JPH08143661A - 芳香族ポリアミド共重合体、その製造方法、それを含有する組成物、およびその組成物からなる被膜 - Google Patents

芳香族ポリアミド共重合体、その製造方法、それを含有する組成物、およびその組成物からなる被膜

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JPH08143661A
JPH08143661A JP2320195A JP2320195A JPH08143661A JP H08143661 A JPH08143661 A JP H08143661A JP 2320195 A JP2320195 A JP 2320195A JP 2320195 A JP2320195 A JP 2320195A JP H08143661 A JPH08143661 A JP H08143661A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、加工性に優れた反応性芳香族ポリア
ミド共重合体の提供。 【構成】 末端アミノアリール基のオルト位に少なくと
も一個のアルキル基を有する芳香族ジアミン化合物から
なる一般式(1)で示される繰り返し構造単位5〜10
0モル%と、末端アミノアリール基のオルト位に少なく
とも一個のアルキル基を有する芳香族ジアミンからなる
一般式(2)で示される繰り返し構造単位0〜95モル
%とが、不規則に結合してなる固有粘度が0.1〜4.
0dl/gである反応性芳香族ポリアミド共重合体。 【化1】 (Ar:2価の芳香族基、R,R1 :Hまたは炭素数1
から4までのアルキル基、ただし同時にHである事は無
い、R2 :炭素数1から3のアルキレン基、ただしフッ
素原子で置換されても良い、q:1または2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、加工性に優れた
芳香族ポリアミド共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミドは、耐熱性、成膜性、
靱性等において優れた特性を有するため、機能性エンジ
ニアリングプラスチックとして広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、芳香族
ポリアミド樹脂は溶媒溶解性が著しく低いため、圧縮成
形、押出し成形、叉は射出成形などの高温溶融成形法に
より加工しなければならなかった。溶融成形は高温で行
わなければならないため、成形が容易でないばかりでな
く、成形形状にも制限がある。このため、芳香族ポリア
ミドは有用な特性を有するのに、それを充分発揮し得な
い。
【0004】また、芳香族ポリアミド樹脂は、アミド系
溶媒に溶解できるような高分子構造をもたせることも可
能であ。しかしながら、アミド系溶媒は、一般に高沸点
であるため、加工時、特に膜性成時における脱溶媒が容
易でないばかりでなく、毒性が高く、作業上好ましくな
い問題を有している。また、その他の溶媒への溶解性は
一般に著しく悪く、その溶解性を改善することは困難で
あった。さらに、有機系化合物表面上にアミド系溶媒に
溶解した従来の芳香族ポリアミド樹脂を使用して該樹脂
からなる被膜を形成する場合、溶解性が高いアミド系溶
媒が該表面を破損させる問題も生じていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々の芳香
族ポリアミド樹脂について検討したところ、末端アミノ
アリール基のオルト位に少なくとも一個のアルキル基を
有する芳香族ジアミン化合物からなる下記一般式(1)
で示される繰り返し構造単位を有するモノマーを5〜1
00モル%と、末端アミノアリール基のオルト位に少な
くとも一個のアルキル基を有する芳香族ジアミンからな
る下記一般式(2)で示される繰り返し構造単位を有す
る0〜95モル%とが、不規則に結合してなる、固有粘
度が0.1〜4.0dl/gの芳香族ポリアミド共重合
体が、優れた加工性、耐熱性を有することを見いだし
た。
【0006】
【化3】
【0007】(ただし、上記一般式中Arは2価の芳香
族基を示し、R,R1 はH、または炭素数1から4まで
のアルキル基、ただし同時にHである事は無い、を示
し、R2 は炭素数1から3のアルキレン基、ただしフッ
素原子で置換されても良い、を示し、qは1または2を
示す。)
【0008】上記分子構造を有する芳香族ポリアミド共
重合体は、上記一般式(1)、(2)におけるR、R1
の少なくとも一個が炭素数が1から4までのアルキル基
なので、工業的に使用される汎用溶剤に可溶となる。さ
らに、分子構造中にフェノール性水酸基を備えているた
め、反応性に富んでいる。このため、他の樹脂とのブレ
ンド、アロイ化、さらには分子複合化を容易に行える。
つまり、本発明の芳香族ポリアミド共重合体は、従来の
芳香族ポリアミド樹脂の応用範囲を越えた有用性に満ち
た樹脂である。
【0009】さらに、ポリアミド樹脂合成に使用される
ジカルボン酸とジアミンとの分子構造を選択することに
より、汎用溶媒に充分可能な、特に低分子量アルコール
に可溶な芳香族ポリアミド樹脂が得られることを見いだ
した。具体的には、下記一般式(3)で示される芳香族
ポリアミドがアルコール等の汎用溶媒に可溶であること
が見いだされた。
【0010】
【化4】
【0011】(ただし、上記一般式(3)中、Rは二価
の有機基を示し、R11およびR12はメチル基、エチル
基、イソプロピル基からなるグループから選択される基
を示し、mとnとはm+n=1、0≦m≦0.1、とい
う関係を満たし、lは10≦l≦10,000という関
係を満たす。) 上記一般式(3)で示される芳香族ポリアミド樹脂は、
アルコール系溶媒に対する溶解性が著しく良好である。
【0012】また、本発明は、加工性に優れた芳香族ポ
リアミド組成物を提供するものである。具体的には、上
記一般式(3)で示される芳香族ポリアミドと、アルコ
ール系溶媒を主成分とする溶媒とから構成されることを
特徴とする芳香族ポリアミド組成物を提供する。
【0013】上記アルコール系溶媒とは、水酸基を少な
くとも1個以上有する有機化合物であり、0℃〜200
℃の範囲で液体状態であるアルコールを含有する溶媒を
いう。このアルコール系溶媒は、その構造中にカルボニ
ル基、エーテル結合、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ
基、アミノ基、アミド結合、およびエステル結合を含む
こともできる。このようなアルコール系溶媒としては、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノー
ル、1−ペンタノール、2−メンタノール、3−ペンタ
ノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1
−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチ
ル−2−ブタノール、2、2−ジメチル−1−プロパノ
ール、シクロヘキサノール、1−ヘキサノール、2−メ
チル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノー
ル、2−エチル−1−ブタノール、1−オクタノール、
2−エチル−1−ヘキサノール、ベンジルアルコール、
m−クレゾール、2−ペンテン−1−オール、cis−
2−ブテン−1−オール、プロパルギルアルコール、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレ
ングリコール、1、3−ブタンジオール、グリセリン、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、、ブチルセロソ
ルブ、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール
2−(2−メトキシエトキシ)エタノール等を例示でき
る。
【0014】これらアルコールの中でも、一般式(3)
で示される芳香族ポリアミド樹脂の溶解性に着目する
と、特に、炭素数1〜5のアルコール溶媒が好ましい。
さらに、炭素数1〜5のアルコールの中でも、直鎖状の
アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等が好ましい。これらのアルコールは
低沸点であるため、低沸点系の芳香族ポリアミド組成物
を形成できる。また、一般式(3)で示される芳香族ポ
リアミド樹脂は、炭素鎖中にエーテル結合を有する直鎖
状のアルコール溶媒に対して優れた溶解性を示す。その
ようなアルコールとしては、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ等を例示できる。
【0015】上記アルコール系溶媒の他に、アミド系溶
媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒、
ニトロ系溶媒、ニトリル系溶媒、アミン系溶媒、エーテ
ル系溶媒、芳香族系溶媒、または脂肪族系溶媒に対して
も優れた溶解性を有している。また、これら溶媒を混合
して使用することも可能である。
【0016】上記アミド系溶媒とは構造中にアミド結合
を1個以上有し、0℃〜200℃の範囲で液体状態であ
るアミド化合物を含有する溶媒であり、かつ上記アルコ
ール系溶媒に属さない溶媒をいう。このアミド化合物
は、その構造中に、カルボニル基、エーテル結合、ハロ
ゲン基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、エステル結合
を有することもできる。具体的には、ホルムアミド、N
−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N、N−
ジメチルセトアミド、N−メチルプロピオアミド、1、
1、3、3−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−
メチル−2−ピロリドン、N、N’−ジメチルイミダゾ
リジノン等を例示できる。その中でも、N、N−ジメチ
ルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−
メチル−2−ピロリドン、またはN、N’−ジメチルイ
ミダゾリジノンが安価であるため、特に好ましい。
【0017】上記エステル系溶媒とは構造中にエステル
結合を1個以上有し、0℃〜200℃の範囲で液体状態
であるエステル化合物を含有する溶媒であり、かつ上記
アルコール系溶媒およびアミド系溶媒に属さない溶媒を
いう。このエステル系化合物は、その構造中に、カルボ
ニル基、エーテル結合、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ
基、アミノ基を有することもできる。具体的には、ぎ酸
メチル、ぎ酸エチル、ぎ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、エチレ
ングリコール二酢酸、酢酸ベンジル、プリピオン酸エチ
ル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、ステアリ
ン酸ブチル等を例示することができる。その中でも、酢
酸エチル、プロピオン酸エチル、叉はイソ酪酸イソブチ
ルが安価であるため、特に好ましい。
【0018】上記ケトン系溶媒とは構造中にカルボキシ
ル基を1個以上有し、0℃〜200℃の範囲で液体状態
であるエステル化合物を含有する溶媒であり、かつ上記
アルコール系溶媒、アミド系溶媒、およびエステル系溶
媒に属さない溶媒をいう。このエステル系化合物は、そ
の構造中に、カルボニル基、エーテル結合、ハロゲン
基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、エステ
ル基を有することもできる。具体的には、アセトン、メ
チルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、およびシクロヘキサノン等を例示することがで
きる。その中でも、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、叉はシクロヘキサノンが安価で
あるため、特に好ましい。
【0019】上記ハロゲン系溶媒とは構造中にハロゲン
原子を1個以上有し、0℃〜200℃の範囲で液体状態
であるハロゲン化合物を含有する溶媒であり、かつ上記
アルコール系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、お
よびケトン系溶媒に属さない溶媒をいう。このハロゲン
系化合物は、その構造中に、エーテル結合、シアノ基、
ニトロ基、アミノ基を有することもできる。具体的に
は、フルオロベンゼン、o−フルオロトルエン、m−フ
ルオロトルエン、p−フルオロトルエン、ヘキサフルオ
ロベンゼン、1、1、2−トリクロロ−1、2、2−ト
リクロロエタン、1、1、2、2−テトラクロロジフル
オロエタン、1、2−ジブロモテトラフルオロエタン、
クロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパ
ン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ
−2−メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパ
ン、1−クロロペンタン、クロロベンゼン、1−クロロ
ナフタレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、1、1−ジクロロエタン、1、2−ジクロロエタ
ン、1、1、1−トリクロロエタン、1、1、2、2−
テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、o−ジクロ
ロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、3−クロロプロペ
ン、1、1−ジクロロエチレン、cis−1、2−ジク
ロロエチレン、trans−1、2−ジクロロエチレ
ン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ブロ
モベンゼン、ブロモホルム、1、2−ジブロモエタン、
1、1、2、2−テトラブロモエタン、2−ヨードプロ
パン等を例示することができる。その中でも、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、1、1、2、2−テトラクロロ
エタン、叉はクロロベンゼンが安価であるため、特に好
ましい。
【0020】上記ニトロ系溶媒とは構造中にニトロ基を
1個以上有し、0℃〜200℃の範囲で液体状態である
ニトロ化合物を含有する溶媒であり、かつ上記アルコー
ル系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶
媒、およびハロゲン系溶媒に属さない溶媒をいう。この
ニトロ系化合物は、その構造中に、エーテル結合、シア
ノ基、アミノ基を有することもできる。具体的には、ニ
トロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−
ニトロプロパン、ニトロベンゼン、およびo−ニトロア
ニソール等を例示することができる。その中でも、ニト
ロベンゼン、ニトロエタン、またはo−ニトロアニソー
ルが安価であるため、特に好ましい。
【0021】上記ニトリル系溶媒とは構造中にニトリル
基を1個以上有し、0℃〜200℃の範囲で液体状態で
あるニトリル化合物を含有する溶媒であり、かつ上記ア
ルコール系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、ケト
ン系溶媒、およびハロゲン系溶媒に属さない溶媒をい
う。このニトリル系化合物は、その構造中に、エーテル
結合、アミノ基を有することもできる。具体的には、ア
セトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イ
ソブチロニトリル、バレロニトリル、α−トリニトリ
ル、およびベンゾニトリル等を例示することができる。
その中でも、アセトニトリル、プリピオニトリル、また
はベンゾニトリルが安価であるため、特に好ましい。
【0022】上記アミン系溶媒とは構造中にアミノ基を
1個以上有し、0℃〜200℃の範囲で液体状態である
有機化合物を含有する溶媒であり、かつ上記アルコール
系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶
媒、ハロゲン系溶媒、ニトロ系溶媒、ニトリル系溶媒に
属さない溶媒をいう。このアミン系化合物は、その構造
中に、エーテル結合を有することもできる。具体的に
は、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミ
ン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、ter
t−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、
m−トルイジン、エチレンジアミン、ジエチルアミン、
ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルア
ミン、ピロール、ピペリジン、トリエチルアミン、ピリ
ジン、およびキノリン等を例示することができる。その
中でも、トリエチルアミン、ピペリジン、またはピリジ
ンが安価であるため、特に好ましい。
【0023】上記エーテル系溶媒とは構造中にエーテル
結合を1個以上有し、0℃〜200℃の範囲で液体状態
である有機化合物を含有する溶媒であり、かつ上記アル
コール系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、ケトン
系溶媒、ハロゲン系溶媒、ニトロ系溶媒、ニトリル系溶
媒に属さない溶媒をいう。具体的には、ジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテル、ブチルエーテル、ペンチルエーテル、
モノグライム、ジグライム、フラン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、ベンジルエチル
エーテル、アニソール、ジベンジルエーテル等を例示す
ることができる。その中でも、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、またはジオキサンが安価であるため、
特に好ましい。
【0024】上記芳香族系溶媒とは構造中に芳香環を1
個以上有し、0℃〜200℃の範囲で液体状態である有
機化合物を含有する溶媒であり、かつ上記アルコール系
溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、
ハロゲン系溶媒、ニトロ系溶媒、ニトリル系溶媒、およ
びエーテル系溶媒に属さない溶媒をいう。具体的には、
ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p
−キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、テトラリ
ン、sec−ブチルベンゼン、p−クメン等を例示する
ことができる。その中でも、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、またはテトラリンが安価であるため、特に好まし
い。
【0025】上記脂肪族系溶媒とは0℃〜200℃の範
囲で液体状態である有機化合物を含有する溶媒であり、
かつ上記アルコール系溶媒、アミド系溶媒、エステル系
溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒、ニトロ系溶媒、
ニトリル系溶媒、およびエーテル系溶媒に属さない溶媒
をいう。具体的には、シクロペンタン、ペンタン、イソ
ペンタン、ネオペンタン、メチルシクロペンタン、シク
ロヘキサン、ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチ
ルペンタン、2、2−ジメチルブタン、2、3−ジメチ
ルブタン、メチルシクロヘキサン、2、3−ジメチルペ
ンタン、2、4−ジメチルペンタン、エチルシクロヘキ
サン、オクタン、2、2、3−トリメチルペンタン、
2、2、4−トリメチルペンタン、ノナン、トリメチル
ヘキサン、デカリン、デカン、およびビシクロヘキシル
ドデカン等を例示することができる。その中でも、ペン
タン、ヘキサン、シクロヘキサン、またはデカリンが安
価であるため、特に好ましい。
【0026】本発明の芳香族ポリアミド組成物は、上記
溶剤の他に、必要に応じて、種々の添加剤を含有させる
ことができる。例えば、帯電防止叉は帯電性を付与する
ためには、導電性無機物を添加させることが好ましい。
無機繊維または有機繊維を添加することにより樹脂を強
靱化することができる。さらに、臭素や塩素を含む難燃
化剤を添加することにより、難燃性を付与することがで
き、無機化合物または有機化合物を添加することにより
本発明の樹脂を強靱化したり、着色したりすることによ
って改質できる。
【0027】本発明は、上記組成物を含有してなる被膜
を提供するものである。本発明の被膜は、上記組成物を
使用して、従来より周知の方法にて製造することができ
る。本発明の被膜は、芳香族ポリアミド共重合体を含有
しているため、芳香族ポリアミド共重合体の優れた特性
を有する。例えば、ガラス板に対して優れた接着性を有
するほか、透明であり、かつ強靱である。もちろん、色
素を添加することにより着色することも容易である。本
発明の被膜は、保護層、層間絶縁膜、パッシベーション
膜、拡散防止膜、浸透防止膜、選択的透過膜、分離膜、
および表面改質膜等として使用することができる。本発
明の被膜は、ガラス、金属、繊維、紙、木材、樹脂等の
基板に塗布することにより製造することもできる。特
に、樹脂上に塗布して製造する場合、その樹脂に浸透し
ない叉は溶解させない溶媒を選択することで下層を侵食
または破壊させずに均一な膜を形成することもできる。
【0028】以下、本発明の芳香族ポリアミド共重合体
の製造方法について説明する。上記一般式(1)および
一般式(2)で示される構造を有する芳香族ポリアミド
共重合体を製造する場合、フェノール性水酸基を持つジ
カルボン酸を使用するが、従来知られている酸クロリド
法、溶融塩法などでは、フェノール性水酸基と他の反応
基との不必要な副反応を避けることができず、本発明の
フェノール性水酸基を持つ反応性ポリアミドを実用上充
分な収率で得られなかった。
【0029】この様な製造上の問題に対して、フェノー
ル性水酸基を有するジカルボン酸とジアミンとの重縮合
を、亜リン酸エステルとピリジン誘導体との存在下に行
うことにより、容易に上記構造を有する芳香族ポリアミ
ド共重合体を得られることを見いだした。本発明の芳香
族ポリアミド共重合体の製造方法は、末端アミノアリー
ル基のオルト位に少なくとも一個のアルキル基を有する
芳香族ジアミン化合物と、フェノール性水酸基を有する
ジカルボン酸とを、亜燐酸エステルとピリジン誘導体と
の存在下で重縮合させることを特徴としている。
【0030】本発明の製造方法によれば、官能基である
フェノール性水酸基を保護することなしに、さらにフェ
ノール性水酸基と他の反応基、例えばカルボキシル基や
アミノ基との反応を起こすことなしに、直鎖状の芳香族
ポリアミド共重合体を容易に製造できる。また、本発明
の製造方法によれば、重縮合に際して高温を必要としな
い、すなわち約150℃以下で重縮合可能であるという
さらなる利点も有する。
【0031】以下、本発明の芳香族ポリアミド共重合体
の製造方法についてより詳しく説明する。本発明の製造
方法で使用される、末端アミノアリール基のオルト位に
少なくとも一個のアルキル基を有する芳香族ジアミン化
合物としては、例えば、2,2’−ビス−(4−アミノ
フェニル)−プロパン、2,2’−ビス(3,5−ジメ
チル−4−アミノフェニル)−プロパン、2,2’−ビ
ス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)−プロパ
ン、2,2’−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ア
ミノフェニル)−プロパン、2,2’−ビス−(4−ア
ミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロパン、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4
−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロプロパン、2,2’−ビス(3,5−ジエチル
−4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロプロパン、および2,2’−ビス(3,5
−ジイソプロピル−4−アミノフェニル)−1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等を挙げるこ
とができる。特に、上記一般式(1)におけるqが1、
そしてR2 がメチレン基であり、かつ一般式(2)にお
けるR2 がメチレン基である、芳香族ポリアミド共重合
体を得るには、ビス(4−アミノ−3−メチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェ
ニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジエチルフェ
ニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−プロピルフェニ
ル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジプロピルフ
ェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3−イソプロピル
フェニル)メタン、およびビス(4−アミノ−3,5−
ジイソプロピルフェニル)メタン等の芳香族ジアミン化
合物を使用することが好ましい。本発明の芳香族ポリア
ミド共重合体の製造方法において使用される芳香族ジア
ミン化合物を以上のとおり例示したが、これらに限定さ
れるものではない。また、これら芳香族ジアミン類は単
独で使用することもできるし、複数種類を混合して併用
することもできる。
【0032】上記フェノール性水酸基を有するジカルボ
ン酸は、芳香族基にカルボキシル基とフェノール性水酸
基とを持つ化合物であればどのような化合物でも良く、
特に限定されるものではない。その具体例としては、例
えば、5−ヒドロキシイソフタル酸、4−ヒドロキシイ
ソフタル酸、2−ヒドロキシイソフタル酸、2−ヒドロ
キシテレフタル酸、2,3−ジヒドロキシテレフタル
酸、2,5−ジヒドロキシテレフタル酸、およびその誘
導体を例示することができるが、これらに限定されるも
のではない。これら芳香族ジカルボン酸は単独で使用す
ることもできるし、複数種類を混合して併用することも
できる。
【0033】本発明の製造方法では、上記フェノール性
水酸基を有するジカルボン酸の他に、必要に応じて、フ
ェノール性水酸基を有しないジカルボン酸を添加するこ
ともできる。その添加可能なジカルボン酸としては、例
えば、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4’−ビフェ
ニルジカルボン酸、3,3’−メチレン二安息香酸、
4,4’−メチレン二安息香酸、4,4’−オキシ二安
息香酸、4,4’−チオ二安息香酸、3,3’−カルボ
ニル二安息香酸、4,4’−カルボニル二安息香酸、
4,4’−スルホニル二安息香酸、1,4−ナフタレン
ジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、エチレンジアミンビスフ
タルイミド−4,4’−ジカルボン酸等の芳香族カルボ
ン酸およびその誘導体を例示することができる。しかし
ながら、これらに限定されるものではない。上記フェノ
ール性水酸基を有しないジカルボン酸を添加する場合、
フェノール性水酸基を持つ芳香族ジカルボン酸を、全カ
ルボン酸に対して5モル%以上含有させることが好まし
い。5モル%より少ないと、芳香族ポリアミド共重合体
が有するフェノール性水酸基が少ないため、芳香族ポリ
アミド共重合体の反応性が充分でなくなるので好ましく
ない。
【0034】上記亜リン酸エステルとしては、亜リン酸
トリフェニル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸トリ−o
−トリル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸トリ−m
−トリル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸トリ−p
−トリル、亜リン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ジ−o−
クロロフェニル、亜リン酸トリ−p−クロロフェニル、
亜リン酸ジ−p−クロロフェニル等があげることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0035】上記亜リン酸エステルと共に使用するピリ
ジン誘導体としては、ピリジン、2−ピコリン、3−ピ
コリン、4−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ル
チジン、3,5−ルチジン等を例示することができる。
【0036】本発明の製造方法において使用される縮合
剤は、上記亜リン酸エステルとピリジン誘導体とである
が、ピリジン誘導体は有機溶媒に添加して混合溶媒とし
て用いられるのが一般的である。上記有機溶媒として
は、亜リン酸エステルと実質的に反応せず、かつ上記芳
香族ジアミン化合物と上記ジカルボン酸とを良好に溶解
させる性質を有する他、反応生成物である芳香族ポリア
ミド共重合体に対する良溶媒であることが望ましい。こ
のような有機溶媒として代表的なものは、N−メチルピ
ロリドンやジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒であ
る。特に、ピリジン誘導体とN−メチル−2−ピロリド
ンとからなる混合溶媒が好ましい。通常、混合溶媒10
0重量%に対して、ピリジン誘導体を5〜30重量%の
割合で添加した混合溶媒が使用される。
【0037】重合度の大きい芳香族ポリアミド共重合体
を得るには、上記亜リン酸エステルとピリジン誘導体と
の他に、塩化リチウム、塩化カルシウムによって代表さ
れる無機塩類を添加することが好ましい。
【0038】以下、本発明の芳香族ポリアミド共重合体
の製造方法をより具体的に説明する。まず、ピリジン誘
導体を含む有機溶媒からなる混合溶媒中に亜リン酸エス
テルを添加し、その後フェノール性水酸基をもつジカル
ボン酸類と、該ジカルボン酸類100モル%に対して5
0〜200モル%の芳香族ジアミン類を添加し、ついで
窒素等の不活性雰囲気下で加熱撹拌することにより芳香
族ポリアミド共重合体を含有する混合物を容易に得るこ
とができる。反応終了後、反応混合物をメタノールおよ
びヘキサン等の非溶媒中に投じて生成重合体を分離した
後、再沈澱法により精製を行って副生成物や無機塩類等
を除去することにより、本発明の芳香族ポリアミド共重
合体を得ることができる。
【0039】上記製造方法において縮合剤である亜リン
酸エステルの添加量は、通常、カルボキシル基に対して
等モル量以上であるが、30倍モル量以上の使用は経済
的に得策ではない。ピリジン誘導体の量は、カルボキシ
ル基に対して等モル量以上であることが必要であるが、
実際には反応溶媒としての役割を兼ねて、大過剰使用さ
れることが多い。上記ピリジン誘導体と有機溶媒とから
なる混合溶媒の使用量は、理論上得られる芳香族ポリア
ミド共重合体100重量%に対して、5〜30重量%と
なるような範囲が好ましい。反応温度は、通常の場合、
60〜180℃の範囲が好ましい。反応時間は反応温度
により大きく影響されるが、いかなる場合にも最高の重
合度を意味する最高粘度が得られるまで反応系を撹拌す
るのが好ましく、一般には数分から20時間である。上
記好ましい反応条件下で、フェノール性水酸基をもつジ
カルボン酸類と、芳香族ジアミン類とを等モル量使用す
ると、2〜100程度という最も好ましい平均重合度を
有する芳香族ポリアミド共重合体を得ることができる。
【0040】上記好ましい平均重合度を有する芳香族ポ
リアミド共重合体の固有粘度値(30℃における0.5
g/dlのN,N−ジメチルアセトアミド溶液で測定)
は、0.1〜4.0dl/gの範囲にある。一般に、好
ましい平均重合度を有するか否かは、固有粘度値を参照
することにより判断する。固有粘度値が0.1dl/g
より小さいと、成膜性や芳香族ポリアミド樹脂としての
性質出現が不充分であるため、好ましくない。逆に、固
有粘度値が4.0dl/gより大きいと、重合度が高す
ぎ、溶剤溶解性が悪くなり、かつ成型加工性が悪くなる
ため、取扱い難くなるという問題が発生する。
【0041】芳香族ポリアミド共重合体の重合度を調製
する簡便な方法としては、芳香族ジアミン類と芳香族ジ
カルボン酸類とのどちらか一方を過剰に使用する方法を
挙げることができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例を参照して本発明の芳香族ポリ
アミド共重合体、その製造方法、それを含有する組成
物、およびその組成物からなる被膜をより詳細に述べる
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0043】(実施例1)100ml三口丸底フラスコ
に、5−ヒドロキシイソフタル酸1.821g(10ミ
リモル)、3,3’,5,5’−テトラエチルメチレン
ビスアニリン3.105g(10ミリモル)、塩化カル
シウム0.750g、塩化リチウム0.250g、N,
N−ジメチルアセトアミド20ml、ピリジン3ml、
亜リン酸トリフェニル6.205g(20ミリモル)を
それぞれ加え、乾燥窒素気流下、100℃、3時間重縮
合させた。これを室温まで放冷し、40mlのN,N−
ジメチルアセトアミドで希釈した後、800mlのメタ
ノール析出浴中に撹拌しながら注ぎ入れ、本実施例の芳
香族ポリアミド粉体を得た。この粗製ポリマーを常法に
より精製し、本実施例の芳香族ポリアミド共重合体を得
た。収量は4.47g(収率98%)、そして固有粘度
ηinh は0.45dl/g(30℃、N,N−ジメチル
アセトアミド中、オストワルド型粘度計にて測定)であ
った。なお、使用したカルボン酸は、5−ヒドロキシイ
ソフタル酸のみであるため、全カルボン酸に対するフェ
ノール性水酸基をもつ芳香族ジカルボン酸の割合は、1
00%である。また、得られた芳香族ポリアミド共重合
体の構造を調べたところ、上記一般式(1)で示される
構造単位からなるモノマーが約50モル%と、一般式
(2)で示される構造単位からなるモノマーが約50モ
ル%とから構成されていた。
【0044】(実施例2)100ml三口丸底フラスコ
中に5−ヒドロキシイソフタル酸0.364g(2ミリ
モル)、イソフタル酸1.329g(8ミリモル)、
3,3’,5,5’−テトラエチルメチレンビスアニリ
ン3.105g(10ミリモル)、塩化カルシウム0.
750g、塩化リチウム0.250g、N,N−ジメチ
ルアセトアミド20ml、ピリジン3ml、および亜リ
ン酸トリフェニル6.205g(20ミリモル)を加
え、乾燥窒素気流下、100℃、3時間重縮合させた。
これを室温まで放冷し、40mlのN,N−ジメチルア
セトアミドで希釈した後、800mlのメタノール析出
浴中に撹拌しながら注ぎ入れ、本実施例の芳香族ポリア
ミド粉体を得た。この粗製ポリマーを常法により精製し
た。収量は4.39g(収率99%)、そして固有粘度
ηinh は0.41dl/g(30℃、N,N−ジメチル
アセトアミド中、オストワルド型粘度計にて測定)であ
った。なお、使用したカルボン酸は、5−ヒドロキシイ
ソフタル酸2ミリモルとイソフタル酸8ミリモルとであ
るため、全カルボン酸に対するフェノール性水酸基をも
つ芳香族ジカルボン酸の割合は、20%である。また、
得られた芳香族ポリアミド共重合体の構造を調べたとこ
ろ、上記一般式(1)で示される構造単位からなるモノ
マーが約20モル%と、一般式(2)で示される構造単
位からなるモノマーが約80モル%とから構成されてい
た。
【0045】(実施例3)実施例1で使用した3,
3’,5,5’−テトラエチルメチレンビスアニリン
3.105g(10ミリモル)を3,3’−ジエチル−
5,5’−ジメチルメチレンビスアニリン2.905g
(10ミリモル)に変更した以外は同様に合成した。収
量は4.11g(収率99%)、そして固有粘度ηinh
は0.46dl/g(30℃、N,N−ジメチルアセト
アミド中、オストワルド型粘度計にて測定)であった。
なお、使用したカルボン酸は、5−ヒドロキシイソフタ
ル酸のみであるため、全カルボン酸に対するフェノール
性水酸基をもつ芳香族ジカルボン酸の割合は、100%
である。また、得られた芳香族ポリアミド共重合体の構
造を調べたところ、上記一般式(1)で示される構造単
位からなるモノマーが約100モル%と、一般式(2)
で示される構造単位からなるモノマーが約0モル%とか
ら構成されていた。
【0046】(実施例4)実施例2の3,3’,5,
5’−テトラエチルメチレンビスアニリン3.105g
(10ミリモル)を3,3’−ジエチル−5,5’−ジ
メチルメチレンビスアニリン2.905g(10ミリモ
ル)に変更した以外は同様に合成した。収量は4.23
g(収率93%)、固有粘度ηinh は0.41dl/g
(30℃、N,N−ジメチルアセトアミド中、オストワ
ルド型粘度計にて測定)であった。なお、使用したカル
ボン酸は、5−ヒドロキシイソフタル酸2ミリモルとイ
ソフタル酸8ミリモルとであるため、全カルボン酸に対
するフェノール性水酸基をもつ芳香族ジカルボン酸の割
合は、20%である。また、得られた芳香族ポリアミド
共重合体の構造を調べたところ、上記一般式(1)で示
される構造単位からなるモノマーが約20モル%と、一
般式(2)で示される構造単位からなるモノマーが約8
0モル%とから構成されていた。
【0047】(実施例5)実施例1の5−ヒドロキシイ
ソフタル酸1.821g(10ミリモル)を4−ヒドロ
キシイソフタル酸1.821g(10ミリモル)に変更
した以外は同様に合成した。収量は4.43g(収率9
7%)、そして固有粘度ηinh は0.45dl/g(3
0℃、N,N−ジメチルアセトアミド中、オストワルド
型粘度計にて測定)であった。なお、使用したカルボン
酸は、5−ヒドロキシイソフタル酸のみであるため、全
カルボン酸に対するフェノール性水酸基をもつ芳香族ジ
カルボン酸の割合は、100%である。また、得られた
芳香族ポリアミド共重合体の構造を調べたところ、上記
一般式(1)で示される構造単位からなるモノマーが約
100モル%と、一般式(2)で示される構造単位から
なるモノマーが約0モル%とから構成されていた。
【0048】(実施例6)実施例1の5−ヒドロキシイ
ソフタル酸1.821g(10ミリモル)を2−ヒドロ
キシテレフタル酸1.821g(10ミリモル)に変更
した以外は同様に合成した。収量は4.40g(収率9
6%)、そして固有粘度ηinh は0.39dl/g(3
0℃、N,N−ジメチルアセトアミド中、オストワルド
型粘度計にて測定)であった。なお、使用したカルボン
酸は、5−ヒドロキシイソフタル酸のみであるため、全
カルボン酸に対するフェノール性水酸基をもつ芳香族ジ
カルボン酸の割合は、100%である。また、得られた
芳香族ポリアミド共重合体の構造を調べたところ、上記
一般式(1)で示される構造単位からなるモノマーが約
100モル%と、一般式(2)で示される構造単位から
なるモノマーが約0%とから構成されていた。
【0049】(実施例7)実施例1で使用した塩化カル
シウム0.750g、および塩化リチウム0.250g
を使用しない以外は同様にして合成した。収量は4.1
1g(収率99%)、そして固有粘度ηinh は0.15
dl/g(30℃、N,N−ジメチルアセトアミド中、
オストワルド型粘度計にて測定)であった。なお、使用
したカルボン酸は、5−ヒドロキシイソフタル酸のみで
あるため、全カルボン酸に対するフェノール性水酸基を
もつ芳香族ジカルボン酸の割合は、100%である。ま
た、得られた芳香族ポリアミド共重合体の構造を調べた
ところ、上記一般式(1)で示される構造単位からなる
モノマーが100モル%と、一般式(2)で示される構
造単位からなるモノマーが0モル%とから構成されてい
た。
【0050】(比較例1)実施例1の3,4’−オキシ
ジアニリン2.003g(10ミリモル)に変更した以
外は同様に合成した。収量3.29g(収率95%)、
固有粘度ηinh は0.46dl/g(30℃、N,N−
ジメチルアセトアミド中、オストワルド型粘度計にて測
定)であった。なお、使用したカルボン酸は、5−ヒド
ロキシイソフタル酸のみであるため、全カルボン酸に対
するフェノール性水酸基をもつ芳香族ジカルボン酸の割
合は、100%である。また、得られた芳香族ポリアミ
ド共重合体の構造を調べたところ、上記一般式(1)で
示される構造単位からなるモノマーが100モル%と、
一般式(2)で示される構造単位からなるモノマーが0
モル%とから構成されていた。
【0051】(比較例2)実施例2で使用した5−ヒド
ロキシイソフタル酸を添加しない以外は同様に合成し
た。収量は4.39g(収率99%)、そして固有粘度
ηinh は0.14dl/g(30℃、N,N−ジメチル
アセトアミド中、オストワルド型粘度計にて測定)であ
った。なお、使用したカルボン酸は、イソフタル酸のみ
であるため、全カルボン酸に対するフェノール性水酸基
をもつ芳香族ジカルボン酸の割合は、0%である。ま
た、得られた芳香族ポリアミド共重合体の構造を調べた
ところ、上記一般式(1)で示される構造単位からなる
モノマーが0モル%であり、一般式(2)で示される構
造単位からなるモノマー100モル%で構成されてい
た。
【0052】実施例1から7、および比較例1および2
で得られた芳香族ポリアミド共重合体をN−メチルピロ
リドン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、1、
4−ジオキサンに添加し、溶解するか否かを観察した。
溶剤溶解性試験の結果を表1に示す。ただし、表1中、
○は可溶を、△は一部可溶を、そして×は不溶を意味す
るものとする。
【0053】
【表1】
【0054】(実施例8)メカニカルスターラー、玉入
り冷却器、塩化カルシウム管、および窒素導入管を取り
付けた200mlの三口丸底フラスコに、5−ヒドロキ
シイソフタル酸3.642g(20ミリモル)、3、
3’、5、5’−テトラエチル−4、4’−ジアミノジ
フェニルメタン6.209g(20ミリモル)、塩化カ
ルシウム2.02g、塩化リチウム0.66g、N−メ
チル−2−ピロリドン120ml、ピリジン6ml、亜
燐酸トリフェニル12.41g(40ンミリモル)を入
れ、窒素雰囲気下120℃で4時間攪拌した。攪拌後、
室温まで冷却した反応溶液をメタノールと蒸留水との混
合析出溶媒に投入した。得られた樹脂組成物をメタノー
ルと蒸留水とからなる混合溶媒で洗浄し、本合成例の芳
香族ポリアミド樹脂を得た。収率は91%であり、固有
粘度ηinh は0.60dl/g(硫酸、30℃)であっ
た。
【0055】(実施例9)実施例8で合成した芳香族ポ
リアミド樹脂1gに、メタノール19gを加えて、樹脂
含有量が5重量%である透明な、本実施例に係る組成物
を得た。本実施例の組成物は、溶媒中に芳香族ポリアミ
ド樹脂が完全に溶解した。 (実施例10)実施例8で合成した芳香族ポリアミド樹
脂2gに、エタノール18gを加えて、樹脂含有量が1
0重量%である透明な、本実施例に係る組成物を得た。
本実施例の組成物は、溶媒中に芳香族ポリアミド樹脂が
完全に溶解した。 (実施例11)実施例8で合成した芳香族ポリアミド樹
脂3gに、プロパノール17gを加えて、樹脂含有量が
15重量%である透明な、本実施例に係る組成物を得
た。本実施例の組成物は、溶媒中に芳香族ポリアミド樹
脂が完全に溶解した。 (実施例12)実施例8で合成した芳香族ポリアミド樹
脂4gに、メタノール8g、およびテトラヒドロフラン
8gを加えて、樹脂含有量が20重量%である透明な、
本実施例に係る組成物を得た。本実施例の組成物は、溶
媒中に芳香族ポリアミド樹脂が完全に溶解した。 (実施例13)実施例8で合成した芳香族ポリアミド樹
脂2gに、メタノール9g、およびクロロホルム9gを
加えて、樹脂含有量が10重量%である透明な、本実施
例に係る組成物を得た。本実施例の組成物は、溶媒中に
芳香族ポリアミド樹脂が完全に溶解した。 (実施例14)実施例8で合成した芳香族ポリアミド樹
脂2gに、メタノール9g、およびベンゼン9gを加え
て、樹脂含有量が10重量%である透明な、本実施例に
係る組成物を得た。本実施例の組成物は、溶媒中に芳香
族ポリアミド樹脂が完全に溶解した。
【0056】(実施例15)メカニカルスターラー、玉
入り冷却器、塩化カルシウム管、および窒素導入管を取
り付けた200mlの三口丸底フラスコに、5−ヒドロ
キシイソフタル酸3.280g(28ミリモル)、イソ
フタル酸0.332g(2ミリモル)、3、3’、5、
5’−テトラエチル−4、4’−ジアミノジフェニルメ
タン6.209g(20ミリモル)、塩化カルシウム
2.02g、塩化リチウム0.66g、N−メチル−2
−ピロリドン120ml、ピリジン6ml、亜燐酸トリ
フェニル12.41g(40ンミリモル)を入れ、窒素
雰囲気下120℃で4時間攪拌した。攪拌後、室温まで
冷却した反応溶液をメタノールと蒸留水との混合析出溶
媒に投入した。得られた樹脂組成物をメタノールと蒸留
水とからなる混合溶媒で洗浄し、本合成例の芳香族ポリ
アミド樹脂を得た。収率は89%であり、固有粘度η
inh は0.58dl/g(硫酸、30℃)であった。
【0057】(実施例16)実施例14で合成した芳香
族ポリアミド樹脂0.2gに、メタノール9.8gを加
えて、樹脂含有量が2重量%である透明な、本実施例に
係る組成物を得た。本実施例の組成物は、溶媒中に芳香
族ポリアミド樹脂が完全に溶解した。 (実施例17)実施例14で合成した芳香族ポリアミド
樹脂0.2gに、エタノール9.8gを加えて、樹脂含
有量が2重量%である透明な、本実施例に係る組成物を
得た。本実施例の組成物は、溶媒中に芳香族ポリアミド
樹脂が完全に溶解した。 (実施例18)実施例14で合成した芳香族ポリアミド
樹脂0.5gに、プロパノール9.5gを加えて、樹脂
含有量が5重量%である透明な、本実施例に係る組成物
を得た。本実施例の組成物は、溶媒中に芳香族ポリアミ
ド樹脂が完全に溶解した。 (実施例19)実施例14で合成した芳香族ポリアミド
樹脂0.6gに、メタノール4.7g、およびテトラヒ
ドロフラン4.7gを加えて、樹脂含有量が6重量%で
ある透明な、本実施例に係る組成物を得た。本実施例の
組成物は、溶媒中に芳香族ポリアミド樹脂が完全に溶解
した。 (実施例20)実施例14で合成した芳香族ポリアミド
樹脂0.6gに、メタノール4.7g、およびクロロホ
ルム4.7gを加えて、樹脂含有量が6重量%である透
明な、本実施例に係る組成物を得た。本実施例の組成物
は、溶媒中に芳香族ポリアミド樹脂が完全に溶解した。 (実施例21)実施例14で合成した芳香族ポリアミド
樹脂0.6gに、メタノール4.7g、およびベンゼン
4.7gを加えて、樹脂含有量が6重量%である透明
な、本実施例に係る組成物を得た。本実施例の組成物
は、溶媒中に芳香族ポリアミド樹脂が完全に溶解した。
【0058】(実施例22)実施例10で調製した溶液
組成物10gを、20cm×20cmのガラス板に塗布
し、40℃、60℃、80℃、100℃でそれぞれ1時
間づつ加熱乾燥し、厚さ約30ミクロンの均一な被膜を
得た。この被膜は透明であった。セロハンテープによる
タック試験により、ガラス板に対して被膜は優れた接着
性を有していることが確認された。 (実施例23)実施例10で調製した溶液組成物10g
を、20cm×20cmのポリイミドフィルム(Du Pon
d 社製、商品名:カプトン)に塗布し、40℃、60
℃、80℃、100℃でそれぞれ1時間づつ加熱乾燥
し、厚さ約30ミクロンの均一な被膜を得た。この被膜
は透明であった。実施例22と同様に基板とフィルムと
の接着性をチェックしたところ、該ポリイミドフィルム
に対して優れた接着性を有していることが確認された。 (実施例24)実施例10で調製した溶液組成物10g
を、20cm×20cmの銅板に塗布し、40℃、60
℃、80℃、100℃でそれぞれ1時間づつ加熱乾燥
し、厚さ約30ミクロンの均一な被膜を得た。この被膜
は透明であった。実施例22と同様に基板とフィルムと
の接着性をチェックしたところ、該銅板に対して優れた
接着性を有していることが確認された。 (実施例25)実施例18で調製した溶液組成物10g
を、20cm×20cmのポリイミドフィルム(宇部興
産製、商品名:ユーピレックス−S)に塗布し、40
℃、60℃、80℃、100℃でそれぞれ1時間づつ加
熱乾燥し、厚さ約30ミクロンの均一な被膜を得た。こ
の被膜は透明であった。実施例22と同様に基板とフィ
ルムとの接着性をチェックしたところ、該ポリイミドフ
ィルムに対して優れた接着性を有していることが確認さ
れた。
【0059】(比較例3)メカニカルスターラー、玉入
り冷却器、塩化カルシウム管、および窒素導入管を取り
付けた200mlの三口丸底フラスコに、5−ヒドロキ
シイソフタル酸3.642g(20ミリモル)、4、
4’−オキシジアニリン4.005g(20ミリモ
ル)、塩化カルシウム2.02g、塩化リチウム0.6
6g、N−メチル−2−ピロリドン120ml、ピリジ
ン6ml、亜燐酸トリフェニル12.41g(40ンミ
リモル)を入れ、窒素雰囲気下120℃で4時間攪拌し
た。攪拌後、室温まで冷却した反応溶液をメタノールと
蒸留水との混合析出溶媒に投入した。得られた樹脂組成
物をメタノールと蒸留水とからなる混合溶媒で洗浄し、
本合成例の芳香族ポリアミド樹脂を得た。収率は92%
であり、固有粘度ηinh は0.61dl/g(硫酸、3
0℃)であった。得られたポリマーを種々の溶媒に添加
した。その結果、N、N−ジメチルアセトアミド、およ
びN−メチル−2−ピロリドンには可溶であるが、テト
ラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メタノール、アセ
トン、ベンゼン、およびこれらの混合溶媒には不溶であ
ることが確認された。
【0060】本実施例の芳香族ポリアミド共重合体は、
その分子構造中にフェノール性水酸基を備えているた
め、反応性に富んでいる。また、上記一般式(1)、
(2)におけるR、R1 の全てがアルキル基またはエチ
ル基なので、工業的に使用される汎用溶剤に可溶であ
る。このため、他の樹脂とのブレンド、アロイ化、さら
には分子複合化を容易に行える。したがって、本実施例
の芳香族ポリアミド共重合体は、従来の芳香族ポリアミ
ド樹脂の応用範囲を越えた有用性に満ちた樹脂となる。
【0061】本実施例の芳香族ポリアミド組成物は、ア
ルコール系溶媒、およびその他の汎用溶媒に芳香族ポリ
アミド共重合体が良好に溶解しているため、目的に応じ
た多様に成形することができ、加工性に優れている。
【0062】本実施例の芳香族ポリアミド共重合体の製
造方法は、末端アミノアリール基のオルト位に4個のア
ルキル基を有する芳香族ジアミン化合物と、5−ヒドロ
キシイソフタル酸とを、亜燐酸エステルとピリジンとの
存在下で重縮合させることを特徴とする製造方法である
ので、上記構造を有する芳香族ポリアミド共重合体を得
ることができた。
【0063】本実施例の被膜は上記本実施例の組成物を
含有してなるものであり、ガラス、ポリイミド、銅板か
らなる基板に塗布し、乾燥させて製造することができ
る。本実施例の被膜は、それら基板に対する接着性に優
れていた。
【0064】
【発明の効果】本発明の芳香族ポリアミド共重合体は、
末端アミノアリール基のオルト位に少なくとも一個のア
ルキル基を有する芳香族ジアミン化合物からなる下記一
般式(1)で示される繰り返し構造単位5〜100モル
%と、末端アミノアリール基のオルト位に少なくとも一
個のアルキル基を有する芳香族ジアミンからなる下記一
般式(2)で示される繰り返し構造単位0〜95モル%
とが、不規則に結合してなる固有粘度が0.1〜4.0
dl/gである芳香族ポリアミド共重合体である。
【0065】
【化5】
【0066】(ただし、上記一般式中、Arは2価の芳
香族基を示し、R,R1 は、Hまたは炭素数1から4ま
でのアルキル基、ただし同時にHである事は無い、を示
し、R2 は炭素数1から3のアルキレン基、ただしフッ
素原子で置換されても良い、を示し、qは1または2を
示す)上記構造からなる本発明の芳香族ポリアミド共重
合体は、その分子構造中にフェノール性水酸基を備えて
いるため、反応性に富んでいる。このため、他の樹脂と
のブレンド、アロイ化、さらには分子複合化を容易に行
える。また、上記一般式(1)、(2)におけるR、R
1 の少なくとも一個が炭素数が1から4までのアルキル
基なので、工業的に使用される汎用溶剤に可溶である。
したがって、本発明の芳香族ポリアミド共重合体は、従
来の芳香族ポリアミド樹脂の応用範囲を越えた有用性に
満ちた樹脂となる。
【0067】本発明の芳香族ポリアミド組成物は、下記
一般式(3)で示される芳香族ポリアミドと、アルコー
ル系溶媒を主成分とする溶媒とから構成されることを特
徴とする組成物である。
【0068】
【化6】
【0069】(ただし、上記一般式(3)中、Rは二価
の有機基を示し、R11およびR12はメチル基、エチル
基、イソプロピル基からなるグループから選択される基
を示し、mとnとはm+n=1、0≦m≦0.1、とい
う関係を満たし、lは10≦l≦10,000という関
係を満たす。)上記一般式(3)で示される芳香族ポリ
アミド共重合体は、従来の芳香族ポリアミド樹脂の優れ
た特性を失うことなく、諸低沸点汎用溶媒を使用して、
容易に被膜形成することができる。さらに、加熱するこ
となく、他成分と容易に混合させることもできる。
【0070】本発明の芳香族ポリアミド組成物は、上記
一般式(3)で示される芳香族ポリアミド共重合体と、
アルコール系溶媒とを含有している。本発明の組成物
は、アルコール系溶媒に芳香族ポリアミド共重合体が良
好に溶解しているため、目的に応じた多様に成形するこ
とができ、加工性に優れている。
【0071】本発明の芳香族ポリアミド共重合体の製造
方法は、末端アミノアリール基のオルト位に少なくとも
一個のアルキル基を有する芳香族ジアミン化合物と、フ
ェノール性水酸基を有するジカルボン酸とを、亜燐酸エ
ステルとピリジン誘導体との存在下で重縮合させること
を特徴とする製造方法である。亜燐酸エステルとピリジ
ン誘導体との存在下で重合させるので、官能基であるフ
ェノール性水酸基を保護することなしに、さらにフェノ
ール性水酸基と他の反応基、例えばカルボキシル基やア
ミノ基との反応を起こすことなしに、先に示したような
構造の規制された芳香族ポリアミド共重合体を容易に製
造できる。さらに、重縮合に際して高温を必要としない
というさらなる利点も有する。また、本発明の反応性ポ
リアミド共重合体の製造方法によれば、他のポリマーと
の相溶性が良く、取扱い性が優れているばかりでなく、
高い耐熱性、接着性、成膜性を有するため、利用範囲が
広い芳香族ポリアミド共重合体を提供することができ
る。
【0072】本発明の被膜は、上記本発明の組成物を含
有してなることを特徴とするので、芳香族ポリアミド共
重合体の優れた特性を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/10 KKV 5/16 KKX 5/20 5/32 KKY C08L 77/06 KKX C09D 177/10 PLS

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端アミノアリール基のオルト位に少な
    くとも一個のアルキル基を有する芳香族ジアミン化合物
    からなる下記一般式(1)で示される繰り返し構造単位
    5〜100モル%と、末端アミノアリール基のオルト位
    に少なくとも一個のアルキル基を有する芳香族ジアミン
    からなる下記一般式(2)で示される繰り返し構造単位
    0〜95モル%とが、不規則に結合してなる固有粘度が
    0.1〜4.0dl/gである芳香族ポリアミド共重合
    体。 【化1】 (ただし、上記一般式中、Arは2価の芳香族基を示
    し、R,R1 は、Hまたは炭素数1から4までのアルキ
    ル基、ただし同時にHである事は無い、を示し、R2
    炭素数1から3のアルキレン基、ただしフッ素原子で置
    換されても良い、を示し、qは1または2を示す)
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)におけるqが1、そし
    てR2 がメチレン基であり、かつ一般式(2)における
    2 がメチレン基であることを特徴とする請求項1記載
    の芳香族ポリアミド共重合体。
  3. 【請求項3】 下記一般式(3)で示される芳香族ポリ
    アミドと、アルコール系溶媒を主成分とする溶媒とから
    構成されることを特徴とする芳香族ポリアミド組成物。 【化2】 (ただし、上記一般式(3)中、Rは二価の有機基を示
    し、R11およびR12はメチル基、エチル基、イソプロピ
    ル基からなるグループから選択される基を示し、mとn
    とはm+n=1、0≦m≦0.1、という関係を満た
    し、lは10≦l≦10,000という関係を満た
    す。)
  4. 【請求項4】 前記アルコール系溶媒を主成分とする溶
    媒100重量%に対して、前記一般式(3)で示される
    芳香族ポリアミドが1〜60重量%の割合で含有されて
    いることを特徴とする請求項3記載の芳香族ポリアミド
    組成物。
  5. 【請求項5】 前記アルコール系溶媒の主成分であるア
    ルコールが、炭素数1〜5までの直鎖アルコールである
    ことを特徴とする請求項4記載の芳香族ポリアミド組成
    物。
  6. 【請求項6】 前記アルコール系溶媒の主成分であるア
    ルコールが、分子鎖中にエーテル結合を含む直鎖アルコ
    ールであることを特徴とする請求項4記載の芳香族ポリ
    アミド組成物。
  7. 【請求項7】 前記一般式(3)で示されるポリアミド
    と、 アルコール系溶媒と、 アミド系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲ
    ン系溶媒、ニトロ系溶媒、ニトリル系溶媒、アミン系溶
    媒、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、および脂肪族系溶
    媒からなるグループから選択される少なくとも1種類以
    上の溶媒とからなることを特徴とする請求項3から請求
    項6までのいずれか1項に記載の芳香族ポリアミド組成
    物。
  8. 【請求項8】 前記アミド系溶媒が、N、N−ジメチル
    ホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N−メ
    チル−2−ピロリドン、およびN、N’−ジメチルイミ
    ダゾリジノンからなるグループから選択される少なくと
    も1種類以上のアミド化合物を含有することを特徴とす
    る請求項7記載の芳香族ポリアミド組成物。
  9. 【請求項9】 前記エステル系溶媒が、酢酸エチル、プ
    ロピオン酸エチル、およびイソ酪酸イソブチルからなる
    グループから選択される少なくとも1種類以上のエステ
    ル化合物を含有することを特徴とする請求項7記載の芳
    香族ポリアミド組成物。
  10. 【請求項10】 前記ケトン系溶媒が、アセトン、メチ
    ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびシク
    ロヘキサノンからなるグループから選択される少なくと
    も1種類以上のケトン化合物を含有することを特徴とす
    る請求項7記載の芳香族ポリアミド組成物。
  11. 【請求項11】 前記ハロゲン系溶媒が、クロロホル
    ム、ジクロロメタン、1、1、2、2、−テトラクロロ
    エタン、およびクロロベンゼンからなるグループから選
    択される少なくとも1種類以上のハロゲン化合物を含有
    することを特徴とする請求項7記載の芳香族ポリアミド
    組成物。
  12. 【請求項12】 前記ニトロ系溶媒が、ニトロベンゼ
    ン、ニトエロエタン、およびo−ニトロアニソールから
    なるグループから選択される少なくとも1種類以上のニ
    トロ化合物を含有することを特徴とする請求項7記載の
    芳香族ポリアミド組成物。
  13. 【請求項13】 前記ニトリル系溶媒が、アセトニトリ
    ル、プロピオニトリル、およびベンゾニトリルからなる
    グループから選択される少なくとも1種類以上のニトリ
    ル化合物を含有することを特徴とする請求項7記載の芳
    香族ポリアミド組成物。
  14. 【請求項14】 前記エーテル系溶媒が、ジエチルエー
    テル、テトラヒドロフラン、およびジオキサンからなる
    グループから選択される少なくとも1種類以上のエーテ
    ル化合物を含有することを特徴とする請求項7記載の芳
    香族ポリアミド組成物。
  15. 【請求項15】 前記芳香族系溶媒が、ベンゼン、トル
    エン、キシレン、およびテトラリンからなるグループか
    ら選択される少なくとも1種類以上の芳香族化合物を含
    有することを特徴とする請求項7記載の芳香族ポリアミ
    ド組成物。
  16. 【請求項16】 前記ケトン系溶媒が、ペンタン、ヘキ
    サン、シクロヘキサン、およびデカリンからなるグルー
    プから選択される少なくとも1種類以上のケトン化合物
    を含有することを特徴とする請求項7記載の芳香族ポリ
    アミド組成物。
  17. 【請求項17】 末端アミノアリール基のオルト位に少
    なくとも一個のアルキル基を有する芳香族ジアミン化合
    物と、フェノール性水酸基を有するジカルボン酸とを、
    亜燐酸エステルとピリジン誘導体との存在下で重縮合さ
    せることを特徴とする芳香族ポリアミド共重合体の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 請求項3から16までのいずれか1項
    に記載の組成物を含有してなることを特徴とする被膜。
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