JPH081414B2 - 高分離度の分析を行うための方法と装置 - Google Patents
高分離度の分析を行うための方法と装置Info
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- JPH081414B2 JPH081414B2 JP3318140A JP31814091A JPH081414B2 JP H081414 B2 JPH081414 B2 JP H081414B2 JP 3318140 A JP3318140 A JP 3318140A JP 31814091 A JP31814091 A JP 31814091A JP H081414 B2 JPH081414 B2 JP H081414B2
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- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N5/00—Analysing materials by weighing, e.g. weighing small particles separated from a gas or liquid
- G01N5/04—Analysing materials by weighing, e.g. weighing small particles separated from a gas or liquid by removing a component, e.g. by evaporation, and weighing the remainder
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N25/00—Investigating or analyzing materials by the use of thermal means
- G01N25/20—Investigating or analyzing materials by the use of thermal means by investigating the development of heat, i.e. calorimetry, e.g. by measuring specific heat, by measuring thermal conductivity
- G01N25/48—Investigating or analyzing materials by the use of thermal means by investigating the development of heat, i.e. calorimetry, e.g. by measuring specific heat, by measuring thermal conductivity on solution, sorption, or a chemical reaction not involving combustion or catalytic oxidation
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- G01N25/4826—Details not adapted to a particular type of sample concerning the heating or cooling arrangements
- G01N25/4833—Details not adapted to a particular type of sample concerning the heating or cooling arrangements specially adapted for temperature scanning
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Description
【0001】本特許出願は,1991年1月8日付け提
出の特許出願第07/638,847号の一部継続出願
である。
出の特許出願第07/638,847号の一部継続出願
である。
【0002】本発明は,物質のサンプルの組成,相,構
造,又は他の特性を求めるための分析法に関する。
造,又は他の特性を求めるための分析法に関する。
【0003】熱的分析法は,一般には物理的パラメータ
ーをサンプルの温度の関数として測定することにより行
われる。分析操作の全体を通して,サンプルの温度が厳
密に制御される。サンプルが化学的又は物理的変換を受
けるときは常に,物理的パラメーターに影響を与える相
変化や他の変化(transition)が測定され,
従って当該物理的パラメーターの変化により,サンプル
の組成,構造,又は熱安定性の分析が可能になると考え
られる。
ーをサンプルの温度の関数として測定することにより行
われる。分析操作の全体を通して,サンプルの温度が厳
密に制御される。サンプルが化学的又は物理的変換を受
けるときは常に,物理的パラメーターに影響を与える相
変化や他の変化(transition)が測定され,
従って当該物理的パラメーターの変化により,サンプル
の組成,構造,又は熱安定性の分析が可能になると考え
られる。
【0004】よく知られている1つの熱的分析法は熱重
量分析法(“TGA”)である。TGAは,物質の重量
変化を温度の関数として,又は制御された温度にて時間
の関数として測定する熱的分析法である。標準的なTG
A法では,サンプルを一定の温度上昇速度で加熱(通常
は1分当たり10〜50℃)しつつ,サンプルの重量変
化もしくは重量変化率が温度に対して記録される。
量分析法(“TGA”)である。TGAは,物質の重量
変化を温度の関数として,又は制御された温度にて時間
の関数として測定する熱的分析法である。標準的なTG
A法では,サンプルを一定の温度上昇速度で加熱(通常
は1分当たり10〜50℃)しつつ,サンプルの重量変
化もしくは重量変化率が温度に対して記録される。
【0005】他の熱的分析法としては,示差熱分析法
(DTA),示差走査熱分析法(DSC),圧力差走査
熱分析法(PDSC),サーモメカニカル分析法(TM
A),ダイナミックメカニカル分析法(DMA),ダイ
ナミックメカニカルスペクトロメトリー(DMS),誘
電分析法(DEA),示差フォトカロリメトリー(DP
C),熱伝導率分析法(TCA),及びこれら分析法の
同時的な組み合わせ等がある。
(DTA),示差走査熱分析法(DSC),圧力差走査
熱分析法(PDSC),サーモメカニカル分析法(TM
A),ダイナミックメカニカル分析法(DMA),ダイ
ナミックメカニカルスペクトロメトリー(DMS),誘
電分析法(DEA),示差フォトカロリメトリー(DP
C),熱伝導率分析法(TCA),及びこれら分析法の
同時的な組み合わせ等がある。
【0006】示差走査熱分析法では,物質の変化に伴う
温度と熱移動を時間と温度の関数として測定する。これ
らの測定値は,発熱プロセスや吸熱プロセス,又は熱容
量の変化等を含んだサンプルの変化についての定量的及
び定性的情報を提供する。圧力差走査熱分析法はこれに
関連した分析法であって,変化の際の熱移動と温度が,
制御された圧力下にて温度の関数として測定される。
温度と熱移動を時間と温度の関数として測定する。これ
らの測定値は,発熱プロセスや吸熱プロセス,又は熱容
量の変化等を含んだサンプルの変化についての定量的及
び定性的情報を提供する。圧力差走査熱分析法はこれに
関連した分析法であって,変化の際の熱移動と温度が,
制御された圧力下にて温度の関数として測定される。
【0007】示差熱分析法では,DSCの場合と同じよ
うに,物質の変化に伴う温度と熱移動を時間と温度の関
数として測定する。しかしながら,DSCとは異なり,
DTAにより得られる結果は半定量的である。DTA
は,一般的にはDSCより高い温度で行われる。
うに,物質の変化に伴う温度と熱移動を時間と温度の関
数として測定する。しかしながら,DSCとは異なり,
DTAにより得られる結果は半定量的である。DTA
は,一般的にはDSCより高い温度で行われる。
【0008】サーモメカニカル分析法では,物質の線形
変化又は容積変化を,制御された応力下もしくは制御さ
れた歪下における温度の関数として測定する。
変化又は容積変化を,制御された応力下もしくは制御さ
れた歪下における温度の関数として測定する。
【0009】ダイナミックメカニカル分析法及びダイナ
ミックメカニカルスペクトロメトリーでは,間欠的な応
力下にて変形を受けるときの物質の機械的特性を温度の
関数として測定する。
ミックメカニカルスペクトロメトリーでは,間欠的な応
力下にて変形を受けるときの物質の機械的特性を温度の
関数として測定する。
【0010】誘電分析法では,物質の誘電特性を温度の
関数として測定する。
関数として測定する。
【0011】示差フォトカロリメトリーでは,サンプル
と不活性標準物を既知の波長と輻射照度をもつ輻射線に
同時に暴露したときに,サンプルにより吸収される熱も
しくはサンプルが放出する熱を測定する。
と不活性標準物を既知の波長と輻射照度をもつ輻射線に
同時に暴露したときに,サンプルにより吸収される熱も
しくはサンプルが放出する熱を測定する。
【0012】熱伝導率分析法では,物質の熱伝導率を温
度の関数として測定する。
度の関数として測定する。
【0013】従来の熱的分析法では限られた分離度しか
得られない。なぜなら,従来の熱的分析では時間と温度
が同時に変化するからである。化学的・物理的変換は時
間依存性があるので(瞬間的ではない),実際には時間
の関数として生じる変化が温度の関数として起こるもの
として記録される。
得られない。なぜなら,従来の熱的分析では時間と温度
が同時に変化するからである。化学的・物理的変換は時
間依存性があるので(瞬間的ではない),実際には時間
の関数として生じる変化が温度の関数として起こるもの
として記録される。
【0014】TGAは,化合物の熱分解を観察するのに
特に有用である。充分に分け隔てられた温度で個別の熱
分解が起こるとき,各変化における1分当たりの重量変
化率から,サンプル組成についての定量的な情報が得ら
れる。しかしながら,従来のTGAでは限られた分離度
しか得られないため,複数の分解変化が重なり合ったり
又はある温度範囲にわたって現れることがしばしばあ
る。このことは,重量変化と反応温度の正確な測定値を
得る能力を実質的に減じることになる。
特に有用である。充分に分け隔てられた温度で個別の熱
分解が起こるとき,各変化における1分当たりの重量変
化率から,サンプル組成についての定量的な情報が得ら
れる。しかしながら,従来のTGAでは限られた分離度
しか得られないため,複数の分解変化が重なり合ったり
又はある温度範囲にわたって現れることがしばしばあ
る。このことは,重量変化と反応温度の正確な測定値を
得る能力を実質的に減じることになる。
【0015】周知の如く,かなりゆっくりしたTGA加
熱速度を使用すると,いくつかの重なり合った変化が分
かれるようになり,従って該分析法の分離度が向上す
る。エルデイ(Erdey)らによる米国特許第3,3
44,654号は,変化時における重量変化率を所定の
最大値に限定するために加熱速度を遅くする,という準
静的法について開示している。かなりゆっくりした加熱
速度,又はサンプルの重量変化により制御される加熱速
度を使用すると,変化の分離が改良されるけれども,こ
のような方法はまた,測定に必要とされるトータール時
間を実質的に増大させることになる。
熱速度を使用すると,いくつかの重なり合った変化が分
かれるようになり,従って該分析法の分離度が向上す
る。エルデイ(Erdey)らによる米国特許第3,3
44,654号は,変化時における重量変化率を所定の
最大値に限定するために加熱速度を遅くする,という準
静的法について開示している。かなりゆっくりした加熱
速度,又はサンプルの重量変化により制御される加熱速
度を使用すると,変化の分離が改良されるけれども,こ
のような方法はまた,測定に必要とされるトータール時
間を実質的に増大させることになる。
【0016】さらに,測定時間が増大すると,分析の精
度と信頼性が低下することとなる。例えば,高温に長時
間暴露されたサンプルは,酸化,変形,吸収,及び吸着
等のゆっくりした時間依存性の変化を受け,このことに
より分析上のエラーが引き起こされることがある。測定
時間の増大はさらに,計器のドリフト,周囲温度の変
動,湿度の変動,及び圧力変動によるさらなる問題も引
き起こす。分析時間が増大するにつれて,主電源電圧の
メカニカルな振動と変動が,分析の精度にますます影響
を与えるようになる。さらに,ゆっくりした温度上昇に
よって信号のピークが平らになるので,有効SN比が減
少する。
度と信頼性が低下することとなる。例えば,高温に長時
間暴露されたサンプルは,酸化,変形,吸収,及び吸着
等のゆっくりした時間依存性の変化を受け,このことに
より分析上のエラーが引き起こされることがある。測定
時間の増大はさらに,計器のドリフト,周囲温度の変
動,湿度の変動,及び圧力変動によるさらなる問題も引
き起こす。分析時間が増大するにつれて,主電源電圧の
メカニカルな振動と変動が,分析の精度にますます影響
を与えるようになる。さらに,ゆっくりした温度上昇に
よって信号のピークが平らになるので,有効SN比が減
少する。
【0017】F.パウリク(Paulik)とJ.パウ
リクによる「“準等温・準等圧の条件下での熱的分析に
よる検討(Thermoanalytical Exa
mination Under Quasi−Isot
hermal−−Quasi−Isobaric Co
nditions)”,サーモヒミカ・アクタ(The
rmochimica Acta),Vol.100
(1986),pp.23−59」と題する論文中に,
準静的法が詳細に説明されている。パウリクによる準等
温法では,サンプルの温度を調節することによってある
特定の重量変化率を保持しようとしている。
リクによる「“準等温・準等圧の条件下での熱的分析に
よる検討(Thermoanalytical Exa
mination Under Quasi−Isot
hermal−−Quasi−Isobaric Co
nditions)”,サーモヒミカ・アクタ(The
rmochimica Acta),Vol.100
(1986),pp.23−59」と題する論文中に,
準静的法が詳細に説明されている。パウリクによる準等
温法では,サンプルの温度を調節することによってある
特定の重量変化率を保持しようとしている。
【0018】用語の意味 本明細書で使用している“下流の分析法(downst
ream analytical techniqu
e)”とは,ガスクロマトグラフの流出液中における原
子種,分子種,又はイオン種の存在もしくは濃度を定量
的あるいは定性的に求めるために,ガスクロマトグラフ
ィーと連結して通常使用される分析法であり,例えば,
質量分光分析法,フーリエ変換赤外分光分析法,レーザ
ーダイオード分光分析法,水素炎イオン化検出器による
分析法,電子捕獲型検出器による分析法,光イオン化検
出器による分析法,炎光光度検出器による分析法,及び
化学ルミネセンス検出器による分析法などがある。
ream analytical techniqu
e)”とは,ガスクロマトグラフの流出液中における原
子種,分子種,又はイオン種の存在もしくは濃度を定量
的あるいは定性的に求めるために,ガスクロマトグラフ
ィーと連結して通常使用される分析法であり,例えば,
質量分光分析法,フーリエ変換赤外分光分析法,レーザ
ーダイオード分光分析法,水素炎イオン化検出器による
分析法,電子捕獲型検出器による分析法,光イオン化検
出器による分析法,炎光光度検出器による分析法,及び
化学ルミネセンス検出器による分析法などがある。
【0019】本明細書で使用している“駆動変数(dr
iving variable)”とは,物質に変化
(transition)をもたらすのに使用される独
立した物理的パラメーターを意味し,例えば,温度,圧
力,時間,加えた応力,又は入射輻射線の波長などがあ
る。例えば,TGAのような熱的分析法では,温度が駆
動変数である。
iving variable)”とは,物質に変化
(transition)をもたらすのに使用される独
立した物理的パラメーターを意味し,例えば,温度,圧
力,時間,加えた応力,又は入射輻射線の波長などがあ
る。例えば,TGAのような熱的分析法では,温度が駆
動変数である。
【0020】本明細書で使用している“特性付け物理的
パラメーター(characterizing phy
sical parameter)”とは,サンプルを
特性付けている従属した物理的パラメーターを意味し,
サンプルの重量,長さ,容積,誘電特性,機械的特性,
又は熱伝導率などがある。例えば,TGAにおいては,
特性付け物理的パラメーターはサンプルの重量変化率で
ある。サーモメカニカル分析法では,特性付け物理的パ
ラメーターは物質の線形変化もしくは容積変化である。
パラメーター(characterizing phy
sical parameter)”とは,サンプルを
特性付けている従属した物理的パラメーターを意味し,
サンプルの重量,長さ,容積,誘電特性,機械的特性,
又は熱伝導率などがある。例えば,TGAにおいては,
特性付け物理的パラメーターはサンプルの重量変化率で
ある。サーモメカニカル分析法では,特性付け物理的パ
ラメーターは物質の線形変化もしくは容積変化である。
【0021】本明細書で使用している分析法の“分離度
(resolution)”とは,異なる変化に関連し
た信号が,当該分析法により得られる分析データにおい
て物理的に分離できる程度を意味する。多くの変化が駆
動変数の密接に配置した値(closely spac
ed values)で起こるとき,こうした分析法の
特質が最も重要なポイントとなる。
(resolution)”とは,異なる変化に関連し
た信号が,当該分析法により得られる分析データにおい
て物理的に分離できる程度を意味する。多くの変化が駆
動変数の密接に配置した値(closely spac
ed values)で起こるとき,こうした分析法の
特質が最も重要なポイントとなる。
【0022】本明細書で使用している“信号ベースライ
ン(signal baseline)”とは,変化と
変換のない範囲において得られた特性付け物理的パラメ
ーターの値を表している信号の部分を意味する。
ン(signal baseline)”とは,変化と
変換のない範囲において得られた特性付け物理的パラメ
ーターの値を表している信号の部分を意味する。
【0023】本明細書で使用している“変化(tran
sition)”又は“変換(transformat
ion)”とは,物質におけるあらゆるタイプの物理的
もしくは化学的変換,相変化,又は構造変化を意味す
る。
sition)”又は“変換(transformat
ion)”とは,物質におけるあらゆるタイプの物理的
もしくは化学的変換,相変化,又は構造変化を意味す
る。
【0024】本発明では,特性付け物理的パラメーター
において観察される変化に応じて,分析法の駆動変数の
変化率に対する予め選定した最大値及び最小値に応じ
て,及び/又は特性付け物理的パラメーターの変化率に
対する予め選定した値に応じて,前記駆動変数をモニタ
ー・調節することによって分析法を制御するためにコン
ピューターシステムを使用する。
において観察される変化に応じて,分析法の駆動変数の
変化率に対する予め選定した最大値及び最小値に応じ
て,及び/又は特性付け物理的パラメーターの変化率に
対する予め選定した値に応じて,前記駆動変数をモニタ
ー・調節することによって分析法を制御するためにコン
ピューターシステムを使用する。
【0025】例えば分析法がTGAである場合,駆動変
数は温度であり,また特性付け物理的パラメーターはサ
ンプルの重量である。サンプル重量の変化の微分係数
(derivative)(1分当たりの重量変化率)
は,リアルタイムで算出される。間欠的に(例えば0.
5秒ごとに),重量変化率,サンプル加熱速度(すなわ
ち,サンプル温度の上昇速度),最大加熱速度,及び分
離度の設定値(resolution settin
g)を,コンピューターがインプットとして受け入れ
る。次いでコンピューターは,これらのインプットを使
用して本発明の方法に従って新たなサンプルの加熱速度
を算出する。次いで新たなサンプルの加熱速度に応じ
て,分析システムによりサンプル物質の加熱が調節され
る。
数は温度であり,また特性付け物理的パラメーターはサ
ンプルの重量である。サンプル重量の変化の微分係数
(derivative)(1分当たりの重量変化率)
は,リアルタイムで算出される。間欠的に(例えば0.
5秒ごとに),重量変化率,サンプル加熱速度(すなわ
ち,サンプル温度の上昇速度),最大加熱速度,及び分
離度の設定値(resolution settin
g)を,コンピューターがインプットとして受け入れ
る。次いでコンピューターは,これらのインプットを使
用して本発明の方法に従って新たなサンプルの加熱速度
を算出する。次いで新たなサンプルの加熱速度に応じ
て,分析システムによりサンプル物質の加熱が調節され
る。
【0026】本発明の第1の好ましい実施態様において
は,4つの分析法が使用される。各分析法は,熱的分析
法の分離度を改良し,及び/又は分析に必要なトータル
時間を短縮する。単独で使用した場合にも,あるいは組
み合わせて使用した場合にも,分離度を大幅に向上さ
せ,分析に必要な時間を短縮し,そしてわずかな変換を
も検出できる能力を高めた,全ての熱的分析法に適用し
うる分析方法が得られる。これらの改良点は実現され
る。なぜなら,これらの分析法はそれぞれの変化から導
かれる信号をシャープにし,密接に配置した変化(cl
osely spaced transitions)
の分離を増大させるからである。
は,4つの分析法が使用される。各分析法は,熱的分析
法の分離度を改良し,及び/又は分析に必要なトータル
時間を短縮する。単独で使用した場合にも,あるいは組
み合わせて使用した場合にも,分離度を大幅に向上さ
せ,分析に必要な時間を短縮し,そしてわずかな変換を
も検出できる能力を高めた,全ての熱的分析法に適用し
うる分析方法が得られる。これらの改良点は実現され
る。なぜなら,これらの分析法はそれぞれの変化から導
かれる信号をシャープにし,密接に配置した変化(cl
osely spaced transitions)
の分離を増大させるからである。
【0027】第1の分析法は,信号ベースラインをモニ
ターすること;信号ベースラインからのずれを検出する
こと;及びサンプルが化学的もしくは物理的変換を受け
たときに,サンプルの加熱速度を急激に減少させるこ
と;を含む。これにより,変化温度の行き過ぎを防止し
つつ,変化のない温度範囲に対してはかなり高い加熱速
度を使用できるようになる(例えば,50℃/分以
上)。
ターすること;信号ベースラインからのずれを検出する
こと;及びサンプルが化学的もしくは物理的変換を受け
たときに,サンプルの加熱速度を急激に減少させるこ
と;を含む。これにより,変化温度の行き過ぎを防止し
つつ,変化のない温度範囲に対してはかなり高い加熱速
度を使用できるようになる(例えば,50℃/分以
上)。
【0028】第2の分析法は,変化もしくは又は変換時
に炉の加熱速度を最小速度に抑えて等温操作又は冷却操
作を防止し,これによってサンプル変化もしくは変換を
進ませることを含む。
に炉の加熱速度を最小速度に抑えて等温操作又は冷却操
作を防止し,これによってサンプル変化もしくは変換を
進ませることを含む。
【0029】第3の分析法は,重量変化の微分係数があ
る特定の速度値未満に低下したときに,装置を最大加熱
速度に強制的に戻すための“加熱による温度上昇”工程
を使用することを含む。
る特定の速度値未満に低下したときに,装置を最大加熱
速度に強制的に戻すための“加熱による温度上昇”工程
を使用することを含む。
【0030】第4の分析法は,加熱速度をサンプルの重
量変化率の関数として調節して,所望の一定の重量変化
率をトラッキングさせることを含む。
量変化率の関数として調節して,所望の一定の重量変化
率をトラッキングさせることを含む。
【0031】本発明は,上記の第1の好ましい実施態様
において,4つの分析法の全てを使用して実施すること
ができる。しかしながら,4つの分析法のうちの1つ,
2つ,又は3つを使用して,改良された結果を得ること
ができる。
において,4つの分析法の全てを使用して実施すること
ができる。しかしながら,4つの分析法のうちの1つ,
2つ,又は3つを使用して,改良された結果を得ること
ができる。
【0032】これら分析法の2つ以上を同時に適用する
場合,各分析法から得られる加熱速度を組み合わせてサ
ンプルの加熱速度を調節する。
場合,各分析法から得られる加熱速度を組み合わせてサ
ンプルの加熱速度を調節する。
【0033】本発明の第2の好ましい実施態様は,2つ
の操作モードを含む。第1のモードでは指数項を含んだ
関数に従って加熱速度を調節し,このとき前記指数項の
独立変数がサンプルの1分当たりの重量変化率を含んで
いる。この関数は,1分当たりの重量変化率がかなり小
さいときには(すなわちベースライン操作時),加熱速
度がその最大許容値に近づくよう,そして1分当たりの
重量変化率がかなり大きいときには(すなわち変化
時),加熱速度がゼロに近づくよう選定される。
の操作モードを含む。第1のモードでは指数項を含んだ
関数に従って加熱速度を調節し,このとき前記指数項の
独立変数がサンプルの1分当たりの重量変化率を含んで
いる。この関数は,1分当たりの重量変化率がかなり小
さいときには(すなわちベースライン操作時),加熱速
度がその最大許容値に近づくよう,そして1分当たりの
重量変化率がかなり大きいときには(すなわち変化
時),加熱速度がゼロに近づくよう選定される。
【0034】本発明の第2の好ましい実施態様における
第2の操作モードも,指数項を算定する関数に従って加
熱速度を調節することに基づいており,このとき前記指
数項の独立変数がサンプルの1分当たりの重量変化率を
含んでいる。この関数は,1分当たりの重量変化率がか
なり小さいときには(すなわちベースライン操作時),
加熱速度が第1のモードの場合と同様にある最大速度に
近づくよう,そして1分当たりの重量変化率が大きいと
きには(すなわち変化時),加熱速度がある最小値に保
持されるよう選定される。通常,加熱速度の最小値は
0.01℃/分である。多くの物質に対して,加熱速度
の最小値に対する好ましい値は,加熱速度の最大値の0
〜約10%である。加熱速度がいったん最小値に低下す
ると,サンプルの1分当たり重量変化率が1分当たり重
量変化率に対する選定された値に低下するまで当該最小
値に保持される。最小加熱速度における“保持(hol
d)”を乗り越える(override)のに必要な,
1分当たり重量変化率に対する選定された値は,例え
ば,加熱速度を強制的に最小加熱速度にするのに必要な
1分当たり重量変化率の値より一桁小さい。
第2の操作モードも,指数項を算定する関数に従って加
熱速度を調節することに基づいており,このとき前記指
数項の独立変数がサンプルの1分当たりの重量変化率を
含んでいる。この関数は,1分当たりの重量変化率がか
なり小さいときには(すなわちベースライン操作時),
加熱速度が第1のモードの場合と同様にある最大速度に
近づくよう,そして1分当たりの重量変化率が大きいと
きには(すなわち変化時),加熱速度がある最小値に保
持されるよう選定される。通常,加熱速度の最小値は
0.01℃/分である。多くの物質に対して,加熱速度
の最小値に対する好ましい値は,加熱速度の最大値の0
〜約10%である。加熱速度がいったん最小値に低下す
ると,サンプルの1分当たり重量変化率が1分当たり重
量変化率に対する選定された値に低下するまで当該最小
値に保持される。最小加熱速度における“保持(hol
d)”を乗り越える(override)のに必要な,
1分当たり重量変化率に対する選定された値は,例え
ば,加熱速度を強制的に最小加熱速度にするのに必要な
1分当たり重量変化率の値より一桁小さい。
【0035】最小加熱速度における“保持”を乗り越え
るための上記方法に代わる方法は,加熱速度がある一定
の値に低下したときに,すなわちベースライン区域を確
立したときに保持をやぶるという方法である。このこと
は,ベースラインの重量変化率が,変化が完了した後に
おいて,変化の開始前とは実質的に異なる場合に特に有
用である。
るための上記方法に代わる方法は,加熱速度がある一定
の値に低下したときに,すなわちベースライン区域を確
立したときに保持をやぶるという方法である。このこと
は,ベースラインの重量変化率が,変化が完了した後に
おいて,変化の開始前とは実質的に異なる場合に特に有
用である。
【0036】オペレーターが操作モードを選択し,そし
て分析の分離度を選択する。2つの操作モードにおい
て,指数項の独立変数は,分離度の設定に基づいたファ
クターだけでなく,サンプルの1分当たり重量変化率に
基づいたファクターも含む。2つの操作モードにおいて
は,加熱速度は一般には,1分当たりの重量損失率に応
じて最大加熱速度又は最小加熱速度に近くなっている。
但し,1分当たり重量損失率の中間値での変化領域は除
く。この領域においては,1分当たり重量損失率のわず
かな変化が,加熱速度の急激な変化をもたらす。変化領
域の相対的な位置(すなわち加熱速度を最小値より大幅
に上昇させるのに,又は加熱速度を最大値より大幅に低
下させるのに,どの程度の1分当たり重量損失率が必要
とされるのかということ)は,分離度の設定を選択する
ことによって調整される。
て分析の分離度を選択する。2つの操作モードにおい
て,指数項の独立変数は,分離度の設定に基づいたファ
クターだけでなく,サンプルの1分当たり重量変化率に
基づいたファクターも含む。2つの操作モードにおいて
は,加熱速度は一般には,1分当たりの重量損失率に応
じて最大加熱速度又は最小加熱速度に近くなっている。
但し,1分当たり重量損失率の中間値での変化領域は除
く。この領域においては,1分当たり重量損失率のわず
かな変化が,加熱速度の急激な変化をもたらす。変化領
域の相対的な位置(すなわち加熱速度を最小値より大幅
に上昇させるのに,又は加熱速度を最大値より大幅に低
下させるのに,どの程度の1分当たり重量損失率が必要
とされるのかということ)は,分離度の設定を選択する
ことによって調整される。
【0037】単一の分析において2つの操作モードを使
用することもできる。オペレーターが,例えば,2つの
密接に配置した変化を分離するために,ある特定の温度
領域において得られうる最高の分離を必要とするが,他
の温度領域においては高い分離度を必要としないという
場合,オペレーターは,得られうる最高の分離度を必要
としない分析の部分に対しては一方の操作モードを,そ
して得られうる最高の分離度を必要とする分析の部分に
対しては他方の操作モードを使用することができる。
用することもできる。オペレーターが,例えば,2つの
密接に配置した変化を分離するために,ある特定の温度
領域において得られうる最高の分離を必要とするが,他
の温度領域においては高い分離度を必要としないという
場合,オペレーターは,得られうる最高の分離度を必要
としない分析の部分に対しては一方の操作モードを,そ
して得られうる最高の分離度を必要とする分析の部分に
対しては他方の操作モードを使用することができる。
【0038】本発明の第1の目的は,熱的分析法に対す
る温度調節方法を提供することにあり,本方法により,
従来の一定加熱速度法による分析に対して必要とされる
時間と比較して,分析に必要な時間を増大させることな
く,あるいはおそらくは分析に必要な時間を減少させる
ことなく,変化に対する実質的に改良された分離度が得
られる。
る温度調節方法を提供することにあり,本方法により,
従来の一定加熱速度法による分析に対して必要とされる
時間と比較して,分析に必要な時間を増大させることな
く,あるいはおそらくは分析に必要な時間を減少させる
ことなく,変化に対する実質的に改良された分離度が得
られる。
【0039】本発明の第2の目的は,機器による所望の
分離度を選定するための方法を分析者に提供することに
ある。
分離度を選定するための方法を分析者に提供することに
ある。
【0040】本発明の第3の目的は,加熱時における変
化温度の熱的行き過ぎを防止することによって熱的分析
法の精度を向上させる方法を提供することにある。
化温度の熱的行き過ぎを防止することによって熱的分析
法の精度を向上させる方法を提供することにある。
【0041】本発明の第4の目的は,熱的分析法の感度
を向上させることにある。
を向上させることにある。
【0042】本発明の第5の目的は,変化が起こる温度
をよりシャープに画定する(例えば,変化に対応した誘
導信号のピーク幅の狭さにより示される)ことによっ
て,熱的分析データの解析を単純化することにある。
をよりシャープに画定する(例えば,変化に対応した誘
導信号のピーク幅の狭さにより示される)ことによっ
て,熱的分析データの解析を単純化することにある。
【0043】本発明の第6の目的は,変化の等温反応温
度をより正確に表わす変化温度を得ることにある。
度をより正確に表わす変化温度を得ることにある。
【0044】本発明の第7の目的は,信号の変化をより
簡単に測定し,統合し,他の結果と比較検討し,そして
解釈できるよう,信号の変化を分離することにある。
簡単に測定し,統合し,他の結果と比較検討し,そして
解釈できるよう,信号の変化を分離することにある。
【0045】本発明の上記目的及び他の目的は,本発明
の詳細な説明,図面,及び特許請求の範囲において詳細
に記載されている。
の詳細な説明,図面,及び特許請求の範囲において詳細
に記載されている。
【0046】本発明は,従来の分析装置に対する制御方
法,及びこのような従来の分析装置を制御するのに従来
使用されている方法の改良に関する。
法,及びこのような従来の分析装置を制御するのに従来
使用されている方法の改良に関する。
【0047】以下に記載の本発明の詳細な説明は,特に
熱重量分析法に当てはまるものであって,この場合,温
度が駆動変数であり,重量変化が特性付け物理的パラメ
ーターである。しかしながら,本発明は熱重量分析法に
適用される如く説明されているけれども,本発明は,示
差熱分析法,示差走査熱分析法,サーモメカニカル分析
法,圧力差走査熱分析法,ダイナミックメカニカル分析
法,ダイナミックメカニカルスペクトロメトリー,誘電
分析法,示差フォトカロリメトリー,熱伝導率分析法,
及びこれら分析法の組合せを含んだいかなる熱的分析法
と併用できることは言うまでもない。熱重量分析に関し
て本明細書に説明されている原理と方法は,上記の熱的
分析法のいずれにも適用しうるだけでなく,特性付け物
理的パラメーターが駆動変数の関数として測定される他
の分析法に対しても適用することができる。
熱重量分析法に当てはまるものであって,この場合,温
度が駆動変数であり,重量変化が特性付け物理的パラメ
ーターである。しかしながら,本発明は熱重量分析法に
適用される如く説明されているけれども,本発明は,示
差熱分析法,示差走査熱分析法,サーモメカニカル分析
法,圧力差走査熱分析法,ダイナミックメカニカル分析
法,ダイナミックメカニカルスペクトロメトリー,誘電
分析法,示差フォトカロリメトリー,熱伝導率分析法,
及びこれら分析法の組合せを含んだいかなる熱的分析法
と併用できることは言うまでもない。熱重量分析に関し
て本明細書に説明されている原理と方法は,上記の熱的
分析法のいずれにも適用しうるだけでなく,特性付け物
理的パラメーターが駆動変数の関数として測定される他
の分析法に対しても適用することができる。
【0048】図1は,従来の熱重量分析器の概略図であ
り,天秤ビーム2,サンプル皿3,及び風袋皿4を含ん
だ熱重量天秤1;バランスゼロメーター可動部5;バラ
ンスゼロを検出するためのフォトダイオード6;サンプ
ル温度熱電対7;パージガス入口8;パージガス出口
9;電気炉10;サンプル温度デジタイザー11;ヒー
ター制御器12;バランスゼロ制御器13;及びマイク
ロコンピューター14;を示している。図1はさらに,
パーソナルコンピューター15とデジタルプロッター1
6を示している。熱重量天秤は,装置をつり合い状態に
保持するためにバランスゼロメーター可動部5により必
要とされる電流(フォトダイオード検出器6によって示
される)を測定することによって,サンプル皿3中のサ
ンプルの重量を測定する。バランスゼロ制御器13は,
フォトダイオード検出器6からの信号を受け取り,それ
に応じてメートル電流(meter current)
を増大又は減少させる。バランスゼロ制御器13は,マ
イクロコンピューター14にサンプルの重量(これはメ
ートル電流から算出される)を伝える。マイクロコンピ
ューター14はさらに,サンプル温度デジタイザー11
を介して,サンプル温度熱電対7からサンプル温度を受
け取り,ヒーター制御器12を使用して電気炉10への
電力を調節することによってサンプルの温度を制御す
る。本発明の第1の好ましい実施態様においては,サン
プルの温度は,後記の工程に従ってマイクロコンピュー
ターにより制御される。しかしながら本発明は,コンピ
ューター,ハードウェア,及びオペレーターコントロー
ルのいかなる組合せにても実施することができる。パー
ソナルコンピューター15とデジタルプロッター16を
使用して,分析結果が記憶され,表示され,そしてプロ
ットされる。通常はパージガス入口を介してパージガス
が導入される。パージガスは,分析されるサンプルの構
成成分と反応するガスであっても,あるいは不活性ガ
ス,すなわちサンプルと反応しないガスであってもよ
い。通常のパージガスとしては,乾燥した空気,酸素,
窒素,アルゴン,ヘリウム,一酸化炭素,及び二酸化炭
素等がある。
り,天秤ビーム2,サンプル皿3,及び風袋皿4を含ん
だ熱重量天秤1;バランスゼロメーター可動部5;バラ
ンスゼロを検出するためのフォトダイオード6;サンプ
ル温度熱電対7;パージガス入口8;パージガス出口
9;電気炉10;サンプル温度デジタイザー11;ヒー
ター制御器12;バランスゼロ制御器13;及びマイク
ロコンピューター14;を示している。図1はさらに,
パーソナルコンピューター15とデジタルプロッター1
6を示している。熱重量天秤は,装置をつり合い状態に
保持するためにバランスゼロメーター可動部5により必
要とされる電流(フォトダイオード検出器6によって示
される)を測定することによって,サンプル皿3中のサ
ンプルの重量を測定する。バランスゼロ制御器13は,
フォトダイオード検出器6からの信号を受け取り,それ
に応じてメートル電流(meter current)
を増大又は減少させる。バランスゼロ制御器13は,マ
イクロコンピューター14にサンプルの重量(これはメ
ートル電流から算出される)を伝える。マイクロコンピ
ューター14はさらに,サンプル温度デジタイザー11
を介して,サンプル温度熱電対7からサンプル温度を受
け取り,ヒーター制御器12を使用して電気炉10への
電力を調節することによってサンプルの温度を制御す
る。本発明の第1の好ましい実施態様においては,サン
プルの温度は,後記の工程に従ってマイクロコンピュー
ターにより制御される。しかしながら本発明は,コンピ
ューター,ハードウェア,及びオペレーターコントロー
ルのいかなる組合せにても実施することができる。パー
ソナルコンピューター15とデジタルプロッター16を
使用して,分析結果が記憶され,表示され,そしてプロ
ットされる。通常はパージガス入口を介してパージガス
が導入される。パージガスは,分析されるサンプルの構
成成分と反応するガスであっても,あるいは不活性ガ
ス,すなわちサンプルと反応しないガスであってもよ
い。通常のパージガスとしては,乾燥した空気,酸素,
窒素,アルゴン,ヘリウム,一酸化炭素,及び二酸化炭
素等がある。
【0049】下流の分析法を介してさらなる分析を行う
ために,パージガスを使用して反応生成物を除去するこ
ともできる。現在ガスクロマトグラフィーと併用されて
いる分析法及び検出器は,本発明に従って使用されるT
GA装置と併用することができ,こうした分析法及び検
出器としては,質量分光分析法,原子分光分析法,分子
分光分析法,分散赤外分光分析法,レーザーダイオード
分光分析法,水素炎イオン化検出器(FID),熱伝導
率検出器(TCD),電子捕獲型検出器(ECD),光
イオン化検出器(PID),ヘリウムイオン化検出器
(HID),放電イオン化検出器(DID),炎光光度
検出器(FPD),化学ルミネセンス検出器(CD),
ラマン分光分析法,及びフーリエ変換赤外分光分析法
(FT−IR)等がある。下流の分析法から得られる信
号を使用して,サンプルの温度を調節することができ
る。さらにこの代わりに熱的分析法による信号を使用す
ることもできる。
ために,パージガスを使用して反応生成物を除去するこ
ともできる。現在ガスクロマトグラフィーと併用されて
いる分析法及び検出器は,本発明に従って使用されるT
GA装置と併用することができ,こうした分析法及び検
出器としては,質量分光分析法,原子分光分析法,分子
分光分析法,分散赤外分光分析法,レーザーダイオード
分光分析法,水素炎イオン化検出器(FID),熱伝導
率検出器(TCD),電子捕獲型検出器(ECD),光
イオン化検出器(PID),ヘリウムイオン化検出器
(HID),放電イオン化検出器(DID),炎光光度
検出器(FPD),化学ルミネセンス検出器(CD),
ラマン分光分析法,及びフーリエ変換赤外分光分析法
(FT−IR)等がある。下流の分析法から得られる信
号を使用して,サンプルの温度を調節することができ
る。さらにこの代わりに熱的分析法による信号を使用す
ることもできる。
【0050】図2には,熱重量分析を例として使用した
場合の本発明の第1の好ましい実施態様が概略的に示さ
れている。図2は,本発明の第1の好ましい実施態様に
従ってサンプルの加熱速度を算出するのに使用される算
出工程を示した流れ図である。図2に示されている流れ
図は,サンプルの加熱速度を調節するために,第1の好
ましい実施態様の説明において前述した4つの分析法を
含んでいる。これらの分析法について,以下に詳細に説
明する。熱重量分析に関して本明細書に詳細に説明され
ている第1の方法は,本発明の第1の好ましい実施態様
に使用されている4つの分析法をすべて組み込んでい
る。しかしながら,熱的分析法の分離度を改良するため
に,及び/又は分析にかかる時間を短縮するために,こ
れらの4つの分析法を単独で,もしくは他の分析法の1
つ以上と組み合わせて使用してもよい。
場合の本発明の第1の好ましい実施態様が概略的に示さ
れている。図2は,本発明の第1の好ましい実施態様に
従ってサンプルの加熱速度を算出するのに使用される算
出工程を示した流れ図である。図2に示されている流れ
図は,サンプルの加熱速度を調節するために,第1の好
ましい実施態様の説明において前述した4つの分析法を
含んでいる。これらの分析法について,以下に詳細に説
明する。熱重量分析に関して本明細書に詳細に説明され
ている第1の方法は,本発明の第1の好ましい実施態様
に使用されている4つの分析法をすべて組み込んでい
る。しかしながら,熱的分析法の分離度を改良するため
に,及び/又は分析にかかる時間を短縮するために,こ
れらの4つの分析法を単独で,もしくは他の分析法の1
つ以上と組み合わせて使用してもよい。
【0051】第1の分析法〔ベースライン法(BASE
LINE technique)〕は,信号のベースラ
インをモニターすること;信号ベースラインからのずれ
を検出すること;そしてサンプルが化学的又は物理的変
換を受けたときにサンプルの加熱速度を急激に減少させ
ること;を含む。これにより,変化の存在しない領域に
おいては,変化温度の行き過ぎを防止しつつ,かなり高
い加熱速度を使用することができる(例えば1分当たり
50℃以上)。
LINE technique)〕は,信号のベースラ
インをモニターすること;信号ベースラインからのずれ
を検出すること;そしてサンプルが化学的又は物理的変
換を受けたときにサンプルの加熱速度を急激に減少させ
ること;を含む。これにより,変化の存在しない領域に
おいては,変化温度の行き過ぎを防止しつつ,かなり高
い加熱速度を使用することができる(例えば1分当たり
50℃以上)。
【0052】第2の分析法〔ドライビング法(DRIV
ING technique)〕は,変化時においてサ
ンプルの加熱速度をある最小速度に制限して,等温操作
もしくは冷却操作を防止し,これによってサンプルの変
化を押し進めることを含む。最小加熱速度は,あらかじ
め定めた加熱速度でもよいし,あるいは力学的に求めた
加熱速度でもよい。最小加熱速度は,例えば,重量変化
率,最小加熱速度にて費やされる時間,重量変化の第2
の微分係数(the secondderivativ
e),又は特定の実験における他の特性,などのファク
ターに基づいて力学的に求めることができる。
ING technique)〕は,変化時においてサ
ンプルの加熱速度をある最小速度に制限して,等温操作
もしくは冷却操作を防止し,これによってサンプルの変
化を押し進めることを含む。最小加熱速度は,あらかじ
め定めた加熱速度でもよいし,あるいは力学的に求めた
加熱速度でもよい。最小加熱速度は,例えば,重量変化
率,最小加熱速度にて費やされる時間,重量変化の第2
の微分係数(the secondderivativ
e),又は特定の実験における他の特性,などのファク
ターに基づいて力学的に求めることができる。
【0053】第3の分析法〔アップリフト法(UPLI
FT technique)〕は,重量変化の微分係数
がある特定の値未満に低下したときに,“加熱アップリ
フト”工程を使用して装置を最大加熱速度に強制的に戻
すことを含む。
FT technique)〕は,重量変化の微分係数
がある特定の値未満に低下したときに,“加熱アップリ
フト”工程を使用して装置を最大加熱速度に強制的に戻
すことを含む。
【0054】第4の分析法〔トラッキング法(TRAC
KING technique)〕は,加熱速度をサン
プルの重量変化率の関数として調節して,所望の一定の
重量変化率をトラッキングさせることを含む。
KING technique)〕は,加熱速度をサン
プルの重量変化率の関数として調節して,所望の一定の
重量変化率をトラッキングさせることを含む。
【0055】これら4つの分析法の2つ以上が同時に適
用される場合,それぞれの分析法から得られる加熱速度
を組み合わせてサンプルの加熱速度が調節される。
用される場合,それぞれの分析法から得られる加熱速度
を組み合わせてサンプルの加熱速度が調節される。
【0056】本発明の第1の好ましい実施態様は以下に
記載の工程を含み,このとき工程11がベースライン法
に対応し,工程12がトラッキング法に対応し,工程1
3がアップリフト法に対応し,そして工程16がドライ
ビング法に対応する。
記載の工程を含み,このとき工程11がベースライン法
に対応し,工程12がトラッキング法に対応し,工程1
3がアップリフト法に対応し,そして工程16がドライ
ビング法に対応する。
【0057】工程1. 最大加熱速度(“rate m
ax”)を選定する。
ax”)を選定する。
【0058】工程2. 分離度の設定値(“res s
etting”)を選定する。例えば,1,2,3,
4,又は5という分離度設定値は,それぞれ最大加熱速
度の20%,7.4%,2.7%,1.0%,及び0.
37%という最小加熱速度を設定している。従って,最
も低い分離度設定値1を使用して最も速い走査が得られ
るが,一方,最も高い分離度設定値5を使用して得られ
る走査は,分析に対してより多くの時間を必要とする。
etting”)を選定する。例えば,1,2,3,
4,又は5という分離度設定値は,それぞれ最大加熱速
度の20%,7.4%,2.7%,1.0%,及び0.
37%という最小加熱速度を設定している。従って,最
も低い分離度設定値1を使用して最も速い走査が得られ
るが,一方,最も高い分離度設定値5を使用して得られ
る走査は,分析に対してより多くの時間を必要とする。
【0059】工程3. 最大加熱速度と分離度設定値か
ら,最小許容加熱速度(“ratemin”)を算出す
る。この最小許容加熱速度は,分離度設定値が高くなる
ほど,それに比例してより低い最小加熱速度が得られる
よう,最大速度のフラクションとなるように制限され
る。例えば,最も低い分離度設定値においては,最小加
熱速度は最大速度の20%であり,また最も高い分離度
設定値においては,最小加熱速度は最大速度の0.37
%である。
ら,最小許容加熱速度(“ratemin”)を算出す
る。この最小許容加熱速度は,分離度設定値が高くなる
ほど,それに比例してより低い最小加熱速度が得られる
よう,最大速度のフラクションとなるように制限され
る。例えば,最も低い分離度設定値においては,最小加
熱速度は最大速度の20%であり,また最も高い分離度
設定値においては,最小加熱速度は最大速度の0.37
%である。
【0060】工程4. 例えば0.5秒ごとに重量変化
を測定することによってサンプルの重量変化(“wgt
pct”)を連続的にモニターする。
を測定することによってサンプルの重量変化(“wgt
pct”)を連続的にモニターする。
【0061】工程5. サンプルの重量変化率の時間に
関する当該微分係数(current derivat
ive)(“pct drv”)を算出する。
関する当該微分係数(current derivat
ive)(“pct drv”)を算出する。
【0062】工程6. サンプルの重量変化の時間に関
する平均微分係数(“pct drv avg”)を算
出する。例えば,平均微分係数は,平均微分係数の98
%が0.5秒ごとに電流微分係数の2%に加えられる指
数フィルター(exponential filte
r)を使用して算出することができる。指数フィルター
は,前記平均微分係数の98%をとり,そして電流微分
係数の2%を加えることによって無限応答アナログフィ
ルター(infinite responseanal
og filter)をシミュレートしている(すなわ
ち,pct drv avg=0.98*pct dr
v avg+0.02*pct drv)。
する平均微分係数(“pct drv avg”)を算
出する。例えば,平均微分係数は,平均微分係数の98
%が0.5秒ごとに電流微分係数の2%に加えられる指
数フィルター(exponential filte
r)を使用して算出することができる。指数フィルター
は,前記平均微分係数の98%をとり,そして電流微分
係数の2%を加えることによって無限応答アナログフィ
ルター(infinite responseanal
og filter)をシミュレートしている(すなわ
ち,pct drv avg=0.98*pct dr
v avg+0.02*pct drv)。
【0063】工程7. 選定された最大加熱速度と算出
された最小加熱速度から,現在使用されている許容加熱
速度範囲のフラクションを算出する。許容加熱速度範囲
のフラクション(“range used”)とは,当
該加熱速度(currentheating rat
e)(“rate now”)と最小加熱速度(“ra
te min”)との差を,最大加熱速度(“rate
max”)と最小加熱速度(“rate min”)
との差で除したものと定義される。この値は,加熱速度
調節の算出において,ベースラインのずれ係数と重量損
失のトラッキング係数の影響を抑制するのに使用される
(下記の工程14を参照)。
された最小加熱速度から,現在使用されている許容加熱
速度範囲のフラクションを算出する。許容加熱速度範囲
のフラクション(“range used”)とは,当
該加熱速度(currentheating rat
e)(“rate now”)と最小加熱速度(“ra
te min”)との差を,最大加熱速度(“rate
max”)と最小加熱速度(“rate min”)
との差で除したものと定義される。この値は,加熱速度
調節の算出において,ベースラインのずれ係数と重量損
失のトラッキング係数の影響を抑制するのに使用される
(下記の工程14を参照)。
【0064】工程8. (ベースライン法) 加熱速度
に対するベースラインずれ調節係数(“rate ba
seline err”)を算出する。この係数は,ベ
ースライン変換定数(例えば1.0℃/%)に,平均微
分係数(“pctdrvavg”)と重量変化の当該微
分係数(“pct drv”)との間の差の絶対値と許
容加熱速度範囲(“range used”)との積を
掛けたものに等しい(すなわち,rate bseli
ne err=1.0*rangeused*ABS
(pct drv avg−pct drv)。この係
数は,加熱速度が最大付近にあるときに,変化が開始さ
れると当然のことながら増大するが,加熱速度が低い場
合には減少する。この係数は,変化が開始されると加熱
速度を急激に低下させて,変化温度の行き過ぎを防止す
るよう作用する。
に対するベースラインずれ調節係数(“rate ba
seline err”)を算出する。この係数は,ベ
ースライン変換定数(例えば1.0℃/%)に,平均微
分係数(“pctdrvavg”)と重量変化の当該微
分係数(“pct drv”)との間の差の絶対値と許
容加熱速度範囲(“range used”)との積を
掛けたものに等しい(すなわち,rate bseli
ne err=1.0*rangeused*ABS
(pct drv avg−pct drv)。この係
数は,加熱速度が最大付近にあるときに,変化が開始さ
れると当然のことながら増大するが,加熱速度が低い場
合には減少する。この係数は,変化が開始されると加熱
速度を急激に低下させて,変化温度の行き過ぎを防止す
るよう作用する。
【0065】工程9. (トラッキング法) 加熱速度
に対する重量変化トラッキング調節係数(“rate
tracking err”)を算出する。この係数
は,トラッキング変換定数(例えば1.0℃/%)に,
所望の一定重量変化微分係数(“pct drv ta
rget”)と絶対重量変化微分係数(“ABS(pc
t drv)”)との間の差と(1−使用する許容加熱
速度範囲(“rangeused”))との積を掛けた
ものに等しい(すなわち,rate tracking
err=0.1*(ABS(pct drv)−pc
t drv target)*(1.0−range
used))。例えば,所望の微分係数は,1,2,
3,4,及び5の分離度設定値に対応して,それぞれ1
分当たり2.5%,2.0%,1.5%,1.0%,及
び0.5の範囲に制限される。この係数は,変化時に一
定の重量変化率を保持するよう機能し,このとき当該加
熱速度は比較的低い。
に対する重量変化トラッキング調節係数(“rate
tracking err”)を算出する。この係数
は,トラッキング変換定数(例えば1.0℃/%)に,
所望の一定重量変化微分係数(“pct drv ta
rget”)と絶対重量変化微分係数(“ABS(pc
t drv)”)との間の差と(1−使用する許容加熱
速度範囲(“rangeused”))との積を掛けた
ものに等しい(すなわち,rate tracking
err=0.1*(ABS(pct drv)−pc
t drv target)*(1.0−range
used))。例えば,所望の微分係数は,1,2,
3,4,及び5の分離度設定値に対応して,それぞれ1
分当たり2.5%,2.0%,1.5%,1.0%,及
び0.5の範囲に制限される。この係数は,変化時に一
定の重量変化率を保持するよう機能し,このとき当該加
熱速度は比較的低い。
【0066】工程10. (アップリフト法) 加熱速
度に対するアップリフト調節係数(“rate upl
ift err”)を算出する。この係数は,アップリ
フト変換定数(0.025℃/%)に,絶対平均重量変
化微分係数(“ABS(pct drv avg)”)
の常用対数を掛けたものに等しい(すなわち,rate
uplift err=0.025*LOG(ABS
(pct drv avg))。しかしながら,この係
数は,平均重量変化微分係数が1.0%/分より大きい
ときにはゼロに,そして平均重量変化微分係数が0.0
001%/分より小さいときには妥当な最大値(例え
ば,−0.1)に設定される。この係数の主要な目的
は,当該重量変化微分係数がかなり小さいときに加熱速
度の上昇を促進することにあり,これによってベースラ
イン時間中においてほぼ最大加熱速度が得られ,従って
測定時間が最小限に抑えられる。
度に対するアップリフト調節係数(“rate upl
ift err”)を算出する。この係数は,アップリ
フト変換定数(0.025℃/%)に,絶対平均重量変
化微分係数(“ABS(pct drv avg)”)
の常用対数を掛けたものに等しい(すなわち,rate
uplift err=0.025*LOG(ABS
(pct drv avg))。しかしながら,この係
数は,平均重量変化微分係数が1.0%/分より大きい
ときにはゼロに,そして平均重量変化微分係数が0.0
001%/分より小さいときには妥当な最大値(例え
ば,−0.1)に設定される。この係数の主要な目的
は,当該重量変化微分係数がかなり小さいときに加熱速
度の上昇を促進することにあり,これによってベースラ
イン時間中においてほぼ最大加熱速度が得られ,従って
測定時間が最小限に抑えられる。
【0067】工程11. ベースラインずれ係数(“r
ate baseline err”),重量変化トラ
ッキング係数(“rate tracking er
r”),及び加熱速度アップリフト係数(“rate
uplift err”)から,加熱速度(“rate
now”)に対する調節を算出する。新たな加熱速度
(“rate new”)は,当該加熱速度(“rat
e now”)から,ベースラインずれ係数,重量変化
トラッキング係数,及び加熱速度アップリフト係数の和
を引いたものと定義される(すなわち,rate ne
w=rate now−(rate baseline
err+rate trackingerr+rat
e uplift err))。
ate baseline err”),重量変化トラ
ッキング係数(“rate tracking er
r”),及び加熱速度アップリフト係数(“rate
uplift err”)から,加熱速度(“rate
now”)に対する調節を算出する。新たな加熱速度
(“rate new”)は,当該加熱速度(“rat
e now”)から,ベースラインずれ係数,重量変化
トラッキング係数,及び加熱速度アップリフト係数の和
を引いたものと定義される(すなわち,rate ne
w=rate now−(rate baseline
err+rate trackingerr+rat
e uplift err))。
【0068】工程12. 新たな加熱速度(“rate
new”)を最大許容速度(“rate max”)
と比較する。新たな加熱速度が最大許容速度より大きい
場合は,その新たな加速速度を最大許容速度に設定す
る。これにより,ベースライン操作時における電気炉か
らの熱の逃散が防止される。
new”)を最大許容速度(“rate max”)
と比較する。新たな加熱速度が最大許容速度より大きい
場合は,その新たな加速速度を最大許容速度に設定す
る。これにより,ベースライン操作時における電気炉か
らの熱の逃散が防止される。
【0069】工程13. 新たな加熱速度(“rate
new”)を最小許容速度(“rate min”)
と比較する。新たな加熱速度が最小許容速度より小さい
場合は,この新たな加熱速度を最小許容速度に設定す
る。これにより,分析時間が短縮され,サンプル温度上
昇勾配の逆転が防止される。従って,サンプルの温度
は,最小許容加熱速度と最大許容加熱速度との間の加熱
速度にて(最小許容加熱速度と最大許容加熱速度を含
む),熱的分析の全体にわたって上昇する。
new”)を最小許容速度(“rate min”)
と比較する。新たな加熱速度が最小許容速度より小さい
場合は,この新たな加熱速度を最小許容速度に設定す
る。これにより,分析時間が短縮され,サンプル温度上
昇勾配の逆転が防止される。従って,サンプルの温度
は,最小許容加熱速度と最大許容加熱速度との間の加熱
速度にて(最小許容加熱速度と最大許容加熱速度を含
む),熱的分析の全体にわたって上昇する。
【0070】工程14. 当該加熱速度を新たな加熱速
度に設定する。
度に設定する。
【0071】図3〜24は,本発明の第1の好ましい実
施態様に従って実施されるTGA分析のプロットであ
る。これらの図面については,下記の実施例2〜6にお
いて詳細に説明する。
施態様に従って実施されるTGA分析のプロットであ
る。これらの図面については,下記の実施例2〜6にお
いて詳細に説明する。
【0072】本発明の第1の好ましい実施態様において
は,例えば,熱重量分析に使用される最大加熱速度の範
囲は1℃/分〜100℃/分であり,分離度設定値の範
囲は1(最も低い分離度)〜5(最も高い分離度)であ
り,そしてサンプルの温度範囲は室温〜1000℃であ
る。
は,例えば,熱重量分析に使用される最大加熱速度の範
囲は1℃/分〜100℃/分であり,分離度設定値の範
囲は1(最も低い分離度)〜5(最も高い分離度)であ
り,そしてサンプルの温度範囲は室温〜1000℃であ
る。
【0073】本発明の第2の好ましい実施態様が,熱重
量分析に適用された形で,図25に概略的に示されてい
る。第2の好ましい実施態様は2つの操作モードを含
む。第1のモードは,分析機器のプロダクティビティを
最大にするよう選定される。第2のモードは,達成しう
る最も高い分離度と分析精度が得られるよう選定され
る。2つの操作モードにおいては,加熱速度が指数項に
よって制御される。指数項の独立変数は,サンプルの1
分当たりの重量変化率,及びオペレーターによって選定
された分離度設定値に基づく係数を含む。2つの操作モ
ードに対する加熱速度は,ベースライン操作時において
は(すなわち,変化の起こらない温度領域においては)
最大加熱速度に近い。第1の操作モードでは,変化時に
おいて加熱速度はゼロに近づく。第2の操作モードで
は,変化時において加熱速度は0.01℃/分に保持さ
れる。加熱速度がいったん0.01℃/分に低下する
と,1分当たりの重量変化率が所定の値未満に低下する
まで0.01℃/分に保持される。この所定の値は,例
えば,加熱速度を0.01℃/分にするのに必要とされ
る1分当たり重量変化率の10%である。これとは別
に,重量変化率がある一定の値に達するまで加熱速度を
0.01℃/分に保持してもよい。
量分析に適用された形で,図25に概略的に示されてい
る。第2の好ましい実施態様は2つの操作モードを含
む。第1のモードは,分析機器のプロダクティビティを
最大にするよう選定される。第2のモードは,達成しう
る最も高い分離度と分析精度が得られるよう選定され
る。2つの操作モードにおいては,加熱速度が指数項に
よって制御される。指数項の独立変数は,サンプルの1
分当たりの重量変化率,及びオペレーターによって選定
された分離度設定値に基づく係数を含む。2つの操作モ
ードに対する加熱速度は,ベースライン操作時において
は(すなわち,変化の起こらない温度領域においては)
最大加熱速度に近い。第1の操作モードでは,変化時に
おいて加熱速度はゼロに近づく。第2の操作モードで
は,変化時において加熱速度は0.01℃/分に保持さ
れる。加熱速度がいったん0.01℃/分に低下する
と,1分当たりの重量変化率が所定の値未満に低下する
まで0.01℃/分に保持される。この所定の値は,例
えば,加熱速度を0.01℃/分にするのに必要とされ
る1分当たり重量変化率の10%である。これとは別
に,重量変化率がある一定の値に達するまで加熱速度を
0.01℃/分に保持してもよい。
【0074】第2の好ましい実施態様は以下の工程(1
〜14)を含む。
〜14)を含む。
【0075】工程1. 最大加熱速度(“rate m
ax”)を選定する。
ax”)を選定する。
【0076】工程2. 分離度設定値(“res se
tting”)を選定する。分離度設定値の範囲は−
8.0〜+8.0である。分離度設定値の正の値は,第
1の操作モード(“mode1”)を選定するのに使用
される。分離度設定値の負の値は,第2の操作モード
(“mode2”)を選定するのに使用される。殆どの
分析は,第2の操作モードに関しては−5.0〜−3.
0の分離度設定値を使用して行われ,第1の操作モード
に関しては+3.0〜+5.0の分離度設定値を使用し
て行われる。
tting”)を選定する。分離度設定値の範囲は−
8.0〜+8.0である。分離度設定値の正の値は,第
1の操作モード(“mode1”)を選定するのに使用
される。分離度設定値の負の値は,第2の操作モード
(“mode2”)を選定するのに使用される。殆どの
分析は,第2の操作モードに関しては−5.0〜−3.
0の分離度設定値を使用して行われ,第1の操作モード
に関しては+3.0〜+5.0の分離度設定値を使用し
て行われる。
【0077】工程3. サンプルの重量変化率(“wg
t pct”)をモニターする。
t pct”)をモニターする。
【0078】工程4. 時間に関して重量変化率の微分
係数(“pct drv”)を算出する 工程5. 分離度設定値の絶対値から分離度係数(“r
es factor”)を算出する。
係数(“pct drv”)を算出する 工程5. 分離度設定値の絶対値から分離度係数(“r
es factor”)を算出する。
【0079】工程6. 分離度係数からモード2の最小
変化率(“mode2 pct min”)を算出す
る。
変化率(“mode2 pct min”)を算出す
る。
【0080】工程7. 最小許容加熱速度を算出する。
モード2の状態にある場合は,最小速度を0.01℃/
分に設定する。モード2の状態にない場合は,最小速度
をゼロに設定する。
モード2の状態にある場合は,最小速度を0.01℃/
分に設定する。モード2の状態にない場合は,最小速度
をゼロに設定する。
【0081】工程8. 時間に関してサンプルの重量変
化の遅延平均微分係数(delayed averag
e derivative)を算出する。遅延(“dr
vdelay ctr”)により,1分当たり重量変化
率におけるリンギング(ringing)や行き過ぎ
(overshoot)を起こりにくくすることが可能
となる。1分当たり平均重量変化率(“pct drv
avg”)は,重量変化率微分係数の当該値(“pc
t drv”)の1%を,算出した平均重量変化率微分
係数の99%に加えることによって算出される。
化の遅延平均微分係数(delayed averag
e derivative)を算出する。遅延(“dr
vdelay ctr”)により,1分当たり重量変化
率におけるリンギング(ringing)や行き過ぎ
(overshoot)を起こりにくくすることが可能
となる。1分当たり平均重量変化率(“pct drv
avg”)は,重量変化率微分係数の当該値(“pc
t drv”)の1%を,算出した平均重量変化率微分
係数の99%に加えることによって算出される。
【0082】工程9. 第1の操作モードに対して2つ
の新たな加熱速度を,そして第2の操作モードに対して
2つの新たな加熱速度を算出する。各操作モードに対し
て,ある1つの新たな加熱速度は,1分当たりのリアル
タイム重量変化率(“real drv pct”)を
使用して算出され,もう1つの新たな加熱速度は,1分
当たりの平均重量変化率(“rate drv av
g”)を使用して算出される。第1の操作モードに対す
る新たな加熱速度を算出するのに使用される式では,最
大加熱速度を指数項で割る。指数項の独立変数は,リア
ルタイムもしくは平均の1分当たり重量変化率,及び分
離度係数を含む。第2の操作モードに対する新たな加熱
速度を算出するのに使用される式では,最大加熱速度に
(定数−指数項)からなる係数を掛ける。第1の操作モ
ードの場合と同様に,指数項の独立変数は,リアルタイ
ムもしくは平均の1分当たり重量変化率,及び分離度係
数を含む。
の新たな加熱速度を,そして第2の操作モードに対して
2つの新たな加熱速度を算出する。各操作モードに対し
て,ある1つの新たな加熱速度は,1分当たりのリアル
タイム重量変化率(“real drv pct”)を
使用して算出され,もう1つの新たな加熱速度は,1分
当たりの平均重量変化率(“rate drv av
g”)を使用して算出される。第1の操作モードに対す
る新たな加熱速度を算出するのに使用される式では,最
大加熱速度を指数項で割る。指数項の独立変数は,リア
ルタイムもしくは平均の1分当たり重量変化率,及び分
離度係数を含む。第2の操作モードに対する新たな加熱
速度を算出するのに使用される式では,最大加熱速度に
(定数−指数項)からなる係数を掛ける。第1の操作モ
ードの場合と同様に,指数項の独立変数は,リアルタイ
ムもしくは平均の1分当たり重量変化率,及び分離度係
数を含む。
【0083】工程10. 最も大きな1分当たり重量変
化率から算出された新たな加熱速度(“rate ne
w”)を選定する。
化率から算出された新たな加熱速度(“rate ne
w”)を選定する。
【0084】工程11. モード2において,当該加熱
速度(“rate now”)をチェックする。当該加
熱速度が最小加熱速度以下であって,1分当たり平均重
量変化率が操作モード2に対する1分当たり最小重量変
化率より大きい場合は,新たな加熱速度が最小加熱速度
に保持される。1分当たり平均重量変化率が操作モード
2に対する1分当たり最小重量変化率より小さい場合
は,算出された新たな加熱速度を使用してサンプルの加
熱速度が調節される。
速度(“rate now”)をチェックする。当該加
熱速度が最小加熱速度以下であって,1分当たり平均重
量変化率が操作モード2に対する1分当たり最小重量変
化率より大きい場合は,新たな加熱速度が最小加熱速度
に保持される。1分当たり平均重量変化率が操作モード
2に対する1分当たり最小重量変化率より小さい場合
は,算出された新たな加熱速度を使用してサンプルの加
熱速度が調節される。
【0085】工程12. 新たな加熱速度を最大許容加
熱速度に限定する。新たな加熱速度が最大許容加熱速度
より大きい場合は,この新たな加熱速度を最大加熱速度
に設定する。
熱速度に限定する。新たな加熱速度が最大許容加熱速度
より大きい場合は,この新たな加熱速度を最大加熱速度
に設定する。
【0086】工程13. 新たな加熱速度を最小許容加
熱速度に限定する。新たな加熱速度が最小加熱速度より
小さい場合は,この新たな加熱速度を最小加熱速度に設
定する。
熱速度に限定する。新たな加熱速度が最小加熱速度より
小さい場合は,この新たな加熱速度を最小加熱速度に設
定する。
【0087】工程14. 新たな加熱速度に等しい当該
加熱速度(“rate now”)を設定する。第2の
好ましい実施態様の場合,上記の工程は,最小温度での
“保持(hold)”を乗り越えるために第1の代替法
(the firsr alternative)を使
用する。第2の代替法(重量変化率が一定の値に達した
ときに“保持”を乗り越える)は,例えば,1分当たり
重量変化率が所定の時間に対して変化しない時点を検出
することによって行うことができる。
加熱速度(“rate now”)を設定する。第2の
好ましい実施態様の場合,上記の工程は,最小温度での
“保持(hold)”を乗り越えるために第1の代替法
(the firsr alternative)を使
用する。第2の代替法(重量変化率が一定の値に達した
ときに“保持”を乗り越える)は,例えば,1分当たり
重量変化率が所定の時間に対して変化しない時点を検出
することによって行うことができる。
【0088】本発明は,高温に耐える材料及び装置を使
用することによって,より高い温度にて実施することが
できる。例えば,耐熱炉を使用して1600℃の温度を
達成することができる。特定の用途に対しては,使用さ
れる装置の特性に応じて,異なった温度範囲を使用する
ことができる。
用することによって,より高い温度にて実施することが
できる。例えば,耐熱炉を使用して1600℃の温度を
達成することができる。特定の用途に対しては,使用さ
れる装置の特性に応じて,異なった温度範囲を使用する
ことができる。
【0089】本発明は,一定温度の時間で分離されよう
と,あるいは一定速度加熱もしくは一定速度冷却の時間
で分離されようと,冷却すると起こるだけでなく加熱す
ると起こったり,あるいはまた加熱と冷却のサイクルを
組み合わせて起こったりする化学的又は物理的変換に適
用することができる。冷却すると変化を受ける物質を分
析するのに本発明の分析法を使用するとき,上記の方法
も適用することができるが,この場合,サンプルの加熱
速度の代わりにサンプルの冷却速度を使用し,そして炉
の代わりに冷却装置を使用するかあるいは冷却装置を炉
と組合せて使用する。
と,あるいは一定速度加熱もしくは一定速度冷却の時間
で分離されようと,冷却すると起こるだけでなく加熱す
ると起こったり,あるいはまた加熱と冷却のサイクルを
組み合わせて起こったりする化学的又は物理的変換に適
用することができる。冷却すると変化を受ける物質を分
析するのに本発明の分析法を使用するとき,上記の方法
も適用することができるが,この場合,サンプルの加熱
速度の代わりにサンプルの冷却速度を使用し,そして炉
の代わりに冷却装置を使用するかあるいは冷却装置を炉
と組合せて使用する。
【0090】サンプルは,高温もしくは低温の空気,レ
ーザー,流体浴,マイクロ波エネルギー,化学反応,又
は他の適切な実験法を使用して,加熱もしくは冷却を行
うことができる。
ーザー,流体浴,マイクロ波エネルギー,化学反応,又
は他の適切な実験法を使用して,加熱もしくは冷却を行
うことができる。
【0091】特定の化学反応(例えば爆発反応)の場
合,化学反応によってサンプルを自己加熱することがで
き,このとき反応速度は,他の変数(例えば,流体の流
量や反応ガスの圧力もしくは分圧)を調節することによ
って,又は電磁線や磁場に暴露することによって制御さ
れる。
合,化学反応によってサンプルを自己加熱することがで
き,このとき反応速度は,他の変数(例えば,流体の流
量や反応ガスの圧力もしくは分圧)を調節することによ
って,又は電磁線や磁場に暴露することによって制御さ
れる。
【0092】前述したように,本発明の好ましい実施態
様は,サンプルの加熱速度を調節する。しかしながら,
本発明は,加熱速度を調節する代わりにサンプルの温度
自体を調節することによって実施することができる。
様は,サンプルの加熱速度を調節する。しかしながら,
本発明は,加熱速度を調節する代わりにサンプルの温度
自体を調節することによって実施することができる。
【0093】本発明は,分離度,感度,精度,及び分析
法の効率に対する類似の改良を達成するのに,温度が駆
動変数となっていないような他の分析法にも使用するこ
とができる。例えば,本発明は,加えた圧力や周囲圧力
の関数として,又はサンプルに照射される電磁線の強度
や波長の関数として起こる化学的変換にも適用すること
ができる。本発明は,化学的もしくは物理的変換によ
り,サンプルの測定可能な物理的特性の変化が駆動変数
の関数として得られる場合には常に適用可能である。
法の効率に対する類似の改良を達成するのに,温度が駆
動変数となっていないような他の分析法にも使用するこ
とができる。例えば,本発明は,加えた圧力や周囲圧力
の関数として,又はサンプルに照射される電磁線の強度
や波長の関数として起こる化学的変換にも適用すること
ができる。本発明は,化学的もしくは物理的変換によ
り,サンプルの測定可能な物理的特性の変化が駆動変数
の関数として得られる場合には常に適用可能である。
【0094】本発明は,ハードウェア,ソフトウェア,
又はハードウェアとソフトウェアの組合せを使用して行
うことができる。例えば,最大加熱速度は,炉の物理的
特性を調節することによって,又は炉の加熱速度を制御
するコンピューターをプログラミングすることによって
限定することができる。増幅に対しては増幅器等のアナ
ログ装置を,加法に対しては積分器を,減法に対しては
インバーターを,そして意思決定に対してはコンパレー
ターを使用することができる。
又はハードウェアとソフトウェアの組合せを使用して行
うことができる。例えば,最大加熱速度は,炉の物理的
特性を調節することによって,又は炉の加熱速度を制御
するコンピューターをプログラミングすることによって
限定することができる。増幅に対しては増幅器等のアナ
ログ装置を,加法に対しては積分器を,減法に対しては
インバーターを,そして意思決定に対してはコンパレー
ターを使用することができる。
【0095】以下に実施例を挙げて本発明の特定の実施
態様を説明するが,これによって本発明が限定されるも
のではない。
態様を説明するが,これによって本発明が限定されるも
のではない。
【0096】実施例1: 熱重量分析 本実施例は,実施例2〜6及び実施例8〜9において使
用される実験装置と実験手順について説明する。これら
の分析に対して使用したTGAシステムは,TAインス
ツルメンツ(TA Instruments)TGA2
950熱重量分析器をTAインスツルメンツ・サーマル
アナリスト(TA Instruments Ther
mal Analyst)2100コンピューター/サ
ーマルアナライザーに接続したものである。本装置に対
する取扱説明書から,その内容を以下に引用する。実験
に使用したサンプルはいずれも市販の製品であり,容易
に入手可能であった。サンプルのサイズは5〜22mg
である。本サンプルを,標準的な50マイクロリットル
の白金製サンプルパン中に装入した。使用したパージガ
スは圧縮空気又は圧縮窒素(純度99.998%)であ
り,特定の実施例に関して図面に明記してある。TGA
をセットアップし,固体の非振動性作用表面(soli
d non−working surface)の上に
レベルを合わせた。
用される実験装置と実験手順について説明する。これら
の分析に対して使用したTGAシステムは,TAインス
ツルメンツ(TA Instruments)TGA2
950熱重量分析器をTAインスツルメンツ・サーマル
アナリスト(TA Instruments Ther
mal Analyst)2100コンピューター/サ
ーマルアナライザーに接続したものである。本装置に対
する取扱説明書から,その内容を以下に引用する。実験
に使用したサンプルはいずれも市販の製品であり,容易
に入手可能であった。サンプルのサイズは5〜22mg
である。本サンプルを,標準的な50マイクロリットル
の白金製サンプルパン中に装入した。使用したパージガ
スは圧縮空気又は圧縮窒素(純度99.998%)であ
り,特定の実施例に関して図面に明記してある。TGA
をセットアップし,固体の非振動性作用表面(soli
d non−working surface)の上に
レベルを合わせた。
【0097】TGA装置を操作する前に,パージガスの
定常流れを起こさせた。圧力調整器と流量計を介して,
パージガスを機器の天秤と炉への入口に接続した。流量
計は,サンプルパンに対してトータルで100ml/分
のパージ流量が得られるように,天秤に対しては40m
l/分の,そして炉に対しては60ml/分の流量を与
えるよう調整した。窒素を使用する場合,パージガス流
れにより,実験を開始する前に1時間ほどシステムをパ
ージした。
定常流れを起こさせた。圧力調整器と流量計を介して,
パージガスを機器の天秤と炉への入口に接続した。流量
計は,サンプルパンに対してトータルで100ml/分
のパージ流量が得られるように,天秤に対しては40m
l/分の,そして炉に対しては60ml/分の流量を与
えるよう調整した。窒素を使用する場合,パージガス流
れにより,実験を開始する前に1時間ほどシステムをパ
ージした。
【0098】実施例4,5,6,8,及び9に記載の分
析においては,熱電対をサンプルの上にて5mmの距離
に調節した。実施例2と3の場合,距離は1mmとし
た。距離が長くなると(5mm),より安定な加熱制御
が可能となる。なぜなら,熱電対が,サンプル物質の吸
熱反応や発熱反応によるサンプル温度の急激な変化によ
ってあまり影響されないようになるからである。
析においては,熱電対をサンプルの上にて5mmの距離
に調節した。実施例2と3の場合,距離は1mmとし
た。距離が長くなると(5mm),より安定な加熱制御
が可能となる。なぜなら,熱電対が,サンプル物質の吸
熱反応や発熱反応によるサンプル温度の急激な変化によ
ってあまり影響されないようになるからである。
【0099】サンプルパンをオレンジ色になるまで加熱
して残留物質を焼却除去し,アッシュだけが残るように
なるまで,先ずサンプルパンをブンゼンバーナー炎中で
加熱することによって清浄化した。アッシュが残留して
いる場合はこれをパンから取り除き,必要に応じてパン
をブラッシングした。次いで,サンプルパンを装入用プ
ラットホーム上に配置し,風袋ボタン(Tare bu
tton)を押すことによって自動的な風袋操作を行う
ようTGAにコマンドを与えた。この手順は,空のサン
プルパンを計量すること,及びサンプルパンの空重量を
実測の実験重量に対するネガティブオフセット(neg
ative offset)として記憶することを含
む。
して残留物質を焼却除去し,アッシュだけが残るように
なるまで,先ずサンプルパンをブンゼンバーナー炎中で
加熱することによって清浄化した。アッシュが残留して
いる場合はこれをパンから取り除き,必要に応じてパン
をブラッシングした。次いで,サンプルパンを装入用プ
ラットホーム上に配置し,風袋ボタン(Tare bu
tton)を押すことによって自動的な風袋操作を行う
ようTGAにコマンドを与えた。この手順は,空のサン
プルパンを計量すること,及びサンプルパンの空重量を
実測の実験重量に対するネガティブオフセット(neg
ative offset)として記憶することを含
む。
【0100】必要とされるおよその重量の物質の僅かな
部分をカットオフし,そしてそれらをプラットホーム上
のサンプルパンの中央に置くことによって,サンプルを
調製した。実施例4では,サンプルテープの接着側を上
方に向けて配置した。サンプルパンの内側に粉末状サン
プルを均一に分配した。
部分をカットオフし,そしてそれらをプラットホーム上
のサンプルパンの中央に置くことによって,サンプルを
調製した。実施例4では,サンプルテープの接着側を上
方に向けて配置した。サンプルパンの内側に粉末状サン
プルを均一に分配した。
【0101】サンプルの識別,所望の加熱速度,最終的
な到達温度,及び分離度設定値を,コンピューター/サ
ーマルアナライザー中にプログラム化した。
な到達温度,及び分離度設定値を,コンピューター/サ
ーマルアナライザー中にプログラム化した。
【0102】TGA2950に付いている“スタート”
ボタンを押すことによって,TGA実験シーケンスを開
始した。コンピューター/サーマルアナライザーは,自
動的に以下の工程を実行した:(1)サンプルの装入さ
れたサンプルパンをプラットホーム上にのせた状態で,
サンプルプラットホームを天秤荷重位置に移動させ,そ
して天秤アームを電気的に下方に動かし,天秤ハング−
ダウンワイヤ(hang−down wire)上のフ
ックをサンプルパンのベイル(bale)とかみ合わせ
た;(2)いったんかみ合ったら,天秤アームによって
サンプルパンをプラットホームから持ち上げ,プラット
ホームをわきへ移動させた。天秤メーターの移動におい
て,ゼロ化電流(nulling current)に
よってサンプルパンとサンプルを静止状態に保持した;
(3)サンプルとサンプル熱電対を取り囲み,そしてO
リングをでハウジングしている天秤の底部に対して炉チ
ャンバーをシールするために,モーターと駆動スクリュ
ー機構を介して炉を上昇させた;(4)システムを安定
化させ,且つ初期(100%)のサンプル重量を確実に
得られにようにするために,サンプルパンとサンプルを
約30秒秤量した;(5)本発明に従ってサンプルを加
熱した(実施例2〜6と実施例8〜9に具体的に説明さ
れている);(6)サンプル温度とサンプル重量を,1
0回/秒の割合で連続的にモニターした。温度情報と重
量情報を平均化し,濾過し,そして2秒ごとに1つのデ
ータポイントの割合でコンピューターのハードディスク
に記憶させた;(7)特定の最終温度に達したとき,炉
に対するコンピューターの電源を切り,データの記憶を
停止させた;(8)炉の外側周囲の熱交換器と水冷用ジ
ャケットによって,炉の温度を室温にまで冷却した;及
び(9)工程1〜3を逆にすることによって,自動的に
サンプルに対する負荷を取り除いた。
ボタンを押すことによって,TGA実験シーケンスを開
始した。コンピューター/サーマルアナライザーは,自
動的に以下の工程を実行した:(1)サンプルの装入さ
れたサンプルパンをプラットホーム上にのせた状態で,
サンプルプラットホームを天秤荷重位置に移動させ,そ
して天秤アームを電気的に下方に動かし,天秤ハング−
ダウンワイヤ(hang−down wire)上のフ
ックをサンプルパンのベイル(bale)とかみ合わせ
た;(2)いったんかみ合ったら,天秤アームによって
サンプルパンをプラットホームから持ち上げ,プラット
ホームをわきへ移動させた。天秤メーターの移動におい
て,ゼロ化電流(nulling current)に
よってサンプルパンとサンプルを静止状態に保持した;
(3)サンプルとサンプル熱電対を取り囲み,そしてO
リングをでハウジングしている天秤の底部に対して炉チ
ャンバーをシールするために,モーターと駆動スクリュ
ー機構を介して炉を上昇させた;(4)システムを安定
化させ,且つ初期(100%)のサンプル重量を確実に
得られにようにするために,サンプルパンとサンプルを
約30秒秤量した;(5)本発明に従ってサンプルを加
熱した(実施例2〜6と実施例8〜9に具体的に説明さ
れている);(6)サンプル温度とサンプル重量を,1
0回/秒の割合で連続的にモニターした。温度情報と重
量情報を平均化し,濾過し,そして2秒ごとに1つのデ
ータポイントの割合でコンピューターのハードディスク
に記憶させた;(7)特定の最終温度に達したとき,炉
に対するコンピューターの電源を切り,データの記憶を
停止させた;(8)炉の外側周囲の熱交換器と水冷用ジ
ャケットによって,炉の温度を室温にまで冷却した;及
び(9)工程1〜3を逆にすることによって,自動的に
サンプルに対する負荷を取り除いた。
【0103】次いで,コンピューターのハードディスク
に集められたデータを解析し,デジタルx−yプロッタ
ーでプロットした。ディスクに記憶された温度データ,
時間データ,及び重量変化データから,微分係数曲線を
数学的に導き出した。
に集められたデータを解析し,デジタルx−yプロッタ
ーでプロットした。ディスクに記憶された温度データ,
時間データ,及び重量変化データから,微分係数曲線を
数学的に導き出した。
【0104】実施例2: シュウ酸カルシウムに関し
て,温度精度,変化分離,及び分析時間に及ぼす分離度
設定値の影響 シュウ酸カルシウム一水和物(CaC2 O4 ・H2O)
のサンプルを,本発明の第1の好ましい実施態様を使用
して従来のTGAによって空気中で試験して,異なる分
離度設定値を使用して得られる結果を比較検討した。装
置の準備,サンプルの装入,及び分析の実施などの実験
手順については,実施例1に記載した通りである。この
分析結果を図3〜8に示す。図3は,周囲温度から80
0℃以上にわたって50℃/分の一定加熱速度にて,従
来の方法に従って得られるTGA走査である。図4,
5,6,7,及び8は,それぞれ1,2,3,4,及び
5の分離度設定値にて,本発明の第1の好ましい実施態
様(工程1〜14)に従って得られるTGA走査であ
る。
て,温度精度,変化分離,及び分析時間に及ぼす分離度
設定値の影響 シュウ酸カルシウム一水和物(CaC2 O4 ・H2O)
のサンプルを,本発明の第1の好ましい実施態様を使用
して従来のTGAによって空気中で試験して,異なる分
離度設定値を使用して得られる結果を比較検討した。装
置の準備,サンプルの装入,及び分析の実施などの実験
手順については,実施例1に記載した通りである。この
分析結果を図3〜8に示す。図3は,周囲温度から80
0℃以上にわたって50℃/分の一定加熱速度にて,従
来の方法に従って得られるTGA走査である。図4,
5,6,7,及び8は,それぞれ1,2,3,4,及び
5の分離度設定値にて,本発明の第1の好ましい実施態
様(工程1〜14)に従って得られるTGA走査であ
る。
【0105】走査のそれぞれは3つの曲線を示してい
る。曲線201(図3),211(図4),221(図
5),231(図6),241(図7),及び251
(図8)は,サンプルの重量変化率をサンプル温度の関
数としてプロットしたものである。曲線202(図
3),212(図4),222(図5),232(図
6),242(図7),及び252(図8)は,サンプ
ル温度の時間に関する微分係数をサンプル温度に対して
プロットしたものである。曲線203(図3),213
(図4),223(図5),233(図6),243
(図7),及び253(図8)は,サンプル重量変化率
の温度に関する微分係数をサンプル温度の関数としてプ
ロットしたものである。
る。曲線201(図3),211(図4),221(図
5),231(図6),241(図7),及び251
(図8)は,サンプルの重量変化率をサンプル温度の関
数としてプロットしたものである。曲線202(図
3),212(図4),222(図5),232(図
6),242(図7),及び252(図8)は,サンプ
ル温度の時間に関する微分係数をサンプル温度に対して
プロットしたものである。曲線203(図3),213
(図4),223(図5),233(図6),243
(図7),及び253(図8)は,サンプル重量変化率
の温度に関する微分係数をサンプル温度の関数としてプ
ロットしたものである。
【0106】周知のように,シュウ酸カルシウムは,1
00〜800℃の温度にて3つに明確に分離し,且つ容
易に観察しうる重量損失変化を示す物質である。第1番
目の変化では,水が放出される。第1番目の変化は,図
3においては輪郭204と207として;図4において
は輪郭214と217として;図5においては輪郭22
4と227として;図6においては輪郭234と237
として;図7においては輪郭244と247として;そ
して図8においては輪郭254と257として現れてい
る。第2番目の変化では,一酸化炭素ガスの放出に伴っ
て炭酸カルシウムが形成される。第2番目の変化は,図
3においては輪郭205と208として;図4において
は輪郭215と218として;図5においては輪郭22
5と228として;図6においては輪郭235と238
として;図7においては輪郭245と248として;そ
して図8においては輪郭255と258として現れてい
る。第3番目の変化では,二酸化炭素ガスの放出に伴っ
て酸化カルシウムが形成される。第3番目の変化は,図
3においては輪郭206と209として;図4において
は輪郭216と219として;図5においては輪郭22
6と229として;図6においては輪郭236と239
として;図7においては輪郭246と249として;そ
して図8においては輪郭256と259として現れてい
る。
00〜800℃の温度にて3つに明確に分離し,且つ容
易に観察しうる重量損失変化を示す物質である。第1番
目の変化では,水が放出される。第1番目の変化は,図
3においては輪郭204と207として;図4において
は輪郭214と217として;図5においては輪郭22
4と227として;図6においては輪郭234と237
として;図7においては輪郭244と247として;そ
して図8においては輪郭254と257として現れてい
る。第2番目の変化では,一酸化炭素ガスの放出に伴っ
て炭酸カルシウムが形成される。第2番目の変化は,図
3においては輪郭205と208として;図4において
は輪郭215と218として;図5においては輪郭22
5と228として;図6においては輪郭235と238
として;図7においては輪郭245と248として;そ
して図8においては輪郭255と258として現れてい
る。第3番目の変化では,二酸化炭素ガスの放出に伴っ
て酸化カルシウムが形成される。第3番目の変化は,図
3においては輪郭206と209として;図4において
は輪郭216と219として;図5においては輪郭22
6と229として;図6においては輪郭236と239
として;図7においては輪郭246と249として;そ
して図8においては輪郭256と259として現れてい
る。
【0107】図4〜8に示されているように,1(最も
低い分離度)から5(最も高い分離度)まで分離度設定
値が増大するにつれて,重量損失変化がシャープとな
り,また微分係数のピークがより高く且つ狭くなってい
る。全ての分離度設定値にて等温変化温度への接近が観
察されるが,より高い分離度設定値の場合が最も顕著で
ある。分離度設定値5(図8)におけるTGA走査を,
一定加熱速度のTGA走査(図3)と対照してみると,
本発明の場合には反応温度の決定に大幅な改良が得られ
ていることがわかる。
低い分離度)から5(最も高い分離度)まで分離度設定
値が増大するにつれて,重量損失変化がシャープとな
り,また微分係数のピークがより高く且つ狭くなってい
る。全ての分離度設定値にて等温変化温度への接近が観
察されるが,より高い分離度設定値の場合が最も顕著で
ある。分離度設定値5(図8)におけるTGA走査を,
一定加熱速度のTGA走査(図3)と対照してみると,
本発明の場合には反応温度の決定に大幅な改良が得られ
ていることがわかる。
【0108】図4〜8の実験に必要とされるトータル時
間は,それぞれ1〜5の分離度設定値に対して28分,
37分,46分,53分,及び63分であった。このこ
とは,分析に必要とされるトータル時間を最小限に抑え
ることと,より高い分離度を得ることとの間に取捨選択
がなされることを示している。
間は,それぞれ1〜5の分離度設定値に対して28分,
37分,46分,53分,及び63分であった。このこ
とは,分析に必要とされるトータル時間を最小限に抑え
ることと,より高い分離度を得ることとの間に取捨選択
がなされることを示している。
【0109】実施例3: シュウ酸カルシウムに関し
て,異なる最大加熱速度における変化分離の改良と分析
時間の短縮 シュウ酸カルシウム一水和物(CaC2 O4 ・H2O)
のサンプルを,本発明の第1の好ましい実施態様を使用
して従来のTGAによって空気中で試験し,異なる最大
加熱速度にてある与えられた分離度設定値で得られる結
果を比較検討した。装置の準備,サンプルの装入,及び
分析の実施などの実験手順については,実施例1に記載
した通りである。この分析結果を図9〜13に示す。図
9は,周囲温度から800℃以上にわたって20℃/分
の一定加熱速度にて,従来の方法に従って得られるTG
A走査である。図10,11,12,及び13は,それ
ぞれ100℃/分,50℃/分,20℃/分,及び10
℃/分の最大加熱速度で,5の分離度設定値にて,本発
明の第1の好ましい実施態様(工程1〜14)に従って
得られるTGA走査である。
て,異なる最大加熱速度における変化分離の改良と分析
時間の短縮 シュウ酸カルシウム一水和物(CaC2 O4 ・H2O)
のサンプルを,本発明の第1の好ましい実施態様を使用
して従来のTGAによって空気中で試験し,異なる最大
加熱速度にてある与えられた分離度設定値で得られる結
果を比較検討した。装置の準備,サンプルの装入,及び
分析の実施などの実験手順については,実施例1に記載
した通りである。この分析結果を図9〜13に示す。図
9は,周囲温度から800℃以上にわたって20℃/分
の一定加熱速度にて,従来の方法に従って得られるTG
A走査である。図10,11,12,及び13は,それ
ぞれ100℃/分,50℃/分,20℃/分,及び10
℃/分の最大加熱速度で,5の分離度設定値にて,本発
明の第1の好ましい実施態様(工程1〜14)に従って
得られるTGA走査である。
【0110】走査のそれぞれは3つの曲線を示してい
る。曲線301(図9),311(図10),321
(図11),331(図12),及び341(図13)
は,サンプルの重量変化率をサンプル温度の関数として
プロットしたものである。曲線302(図9),312
(図10),322(図11),332(図12),及
び342(図13)は,サンプル温度の時間に関する微
分係数をサンプル温度の関数としてプロットしたもので
ある。曲線303(図9),313(図10),323
(図11),333(図12),及び343(図13)
は,サンプル重量変化率の温度に関する微分係数をサン
プル温度の関数としてプロットしたものである。
る。曲線301(図9),311(図10),321
(図11),331(図12),及び341(図13)
は,サンプルの重量変化率をサンプル温度の関数として
プロットしたものである。曲線302(図9),312
(図10),322(図11),332(図12),及
び342(図13)は,サンプル温度の時間に関する微
分係数をサンプル温度の関数としてプロットしたもので
ある。曲線303(図9),313(図10),323
(図11),333(図12),及び343(図13)
は,サンプル重量変化率の温度に関する微分係数をサン
プル温度の関数としてプロットしたものである。
【0111】周知のように,シュウ酸カルシウムは,1
00〜800℃の温度にて3つに明確に分離し,且つ容
易に観察しうる重量損失変化を示す物質である。第1番
目の変化(水が放出される)は,図9においては304
と307として;図10においては314と317とし
て;図11においては輪郭324と327として;図1
2において輪郭334と337として;そして図13に
おいては輪郭344と347として現れている。第2番
目の変化(炭酸カルシウムが形成され,一酸化炭素が放
出される)は,図9においては輪郭305と308とし
て;図10においては輪郭315と318として;図1
1においては輪郭325と328として;図12におい
ては輪郭335と338として;そして図13において
は輪郭345と348として現れている。第3番目の変
化(炭酸カルシウムが形成され,二酸化炭素が放出され
る)は,図9においては輪郭306と309として;図
10においては輪郭316と319として;図11にお
いては輪郭326と329として;図12においては輪
郭336と339として;そして図13においては輪郭
346と349として現れている。
00〜800℃の温度にて3つに明確に分離し,且つ容
易に観察しうる重量損失変化を示す物質である。第1番
目の変化(水が放出される)は,図9においては304
と307として;図10においては314と317とし
て;図11においては輪郭324と327として;図1
2において輪郭334と337として;そして図13に
おいては輪郭344と347として現れている。第2番
目の変化(炭酸カルシウムが形成され,一酸化炭素が放
出される)は,図9においては輪郭305と308とし
て;図10においては輪郭315と318として;図1
1においては輪郭325と328として;図12におい
ては輪郭335と338として;そして図13において
は輪郭345と348として現れている。第3番目の変
化(炭酸カルシウムが形成され,二酸化炭素が放出され
る)は,図9においては輪郭306と309として;図
10においては輪郭316と319として;図11にお
いては輪郭326と329として;図12においては輪
郭336と339として;そして図13においては輪郭
346と349として現れている。
【0112】図12と図13は,輪郭338と339
(図12)及び輪郭348と349(図13)のテール
エンドにおいて明らかに異型(anomaly)を示し
ており,これらはシュウ酸カルシウムに対する一定加熱
速度のTGA走査においては認められていない。これら
の輪郭は,サンプルの加熱速度が変化しつつあるとき
に,重量損失を温度に対してプロットすることにより得
られているものである。異型の程度は,本実施例におい
て使用されている特定の手段とパラメーターにより得ら
れるものである。これらの異型は,最大加熱速度及び分
離度設定値に対して他の値を選択することによって取り
除くことができる。
(図12)及び輪郭348と349(図13)のテール
エンドにおいて明らかに異型(anomaly)を示し
ており,これらはシュウ酸カルシウムに対する一定加熱
速度のTGA走査においては認められていない。これら
の輪郭は,サンプルの加熱速度が変化しつつあるとき
に,重量損失を温度に対してプロットすることにより得
られているものである。異型の程度は,本実施例におい
て使用されている特定の手段とパラメーターにより得ら
れるものである。これらの異型は,最大加熱速度及び分
離度設定値に対して他の値を選択することによって取り
除くことができる。
【0113】図10〜13に示されているように,一定
の分離度設定値5を保持しつつ最大加熱速度を減少させ
ると,10℃/分という設定を除き,変化温度の行き過
ぎはより一層起こりにくくなる。10℃/分の設定で
は,20℃/分での走査を大幅に凌ぐような改良は認め
られない。各々の場合において,図9で示されているよ
うな従来の一定速度走査を使用して得られる変化に比べ
て,はるかにシャープな重量損失変化が得られている。
いずれの走査においても,重量損失のベースラインが優
れている。
の分離度設定値5を保持しつつ最大加熱速度を減少させ
ると,10℃/分という設定を除き,変化温度の行き過
ぎはより一層起こりにくくなる。10℃/分の設定で
は,20℃/分での走査を大幅に凌ぐような改良は認め
られない。各々の場合において,図9で示されているよ
うな従来の一定速度走査を使用して得られる変化に比べ
て,はるかにシャープな重量損失変化が得られている。
いずれの走査においても,重量損失のベースラインが優
れている。
【0114】実施例4: 黒色絶縁テープに対し3つの
TGA走査を使用した場合の分離度の改良 市販の黒色絶縁テープ(表面に無機接着被膜をもったコ
ポリマーシート)のサンプルに対し,従来のTGA(図
14と図15に示されているTGA走査),及び本発明
の第1の好ましい実施態様(図16に示されているTG
A走査)を使用して試験して,それぞれの方法により得
られた結果を比較検討した。装置の準備,サンプルの装
入,及び分析の実施など,本実施例に対する実験手順は
実施例1に記載の通りである。図14に示す従来の一定
加熱速度でのTGA走査においては,6.34mgのテ
ープサンプルを,室温から650℃まで50℃/分の一
定加熱速度にて空気中で分析した。図15に示す従来の
一定加熱速度でのTGA走査においては,9.59mg
のテープサンプルを,室温から650℃まで1℃/分の
一定加熱速度にて空気中で分析した。図16に示す本発
明の第1の好ましい実施態様(工程1〜14)に従って
得られるTGA走査においては,8.80mgのテープ
サンプルを,室温から650℃まで50℃/分の加熱速
度,及び4の分離度設定値にて空気中で分析した。
TGA走査を使用した場合の分離度の改良 市販の黒色絶縁テープ(表面に無機接着被膜をもったコ
ポリマーシート)のサンプルに対し,従来のTGA(図
14と図15に示されているTGA走査),及び本発明
の第1の好ましい実施態様(図16に示されているTG
A走査)を使用して試験して,それぞれの方法により得
られた結果を比較検討した。装置の準備,サンプルの装
入,及び分析の実施など,本実施例に対する実験手順は
実施例1に記載の通りである。図14に示す従来の一定
加熱速度でのTGA走査においては,6.34mgのテ
ープサンプルを,室温から650℃まで50℃/分の一
定加熱速度にて空気中で分析した。図15に示す従来の
一定加熱速度でのTGA走査においては,9.59mg
のテープサンプルを,室温から650℃まで1℃/分の
一定加熱速度にて空気中で分析した。図16に示す本発
明の第1の好ましい実施態様(工程1〜14)に従って
得られるTGA走査においては,8.80mgのテープ
サンプルを,室温から650℃まで50℃/分の加熱速
度,及び4の分離度設定値にて空気中で分析した。
【0115】分析結果を図14〜16に示す。曲線40
1(図14),411(図15),及び421(図1
6)は,サンプルの重量変化率をサンプル温度の関数と
してプロットしたものである。曲線402(図14),
412(図15),及び422(図16)は,サンプル
温度の時間に関する微分係数をサンプル温度の関数とし
てプロットしたものである。曲線403(図14),4
13(図15),及び423(図16)は,サンプルの
重量変化率の時間に関する微分係数をサンプル温度の関
数としてプロットしたものである。
1(図14),411(図15),及び421(図1
6)は,サンプルの重量変化率をサンプル温度の関数と
してプロットしたものである。曲線402(図14),
412(図15),及び422(図16)は,サンプル
温度の時間に関する微分係数をサンプル温度の関数とし
てプロットしたものである。曲線403(図14),4
13(図15),及び423(図16)は,サンプルの
重量変化率の時間に関する微分係数をサンプル温度の関
数としてプロットしたものである。
【0116】図14における輪郭404と405,及び
図15における輪郭414と415は,図16において
輪郭424と425としてはるかに高い分離度で現れて
いる。さらに,図16において明らかに分離されている
ピーク426は,図14におけるピーク405及び図1
5におけるピーク415の未分離の成分である。図14
における輪郭406と407,及び図15における輪郭
416と417は,図16において輪郭427と428
として現れている。
図15における輪郭414と415は,図16において
輪郭424と425としてはるかに高い分離度で現れて
いる。さらに,図16において明らかに分離されている
ピーク426は,図14におけるピーク405及び図1
5におけるピーク415の未分離の成分である。図14
における輪郭406と407,及び図15における輪郭
416と417は,図16において輪郭427と428
として現れている。
【0117】図14と図15からわかるように,100
〜350℃にて,そして再び370〜550℃にていく
つかの温度重なり変化が起きている。これらの変化のい
くつかは,50℃/分の走査では識別するのが困難であ
る。1℃/分の走査においては,240℃と400℃で
の重なり合った変化は,加熱速度が急激に減少したとし
ても,まだ分離されないままである。これらの走査と対
照的なのが本発明に従って得られる50℃/分の走査で
あり,4つの変化を明らかに分離しており,その他の小
さな変化も明確に示している。以上のことから明らかな
ように,速い加熱速度での走査を行い,次いでゆっくり
した走査を行って臨界点での変化を分離するという従来
の方法は,図16に示されている走査に匹敵するような
結果を与えていない。従って本発明は,選定される加熱
速度に関係なく,一定速度のTGAでは達成できない分
離度の向上をもたらす。
〜350℃にて,そして再び370〜550℃にていく
つかの温度重なり変化が起きている。これらの変化のい
くつかは,50℃/分の走査では識別するのが困難であ
る。1℃/分の走査においては,240℃と400℃で
の重なり合った変化は,加熱速度が急激に減少したとし
ても,まだ分離されないままである。これらの走査と対
照的なのが本発明に従って得られる50℃/分の走査で
あり,4つの変化を明らかに分離しており,その他の小
さな変化も明確に示している。以上のことから明らかな
ように,速い加熱速度での走査を行い,次いでゆっくり
した走査を行って臨界点での変化を分離するという従来
の方法は,図16に示されている走査に匹敵するような
結果を与えていない。従って本発明は,選定される加熱
速度に関係なく,一定速度のTGAでは達成できない分
離度の向上をもたらす。
【0118】実施例5: キャンディータフィーに対し
2つの走査を使用した場合の分離度の改良 市販のキャンディータフィー(candy taff
y)(有機化合物の複雑な混合物)のサンプルに対し,
従来のTGA及び本発明の第1の好ましい実施態様(工
程1〜14)を使用して試験して,それぞれの方法によ
り得られた結果を比較検討した。装置の準備,サンプル
の装入,及び分析の実施など,本実施例に対する実験手
順は実施例1に記載の通りである。図17においては,
12mgのタフィーサンプルを,室温から670℃まで
20℃/分の一定加熱速度にて空気中で分析した。図1
8においては,12mgのタフィーサンプルを,室温か
ら670℃まで,本発明の第1の好ましい実施態様(工
程1〜14)に従って50℃/分の最大加熱速度にて,
そして4の分離度設定値にて空気中で分析した。
2つの走査を使用した場合の分離度の改良 市販のキャンディータフィー(candy taff
y)(有機化合物の複雑な混合物)のサンプルに対し,
従来のTGA及び本発明の第1の好ましい実施態様(工
程1〜14)を使用して試験して,それぞれの方法によ
り得られた結果を比較検討した。装置の準備,サンプル
の装入,及び分析の実施など,本実施例に対する実験手
順は実施例1に記載の通りである。図17においては,
12mgのタフィーサンプルを,室温から670℃まで
20℃/分の一定加熱速度にて空気中で分析した。図1
8においては,12mgのタフィーサンプルを,室温か
ら670℃まで,本発明の第1の好ましい実施態様(工
程1〜14)に従って50℃/分の最大加熱速度にて,
そして4の分離度設定値にて空気中で分析した。
【0119】曲線501(図17)と521(図18)
は,サンプルの重量変化率をサンプル温度の関数として
プロットしたものである。曲線502(図17)と52
2(図18)は,サンプル温度の時間に関する微分係数
をサンプル温度の関数としてプロットしたものである。
曲線503(図17)と523(図18)は,サンプル
の重量変化率の温度に関する微分係数をサンプル温度の
関数としてプロットしたものである。
は,サンプルの重量変化率をサンプル温度の関数として
プロットしたものである。曲線502(図17)と52
2(図18)は,サンプル温度の時間に関する微分係数
をサンプル温度の関数としてプロットしたものである。
曲線503(図17)と523(図18)は,サンプル
の重量変化率の温度に関する微分係数をサンプル温度の
関数としてプロットしたものである。
【0120】図17と図18からわかるように,100
〜550℃において多くの温度重なり変化が起きてい
る。これらの変化は,図18に示す走査においてはるか
に良く分離されている。図17における輪郭504,5
05,506,507,及び508は,図18において
それぞれ輪郭524,525,526,528,及び5
29として現れている。図18における輪郭527は,
図17において容易に識別しうるような対応輪郭をもた
ない。図17における輪郭509,510,511,5
12,及び513は,図18において輪郭530,53
1,532,534,及び535として現れている。従
って,従来の走査では350℃と430℃にて殆ど認め
ることのできない変化(図17では識別できない)が,
本発明に従って得られる走査では,315℃(輪郭52
7と533)及び365℃(輪郭534でのショルダ
ー)においてはっきりと認められる。最終的な重量損失
変化(輪郭529と535)は,図18に示されている
走査ではシャープに現れているが,図17の従来走査で
はゆるやかな傾斜の分解(輪郭508と513)として
現れている。いずれの場合においても,図18における
重量変化(%/℃)の微分係数の曲線は,図17に示す
同じ曲線と比べて,ベースラインに関してよりシャープ
に且つより良好に分離されている。図17と図18に示
す走査においては,変化の大きさと位置との間に良好な
相関性が存在している。図18は,特に高い温度の部分
にて,図17より低い変化温度を示している。これは,
本発明の分析法により,変化温度の行き過ぎが起こりに
くくなり,このため従来の一定加熱速度法に比べてより
正確な変化温度の決定が可能となるからである。
〜550℃において多くの温度重なり変化が起きてい
る。これらの変化は,図18に示す走査においてはるか
に良く分離されている。図17における輪郭504,5
05,506,507,及び508は,図18において
それぞれ輪郭524,525,526,528,及び5
29として現れている。図18における輪郭527は,
図17において容易に識別しうるような対応輪郭をもた
ない。図17における輪郭509,510,511,5
12,及び513は,図18において輪郭530,53
1,532,534,及び535として現れている。従
って,従来の走査では350℃と430℃にて殆ど認め
ることのできない変化(図17では識別できない)が,
本発明に従って得られる走査では,315℃(輪郭52
7と533)及び365℃(輪郭534でのショルダ
ー)においてはっきりと認められる。最終的な重量損失
変化(輪郭529と535)は,図18に示されている
走査ではシャープに現れているが,図17の従来走査で
はゆるやかな傾斜の分解(輪郭508と513)として
現れている。いずれの場合においても,図18における
重量変化(%/℃)の微分係数の曲線は,図17に示す
同じ曲線と比べて,ベースラインに関してよりシャープ
に且つより良好に分離されている。図17と図18に示
す走査においては,変化の大きさと位置との間に良好な
相関性が存在している。図18は,特に高い温度の部分
にて,図17より低い変化温度を示している。これは,
本発明の分析法により,変化温度の行き過ぎが起こりに
くくなり,このため従来の一定加熱速度法に比べてより
正確な変化温度の決定が可能となるからである。
【0121】図17においては,410℃での燃焼時に
サンプルの自己加熱によって引き起こされる見掛けの加
熱速度の急激な上昇があり,次いで炉の温度が高温サン
プルの温度に達したときに,加熱速度が減少するという
ことに留意しておく必要がある。
サンプルの自己加熱によって引き起こされる見掛けの加
熱速度の急激な上昇があり,次いで炉の温度が高温サン
プルの温度に達したときに,加熱速度が減少するという
ことに留意しておく必要がある。
【0122】実施例6: エチレン−ビニルアセテート
(EVA)に対し3つの走査を使用した場合の分離度の
改良と分析時間の短縮 ビニルアセテートを40%含んだエチレン−ビニルアセ
テート(EVA)コポリマーのサンプルに対し,従来の
TGA法及び本発明の第1の好ましい実施態様を使用し
て試験して,得られた結果を比較検討した。本実施例に
よれば,従来法に比べて,本発明の方法では定量的な精
度が向上していることがわかる。装置の準備,サンプル
の装入,及び分析の実施等,本実施例にて従う実験手順
については実施例1に記載した通りである。図19,2
0,23,及び24に示す分析においては,周囲温度か
ら880℃まで,従来のTGA法を使用して20℃/分
(図19と20)および5℃/分(図23と24)の一
定加熱速度にて,窒素中でEVAサンプルの分析を行っ
た。図21と22は,50℃/分の最大加熱速度を使用
して,本発明の第1の好ましい実施態様(工程1〜1
4)に従って得られたTGA走査を示している。
(EVA)に対し3つの走査を使用した場合の分離度の
改良と分析時間の短縮 ビニルアセテートを40%含んだエチレン−ビニルアセ
テート(EVA)コポリマーのサンプルに対し,従来の
TGA法及び本発明の第1の好ましい実施態様を使用し
て試験して,得られた結果を比較検討した。本実施例に
よれば,従来法に比べて,本発明の方法では定量的な精
度が向上していることがわかる。装置の準備,サンプル
の装入,及び分析の実施等,本実施例にて従う実験手順
については実施例1に記載した通りである。図19,2
0,23,及び24に示す分析においては,周囲温度か
ら880℃まで,従来のTGA法を使用して20℃/分
(図19と20)および5℃/分(図23と24)の一
定加熱速度にて,窒素中でEVAサンプルの分析を行っ
た。図21と22は,50℃/分の最大加熱速度を使用
して,本発明の第1の好ましい実施態様(工程1〜1
4)に従って得られたTGA走査を示している。
【0123】図19,21,及び23は,温度に対して
プロットしたTGAデータを示している。図19,2
1,及び23における曲線601,621,及び641
は,サンプルの重量変化率をサンプル温度の関数として
プロットしたものである。図19,21,及び23にお
ける曲線602,622,及び642は,サンプル温度
の時間に関する微分係数をサンプル温度の関数としてプ
ロットしたものである。図19,21,及び23におけ
る曲線603,623,及び643は,サンプルの重量
変化率の温度に関する微分係数をサンプル温度の関数と
してプロットしたものである。
プロットしたTGAデータを示している。図19,2
1,及び23における曲線601,621,及び641
は,サンプルの重量変化率をサンプル温度の関数として
プロットしたものである。図19,21,及び23にお
ける曲線602,622,及び642は,サンプル温度
の時間に関する微分係数をサンプル温度の関数としてプ
ロットしたものである。図19,21,及び23におけ
る曲線603,623,及び643は,サンプルの重量
変化率の温度に関する微分係数をサンプル温度の関数と
してプロットしたものである。
【0124】図20,22,及び24は,時間に対して
プロットしたTGAデータを示している。図20,2
2,及び24における曲線611,631,及び651
は,サンプルの重量変化率を時間の関数としてプロット
したものである。図20,22,及び24における曲線
612,632,及び652は,サンプル温度の時間に
関する微分係数を時間の関数としてプロットしたもので
ある。図20,22,及び24における曲線613,6
33,及び653は,サンプル温度を時間の関数として
プロットしたものである。曲線613と653は,デー
タが一定加熱速度を使用して得られているためにほぼ直
線に近い。しかるに曲線633は,急勾配の高い加熱速
度領域と殆どフラットな低い加熱速度領域を示してい
る。図22は,熱重量分析が本発明に従って実施された
場合には,従来法に比べて,分析時間のより多くの部分
が,変化時のデータを求めるのに費やされるということ
を示している。
プロットしたTGAデータを示している。図20,2
2,及び24における曲線611,631,及び651
は,サンプルの重量変化率を時間の関数としてプロット
したものである。図20,22,及び24における曲線
612,632,及び652は,サンプル温度の時間に
関する微分係数を時間の関数としてプロットしたもので
ある。図20,22,及び24における曲線613,6
33,及び653は,サンプル温度を時間の関数として
プロットしたものである。曲線613と653は,デー
タが一定加熱速度を使用して得られているためにほぼ直
線に近い。しかるに曲線633は,急勾配の高い加熱速
度領域と殆どフラットな低い加熱速度領域を示してい
る。図22は,熱重量分析が本発明に従って実施された
場合には,従来法に比べて,分析時間のより多くの部分
が,変化時のデータを求めるのに費やされるということ
を示している。
【0125】図19と23は,250℃と500℃の間
に2つの重なり合った変化を示している。図21は,本
発明に従って熱重量分析を行うと,同じ2つの変化が明
確に分離されることを示している。第1の変化は,サン
プル中における40%ビニルアセテートの分解によるも
のである。第1の変化は,輪郭604と606(図1
9),614(図20),624と626(図21),
634(図22),644と646(図23),及び6
54(図24)として現れている。第2の変化(サンプ
ルの残りの部分が分解する)は,輪郭605と607
(図19),615(図20),625と627(図2
1),635(図22),645と647(図23),
及び655(図24)として現れている。
に2つの重なり合った変化を示している。図21は,本
発明に従って熱重量分析を行うと,同じ2つの変化が明
確に分離されることを示している。第1の変化は,サン
プル中における40%ビニルアセテートの分解によるも
のである。第1の変化は,輪郭604と606(図1
9),614(図20),624と626(図21),
634(図22),644と646(図23),及び6
54(図24)として現れている。第2の変化(サンプ
ルの残りの部分が分解する)は,輪郭605と607
(図19),615(図20),625と627(図2
1),635(図22),645と647(図23),
及び655(図24)として現れている。
【0126】図19では,第1の変化による重量損失は
求めるのが難しい。なぜなら,第2の変化が始まる前に
ベースラインが再度確立されていないからである。図2
1では,重量損失ははるかに簡単に求められる。なぜな
ら,変化間のベースライン領域がより長く且つよりフラ
ットであるからである。図23におけるベースライン
は,図19の場合よりはるかに良く確立されているが,
図21の場合ほどには明確化されていない。このように
分離することができれば,ピークの限界とピークの重な
りを選定する影響を減少させることによって,精度の向
上と分析の再現性の向上をもたらすことができる。
求めるのが難しい。なぜなら,第2の変化が始まる前に
ベースラインが再度確立されていないからである。図2
1では,重量損失ははるかに簡単に求められる。なぜな
ら,変化間のベースライン領域がより長く且つよりフラ
ットであるからである。図23におけるベースライン
は,図19の場合よりはるかに良く確立されているが,
図21の場合ほどには明確化されていない。このように
分離することができれば,ピークの限界とピークの重な
りを選定する影響を減少させることによって,精度の向
上と分析の再現性の向上をもたらすことができる。
【0127】本実施例においては,サンプル中のビニル
アセテートの量は,ジェン・チウ(Jen Chiu)
による「“高分子の研究に対する熱重量分析の応用”,
アプライド・ポリマー・シンポジア No.2,pp.
25−43(1966)」に説明されている以下に記載
の簡単な関係により,重量変化曲線の最もなだらかな傾
斜にて得られる重量損失(すなわち,重量変化曲線の微
分係数におけるピーク間の谷の底部)から求めることが
できる。
アセテートの量は,ジェン・チウ(Jen Chiu)
による「“高分子の研究に対する熱重量分析の応用”,
アプライド・ポリマー・シンポジア No.2,pp.
25−43(1966)」に説明されている以下に記載
の簡単な関係により,重量変化曲線の最もなだらかな傾
斜にて得られる重量損失(すなわち,重量変化曲線の微
分係数におけるピーク間の谷の底部)から求めることが
できる。
【0128】 %ビニルアセテート=%重量変化×1.43 この式によれば,各サンプルにおけるビニルアセテート
のパーセントは以下のようになる: サンプル−1(図19): 30.5重量%×1.43=43.6% ビニルアセテート サンプル−2(図21): 28.4重量%×1.43=40.6% ビニルアセテート サンプル−3(図23): 28.8重量%×1.43=41.2% ビニルアセテート これらの算出値は,20℃/分(サンプル−1,図1
9)及び5℃/分(サンプル−3,図23)での従来の
TDA走査と比べて,本発明の第1の好ましい実施態様
(サンプル−2,図21)の場合には精度の向上が得ら
れることを示している。
のパーセントは以下のようになる: サンプル−1(図19): 30.5重量%×1.43=43.6% ビニルアセテート サンプル−2(図21): 28.4重量%×1.43=40.6% ビニルアセテート サンプル−3(図23): 28.8重量%×1.43=41.2% ビニルアセテート これらの算出値は,20℃/分(サンプル−1,図1
9)及び5℃/分(サンプル−3,図23)での従来の
TDA走査と比べて,本発明の第1の好ましい実施態様
(サンプル−2,図21)の場合には精度の向上が得ら
れることを示している。
【0129】20℃/分での従来法を使用して第1のサ
ンプルを分析するのに必要とされるトータル時間は44
分であった(但し,サンプルの調製,装入,及び試験後
における冷却等の操作は除く)。5℃/分での従来法を
使用して第3のサンプルを分析するのに必要とされる時
間は177分であった。50℃/分の最大加熱速度にて
本発明に従って第2のサンプルを分析するのに必要とさ
れる時間は51分であった。
ンプルを分析するのに必要とされるトータル時間は44
分であった(但し,サンプルの調製,装入,及び試験後
における冷却等の操作は除く)。5℃/分での従来法を
使用して第3のサンプルを分析するのに必要とされる時
間は177分であった。50℃/分の最大加熱速度にて
本発明に従って第2のサンプルを分析するのに必要とさ
れる時間は51分であった。
【0130】これらの結果から,本発明の方法を使用す
れば,実験室のプロダクティビティを大幅に低下させる
ことなく,従来法を凌ぐ精度の向上が得られることがわ
かる。
れば,実験室のプロダクティビティを大幅に低下させる
ことなく,従来法を凌ぐ精度の向上が得られることがわ
かる。
【0131】図20と24における一定加熱速度の時間
ベースプロットと図22における本発明の時間ベースプ
ロットとを比較すると,本発明の操作モードがわかる。
図20と24における重量損失曲線は,それぞれ図19
と23における重量損失曲線と同じようにみえる。これ
は,一定加熱速度法では時間と温度の両方が直線的に増
大するからである(曲線613と653の直線部分で示
されている)。
ベースプロットと図22における本発明の時間ベースプ
ロットとを比較すると,本発明の操作モードがわかる。
図20と24における重量損失曲線は,それぞれ図19
と23における重量損失曲線と同じようにみえる。これ
は,一定加熱速度法では時間と温度の両方が直線的に増
大するからである(曲線613と653の直線部分で示
されている)。
【0132】図22における重量損失対時間曲線は,図
20と24における重量損失曲線とは大きく異なる。こ
れは,本発明の加熱速度が可変であることによる。本発
明では,1分当たりの重量損失は,パウリク(Paul
ik)による準等温法に従って行われる熱重量分析の場
合のように一定に保持されることはない。
20と24における重量損失曲線とは大きく異なる。こ
れは,本発明の加熱速度が可変であることによる。本発
明では,1分当たりの重量損失は,パウリク(Paul
ik)による準等温法に従って行われる熱重量分析の場
合のように一定に保持されることはない。
【0133】本発明の重要な態様は,図22の曲線63
2によって示されている。実験の初めの数分間,サンプ
ルの重量損失が起こらないので,アップリフト法により
加熱速度がオペレーターの設定した最大値に押し上げら
れる。約5分の走査にて,ベースライン法により第1の
変化の開始が検出され,加熱速度が最小許容加熱速度に
速やかに下げられる。1分当たりの重量損失が最大値に
達し,次いでトラッキング法の範囲内のあるレベルに達
したとき,加熱速度が最小値に保持される。この時点に
て13分の走査を行うと,主として,1分当たりの重量
損失を保持しようとするトラッキング法の影響により加
熱速度が徐々に上昇する。18分の走査を行うと,ベー
スライン法により再び変化の開始が検出され,加熱速度
を最小値にする。加熱速度が20分以上にわたって最小
値に保持され,このとき第2の変化が最大となってある
レベルに達する。この時点にて,重量損失率を保持する
ために,トラッキング法により再び加熱速度が上昇す
る。42分の走査を行うと,サンプルはまだ完全には分
解されていないが,1分当たりの重量損失はほぼゼロに
まで低下している。1分当たりの重量損失が減少する
と,アップリフト法により加熱速度が当該分析に対して
設定された最大加熱速度に速やかに上昇されるが,この
とき走査の残り全体に対してこの最大加熱速度が保持さ
れる。
2によって示されている。実験の初めの数分間,サンプ
ルの重量損失が起こらないので,アップリフト法により
加熱速度がオペレーターの設定した最大値に押し上げら
れる。約5分の走査にて,ベースライン法により第1の
変化の開始が検出され,加熱速度が最小許容加熱速度に
速やかに下げられる。1分当たりの重量損失が最大値に
達し,次いでトラッキング法の範囲内のあるレベルに達
したとき,加熱速度が最小値に保持される。この時点に
て13分の走査を行うと,主として,1分当たりの重量
損失を保持しようとするトラッキング法の影響により加
熱速度が徐々に上昇する。18分の走査を行うと,ベー
スライン法により再び変化の開始が検出され,加熱速度
を最小値にする。加熱速度が20分以上にわたって最小
値に保持され,このとき第2の変化が最大となってある
レベルに達する。この時点にて,重量損失率を保持する
ために,トラッキング法により再び加熱速度が上昇す
る。42分の走査を行うと,サンプルはまだ完全には分
解されていないが,1分当たりの重量損失はほぼゼロに
まで低下している。1分当たりの重量損失が減少する
と,アップリフト法により加熱速度が当該分析に対して
設定された最大加熱速度に速やかに上昇されるが,この
とき走査の残り全体に対してこの最大加熱速度が保持さ
れる。
【0134】実施例7: 本発明の第1の好ましい実施
態様を実施するためのコンピュータープログラム 以下のコンピュータープログラムは,本発明の第1の好
ましい実施態様の主要な工程を制御するのに使用される
コンピュータープログラムの1つの例である。本実施例
に使用されるアルゴリズムと類似のアルゴリズムに従っ
たコンピュータープログラムを使用して,実施例1〜6
を実施した。しかしながら,実施例1〜6に使用したコ
ンピュータープログラムは,本発明に対して開示されて
いるプログラムと同一ではなかった。本プログラムはP
L/Mで記載される。
態様を実施するためのコンピュータープログラム 以下のコンピュータープログラムは,本発明の第1の好
ましい実施態様の主要な工程を制御するのに使用される
コンピュータープログラムの1つの例である。本実施例
に使用されるアルゴリズムと類似のアルゴリズムに従っ
たコンピュータープログラムを使用して,実施例1〜6
を実施した。しかしながら,実施例1〜6に使用したコ
ンピュータープログラムは,本発明に対して開示されて
いるプログラムと同一ではなかった。本プログラムはP
L/Mで記載される。
【0135】PL/Mは,インテル社が開発した高レベ
ルのコンピュータープログラミング言語である。PL/
M言語は,1960年代初期に導入されたアルゴル−6
0プログラミング言語をブースとした多くのブロック構
造のプログラミング言語(PL/1,パスカル,及びC
に類似)のうちの1つである。PL/M言語を使用し
て,本発明の第1の好ましい実施態様の実験装置に使用
されるTGA2950熱重量分析器に対し,その制御シ
ステムと高分離度ソフトウェアにプログラミングを施し
た。コンピュータープログラムのリスティングに関して
は,前述の本発明の第1の好ましい実施態様において記
載した工程を参照のこと。
ルのコンピュータープログラミング言語である。PL/
M言語は,1960年代初期に導入されたアルゴル−6
0プログラミング言語をブースとした多くのブロック構
造のプログラミング言語(PL/1,パスカル,及びC
に類似)のうちの1つである。PL/M言語を使用し
て,本発明の第1の好ましい実施態様の実験装置に使用
されるTGA2950熱重量分析器に対し,その制御シ
ステムと高分離度ソフトウェアにプログラミングを施し
た。コンピュータープログラムのリスティングに関して
は,前述の本発明の第1の好ましい実施態様において記
載した工程を参照のこと。
【0136】加熱速度制御プログラム−1 /*TGA加熱速度設定値決定アルゴリズム。このアル
ゴリズムは,0.5秒ごとに1回実行する。*/加熱速
度制御プログラムに使用される変数の定義。
ゴリズムは,0.5秒ごとに1回実行する。*/加熱速
度制御プログラムに使用される変数の定義。
【0137】 res setting 当該分離度設定値(1.0〜5.0) wgt pct リアルタイムの重量変化(%) pct drv 時間に関するwgt pctの微分係 数(%/分) pct drv target pct drvのトラッキングターゲ ット(%/分) pct drv avg 時間に関するwgt pctの平均微 分係数(%/分) drv delay ctr avg wgt pct deriv を算出するための時間遅れカウンター rate max 最大加熱速度(℃/分) rate min 最小加熱速度(℃/分) rate now 当該加熱速度(℃/分) rate new 新たな加熱速度(℃/分) range used 使用する許容加熱速度範囲のフラクシ ョン(0.0〜1.0) rate error 加熱速度全体のエラー係数(℃/分) rate baseline err 重量変化のベースラインずれ係数(℃ /分) rate tracking err 重量変化のトラッキング係数(℃/分 ) rate uplift err 速度アップリフト係数(℃/分)*/ Do /*工程1*/ /* 実験を開始する前にオペレーターにより最大加熱
速度(℃/分)が選定され,可変の“rate ma
x”にてコンピューターに記憶される。*/ /*工程2*/ /* 実験を開始する前にオペレーターにより分離度設
定値(1.0〜5.0)が選定され,可変の“res
setting”にてコンピューターに記憶される。
速度(℃/分)が選定され,可変の“rate ma
x”にてコンピューターに記憶される。*/ /*工程2*/ /* 実験を開始する前にオペレーターにより分離度設
定値(1.0〜5.0)が選定され,可変の“res
setting”にてコンピューターに記憶される。
【0138】/*工程3*/ /* 最大加熱速度から最小加熱速度を算出する。分離
度設定値に応じて,最小速度は最大速度の20〜0.3
7%の範囲である。(最も低い最小加熱速度は,最も高
い分離度設定値にて生じる。)*/ rate min=rate max*EXP(6.3
−分離度)/1000.0; /* 最小加熱速度を0.01℃/分に限定する。この
速度は,TGA2950に対するヒーター制御器が効果
的に制御することのできる最も遅い速度である。*/ rate min<0.01の場合, rate min=0.01; /*0.01℃/分
最小*/ /*工程4*/ /* 初期重量の%としての絶対重量変化が,コンピュ
ーターによりリアルタイムでモニターされ,wgt p
ctにて記憶される。*/ /*工程5*/ /* 重量変化の時間に関する微分係数がwgt pc
tからコンピューターによりリアルタイムで算出され,
pct drvにて記憶される。*/ /*工程6*/ /* %/分の平均の算出を遅らせて,重量%/分にお
けるリンギングや行き過ぎを起こりにくくする。平均
は,約25秒の時間定数をもつ指数フィルターを使用し
て算出される。
度設定値に応じて,最小速度は最大速度の20〜0.3
7%の範囲である。(最も低い最小加熱速度は,最も高
い分離度設定値にて生じる。)*/ rate min=rate max*EXP(6.3
−分離度)/1000.0; /* 最小加熱速度を0.01℃/分に限定する。この
速度は,TGA2950に対するヒーター制御器が効果
的に制御することのできる最も遅い速度である。*/ rate min<0.01の場合, rate min=0.01; /*0.01℃/分
最小*/ /*工程4*/ /* 初期重量の%としての絶対重量変化が,コンピュ
ーターによりリアルタイムでモニターされ,wgt p
ctにて記憶される。*/ /*工程5*/ /* 重量変化の時間に関する微分係数がwgt pc
tからコンピューターによりリアルタイムで算出され,
pct drvにて記憶される。*/ /*工程6*/ /* %/分の平均の算出を遅らせて,重量%/分にお
けるリンギングや行き過ぎを起こりにくくする。平均
は,約25秒の時間定数をもつ指数フィルターを使用し
て算出される。
【0139】(方法を開始する前にdrv delay
ctrを30に初期化する。)*/ drv delay ctr>0の場合, Do; /*Delay acti
ve */ drv delay ctr=drv delay c
tr−1; pct drv avg=pct drv; /*平
均を初期化する */ End; Else /* 平均%/分を算出する */ pct drv avg=pct drv avg*
0.98+ pct drv*0.02; /*工程7*/ /* そのときに使用されているトータルの許容加熱速
度範囲のフラクション(すなわち,当該加熱速度が,最
小加熱速度と最大加熱速度との間の範囲のフラクション
として,最小加熱速度からどのくらい離れているか)を
算出する。この値は,エラーの算出に使用するためのベ
ースラインとトラッキングのエラーのパーセントを調節
するのに使用される。*/ 使用される範囲=(rate now−rate mi
n)/(rate max−rate min); /*工程8*/ /* 1分当たりの当該重量損失のベースラインからの
ずれにより必要とされる速度変化を算出する。これによ
り,当該システムに対し,加熱速度をあまり減少させる
ことなく少ない重量損失のベースラインをトラッキング
させることが可能となる。このファクターは,主とし
て,変化の始まりを検出し,次いで加熱速度を速やかに
減少させるためのものである。このトラッキングの影響
は,ratemaxに近い加熱速度において最も大き
く,rate minに近づくにつれて直線的にゼロに
減少する。*/ rate baseline err=1.0*ran
ge used*ABS(pct drv avg−p
ct drv); /*工程9*/ /* 所望の1分当たり重量損失からのずれにより必要
とされる速度変化を算出する。これにより,当該システ
ムに対し,適度な重量損失時に一定の重量損失をトラッ
キングさせる。これによってトータルの実験時間がスピ
ードアップし,重量損失変化を強めるのに役立つ。トラ
ッキングターゲットの範囲は,最も低い分離度設定値か
ら最も高い分離度設定値まで,直線的に2.5〜0.5
%/分である。このトラッキングの効果は,rate
minに近い加熱速度において最も大きく,rate
maxに近づくにつれて直線的に低下する。*/ pct drv target=3.0−res se
tting*0.5; rate tracking err=0.1*(AB
S(pctdrv)−pct drv target)
*(1.0−rangeused); /*工程10*/ /* かなり少ない重量損失により必要とされる速度変
化を算出する。このファクターにより,非常にわずかな
重量が失われているときに加熱速度を最大にしやすくな
る。これは,非常に良く分離された変化とアッシュ形成
後(もはや重量損失は起こりえない)との間で起こる。
アップリフトの算出は,重量損失の極限値にて数値のブ
ローアップが起こらないよう制限される。*/ ABS(pct drv avg)>=1.0である場
合 /*急激な損失?*/rate uplift e
rr=0.0; /*より低い限界値にする */ Else ABS(pct drv avg)<=0.0001で
ある場合 /*損失なし?*/ rate uplif
t err=−0.1; /* より高い限界値にする */ Else rate uplift err=0.025 * LOG(ABS(pct drv avg)); /*工程11*/ /* エラーの個々の成分を総和することによって,加
熱速度のトータルのエラー係数を算出する。次いで,当
該加熱速度からこのエラー係数を引いて新たな加熱速度
を得る。(負のエラー係数は加熱速度の増大をもたら
す。)*/ rate error=rate baseline
err+ rate tracking err+ rate uplift err; rate new=rate now−rate er
ror; /*工程12*/ /* 新たな加熱速度を許容される最大加熱速度に限定
する。*/ rate new>rate maxである場合, rate new=rate max; /*工程13*/ /* 新たな加熱速度を許容される最小加熱速度に限定
する。*/ rate new<rate minである場合, rate new=rate min; /*工程14*/ /* ヒーターの制御のために新たな加熱速度をセーブ
(save)する。*/ rate now=rate new; End;実施例8 : キャンディータフィーに対し2つの走査を
使用した場合の分離度の改良 市販のキャンディータフィーのサンプル(実施例5にお
いて使用したのと同じ物質)を,本発明の第2の好まし
い実施態様の方法(工程1〜14)により試験して,本
発明の各モードにより得られる結果と実施例5の走査と
を比較した。装置の準備,サンプルの装入,及び分析の
実施など,本実施例にて従うべき実験手順は,実施例1
に記載した通りである。図26と27においては,22
mgのタフィーサンプルを,本発明の第2の好ましい実
施態様の第1の操作モード(工程1〜14)を使用し
て,室温から670℃まで50℃/分の最大加熱速度及
び4.0の分離度設定値にて空気中で分析した。図28
と29においては,19mgのタフィーサンプルを,本
発明の第2の好ましい実施態様の第2の操作モード(工
程1〜14)を使用して,室温から480℃まで20℃
/分の最大加熱速度及び−3.5の分離度設定値にて空
気中で分析した。
ctrを30に初期化する。)*/ drv delay ctr>0の場合, Do; /*Delay acti
ve */ drv delay ctr=drv delay c
tr−1; pct drv avg=pct drv; /*平
均を初期化する */ End; Else /* 平均%/分を算出する */ pct drv avg=pct drv avg*
0.98+ pct drv*0.02; /*工程7*/ /* そのときに使用されているトータルの許容加熱速
度範囲のフラクション(すなわち,当該加熱速度が,最
小加熱速度と最大加熱速度との間の範囲のフラクション
として,最小加熱速度からどのくらい離れているか)を
算出する。この値は,エラーの算出に使用するためのベ
ースラインとトラッキングのエラーのパーセントを調節
するのに使用される。*/ 使用される範囲=(rate now−rate mi
n)/(rate max−rate min); /*工程8*/ /* 1分当たりの当該重量損失のベースラインからの
ずれにより必要とされる速度変化を算出する。これによ
り,当該システムに対し,加熱速度をあまり減少させる
ことなく少ない重量損失のベースラインをトラッキング
させることが可能となる。このファクターは,主とし
て,変化の始まりを検出し,次いで加熱速度を速やかに
減少させるためのものである。このトラッキングの影響
は,ratemaxに近い加熱速度において最も大き
く,rate minに近づくにつれて直線的にゼロに
減少する。*/ rate baseline err=1.0*ran
ge used*ABS(pct drv avg−p
ct drv); /*工程9*/ /* 所望の1分当たり重量損失からのずれにより必要
とされる速度変化を算出する。これにより,当該システ
ムに対し,適度な重量損失時に一定の重量損失をトラッ
キングさせる。これによってトータルの実験時間がスピ
ードアップし,重量損失変化を強めるのに役立つ。トラ
ッキングターゲットの範囲は,最も低い分離度設定値か
ら最も高い分離度設定値まで,直線的に2.5〜0.5
%/分である。このトラッキングの効果は,rate
minに近い加熱速度において最も大きく,rate
maxに近づくにつれて直線的に低下する。*/ pct drv target=3.0−res se
tting*0.5; rate tracking err=0.1*(AB
S(pctdrv)−pct drv target)
*(1.0−rangeused); /*工程10*/ /* かなり少ない重量損失により必要とされる速度変
化を算出する。このファクターにより,非常にわずかな
重量が失われているときに加熱速度を最大にしやすくな
る。これは,非常に良く分離された変化とアッシュ形成
後(もはや重量損失は起こりえない)との間で起こる。
アップリフトの算出は,重量損失の極限値にて数値のブ
ローアップが起こらないよう制限される。*/ ABS(pct drv avg)>=1.0である場
合 /*急激な損失?*/rate uplift e
rr=0.0; /*より低い限界値にする */ Else ABS(pct drv avg)<=0.0001で
ある場合 /*損失なし?*/ rate uplif
t err=−0.1; /* より高い限界値にする */ Else rate uplift err=0.025 * LOG(ABS(pct drv avg)); /*工程11*/ /* エラーの個々の成分を総和することによって,加
熱速度のトータルのエラー係数を算出する。次いで,当
該加熱速度からこのエラー係数を引いて新たな加熱速度
を得る。(負のエラー係数は加熱速度の増大をもたら
す。)*/ rate error=rate baseline
err+ rate tracking err+ rate uplift err; rate new=rate now−rate er
ror; /*工程12*/ /* 新たな加熱速度を許容される最大加熱速度に限定
する。*/ rate new>rate maxである場合, rate new=rate max; /*工程13*/ /* 新たな加熱速度を許容される最小加熱速度に限定
する。*/ rate new<rate minである場合, rate new=rate min; /*工程14*/ /* ヒーターの制御のために新たな加熱速度をセーブ
(save)する。*/ rate now=rate new; End;実施例8 : キャンディータフィーに対し2つの走査を
使用した場合の分離度の改良 市販のキャンディータフィーのサンプル(実施例5にお
いて使用したのと同じ物質)を,本発明の第2の好まし
い実施態様の方法(工程1〜14)により試験して,本
発明の各モードにより得られる結果と実施例5の走査と
を比較した。装置の準備,サンプルの装入,及び分析の
実施など,本実施例にて従うべき実験手順は,実施例1
に記載した通りである。図26と27においては,22
mgのタフィーサンプルを,本発明の第2の好ましい実
施態様の第1の操作モード(工程1〜14)を使用し
て,室温から670℃まで50℃/分の最大加熱速度及
び4.0の分離度設定値にて空気中で分析した。図28
と29においては,19mgのタフィーサンプルを,本
発明の第2の好ましい実施態様の第2の操作モード(工
程1〜14)を使用して,室温から480℃まで20℃
/分の最大加熱速度及び−3.5の分離度設定値にて空
気中で分析した。
【0140】図26と28は,TGAデータを温度に対
してプロットしたものを示している。曲線801(図2
6)と831(図28)は,サンプルの重量変化率をサ
ンプル温度の関数としてプロットしたものである。曲線
802(図26)と832(図28)は,サンプル温度
の時間に関する微分係数をサンプル温度の関数としてプ
ロットしたものである。曲線803(図26)と833
(図28)は,サンプルの重量変化率の温度に関する微
分係数をサンプル温度の関数としてプロットしたもので
ある。
してプロットしたものを示している。曲線801(図2
6)と831(図28)は,サンプルの重量変化率をサ
ンプル温度の関数としてプロットしたものである。曲線
802(図26)と832(図28)は,サンプル温度
の時間に関する微分係数をサンプル温度の関数としてプ
ロットしたものである。曲線803(図26)と833
(図28)は,サンプルの重量変化率の温度に関する微
分係数をサンプル温度の関数としてプロットしたもので
ある。
【0141】図27と29は,TGAデータを時間に対
してプロットしたものを示している。曲線821(図2
7)と851(図29)は,サンプルの重量変化率を時
間の関数としてプロットしたものである。曲線822
(図27)と852(図29)は,サンプル温度の時間
に関する微分係数を時間の関数としてプロットしたもの
である。曲線823(図27)と853(図29)は,
サンプル温度を時間の関数としてプロットしたものであ
る。
してプロットしたものを示している。曲線821(図2
7)と851(図29)は,サンプルの重量変化率を時
間の関数としてプロットしたものである。曲線822
(図27)と852(図29)は,サンプル温度の時間
に関する微分係数を時間の関数としてプロットしたもの
である。曲線823(図27)と853(図29)は,
サンプル温度を時間の関数としてプロットしたものであ
る。
【0142】図26と28の走査は,図17の一定加熱
速度での走査,及び図18の高分離度走査と容易に比較
することができる。図17における輪郭504,50
5,506,507,及び508は,図26においては
それぞれ輪郭804,805,806,808,及び8
09として,そして図28においてはそれぞれ輪郭83
4,835,836,838,及び839として現れて
いる。図26と28におけるそれぞれ輪郭807と83
7は,図17においては簡単に識別できるような対応輪
郭をもっていない。図17における輪郭509,51
0,511,512,及び513は,図26においては
それぞれ輪郭810,811,812,814,及び8
15として,そして図28においてはそれぞれ輪郭84
0,841,842,844,及び845として現れて
いる。図面からわかるように,100〜550℃にて起
こる多くの温度重なり変化は,図26と28に示す走査
のほうが図17に示す走査よりはるかに良く分離されて
おり,図18に示す走査と類似している。図28の83
4,835,836,及び839での重量損失変化は極
めてシャープであり,これによりこれら変化の個々の分
解温度を正確に求めることが可能となる。いずれの場合
においても,図26と28における重量変化(%/℃)
曲線の微分係数は,図17に示されている同じ曲線に比
べて,ベースラインに関してよりシャープに且つ良好に
分離されている。図18と比べるとわかるように,図2
6と28に示されている走査においては,変化の大きさ
と変化の位置との間に良好な相関性がある。
速度での走査,及び図18の高分離度走査と容易に比較
することができる。図17における輪郭504,50
5,506,507,及び508は,図26においては
それぞれ輪郭804,805,806,808,及び8
09として,そして図28においてはそれぞれ輪郭83
4,835,836,838,及び839として現れて
いる。図26と28におけるそれぞれ輪郭807と83
7は,図17においては簡単に識別できるような対応輪
郭をもっていない。図17における輪郭509,51
0,511,512,及び513は,図26においては
それぞれ輪郭810,811,812,814,及び8
15として,そして図28においてはそれぞれ輪郭84
0,841,842,844,及び845として現れて
いる。図面からわかるように,100〜550℃にて起
こる多くの温度重なり変化は,図26と28に示す走査
のほうが図17に示す走査よりはるかに良く分離されて
おり,図18に示す走査と類似している。図28の83
4,835,836,及び839での重量損失変化は極
めてシャープであり,これによりこれら変化の個々の分
解温度を正確に求めることが可能となる。いずれの場合
においても,図26と28における重量変化(%/℃)
曲線の微分係数は,図17に示されている同じ曲線に比
べて,ベースラインに関してよりシャープに且つ良好に
分離されている。図18と比べるとわかるように,図2
6と28に示されている走査においては,変化の大きさ
と変化の位置との間に良好な相関性がある。
【0143】図27と28を比較すると,モード1操作
(図27)とモード2操作(図29)との差異をより一
層理解することができる。図27の曲線822と図29
の曲線852は,サンプルの加熱速度(℃/分)を時間
の関数として示している。図27では,加熱速度は,重
量損失の変化に応じて徐々に且つ連続的に変化している
ことがわかる。このことは温度曲線823(正の勾配を
保持しているが,勾配は変化している)において表され
ている。これは,大きな変化が起こるたびに最大値の約
70%からほぼゼロに急激に変化する図29の加熱速度
曲線852とは対照的である。加熱速度は,それぞれの
大きな変化が起きている間に対しては一定の0.01℃
/分に固定され,その後,加熱速度が再び急激に上昇す
る。この結果,階段状の温度対時間曲線853,及び図
28に示されている非常にシャープな重量損失ピークの
微分係数が得られる。
(図27)とモード2操作(図29)との差異をより一
層理解することができる。図27の曲線822と図29
の曲線852は,サンプルの加熱速度(℃/分)を時間
の関数として示している。図27では,加熱速度は,重
量損失の変化に応じて徐々に且つ連続的に変化している
ことがわかる。このことは温度曲線823(正の勾配を
保持しているが,勾配は変化している)において表され
ている。これは,大きな変化が起こるたびに最大値の約
70%からほぼゼロに急激に変化する図29の加熱速度
曲線852とは対照的である。加熱速度は,それぞれの
大きな変化が起きている間に対しては一定の0.01℃
/分に固定され,その後,加熱速度が再び急激に上昇す
る。この結果,階段状の温度対時間曲線853,及び図
28に示されている非常にシャープな重量損失ピークの
微分係数が得られる。
【0144】実施例9: エチレン−ビニルアセテート
(EVA)に対し2つの走査を使用した場合の分離度の
改良 ビニルアセテートを40%含んだエチレン−ビニルアセ
テート(EVA)コポリマー(実施例6において使用し
たのと同じ物質)のサンプルに対し,本発明の第2の好
ましい実施態様の方法(工程1〜14)を使用して試験
して,本発明の各モードによって得られた結果と実施例
6の走査とを比較した。装置の準備,サンプルの装入,
及び分析の実施等,本実施例にて従う実験手順について
は実施例1に記載した通りである。図30と31におい
ては,周囲温度から680℃まで,本発明の第2の好ま
しい実施態様の第1の操作モード(工程1〜14)を使
用して,50℃/分の最大加熱速度及び5.0の分離度
設定値にて,9.9mgのEVAサンプルを窒素中で分
析した。図32と33においては,周囲温度から660
℃まで,本発明の第2の好ましい実施態様の第2の操作
モード(工程1〜14)を使用して,50℃/分の最大
加熱速度及び−4.0の分離度設定値にて,8.5mg
のEVAサンプルを窒素中で分析した。
(EVA)に対し2つの走査を使用した場合の分離度の
改良 ビニルアセテートを40%含んだエチレン−ビニルアセ
テート(EVA)コポリマー(実施例6において使用し
たのと同じ物質)のサンプルに対し,本発明の第2の好
ましい実施態様の方法(工程1〜14)を使用して試験
して,本発明の各モードによって得られた結果と実施例
6の走査とを比較した。装置の準備,サンプルの装入,
及び分析の実施等,本実施例にて従う実験手順について
は実施例1に記載した通りである。図30と31におい
ては,周囲温度から680℃まで,本発明の第2の好ま
しい実施態様の第1の操作モード(工程1〜14)を使
用して,50℃/分の最大加熱速度及び5.0の分離度
設定値にて,9.9mgのEVAサンプルを窒素中で分
析した。図32と33においては,周囲温度から660
℃まで,本発明の第2の好ましい実施態様の第2の操作
モード(工程1〜14)を使用して,50℃/分の最大
加熱速度及び−4.0の分離度設定値にて,8.5mg
のEVAサンプルを窒素中で分析した。
【0145】図30と32は,TGAデータを時間に対
してプロットしたものを示している。曲線901(図3
0)と921(図32)は,サンプルの重量変化率をサ
ンプル温度の関数としてプロットしたものである。曲線
902(図30)と922(図32)は,サンプル温度
の時間に関する微分係数をサンプル温度の関数としてプ
ロットしたものである。曲線903(図30)と923
(図32)は,サンプルの重量変化率の温度に関する微
分係数を,サンプル温度の関数としてプロットしたもの
である。
してプロットしたものを示している。曲線901(図3
0)と921(図32)は,サンプルの重量変化率をサ
ンプル温度の関数としてプロットしたものである。曲線
902(図30)と922(図32)は,サンプル温度
の時間に関する微分係数をサンプル温度の関数としてプ
ロットしたものである。曲線903(図30)と923
(図32)は,サンプルの重量変化率の温度に関する微
分係数を,サンプル温度の関数としてプロットしたもの
である。
【0146】図31と33は,TGAデータを時間に対
してプロットしたものを示している。曲線911(図3
1)と931(図33)は,サンプルの重量変化率を時
間の関数としてプロットしたものである。曲線912
(図31)と932(図33)は,サンプル温度の時間
に関する微分係数を時間の関数としてプロットしたもの
である。曲線913(図31)と933(図33)は,
サンプル温度を時間の関数としてプロットしたものであ
る。
してプロットしたものを示している。曲線911(図3
1)と931(図33)は,サンプルの重量変化率を時
間の関数としてプロットしたものである。曲線912
(図31)と932(図33)は,サンプル温度の時間
に関する微分係数を時間の関数としてプロットしたもの
である。曲線913(図31)と933(図33)は,
サンプル温度を時間の関数としてプロットしたものであ
る。
【0147】図30,31,32,及び33における走
査は,実施例8の場合と同様な仕方で,それぞれ図1
9,20,23,及び24における一定加熱速度の走
査,及び図21と22における高分離度走査と容易に比
較することができる。この比較検討から明らかなよう
に,2つの重量損失変化,すなわち図30における輪郭
904と905,及び図32における輪郭924と92
5は,図19と23におけるそれぞれの輪郭より分離状
況が優れている。いずれの場合においても,重量変化
(%/℃)曲線の微分係数は,図19と23に示されて
いる同じ曲線に比べ,ベースラインに関してよりシャー
プに且つより良好に分離されている。
査は,実施例8の場合と同様な仕方で,それぞれ図1
9,20,23,及び24における一定加熱速度の走
査,及び図21と22における高分離度走査と容易に比
較することができる。この比較検討から明らかなよう
に,2つの重量損失変化,すなわち図30における輪郭
904と905,及び図32における輪郭924と92
5は,図19と23におけるそれぞれの輪郭より分離状
況が優れている。いずれの場合においても,重量変化
(%/℃)曲線の微分係数は,図19と23に示されて
いる同じ曲線に比べ,ベースラインに関してよりシャー
プに且つより良好に分離されている。
【0148】実施例10: 本発明の第2の好ましい実
施態様を実施するためのコンピュータープログラム 以下に記載のコンピュータープログラムは,本発明の第
2の好ましい実施態様における主要な工程を制御するの
に使用される,コンピュータープログラムの1つの例で
ある。実施例8と9では,類似のコンピュータープログ
ラムを使用して行った。実施例8と9を実施するのに使
用したプログラムは,小さな点においてのみ(例えば,
いくつかの変数の名称など)ここに表記するプログラム
とは異なるものであった。本実施例におけるプログラム
はPL/Mで記載されている。
施態様を実施するためのコンピュータープログラム 以下に記載のコンピュータープログラムは,本発明の第
2の好ましい実施態様における主要な工程を制御するの
に使用される,コンピュータープログラムの1つの例で
ある。実施例8と9では,類似のコンピュータープログ
ラムを使用して行った。実施例8と9を実施するのに使
用したプログラムは,小さな点においてのみ(例えば,
いくつかの変数の名称など)ここに表記するプログラム
とは異なるものであった。本実施例におけるプログラム
はPL/Mで記載されている。
【0149】加熱速度制御プログラム−2 /*TGA加熱速度設定値決定アルゴリズム。このアル
ゴリズムは,0.5秒ごとに1回実行する。*/ /*加熱速度制御プログラムに使用される変数の定義。
ゴリズムは,0.5秒ごとに1回実行する。*/ /*加熱速度制御プログラムに使用される変数の定義。
【0150】 res setting 当該分離度設定値(−8.0〜8.0) res factor 分離度係数((4**res)/256) wgt pct リアルタイムの重量変化(%) pct drv wgt pctの時間に関する微分係数( %/分) pct drv avg wgt pctの時間に関する平均微分係 数(%/分) mode2 pct min モード2操作に対する最小%/分(%/分 ) drv delay ctr pct drv avgを算出するための 時間遅れカウンター rate max 最大加熱速度(℃/分) rate min 最小加熱速度(℃/分) rate now 当該加熱速度(℃/分) rate drv pct リアルタイムの%/分から算出される加熱 速度(℃/分) rate drv avg 平均%/分から算出される新たな加熱速度 (℃/分) rate new 新たな加熱速度(℃/分)*/ Do /*工程1*/ /* 実験を開始する前にオペレーターにより最大加熱
速度(℃/分)が選定され,可変の“rate ma
x”にてコンピューターに記憶される。*/ /*工程2*/ /* 実験を開始する前にオペレーターにより分離度設
定値(−8.0〜8.0)が選定され,可変の“res
setting”にてコンピューターに記憶される。
*/ /*工程3*/ /* 絶対重量変化が初期重量の%として,リアルタイ
ムでコンピューターによりモニターされ,“wgt p
ct”にて記憶される。*/ /*工程4*/ /* 重量変化の時間に関する微分係数がリアルタイム
でコンピューターにより算出され,“pct drv”
にて記憶される。*/ /*工程5*/ /* 分離度設定値から分離度係数を算出する。この分
離度係数は引き続き算出において使用され,4のx乗を
256で割ったものであると定義され,このときxは分
離度設定値の絶対値である。(4のx乗は,eのx乗に
4の自然対数を掛けることにより実施できる。) res factor=EXP(ABS(res se
tting)*LN(4.0))/ 256.0; /*工程6*/ /* 当該分離度設定値に対するモード2の最小%/分
を算出する。最も低い最小値は最も高い分離度設定値に
おいて生じる。*/ mode2 pct min=0.04/res fa
ctor; /*工程7*/ /* 許容される高分離度の最小加熱速度を算出する。
分離度設定値がゼロより小さい場合は,最小加熱速度を
0.01℃/分に設定してヒーターがヒーターラグによ
り後方にドリフトするのを防止し,モード2の操作にお
ける変化時のサイクルを制御する。分離度設定値がゼロ
以上である場合は,最小加熱速度を0.0℃/分に設定
する。これは,モード1の操作時において,加熱速度が
ゼロに近づくが,決してゼロにはならないからである。
*/ res setting<0.0である場合,/*モー
ド2?*/ rate min=0.01; /*モード2最小*/ Else rate min=0.0; /*モード1最小*/ /*工程8*/ /* %/分の平均値の算出を遅らせて,重量%/分に
おけるリンギングや行き過ぎを起こりにくくする。時間
定数を約50秒とし,指数フィルターを使用して平均値
を算出する。
速度(℃/分)が選定され,可変の“rate ma
x”にてコンピューターに記憶される。*/ /*工程2*/ /* 実験を開始する前にオペレーターにより分離度設
定値(−8.0〜8.0)が選定され,可変の“res
setting”にてコンピューターに記憶される。
*/ /*工程3*/ /* 絶対重量変化が初期重量の%として,リアルタイ
ムでコンピューターによりモニターされ,“wgt p
ct”にて記憶される。*/ /*工程4*/ /* 重量変化の時間に関する微分係数がリアルタイム
でコンピューターにより算出され,“pct drv”
にて記憶される。*/ /*工程5*/ /* 分離度設定値から分離度係数を算出する。この分
離度係数は引き続き算出において使用され,4のx乗を
256で割ったものであると定義され,このときxは分
離度設定値の絶対値である。(4のx乗は,eのx乗に
4の自然対数を掛けることにより実施できる。) res factor=EXP(ABS(res se
tting)*LN(4.0))/ 256.0; /*工程6*/ /* 当該分離度設定値に対するモード2の最小%/分
を算出する。最も低い最小値は最も高い分離度設定値に
おいて生じる。*/ mode2 pct min=0.04/res fa
ctor; /*工程7*/ /* 許容される高分離度の最小加熱速度を算出する。
分離度設定値がゼロより小さい場合は,最小加熱速度を
0.01℃/分に設定してヒーターがヒーターラグによ
り後方にドリフトするのを防止し,モード2の操作にお
ける変化時のサイクルを制御する。分離度設定値がゼロ
以上である場合は,最小加熱速度を0.0℃/分に設定
する。これは,モード1の操作時において,加熱速度が
ゼロに近づくが,決してゼロにはならないからである。
*/ res setting<0.0である場合,/*モー
ド2?*/ rate min=0.01; /*モード2最小*/ Else rate min=0.0; /*モード1最小*/ /*工程8*/ /* %/分の平均値の算出を遅らせて,重量%/分に
おけるリンギングや行き過ぎを起こりにくくする。時間
定数を約50秒とし,指数フィルターを使用して平均値
を算出する。
【0151】(方法を開始する前に,drv dela
y ctrを30に初期化する。)*/ drv delay ctr>0の場合, /*del
ay?*/ Do; /*Delay active*/ drv delay ctr=drv delay c
tr−1; pct drv avg=pct drv; /*
Init drvaverage*/ End; Else /*平均%/分を算出*/ pct drv avg=pct drv avg*
0.99+pct drv* 0.01; /*工程9*/ /* 新たな高分離度の加熱速度を算出する。第1の速
度(rate drv pct)はリアルタイムの%/
分に基づいている。第2の速度(rate drv a
vg)は平均%/分に基づいている。速度の値が負とな
った場合,速度は最小値に限定されることに注意。*/ res setting<0.0の場合, /*モード
2?*/ Do; /*モード2の操作に対する速度*/ rate drv pct=rate max*(2.
0−EXP(ABS(pct drv)*res fa
ctor)); rate drv avg=rate max*(2.
0−EXP(ABS(pct drv avg)*re
s factor)); End; Else Do; /*モード1の操作に対する速度*/ rate drv pct=rate max/ EXP(ABS(pct drv)*res fact
or); rate drv avg=rate max/ EXP(ABS(pct drv avg)*res
factor); End; /*工程10*/ /* 1分当たり最も大きい重量変化を与えるときの加
熱速度を使用する。*/ ABS(pct drv)>ABS(pct drv
avg)の場合, rate new=rate drv pct; Else rate new=rate drv avg; /*工程11*/ /* モード2の操作である場合は,温度を最小加熱速
度に対して保持しているかどうかをチェックする。
y ctrを30に初期化する。)*/ drv delay ctr>0の場合, /*del
ay?*/ Do; /*Delay active*/ drv delay ctr=drv delay c
tr−1; pct drv avg=pct drv; /*
Init drvaverage*/ End; Else /*平均%/分を算出*/ pct drv avg=pct drv avg*
0.99+pct drv* 0.01; /*工程9*/ /* 新たな高分離度の加熱速度を算出する。第1の速
度(rate drv pct)はリアルタイムの%/
分に基づいている。第2の速度(rate drv a
vg)は平均%/分に基づいている。速度の値が負とな
った場合,速度は最小値に限定されることに注意。*/ res setting<0.0の場合, /*モード
2?*/ Do; /*モード2の操作に対する速度*/ rate drv pct=rate max*(2.
0−EXP(ABS(pct drv)*res fa
ctor)); rate drv avg=rate max*(2.
0−EXP(ABS(pct drv avg)*re
s factor)); End; Else Do; /*モード1の操作に対する速度*/ rate drv pct=rate max/ EXP(ABS(pct drv)*res fact
or); rate drv avg=rate max/ EXP(ABS(pct drv avg)*res
factor); End; /*工程10*/ /* 1分当たり最も大きい重量変化を与えるときの加
熱速度を使用する。*/ ABS(pct drv)>ABS(pct drv
avg)の場合, rate new=rate drv pct; Else rate new=rate drv avg; /*工程11*/ /* モード2の操作である場合は,温度を最小加熱速
度に対して保持しているかどうかをチェックする。
【0152】温度を保持していて,平均%/分が最小加
熱速度より大きい場合は保持を継続し,そうでない場合
は加熱速度を増大させる。*/ res setting<0.0及び/*モード2?*
/の場合, rate now<=rate min及び/*モード
2の保持?*/ ABS(pct drv avg)>mode2 pc
t min /*%/min>Min?*/ rate new=rate min; /*保持を継
続する*/ /*工程12*/ /* 新たな速度を許容される最大速度に限定する。*
/ rate new>rate maxの場合, rate new=rate max; /*工程13*/ /* 新たな速度を許容される最小速度に限定する。*
/ rate new<rate minの場合, rate new=rate min; /*工程14*/ /* ヒーターの制御のために新たな加熱速度をセーブ
する。*/ rate now=rate new; End; 熱重量分析時にサンプルの加熱速度を制御するコンピュ
ータープログラムについての上記の例は,TGA装置を
制御するのに使用できる多くのアルゴリズムのうちの2
つの例である。これらのアルゴリズムは,熱分析モジュ
ール又は個別のコンピューターにて適用することができ
る。これらのアルゴリズムは,他のアルゴリズムと同時
に実行してシステムや分析データを制御することができ
る。
熱速度より大きい場合は保持を継続し,そうでない場合
は加熱速度を増大させる。*/ res setting<0.0及び/*モード2?*
/の場合, rate now<=rate min及び/*モード
2の保持?*/ ABS(pct drv avg)>mode2 pc
t min /*%/min>Min?*/ rate new=rate min; /*保持を継
続する*/ /*工程12*/ /* 新たな速度を許容される最大速度に限定する。*
/ rate new>rate maxの場合, rate new=rate max; /*工程13*/ /* 新たな速度を許容される最小速度に限定する。*
/ rate new<rate minの場合, rate new=rate min; /*工程14*/ /* ヒーターの制御のために新たな加熱速度をセーブ
する。*/ rate now=rate new; End; 熱重量分析時にサンプルの加熱速度を制御するコンピュ
ータープログラムについての上記の例は,TGA装置を
制御するのに使用できる多くのアルゴリズムのうちの2
つの例である。これらのアルゴリズムは,熱分析モジュ
ール又は個別のコンピューターにて適用することができ
る。これらのアルゴリズムは,他のアルゴリズムと同時
に実行してシステムや分析データを制御することができ
る。
【0153】本発明の実施態様に関する上記開示内容
は,説明と例証のために記載したものであり,これによ
って本発明が限定されるものではない。上記の開示内容
を考察すれば,当業者にとっては多くの変形や改良形が
可能であろう。本発明の範囲は,特許請求の範囲及びそ
の等価物によって規定される。
は,説明と例証のために記載したものであり,これによ
って本発明が限定されるものではない。上記の開示内容
を考察すれば,当業者にとっては多くの変形や改良形が
可能であろう。本発明の範囲は,特許請求の範囲及びそ
の等価物によって規定される。
【図1】熱重量分析装置の構成図である。
【図2】本発明の第1の好ましい実施態様に使用される
算出工程のいくつかを示した流れ図である。
算出工程のいくつかを示した流れ図である。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】図3〜8は,実施例2に記載の方法に従って得
られたシュウ酸カルシウムのTGA走査である。
られたシュウ酸カルシウムのTGA走査である。
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】図9〜13は,実施例3に記載の方法に従っ
て得られたシュウ酸カルシウムのTGA走査である。
て得られたシュウ酸カルシウムのTGA走査である。
【図14】
【図15】
【図16】図14〜16は,実施例4に記載の方法に従
って得られた黒色絶縁テープのTGA走査である。
って得られた黒色絶縁テープのTGA走査である。
【図17】
【図18】図17〜18は,実施例5に記載の方法に従
って得られたキャンディータフィーのTGA走査であ
る。
って得られたキャンディータフィーのTGA走査であ
る。
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】図19〜24は,実施例6に記載の方法に従
って得られたエチレン−ビニルアセテート(EVA)の
TGA走査である。
って得られたエチレン−ビニルアセテート(EVA)の
TGA走査である。
【図25】本発明の第2の好ましい実施態様に使用され
る算出工程のいくつかを示した流れ図である。
る算出工程のいくつかを示した流れ図である。
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】図26〜29は,実施例8に記載の方法に従
って得られたキャンディータフィーのTGA走査であ
る。
って得られたキャンディータフィーのTGA走査であ
る。
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】図30〜33は,実施例9に記載の方法に従
って得られたエチレン−ビニルアセテート(EVA)の
TGA走査である。
って得られたエチレン−ビニルアセテート(EVA)の
TGA走査である。
Claims (43)
- 【請求項1】 少なくとも1つの変化を駆動変数の関数
として受ける物質の組成を求めるための分析方法であっ
て, (a) 特性付け物理的パラメーターの変化を前記駆動
変数の関数として検出するための装置中に前記物質のサ
ンプルを配置する工程; (b) 前記特性付け物理的パラメーターを表わす信号
をモニターする工程; (c) 前記特性付け物理的パラメーターに対する信号
ベースラインをモニターする工程; (d) 前記信号ベースラインからのずれを検出する工
程;及び (e) 前記信号ベースラインからのずれが検出された
ときに,前記駆動変数の変化率を減少させる工程;の各
工程を含む前記分析方法。 - 【請求項2】 前記駆動変数の変化率の絶対値を常に最
小変化率以上になるよう抑制する工程をさらに含む,請
求項1記載の分析方法。 - 【請求項3】 前記駆動変数に関して前記特性付け物理
的パラメーターの変化率がある所定の最小値未満に低下
したときには常に,前記駆動変数の変化率をある所定の
最大変化率に強制的に戻す工程をさらに含む,請求項2
記載の分析方法。 - 【請求項4】 前記特性付け物理的パラメーターの変化
率に応じて前記駆動変数の変化率を調節して,前記特性
付け物理的パラメーターのある所定の変化率をトラッキ
ングさせる工程をさらに含む,請求項3記載の分析方
法。 - 【請求項5】 前記分析方法が熱的分析方法であり,前
記駆動変数が温度である,請求項4記載の分析方法。 - 【請求項6】 前記分析方法が熱重量分析法であり,前
記特性付け物理的パラメーターが分析されるサンプルの
重量である,請求項5記載の分析方法。 - 【請求項7】 下流の分析法を使用して前記サンプルか
ら発生する構成成分を分析する工程をさらに含む,請求
項6記載の分析方法。 - 【請求項8】 前記下流の分析法が質量分光分析法とフ
ーリエ変換赤外分光分析法からなる群から選ばれる,請
求項7記載の分析方法。 - 【請求項9】 前記下流の分析法が,赤外分光分析法,
原子分光分析法,分子分光分析法,コンピューター援用
分散赤外分光分析法,レーザーダイオード分光分析法,
水素炎イオン化検出器による分析法,ラマン分光分析
法,熱伝導率検出器による分析法,電子捕獲型検出器に
よる分析法,光イオン化検出器による分析法,ヘリウム
イオン化検出器による分析法,放電イオン化検出器によ
る分析法,炎光光度検出器による分析法,及び化学ルミ
ネセンス検出器による分析法からなる群から選ばれる,
請求項7記載の分析方法。 - 【請求項10】 前記分析方法が,示差熱分析法(DT
A),示差走査熱分析法(DSC),圧力差走査熱分析
法(PDSC),サーモメカニカル分析法(TMA),
ダイナミックメカニカル分析法(DMA),ダイナミッ
クメカニカルスペクトロメトリー(DMS),誘電分析
法(DEA),示差フォトカロリメトリー(DPC),
及び熱伝導率分析法(TCA)からなる群から選ばれ
る,請求項5記載の分析方法。 - 【請求項11】 少なくとも1つの変化を駆動変数の関
数として受ける物質の組成を求めるための装置であっ
て, (a) 特性付け物理的パラメーターの変化を前記駆動
変数の関数として検出するための手段; (b) 前記特性付け物理的パラメーターを表わす信号
をモニターするための手段; (c) 前記特性付け物理的パラメーターに対する信号
ベースラインをモニターするための手段; (d) 前記信号ベースラインからのずれを検出するた
めの手段;及び (e) 前記信号ベースラインからのずれが検出された
ときに,前記駆動変数の変化率を減少させるための手
段;を含む前記装置。 - 【請求項12】 前記駆動変数の変化率の絶対値を常に
所定の最小変化率以上になるよう抑制するための手段を
さらに含む,請求項11記載の装置。 - 【請求項13】 前記駆動変数に関して前記特性付け物
理的パラメーターの変化率がある所定の最小値未満に低
下したときには常に,前記駆動変数の変化率をある所定
の最大変化率に強制的に戻すための手段をさらに含む,
請求項12記載の装置。 - 【請求項14】 前記特性付け物理的パラメーターの変
化率に応じて前記駆動変数の変化率を調節して,前記特
性付け物理的パラメーターのある所定の変化率をトラッ
キングさせるための手段をさらに含む,請求項13記載
の装置。 - 【請求項15】 前記装置が熱的分析装置であり,前記
駆動変数が温度である,請求項14記載の装置。 - 【請求項16】 下流の分析法を使用して前記サンプル
から発生する構成成分を分析する工程をさらに含む,請
求項15記載の装置。 - 【請求項17】 前記装置が,示差熱分析(DTA)装
置,示差走査熱分析(DSC)装置,圧力差走査熱分析
(PDSC)装置,サーモメカニカル分析(TMA)装
置,ダイナミックメカニカル分析(DMA)装置,ダイ
ナミックメカニカルスペクトロメトリー(DMS)装
置,誘電分析(DEA)装置,示差フォトカロリメトリ
ー(DPC)装置,及び熱伝導率分析(TCA)装置か
らなる群から選ばれる,請求項15記載の装置。 - 【請求項18】 少なくとも1つの変化を駆動変数の関
数として受ける物質の組成を求めるための分析方法であ
って, (a) 特性付け物理的パラメーターの変化を前記駆動
変数の関数として検出するための装置中に前記物質のサ
ンプルを配置する工程; (b) 前記駆動変数の変化率に対する最大許容値を選
定する工程; (c) 前記特性付け物理的パラメーターを表わす信号
をモニターする工程;及び (d) 前記駆動変数の変化率を,前記特性付け物理的
パラメーターの単位時間当たりの変化率の関数として調
節する工程,このとき前記関数は,前記特性付け物理的
パラメーターの単位時間当たり変化率が小さいときに
は,前記駆動変数の変化率が前記駆動変数の変化率に対
する選択された最大許容値に近づき,また前記特性付け
物理的パラメーターの単位時間当たり変化率がかなり大
きいときには,前記駆動変数の変化率がゼロに近づくよ
う選定される;の各工程を含む前記分析方法。 - 【請求項19】 少なくとも1つの変化を駆動変数の関
数として受ける物質の組成を求めるための分析方法であ
って, (a) 特性付け物理的パラメーターの変化を前記駆動
変数の関数として検出するための装置中に前記物質のサ
ンプルを配置する工程; (b) 前記駆動変数の変化率に対する最大許容値を選
定する工程; (c) 前記駆動変数の変化率に対する最小許容値を選
定する工程; (d) 前記特性付け物理的パラメーターを表わす信号
をモニターする工程; (e) 前記駆動変数のある設定された変化率を,前記
特性付け物理的パラメーターの単位時間当たりの変化率
の関数として算出する工程,このとき前記関数は,前記
特性付け物理的パラメーターの単位時間当たり変化率が
小さいときには,前記駆動変数の算出された設定変化率
が前記駆動変数の変化率に対する選択された最大許容値
に近づき,また前記特性付け物理的パラメーターの単位
時間当たり変化率が大きいときには,前記駆動変数の算
出された設定変化率が前記最小許容値未満となるよう選
定される;及び (f) 前記駆動変数の算出された設定変化率が前記駆
動変数の選定された最小変化率より大きいときは,前記
駆動変数の算出された設定変化率に応じて前記駆動変数
の変化率を調節し,そして前記駆動変数の算出された設
定変化率が前記駆動変数の選定された最小変化率より小
さいときは,前記駆動変数の変化率を前記駆動変数の選
定された最小変化率に調節する工程;の各工程を含む前
記分析方法。 - 【請求項20】 前記特性付け物理的パラメーターの単
位時間当たり変化率の値を選定する工程をさらに含み,
このとき前駆駆動変数の算出された設定変化率が,いっ
たん前記駆動変数の選定された最小変化率未満に低下す
ると,前記特性付け物理的パラメーターの単位時間当た
り変化率が,前記特性付け物理的パラメーターの単位時
間当たり変化率の選定された値未満に低下するまで,前
記駆動変数の変化率が前記駆動変数の最小許容変化率に
調節される,請求項19記載の分析方法。 - 【請求項21】 前記特性付け物理的パラメーターの単
位時間当たり変化率の前記選定値が,前記関数に応じて
算出された前記駆動変数の設定変化率を,前記駆動変数
の変化率に対する前記最小許容値に等しくするのに必要
な前記特性付け物理的パラメーターの単位時間当たり変
化率のフラクションである,請求項20記載の分析方
法。 - 【請求項22】 前記特性付け物理的パラメーターの単
位時間当たり変化率の前記フラクションが約0.01〜
約0.50である,請求項21記載の分析方法。 - 【請求項23】 少なくとも1つの変化を駆動変数の関
数として受ける物質の組成を求めるための分析方法であ
って, (a) 特性付け物理的パラメーターの変化を前記駆動
変数の関数として検出するための装置中に前記物質のサ
ンプルを配置する工程; (b) 前記駆動変数の変化率に対する最大許容値を選
定する工程; (c) 前記駆動変数の変化率に対する最小許容値を選
定する工程; (d) 第1の操作モードと第2の操作モードのうちの
1つを選択する工程; (e) 前記特性付け物理的パラメーターを表わす信号
をモニターする工程;及び (f) 前記第1の操作モードにおいては,前記駆動変
数の変化率を,前記特性付け物理的パラメーターの単位
時間当たり変化率の関数として調節する工程,このとき
前記関数は,前記特性付け物理的パラメーターの単位時
間当たり変化率が小さいときには,前記駆動変数の変化
率が前記駆動変数の変化率に対する選択された最大許容
値に近づき,また前記特性付け物理的パラメーターの単
位時間当たり変化率が大きいときには,前記駆動変数の
変化率がゼロに近づくよう選定され,そして前記第2の
操作モードにおいては,(i)前記駆動変数のある設定
された変化率を,前記特性付け物理的パラメーターの単
位時間当たり変化率の関数として算出し,このとき前記
関数は,前記特性付け物理的パラメーターの単位時間当
たり変化率が小さいときには,前記駆動変数の算出され
た設定変化率が前記駆動変数の変化率に対する選定され
た最大許容値に近づき,また前記特性付け物理的パラメ
ーターの単位時間当たり変化率が大きいときには,前記
駆動変数の算出された設定変化率が前記最小許容値より
小さくなるよう選定され,(ii)前記駆動変数の算出
された設定変化率が前記駆動変数の選定された最小変化
率より大きいときは,前記駆動変数の算出された設定変
化率に応じて前記駆動変数の変化率を調節し,そして
(iii)前記駆動変数の算出された設定変化率が前記
駆動変数の選定された最小変化率より小さいときには,
前記駆動変数の変化率を前記駆動変数の選定された最小
変化率に調節する工程;の各工程を含む前記分析方法。 - 【請求項24】 前記特性付け物理的パラメーターの単
位時間当たり変化率の値を選定する工程をさらに含み,
このとき前記第2の操作モードにおいて,前記駆動変数
の算出された設定変化率が,いったん前記駆動変数の選
定された最小変化率未満に低下すると,前記特性付け物
理的パラメーターの単位時間当たり変化率が,前記特性
付け物理的パラメーターの単位時間当たり変化率の選定
された値未満に低下するまで,前記駆動変数の変化率が
前記駆動変数の最小許容変化率に調節される,請求項2
3記載の分析方法。 - 【請求項25】 前記関数が指数項を含み,前記指数項
の独立変数が前記特性付け物理的パラメーターの単位時
間当たり変化率を含む,請求項23記載の分析方法。 - 【請求項26】 分離番号を選定することによって分析
方法の分離度を調節する工程をさらに含み,このとき前
記関数が前記分離番号に基づいた項を含む,請求項23
記載の分析方法。 - 【請求項27】 前記分析方法が熱的分析方法であっ
て,前記駆動変数が温度である,請求項23記載の分析
方法。 - 【請求項28】 前記熱的分析方法が熱重量分析法であ
って,前記特性付け物理的パラメーターが分析されるサ
ンプルの重量である,請求項27記載の分析方法。 - 【請求項29】 下流の分析法を使用して前記サンプル
から発生する構成成分を分析する工程をさらに含む,請
求項28記載の分析方法。 - 【請求項30】 前記下流の分析法が質量分光分析法と
フーリエ変換赤外分光分析法からなる群から選ばれる,
請求項29記載の分析方法。 - 【請求項31】 前記下流の分析法が,赤外分光分析
法,原子分光分析法,分子分光分析法,コンピューター
援用分散赤外分光分析法,レーザーダイオード分光分析
法,水素炎イオン化検出器による分析法,ラマン分光分
析法,熱伝導率検出器による分析法,電子捕獲型検出器
による分析法,光イオン化検出器による分析法,ヘリウ
ムイオン化検出器による分析法,放電イオン化検出器に
よる分析法,炎光光度検出器による分析法,及び化学ル
ミネセンス検出器による分析法からなる群から選ばれ
る,請求項29記載の分析方法。 - 【請求項32】 前記分析方法が,示差熱分析法(DT
A),示差走査熱分析法(DSC),圧力差走査熱分析
法(PDSC),サーモメカニカル分析法(TMA),
ダイナミックメカニカル分析法(DMA),ダイナミッ
クメカニカルスペクトロメトリー(DMS),誘電分析
法(DEA),示差フォトカロリメトリー(DPC),
及び熱伝導率分析法(TCA)からなる群から選ばれ
る,請求項27記載の分析方法。 - 【請求項33】 少なくとも1つの変化を駆動変数の関
数として受ける物質の組成を求めるための装置であっ
て, (a) 特性付け物理的パラメーターの値を表わす信号
をモニターするための手段; (b) 前記駆動変数の変化率に対する最大許容値を記
憶するための手段;及び (c) 前記駆動変数の変化率を前記特性付け物理的パ
ラメーターの単位時間当たり変化率の関数として調節す
るための手段,このとき前記関数は,前記特性付け物理
的パラメーターの単位時間当たり変化率が小さいときに
は,前記駆動変数の変化率が前記駆動変数の変化率に対
する記憶された最大許容値に近づき,また前記特性付け
物理的パラメーターの単位時間当たり変化率がかなり大
きいときには,前記駆動変数の変化率がゼロに近づくよ
う選定される;を含む前記装置。 - 【請求項34】 少なくとも1つの変化を駆動変数の関
数として受ける物質の組成を求めるための装置であっ
て, (a) 特性付け物理的パラメーターの値を表わす信号
をモニターするための手段; (b) 前記駆動変数の変化率に対する最大許容値を記
憶するための手段; (c) 前記駆動変数の変化率に対する最小許容値を記
憶するための手段; (d) 前記駆動変数のある設定された変化率を前記特
性付け物理的パラメーターの単位時間当たり変化率の関
数として算出するための手段,このとき前記関数は,前
記特性付け物理的パラメーターの単位時間当たり変化率
が小さいときには,前記駆動変数の算出された設定変化
率が前記駆動変数の変化率に対する記憶された最大許容
値に近づき,また前記特性付け物理的パラメーターの単
位時間当たり変化率が大きいときには,前記駆動変数の
算出された設定変化率が前記最小許容値未満となるよう
選定される;及び (e) 前記駆動変数の算出された設定変化率が前記駆
動変数の記憶された最小変化率より大きいときは,前記
駆動変数の算出された設定変化率に応じて前記駆動変数
の変化率を調節し,前記駆動変数の算出された設定変化
率が前記駆動変数の記憶された最小変化率より小さいと
きは,前記駆動変数の変化率を前記駆動変数の記憶され
た最小変化率に調節するための手段 ;を含む前記装
置。 - 【請求項35】 (a) 前記特性付け物理的パラメー
ターの単位時間当たり変化率の値を記憶するための手
段; (b) 前記駆動変数の算出された設定変化率が,いっ
たん前記駆動変数の記憶された最小変化率未満に低下す
ると,前記駆動変数の変化率を前記駆動変数の最小許容
変化率に調節するための手段;及び (c) 前記特性付け物理的パラメーターの単位時間当
たり変化率が,いったん前記特性付け物理的パラメータ
ーの単位時間当たり変化率の記憶された値未満に低下す
ると,前記駆動変数の変化率を前記関数に従って調節す
るための手段;をさらに含む請求項34記載の装置。 - 【請求項36】 少なくとも1つの変化を駆動変数の関
数として受ける物質の組成を求めるための装置であっ
て, (a) 特性付け物理的パラメーターの値を表わす信号
をモニターするための手段; (b) 前記駆動変数の変化率に対する最大許容値を記
憶するための手段; (c) 前記駆動変数の変化率に対する最小許容値を記
憶するための手段; (d) 第1の操作モードと第2の操作モードのいずれ
かを選択するための手段;及び (e) 装置が前記第1の操作モードにあるときは,前
記駆動変数の変化率を,前記特性付け物理的パラメータ
ーの単位時間当たり変化率の関数として調整するための
手段,このとき前記関数は,前記特性付け物理的パラメ
ーターの単位時間当たり変化率が小さいときには,前記
駆動変数の変化率が前記駆動変数の変化率に対する記憶
された最大許容値に近づき,また前記特性付け物理的パ
ラメーターの単位時間当たり変化率がかなり大きいとき
には,前記駆動変数の変化率がゼロに近づくよう選定さ
れ,そして装置が前記第2の操作モードにあるときは,
(i)前記駆動変数のある設定された変化率を,前記特
性付け物理的パラメーターの単位時間当たり変化率の関
数として算出し,このとき前記関数は,前記特性付け物
理的パラメーターの単位時間当たり変化率が小さいとき
には,前記駆動変数の算出された設定変化率が前記駆動
変数の変化率に対する記憶された最大許容値に近づき,
また前記特性付け物理的パラメーターの単位時間当たり
変化率が大きいときには,前記駆動変数の算出された設
定変化率が前記最小許容値より小さくなるよう選定さ
れ,(ii)前記駆動変数の算出された設定変化率が前
記駆動変数の記憶された最小変化率より大きいときに
は,前記駆動変数の算出された設定変化率に応じて前記
駆動変数の変化率を調節し,そして(iii)前記駆動
変数の算出された設定変化率が前記駆動変数の記憶され
た最小変化率より小さいときには,前記駆動変数の変化
率を前記駆動変数の記憶された最小変化率に調節するた
めの手段;を含む前記装置。 - 【請求項37】 前記関数が指数項を含み,前記指数項
の独立変数が前記特性付け物理的パラメーターの単位時
間当たり変化率を含む,請求項36記載の装置。 - 【請求項38】 前記装置が熱的分析装置であり,前記
駆動変数が温度である,請求項36記載の装置。 - 【請求項39】 前記熱的分析装置が熱重量分析装置で
あり,前記特性付け物理的パラメーターが分析されるサ
ンプルの重量である,請求項38記載の装置。 - 【請求項40】 下流の分析法を使用して前記サンプル
から発生する構成成分を分析する手段をさらに含む,請
求項39記載の装置。 - 【請求項41】 前記分析装置が,示差熱分析(DT
A)装置,示差走査熱分析(DSC)装置,圧力差走査
熱分析(PDSC)装置,サーモメカニカル分析(TM
A)装置,ダイナミックメカニカル分析(DMA)装
置,ダイナミックメカニカルスペクトロメトリー(DM
S)装置,誘電分析(DEA)装置,示差フォトカロリ
メトリー(DPC)装置,及び熱伝導率分析(TCA)
装置からなる群から選ばれる,請求項38記載の分析方
法。 - 【請求項42】 少なくとも1つの変化を駆動変数の関
数として受ける物質の組成を求めるための分析方法であ
って, (a) 特性付け物理的パラメーターの変化を前記駆動
変数の関数として検出するための装置中に前記物質のサ
ンプルを配置する工程; (b) 前記特性付け物理的パラメーターを表わす信号
をモニターする工程;及び (c) 前記特性付け物理的パラメーターを表わし,
かつ前記駆動変数の最大変化率及び最小変化率に対して
所定の制限を受ける信号の変化に応じて,前記駆動変数
の変化率を連続的に調節する工程;を含む前記分析方
法。 - 【請求項43】 (a) 前記特性付け物理的パラメー
ターに対する信号ベースラインをモニターする工程; (b) 前記信号ベースラインからのずれを検出する工
程; (c) 前記信号ベースラインからのずれが検出された
ときに,前記駆動変数の変化率を減少させる工程; (d) 前記駆動変数の変化率を所定の変化率に保持す
る工程; (e) ベースライン区域への戻りを検出する工程;及
び (f) 前記特性付け物理的パラメーターを表わす信号
の変化に応じて前駆駆動変数の変化率を調節する工程;
の各工程をさらに含む,請求項42記載の分析方法。
Applications Claiming Priority (4)
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