JPH08141318A - 凝集処理装置 - Google Patents

凝集処理装置

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JPH08141318A
JPH08141318A JP28646794A JP28646794A JPH08141318A JP H08141318 A JPH08141318 A JP H08141318A JP 28646794 A JP28646794 A JP 28646794A JP 28646794 A JP28646794 A JP 28646794A JP H08141318 A JPH08141318 A JP H08141318A
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JP
Japan
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chemical injection
amount
injection amount
liquid
value
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Application number
JP28646794A
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English (en)
Inventor
Toshio Totoki
敏雄 十時
Yoshinao Kishine
義尚 岸根
Katsuo Yasukawa
克男 安川
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Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 凝集剤の薬注量pと熱移動速度計検出値又は
トルクメータ等のセンサ検出値Uとの間に2次関数の関
係を設定し、経時的に測定される(U、p)の値(複数
個)に基づいてこの2次関数のパラメータを演算する。
この2次関数に基づいてU値が最小となるように凝集剤
の添加量を制御する。具体的には、前回の検出値から計
算して設定された薬注量Aと、薬注量Aより予め定めた
量だけ増加させた1つ以上の薬注量Bと、薬注量Bより
予め定めた量分だけ減少させた1つ以上の薬注量Cと
を、多い薬注量から少い薬注量へ段階的に減少する順序
で、または、少い薬注量から多い薬注量へ段階的に増加
する順序で凝集処理される液に薬注し、各薬注量と、各
薬注毎に該センサーで検出して得るセンサ検出値とに基
づいて前記関数を特定する。 【効果】 正確な薬注量制御を行なうことが可能とな
る。従って、効率的で低コストの凝集処理が行なえるよ
うになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は凝集処理装置に関するも
のであり、詳しくは凝集剤の薬注量(添加量)を制御す
る凝集処理装置に関する。さらに詳しくは、有機凝集剤
(以下、ポリマーということがある。)の添加量の制御
に好適な凝集処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、汚泥脱水における薬注制御と
して、種々のものが提案されている。例えば、液中の残
留ポリマー量を、その量が多くなると液の粘性が変化す
ることから粘度計等を用いて間接的に計測し、その計測
値を指標として薬注制御を行なうことが提案されてい
る。
【0003】液の物性は、粘度のみならず比熱、電気伝
導度等種々のものがあげられ、それらが薬注では各々影
響する。従って、単に液の物性の一つである粘度のみを
指標として薬注量を制御したのでは、薬注量に過不足が
生じ、凝集不良や過剰添加による薬剤コスト高が避けら
れなかった。
【0004】ところで、本発明者らは、凝集処理された
液の脱水性について長年研究を重ねてきたが、有機凝集
剤の添加量と脱水ケーキの含水率とは密接な関係を有す
るという従来の知見に加え、第4、5図の如く、この脱
水ケーキの含水率と凝集処理された液(もしくは凝集処
理されつつある液)の熱移動速度計検出値とは下に凸と
なる関係を有しており、例えば熱線流速計を利用して検
出した値が極小となるように凝集の添加量を制御すると
脱水ケーキの含水率も最小になることを見出した。
【0005】第4、5図は原水が下水混合生汚泥である
場合の凝集剤(カチオンポリマー)の添加量と熱線流速
計検出値(電位差)及び脱水ケーキ含水率との相関を示
すグラフである。
【0006】第4図の如く、凝集剤添加量が約150〜
200ppm付近が熱線流速計検出値の極小域となって
おり、このときに脱水ケーキ含水率も最小となってい
る。
【0007】第5図は第4図と異なる混合生汚泥に対す
る同様の相関図であるが、添加量が約150ppm付近
で熱線流速計検出値及び脱水ケーキ含水率がともに極
小、最小となっている。その他の各種の原水についても
同様のテストを繰り返したが、いずれも第4、5図の如
き相関が明瞭に認められた。なお、ケーキ含水率以外の
ケーキ剥離性や濾液量等の特性に関しても上記と同様の
相関があることが認められた。
【0008】さらに、熱線流速計検出値だけでなく、ト
ルクメータの検出値と凝集剤添加量とについても第4、
5図の如き相関関係があることが見出された(トルクメ
ータの場合は上に凸となる)。
【0009】上記の如き熱線流速計検出値又はトルクメ
ータ検出値と凝集剤添加量との下又は上に凸なる関係
は、汚泥負荷により変化する。従って、第4、5図の如
き相関関係を固定し、常にその関係に基づいて薬注量を
決定してしまうのでは薬注量が不適切になる。
【0010】そこで、本出願人により、特開平5−29
3309号公報において、凝集処理される液に凝集剤を
添加するための装置であって、該添加量が調節可能であ
る薬注装置と、凝集剤が添加される液、凝集剤が添加さ
れた液又は凝集剤が添加された液の濾液と接触するよう
に設けられた液物性検出用のセンサと、該センサの検出
値に基づいて薬注装置の薬注量を制御する制御装置であ
って、薬注量とセンサ検出値との相関を示す関数を経時
的に検出される検出値で特定し、この関数に基づいて薬
注量を設定するようにした制御装置と、を備えてなる凝
集処理装置が提案された。
【0011】かかる凝集処理装置においては、薬注量と
センサ検出値との関係を表わす関数(以下、薬注関数と
いうことがある。)を、実際に検出されたセンサ検出値
で特定することにより、現に凝集処理されている汚泥に
ついての薬注量とセンサ検出値との薬注量とセンサ検出
値との相関関係が正確に分る。そこで、この特定された
関数に基づいて薬注量を決定することにより、最も好適
な薬注量にて凝集処理することが可能となる。
【0012】この特開平5−293309号の凝集処理
装置における薬注制御方法について図面を参照して説明
する。
【0013】第1図は凝集処理装置の系統図であり、原
水は原泥ピット1からポンプ2付の配管3を経て凝集槽
4に導入される。凝集槽4は撹拌機5を備えると共に、
薬液貯槽6、薬注管7及び薬注ポンプ8を具備してなる
薬注装置からカチオン系有機凝集剤が薬注される。凝集
槽4からの凝集処理液は脱水機(凝集槽を用いるもので
あれば脱水機の機種は何れであっても良い。)9へ送ら
れる。脱水機9で生じた脱水ケーキは焼却等のケーキ処
理工程へ送られ、濾液は濾液貯槽10へ送られる。
【0014】濾液貯槽10は、温度計11、熱移動速度
計12、電気伝導度計13を備える。
【0015】これら計器11、12、13の検出信号
は、演算制御器16に入力されている。演算制御器16
は前記薬注ポンプ8に制御信号を出力している。ポンプ
8は、例えばインバータ制御される。
【0016】なお、熱移動速度計としては、一般に使用
されている熱線あるいは熱膜式流速計、熱伝達率測定計
等の熱の移動を検出することが可能なものが利用でき
る。
【0017】また、これ以外のものでもヒータに通電し
加熱する自己加熱源を有するもの、あるいはヒータと温
度計との組合せのようにヒータにより間接的に加熱する
加熱源を有するものであれば適用可能である。
【0018】以下、熱線流速計よりなる熱移動速度計の
場合について説明する。
【0019】熱線流速計は、周知のように、加熱体とな
る熱線に定電流を流しておき、この熱線を流体中に挿入
するものである。流速の変動があると、熱線からの熱の
奪われ度合が変化する。これにより熱線の温度が変化し
て抵抗も変わる。熱線流速計は、この抵抗の変化を電圧
の変化としてとらえて流速を計測するものである。
【0020】この熱線流速計の原理を利用し、液の流速
を一定として条件を与え、そのうえで熱線から奪われる
微小な熱の移動を抵抗(電圧)の変化としてとらえ、こ
の変化を物性の変化として把握することができる。その
ため、濾液貯槽10は撹拌機14を備え、測定時には常
に同一速度で回転させるとともに、撹拌条件を同一とす
るために、一定水位を得るためのオーバーフロー管15
が設けられている。
【0021】第2図はこの熱線流速計12の概略構成図
である。この熱線流速計12は熱線(抵抗)12a、定
電流発生器12b、電圧計12cを備えている。
【0022】熱線12aは濾液貯槽10内を一定の流速
で旋回する液と接しており、この液が一定の物性の際に
は、定電流を流すと熱線12aから奪われる熱量は一定
であるので、抵抗は一定で電圧にも変化はない。液の物
性が変化すると、熱線12aから奪われる熱量が変化す
るので抵抗が変化する。すなわち、熱線から液中への熱
移動が生じ抵抗が変化する。いま、電流を一定として流
しているので、この抵抗の変化は電圧の変化としてとら
えることができ、この変化が液中の物性値の検出値とな
る。なお、熱線12aの特性値の変化は、抵抗値あるい
は電圧の変化のどちらでとらえても良い。
【0023】また、上述は定電流型で説明したが、定電
圧型の熱線流速計でも良い。
【0024】このように、熱線流速計を用いれば、一定
の流速を与えるだけで微小な物性値の変化をとらえるこ
とが可能となる。
【0025】トルクメータを採用するのであれば、該ト
ルクメータを濾液貯槽10に設ければ良い。なお、撹拌
機14の電流値からトルクを検出しても良い。
【0026】このように構成された第1図の装置におい
て、原水は凝集槽4において凝集剤の添加を受けて凝集
処理されるが、この際の添加量は濾液貯槽10で検出さ
れる熱移動速度計検出値Uと薬注量pとの相関関係を表
わす薬注関数によって決定される。
【0027】この関数は、近似的に2次関数として扱う
ことができる。凝集処理装置の作動開始に際しては、薬
注量pを種々(例えば5点)変えると共に各薬注量の下
での熱移動速度計検出値Uを検出し、この作動開始時に
おける特性曲線を示す2次関数を特定する。第3図の実
線で示す2次曲線は、このようにして特定された2次関
数U=ap2 +bp+cである。5点の(U、p)の関
係からパラメータa,b,cを決定するには、最小2乗
法による。
【0028】薬注量を最適量とする場合であれば、第3
図の2次関数f1 が極小値(最小値)をとる薬注量p1
とする。
【0029】凝集処理装置の作動継続に伴って、所定時
間毎(例えば3min毎)に熱移動速度計検出値Uを制
御器16に読み込む。そして、最新の5点の(U、p)
のデータに基づいて上記2次関数のb値を求める。な
お、a値は一定であると扱う。c値は薬注量決定に関与
しない。
【0030】−b/2aが2次関数に最小値を与えるp
であるから、−b/2a値にて薬注量を行なう。もし、
汚泥負荷に変動があった場合には、薬注量pと熱移動速
度計検出値Uとの関係を示す2次関数は第3図の破線の
2 の如く変化する。
【0031】この(U、p)の読み込みと−b/2aの
算出を継続し、常に最新の5点の(U、p)データに基
づいて2次関数f(p)を特定し、p=−b/2aとな
るp2 値にて薬注することにより、常に最適な薬注量に
て凝集処理を行なうことができる。
【0032】なお、第1図の装置では、温度計11及び
電気伝導度計13の検出値も演算制御器16に入力され
ているが、これは原水性状(温度、可溶性塩類濃度等)
に変動があった場合には熱移動速度計検出値が変動する
ので、この温度、電気伝導度の変動による熱移動速度計
検出値変動への寄与分を差し引いて(補償して)、薬注
量変動幅分だけの熱移動速度計検出値の変化を比較する
ためである。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】従来(特開平5−29
3309号公報)の薬注量の制御方法においては、熱移
動速度計検出値と薬注量との相関関係を表わす薬注関数
U=ap2 +bp+cから最適薬注量を求めている。具
体的には、関数Uを表す曲線において最小のU値となる
ときのp値を薬注量としている。
【0034】このp値を求めるには上記式のa,b,c
が決まれば求められる。そしてaは一定と扱われてお
り、また、cはp値に関与しない。従って、b値のみを
求めれば最適薬注量(−b/2a)が決定される。
【0035】従来法では、このために、経時的に最新の
運転データの5点(U,p)に基いてb値を計算により
求めている。
【0036】ところが、このような求め方では、汚泥量
負荷や、汚泥性状が変化し、ある時点で実測U値が変化
しても、その前の4時点のデータ(変化まだ大きくな
い)とともにb値を求めるから実際の変化には十分には
追随していかない。
【0037】特に、この従来法では実際には先に述べた
b値からp値を求めるのではなく、このb値をまた5個
集めたその平均値bからp値を求めているので、9個の
実測U値から求めることになり、本来変化すべきb値の
変化が大きくならない。
【0038】従って、汚泥量負荷変化等の追随には時間
がかかっていた。
【0039】このように、従来法では汚泥性状の変化が
小さい場合や、ゆるやかな変化の場合には薬注制御がう
まく行われているが、急激な汚泥負荷増減の情報を捉え
ることが困難であり、その結果汚泥負荷変動に対する薬
注量の追随が緩慢なものとなっていた。
【0040】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、凝
集剤の薬注量を汚泥性状の変化に合わせて不規則に変化
させるのではなく、薬注量をある期間単調に段階的に減
少させるか又は単調に段階的に増大させ、汚泥を脱水す
る際の薬注量と、脱水濾液と接する熱移動速度計等の液
物性検出用センサの検出値の関係から、汚泥の脱水状態
を求めるようにした凝集処理装置を提供するものであ
る。
【0041】即ち、本発明の凝集処理装置は、凝集処理
される液に凝集剤を添加するための装置であって、該添
加量が調節可能である薬注装置と、凝集剤が添加される
液、凝集剤が添加された液又は凝集剤が添加された液の
濾液と接触するように設けられた液物性検出用のセンサ
と、該センサの検出値に基づいて薬注装置の薬注量を制
御する制御装置であって、薬注量とセンサ検出値との相
関を示す関数を経時的に検出される検出値で特定し、こ
の関数に基づいて薬注量を設定するようにした制御装置
と、を備えてなる凝集処理装置において、該制御装置
は、前回の検出値から計算して設定された薬注量Aと、
薬注量Aより予め定めた量だけ増加させた1つ以上の薬
注量Bと、薬注量Aより予め定めた量分だけ減少させた
1つ以上の薬注量Cとを、多い薬注量から少い薬注量へ
段階的に減少する順序で、または、少い薬注量から多い
薬注量へ段階的に増加する順序で凝集処理される液に薬
注し、各薬注量と、各薬注毎に該センサで検出して得る
センサ検出値とに基づいて前記関数を特定するものであ
ることを特徴とするものである。
【0042】
【作用】本発明では、薬注量を単調に所定量ずつ変化さ
せ、各薬注毎のセンサ検出値から薬注関数を特定する。
そして、この薬注関数から最適添加量(この関数の値を
最小とする添加量)を演算し、この最適添加量を次回の
添加量とする。実際には、この最適添加量を基準とし、
これに所定の少量を加減算して段階的に逓増又は逓減す
る複数の薬注量を設定し、この値に従って薬注する。
【0043】かかる本発明においては、この複数の薬注
を行なって得たデータから直ちにそのときの液性状が特
定され、それに基づいて薬注関数が特定され、この薬注
関数から最適添加量が演算されるから、この複数回の薬
注が経過すると速やかに最適添加量にて薬注が行なわれ
るようになる。
【0044】このようにして、本発明によれば、薬注量
を負荷変動に速やかに追随させることができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例装置及びその作動について説明
する。
【0046】本実施例装置の構成部材及びそれを適用し
た凝集処理装置のフローは第1図と同一であるので、図
示を省略する。本発明は、この第1図における最適薬注
量の決定方式に特徴があるので、この決定方式の実施例
について次に詳細に説明する。
【0047】ある時点での最適薬注量は次のように求め
る。
【0048】例えば、3分毎にある薬注量で添加して、
そのときの検出値を測定し、この操作を例えば5回くり
返して、5組のデータから、前記薬注関数U=ap2
bp+cのb値を求め、その次の最適薬注量AをA=−
b/2aなる計算式から決定する。(なお、これに対
し、上記の従来例では、3分毎に過去5組のデータから
計算し、3分毎に次回の最適量を求めていた。) 本実施例の場合は、ある時点での最適薬注量(A)が決
まると、次の5回の薬注量A1 〜A5 を 1回目の薬注量A1 =A+2k(但し、kは予め設定さ
れた微少量) 2回目の薬注量A2 =A+ k 3回目の薬注量A3 =A 4回目の薬注量A4 =A− k 5回目の薬注量A5 =A−2k のように、過去のデータと関係なく設定する。
【0049】そして、前回の薬注から3分経過後にA1
量の薬注を行ない、6分後にA2 量、9分後にA3 量、
12分後にA4 量、15分後にA5 量の薬注を行ない、
且つ薬注の度毎にセンサ検出値を測定する。
【0050】このように1回目から5回目まで3分毎に
薬注量を順次低減しながら、各回のセンサ検出値を測定
する。
【0051】そしてこの5回のデータから、薬注関数U
=ap2 +bp+cのb値を求めて最適薬注量(次回の
A)をA=−b/2aより決める。
【0052】そして、次の5回の測定(15分間分)を
同様にして行う。なお、上記kは、任意の値に設定でき
るが、例えば、薬注ポンプの単位時間当りの最大吐出量
を100容量部とした場合0.1〜2.0容量部程度の
量とするのが好適である。(薬注量それ自体は、ポンプ
の最大吐出量100容量部に対し10〜80容量部とり
わけ40〜60容量部となるようにするのが好まし
い。)このk値は、現実の被処理液(汚泥)により実験
的に薬注関数曲線(二次曲線)を描き、これに基づいて
決定するのが好ましい。
【0053】なお、この説明においては、A1 〜A5
kずつ逓減するように設定しているが、A1 =A−2
k,A2 =A−k,A3 =A,A4 =A+k,A5 =A
+2kのようにkずつ逓増させる構成としても良い。
【0054】また、この説明では、薬注間隔を3分とし
ているが、この薬注間隔は1〜5分程度の間から適宜選
択されれば良い。さらに、試験的な薬注回数は上記説明
では5回(A1 〜A5 の薬注)となっているが、3〜7
回程度の間から適宜選択されれば良い。
【0055】なお、上記の説明では最適薬注量AをA=
−b/2aとして計算しているが、 A=(−b/2a)±αあるいは A=(−b/2a)×β (なお、α,βは予め設定した定数であり、αは(−b
/2a)に比べ小さい数、βは1に近い数である。)な
どのように、ある程度、(−b/2a)なる値からのズ
レを許容するようにしても良い。
【0056】次に、具体的な実施例及び比較例について
説明する。
【0057】実施例1 第1図に示すフローに従って、活性汚泥処理装置からの
余剰汚泥に薬注装置からカチオン性有機凝集剤(固形物
濃度0.4%)を添加して連続式の遠心脱水機9を用い
て脱水した。
【0058】この脱水濾液を、濾液貯槽10(計測槽)
に導入し、一定水位、一定回転流速の条件下で、熱移動
速度計センサ(本実施例では熱線流速計)に定電流通電
し温度変化を検出した。
【0059】この薬注装置の稼働中、第6図の「60
分」の時点において、上記連続式遠心脱水機への給泥量
を15m3 /hから25m3 /hに急激に増大させた
(固形物負荷に換算すると、該固形物負荷を375kg
−TS/hから625kg−TS/hに増大させ
た。)。
【0060】この負荷増大に伴って脱水濾液の性状が変
化し、これに追随して薬注量が自動的に次のようにして
変更(増大)された。なお、本実施例では、薬注量を制
御するために薬注ポンプ回転数を制御している。給泥量
15m3 /h状態すなわち第6図の初期(制御開始時)
におけるこの薬注装置の最適薬注量は422L/Hr
(リットル/時間)であり、この薬注量は薬注ポンプの
定格最大薬注量の約10%である。3分毎に計測槽で検
出したデータに基き薬注量を計算し、薬注ポンプに信号
を送り制御した。
【0061】k=28リットル/Hrとすることによ
り、次回薬注量A1 〜A5 を A1 =422+1×28=450L/Hr A2 =422+0.5×28=436L/Hr A3 =422L/Hr A4 =422−0.5×28=408L/Hr A5 =422−1×28=394L/Hr とし、スタートから3,6,9,12,15分経過時に
1 〜A5 の薬注を行なった。この薬注の度毎に熱移動
速度計センサのデータを検出し、このデータに基き次回
の5回の薬注量を決定した。
【0062】薬注量の経時変化を給泥量の変化と共に第
6図に併せて示す。第6図の通り、給泥量が急増してか
ら15分遅れて薬注量が703L/Hr急増され、負荷
変動に迅速に対応できた。
【0063】比較例1 特開平5−293309号公報の制御方法に従い、過去
5回の薬注量のデータに基き、次回薬注量を決定した。
給泥量の変動は実施例1と同一とした。この場合の薬注
量の経時変化を第7図に示す。
【0064】第7図の通り、従来法では、給泥量が急増
(「60分」の時点)してから30分〜40分程度経過
しないと、薬注量が十分には増大せず、負荷変動への追
随が緩慢であることが分る。
【0065】上記実施例では濾液を濾液貯槽へ連続的に
流入させているが、本発明では所定量の濾液を濾液貯槽
に受けてその熱移動速度を計測しても良い。このように
バッチ測定する場合には、濾液貯槽に例えばレベル計を
設けておき、前回の測定時の濾液を全量排出した後、こ
のレベル計で検出水位が所定レベルとなるまで濾液を受
け入れ、熱移動速度の計測を行なえば良い。
【0066】上記実施例では、凝集剤が添加された液の
脱水濾液が熱移動速度計と接触されているが、このよう
にするとSS成分や凝集したフロック等が熱移動速度計
に付着することが防止され、作動が安定し、装置の保守
も容易になるという効果がある。ただし、本発明では、
熱移動速度計が直接に凝集剤添加前の液や濾過処理前の
液と接触するように構成しても良い。
【0067】本発明では、温度計等を省略し、熱移動速
度計のみを用いても良い。また、上記実施例では凝集槽
に薬注するようにしているが、本発明にあっては、被凝
集処理液が流通される配管(例えば原水供給管)中へ薬
注するタイプの凝集処理装置にも適用できる。
【0068】なお、本発明でいう凝集剤が添加された液
の濾液とは、凝集槽内の液を濾過した濾液及び脱水機で
脱水した脱水濾液のいずれであっても良い。
【0069】
【発明の効果】以上の通り、本発明の凝集処理装置は、
薬注量と、液物性検出用センサの検出値とから薬注量と
センサ検出値の関係を示す関数を特定し、この関数に基
いて薬注量を制御するものであり、正確な薬注量制御を
行なうことが可能となる。そして、本発明によると、被
処理液の性状変化に迅速に追随して薬注量を制御するこ
とができ、常に最適薬注量にて凝集処理することが可能
となる。また、これにより、低コストの凝集処理が行な
えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は実施例装置の系統図である。
【図2】第2図は熱線流速計のブロック図である。
【図3】第3図は熱線流速計検出値と薬注量との関係を
示す模式図である。
【図4】第4図は実験結果を示すグラフである。
【図5】第5図は実験結果を示すグラフである。
【図6】本発明に係る実験結果を示すグラフである。
【図7】従来例に係る実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
4 凝集槽 8 薬注ポンプ 9 脱水機 12 熱移動速度計 16 演算制御器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凝集処理される液に凝集剤を添加するた
    めの装置であって、該添加量が調節可能である薬注装置
    と、 凝集剤が添加される液、凝集剤が添加された液又は凝集
    剤が添加された液の濾液と接触するように設けられた液
    物性検出用のセンサと、 該センサの検出値に基づいて薬注装置の薬注量を制御す
    る制御装置であって、薬注量とセンサ検出値との相関を
    示す関数を経時的に検出される検出値で特定し、この関
    数に基づいて薬注量を設定するようにした制御装置と、
    を備えてなる凝集処理装置において、 該制御装置は、 前回の検出値から計算して設定された薬注量Aと、 薬注量Aより予め定めた量だけ増加させた1つ以上の薬
    注量Bと、 薬注量Aより予め定めた量分だけ減少させた1つ以上の
    薬注量Cとを、 多い薬注量から少い薬注量へ段階的に減少する順序で、
    または、少い薬注量から多い薬注量へ段階的に増加する
    順序で凝集処理される液に薬注し、 各薬注量と、各薬注毎に該センサで検出して得るセンサ
    検出値とに基づいて前記関数を特定するものであること
    を特徴とする凝集処理装置。
JP28646794A 1994-11-21 1994-11-21 凝集処理装置 Pending JPH08141318A (ja)

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