JPH08140600A - 米飯品質改良用組成物 - Google Patents

米飯品質改良用組成物

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JPH08140600A
JPH08140600A JP6291062A JP29106294A JPH08140600A JP H08140600 A JPH08140600 A JP H08140600A JP 6291062 A JP6291062 A JP 6291062A JP 29106294 A JP29106294 A JP 29106294A JP H08140600 A JPH08140600 A JP H08140600A
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rice
cooked rice
composition
cooked
improving
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JP6291062A
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English (en)
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Shu Endo
周 遠藤
Mitsuharu Tanaka
光治 田中
Yoichi Goto
洋一 後藤
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 米飯を食する人が受ける外観、香り、味、粘
り、口中での適度なソフトさ等、米飯の品質を総合的に
良くする米飯品質改良用組成物を提供すること、及び、
炊飯後の米飯を保存等の目的で冷凍もしくは冷蔵した
後、食する時に加熱処理した場合にも品質の落ちない米
飯を提供する。 【構成】 澱粉分解性酵素製材及び/又は米粒細胞壁分
解性酵素製剤、pH調製剤、穀物粉起源の糊剤を必須成
分とする米飯品質改良用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米飯品質改良用組成
物、詳しくは、特定の酵素、pH調製剤及び糊剤を含有
し、良質の米飯を炊き上げることのできる米飯品質改良
用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】米飯のおいしさは、それを食する人が受
ける外観、香り、味、粘り、口中での適度なソフトさ等
が総合的に評価・判断されるものである。それらが全て
優れたときにはじめて品質の良い米飯として評価され
る。米を主食とする日本では、米飯の品質改良に関する
研究が精力的に進められている。タイ産長粒米、カリフ
ォルニア米、オーストラリア米等のいわゆる外国産米
や、国産米でも収穫後年月の経ってしまった古米、古古
米等、日本人にとってはポロポロしておいしいと評価さ
れない米の品質を、炊飯方法を工夫したり、炊飯の前後
に様々な添加物を加えることによって改良する技術が検
討されている。
【0003】従来技術として、次の様な事例、特許、文
献等が挙げられる。 1)最も一般的な民間処方として行われているのが、炊飯
後ポロポロし、食感の良くないウルチ米に、アミロペク
チン含量の高いモチ米や、寒天、ゼラチン等の糊状物質
を添加して炊飯することにより、炊き上がりの米飯の粘
りを向上させる方法である。
【0004】2)特開昭62−210956号公報には、
米に、アミロペクチン澱粉及び/又は糖類を混合して炊
飯する炊飯方法が記載されている。 3)特開昭62−269652号公報には、米に、アミロ
ペクチン高含量澱粉、ブドウ糖及びデキストリンの1種
又は2種以上を混合して炊飯する炊飯方法が記載されて
いる。
【0005】4)特公昭59−30386号公報には、米
飯炊飯時に、米にグルコン酸又はその環化分子内エステ
ル化合物を添加してpHを3.5〜4に調整し、炊飯後
の米飯の保存性を改良する方法が記載されている。 5)特開平2−72837号公報には、リンゴ酸、クエン
酸、酒石酸、グルコン酸等の不揮発性の酸や有機酸を用
いた米粒用添加剤及びその使用方法が記載されている。 6)特開平3−87153号公報には、米飯のpHを3.
5〜6、水分率を20〜35%に調製し、密封包装後加
熱処理する長期保存可能な包装加工米及びその製造方法
が記載されている。 7)特開平5−176693号公報には、炊飯時に、米に
グルコノデルタラクトン、クエン酸又はグルコン酸を、
炊飯後の米飯のpHが4〜4.8になるように加え、完
全密封する米飯の製造方法が記載されている。
【0006】8)特開昭58−86050号公報には、精
白米にアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等の酵素
と、食塩及びサイクロデキストリンを混合して炊飯する
米飯の改良方法が記載されている。 9)特開昭60−199355号公報には、炊飯後の米飯
に糖化型アミラーゼ(β−アミラーゼ、グルコアミラー
ゼ)の水溶液を噴霧添加する米飯の老化防止方法が記載
されている。 10) 特公平1−54987号公報には、サイクロデキス
トリンと澱粉分解酵素、蛋白質分解酵素またはセルロ−
ス分解酵素の1種以上の酵素と乳化剤、水溶性ゼラチン
からなる米飯品質改良用組成物が記載されている。 11) 特開平2−72836号公報には、レシチンと胚乳
細胞壁分解酵素(セルラーゼ)の組み合わせによる米粒
用添加剤及びその使用方法が記載されている。 12)特開平3−180151号公報には、エンドペプチ
ダーゼを用いた米粒用添加剤及びその使用方法が記載さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
モチ米や、寒天、ゼラチン等の糊状物質を添加して炊飯
する民間処方や、特開昭62−210956号公報、特
開昭62−269652号公報に記載された、澱粉類の
添加を中心とした炊飯の改良方法は、米飯粒同士の結着
性のみを念頭に置いた米飯の品質改良法であり、米飯そ
のものの食感を抜本的に変えることはできなかった。
【0008】また、特公昭59−30386号公報、特
開平2−72837号公報、特開平3−87153号公
報、特開平5−176693号公報に記載された、有機
酸を添加し、米飯の保存性を向上させる方法では、有機
酸のpH低下効果によって米粒中の澱粉粒のアルファ化
が若干促進され、米飯の食感がやや改良される傾向にあ
るが、その効果は十分ではなかった。
【0009】更に、特開昭58−86050号公報、特
開昭60−199355号公報、特公平1−54987
号公報、特開平2−72836号公報、特開平3−18
0151号公報等では、米に、各種の酵素剤を添加して
米飯の品質改良を試みているが、いずれも目ざましい効
果が得られていないのが実情であった。
【0010】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、米飯を食する人が受ける外観、香り、味、粘り、
口中での適度なソフトさ等、米飯の品質を総合的に良く
する米飯品質改良用組成物を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、炊飯後の米飯を保存等の目的
で冷凍もしくは冷蔵した後、食する時に加熱処理した場
合にも品質の落ちない米飯を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を行った結果、特定の酵素、pH調製剤及び穀物粉起源
の糊剤を含有させた米飯品質改良用組成物が上記目的を
達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、澱粉分解性酵素製剤及び
/又は米粒細胞壁分解性酵素製剤、pH調整剤、穀物粉
起源の糊剤を必須成分とする米飯品質改良用組成物を提
供するものである。
【0013】以下、本発明の米飯品質改良用組成物につ
いて詳述する。
【0014】本発明に用いられる澱粉分解性酵素製剤及
び米粒細胞壁分解性酵素製剤は、特に起源、種類等限定
されないが、アミラーゼを主体とした酵素製剤及びセル
ラーゼ等を主体とした酵素製剤の1種又は2種以上の組
み合わせであることが望ましい。
【0015】上記酵素製剤に含まれる各酵素類は、カビ
類や細菌類の培養によって得られるものや麦芽等の穀物
発芽体より得られるものでもよく、特にその起源を限定
するものではない。
【0016】上記アミラーゼとしては、デンプン、グリ
コーゲン等のα−1,4結合をランダムに切断するエン
ド型のα−アミラーゼや、デンプン、グリコーゲン等を
非還元性末端からα−1,4結合をマルトース単位で逐
次分解するエキソ型のβ−アミラーゼ、同じくα−1,
4結合をグルコース単位で分解し、また、分岐点のα−
1,6結合をも分解するグルコアミラーゼ等が挙げら
れ、それらを単独で用いても、又、2種以上を混合して
用いてもよい。また、上記セルラーゼとしては、僅かな
プロテアーゼ活性やペクチナーゼ活性をサイドアクティ
ビティーとして含んだ、エンド−1,4−β−グルカナ
ーゼや、エキソ−1,4−β−グルカナーゼ、β−グル
コシダーゼ等が挙げられ、それらを単独で用いても、
又、2種以上を混合して用いてもよい。更に、上記セル
ラーゼとしては、食品加工用として市販されているもの
を用いることもできる。
【0017】本発明者等による詳細な検討結果による
と、澱粉分解性酵素製剤と米粒細胞壁分解性酵素製剤
は、それぞれを単独で米に添加した場合でも米飯のソフ
ト化に相当の改良効果があった。また、それらを組み合
わせて配合し、米に添加した場合、より顕著な米飯のソ
フト化改良効果が見出された。この効果は、セルラーゼ
等(細胞壁分解酵素系)によって米粒中の細胞壁が分解
され構造がルーズになった所へアミラーゼを主体とした
酵素製剤が作用するので、アミラーゼによる分解効率が
上がり、米澱粉のα化が促進されるためだと推察でき
る。
【0018】上記澱粉分解性酵素製剤の原料米への最適
添加量は、原料米100gに対して、140〜7000
0単位、好ましくは1000〜30000単位、より好
ましくは5000〜15000単位である。140単位
以下では酵素の添加効果が期待できず、一方、7000
0単位以上では過剰反応を起こし米飯の触感が軟らかく
なりすぎてしまう。尚、ここで言う原料米とは、炊飯用
に精米し水洗される前の米のことを言う。
【0019】澱粉分解性酵素製剤の活性力価を表す単位
「単位」は、以下のように定義される。即ち、試料約5
gを精秤し、2%塩化カリウム溶液で50mlとし、氷
冷しながら60分間穏やかに攪拌し、澱粉分解性酵素を
抽出する。これを遠心分離(3000rpm、10分
間)した上清を試験溶液とし、必要ならば2%塩化カリ
ウム溶液で適宜希釈する。デンプン溶液(pH5)10
mlを40℃の水浴に10分間放置し、試験溶液を0.
5ml添加し、良く混合し、40℃の水浴中で酵素反応
を進める。経時的に反応液0.1mlを分取し、希ヨウ
素溶液10mlに混合する。その溶液の670nmの透
過率を測定し透過率が66%を越えるまで測定を繰り返
す。透過率と反応時間との関係をグラフにし、透過率が
66%を示す時間Tを内挿する。上記の条件で30分間
に1%澱粉溶液を670nmの透過率が66%になるま
で分解する活性を1単位として次式よりアミラーゼ力価
を算出する。 力価(単位/g)=10×(1/W)×(30/T) W:反応に用いた試料量(g) T:透過率66%を示す時間(分)
【0020】上記米粒細胞壁分解性酵素製剤の原料米へ
の最適添加量は、原料米100gに対して、1〜500
C1-ase単位、好ましくは5〜300C1-ase単位、より好
ましくは10〜100C1-ase単位である。1C1-ase単位
以下では酵素の添加効果が期待できず、一方500C1-a
se単位以上では過剰反応を起こし米飯の触感が軟らかく
なりすぎてしまう。
【0021】米粒細胞壁分解性酵素製剤の活性力価を表
す単位「C1-ase単位」は、以下のように定義される。即
ち、内径17〜18mm、高さ75〜76mm、長さ1
50〜155mmのL字管5本に、それぞれ希釈酵素液
(あらかじめ、平均崩壊時間が60分間になるように酵
素試料をpH4.5の0.1MのAcetate Bufferに溶か
したもの)5mlずつをはかり、これに東洋濾紙No.
51を1cm×1cmの大きさに切ったものを2枚ずつ
を入れ、40℃のMonod 式恒温振とう機中で60回/
分、振幅4cmで振とうし、濾紙が完全に崩壊するのに
要する時間(分)を測定する。5本の測定結果のうち最
高、最低を除き、3本の平均崩壊時間(分)を求め次式
により計算する。 力価(C1-ase単位/g)=(10000/平均崩壊時間
(分))×(1000/希釈酵素液5mlの試料のmg
数)
【0022】本発明に用いられるpH調製剤は特に限定
されないが、グルコノデルタラクトン及び/又はグルコ
ン酸であることが望ましい。グルコノデルタラクトンは
水溶液中で解離し、グルコノデルタラクトンとグルコン
酸の平衡混合物になる。本発明者等による詳細な検討に
よると、上記pH調整剤は炊飯装置の金属部分に対する
腐食性が少ないうえ、炊飯後米飯を食した時に感じる酸
による異味・異臭が少なく良好な炊き上がりを呈するこ
とが判明した。
【0023】上記pH調製剤は、炊飯物のpHを低下さ
せることにより澱粉のα化を促進するとともに、溶液を
前記酵素剤の反応示適pHに調整することで、より一層
の酵素活性を発揮させる添加効果を有する。
【0024】上記pH調製剤の原料米への最適添加量
は、炊飯前の水溶液中のpHが2〜7となる濃度、好ま
しくは、pH3.5〜5.5となる濃度、より好ましく
は、pH4〜5となる濃度である。炊飯前の水溶液中の
pHが2以下では、酸性が強すぎて炊飯装置が腐食の危
険性にさらされるばかりでなく、酸による異味、異臭の
発生等により、総合的に米飯の品質は低下してしまう。
また、pH7以上では、本発明に使用する酵素製剤の示
適pHから大きく逸脱するばかりでなく、炊飯時の溶液
のpHを低下させることにより澱粉のα化を促進させる
効果も低減してしまう。
【0025】本発明に用いられる糊剤は馬鈴薯、トウモ
ロコシ、タピオカ、米、小麦、サツマイモの各澱粉等が
使用でき、特に限定されないが、穀物粉の中でも特にワ
キシーコーンスターチであることが望ましい。アミロペ
クチン含量がほぼ100%のワキシーコーンスターチ
は、同じくアミロペクチン含量がほぼ100%のモチ米
粉に似た性質を有しており、炊飯後の米飯のツヤや粘り
を改良する効果を有する。しかも、本糊剤は併用する酵
素、α−アミラーゼ製剤によって直鎖部分が適度に分解
され、余分な粘り・ベトつきが出なくなるという効果を
有する。すなわち、濃厚な酵素製剤やpH調整剤を使用
しやすい濃度に希釈する増量剤的な糊剤としての効果の
みならず、上記のような米飯の改良効果を付与すること
ができる。
【0026】上記糊剤の原料米への最適添加量は、原料
米100重量部に対して、0.5〜7重量部、好ましく
は1〜6重量部、より好ましくは2〜5重量部である。
0.5重量部以下では、先に述べた米飯のツヤや粘りを
改良する効果が乏しくなってしまう。一方、7重量部以
上では米粒又は水溶液に対する糊剤の濃度が高すぎ、釜
の底部に糊がこびりついたり、それが基になり焦げが生
じたりしてしまう。
【0027】上述の本発明の米飯品質改良用組成物にお
ける各成分の最適添加量を考慮すると、本発明の米飯品
質改良用組成物の各成分の配合量、及び炊飯時における
米飯品質改良用組成物の原料米への添加量は下記の通り
である。上記澱粉分解性酵素製剤の配合量(力価が10
5 単位/gの酵素を使用するときを基準とした場合)
は、本発明の米飯品質改良用組成物中、好ましくは0.
01〜70重量%(以下、単に%という)、更に好まし
くは0.1〜30重量%である。上記細胞壁分解性酵素
製剤の配合量(力価が1000C1-ase単位/gの酵素を
使用するときを基準とした場合)は、本発明の米飯品質
改良用組成物中、好ましくは0.01〜50%、更に好
ましくは0.05〜30%である。上記pH調製剤の配
合量は、本発明の米飯品質改良用組成物中、好ましくは
1.5〜5%、更に好ましくは2〜4%である。上記糊
剤の配合量は、本発明の米飯品質改良用組成物中、好ま
しくは5〜99%、更に好ましくは40〜96%であ
る。ただし、本発明の米飯品質改良用組成物における各
成分の配合量は、上記配合量に限定されるものではな
い。また、本発明の米飯品質改良用組成物は、炊飯時
に、原料米100重量部に対し、1〜10重量部、好ま
しくは、1.5〜7重量部、より好ましくは2〜5重量
部の範囲で添加する。
【0028】本発明の米飯品質改良用組成物を添加した
米飯の炊飯方法については、特にその方法を規定する必
要はない。通常の家庭用の電気、ガス、薪等を用いた、
いわゆる「炊飯釜」を用いることも、業務用の大規模な
「炊飯ライン」を用いることも可能である。
【0029】また、実際の炊飯時には、洗米に適当量の
水を加え本発明による米飯品質改良用組成物を上記量添
加して充分に攪拌分散させて用いる。必要であれば、こ
の状態のままで0.5〜数時間の浸漬時間を設けること
も可能であるが、そのまま随時加熱工程に入っても良
い。
【0030】本発明の米飯品質改良用組成物には、粉体
の物性を改良する等のために、必要に応じて油脂、液
糖、グリセリン等の増粒用の添加剤や二酸化ケイ素等の
流動性改良用組成物を添加することが可能である。ま
た、油脂は米飯のツヤ、炊飯容器からの米飯のはがれや
すさを良くする等の効果を有するので、粉体の物性改良
効果のみならず、必要に応じて添加量を多くしたり、粉
末油脂の形態で添加する等積極的な使用をすることが可
能である。また、必要に応じて、食塩、各種調味料、糖
類、スパイス類等の呈味調整成分のほか、野菜類や肉類
の乾燥品等の具剤等を添加することもできる。
【0031】本発明の米飯品質改良用組成物は、前述し
た粉末原料をそのまま炊飯原材料に添加混合してもよい
が、ショートニング等の油脂や、マーガリン等のW/O
型乳化物、クリーム、マヨネーズ等のO/W型乳化物中
に添加分散もしくは溶解した上で炊飯に用いることも可
能である。
【0032】本発明の改良用組成物は、本来の目的であ
る米炊飯時の使用のみならず、あられ、おかき、せんべ
いなど、米穀類を使用した菓子類(米菓)の製造時や、
クッキー、クラッカー、ビスケット等の穀類を使用した
焼菓子の製造時にも使用することができる。
【0033】
【実施例】以下、試験例(実施例及び比較例)を挙げて
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。
【0034】試験例1−1〜1−14及び比較試験例1
−1〜1−17(炊飯試験) 表1(実施例1〜14)、表2及び表3(比較例1〜1
7)に示す配合の米飯品質改良用組成物を用いて炊飯試
験を行い、外観(つや、形)、香り、味、粘り、ソフト
さについて評価を行った。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】尚、アミラーゼ製剤−Iは液体の製剤で力
価が140000単位、アミラ−ゼ製剤−IIは粉末の
製剤で力価が140000単位、セルラ−ゼ製剤−Iは
液体の製剤で力価が1000C1-ase単位、セルラ−ゼ製
剤−IIは粉末の製剤で力価が1000C1-ase単位のも
のを使用した。
【0039】炊飯実験を行う際には、下記の炊飯装置を
用いた。 松下電気産業(株)製 IHジャー炊飯器 SR−IHXA10 炊飯装置は予め数回のテスト炊飯実験によって、炊飯器
の装置毎の米飯の炊き上がりの差、つまり「器差(機
差)」が全くないか、または微差であることを確認して
から検討に用いた。
【0040】試験に使用した米の種類は、市販されてい
る国産自主流通米の古古米、タイ産長粒米、カリフォル
ニア産米、オーストラリア産米、中国産米等を単一種も
しくは二種以上を組み合わせたものである。炊飯には水
道水を用い、添加する加水量は改良用組成物無添加の炊
飯時に最も良好な炊き上がりになるよう、対米100重
量部に対し120重量部から150重量部程度までの間
で調整をした。米を水に浸漬させる時間は、使用する米
の種類によって微調整を行った。比較的吸水しやすい国
産米を主体にした場合は0〜10分、吸水の遅いタイ産
米を主体にした場合は30〜60分程度、米を水に浸漬
させた。また、米飯品質改良用組成物は米100gに対
し2〜10g添加した。
【0041】表4(試験例1−1〜1−14)、表5及
び表6(比較試験例1−1〜1−17)に、使用した米
飯品質改良用組成物の種類及び使用量、使用した米の種
類、添加した水量及び米の水への浸漬時間を示した。ま
た、米飯品質改良用組成物を添加しない場合についても
同様の試験を行った(対照例1−1〜1−5)。その場
合の使用した米の種類、添加した水量、米の水への浸漬
時間について表7に示した。
【0042】表4に試験例1−1〜1−14の炊飯試験
の評価を、表2及び表3に比較試験例1−1〜1−17
の米飯改良用組成物を用いたときの炊飯試験の評価を、
表7に対照例1−1〜1−5についての炊飯試験の評価
を示した。尚、評価は専門のパネラー10名により、下
記の基準で行った。炊飯品の外観(つや、形)、香り、
味、粘り、ソフトさの5項目のそれぞれの項目につき2
0点満点、合計100点満点で行った。
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】試験例2−1〜2─14及び比較試験例2
−1〜2−17(炊飯品冷凍、冷蔵試験) 表1(実施例1〜14)、表2及び表3(比較例1〜1
7)に示す配合の米飯品質改良用組成物について、冷
凍、冷蔵後に加熱を行い、外観(つや、形)、香り、
味、粘り、ソフトさについて評価を行った。
【0048】炊飯品冷凍、冷蔵試験は下記のように行っ
た。即ち、試験例1−1〜1−14及び比較試験例1−
1〜1−17の条件で炊飯した米飯を粗熱をとりつつ攪
拌し、冷凍試験は−40℃にて20日間、冷蔵試験は5
℃にて3日間保存したものを試験に使用した。上記保存
後の米飯を容器に100g量り取り、ラップで覆ったあ
と出力600Wの電子レンジにて、冷凍品の場合2分
間、冷蔵品の場合1分間加熱し、外観(つや、形)、香
り、味、粘り、ソフトさについて評価を行った。また、
米飯品質改良用組成物を添加しない場合についても同様
の試験を行った(対照例2−1〜2−5)。
【0049】表8に試験例2−1〜2−14の炊飯品冷
凍、冷蔵試験の評価を、表9及び表10に比較試験例2
−1〜2−17の炊飯品冷凍、冷蔵試験の評価を、表1
1に対照例2−1〜2−5についての炊飯品冷凍、冷蔵
試験の評価を示した。なお、評価は、試験例1−1〜1
−14及び比較試験例1−1〜1─17と同様に行っ
た。
【0050】
【表8】
【0051】
【表9】
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】試験例3−1〜3−14及び比較試験例3
−1〜3−17(米菓試験) 米菓試験は、せんべいの処方をもとに行った。粳米粉を
蒸捏機に入れて加水をした後、表1(実施例1〜1
4)、表2及び表3(比較例1〜17)の米飯品質改良
用組成物を添加し酵素反応のため一定時間のインキュベ
ートを行った。その後蒸気を通じ攪拌して蒸捏を7分間
行った。できあがったα化生地を取り出し、練り出し機
にかけた後、生地を水中にて65℃になるまで冷却し、
再度練り出し機にかけて生地を得た。その生地を圧延装
置にて伸ばし、型抜き後、水分が15%になるまで熱風
乾燥させ、220℃にて焼成してせんべいを得、食感お
よび比容積について評価を行った。
【0055】尚、食感の評価は、専門のパネラー10名
により、下記の基準で行った。 ◎ 食感が非常に良い ○ 食感が良い △ 食感が普通 × 食感が悪い 比容積は、下記の方法により測定した。焼成したせんべ
い10個を菜種置換法により比容積の測定を行い、この
平均を用いた。
【0056】表12(試験例3−1〜3−14)、表1
3及び表14(比較試験例3−1〜3−17)に、使用
した米の種類、米の量、添加した米飯品質改良用組成物
の種類及び量、インキュベ─ト時間を示した。また、米
飯品質改良用組成物を添加しない場合についても同様の
試験を行った(対照例3−1〜3−5)。その場合の使
用した米の種類、米の量、添加した米飯品質改良用組成
物の種類及び量、インキュベ─ト時間を表15に示し
た。
【0057】
【表12】
【0058】
【表13】
【0059】
【表14】
【0060】
【表15】
【0061】表12に試験例3−1〜3−14の米飯品
質改良用組成物を用いた時の米菓試験の評価を、表13
及び表14に比較試験例3−1〜3−17の米飯改良用
組成物を用いたときの米菓試験の評価を、表15に対照
例3−1〜3−5についての米菓試験の評価を示した。
【0062】
【発明の効果】本発明の米飯品質改良用組成物によれ
ば、該米飯品質改良用組成物を日本人の嗜好にマッチし
ない外国産米や古古米の炊飯時に適量添加することによ
り、手軽に、そして効果的に良質の米飯を炊き上げるこ
とができる。また、本発明の米飯品質改良用組成物によ
れば、該米飯品質改良用組成物を米の炊飯時に適量添加
することにより、炊飯後の米飯を保存等の目的で冷凍も
しくは冷蔵した後、食する時に加熱処理した場合も、良
質な米飯を供給することが可能である。更に、本発明の
米飯品質改良用組成物は、澱粉のα化を促進させる効果
を有するので、米飯炊飯時に限らず、品質の良くない米
穀をあられやせんべいなど米菓子製造時に添加するため
の添加剤にもなり得る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】澱粉分解性酵素製剤及び/又は米粒細胞壁
    分解性酵素製剤、pH調整剤、穀物粉起源の糊剤を必須
    成分とする米飯品質改良用組成物。
  2. 【請求項2】上記澱粉分解性酵素製剤が1種又は2種以
    上のアミラーゼであり、上記米粒細胞壁分解性酵素製剤
    が1種又は2種以上のセルラーゼであることを特徴とす
    る請求項1記載の米飯品質改良用組成物。
  3. 【請求項3】上記pH調整剤がグルコノデルタラクトン
    及び/又はグルコン酸である請求項1記載の米飯品質改
    良用組成物。
JP6291062A 1994-11-25 1994-11-25 米飯品質改良用組成物 Pending JPH08140600A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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