JPH08139691A - 周波数分割多重変調方式送信機および受信機 - Google Patents

周波数分割多重変調方式送信機および受信機

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JPH08139691A
JPH08139691A JP6276746A JP27674694A JPH08139691A JP H08139691 A JPH08139691 A JP H08139691A JP 6276746 A JP6276746 A JP 6276746A JP 27674694 A JP27674694 A JP 27674694A JP H08139691 A JPH08139691 A JP H08139691A
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Japan
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phase
modulation
signal
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modulated
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JP6276746A
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English (en)
Inventor
Takeshi Miyano
健 宮野
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Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
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Publication date
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送波と局部発振周波数信号との間の周波数
ずれおよび位相ずれを相殺する。 【構成】 FDM方式送信機に複素数ベクトルで表され
る変調信号の任意の一対の積を演算する変調回路を設
け、前記積によって搬送波を変調し送信する。受信機で
は、局部発振器L0〜LNから出力される出力と、前記
変調された搬送波とを混合し、低域濾波フィルタで濾波
し、サンプリングして復調信号を取出す。搬送波の復調
信号と隣接した周波数を有する搬送波の復調信号との比
を復調回路で演算して元の変調信号を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル信号によっ
て多数の搬送波を変調し送信する、また多数の変調され
た搬送波を受信し復調する周波数分割多重変調方式送信
機および受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、放送または通信などの分野でもデ
ィジタル化が要求され、たとえば移動体などでも良好な
受信が可能なディジタル変復調技術の開発が進められて
いる。前記ディジタル変復調技術の1つに周波数分割多
重(Frequency DivisionMultiplexing;FDMと略称す
る)変調方式が挙げられる。FDM変調方式は、マルチ
キャリア変調方式と称される場合もある。FDM変調方
式は、伝送するディジタル信号を複数の搬送波に分割し
て割当て、割当てられた信号によって各搬送波をディジ
タル変調する変調方式である。
【0003】図7は従来技術を用いたFDM変調方式送
受信機の電気的構成を示すブロック図である。本従来技
術では、各搬送波の変調方式として位相変調方式(Phas
eShift Keying;PSKと略称する)を用い、また局部
発振器から発振される局部発振周波数信号と搬送波との
位相のずれの影響を除去するために後述する差動変調お
よび差動復調を行っている。
【0004】伝送するべきディジタル信号は直列/並列
変換手段1でN個のデータ単位に分割されてN個の符号
位相変換手段a1〜aNでデータ単位に対応する位相に
変換され、差動変調手段h1〜hNで差動変調される。
差動変調は、前記位相のたとえば時間的変化に前記デー
タ単位を対応させるものである。差動変調された各信号
によってN個の同期した発振器e1〜eNから出力され
るN本の搬送波はそれぞれ変調され、加算器6で加算さ
れて単一のFDM信号として出力される。前記FDM信
号は、ケーブルなどを介する有線伝送あるいは送信アン
テナと受信アンテナ間で行われる無線伝送などを用いた
伝送手段7を介して受信機に与えられる。受信機では、
前記FDM信号からN個の帯域フィルタbp1〜bpN
によってN本の変調された送信波が取出され、N個の同
期した局部発振器LO1〜LONから出力される局部発
振周波数信号と混合器q1〜qNで混合されてそれぞれ
2つのうなり周波数信号に変換され、低域濾波フィルタ
r1〜rNで高域成分が除去され、サンプリング手段u
1〜uNで予め定める一定時間毎にサンプリングされ
て、予め定める一定時間毎にN個の差動変調された信号
を得る。前記各信号をN個の差動復調手段m1〜mNで
それぞれ復調して得た各位相を位相符号変換手段v1〜
vNにおいて各データ単位に変換してN個の前記データ
単位を並列/直列変換手段15を用いて単一のディジタ
ル信号に変換する。
【0005】前述の従来技術では、差動変調および差動
復調を行うことによって、送信機側の発振器e1〜eN
からの出力と、受信機側の局部発振器LO1〜LONか
らの出力との位相ずれを相殺することができる。したが
って前記位相ずれに関係なく前記ディジタル信号を復調
することができる。前記2つの発振器の出力に周波数ず
れが生じた場合は、図7の送受信機では周波数ずれを相
殺することができないため、前記信号を復調することは
困難になる。このため、現行の送受信機では受信機の局
部発振器LO1〜LONに精度の高い発振器を用いる、
または前記局部発振器に自動周波数制御回路を組込み、
受信機側の局部発振周波数信号の周波数を搬送波と周波
数と一致するように調整している。前述した先行技術で
は、精度の高い発振器、または自動周波数制御回路を複
数個用意しなければならないので特に受信機側の構成が
複雑になり、また製品コストが高くなるという問題があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、送信
機内の発振器の出力と、受信機内の局部発振器の出力と
の位相ずれおよび周波数ずれに影響されることなく、送
信した信号を受信し復調することができるFDM変調方
式送信機および受信機を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の各デー
タ単位でそれぞれ構成される変調信号によって予め定め
る持続時間T毎に位相変調された複数の各搬送波を送信
する周波数分割多重変調方式送信機において、直列デー
タを複数の前記データ単位に分割し、前記各データ単位
を位相に対応させる符号位相変換手段と、前記符号位相
変換手段の出力に応答し、前記位相に対応した複素数ベ
クトルで表される変調信号を得る変調信号出力手段と、
前記変調信号出力手段の出力に応答し、複数の前記変調
信号の中の任意の一対の変調信号の積を演算する積演算
手段と、前記積演算手段の出力に応答し、前記積によっ
て前記各搬送波を変調する変調手段とを含むことを特徴
とする周波数分割多重変調方式送信機である。また本発
明は、前記周波数分割多重変調方式送信機は、前記変調
された各搬送波を加算して送信する送信手段を含むこと
を特徴とする。また本発明は、前記周波数分割多重変調
方式送信機は、前記変調された各搬送波毎に個別的に送
信する複数の送信手段を含むことを特徴とする。また本
発明は、複数の各データ単位でそれぞれ構成される変調
信号で予め定める持続時間T毎に位相変調された複数の
各搬送波を受信する周波数分割多重変調方式受信機にお
いて、持続時間T毎の各データ単位の複素数ベクトルで
表される復調信号を得る復調信号出力手段と、前記復調
信号出力手段の出力に応答し、各搬送波の復調信号Zk
iと、隣接した周波数を有する搬送波の復調信号Z(k
−1)iとの比、
【0008】
【数2】
【0009】を演算する相対比演算手段と、前記相対比
演算手段の出力に応答し、前記各比に対応した位相を求
め、前記位相に対応したデータ単位を得る位相符号変換
手段とを含むことを特徴とする周波数分割多重変調方式
受信機である。
【0010】
【作用】本発明に従えば、複数の各データ単位でそれぞ
れ構成される変調信号で、予め定める持続時間T毎に位
相変調された複数の各搬送波を送信するFDM変調方式
送信機において、直列データを複数の前記データ単位に
分割し、前記各データ単位を位相に対応させる符号位相
変換手段と、前記符号位相変換手段の出力に応答し、前
記位相に対応した複素数ベクトルで表される変調信号を
得る変調信号出力手段と、前記変調信号出力手段の出力
に応答し、複数の前記変調信号の中の任意の一対の変調
信号の積を演算する積演算手段と、前記積演算手段の出
力に応答し、前記積によって前記各搬送波を変調する変
調手段とを備える。また前記FDM変調方式送信機は、
前記変調された各搬送波を加算して送信する送信手段を
備える。また前記FDM変調方式送信機は、前記変調さ
れた各搬送波毎に個別的に送信する送信手段を備える。
【0011】また本発明に従えば、複数の各データ単位
でそれぞれ構成される変調信号で予め定める持続時間T
毎に位相変調された複数の各搬送波を受信するFDM変
調方式受信機において、持続時間T毎の各データ単位の
複素数ベクトルで表される復調信号を得る復調信号出力
手段と、前記復調信号出力手段の出力に応答し、各搬送
波の復調信号Zkiと、隣接した周波数を有する搬送波
の復調信号Z(k−1)iとの比、Zki/Z(k−
1)iを演算する相対比演算手段と、前記相対比演算手
段の出力に応答し、前記各比に対応した位相を求め、前
記位相に対応したデータ単位を得る位相符号変換手段と
を備える。これによって、受信機の局部発振器と送信機
の発振器との同期が不完全であり、搬送波と局部発振周
波数信号との間に周波数ずれおよび位相ずれが生じた場
合においても前記周波数ずれおよび位相ずれを相殺する
ことができる。
【0012】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の送信機および受
信機の電気的構成を示すブロック図である。
【0013】FDM変調方式は、伝送するディジタル信
号を周波数の異なる複数の搬送波に分割して割当て、割
当てた信号によって各搬送波をディジタル変調する方式
である。搬送波の変調方式としては、たとえば直交位相
変調方式(Quadrature PhaseShift keying;QPSKと
略称する)が用いられる。FDM変調方式の概念図を図
2に示す。搬送波の数をNとすると、たとえば参照符1
6で示すN本目の搬送波の周波数はfNであり、参照符
16a,16bなどで示す予め定められた持続時間T毎
に後述する伝送データに対応する位相を有するように位
相変調される。前記搬送波がQPSK変調されている場
合、k本目の変調された搬送波である送信波Sk(t)
は以下の式1で表される。
【0014】
【数3】
【0015】このときfkはk本目の搬送波の周波数、
記号「Re〔〕」はカッコ内の複素数の実部を表すことを
意味する。また、
【0016】
【数4】
【0017】である。
【0018】φkiは、k本目の搬送波によって時刻
(i−1)・Tから時刻i・Tまでの時間に伝送される
伝送データ、すなわちk本目の搬送波によって伝送が始
まってからi番目に送信される伝送データに対応する位
相を表す。図3は前記位相φkiと伝送データとの関係
を表す図である。参照符26で示す同相軸Iと参照符2
7で示す直交軸Qとは直交している。QPSK変調で
は、ある1種類の搬送波は位相差がπ/2である、すな
わち直交している同一周波数の2つのPSK波を用い、
それぞれのPSK波を位相変調している。これによって
QPSK変調された1種類の搬送波を用いて伝送される
伝送データはデータ単位(0,0)、(0,1)、
(1,1)、(1,0)のうちのどれか1つである。Q
PSK変調では、同相軸Iを基準として参照符28で示
されるデータ単位(0,0)は参照符32で示すよう
に、位相45°に対応し、参照符29で示されるデータ
単位(0,1)は同様に参照符33で示すように、位相
45°×3に対応し、参照符30で示されるデータ単位
(1,1)は参照符34で示すように、位相45°×5
に対応し、参照符31で示される(1,0)は参照符3
5で示すように、位相45°×7に対応している。これ
によって、位相φkiはπ/2毎に変化する4つの位相
状態のどれか1つの状態を有することが分かる。
【0019】前述した式1は以下の式4に書直すことが
できる。
【0020】
【数5】
【0021】このとき、上式中のCkiは以下の式に示
すように定義されている。
【0022】 Cki=exp(j・φki) …(5) すなわち、Ckiは位相φkiの複素数ベクトルであ
る。したがって、前記N種類の搬送波が加算器で加算さ
れた多重信号S(t)は、前記N種類の送信波Sk
(t)の和として次式で表される。
【0023】
【数6】
【0024】受信機では、前記多重信号S(t)をN個
の帯域フィルタでそれぞれ濾波し、N種類の送信波を取
出して復調する。たとえばk本目の送信波は、中心周波
数fkの帯域フィルタによって取出される。その後前記
k本目の送信波Sk(t)は以下の式7で表される局部
発振周波数信号gk(t)と乗算される。
【0025】 gk(t)=exp〔−j(2π(fk+Δf)+θ)〕 …(7) このとき、Δfは、搬送波と局部発振周波数信号との周
波数ずれである周波数オフセットであり、θは、搬送波
と局部発振周波数信号との位相ずれである位相オフセッ
トである。また、搬送波を出力するN+1個の発振器E
0〜ENと局部発振周波数信号を出力するN+1個の局
部発振器L0〜LNはそれぞれ同期されているため、周
波数オフセットΔfおよび位相オフセットθは、すべて
の搬送波に対して等しく作用する。
【0026】前記送信波Sk(t)と前記局部発振周波
数信号gk(t)の乗算結果を以下の式に示す。
【0027】
【数7】
【0028】ここで、「Im〔〕」は、カッコ内の複素数
の虚数部を表すことを意味する。すなわち、局部発振周
波数信号gk(t)と送信波Sk(t)とを乗算するこ
とによって図4(1)の参照符36に示す送信波のスペ
クトルは、図4(2)の参照符37,38に示す周波数
が0または2fkの2つのうなり周波数信号のスペクト
ルに変換される。
【0029】前記乗算結果から中心周波数fkを有する
高域成分、すなわち図4(2)の参照符38で示す周波
数2fkのうなり周波数信号を、たとえば参照符39で
示す遮断周波数fkのローパスフィルタなどのフィルタ
を用いて取除くと、次式に示す周波数0のうなり周波数
信号が得られる。
【0030】
【数8】
【0031】仮に前記周波数オフセットおよび位相オフ
セットが存在しない、すなわちΔf=0およびθ=0で
あるならば、式9は以下の式10で表される。
【0032】
【数9】
【0033】式10で表されるうなり周波数信号を時間
ti=i・T+T/2毎にサンプリングする。ここでT
は1シンボル時間であり、時間tiでサンプリングする
ことはすなわち図2の参照符17,18,19など各シ
ンボル時間の中間、すなわちシンボル中央でサンプリン
グすることを意味する。この時間tiでサンプリングさ
れた、すなわちi番目の伝送シンボルに対するサンプル
出力Zkiは以下の式で表される。
【0034】 Zki=Cki …(11) すなわちシンボル時間T毎にサンプリングすることによ
って、伝送データに対応した位相情報を得ることができ
る。
【0035】このとき、局部発振周波数信号gk(t)
を出力する局部発振器の精度が低い場合、前述したΔf
=0およびθ=0の状態が得られない場合がある。この
ような場合は、図7の従来技術で用いた差動変調および
差動復調を用いて位相オフセットθを取除くことができ
る。その方法を以下に示す。
【0036】QPSK変調では、図3で示したように、
ある固定した基準位相に符号を対応させている。差動変
調では、位相の変化、たとえば参照符18でサンプリン
グされたサンプル出力から得た位相と参照符17でサン
プリングされたサンプル出力から得た位相との差に符号
を対応させる。すなわち新たに以下の式に示すψki、
すなわち時間軸において前後する前記伝送データに対応
する位相の和を導入し、ψkiを用いて搬送波を位相変
調する。
【0037】 ψki = φki+ψk(i−1) …(12) また前記Ckiの代わりにDkiを設定する。
【0038】 Dki = exp(j・ψki) …(13) Dkiを用いると、ψkiを用いて位相変調された搬送
波が周波数変換され、高域成分を前記フィルタで取除い
た信号は周波数オフセットΔfが存在しない場合、すな
わちΔf=0の状態において次式で表される。
【0039】
【数10】
【0040】また、i番目の伝送シンボルに対するサン
プル出力は以下の式で表される。
【0041】 Zki = Dki・exp(−j・θ) …(15) このときi番目のサンプル出力Zkiと(i−1)番目
のサンプル出力Zk(i−1)との比Zki/Zk(i
−1)を演算する。演算結果を以下に示す。
【0042】
【数11】
【0043】すなわち、i番目のサンプル出力Zkiと
(i−1)番目のサンプル出力Zk(i−1)との比を
演算することによって、位相オフセットθが相殺され、
複素数ベクトルCkiすなわち伝送データに対応する位
相φkiを得ることができることが分かる。
【0044】本発明では、前記差動変調および差動復調
を時間的に前後した伝送データに対応した位相間、すな
わち時間軸上で行うのではなく、複数種類存在する搬送
波の間、すなわち周波数軸上で行う。この方法を以下に
示す。
【0045】送信時に前記伝送データに対応する位相φ
kiに対してξkiを以下のように設定する。
【0046】 ξki = φki+ξ(k−1)i …(17) ただし、1本目の搬送波に対しては、図2の参照符36
で示す任意の周波数f0の搬送波を設定し、この搬送波
の位相との差を演算する。また前記任意の周波数f0の
搬送波の位相は、図3の参照符32〜35で示す位相の
中の任意の位相が選択される。また時間経過に対して位
相は常に一定でよい。
【0047】前記位相φkiの代わりにξkiを用いて
搬送波を変調する。このとき変調された搬送波の位相情
報を含むCkiの代わりに次式で示す変調信号Fkiを
設定する。
【0048】 Fki = exp(j・ξki) = exp{φki+ξ(k−1)i} = Cki・F(k−1)i …(18) 前記ξkiで変調された搬送波が受信され、周波数オフ
セットΔfおよび位相オフセットθを有する局部発振周
波数信号gk(t)と乗算されて周波数変換され、周波
数fkを含む高域成分が除去されたk番目の信号、すな
わち受信波は次式で表される。
【0049】 Zk(t)={Σξki・p(t−i・T)}exp{−j(2π・Δf・t+θ)} …(19) 式19に示す受信波のi番目のシンボルに対するサンプ
ル出力は次式で表される。
【0050】 Zki= ξki・exp(−j(2π・Δf・ti+θ)) …(20) ここで前述した相対比Zki/Z(k−1)iを求め
る。
【0051】
【数12】
【0052】すなわち周波数の異なる搬送波を変調する
各位相間、すなわち周波数軸上で差動変調および差動復
調を行うことによって、位相オフセットおよび周波数オ
フセットに関係なく各伝送シンボルに対する位相が得ら
れることが分かる。
【0053】再び図1を参照する。図1(1)は本発明
の一実施例の送信機の電気的構成を示すブロック図であ
り、図1(2)は本発明の一実施例の受信機の電気的構
成を示すブロック図である。前記FDM方式受信機は、
直列/並列変換手段42と、符号位相変換手段A0〜A
Nと、変調回路45と乗算器B0〜BNと、発振器E0
〜ENと、加算器48と、送信アンテナ49とを含んで
構成される。また前記FDM方式受信機は、受信アンテ
ナ51と、帯域フィルタP0〜PNと、局部発振器L0
〜LNと、混合器Q0〜QNと、低域濾波フィルタR0
〜RNと、サンプリング手段U0〜UNと、復調回路5
7と、位相符号変換手段V1〜VNと、並列/直列変換
手段59とを含んで構成される。
【0054】前記FDM方式送信機では、直列データで
あるディジタル信号は直列/並列変換手段42によって
N種類の搬送波に対してN個のデータ単位に分散され
る。前記データ単位はN個の符号位相変換手段A1〜A
Nによってそれぞれ図3の参照符28〜31に示す位相
に変換され、前述した式4に示す前記位相に対応した複
素数ベクトルC1i〜CNiに変換されて変調回路45
に与えられる。また、予め定めた基準データ44は同様
に符号位相変換手段A0で複素数ベクトルC0iに変換
されて変調回路45に与えられる。
【0055】図5は、変調回路45の具体的な電気的構
成を示すブロック図である。変調回路45はN+1個の
乗算器を含んで構成される。符号位相変換手段A0から
の出力C0iは乗算器46aに与えられ、またそのまま
変調回路45から出力される。符号位相手段A1からの
出力C1iは乗算器46aで前記C0iと乗算され、式
17に示すF1iに変換されて乗算器46bに与えら
れ、また変調回路45から出力される。同様に符号位相
変換手段A2〜ANの出力C2i〜CNiがF2i〜F
Niに変換される。
【0056】図5の変調回路45の動作例を以下に示
す。たとえば基準データ44として、c0iが与えられ
る。
【0057】 c0i=(0,0) …(22) c0iに対する位相は、たとえば
【0058】
【数13】
【0059】であり、前記位相φ0iに対応する複素数
ベクトルC0iはそのまま変調信号F0iとして出力さ
れる。
【0060】 F0i= exp(j・ξ0i)= exp(j・φ0i)=C0i …(24) また送信データ41を直列/並列変換回路42によって
分割されたN個のデータ単位の中からデータ単位c1i
が符号位相変換手段A1に、また前記データ単位c2i
が位相符号変換手段A2に与えられる。
【0061】 c1i=(1,0) …(25) c2i=(0,1) …(26) 前記データ単位c1i,c2iに対応する位相は、たと
えば次式で表される。
【0062】
【数14】
【0063】位相φ1iに対応する複素数ベクトルC1
iは乗算器46aにおいて複素数ベクトルC0iと乗算
されて変調信号F1iに変換されて出力される。
【0064】 F1i= exp(j・ξ1i)=exp〔j(φ1i+ξ0i)〕 = C1i・F0i …(29) 変調信号F1iはまた乗算器46bにも与えられる。乗
算器46bでは、位相φ2iに対応する複素数ベクトル
C2iと、前記変調信号F1iとが乗算され、変調信号
F2iに変換されて出力される。
【0065】 F2i= exp(j・ξ2i)=exp〔j(φ2i+ξ1i)〕 = C2i・F1i …(30) また変調信号F2iは、乗算器46cにも与えられる。
このようにk番目の複素数ベクトルCkiと、(k−
1)番目の変調信号F(k−1)iとを乗算することに
よって、変調信号Fkiを得ることができる。再び図1
を参照する。変調回路45から出力されたN+1個の変
調信号F0i〜FNiはN+1個の乗算器B0〜BNに
それぞれ入力される。前記乗算器にはまた、同期された
N+1個の発振器E0〜ENからそれぞれ周波数f0〜
fNの信号、すなわち搬送波が与えられている。前記乗
算器からは次式に示す変調された搬送波、すなわち送信
波Sk(t)が出力される。
【0066】
【数15】
【0067】前記変調された搬送波S0(t)〜SN
(t)は加算器48で加算されて式5で示す多重信号で
あるFDM信号に変換されて送信アンテナ49から送信
される。
【0068】送信された前記FDM信号は受信機の受信
アンテナ51で受信される。また前記送信機と前記受信
機とは無線伝送ではなく、ケーブルなどによって実現さ
れる有線伝送を用いた伝送手段によって接続されていて
もよい。前記FDM信号は中心周波数がそれぞれf0〜
fNであるN+1個の帯域フィルタP0〜PNによって
濾波され、前述した式31で示す送信波が分離される。
前記送信波は同期されたN+1個の局部発振器L0〜L
Nから出力される周波数がf0〜fNの局部発振周波数
信号とそれぞれ乗算器Q0〜QNにおいて乗算、すなわ
ち混合された後、遮断周波数がそれぞれf0〜fNの低
域濾波フィルタによって濾波されることによって、次式
に示される周波数0のうなり周波数信号、すなわち受信
波が得られる。
【0069】
【数16】
【0070】低域濾波フィルタR0〜RNからの出力
は、それぞれサンプリング手段U0〜UNにおいて時刻
tiにおいてサンプル時間T毎にサンプリングされ、次
式に示すサンプル出力、すなわち復調信号Zkiが得ら
れる。
【0071】 Zki=Fki・exp〔−j・(2π・Δf・ti+θ)〕 …(33) N+1個のサンプリング手段U0〜UNの出力は復調回
路57に与えられる。
【0072】図6は、復調回路57の具体的な電気的構
成を示すブロック図である。復調回路57はN個の除算
器62a〜62nを含んで構成される。サンプリング手
段U0からの出力Z0iは除算器62aに与えられる。
サンプリング手段U1からの出力Z1iは除算器62
a,62bとに与えられる。除算器62aでは、式21
に示すように前記Z0iと前記Z1iとの相対比を演算
し、複素数ベクトルC1iを出力する。同様に除算器6
2b〜62nからは複素数ベクトルC2i〜CNiが出
力される。すなわち周波数軸方向、つまり周波数の増加
方向に対して差動変調および差動復調を行うことによっ
て、N+1種類の搬送波によって伝送される伝送データ
を含む成分を周波数オフセットΔf、位相オフセットθ
に関係なく復調することができる。
【0073】図6の動作例を以下に示す。たとえば除算
器62aにZ0iおよびZ1iが、除算器62bにZ1
iおよびZ2iが与えられる。前記Z0i,Z1i,Z
2iは図5の動作例において出力された変調信号F0i
〜F2iによって変調され、伝送された搬送波が受信さ
れ、局部発振器L0〜L2が出力した周波数オフセット
Δf、位相オフセットθを含む局部発振周波数信号g0
(t)〜g2(0)と混合され、低域濾波フィルタR0
〜R2によって濾波され、サンプリングされて出力され
た復調信号である。
【0074】 Z0i = F0i・exp(−j・2π・Δf・ti)・exp(−j・θ) …(34) Z1i = F1i・exp(−j・2π・Δf・ti)・exp(−j・θ) …(35) Z2i = F2i・exp(−j・2π・Δf・ti)・exp(−j・θ) …(36) 除算器62aでは、次式に示すようにZ0iとZ1iと
の比が演算される。
【0075】
【数17】
【0076】同様に除算器62bでは以下の式に示すよ
うに復調信号Z1iと復調信号Z2iとの比が演算され
る。
【0077】
【数18】
【0078】以上のように0本目の搬送波の復調信号Z
0iと1本目の搬送波の復調信号Z1iとの比を演算す
ることによって位相に対応した複素数ベクトルC1iを
得ることができる。この複素数ベクトルC1iから位相
φ1iを知ることができ、位相符号変換手段V1におい
て式25に示すデータ単位c1iを求めることができ
る。同様に1本目の搬送波の復調信号Z1iと2本目の
搬送波の復調信号Z2iとの比を演算することによって
位相に対応した複素数ベクトルC2iを得ることができ
る。この複素数ベクトルC2iから位相φ2iを知るこ
とができ、位相符号変換手段V2において式に示すデー
タ単位c2iを求めることができる。
【0079】再び図1を参照して、復調回路57からの
出力C1i〜CNiは位相符号変換手段V1〜VNにお
いて、前記C1i〜CNiに対応する符号c1i〜cN
iに変換され、並列/直列変換回路59で直列データに
変換されて出力される。
【0080】これによって局部発振器の出力と発振器の
出力との間に周波数オフセットΔfおよび位相オフセッ
トθが生じる場合においても、周波数オフセットΔfお
よび位相オフセットθに影響されることなく、データを
伝送し、復調することができる。
【0081】本実施例では、N種類の搬送波によって伝
送される伝送データをすべて復調するために、0本目の
位相が固定された搬送波を用意し、合計N+1種類の搬
送波を用いて伝送を行っている。他の実施例として位相
を固定する搬送波として前記N種類の搬送波の中のたと
えば1本目の搬送波を用い、2〜N本目の(N−1)種
類の搬送波によって伝送データを送信するようにしても
よい。
【0082】また本実施例では、変調された各搬送波を
加算して1つの多重信号に変換した後に送信を行ってい
る。他の実施例として前記各搬送波毎に個別的に送信を
行うようにしてもよい。さらにまた本実施例では低域濾
波フィルタR0〜RNの各遮断周波数は、それぞれ前記
低域濾波フィルタR0〜RNを通過する各搬送波の周波
数と等しい周波数とされていたけれども、他の実施例と
して、前記各遮断周波数はすべて各搬送波の周波数の中
で最も周波数の低い周波数、たとえばf1としてもよ
い。また、前記低域濾波フィルタR0〜RNの代わりに
遮断周波数がそれぞれf0〜fNであるN+1個の高域
濾波フィルタなどで実現されてもよい。また前記各搬送
波の変調方式は、PSK方式であってもよく、またその
他の変調方式であってもよい。
【0083】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、複数の各
データ単位でそれぞれ構成される変調信号で、予め定め
る持続時間T毎に位相変調された複数の各搬送波を送信
するFDM変調方式送信機において、直列データを複数
の前記データ単位に分割し、前記各データ単位を位相に
対応させる符号位相変換手段と、前記符号位相変換手段
の出力に応答し、前記位相に対応した複素数ベクトルで
表される変調信号を得る変調信号出力手段と、前記変調
信号出力手段の出力に応答し、複数の前記変調信号の中
の任意の一対の変調信号の積を演算する積演算手段と、
前記積演算手段の出力に応答し、前記積でもって前記各
搬送波に変調する変調手段とを備える。また前記FDM
方式送信機は、前記変調された各搬送波を加算して送信
する送信手段または前記各変調された各搬送波毎に個別
的に送信する送信手段とを備える。
【0084】また本発明によれば、複数の各データ単位
でそれぞれ構成される変調信号で予め定める持続時間T
毎に位相変調された複数の各搬送波を受信するFDM変
調方式受信機において、持続時間T毎に各データ単位の
複素数ベクトルで表される復調信号を得る復調信号出力
手段と、前記復調信号出力手段の出力に応答し、各搬送
波の復調信号Zkiと、隣接した周波数を有する搬送波
の復調信号Z(k−1)iとの比、Zki/Z(k−
1)iとを演算する相対比演算手段と、前記相対比演算
手段の出力に応答し、前記各比に対応した位相を求め、
前記位相に対応したデータ単位を得る位相符号変換手段
とを備える。したがって、受信機の局部発振器の精度に
関係なく良好に信号を復調することができるので、局部
発振器に自動周波数制御回路を組込んだり、また高感度
の局部発振器を用いる必要がなくなり、特に受信機の構
成を簡単にでき、コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のFDM変調方式送信機およ
びFDM変調方式受信機の電気的構成を示すブロック図
である。
【図2】FDM変調方式の概念図である。
【図3】位相φkiと伝送データとの関係を表す図であ
る。
【図4】FDM方式受信機における周波数変換を説明す
るためのグラフである。
【図5】変調回路45の具体的構成を示すブロック図で
ある。
【図6】復調回路57の具体的構成を示すブロック図で
ある。
【図7】従来技術を用いたFDM変調方式送受信機の電
気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
42 直列/並列変換手段 45 変調回路 46 乗算器 48 加算器 49 送信アンテナ 51 受信アンテナ 57 復調回路 59 並列/直列変換手段 62 除算器 A0〜AN 符号位相変換手段 B0〜BN 乗算器 E0〜EN 発振器 L0〜LN 局部発振器 P0〜PN 帯域フィルタ Q0〜QN 混合器 R0〜RN 低域濾波フィルタ U0〜UN サンプリング手段 V1〜VN 符号位相変換手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の各データ単位でそれぞれ構成され
    る変調信号によって予め定める持続時間T毎に位相変調
    された複数の各搬送波を送信する周波数分割多重変調方
    式送信機において、 直列データを複数の前記データ単位に分割し、前記各デ
    ータ単位を位相に対応させる符号位相変換手段と、 前記符号位相変換手段の出力に応答し、前記位相に対応
    した複素数ベクトルで表される変調信号を得る変調信号
    出力手段と、 前記変調信号出力手段の出力に応答し、複数の前記変調
    信号の中の任意の一対の変調信号の積を演算する積演算
    手段と、 前記積演算手段の出力に応答し、前記積によって前記各
    搬送波を変調する変調手段とを含むことを特徴とする周
    波数分割多重変調方式送信機。
  2. 【請求項2】 前記周波数分割多重変調方式送信機は、
    前記変調された各搬送波を加算して送信する送信手段を
    含むことを特徴とする請求項1記載の周波数分割多重変
    調方式送信機。
  3. 【請求項3】 前記周波数分割多重変調方式送信機は、
    前記変調された各搬送波毎に個別的に送信する複数の送
    信手段を含むことを特徴とする請求項1記載の周波数分
    割多重変調方式送信機。
  4. 【請求項4】 複数の各データ単位でそれぞれ構成され
    る変調信号で予め定める持続時間T毎に位相変調された
    複数の各搬送波を受信する周波数分割多重変調方式受信
    機において、 持続時間T毎の各データ単位の複素数ベクトルで表され
    る復調信号を得る復調信号出力手段と、 前記復調信号出力手段の出力に応答し、各搬送波の復調
    信号Zkiと、隣接した周波数を有する搬送波の復調信
    号Z(k−1)iとの比、 【数1】 を演算する相対比演算手段と、 前記相対比演算手段の出力に応答し、前記各比に対応し
    た位相を求め、前記位相に対応したデータ単位を得る位
    相符号変換手段とを含むことを特徴とする周波数分割多
    重変調方式受信機。
JP6276746A 1994-11-10 1994-11-10 周波数分割多重変調方式送信機および受信機 Pending JPH08139691A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009246956A (ja) * 2008-03-10 2009-10-22 Anritsu Corp 周波数変換装置
JP2010239265A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Anritsu Corp 周波数変換装置
JP2011205449A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Anritsu Corp 周波数変換装置及び周波数変換方法

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