JPH08139769A - 直接変換受信機 - Google Patents

直接変換受信機

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JPH08139769A
JPH08139769A JP27644094A JP27644094A JPH08139769A JP H08139769 A JPH08139769 A JP H08139769A JP 27644094 A JP27644094 A JP 27644094A JP 27644094 A JP27644094 A JP 27644094A JP H08139769 A JPH08139769 A JP H08139769A
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克明 安倍
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Makoto Hasegawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無線通信のFSK信号の直接変換受信機に関
し、変調指数の低いFSK信号の受信感度を向上するこ
とを目的とする。 【構成】 直接変換により得られたI信号108、Q信
号109を振幅制限増幅器112、113によりディジ
タル化する。ディジタル化されたI、Q信号の符号が、
同符号から異符号に変化したときのディジタルI信号を
Dフリップフロップ118でラッチし、異符号から同符
号に変化したときのディジタルQ信号をDフリップフロ
ップ119でラッチする。前記Dフリップフロップ11
8、119のQ出力とディジタルI、Q信号を組み合わ
せて排他的論理和演算し、復調出力を得ることにより、
従来よりも一符号あたりのデータ判定回数を増やし、変
調指数の低いFSK信号を受信するときの受信感度を向
上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてディジタル無
線通信の直接変換受信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル無線通信における周波
数偏移変調(FSK:Frequency Shift
Keying;フリケンシー・シフト・キーイング)
方式の受信機として、直接変換受信機が集積回路化に適
した構成として検討されている。この直接変換受信機の
構成としては、例えば特開昭55−14701号公報に
記載されている構成が知られている。以下、図9を参照
して従来のFSK受信機について簡単に説明する。
【0003】図9において、受信されたFSK信号10
1は、混合器102、103に供給される。また、FS
K信号101の搬送波とほぼ等しい周波数を生成する局
部発振器104の出力は90度移相分配器105により
移相され、互いに位相が90度異なる2信号に分配さ
れ、それぞれ混合器102、103に供給される。この
例では、混合器102へ供給する信号の位相が混合器1
03へ供給する信号の位相よりも90度進んでいるとす
る。混合器102の出力信号は、低域通過フィルタ10
6により帯域制限され、同相ベースバンド信号(I信
号)108が得られる。また、混合器103の出力信号
は、低域通過フィルタ107により帯域制限され、直交
ベースバンド信号(Q信号)109が得られる。I信号
108とQ信号109は互いに直交位相で、かつFSK
信号の周波数偏移の上下により互いの位相遅延関係が反
転する関係にある。
【0004】ここでは、I信号108に対してQ信号1
09の位相が進んでいる場合のデータをHigh、遅れ
ている場合のデータをLowとする。I信号108、Q
信号109はそれぞれ、振幅制限増幅器110、111
により振幅制限増幅され、ディジタル化されたI信号
(ディジタルI信号)112とディジタル化されたQ信
号(ディジタルQ信号)113を得る。そして、Dフリ
ップフロップ回路901のD入力端子にディジタルQ信
号113を入力し、クロック入力端子に、ディジタルI
信号112を入力し、Dフリップフロップ回路901の
出力信号を低域通過フィルタ902で帯域制限し、雑音
等による局所的な信号の変動を除去して最終的な復調出
力を得る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の直接変換受信機の構成では、データの判定をディ
ジタルI信号の立ち上がり時のみでしか行っていないた
め、ビットデータが変化しても、ディジタルI信号の立
ち上がりが現れるまではデータの変化を検出することが
できない。このため、データ判定に遅延が生じてしま
う。さらに、雑音等の影響によりディジタルI信号に変
動が生じ、データ判定を誤った場合、次にディジタルI
信号の立ち上がりが現れるまでは、判定結果は誤ったま
まとなり、低域通過フィルタによる最終的な出力結果が
誤る確率が高くなってしまう、という問題点を有してい
た。この問題点は、変調指数が小さくなるにつれて、さ
らに顕著になる。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解決するも
のであり、I、Q両信号の符号の変化時にデータ判定を
行うことにより、できるだけ本来のデータの変化点から
の判定の遅延を少なくし、かつ、雑音等によるデータ変
動の影響を少なくすることにより、変調指数の低いFS
K信号の受信感度の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の直接変換受信機は、FSK信号の搬送波と
ほぼ等しい周波数を生成する局部発振器と、局部発振器
出力を移相して互いに位相が90度異なる同相信号と直
交信号に分配して出力する90度位相分配器と、FSK
信号と同相信号を混合する第1の混合器と、第1の混合
器の出力を帯域制限する第1の低域通過フィルタと、第
1の低域通過フィルタの出力を振幅制限増幅する第1の
振幅制限増幅器と、FSK信号と直交信号を混合する第
2の混合器と、第2の混合器の出力を帯域制限する第2
の低域通過フィルタと、第2の低域通過フィルタの出力
を振幅制限増幅する第2振幅制限増幅器と、第1の振幅
制限増幅器の出力と第2の振幅制限増幅器の出力の排他
的論理和を出力する第1の排他的論理和回路と、第1の
排他的論理和回路の出力をクロック入力とし、第1の振
幅制限増幅器の出力をD入力とする第1のDフリップフ
ロップ回路と、第1の排他的論理和回路の出力の否定を
出力する第1の否定回路と、第1の否定回路の出力をク
ロック入力とし、第2の振幅制限増幅器の出力をD入力
とする第2のDフリップフロップ回路と、第1の振幅制
限増幅器の出力と第2のDフリップフロップ回路のQ出
力の排他的論理和を出力する第2の排他的論理和回路
と、第2の振幅制限増幅器の出力と第1のDフリップフ
ロップ回路のQ出力の排他的論理和を出力する第3の排
他的論理和回路と、第2の排他的論理和回路の出力と第
3の排他的論理和回路の出力との排他的論理和回路を出
力する第4の排他的論理和回路とを有するものである。
【0008】本発明はまた、第4の排他的論理和回路の
出力を帯域制限する第3の低域通過フィルタを有する構
成としてもよい。
【0009】本発明はまた、第1の否定回路と第2のフ
リップフロップ回路と第2の排他的論理和回路と第3の
排他的論理和回路を取り除いた構成としてもよい。
【0010】本発明はまた、ディジタル回路により行う
処理をアナログで処理する構成としてもよい。
【0011】本発明はまた、第1の排他的論理和回路の
出力をF/V(周波数ー電圧)変換するF/V変換手段
と、F/V変換手段の出力としきい値との大小を判定す
るしきい値判定回路とを設けた構成としてもよい。
【0012】
【作用】本発明は上記の構成により、受信したFSK信
号の搬送波信号とほぼ等しい周波数の局部発振器出力を
90度移相分配器により移相し、互いに90度位相の異
なる同相信号と直交信号に分配し、一方では第1の混合
器により同相信号とFSK信号との混合を行い、第1の
低域通過フィルタで帯域制限をし、同相ベースバンド信
号(I信号)を得、第1の振幅制限増幅器によりディジ
タルI信号とする。また、もう一方では、第2の混合器
により直交信号とFSK信号との混合を行い、第2の低
域通過フィルタで帯域制限をして直交ベースバンド信号
(Q信号)得、第2の振幅制限増幅器によりディジタル
Q信号とする。第1の排他的論理和回路では、ディジタ
ル化されたI信号とQ信号との排他的論理和が出力され
る。
【0013】第1のDフリップフロップ回路では、第1
の排他的論理和回路の出力がクロック信号として用いら
れ、ディジタルI、Q信号が同符号から異符号になった
ときのI信号が保持され出力される。
【0014】また、第2のフリップフロップ回路では、
第1の排他的論理和回路の否定がクロック信号として用
いられ、ディジタルI、Q信号が異符号から同符号にな
ったときのディジタルQ信号が保持され出力される。
【0015】第2、第3、第4の排他的論理和回路の組
み合わせでは、ディジタルI信号、Q信号が同符号から
異符号へ変わったときに、変わったのがI信号であれ
ば、I信号はQ信号に対して位相が進んでいると判断
し、第4の排他的論理和回路の出力をLowとし、そう
でなければHighとする。
【0016】また、I信号、Q信号が異符号から同符号
に変わったときに、変わったのがQ信号であれば、Q信
号はI信号に対して位相が遅れていると判断し、第4の
排他的論理和回路の出力をLowとし、そうでなければ
Highとする。得られた出力を、場合によっては第3
の低域通過フィルタで帯域制限し、雑音等による局所的
な出力の変動を除去することにより、受信したFSK信
号の復調を可能とする。
【0017】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例について、図
面を参照しながら説明する。
【0018】図1において、101はFSK信号、10
2、103は混合器、104は局部発振器、105は9
0度移相分配器、106は低域通過フィルタ、107は
低域通過フィルタ107、108はI信号、109はQ
信号、110、111は振幅制限増幅器、112はディ
ジタル化されたI信号、113はディジタル化されたQ
信号で、以上は従来例と同様の構成である。
【0019】114、115、116、117は2つの
入力の排他的論理和を出力する排他的論理和回路、11
8、119はクロック入力信号の立ち上がり時のD入力
の状態を保持してQ出力とするDフリップフロップ回
路、120は入力信号の否定を出力する否定回路、12
1は高周波成分を除去する低域通過フィルタ、122は
復調出力である。なお、低域通過フィルタ121を設け
ない構成としてもよい。
【0020】以上のように構成された直接変換受信機に
おいて、受信されたFSK信号101からディジタルI
信号112とディジタルQ信号113を得る基本的な動
作は従来例と同様である。
【0021】得られたディジタルI信号112とディジ
タルQ信号113を用いて復調をする動作について、図
2を用いながら以下で説明する。
【0022】排他的論理和回路114では、ディジタル
I信号112とディジタルQ信号113の排他的論理和
が演算され、一方はDフリップフロップ回路118のク
ロック入力に供給される。また、もう一方は否定回路1
20に供給され、否定演算が行われた後にDフリップフ
ロップ回路119のクロック入力に供給される。
【0023】Dフリップフロップ回路118は、ディジ
タルI信号112をD入力とし、Dフリップフロップ回
路119はディジタルQ信号113をD入力とする。排
他的論理和回路114の出力は、ディジタルI信号11
2とディジタルQ信号113の符号が同符号の時にLo
w、異符号の時にHighとなる。したがって、Dフリ
ップフロップ回路118では、ディジタルI信号112
とディジタルQ信号113の符号が同符号から異符号に
変化した時のD入力であるディジタルI信号112を保
持し、Q出力として出力する。また、Dフリップフロッ
プ回路119では、ディジタルI信号112とディジタ
ルQ信号113の符号が異符号から同符号に変化したと
きのD入力であるディジタルQ信号113を保持し、Q
出力として出力する。
【0024】排他的論理和回路115では、Dフリップ
フロップ回路119のQ出力とディジタルI信号との排
他的論理和が演算され、排他的論理和回路117に供給
される。また、排他的論理和回路116では、Dフリッ
プフロップ回路118のQ出力とディジタルQ信号11
3との排他的論理和が演算され、排他的論理和回路11
7に供給される。
【0025】ここで、まず最初に、ディジタルI信号1
12とディジタルQ信号113の符号が同符号から異符
号に変化した時の動作について説明する。
【0026】このときは、符号が変化した方の信号の位
相が進んでいると判断できる。ディジタルI信号112
とディジタルQ信号113の符号が同符号から異符号に
変化することにより、排他的論理和回路114はHig
hとなり、Dフリップフロップ回路118のクロック入
力が立ち上がるので、D入力であるディジタルI信号1
12がQ出力として出力される。ここで、Dフリップフ
ロップ118のクロック入力の立ち上がりのタイミング
は、ディジタルI、Q信号の符号が変化するタイミング
に比べて、排他的論理和回路114で生じる遅延の分だ
け遅れるため、D入力の変化とラッチタイミングが同時
に起こることはなく、Q出力は、ディジタルI、Q信号
の符号が異符号になった後のディジタルI信号の符号が
出力される。したがって、排他的論理和回路116で
は、異符号となったディジタルI信号112とディジタ
ルQ信号113との排他的論理和演算が行われるので、
出力はHighとなる。また、Dフリップフロップ回路
119では、クロックの立ち上がりはないので、同符号
の時のQ出力がそのまま保持される。したがって、排他
的論理和回路115では、同符号から異符号に変化した
ときに変化したのがディジタルI信号112であるか、
ディジタルQ信号113であるかによって出力が異な
る。もし変化したのがディジタルI信号であれば、排他
的論理和回路115の入力は異符号となるので、出力は
Highとなる。逆に、変化したのがディジタルQ信号
であれば、排他的論理和回路115の入力信号は同符号
の時のままで双方とも変化しないので、その出力は後述
するように、Lowとなる。
【0027】以上より、同符号から異符号へ変化したの
がディジタルI信号の場合、排他的論理和回路117の
入力はともにHighとなり、出力はLowとなる。こ
れは、I信号のほうがQ信号よりも位相が進んでいると
きの出力と合致する。また、変化したのがディジタルQ
信号の場合、排他的論理和回路の入力はHighとLo
wとなり、出力はHighとなる。これは、Q信号の方
がI信号よりも位相が進んでいるときのデータと合致す
る。
【0028】次に、ディジタルI信号112とディジタ
ルQ信号113の符号が異符号から同符号に変化した時
の動作について説明する。
【0029】このときは、符号が変化した方の信号の位
相が遅れていると判断できる。符号が異符号から同符号
に変化することにより、排他的論理和回路114はLo
wとなり、否定回路120により、Dフリップフロップ
回路119のクロック入力が立ち上がるので、D入力で
あるディジタルQ信号113がQ出力として出力され
る。したがって、排他的論理和回路115では、同符号
になったディジタルI信号112とディジタルQ信号1
13との排他的論理和演算が行われるので、Lowとな
る。また、Dフリップフロップ回路118では、クロッ
クの立ち上がりはないので、異符号の時のQ出力がその
まま保持される。したがって、排他的論理和回路116
では、異符号から同符号に変化したのがディジタルI信
号112であるか、ディジタルQ信号113であるかに
よって出力が異なる。もし変化したのがディジタルI信
号であれば、排他的論理和回路116の入力信号は異符
号の時のままで双方とも変化しないので、その出力は先
に述べたように、Highとなる。逆に、変化したのが
ディジタルQ信号であれば、排他的論理和回路116の
入力は同符号となるので、出力はLowとなる。以上よ
り、異符号から同符号へ変化したのがディジタルI信号
の場合、排他的論理和回路117の入力はLowとHi
ghとなり、出力はHighとなる。これは、I信号の
ほうがQ信号よりも位相が遅れているときのデータと合
致する。また、変化したのがディジタルQ信号の場合、
排他的論理和回路の入力はともにLowとなり、出力も
Lowとなる。これは、Q信号の方がI信号よりも位相
が遅れているときのデータと合致する。
【0030】また、雑音等の影響により、ディジタルI
信号112とディジタルQ信号113の双方が同時に変
化した場合の動作について、以下で説明する。ディジタ
ルI、Q信号の双方が同時に変化した場合、排他的論理
和回路114の出力は変化しないので、Dフリップフロ
ップ回路118、119のQ出力はともに変化しない。
排他的論理和回路115、116は、ディジタルI、Q
信号がともに変化することにより、ともに反転するが、
排他的論理和回路117の出力は変化しない。このよう
に、もしディジタルI信号、Q信号がともに同時に変化
した場合は、変化する前の状態を維持することになる。
【0031】以上のように、排他的論理和回路117の
出力は、ディジタルI信号112の位相がディジタルQ
信号113より進んでいるときにLow、遅れていると
きにHighとなり、低域通過フィルタ121により、
雑音等による局所的な変動を除去することにより、復調
出力122を得る。図3はディジタルI信号112とデ
ィジタルQ信号113の符号変化と復調出力の対応関係
を示した図である。
【0032】以上のように、本実施例によれば、ディジ
タルI信号とディジタルQ信号の符号が同符号から異符
号、あるいは異符号から同符号に変化するときの値を用
いて復調出力を得ることにより、従来例よりも一符号あ
たりのデータ判定回数を増やし、本来のデータの変化点
からの判定の遅延を少なくし、かつ、雑音等によるデー
タ変動の影響を少なくすることにより、変調指数の低い
FSK信号の受信感度の向上を図ることが可能となる。
【0033】なお、本実施例は、I信号の位相がQ信号
よりも進んでいる場合をLow、遅れている場合をHi
ghとして説明したが、これに限るものではなく、もし
HighとLowの定義が逆の場合には、排他的論理和
回路117と低域通過フィルタ121の間に否定回路を
設ければよいことは容易に類推できる。
【0034】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0035】図4において、図1の構成と異なる点は、
排他的論理和回路115、116とDフリップフロップ
回路119と否定回路120を取り除き、排他的論理和
回路117の入力の一方をディジタルQ信号113、も
う一方をDフリップフロップ回路118のQ出力とし、
低域通過フィルタ121の出力のDC成分を除去するた
めの高域通過フィルタ401を設けた点である。高域通
過フィルタ201は、本実施例ではコンデンサ402と
抵抗403によるRCフィルタとする。他の構成につい
ては図1と同様である。
【0036】以上のように構成された直接変換受信機に
おいて、ディジタルI信号112とディジタルQ信号1
13を用いて復調をする動作について以下で説明する。
【0037】排他的論理和回路114では、ディジタル
I信号112とディジタルQ信号113の排他的論理和
が演算され、ディジタルI信号112とディジタルQ信
号が同符号の時はLow、異符号の時にHighが出力
される。Dフリップフロップ回路118では、排他的論
理和回路114の出力がクロックとして入力され、ディ
ジタルI信号112とディジタルQ信号113の符号が
同符号から異符号に変化したときにクロックが立ち上が
り、その時のディジタルI信号112がD入力として保
持されQ出力に出力される。
【0038】ディジタルI信号112とディジタルQ信
号113の符号が同符号から異符号に変化したとき、排
他的論理和回路117の2つの入力は必ず異符号どうし
となり、出力はHighとなる。次に、ディジタルI、
Q信号の符号が異符号から同符号に変化したとき、変化
したのがディジタルI信号112である場合、排他的論
理和回路117の2入力は変化しないので、異符号のま
まとなり、出力はHighのままとなる。また、変化し
たのがディジタルQ信号113である場合は、排他的論
理和回路117の2入力は異符号から同符号に変化し、
出力はLowとなる。したがって、排他的論理和回路1
17の出力は図5(117)に示すようになり、低域通
過フィルタ121により積分し、高域通過フィルタ20
1によりDC成分を除去することにより、図5(12
2)に示すような復調出力が得られる。
【0039】以上のように、本実施例によれば、ディジ
タルI、Q信号と、両符号の符号が同符号から異符号に
変化するときのディジタルI信号の符号を用いて復調出
力を得ることにより、従来例よりも一符号あたりのデー
タ判定回数を増やし、本来のデータの変化点からの判定
の遅延を少なくし、かつ、雑音等によるデータ変動の影
響を少なくすることにより、受信感度の向上を図ること
が可能となる。ただし、本実施例では、一符号あたりの
データ判定回数は実施例1の半分となるが、変調指数が
ある程度高いFSK信号であれば受信は十分可能であ
り、回路構成部品を少なくすることができる。
【0040】なお、本実施例では、Dフリップフロップ
回路119を取り除く構成としたが、この限りではな
く、Dフリップフロップ回路119の代わりにDフリッ
プフロップ回路118を取り除き、排他的論理和回路1
17の入力の一方にはDフリップフロップ回路119の
Q出力を供給し、もう一方にはディジタルI信号112
を供給し、排他的論理和回路117の出力の否定を出力
する否定回路を設けた構成としてもよい。
【0041】また、本実施例では、排他的論理和回路1
14の出力をDフリップフロップ回路のクロック入力と
して用いているが、この限りではなく、排他的論理和回
路114の出力の否定をクロック入力として供給するた
めの否定回路を設け、Dフリップフロップ回路はディジ
タルI信号112とディジタルQ信号113の符号が異
符号から同符号に変化した時のD入力を保持してQ出力
とする構成としてもよい。
【0042】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0043】図6において、101はFSK信号、10
2、103は混合器、104は局部発振器、105は9
0度移相分配器、106は低域通過フィルタ、107は
低域通過フィルタ107、108はI信号、109はQ
信号、110、111は振幅制限増幅器、112はディ
ジタル化されたI信号、113はディジタル化されたQ
信、121は低域通過フィルタで、以上は図1と同様の
構成である。
【0044】601、602、603、604は2つの
入力信号の乗算して出力するアナログ乗算器、605は
制御信号の極性が負から正に変わったときの入力信号を
保持して出力する保持手段、606は制御信号の極性が
正から負に変わったときの入力信号を保持して出力する
保持手段、607、608、609は受信FSK信号1
01の周波数偏移の位相のπ/4に相当する時間だけ入
力信号を遅延させる遅延回路、610は高周波成分を除
去する低域通過フィルタである。
【0045】以上のように構成された直接変換受信機に
おいて、I信号108とQ信号109を用いて復調をす
る動作について図7を用いながら説明する。
【0046】I信号とQ信号はともに受信FSK信号1
01の周波数偏移に等しい周波数で位相が互いに90度
異なっており、アナログ乗算器601でI、Q信号を乗
ずることにより、出力には周波数偏移の2倍の周波数の
信号が得られる。遅延器607は得られた2倍の周波数
の信号の、π/2の位相に相当する時間、すなわち、受
信FSK信号101の周波数偏移の位相のπ/4に相当
する時間遅延させる。保持手段605では、遅延器60
7で遅延された信号を制御信号として入力し、制御信号
の極性が負から正へ変わるときのI信号108を保持
し、アナログ乗算器603へ供給する。一方、保持手段
606では、遅延器607で遅延された信号を制御信号
として入力し、制御信号の極性が正から負へ変わるとき
のQ信号109を保持し、アナログ乗算器602へ供給
する。アナログ乗算器602では、遅延器608により
遅延器607と同じ時間だけ遅延されたI信号と保持手
段606の出力との乗算が行われる。一方、アナログ乗
算器603では、遅延器609により遅延器607と同
じ時間だけ遅延されたQ信号と保持手段605の出力と
の乗算が行われる。アナログ乗算器604ではアナログ
乗算器602の出力とアナログ乗算器603の出力との
乗算が行われ、低域通過フィルタ610で高周波成分が
除去され、復調出力122を得る。
【0047】以上のように、本実施例によれば、実施例
1でディジタル回路により行っていた復調動作をアナロ
グで処理することにより、振幅制限増幅器110、11
1を不要とすることができる。
【0048】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
について、図面を参照しながら説明する。
【0049】図8において、102、103は混合器、
104は局部発振器、105は90度移相分配器、10
6は低域通過フィルタ、107は低域通過フィルタ10
7、108はI信号、109はQ信号、110、111
は振幅制限増幅器、112はディジタル化されたI信
号、113はディジタル化されたQ信、121は低域通
過フィルタ、114、115、116、117は排他的
論理和回路、118、119はDフリップフロップ回
路、120は否定回路、121は低域通過フィルタ、1
22は復調出力で、以上は図1と同様の構成である。
【0050】図1と異なるのは、4値FSK信号801
に対して、排他的論理和回路114の出力信号の周波数
に比例した電圧を出力するする周波数電圧変換手段(F
/V変換手段)802と、F/V変換手段802の出力
をしきい値判定するしきい値判定回路803とを設けた
点である。
【0051】F/V変換手段802は、例えば入力信号
の立ち上がり、立ち下がりのエッジ部を検出するエッジ
検出回路804と、エッジ検出部にある一定時間幅のパ
ルス波を生成するパルス波生成回路805と、得られた
パルス波を積分するための低域通過フィルタ806によ
り構成されているとする。また、エッジ検出回路804
は、例えば入力信号を微小時間遅延させる遅延回路80
7と、排他的論理和回路808により構成されていると
する。
【0052】以上のように構成された直接変換受信機に
おいて、受信した4値FSK信号801から、周波数偏
移の方向、すなわち、周波数偏移が搬送波周波数の正側
か負側かの判定により1ビットの復調をする動作につい
ては実施例1と同様である。受信した4値FSK信号の
周波数偏移の量を判定して残りの1ビットの復調をする
動作について以下に説明する。
【0053】実施例1と同様にして得られたディジタル
I信号112とディジタルQ信号113は、ともに同じ
周波数で互いに位相が90度異なっている。排他的論理
和回路114では、排他的論理和演算により、等価的に
ディジタルI信号112とディジタルQ信号113との
乗算が行われたことになり、その出力には、FSK信号
801の周波数偏移の2倍の周波数成分が含まれる。し
たがって、F/V変換手段802により、周波数偏移の
量が電圧に変換され、しきい値判定回路803により周
波数偏移の量をしきい値判定することにより、周波数偏
移の量に対応した1ビット分の復調出力807が得られ
る。
【0054】以下に、F/V変換手段802の動作につ
いて説明する。排他的論理和回路114の出力は一方で
は遅延回路807により微小時間遅延されて排他的論理
和回路808に供給され、もう一方では直接排他的論理
和回路808に供給される。排他的論理和回路808で
は、排他的論理和回路114の出力の符号が変化した時
に微小時間Highを出力する。つまり、排他的論理和
回路114の出力のエッジを検出される。パルス波生成
回路805では、エッジが検出された時点で一定時間幅
のパルス波を生成し、低域通過フィルタ806により積
分され、パルス波の密度に比例した電圧が得られる。し
たがって、排他的論理和回路114の出力の周波数が電
圧に変換されたことになる。
【0055】以上のように、本実施例によれば、周波数
偏移の方向に対応した1ビット判定と周波数偏移の量に
対応した1ビット復調とを行うことにより、4値FSK
信号の復調を可能とする。
【0056】なお、本実施例では、4値FSK信号の復
調について説明したが、この限りではなく、しきい値判
定回路を変更することにより、多値FSK信号の復調が
可能となることは容易に類推できる。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ディジタ
ル化されたI、Q信号の符号が同符号から異符号、ある
いは異符号から同符号に変化するときの値を用いて復調
出力を得ることにより、従来よりも一符号あたりのデー
タ判定回数を増やし、本来のデータの変化点からの判定
の遅延を少なくし、かつ雑音等によるデータ変動の影響
を少なくすることにより、変調指数の低いFSK信号を
受信するときの受信感度を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における直接変換受信機
の回路系統図
【図2】同実施例における各部の波形を示した図
【図3】同実施例における符号変化と復調出力の対応を
示した図
【図4】本発明の第2の実施例における直接変換受信機
の回路系統図
【図5】同実施例における各部の波形を示した図
【図6】本発明の第3の実施例における直接変換受信機
の回路系統図
【図7】同実施例における各部の波形を示した図
【図8】本発明の第4の実施例における直接変換受信機
の回路系統図
【図9】従来の直接変換受信機の概略図
【符号の説明】
101 FSK信号 102、103 混合器 104 局部発振器 105 90度移相分配器 106、107、806 低域通過フィルタ 108 I信号 109 Q信号 110、111 振幅制限増幅器 112 ディジタルI信号 113 ディジタルQ信号 114、115、116、117、808 排他的論理
和回路 118、119、901 Dフリップフロップ回路 120 否定回路 121、610、902 低域通過フィルタ 122 復調出力 401 高域通過フィルタ 402 コンデンサ 403 抵抗器 601、602、603、604 乗算器 605、606 保持手段 607、608、609 遅延回路 801 4値FSK信号 802 F/V変換手段 803 しきい値判定回路 804 エッジ検出手段 805 パルス波生成回路 807 遅延回路 809 復調出力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 和紀 神奈川県横浜市港北区綱島四丁目3番1号 松下通信工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数偏移変調された周波数偏移変調信
    号と、その周波数偏移変調信号の搬送波とほぼ等しい周
    波数を生成する局部発振器と、前記局部発振器の出力信
    号を分配して互いに位相が90度異なるように移相し、
    相対的に位相の進んだ信号である同相信号と遅れた信号
    である直交信号とを出力する90度移相分配器と、前記
    周波数偏移変調信号と前記同相信号とを混合する第1の
    混合器と、前記第1の混合器の出力信号を帯域制限し、
    同相ベースバンド信号成分を通過させる第1の低域通過
    フィルタと、前記同相ベースバンド信号を振幅制限増幅
    してディジタル信号として出力する第1の振幅制限増幅
    器と、前記周波数偏移変調信号と前記直交信号とを混合
    する第2の混合器と、前記第2の混合器の出力信号を帯
    域制限し、直交ベースバンド信号成分を通過させる第2
    の低域通過フィルタと、前記直交ベースバンド信号を振
    幅制限増幅してディジタル信号として出力する第2の振
    幅制限増幅器と、前記第1の振幅制限増幅器の出力と前
    記第2の振幅制限増幅器の出力との排他的論理和を出力
    する第1の排他的論理和回路と、前記第1の排他的論理
    和回路の出力をクロック入力とし、前記第1の振幅制限
    増幅器の出力をD入力とし、クロック入力の立ち上がり
    時のD入力の状態を保持してQ出力とする第1のDフリ
    ップフロップ回路と、前記第1の排他的論理和回路の出
    力の否定を出力する第1の否定回路と、前記第1の否定
    回路の出力をクロック入力とし、前記第2の振幅制限増
    幅器の出力をD入力とし、クロック入力の立ち上がり時
    のD入力の状態を保持してQ出力とする第2のDフリッ
    プフロップ回路と、前記第1の振幅制限増幅器の出力と
    前記第2のDフリップフロップ回路のQ出力との排他的
    論理和を出力する第2の排他的論理和回路と、前記第2
    の振幅制限増幅器と前記第1のDフリップフロップ回路
    のQ出力との排他的論理和を出力する第3の排他的論理
    和回路と、前記第2の排他的論理和回路の出力と前記第
    3の排他的論理和回路の出力との排他的論理和を出力す
    る第4の排他的論理和回路とを有することを特徴とする
    直接変換受信機。
  2. 【請求項2】 第4の排他的論理和回路の出力を帯域制
    限して、雑音等による局所的な符号の変動を除去し、復
    調出力として出力する第3の低域通過フィルタを設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の直接変換受信機。
  3. 【請求項3】 第2のDフリップフロップ回路と第1の
    否定回路と第2の排他的論理和回路と第3の排他的論理
    和回路を取り除き、第4の排他的論理和回路の入力端の
    一方に第2の振幅制限増幅器の出力を供給し、もう一方
    に第1のDフリップフロップ回路のQ出力を供給し、前
    記第4の排他的論理和回路の出力を積分する第4の低域
    通過フィルタを設け、前記第4の低域通過フィルタの出
    力のDC成分を除去する高域通過フィルタを設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の直接変換受信機。
  4. 【請求項4】 第2の否定回路を設け、第1の排他的論
    理和回路の出力を第1のDフリップフロップ回路のクロ
    ック入力に供給する代わりに前記第2の否定回路に供給
    し、前記第2の否定回路の出力を前記第1のDフリップ
    フロップ回路のクロック入力に供給することを特徴とす
    る請求項3記載の直接変換受信機。
  5. 【請求項5】 第1の振幅制限増幅器と第2の振幅制限
    増幅器と第1の排他的論理和回路の代わりに、第1の低
    域通過フィルタの出力と第2の低域通過フィルタの出力
    を乗じて出力する第1のアナログ乗算器と、前記第1の
    アナログ乗算器の出力を、周波数偏移変調信号の周波数
    偏移のπ/4の位相に相当する時間遅延させる第1の遅
    延回路とを設け、第1のフリップフロップ回路の代わり
    に、前記第1の遅延回路の出力の極性が負から正に変化
    したときの第1の低域通過フィルタの出力を保持して出
    力する第1の保持手段を設け、第1の否定回路と第2の
    フリップフロップ回路の代わりに、前記第1の遅延回路
    の出力の極性が正から負に変化したときの第2の低域通
    過フィルタの出力を保持して出力する第2の保持手段を
    設け、第2の排他的論理和回路の代わりに、前記第1の
    低域通過フィルタの出力を前記第1の遅延回路の遅延時
    間と同じ時間だけ遅延させる第2の遅延回路と、前記第
    2の保持手段の出力と前記第2の遅延回路の出力を乗じ
    て出力する第2のアナログ乗算器とを設け、第3の排他
    的論理和回路の代わりに、前記第2の低域通過フィルタ
    の出力を前記第1の遅延回路の遅延時間と同じ時間だけ
    遅延させる第3の遅延回路と、前記第1の保持手段の出
    力と前記第3の遅延回路の出力を乗じて出力する第3の
    アナログ乗算器とを設け、第4の排他的論理和回路の代
    わりに、前記第2のアナログ乗算器の出力と前記第3の
    アナログ乗算器の出力を乗じて出力する第4のアナログ
    乗算器と、第4のアナログ乗算器の出力の高周波成分を
    除去する第5の低域通過フィルタとを設けたことを特徴
    とする請求項1記載の直接変換受信機。
  6. 【請求項6】 第1の排他的論理和回路の出力信号の周
    波数に比例した電圧を出力する周波数電圧変換手段と、
    前記周波数電圧変換手段の出力としきい値との大小を判
    定するしきい値判定回路とを有し、前記周波数電圧変換
    手段の出力として得られる周波数偏移変調信号の周波数
    偏移に比例した電圧を、前記電圧比較回路でしきい値判
    定することにより、多値周波数偏移変調信号の復調を行
    うことを特徴とする請求項1記載の直接変換受信機。
  7. 【請求項7】 周波数電圧変換手段として、第1の排他
    的論理和回路の出力信号の立ち上がり、立ち下がり部を
    検出するエッジ検出手段と、前記エッジ検出手段により
    検出されたエッジ部に一定時間幅のパルス波を生成する
    パルス波生成手段と、前記パルス波生成手段で生成され
    たパルス波を積分する第6の低域通過フィルタとを有す
    ることを特徴とする請求項6記載の直接変換受信機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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