JPH08143752A - フェノール樹脂の改質剤及び該改質剤によるフェノール樹脂の改質方法 - Google Patents

フェノール樹脂の改質剤及び該改質剤によるフェノール樹脂の改質方法

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JPH08143752A
JPH08143752A JP25923294A JP25923294A JPH08143752A JP H08143752 A JPH08143752 A JP H08143752A JP 25923294 A JP25923294 A JP 25923294A JP 25923294 A JP25923294 A JP 25923294A JP H08143752 A JPH08143752 A JP H08143752A
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resin
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JP25923294A
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English (en)
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Yasuo Imashiro
靖雄 今城
Takashi Hasegawa
俊 長谷川
Ikuo Takahashi
郁夫 高橋
Tadashi Horie
直史 堀江
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術の難点を解消し、汎用されているノ
ボラック型フェノール系樹脂とヘキサメチレンテトラミ
ンを用いるフェノール樹脂に添加して、耐熱性を向上さ
せ、しかもアンモニアガスの発生を抑制することによ
り、寸法変化の少ない成形材料を得ることのできるフェ
ノール樹脂の改質剤及びこの改質剤によるフェノール樹
脂の改質方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明のフェノール樹脂の改質剤の構成は、
ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミ
ンとからなるフェノール樹脂に添加する改質剤であっ
て、少なくとも2のカルボジイミド結合を有するカルボ
ジイミド化合物を主たる成分として含有することを特徴
とするものであり、又、本発明のフェノール樹脂の改質
方法の構成は、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメ
チレンテトラミンとからなるフェノール樹脂を成形する
際に、該フェノール樹脂に対し、少なくとも2のカルボ
ジイミド結合を有するカルボジイミド化合物を主たる成
分として含有するフェノール樹脂改質剤を添加すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ、寸法変
化の少ない成形材料を得ることのできるフェノール樹脂
の改質剤及びこの改質剤によるフェノール樹脂の改質方
法に関するものであり、更に詳しくは、ノボラック型フ
ェノール系樹脂とヘキサメチレンテトラミンを用いるフ
ェノール樹脂に添加して、耐熱性を向上させ、寸法変化
の少ない成形材料を得ることのできるフェノール樹脂の
改質剤及びこの改質剤によるフェノール樹脂の改質方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ノボラック型フェノール系樹
脂は、耐熱性、機械強度、電気的特性に優れることか
ら、電気、電子部品、機械部品などに用いられる成形材
料として使用されており、この場合、ノボラック型フェ
ノール系樹脂をヘキサメチレンテトラミン、パラホルム
アルデヒド等の硬化剤(ホルムアルデヒド放出物質)と
加熱して架橋反応を起こさせ、硬化させるのが前記成形
材料の一般的な製造方法である。
【0003】又、最近では電気、電子及び機械分野にお
いて、より高い耐熱性が要求されていることから、上記
ノボラック型フェノール系樹脂より優れた耐熱性を得る
目的で、構造の異なる種々の樹脂が開発され、そのうち
のいくつかは既に公知となっていて、例えば、特公昭4
7−15111号公報には、一般にフリーデルクラフト
樹脂と称されるアラルキル化合物とフェノール類との縮
合反応により得られる低分子ポリマーが記載されてお
り、これはヘキサメチレンテトラミンと反応させること
により硬化し、成形することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上記
ノボラック型フェノール系樹脂に対する硬化剤としてヘ
キサメチレンテトラミンを使用した場合(因みに、反応
性や硬化後の樹脂の物性等の面から、硬化剤としてはヘ
キサメチレンテトラミンが主として使用されている)
は、ホルムアルデヒドと共にアンモニアガスの発生を避
けることができず、このアンモニアガスは悪臭を有する
ために作業環境を悪化させるばかりか、公害の原因とも
なり、又、発生したガスが硬化した樹脂中に閉じ込めら
れることによる、気泡の発生、寸法変化等の好ましくな
い影響を樹脂に与えてしまうという難点がある。
【0005】これに対し、アンモニアガスの発生を抑制
したり、低臭化するための方法が提案されており、例え
ば特公昭52−2658号公報には、ヘキサメチレンテ
トラミンを使用しなくても硬化するレゾール型のフェノ
ール樹脂をノボラック型のフェノール樹脂に添加するこ
とにより、使用するヘキサメチレンテトラミンの量を減
少させ、低臭化する方法が、又、特開昭55−9475
1号公報には、脱臭剤を使用して低臭化する方法がそれ
ぞれ記載されている。
【0006】しかしながら、上記レゾール型のフェノー
ル樹脂を添加する方法では、低臭化には効果があるもの
の、硬化反応が遅く、成形直後の強度が低いために生産
性に問題があり、又、脱臭剤を使用して低臭化する方法
で例示されている脱臭剤(商品名:Stop Orde
r)は、それ自体が強い臭気を発するものであって、前
記問題の根本的な解決にはなっていない(特開平2−5
9138号公報参照)。
【0007】一方、上記フリーデルクラフト樹脂は、通
常のノボラック型フェノール系樹脂とは構造が異なる特
殊なもので、樹脂中のフェノール性水酸基の密度が低い
ために、水酸基及びメチレン基による酸化劣化が起こり
難くなり、ヘキサメチレンテトラミンを硬化剤として得
られる成形材料としては、耐熱性等において優れた性能
が期待できるにもかかわらず、ヘキサメチレンテトラミ
ンとの硬化反応性に乏しいために非常に脆く、しかもこ
の欠点を改良するためにサリチル酸などの硬化促進剤を
使用すると、膨れを生じるという実用面での重大な欠点
を有している(特開昭56−100827号公報参
照)。
【0008】本発明は、上記従来技術の難点を解消し、
汎用されているノボラック型フェノール系樹脂とヘキサ
メチレンテトラミンを用いるフェノール樹脂に添加し
て、耐熱性を向上させ、しかもアンモニアガスの発生を
抑制することにより、寸法変化の少ない成形材料を得る
ことのできるフェノール樹脂の改質剤及びこの改質剤に
よるフェノール樹脂の改質方法を提供することを目的と
してなされたものである。
【0009】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用したフェノール樹脂の改質剤の構成は、
ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミ
ンとからなるフェノール樹脂に添加する改質剤であっ
て、少なくとも2のカルボジイミド結合を有するカルボ
ジイミド化合物を主たる成分として含有することを特徴
とするものであり、又、上記目的を達成するために本発
明が採用したフェノール樹脂の改質方法の構成は、ノボ
ラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンと
からなるフェノール樹脂を成形する際に、該フェノール
樹脂に対し、少なくとも2のカルボジイミド結合を有す
るカルボジイミド化合物を主たる成分として含有するフ
ェノール樹脂改質剤を添加することを特徴とするもので
ある。
【0010】即ち、本発明の発明者らは、カルボジイミ
ド化合物中のカルボジイミド基が水酸基、アミノ基など
の活性水素基と反応することに着目し、鋭意検討した結
果、ノボラック型フェノール系樹脂にカルボジイミド化
合物を添加することにより、樹脂中のフェノール性水酸
基を前記カルボジイミド化合物のカルボジイミド基によ
り封止し、フリーデルクラフト樹脂と同様の効果を発揮
させること、及び、更にカルボジイミド基は、硬化剤で
あるヘキサメチレンテトラミンから発生した遊離アンモ
ニアガスもトラップすることができるため、膨れ、寸法
変化も起こりにくくなることを見出し、本発明を完成さ
せたものである。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明によるフェノール樹脂の改質剤は、
ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミ
ンとからなるフェノール樹脂に添加するためのものであ
って、周知のように、ノボラック型フェノール樹脂と
は、フェノールに対しホルムアルデヒド(通常はホルム
アルデヒド約37%、メタノール約10%、残りが水の
組成の水溶液を使用する)を酸性条件下で反応させるこ
とにより得られる樹脂である。
【0013】上記ノボラック型フェノール樹脂は、それ
自身では更に反応を進めることができないので、硬化剤
を添加することにより縮合を進行させ、熱硬化性樹脂と
して前記のように使用されるのであり、この硬化剤とし
ては、ヘキサメチレンテトラミンを挙げることができ
る。
【0014】本発明によるフェノール樹脂の改質剤は、
少なくとも2のカルボジイミド結合を有するカルボジイ
ミド化合物を主たる成分として含有するものであって、
すでに述べたように、架橋反応後のフェノール樹脂中の
残存フェノール性水酸基にカルボジイミド化合物中のカ
ルボジイミド基を付加させて封止し、更に、ノボラック
型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとの反応
によって発生するアンモニアガスをカルボジイミド化合
物中のカルボジイミド基に付加させてトラップするもの
であり、本発明において、これらフェノール性水酸基及
びアンモニアガスとカルボジイミド基との反応は以下の
反応式のように進行するものと考えられる。
【0015】
【化1】
【0016】尚、上記反応は公知であり、例えば、フェ
ノール性水酸基とカルボジイミド基との反応はBusch
M., Blume G. and Pungs E. [ J. Prakt. Chem., 79, 5
13 (1909)]らが、アンモニアガスとカルボジイミド基と
の反応はWeith W. [Ber., 7, 10 (1874)]が既に報告し
ている。
【0017】而して、本発明によるフェノール樹脂の改
質剤において主成分として使用される、分子中に2以上
のカルボジイミド結合を有するカルボジイミド化合物を
製造するには、例えば、従来のカルボジイミド化合物の
製造方法{米国特許第2,941,956号明細書;特
公昭47−33279号公報;J. Org. Chem., 28, 206
9-2075 (1963);Chemical Review 1981, Vol. 81, No.
4, 619-621等参照}によればよく、例えば有機ジイソシ
アネートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応により容易にカ
ルボジイミド化合物を製造することができる。
【0018】この場合の有機ジイソシアネートとして
は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、2,4−と2,6−トリレンジ
イソシアネートの混合物、粗トリレンジイソシアネー
ト、粗メチレンジフェニルジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、1−メトキシフ
ェニル−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ビフェ
ニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,
4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’
−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−
1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、
水添メチレンジフェニルジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシア
ネートやこれらの混合物を挙げることができるが、本発
明では工業的に入手が容易である2,4−と2,6−ト
リレンジイソシアネートの混合物或は4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネートを使用することが好まし
い。
【0019】上記カルボジイミド化合物には、下記式 −R−N=C=N− (式中、Rは有機ジイソシアネート残基を表す)で示さ
れる少なくとも1種の繰り返し単位からなる単独重合体
又は共重合体が包含される。又、上記式における有機ジ
イソシアネート残基Rとしては、中でも芳香族有機ジイ
ソシアネート残基が好適である。(ここで、有機ジイソ
シアネート残基とは、有機ジイソシアネート分子から2
つのイソシアネート基(NCO)を除いた残りの部分で
ある)。
【0020】又、上記カルボジイミド化合物の重合度は
5〜10,000の範囲内、好ましくは10〜5,00
0の範囲内であるが、モノイソシアネートの一種以上を
同時に用いることにより、適当な重合度に制御して使用
しても差しつかえない。このようにカルボジイミド化合
物の末端を封止してその重合度を制御するためのモノイ
ソシアネートとしては、フェニルイソシアネート、(オ
ルト,メタ,パラ)−トリルイソシアネート、ジメチル
フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネー
ト、ブチルイソシアネート、クロロフェニルイソシアネ
ート、ナフチルイソシアネート等を例示することができ
る。
【0021】又、容易に類推されることであるが、この
他にも末端封止剤としては、−OH、−NH2、−CO
OH、−SH、−NHアルキル末端を有する化合物約1
モルと、芳香族有機ジイソシアネート2モルとの反応に
よって簡便に製造できるイソシアネート末端化合物から
誘導されるものでもよい。
【0022】尚、上記脱炭酸縮合反応は、カルボジイミ
ド化触媒の存在下に行うものであるが、このカルボジイ
ミド化触媒としては、例えば、3−メチル−1−フェニ
ル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−2
−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−メチル
−2−ホスホレン−1−オキシド、1−メチル−2−ホ
スホレン−1−オキシド、3−メチル−1−エチル−2
−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホ
レン−1−オキシド或はこれらの3−ホスホレン異性体
等のホスホレンオキシドを使用することができ、反応性
の面からは3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン
−1−オキシドが好適である。
【0023】上記カルボジイミド化合物の製造は、無溶
媒又はテトラヒドロフランやテトラクロルエチレン等の
溶媒中で行うものであり、本発明ではこれらにより製造
した粉末状のカルボジイミド化合物の一種又は混合物
を、フェノール樹脂の改質剤の主成分として用いること
ができる。
【0024】又、本発明によるフェノール樹脂の改質剤
には、特開昭61−235415号公報に記載されてい
るようなカルボジイミド化合物の架橋剤を添加してもよ
く、使用可能な架橋剤は、例えば、分子中に活性水素基
を2以上含む化合物又は混合物であり、具体的には、
2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン(メ
ラミン)、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,
5−トリアジン(ベンゾグアナミン)、2,4−ジアミ
ノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ
アミノ−6−(2−(ドデカシルアミノ)エチル)−
1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(ο
−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、4,
6−ジアミノ−1,2−ジヒドロ−2,2−ジメチル−
1−(2,6−キシリル)−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−(2−メトキシエチル)−1,
3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体、3,9−ビ
ス〔2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフ
ェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ〔5,5〕ウンデカン、シアヌル酸及びその置換
体、ハイドロキノン、4,4’−イソプロピリデンジフ
ェノール等のフェノール性水酸基を有する化合物、尿
素、ジシアンジアミド、ピロメリットジイミドのような
ジイミド化合物、ピロメリット酸無水物、3,3’−
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物のよ
うな酸無水物、多官能エポキシ化合物類等々を挙げるこ
とができる。
【0025】一方、本発明の改質方法によりノボラック
型フェノール樹脂を改質するには、ノボラック型フェノ
ール樹脂とヘキサメチレンテトラミンとからなるフェノ
ール樹脂を成形するに際し、当該フェノール樹脂に対し
本発明の改質剤を添加すればよく、この場合の本発明の
改質剤の添加方法としては、従来公知の方法を採用する
ことができ、例えば、前記フェノール樹脂と本発明の改
質剤とを、所望の割合でボールミルのような慣用の混合
機械を用いて混合することにより容易に実施することが
できる。
【0026】更に本発明では、上記のようにして得られ
たフェノール樹脂の成形時に、一般的に用いられる充填
材或は繊維質補強材を配合することもでき、これらはノ
ボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテトラミン
とからなるフェノール樹脂と、本発明の改質剤とを混合
する過程、或は、ノボラック型フェノール樹脂とヘキサ
メチレンテトラミンとからなるフェノール樹脂と、本発
明の改質剤とを含有する組成物に対し混和すれば良く、
顔染料、滑剤等の助剤を使用しても良いことは勿論であ
る。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。
【0028】実施例1 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、末端をフェニルイソシアネートで封止したポ
リメチレンポリフェニルカルボジイミド化合物(平均分
子量約2000)1重量部、及び、ガラスミルドファイ
バー100重量部をボールミル中で5時間混合し、混合
物を160℃に加熱した金型に入れ、圧力100kg/
cm2で10分間加熱すると、茶色の硬化樹脂が得られ
た。
【0029】実施例2 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、末端をフェニルイソシアネートで封止したポ
リメチレンポリフェニルカルボジイミド化合物(平均分
子量約2000)5重量部、及び、ガラスミルドファイ
バー100重量部をボールミル中で5時間混合し、混合
物を160℃に加熱した金型に入れ、圧力100kg/
cm2で10分間加熱すると、茶色の硬化樹脂が得られ
た。
【0030】実施例3 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、末端をフェニルイソシアネートで封止したポ
リメチレンポリフェニルカルボジイミド化合物(平均分
子量約2000)10重量部、及び、ガラスミルドファ
イバー100重量部をボールミル中で5時間混合し、混
合物を160℃に加熱した金型に入れ、圧力100kg
/cm2で10分間加熟すると、茶色の硬化樹脂が得ら
れた。
【0031】実施例4 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、ポリメチレンポリフェニルカルボジイミド化
合物(平均分子量約20000)5重量部、及び、ガラ
スミルドファイバー100重量部をボールミル中で5時
間混合し、混合物を160℃に加熱した金型に入れ、圧
力100kg/cm2で10分間加熱すると、茶色の硬
化樹脂が得られた。
【0032】実施例5 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、末端をフェニルイソシアネートで封止したポ
リメチレンポリフェニルカルボジイミド化合物(平均分
子量約4000)10重量部、及び、ガラスミルドファ
イバー100重量部をボールミル中で5時間混合し、混
合物を160℃に加熱した金型に入れ、圧力100kg
/cm2で10分間加熱すると、茶色の硬化樹脂が得ら
れた。
【0033】実施例6 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、末端をフェニルイソシアネートで封止したポ
リメチレンポリフェニルカルボジイミド化合物(平均分
子量約2000)10重量部、メラミン1重量部、及
び、ガラスミルドファイバー100重量部をボールミル
中で5時間混合し、混合物を160℃に加熱した金型に
入れ、圧力100kg/cm2で10分間加熱すると、
茶色の硬化樹脂が得られた。
【0034】実施例7 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、末端をフェニルイソシアネートで封止したポ
リメチレンポリフェニルカルボジイミド化合物(平均分
子量約2000)10重量部、ベンゾグアナミン1重量
部、及び、ガラスミルドファイバー100重量部をボー
ルミル中で5時間混合し、混合物を160℃に加熱した
金型に入れ、圧力100kg/cm2で10分間加熱す
ると、茶色の硬化樹脂が得られた。
【0035】実施例8 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、ポリトリレンカルボジイミド化合物(平均分
子量約13000)5重量部、及び、ガラスミルドファ
イバー100重量部をボールミル中で5時間混合し、混
合物を160℃に加熱した金型に入れ、圧力100kg
/cm2で10分間加熱すると、茶色の硬化樹脂が得ら
れた。
【0036】実施例9 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、末端をフェニルイソシアネートで封止したポ
リトリレンカルボジイミド化合物(平均分子量約130
0)5重量部、及び、ガラスミルドファイバー100重
量部をボールミル中で5時間混合し、混合物を160℃
に加熱した金型に入れ、圧力100kg/cm2で10
分間加熱すると、茶色の硬化樹脂が得られた。
【0037】実施例10 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、末端をフェニルイソシアネートで封止したポ
リトリレンカルボジイミド化合物(平均分子量約260
0)5重量部、及び、ガラスミルドファイバー1O0重
量部をボールミル中で5時間混合し、混合物を160℃
に加熱した金型に入れ、圧力100kg/cm2で10
分間加熱すると、茶色の硬化樹脂が得られた。
【0038】実施例11 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、末端をフェニルイソシアネートで封止したポ
リメチレンポリフェニル−ポリトリレンカルボジイミド
化合物(平均分子量約3000)5重量部、及び、ガラ
スミルドファイバー100重量部をボールミル中で5時
間混合し、混合物を160℃に加熱した金型に入れ、圧
力100kg/cm2で10分間加熱すると、茶色の硬
化樹脂が得られた。
【0039】比較例1 フェノール・ホルムアルデヒドによるノボラック樹脂粉
末(ヘキサメチレンテトラミン12wt%含有)100
重量部と、ガラスミルドファイバー100重量部をボー
ルミル中で5時間混合し、混合物を160℃に加熱した
金型に入れ、圧力100kg/cm2で10分間加熱す
ると、茶色の硬化樹脂が得られた。
【0040】以上の実施例1乃至11及び比較例1で得
られた硬化樹脂の曲げ強度及び熱変形温度の測定結果を
表1に示す。表1から明らかなように、本発明の樹脂改
質剤をノボラック型フェノール樹脂とヘキサメチレンテ
トラミンにによる熱効果性樹脂に対し添加すると、その
添加量に応じて耐熱性が従来品に比較して向上し、更に
強靱になることがわかった。
【0041】又、実施例1乃至11及び比較例1で得ら
れた硬化樹脂を粉砕し、ネスラー法に従って遊離アンモ
ニアを定量した。測定結果を表1に示す。表1から明ら
かなように、本発明の樹脂改質剤をノボラック型フェノ
ール樹脂とヘキサメチレンテトラミンにによる熱効果性
樹脂に対し添加すると、遊離アンモニアが減少すること
がわかった。
【0042】
【表1】
【0043】実施例12 実施例3で得られた硬化樹脂を200℃で1時間ポスト
キュアーを行った。ポストキュアー後の硬化樹脂の熱変
形温度は250℃であった
【0044】実施例13 実施例3で得られた硬化樹脂を200℃で2時間ポスト
キュアーを行った。ポストキュアー後の硬化樹脂の熱変
形温度は260℃であった。
【0045】
【発明の効果】本発明の改質剤の使用によって、フェノ
ール樹脂中のノボラック型フェノール樹脂における残存
フェノール性水酸基、及び、硬化反応に伴って発生する
アンモニアガスが、前記式で表される付加反応によって
封止されるため、得られるフェノール樹脂においては熱
時挙動が安定し、又、アンモニアガスに起因する気泡の
混入や寸法変化がない。
【0046】又、フェノール樹脂の耐熱性を下げる原因
となるフェノール樹脂中のフェノール性水酸基を封止す
るためだけではなく、フェノール性水酸基とカルボジイ
ミド基或はアンモニアガスとカルボジイミド基との反応
によって生ずるウレア或はグアニジン構造は、いずれも
熱的に安定であるため、以上の実施例で明らかなよう
に、得られるフェノール樹脂の耐熱性も極めて高く、
又、非常に強靱であり、工業的に簡単に実施し得ること
と相まって、本発明は非常に有用なものということがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 79/00 LQZ (72)発明者 堀江 直史 東京都足立区西新井栄町1−18−1 日清 紡績株式会社東京研究センター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメ
    チレンテトラミンとからなるフェノール樹脂に添加する
    改質剤であって、少なくとも2のカルボジイミド結合を
    有するカルボジイミド化合物を主たる成分として含有す
    ることを特徴とするフェノール樹脂の改質剤。
  2. 【請求項2】 カルボジイミド化合物が、式 −R−N=C=N− (式中、Rは有機ジイソシアネートの残基を表す。)で
    表される少なくとも一種の繰り返し単位からなる単独重
    合体又は共重合体である請求項1に記載のフェノール樹
    脂の改質剤。
  3. 【請求項3】 Rが芳香族有機ジイソシアネートの残基
    である請求項2に記載のフェノール樹脂の改質剤。
  4. 【請求項4】 ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメ
    チレンテトラミンとからなるフェノール樹脂を成形する
    際に、該フェノール樹脂に対し、少なくとも2のカルボ
    ジイミド結合を有するカルボジイミド化合物を主たる成
    分として含有するフェノール樹脂改質剤を添加すること
    を特徴とするフェノール樹脂の改質方法。
  5. 【請求項5】 ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメ
    チレンテトラミンとを反応させたフェノール樹脂中のフ
    ェノール性水酸基を、カルボジイミド化合物のカルボジ
    イミド基に付加させて改質する請求項4に記載のフェノ
    ール樹脂の改質方法。
  6. 【請求項6】 ノボラック型フェノール樹脂とヘキサメ
    チレンテトラミンとを反応させたフェノール樹脂中のア
    ンモニアガスを、カルボジイミド化合物のカルボジイミ
    ド基に付加させて改質する請求項4又は5に記載のフェ
    ノール樹脂の改質方法。
  7. 【請求項7】 カルボジイミド化合物が、式 −R−N=C=N− (式中、Rは有機ジイソシアネートの残基を表す。)で
    表される少なくとも一種の繰り返し単位からなる単独重
    合体又は共重合体である請求項4乃至6のいずれかに記
    載のフェノール樹脂の改質方法。
  8. 【請求項8】 Rが芳香族有機ジイソシアネートの残基
    である請求項7に記載のフェノール樹脂の改質方法。
JP25923294A 1994-09-28 1994-09-28 フェノール樹脂の改質剤及び該改質剤によるフェノール樹脂の改質方法 Pending JPH08143752A (ja)

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