JP2850291B2 - 熱硬化性樹脂の製造方法 - Google Patents
熱硬化性樹脂の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性及び難燃性を
有し、緻密にし易いため極めて強度が高く、且つ、加工
性にも優れた新規な熱硬化性樹脂の製造方法に関するも
のである。 【0002】 【従来の技術】一般的にいえば、有機イソシアネ−ト化
合物と活性水素基を有する化合物とが付加重合するとい
うことは、例えば、有機ポリイソシアネ−トが多価アル
コ−ル類と反応すればポリウレタンを生じ、ポリアミン
と反応すればポリ尿素を生ずる等、この二種類の化合物
の反応は種々に組合わされてポリウレタンと総称される
有用な高分子物質群を形成することに代表されるよう
に、よく知られていることである。 【0003】然し乍ら、活性水素基を持つ化合物ではあ
っても、例えばアミノトリアジン類は、その遊離アミノ
基が電子吸引性の非常に高いトリアジン核に直結してい
るためイソシアネ−トとの反応活性が非常に低いと考え
られること、及び、アミノトリアジン類が通常固体で且
つ融点が非常に高く、通常液体の有機イソシアネ−ト化
合物にはほとんど不溶であること等から、これまで有機
イソシアネ−ト化合物とアミノトリアジン類との反応に
より高分子物質が製造された例は非常に少なく、むしろ
これらの化合物の間では反応が起らないと考えられてい
たように、この反応は未だ完全に解明されているわけで
はない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】一方、本発明の発明者
らは、新たな耐熱性熱硬化性樹脂を開発するための研究
過程で、有機ポリイソシアネ−トとアミノトリアジン類
との反応により、極めて硬質で不溶不融の縮合物を生成
し得ることを知得して、この発明についてすでに特許出
願をしている(特開昭59-41320号公報参照)が、更に強度
等の物理的性質に優れた熱硬化性樹脂を得ることができ
れば、有機イソシアネ−ト化合物と活性水素基を有する
化合物との反応の応用性が増大し、非常に有益と考えら
れる。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は上述した従来技
術を背景として、更に高強度且つ高耐熱性で、しかも緻
密にし易いため極めて強度が高く、且つ、加工性に富む
熱硬化性樹脂の製造方法を提供することを目的としてな
されたもので、その構成は、一種以上の有機ポリイソシ
アネ−トと一種以上の有機モノイソシアネ−トとを、一
種以上の、イソシアネ−トのカルボジイミド化を促進す
る触媒の存在下に反応させて、分子量を規制しつつ実質
的にポリカルボジイミドを生ぜしめ、該ポリカルボジイ
ミドと、一種以上の、分子中に2以上の活性水素基を有
する架橋剤とを混合し、この組成物を適宜温度に加熱す
ることを特徴とするものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の発明者らによる前記先願に係る発明において
は、有機ポリイソシアネ−トとアミノトリアジン類との
混合物を60℃以上の温度に加熱して硬化性樹脂を得ると
共に、この硬化性樹脂を300℃以上の温度に加熱するこ
とにより、更に高い耐熱性及び難燃性を有する樹脂を得
ることが開示されている。 【0007】発明者らは、その後更に研究を続けた結
果、有機ポリイソシアネ−トと有機モノイソシアネ−ト
とより分子量を規制しつつ得られるポリカルボジイミド
が、アミノトリアジン系化合物,ビスイミド系化合物,
ポリヒドロキシ系化合物等の活性水素基を一分子中に少
なくとも2以上含む物質によって架橋され、優れた性質
を有する熱硬化性樹脂の製造方法を与えることを見出
し、本発明を完成するに至った。 【0008】即ち、本発明と前記先願に係る発明との根
本的な相違点の第一は、先願発明においては有機ポリイ
ソシアネ−トとアミノトリアジン類を加熱下に反応せし
めて熱硬化性樹脂を得たのに対し、本発明においては、
有機ポリイソシアネ−ト等を触媒の存在下、先ず実質的
にポリカルボジイミドに変化せしめ、次いで、このポリ
カルボジイミドを分子中に2以上の活性水素基を有する
架橋剤と反応せしめて架橋し、新規な熱硬化性樹脂を得
ることにある。 【0009】又、相違点の第二は、前記先願発明におい
ては有機ポリイソシアネ−トのみを使用しているのに対
し、本発明においては有機ポリイソシアネ−ト及び有機
モノイソシアネ−トの双方を使用していることにある。
これは有機ポリイソシネ−ト単独でもカルボイミド化触
媒の存在下、実質的にポリカルボジイミドに変化するの
であるが、イソシアネ−トを完全にカルボジイミドに変
えようとすると、ポリカルボジイミドの分子量は極めて
大きくなってその加工性が失われ、又、加工性を保持す
るために、カルボジイミド化の程度を抑制すると未反応
イソシアネ−トが残留することが避けられなくなり、こ
の未反応イソシアネ−トは、最終目的物が発泡体である
場合は通常障害とならずむしろ望ましい結果を与えるも
のの、緻密な最終目的物を得ようとする場合は、内部に
気泡が残留し目的物の強度を低下せしめる原因となるか
ら、ポリカルボジイミドを生ぜしめる際、有機ポリイソ
シアネ−トと有機モノイソシアネ−トとを共存させて平
均分子量を制限し、このようにして生じたポリカルボジ
イミドを活性水素化合物で架橋して優れた性質を有する
熱硬化性樹脂を得んとするものである。 【0010】尚、有機ポリイソシアネ−トを出発原料と
するポリカルボジイミド自体は公知である(T.W.Camp-b
ell and J.J.Monagle,J.Amer.Chem.Soc.,84.1493〔196
2〕)が、従来、ポリカルボジイミドは前述した理由か
ら緻密な樹脂又は発泡体としての単体では実用に供し得
ず、その用途は、カルボジイミド結合の反応性を利用し
た高分子の安定化剤(例えば、バイエル社のStabaxol P
〔商品名〕)に限定されていたし、ポリウレタンフォ−
ムの製造において、その熱安定性を向上させるため部分
的にポリカルボジイミド結合を導入する試みはあるが、
本質的にポリカルボジイミド樹脂とはいえないものであ
った。 【0011】又、カルボジイミド結合が活性水素化合物
と反応することは公知であり、又、ポリカルボジイミド
を活性水素化合物で変性する試みも、例えば、E.Dyerら
がポリカルボジイミドをアジ化水素(HN3)で処理すれば
ポリテトラゾ−ルが得られることを報告している(Jour
nal of Polymer Science 6,729-742〔1968〕)ように、
すでに行なわれているのであるが、かくして得られたも
のは、例えば前記ポリテトラゾ−ルが架橋された樹脂で
はなく、又、その物理的性質も芳しいものではなかった
ように、実用性にとぼしかった。 【0012】又、有機モノイソシアネ−トを用いて重縮
合を停止させる方法で、ポリカルボジイミドの平均分子
量を規制することも公知である(L.M.Alberinoら、Jour
nalof Applied Polymer Science.21,1999-2008〔197
7〕)が、これを架橋剤と反応せしめ架橋樹脂を得よう
とする試みは知られていなかったのである。 【0013】而して、本発明において用いられる有機ポ
リイソシアネ−トとは、末端に2以上のイソシアネ−ト
基を有する有機化合物であり、例えば、2,4−トリレン
ジイソシアネ−ト,2,6−トリレンジイソシアネ−ト,
2,4と2,6−トリレンジイソシアネ−トの混合物,粗トリ
レンジイソシアネ−ト,粗メチレンジフェニルジイソシ
アネ−ト,4,4',4"−トリフェニルメチレントリイソシ
アネ−ト,4,4'−ジメチルジフェニルメタン−2,2',5,
5'−テトライソシアネ−ト,キシレンジイソシアネ−
ト,ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネ−ト,リジン
ジイソシアネ−トメチルエステル,ポリメチレンポリフ
ェニルイソシア−ト,水添メチレンジフェニルイソシア
ネ−ト,m−フェニレンジイソシアネ−ト,ナフチレン
−1,5−ジイソシアネ−ト,1−メトキシフェニル−2,4
−ジイソシアネ−ト,ジフェニルメタン−4,4'−ジイソ
シアネ−ト,4,4'−ビフェニレンジイソシアネ−ト,3,
3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニルイソシアネ−ト,3,
3'−ジメチル−4,4'−ビフェニルジイソシアネ−ト,3,
3'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネ−
ト,イソホロンジイソシアネ−トなどを例示することが
できる。又、これらの有機ポリイソシアネ−トを多官能
性活性水素化合物に対し、化学量論的に過剰に用いて得
られる、いわゆる末端イソシアネ−トプレポリマ−を用
いることもでき、このものには、例えば、4,4'−ジフェ
ニルメタンジイソシアネ−トとポリ−ε−カプロラクト
ンジオ−ル,ポリテトラヒドロフランエ−テルジオ-ル
等との末端イソシアネ−トプレポリマ−等が包含され
る。 【0014】又、本発明において用いられる有機モノイ
ソシアネ−トとは、分子中に1のイソシアネ−ト基を有
する有機化合物であり、これにはフェニルイソシアネ−
ト,(オルト,メタ,パラ)−トリルイソシアネ−ト,ジ
メチルフェニルイソシアネ−ト,シクロヘキシルイソシ
アネ−ト,メチルイソシアネ−ト,クロロフェニルイソ
シアネ−ト,トリフルオロメチルフェニルイソシアネ−
ト,ナフチルイソシアネ−ト等を例示することができる
が、耐熱性を重視するならば芳香族イソシアネ−トを用
いることが望ましい。 【0015】尚、本発明の目的は高度に耐熱性の硬化樹
脂を得ることにあるから、本質的に耐熱性の劣るアリフ
ァティックなエステル結合,エ−テル結合を多量に含有
することは好ましくない。 【0016】又、予めポリイソシアネ−トを部分的にカ
ルボジイミド化した後用いることは、本発明の本質を何
等変えるものではない。 【0017】本発明の次の要素である架橋剤は、原則と
して分子中に活性水素基を2以上含む化合物又は混合物
であり、例えば、アミノ−s−トリアジン,2,4−ジアミ
ノ−6−フェニル−s−トリアジン,2,4−ジアミノ−6−
メチル−s−トリアジン等のトリアジン誘導体、3,9−ビ
ス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)
エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウン
デカン、シアヌル酸及びその置換体、ハイドロキノン,
4,4'−イソプロピリデンジフェノ−ル等のフェノ−ル性
水酸基を有する化合物、尿素、ジシアンジアミド、ピロ
メリットジイミドのようなジイミド化合物、ピロメリッ
ト酸無水物,3,3'−4,4'−ベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸無水物のようなジ酸無水物、多官能エポキシ化合物
類等々を挙げることができる。 【0018】本発明の第3の要素は、イソシアネ−トの
カルボジイミド化を促進する触媒であって、当該触媒に
は種々のものが使用できるが、1−フェニル−2−ホスホ
レン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オ
キシド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−スルフィ
ド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチ
ル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシドやこれら
の3−ホスホレン異性体等が収率その他の面で好適であ
る。 【0019】而して、本発明による熱硬化性樹脂は、前
記有機ポリイソシアネ−トの一種以上と前記有機モノイ
ソシアネ−トの一種以上とから、前記イソシアネ−トの
カルボジイミド化を促進する触媒を使用する等して分子
量が規制されたポリカルボジイミドを実質的に生ぜし
め、これを分子中に2以上の活性水素基を有する前記架
橋剤の一種以上との架橋反応に付すことによって得られ
るものである。 【0020】尚、ポリカルボジイミドの平均分子量は、
有機ポリイソシアネ−トに対する有機モノイソシアネ−
トの使用量により任意に決定されるものであり、非常に
流動性の高い樹脂を得ようとすれば、平均分子量は低い
方が良いが、良好な物理的性質の目的物を得るためには
平均分子量は或る程度大きい方が良く、通常有機ポリイ
ソシアネ−トに対し化学量論比で0.01乃至0.3の間の有
機モノイソシアネ−トを用いるのが望ましく、特に0.02
乃至0.2の間が好適である。 【0021】このようにして得られた本発明による樹脂
は、ポリカルボジイミドの分子量を規制することによ
り、加工性を保持しつつ、ポリカルボジイミド化反応を
充分に進行させてイソシアネ−トがほとんど残存しない
ようにすることができるものである。 【0022】上記した本発明に係る熱硬化性樹脂は、例
えば次に述べるような方法により製造することができ
る。 【0023】即ち、本発明方法は、先に有機ポリイソシ
アネ−トと有機モノイソシアネ−トとを、イソシアネ−
トのカルボジイミド化を促進する触媒の共存下で、分子
量を規制しつつ実質的にポリカルボジイミドを生ぜしめ
た後、これに前記2以上の活性水素基を有する架橋剤を
混合し、当該組成物を適宜温度に加熱するものであり、
この方法において架橋剤は、例えば、有機イソシアネ−
ト化合物のポリカルボジイミド化によって生ずる樹脂状
物を粉砕し、これに混合分散せしめるようにして配合す
れば良いのである。 【0024】ポリカルボジイミド化反応は、カルボジイ
ミド化触媒の存在下、無溶媒又は適当な溶媒を用いて行
うことができ、分子量を規制するための有機モノイソシ
アネ−トは、始めから共存させても良く、或る程度ポリ
カルボジイミド化反応が進行してから加えても良い。 【0025】若し、ポリカルボジイミド化を溶液中で行
うなら反応生成物、即ちポリカルボジイミドを直ちに粉
末として取り出すことができ、これを架橋剤と混合すれ
ば良いのであるが、無溶剤下で行うときは、固体樹脂状
物として得られるから、架橋剤と混合するには何等かの
方法で粉砕する必要がある。 【0026】繊維質補強剤,粉末充填剤などは、いずれ
の段階でも配合することができる。 【0027】更に、分子量の規制されたポリカルボジイ
ミドは適当な溶剤(例えば、キシレン,DMF,DMSO等)に
よる溶液とすることができるから、これに架橋剤を配合
してワニスとして用いることも可能である。 【0028】尚、分子量の規制されたポリカルボジイミ
ドは、200℃以上の温度に加熱すると一旦溶融し徐々に
粘度が上昇してついに硬化するもので、したがって熱硬
化性を有するのであるが、この変化は極めて緩やかであ
って長時間の加熱を要することが判明している。 【0029】而して、この本発明方法によれば、有機イ
ソシアネ−ト化合物が実質的にポリカルボジイミドに変
化しているので、有機イソシアネ−ト化合物に対し反応
性が高い架橋剤であっても有効に利用することができ
る。 【0030】尚、本発明方法による場合は、樹脂状物が
或る程度の残留イソシアネ−ト基を持つときは、加熱に
よって再発泡せしめることができ、このときは型内を発
泡により充満して所望の形状の硬化物とすることもでき
るのである。 【0031】 【発明の効果】本発明による熱硬化性樹脂は、前述した
ようにポリカルボジイミドと活性水素基を有する架橋剤
との反応により得られるものであるが、その最大の特徴
は高い強度と耐熱性にある。 【0032】又、本発明による樹脂は熱安定性にも優
れ、前記ポリテトラゾ−ルが熱重量分析の結果によれば
250℃付近で急速に重量減少を示すのに対し、本発明に
よる樹脂はほとんど重量減少を示さない。 【0033】更に、本発明による熱硬化性樹脂は容易に
塑性加工することができ、且つ、急速に硬化するもので
あり、有機ポリイソシアネ−トと有機モノイソシアネ−
トとの双方を使用することにより、イソシアネ−トをほ
とんど残留しないようにすることができるから、成型加
工の条件下でガスを発生することなく、緻密な構造の最
終目的物が容易に得られるものである。 【0034】一方、本発明者らの前記先願発明において
は、有機ポリイソシアネ−トとアミノトリアジン類を混
合した後60〜160℃に加熱して一旦硬化物を得、その後3
00〜400℃にこの硬化物を加熱して再軟化,発泡させて
高度に耐熱性の樹脂を得るようにしているので、最終加
熱温度が300℃以上に達し、又、多量の炭酸ガスを発生
するため加工は比較的困難であったが、本発明方法によ
れば、加熱温度を低く抑えると共に炭酸ガスの発生を抑
制することができるため、上記したような優れた性質を
有する本発明に係る樹脂を容易に製造することができ
る。 【0035】更に、本発明方法にあっては、有機イソシ
アネ−ト化合物に対する反応性が高い架橋剤であっても
有効に使用し得るという利点があるのである。 【0036】 【実施例】 【0037】4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ−
ト31.25gとフェニルイソシアネ−ト2.98gをキシレン1
50mlに溶解し、3−メチル−1−フェニルホスホレン−1
−オキシド0.08gを加え、120℃で2時間加熱撹拌した
後、溶液をヘキサン1,000mlに投入して白色粉末物を析
出させ、濾過により白色粉末物を得た。この物の物性は
次の通りであった。 熱天秤 400℃までの重量減少率 3% 800℃までの重量減少率 28% 【0038】-1この白色粉末物2gと2,4,6−トリアミ
ノ−1,3,5−s−トリアジン0.4gを混合し、150℃で加熱
して黄色の樹脂を得た。この樹脂を粉砕し、200℃でプ
レス成型して黄色の成型品を得た。この物の物性は次の
通りであった。 密度 1.21g/cm3 曲げ強度 250kg/cm2 限界酸素指数 54 熱天秤 400℃までの重量減少率 2% 800℃までの重量減少率 26% 【0039】-2前記白色粉末物2gと2,4,6−トリアミ
ノ−1,3,5−s−トリアジン0.1gを混合し、200℃でプレ
ス成型して黄色の成型品を得た。この物の物性は次の通
りであった。 密度 1.20g/cm3 曲げ強度 228kg/cm2 限界酸素指数 53 熱天秤 400℃までの重量減少率 2% 800℃までの重量減少率 30% 【0040】-3前記白色粉末物2gと4,4'−イソプロ
ピリデンジフェノ-ル0.2gを混合し、200℃で成型して
白色の成型品を得た。この物の物性は次の通りであっ
た。 密度 1.16g/cm3 曲げ強度 245kg/cm2 限界酸素指数 56 熱天秤 400℃までの重量減少率 2% 800℃までの重量減少率 24% 【0041】-4前記白色粉末物とガラスクロスから作
った200℃での成型品の物性は次の通りであった。 ガラス含有率 40% 密度 1.63g/cm3 曲げ強度(常温) 8,600kg/cm2 曲げ弾性率(常温) 170,000kg/cm2 曲げ強度(150℃) 7,500kg/cm2 曲げ弾性率(150℃) 165,000kg/cm2 限界酸素指数 57 シャルピ−衝撃強さ 36kg-cm< 【0042】4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ−
ト31.25gとフェニルイソシアネ−ト2.98gと3−メチル
−1−フェニルホスホレン−1−オキシド0.08gを加え、
100℃で2時間加熱し淡黄色の発泡体を得た。この発泡
体を粉砕したもの2gと2,4,6−トリアミノ−1,3,5−s−
トリアジン0.4gを混合し、200℃でプレス成型して黄色
の成型品を得た。この物の物性は次の通りであった。 密度 1.21g/cm3 曲げ強度 250kg/cm2 限界酸素指数 54 熱天秤 400℃までの重量減少率 2% 800℃までの重量減少率 26%
有し、緻密にし易いため極めて強度が高く、且つ、加工
性にも優れた新規な熱硬化性樹脂の製造方法に関するも
のである。 【0002】 【従来の技術】一般的にいえば、有機イソシアネ−ト化
合物と活性水素基を有する化合物とが付加重合するとい
うことは、例えば、有機ポリイソシアネ−トが多価アル
コ−ル類と反応すればポリウレタンを生じ、ポリアミン
と反応すればポリ尿素を生ずる等、この二種類の化合物
の反応は種々に組合わされてポリウレタンと総称される
有用な高分子物質群を形成することに代表されるよう
に、よく知られていることである。 【0003】然し乍ら、活性水素基を持つ化合物ではあ
っても、例えばアミノトリアジン類は、その遊離アミノ
基が電子吸引性の非常に高いトリアジン核に直結してい
るためイソシアネ−トとの反応活性が非常に低いと考え
られること、及び、アミノトリアジン類が通常固体で且
つ融点が非常に高く、通常液体の有機イソシアネ−ト化
合物にはほとんど不溶であること等から、これまで有機
イソシアネ−ト化合物とアミノトリアジン類との反応に
より高分子物質が製造された例は非常に少なく、むしろ
これらの化合物の間では反応が起らないと考えられてい
たように、この反応は未だ完全に解明されているわけで
はない。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】一方、本発明の発明者
らは、新たな耐熱性熱硬化性樹脂を開発するための研究
過程で、有機ポリイソシアネ−トとアミノトリアジン類
との反応により、極めて硬質で不溶不融の縮合物を生成
し得ることを知得して、この発明についてすでに特許出
願をしている(特開昭59-41320号公報参照)が、更に強度
等の物理的性質に優れた熱硬化性樹脂を得ることができ
れば、有機イソシアネ−ト化合物と活性水素基を有する
化合物との反応の応用性が増大し、非常に有益と考えら
れる。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は上述した従来技
術を背景として、更に高強度且つ高耐熱性で、しかも緻
密にし易いため極めて強度が高く、且つ、加工性に富む
熱硬化性樹脂の製造方法を提供することを目的としてな
されたもので、その構成は、一種以上の有機ポリイソシ
アネ−トと一種以上の有機モノイソシアネ−トとを、一
種以上の、イソシアネ−トのカルボジイミド化を促進す
る触媒の存在下に反応させて、分子量を規制しつつ実質
的にポリカルボジイミドを生ぜしめ、該ポリカルボジイ
ミドと、一種以上の、分子中に2以上の活性水素基を有
する架橋剤とを混合し、この組成物を適宜温度に加熱す
ることを特徴とするものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の発明者らによる前記先願に係る発明において
は、有機ポリイソシアネ−トとアミノトリアジン類との
混合物を60℃以上の温度に加熱して硬化性樹脂を得ると
共に、この硬化性樹脂を300℃以上の温度に加熱するこ
とにより、更に高い耐熱性及び難燃性を有する樹脂を得
ることが開示されている。 【0007】発明者らは、その後更に研究を続けた結
果、有機ポリイソシアネ−トと有機モノイソシアネ−ト
とより分子量を規制しつつ得られるポリカルボジイミド
が、アミノトリアジン系化合物,ビスイミド系化合物,
ポリヒドロキシ系化合物等の活性水素基を一分子中に少
なくとも2以上含む物質によって架橋され、優れた性質
を有する熱硬化性樹脂の製造方法を与えることを見出
し、本発明を完成するに至った。 【0008】即ち、本発明と前記先願に係る発明との根
本的な相違点の第一は、先願発明においては有機ポリイ
ソシアネ−トとアミノトリアジン類を加熱下に反応せし
めて熱硬化性樹脂を得たのに対し、本発明においては、
有機ポリイソシアネ−ト等を触媒の存在下、先ず実質的
にポリカルボジイミドに変化せしめ、次いで、このポリ
カルボジイミドを分子中に2以上の活性水素基を有する
架橋剤と反応せしめて架橋し、新規な熱硬化性樹脂を得
ることにある。 【0009】又、相違点の第二は、前記先願発明におい
ては有機ポリイソシアネ−トのみを使用しているのに対
し、本発明においては有機ポリイソシアネ−ト及び有機
モノイソシアネ−トの双方を使用していることにある。
これは有機ポリイソシネ−ト単独でもカルボイミド化触
媒の存在下、実質的にポリカルボジイミドに変化するの
であるが、イソシアネ−トを完全にカルボジイミドに変
えようとすると、ポリカルボジイミドの分子量は極めて
大きくなってその加工性が失われ、又、加工性を保持す
るために、カルボジイミド化の程度を抑制すると未反応
イソシアネ−トが残留することが避けられなくなり、こ
の未反応イソシアネ−トは、最終目的物が発泡体である
場合は通常障害とならずむしろ望ましい結果を与えるも
のの、緻密な最終目的物を得ようとする場合は、内部に
気泡が残留し目的物の強度を低下せしめる原因となるか
ら、ポリカルボジイミドを生ぜしめる際、有機ポリイソ
シアネ−トと有機モノイソシアネ−トとを共存させて平
均分子量を制限し、このようにして生じたポリカルボジ
イミドを活性水素化合物で架橋して優れた性質を有する
熱硬化性樹脂を得んとするものである。 【0010】尚、有機ポリイソシアネ−トを出発原料と
するポリカルボジイミド自体は公知である(T.W.Camp-b
ell and J.J.Monagle,J.Amer.Chem.Soc.,84.1493〔196
2〕)が、従来、ポリカルボジイミドは前述した理由か
ら緻密な樹脂又は発泡体としての単体では実用に供し得
ず、その用途は、カルボジイミド結合の反応性を利用し
た高分子の安定化剤(例えば、バイエル社のStabaxol P
〔商品名〕)に限定されていたし、ポリウレタンフォ−
ムの製造において、その熱安定性を向上させるため部分
的にポリカルボジイミド結合を導入する試みはあるが、
本質的にポリカルボジイミド樹脂とはいえないものであ
った。 【0011】又、カルボジイミド結合が活性水素化合物
と反応することは公知であり、又、ポリカルボジイミド
を活性水素化合物で変性する試みも、例えば、E.Dyerら
がポリカルボジイミドをアジ化水素(HN3)で処理すれば
ポリテトラゾ−ルが得られることを報告している(Jour
nal of Polymer Science 6,729-742〔1968〕)ように、
すでに行なわれているのであるが、かくして得られたも
のは、例えば前記ポリテトラゾ−ルが架橋された樹脂で
はなく、又、その物理的性質も芳しいものではなかった
ように、実用性にとぼしかった。 【0012】又、有機モノイソシアネ−トを用いて重縮
合を停止させる方法で、ポリカルボジイミドの平均分子
量を規制することも公知である(L.M.Alberinoら、Jour
nalof Applied Polymer Science.21,1999-2008〔197
7〕)が、これを架橋剤と反応せしめ架橋樹脂を得よう
とする試みは知られていなかったのである。 【0013】而して、本発明において用いられる有機ポ
リイソシアネ−トとは、末端に2以上のイソシアネ−ト
基を有する有機化合物であり、例えば、2,4−トリレン
ジイソシアネ−ト,2,6−トリレンジイソシアネ−ト,
2,4と2,6−トリレンジイソシアネ−トの混合物,粗トリ
レンジイソシアネ−ト,粗メチレンジフェニルジイソシ
アネ−ト,4,4',4"−トリフェニルメチレントリイソシ
アネ−ト,4,4'−ジメチルジフェニルメタン−2,2',5,
5'−テトライソシアネ−ト,キシレンジイソシアネ−
ト,ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネ−ト,リジン
ジイソシアネ−トメチルエステル,ポリメチレンポリフ
ェニルイソシア−ト,水添メチレンジフェニルイソシア
ネ−ト,m−フェニレンジイソシアネ−ト,ナフチレン
−1,5−ジイソシアネ−ト,1−メトキシフェニル−2,4
−ジイソシアネ−ト,ジフェニルメタン−4,4'−ジイソ
シアネ−ト,4,4'−ビフェニレンジイソシアネ−ト,3,
3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニルイソシアネ−ト,3,
3'−ジメチル−4,4'−ビフェニルジイソシアネ−ト,3,
3'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネ−
ト,イソホロンジイソシアネ−トなどを例示することが
できる。又、これらの有機ポリイソシアネ−トを多官能
性活性水素化合物に対し、化学量論的に過剰に用いて得
られる、いわゆる末端イソシアネ−トプレポリマ−を用
いることもでき、このものには、例えば、4,4'−ジフェ
ニルメタンジイソシアネ−トとポリ−ε−カプロラクト
ンジオ−ル,ポリテトラヒドロフランエ−テルジオ-ル
等との末端イソシアネ−トプレポリマ−等が包含され
る。 【0014】又、本発明において用いられる有機モノイ
ソシアネ−トとは、分子中に1のイソシアネ−ト基を有
する有機化合物であり、これにはフェニルイソシアネ−
ト,(オルト,メタ,パラ)−トリルイソシアネ−ト,ジ
メチルフェニルイソシアネ−ト,シクロヘキシルイソシ
アネ−ト,メチルイソシアネ−ト,クロロフェニルイソ
シアネ−ト,トリフルオロメチルフェニルイソシアネ−
ト,ナフチルイソシアネ−ト等を例示することができる
が、耐熱性を重視するならば芳香族イソシアネ−トを用
いることが望ましい。 【0015】尚、本発明の目的は高度に耐熱性の硬化樹
脂を得ることにあるから、本質的に耐熱性の劣るアリフ
ァティックなエステル結合,エ−テル結合を多量に含有
することは好ましくない。 【0016】又、予めポリイソシアネ−トを部分的にカ
ルボジイミド化した後用いることは、本発明の本質を何
等変えるものではない。 【0017】本発明の次の要素である架橋剤は、原則と
して分子中に活性水素基を2以上含む化合物又は混合物
であり、例えば、アミノ−s−トリアジン,2,4−ジアミ
ノ−6−フェニル−s−トリアジン,2,4−ジアミノ−6−
メチル−s−トリアジン等のトリアジン誘導体、3,9−ビ
ス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)
エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウン
デカン、シアヌル酸及びその置換体、ハイドロキノン,
4,4'−イソプロピリデンジフェノ−ル等のフェノ−ル性
水酸基を有する化合物、尿素、ジシアンジアミド、ピロ
メリットジイミドのようなジイミド化合物、ピロメリッ
ト酸無水物,3,3'−4,4'−ベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸無水物のようなジ酸無水物、多官能エポキシ化合物
類等々を挙げることができる。 【0018】本発明の第3の要素は、イソシアネ−トの
カルボジイミド化を促進する触媒であって、当該触媒に
は種々のものが使用できるが、1−フェニル−2−ホスホ
レン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オ
キシド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−スルフィ
ド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチ
ル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシドやこれら
の3−ホスホレン異性体等が収率その他の面で好適であ
る。 【0019】而して、本発明による熱硬化性樹脂は、前
記有機ポリイソシアネ−トの一種以上と前記有機モノイ
ソシアネ−トの一種以上とから、前記イソシアネ−トの
カルボジイミド化を促進する触媒を使用する等して分子
量が規制されたポリカルボジイミドを実質的に生ぜし
め、これを分子中に2以上の活性水素基を有する前記架
橋剤の一種以上との架橋反応に付すことによって得られ
るものである。 【0020】尚、ポリカルボジイミドの平均分子量は、
有機ポリイソシアネ−トに対する有機モノイソシアネ−
トの使用量により任意に決定されるものであり、非常に
流動性の高い樹脂を得ようとすれば、平均分子量は低い
方が良いが、良好な物理的性質の目的物を得るためには
平均分子量は或る程度大きい方が良く、通常有機ポリイ
ソシアネ−トに対し化学量論比で0.01乃至0.3の間の有
機モノイソシアネ−トを用いるのが望ましく、特に0.02
乃至0.2の間が好適である。 【0021】このようにして得られた本発明による樹脂
は、ポリカルボジイミドの分子量を規制することによ
り、加工性を保持しつつ、ポリカルボジイミド化反応を
充分に進行させてイソシアネ−トがほとんど残存しない
ようにすることができるものである。 【0022】上記した本発明に係る熱硬化性樹脂は、例
えば次に述べるような方法により製造することができ
る。 【0023】即ち、本発明方法は、先に有機ポリイソシ
アネ−トと有機モノイソシアネ−トとを、イソシアネ−
トのカルボジイミド化を促進する触媒の共存下で、分子
量を規制しつつ実質的にポリカルボジイミドを生ぜしめ
た後、これに前記2以上の活性水素基を有する架橋剤を
混合し、当該組成物を適宜温度に加熱するものであり、
この方法において架橋剤は、例えば、有機イソシアネ−
ト化合物のポリカルボジイミド化によって生ずる樹脂状
物を粉砕し、これに混合分散せしめるようにして配合す
れば良いのである。 【0024】ポリカルボジイミド化反応は、カルボジイ
ミド化触媒の存在下、無溶媒又は適当な溶媒を用いて行
うことができ、分子量を規制するための有機モノイソシ
アネ−トは、始めから共存させても良く、或る程度ポリ
カルボジイミド化反応が進行してから加えても良い。 【0025】若し、ポリカルボジイミド化を溶液中で行
うなら反応生成物、即ちポリカルボジイミドを直ちに粉
末として取り出すことができ、これを架橋剤と混合すれ
ば良いのであるが、無溶剤下で行うときは、固体樹脂状
物として得られるから、架橋剤と混合するには何等かの
方法で粉砕する必要がある。 【0026】繊維質補強剤,粉末充填剤などは、いずれ
の段階でも配合することができる。 【0027】更に、分子量の規制されたポリカルボジイ
ミドは適当な溶剤(例えば、キシレン,DMF,DMSO等)に
よる溶液とすることができるから、これに架橋剤を配合
してワニスとして用いることも可能である。 【0028】尚、分子量の規制されたポリカルボジイミ
ドは、200℃以上の温度に加熱すると一旦溶融し徐々に
粘度が上昇してついに硬化するもので、したがって熱硬
化性を有するのであるが、この変化は極めて緩やかであ
って長時間の加熱を要することが判明している。 【0029】而して、この本発明方法によれば、有機イ
ソシアネ−ト化合物が実質的にポリカルボジイミドに変
化しているので、有機イソシアネ−ト化合物に対し反応
性が高い架橋剤であっても有効に利用することができ
る。 【0030】尚、本発明方法による場合は、樹脂状物が
或る程度の残留イソシアネ−ト基を持つときは、加熱に
よって再発泡せしめることができ、このときは型内を発
泡により充満して所望の形状の硬化物とすることもでき
るのである。 【0031】 【発明の効果】本発明による熱硬化性樹脂は、前述した
ようにポリカルボジイミドと活性水素基を有する架橋剤
との反応により得られるものであるが、その最大の特徴
は高い強度と耐熱性にある。 【0032】又、本発明による樹脂は熱安定性にも優
れ、前記ポリテトラゾ−ルが熱重量分析の結果によれば
250℃付近で急速に重量減少を示すのに対し、本発明に
よる樹脂はほとんど重量減少を示さない。 【0033】更に、本発明による熱硬化性樹脂は容易に
塑性加工することができ、且つ、急速に硬化するもので
あり、有機ポリイソシアネ−トと有機モノイソシアネ−
トとの双方を使用することにより、イソシアネ−トをほ
とんど残留しないようにすることができるから、成型加
工の条件下でガスを発生することなく、緻密な構造の最
終目的物が容易に得られるものである。 【0034】一方、本発明者らの前記先願発明において
は、有機ポリイソシアネ−トとアミノトリアジン類を混
合した後60〜160℃に加熱して一旦硬化物を得、その後3
00〜400℃にこの硬化物を加熱して再軟化,発泡させて
高度に耐熱性の樹脂を得るようにしているので、最終加
熱温度が300℃以上に達し、又、多量の炭酸ガスを発生
するため加工は比較的困難であったが、本発明方法によ
れば、加熱温度を低く抑えると共に炭酸ガスの発生を抑
制することができるため、上記したような優れた性質を
有する本発明に係る樹脂を容易に製造することができ
る。 【0035】更に、本発明方法にあっては、有機イソシ
アネ−ト化合物に対する反応性が高い架橋剤であっても
有効に使用し得るという利点があるのである。 【0036】 【実施例】 【0037】4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ−
ト31.25gとフェニルイソシアネ−ト2.98gをキシレン1
50mlに溶解し、3−メチル−1−フェニルホスホレン−1
−オキシド0.08gを加え、120℃で2時間加熱撹拌した
後、溶液をヘキサン1,000mlに投入して白色粉末物を析
出させ、濾過により白色粉末物を得た。この物の物性は
次の通りであった。 熱天秤 400℃までの重量減少率 3% 800℃までの重量減少率 28% 【0038】-1この白色粉末物2gと2,4,6−トリアミ
ノ−1,3,5−s−トリアジン0.4gを混合し、150℃で加熱
して黄色の樹脂を得た。この樹脂を粉砕し、200℃でプ
レス成型して黄色の成型品を得た。この物の物性は次の
通りであった。 密度 1.21g/cm3 曲げ強度 250kg/cm2 限界酸素指数 54 熱天秤 400℃までの重量減少率 2% 800℃までの重量減少率 26% 【0039】-2前記白色粉末物2gと2,4,6−トリアミ
ノ−1,3,5−s−トリアジン0.1gを混合し、200℃でプレ
ス成型して黄色の成型品を得た。この物の物性は次の通
りであった。 密度 1.20g/cm3 曲げ強度 228kg/cm2 限界酸素指数 53 熱天秤 400℃までの重量減少率 2% 800℃までの重量減少率 30% 【0040】-3前記白色粉末物2gと4,4'−イソプロ
ピリデンジフェノ-ル0.2gを混合し、200℃で成型して
白色の成型品を得た。この物の物性は次の通りであっ
た。 密度 1.16g/cm3 曲げ強度 245kg/cm2 限界酸素指数 56 熱天秤 400℃までの重量減少率 2% 800℃までの重量減少率 24% 【0041】-4前記白色粉末物とガラスクロスから作
った200℃での成型品の物性は次の通りであった。 ガラス含有率 40% 密度 1.63g/cm3 曲げ強度(常温) 8,600kg/cm2 曲げ弾性率(常温) 170,000kg/cm2 曲げ強度(150℃) 7,500kg/cm2 曲げ弾性率(150℃) 165,000kg/cm2 限界酸素指数 57 シャルピ−衝撃強さ 36kg-cm< 【0042】4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ−
ト31.25gとフェニルイソシアネ−ト2.98gと3−メチル
−1−フェニルホスホレン−1−オキシド0.08gを加え、
100℃で2時間加熱し淡黄色の発泡体を得た。この発泡
体を粉砕したもの2gと2,4,6−トリアミノ−1,3,5−s−
トリアジン0.4gを混合し、200℃でプレス成型して黄色
の成型品を得た。この物の物性は次の通りであった。 密度 1.21g/cm3 曲げ強度 250kg/cm2 限界酸素指数 54 熱天秤 400℃までの重量減少率 2% 800℃までの重量減少率 26%
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭52−146490(JP,A)
特開 昭51−61599(JP,A)
特開 昭61−235414(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
C08G 18/00 - 18/87
C08G 73/00 - 73/26
C08L 79/00 - 79/08
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.一種以上の有機ポリイソシアネートと一種以上の有
機モノイソシアネートとを、一種以上の、イソシアネー
トのカルボジイミド化を促進する触媒の存在下に反応さ
せて、分子量を規制しつつ実質的にポリカルボジイミド
を生ぜしめ、該ポリカルボジイミドと、一種以上の、分
子中に2以上の活性水素基を有する架橋剤とを混合し、
この組成物を適宜温度に加熱することを特徴とする熱硬
化性樹脂の製造方法。 2.架橋剤はアミノトリアジン又はその誘導体である請
求項1の製造方法。 3.架橋剤は4,4’−イソプロピリデンジフェノール
又はその誘導体である請求項1の製造方法。 4.架橋剤は4,4’−ジアミノジフェニルメタン又は
その誘導体である請求項1の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7317040A JP2850291B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | 熱硬化性樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7317040A JP2850291B2 (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | 熱硬化性樹脂の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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---|---|
JPH09183824A JPH09183824A (ja) | 1997-07-15 |
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ID=18083750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2850291B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11279251A (ja) * | 1998-03-30 | 1999-10-12 | Osaka Gas Co Ltd | フルオレン骨格を有するポリウレタン |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3929733A (en) * | 1974-10-02 | 1975-12-30 | Upjohn Co | Polycarbodiimides from 4,4{40 -methylenebis(phenyl isocyanate) and certain carbocyclic monoisocyanates |
DE2624198C2 (de) * | 1976-05-29 | 1984-10-04 | Bayer Ag, 5090 Leverkusen | Polymerisationsprodukte |
-
1995
- 1995-11-13 JP JP7317040A patent/JP2850291B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH09183824A (ja) | 1997-07-15 |
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