合体と、(C)第
一および第二重合体の繰返し単位またはそれぞれの類似
構造の単量体のブロックを含むブロック共重合体と、を
含む結合剤組成物を製造する工程、 (ロ) 該結合剤組成物を(D)オイル、ワックスまた
はその混合物を含む分散剤および(E)カルボニル鉄
粉、ステンレス粉およびその混合物よりなる群から選ば
れた金属粉末と混合して金属粉末射出成形組成物を製造
する工程、 (ハ) 該金属粉末射出成形組成物を射出成形装置によ
り圧粉体に形成する工程、および (ニ) 結合剤組成物を除去し、該金属部品を形成する
ために該圧粉体を焼結する工程、などの工程を含む。
【0019】本発明のブロック共重合体は昇温にて熱可
塑性を示し、冷却後がはれた粘着性が得られるので、所
要特性を与え、金属粉末/結合剤混合物よりなる射出成
形圧粉体に所望の寸法安定性と強度を与えることができ
る。
【0020】
【実施例】次に、本発明の結合剤組成物の製造方法と、
その用途について説明する。
【0021】(実施例1)ポリプロピレン、ポリスチレ
ンおよびエチレンとスチレンのブロック共重合体を表1
に示す各比率で混合し、15種の均一な混合物を得た
(混合物15は共重合体のみを含む)。これらの混合物
はそれぞれ175℃にて40分混合した。表1における
各成分の単位はグラムである。ポリプロピレン、ポリス
チレン、エチレン/スチレン共重合体のテスト温度20
0℃、荷重6.2Kgにおけるメルトインデックス(M
I)は、それぞれ35、22および12g/10分であ
る。試験の結果は表1の通りである。エチレン/スチレ
ン共重合体を含まない混合物は不均一で不透明である。
混合物の透光性は、通常エチレン/スチレンのブロック
共重合体の量の増加につれて向上する。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例2)実施例1で製造した混合物2
〜15をパラフィンワックス分散剤に分散し、対応結合
剤組成物2〜15を得た。
【0024】(実施例3)ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、パラフィンワックスおよびエチレン/スチレチレン
ブロック共重合体が、6/6/6/1の重量比で含まれ
る結合剤組成物を製造し、試験した。3.8Kg/15
5℃におけるメルトインデックス(MI)は220g/
10分である。その他の試験の結果は表2の通りであ
る。結合剤組成物のDSC熱分析の結果を図1に示す。
構成成分ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン/ス
チレチレンブロック共重合体およびパラフィンワックス
のDSC熱分析は、それぞれ図2〜図5に示す。図6
は、各温度におけるメルトインデックスとせん断応力と
の関係を示す。表2は、測定したメルトインデックス
と、テスト温度(℃)およびテスト荷重(Kg)を含む
テスト条件との関係を示す。
【0025】
【表2】
【0026】(実施例4)カルボニル鉄粉末(CIP)
と実施例1で製造した結合剤組成物10重量%を190
℃にて50分混合して、金属粉末射出成形組成物を製造
した。得られた組成物は高流動性で、6.2Kg/16
0℃におけるメルトインデックス(MI)は140g/
10分である。
【0027】(実施例5)ポリプロピレン、ポリ(メチ
ルメタクリレート)、パラフィンワックスおよびエチレ
ン/スチレチレンブロック共重合体の重量比が6/6/
6/1で含まれる結合剤組成物を製造し、試験した。
3.8Kg/155℃におけるメルトインデックスは6
60g/10分である。
【0028】(実施例6)カルボニル鉄粉末と実施例5
で製造した結合剤組成物10重量%を、190℃にて5
0分混合して金属粉末射出成形組成物を製造した。得ら
れた組成物は高流動性で、6.2Kg/160℃におけ
るメルトインデックスは178g/10分である。
【0029】(実施例7)ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、パラフィンワックスルおよびエチレン/スチレチレ
ンブロック共重合体の重量比が6/6/6/1で含まれ
る結合剤組成物を製造し、試験した。0.325Kg/
125℃におけるポリエチレンのメルトインデラックス
は46g/10分で、結合剤組成物の3.8Kg/15
5℃におけるメルトインデックスは175g/10分で
ある。
【0030】(実施例8)カルボニル鉄粉末と実施例7
で製造した結合剤組成物10重量%を、190℃にて5
0分混合して金属粉末射出成形組成物を製造した。得ら
れた組成物は高流動性で、6.2Kg/160℃におけ
るメルトインデックスは190g/10分である。
【0031】(実施例9)ポリプロピレン、ポリ(メチ
ルメタクリレート)、パラフィンワックスおよびエチレ
ン/スチレチレンブロック共重合体が6/6/6/1の
重量比で含まれる結合剤組成物を製造し、試験した。
0.325Kg/125℃におけるポリエチレンのメル
トインデラックスは46g/10分で、結合剤組成物の
3.8Kg/100℃におけるメルトインデックスは1
12g/10分である。
【0032】(実施例10)カルボニル鉄粉末と実施例
9で製造した結合剤組成物10重量%を、190℃にて
50分混合して金属粉末射出成形組成物を製造した。得
られた組成物は高流動性で、6.2Kg/160℃にお
けるメルトインデックスは27g/10分である。
【0033】(実施例11)実施例3に使われたパラフ
ィンワックス分散剤を表3に挙げた分散剤に代えた他
は、実施例3と同じ方法で若干の結合剤組成物を製造
し、カルボニル鉄粉末と上記結合剤組成物10重量%を
190℃にて50分混合し、金属粉末射出成形組成物を
製造した。得られた組成物のメルトインデックスを測定
した。その結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】(実施例12)実施例4で得た金属粉末射
出成形組成物から射出成形法で図7に示す金属圧粉体を
製造し、彎曲強度を測定すると4.0Kg/min2
あった。
【0036】(実施例13)実施例12にて得た金属試
料11を図8に示すように二つの支持体14の上に掛け
てn−ヘプタン12に6時間漬けたが、歪みが見られな
かった。
【0037】(実施例14)平均粒径9.8 μmのステン
レス304L粉末と実施例3で得た結合剤組成物10重
量%とを、180℃にて50分混合して金属粉末射出成
形組成物を得た。得られた組成物は高流動性で、6.2
Kg/170℃におけるメルトインデックスは300g
/10分である。この金属粉末射出成形組成物から射出
成形法で実施例12に似た金属圧粉体を製造し、横断破
壊強度(TRS)を測定すると3.0Kg/min2
あった。この金属試料を実施例13のように二つの支持
体の上に掛けてn−ヘプタンに6時間漬けたが、歪みが
見られなかった。
【0038】(実施例15)平均粒径9.8μmのステ
ンレス306L粉末と実施例3で得た結合剤組成物10
重量%とを、180℃にて50分混合して金属粉末射出
成形組成物を得た。得られた組成物は高流動性で、6.
2Kg/170℃におけるメルトインデックスは265
g/10分である。この金属粉末射出成形組成物から射
出成形法で実施例12に似た金属圧粉体を製造し、横断
破壊強度(TRS)を測定すると3.0Kg/min2
であった。この金属試料を実施例13のように二つの支
持体の上に掛けてn−ヘプタンに6時間漬けたが、歪み
が見られなかった。
【0039】(実施例16)平均粒径5μmのカルボニ
ル鉄粉末と平均粒径4μmのカルボニルニッケル粉末
(重量比=98/2)、そして実施例3で得た結合剤組成物
9重量%とを180 ℃にて50分混合して、金属粉末射出成
形組成物を得た。得られた組成物は高流動性で、6.2
Kg/170℃におけるメルトインデックスは412g
/10分である。この金属粉末射出成形組成物から射出
成形法で実施例12に似た金属圧粉体を製造し、横断破
壊強度(TRS)を測定すると4.1Kg/min2
あった。この金属試料を実施例13のように二つの支持
体の上に掛けてn−ヘプタンに6時間漬けたが、歪みが
見られなかった。
【0040】(実施例17)カルボニル鉄粉末/カルボ
ニルニッケル粉末の重量比を98/8に変えた他、実施
例16と同じ方法で、金属粉末射出成形組成物を得た。
得られた射出組成物は高流動性で、6.2Kg/170
℃におけるメルトインデックスは423g/10分であ
った。
【0041】(実施例18)ポリプロピレン、ポリスチ
レン、パラフィンワックスおよびイソアミレン/スチレ
チレンブロック共重合体の重量比が6/6/6/1で含
まれる結合剤組成物を製造し試験した。3.8Kg/1
55℃におけるメルトインデラックスは128g/10
分であった。
【0042】(実施例19)カルボニル鉄粉末と実施例
18で製造した結合剤組成物10重量%を、190℃に
て50分混合して金属粉末射出成形組成物を製造した。
得られた組成物は高流動性で、6.2Kg/160℃に
おけるメルトインデックスは176g/10分である。
【0043】(実施例20)平均粒径9.8 μmのステン
レス304L粉末と実施例18で得た結合剤組成物10
重量%とを、180℃にて50分混合して金属粉末射出
成形組成物を得た。得られた組成物は高流動性で、6.
2Kg/170℃におけるメルトインデックスは285
g/10分である。
【0044】(実施例21)以上の実施例にて金属粉末
射出成形法で製造した圧粉体をロボットアームで型から
取り出したが、いかなる傷も歪みもなかった。
【0045】(実施例22)実施例17で得た金属射出
成形組成物より射出成形機を用いて図7に示す金属目的
物を形成し、125℃にて75分の焼結により焼結目的
物を得た。その寸法を図7に示す9か所にて測定した結
果は表4の通りで、明らかに本発明による結合剤組成物
は優れた寸法安定性が得られ、その圧粉体の重量は±
0.1%内にを維持することができ、最終焼結の寸法は
設計値の±0.3%内にを維持することができた。
【0046】
【表4】
【0047】以上本発明の好ましい態様は説明のために
挙げたもので、これによりさまざまな変化が可能であ
る。実施例は本発明の原則と実際の応用を説明する最も
好ましいものを選んだもので、業者は実用に適する種々
の変化を利用することができる。全てのこのような変化
はクレームに示す本発明の範囲内にある。
【0048】
【発明の効果】以上に示すように、本発明により改良さ
れた結合剤組成物は金属粉末と混合した後、粉末射出成
形法で圧粉体に成形され、そして脱脂と焼結の工程を経
て高精密な金属部品となる。本発明の結合剤組成物は相
容性が優れ、極めて均一な状態で圧粉体に均一に分布す
ることができるので、次の焼結工程前と焼結中に圧粉体
が優れた物性と寸法完全性を示し、最終製品の要求する
精密度を確保できる。従って、本発明は精密金属部品の
金属粉末射出成形における結合剤として優れた組成物を
開示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で製造した結合剤組成物のDSC熱分
析図である。
【図2】実施例3で結合剤組成物の製造に使われるポリ
プロピレンのDSC熱分析図である。
【図3】実施例3で結合剤組成物の製造に使われるポリ
スチレンのDSC熱分析図である。
【図4】実施例3で結合剤組成物の製造に使われるエチ
レン/スチレンブロック共重合体のDSC熱分析図であ
る。
【図5】実施例3で結合剤組成物の製造に使われるパラ
フインワックスのDSC熱分析図である。
【図6】実施例3で製造した結合剤組成物を種々の温度
で測定した熔解指数とせん断応力の関係を示す図であ
る。
【図7】本発明の結合剤組成物を使って製造した焼結製
品の寸法安定性を示す表4に述べる焼結金属粉末製品の
各部分を示す図である。
【図8】歪み傾向測定用2支持体の頂上に下げた圧粉体
の試料を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 兆▲君▼ 台灣竹北市隘口里2鄰隘口8−6號 (72)発明者 翁 國曜 台灣桃園市民生路796巷9號 (72)発明者 ▲頼▼ 明雄 台灣台南縣仁徳▲郷▼保安村中正路一段 182巷17號 (72)発明者 鄭 建財 台灣新竹市中正路518巷86號

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)C1-8 α−オレフィンの重合体で
    ある第一重合体と、(B)ポリエステルおよびビニール
    芳香系重合体よりなる群から選ばれた第二重合体と、
    (C)前記第一および第二重合体の繰返し単位またはそ
    れぞれの類似構造の単量体のブロックを含むブロック共
    重合体と、を含むことを特徴とする粉末射出成形による
    金属部品製造用結合剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記ブロック共重合体がエチレン/スチ
    レンブロック共重合体、プロピレン/スチレンブロック
    共重合体およびイソプレン/スチレンブロック共重合体
    よりなる群から選ばれた、請求項1記載の結合剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記第一重合体がポリエチレンまたはポ
    リプロピレンである、請求項1記載の結合剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記第二重合体がポリ(メチルメタクリ
    レート)またはポリスチレンである、請求項1記載の結
    合剤組成物。
  5. 【請求項5】 (A)C1-8 α−オレフィンの重合体で
    ある第一重合体と、(B)ポリエステルおよびビニール
    芳香系重合体よりなる群から選ばれた第二重合体と、
    (C)前記第一および第二重合体の繰返し単位またはそ
    れぞれの類似構造の単量体のブロックを含むブロック共
    重合体と、(D)オイル、ワックスまたはその混合物を
    含む分散剤と、(E)カルボニル鉄粉、ステンレス粉お
    よびその混合物よりなる群から選ばれた金属粉末と、を
    含むことを特徴とする金属粉末射出成形組成物。
  6. 【請求項6】 金属粉末射出成形法により金属粉末から
    金属部品を製造する方法において、 (イ) (A)C1-8 α−オレフィンの重合体である第
    一重合体と、(B)ポリエステルおよびビニール芳香系
    重合体よりなる群から選ばれた第二重合体と、(C)前
    記第一および第二重合体の繰返し単位またはそれぞれの
    類似構造の単量体のブロックを含むブロック共重合体
    と、を含む結合剤組成物を製造する工程、 (ロ) 該結合剤組成物を(D)オイル、ワックスまた
    はその混合物を含む分散剤および(E)カルボニル鉄
    粉、ステンレス粉およびその混合物よりなる群から選ば
    れた金属粉末と混合して金属粉末射出成形組成物を製造
    する工程、 (ハ) 該金属粉末射出成形組成物を射出成形装置によ
    り圧粉体に形成する工程、および (ニ) 結合剤組成物を除去し、該金属部品を形成する
    ために該圧粉体を焼結する工程、 を含むことを特徴とする金属部品製造方法。
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KR970015523A (ko) * 1995-09-29 1997-04-28 마크 에스, 에듈러 무기 고형물을 이용한 부품형성방법 및 이에 사용되는 바인더 조성물
CN108856712A (zh) * 2018-03-27 2018-11-23 浙江易亲工业科技有限公司 一种mim工艺用喂料粘结剂及其应用

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