JPH08138889A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH08138889A
JPH08138889A JP7217287A JP21728795A JPH08138889A JP H08138889 A JPH08138889 A JP H08138889A JP 7217287 A JP7217287 A JP 7217287A JP 21728795 A JP21728795 A JP 21728795A JP H08138889 A JPH08138889 A JP H08138889A
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JP
Japan
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microwave
processing apparatus
plasma chamber
plasma
plasma processing
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Pending
Application number
JP7217287A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yoshiki
宏之 吉木
Kazuyoshi Kondo
一喜 近藤
Akira Ishii
晶 石井
Shigeki Amadate
茂樹 天立
Tatsuya Saijo
達也 西條
Koji Itaya
耕司 板谷
Takahiro Aoyama
隆浩 青山
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Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物に対して広い面積に亘って均一にプ
ラズマ処理することができるプラズマ処理装置を提供す
る。 【解決手段】 側壁の細長い窓部の内側に被処理物が配
置されるプラズマ室と、管軸方向に沿って伸びるスロッ
トをE面に有し、管軸方向が窓部の長手方向と平行とな
り、かつスロットが窓部に対向させた状態で形成された
プラズマ室結合用方形導波管を備え、方形導波管からス
ロットを介してプラズマ室へマイクロ波を放射させる。
ここで、少なくとも2つのスロットをそれぞれ少なくと
も1つの方形導波管に設け、各長尺スロットの長手方向
の長さがマイクロ波の自由空間波長の1/2以上に設定
され、各長尺スロットを互いに平行に、かつ隣り合う各
長尺スロットを交互に方形導波管の管軸方向にマイクロ
波の自由空間波長の(2n−1)/4(ここで、nは自
然数である。)だけずらせて形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
に関し、特に、薄膜形成、表面改質及びエッチング等の
プラズマ処理を、大面積の被処理物に対して、均一かつ
高速に行うためのプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体及びLCDの製造工程にお
けるエッチング、アッシング,CVD等の処理におい
て、マイクロ波を用いたプラズマ装置が用いられてい
る。図40は、特開平5−335095号に開示された
従来例のプラズマ処理装置の全体構成を示す平面図であ
り、図41は、図40のI−I’線の沿った断面図であ
る。
【0003】この従来例のプラズマ処理装置は、図40
及び図41に示すように、マイクロ波を発生するマイク
ロ波電源1と、アイソレータ2と、コーナ方形導波管3
と、方向性結合器4と、所定のインピーダンスに自動的
に設定する自動インピーダンス整合器5と、コーナ方形
導波管6と、直方体形状のプラズマ室7を電界ベクトル
と平行な壁面(以下、E面という。)に取付けたプラズ
マ室結合用方形導波管8と、終端装置9とを備え、それ
らの構成要素1乃至9が縦続に連結されている。ここ
で、プラズマ室7は、被処理物13をプラズマ処理する
ために設けられる。
【0004】プラズマ室7においては、図41に示した
ように、方形導波管8側の側壁7aにプラズマ室7内と
連通する長尺の突出部7bが設けられ、この突出部7b
を方形導波管8の片方のE面8aに対向させた状態で配
置されている。突出部7bには、その外周に第1の磁界
発生手段としての電磁石10が設けられ、また、方形導
波管8側に導波管8の管軸方向に沿って伸びる細長い矩
形状の窓部7cが設けられ、この窓部7cは石英ガラス
板からなるマイクロ波透過窓11によりプラズマ室7内
が真空封じされている。さらに、プラズマ室7には排気
口7dが設けられ、この排気口7dは真空ポンプ(図示
せず。)に接続されており、またプラズマ室7の1つの
壁部を気密に貫通させるようにプロセスガス導入パイプ
12が取り付けられている。このプラズマ室7内には、
シート状の被処理物13が巻かれたローラ14と、処理
が終了した被処理物13を巻き取る巻取りローラ15と
が対向配置され、被処理物13は、プラズマ処理すべき
その表面が窓部7cに対向するように配置されている。
【0005】プラズマ室結合用方形導波管8には、その
E面8aに管軸方向に沿って延在する長尺スロット8
b,8cが設けられている。このスロット8b,8c
は、プラズマ室7の窓部7cの長手方向とほぼ等しい長
さを有するが、その幅寸法は、窓部7cの幅寸法よりも
小さく設定されている。結合用方形導波管8は、スロッ
ト8b,8cをプラズマ室7の窓部7cに対向させた状
態で電気的に接続されている。
【0006】以上のように構成されたプラズマ処理装置
において、マイクロ波電源1によって発生されたマイク
ロ波は、アイソレータ2とコーナ方形導波管3と方向性
結合器4と自動インピーダンス整合器5とコーナ方形導
波管6とを介して、方形導波管8に導入され、当該マイ
クロ波は、スロット8b,8cから窓部7cを介してプ
ラズマ室7に放射される。
【0007】プラズマ室7と結合用方形導波管8との間
には、第2の磁界発生手段として永久磁石10cがスロ
ット8b,8cに沿ってE面8aの幅方向の中央部に配
置され、またこの永久磁石10cを支持しつつ永久磁石
10cの長手方向の周囲にマイクロ波導波路16a,1
6a’を形成するアルミニウム、銅又はステンレス等か
らなる矩形筒形状のマイクロ波導波路形成部材16が配
置され、適宜の手段により固定されている。
【0008】終端装置9は、プラズマ室7側に供給され
なかった余分なマイクロ波を吸収するためのマイクロ波
吸収体を備え、ここで、マイクロ波吸収体として水を用
いる。プラズマ室7に伝搬しなかった余分なマイクロ波
は、導入口9aから導入した水に吸収させ、マイクロ波
により加熱された水を排出口9bから排水させるように
なっている。
【0009】上記プラズマ処理装置を用いてプラズマ処
理を行う場合には、プラズマ室7内に被処理物13をセ
ットした後、プラズマ室7内を高真空状態にする。その
後プロセスガス導入パイプ12から、プラズマ室7内に
所定のプロセスガスを、プラズマ室内が所定の圧力にな
るまで供給する。この状態でマイクロ波電源1から、ア
イソレータ2と、コーナ方形導波管3と、方向性結合器
4と、自動インピーダンス整合器5と、コーナ導波管6
とを介してプラズマ室結合用方形導波管8の一端にマイ
クロ波を供給すると、方形導波管8内に進入したマイク
ロ波は、長尺スロット8b,8cから放射されて、プラ
ズマ室7の窓部7cを通してプラズマ室7内に伝搬し、
プラズマ室7内のプロセスガスをプラズマ化して、プラ
ズマ室7の窓部7cに沿って帯状のプラズマが生成され
る。このプラズマを被処理物13に照射しつつ、被処理
物13をローラ15により巻き取り移動させることによ
り、被処理物13において広い面積の処理を連続的に行
わせることができる。
【0010】特に、第2の磁界発生手段である永久磁石
10cを設けたことにより、プラズマ室7の窓部7cと
被処理物13との間の空間に磁界が生じているため、プ
ラズマ中のイオンが磁界により力を受けて螺旋運動す
る。これにより、プロセスガスのイオン化が促進され、
被処理物13に照射されるプラズマの密度が高められ
る。さらに、この空間で電子サイクロトロン共鳴を生じ
させるように、磁界発生手段により発生させる磁界の強
さを設定しておくと、プラズマ密度を飛躍的に高めるこ
とができる。また、上記磁界がプラズマ室7の窓部7c
の幅方向の中央部でプラズマ室7に向かうように、発散
磁界を形成させる発散磁界発生手段である電磁石10を
設けることにより、プラズマを被処理物13に効率よく
照射させることができると共に、プラズマ密度をより一
層飛躍的に高めることができる。なお、第1の磁界発生
手段である電磁石10と、第2の磁界発生手段である永
久磁石10cを設けなくても、プラズマを発生させるこ
とができることは、従来から当業者によく知られてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によるプラズ
マ処理装置では、マイクロ波がプラズマ室結合用方形導
波管8の内部側壁での反射を繰り返しつつ斜めに伝搬す
ることに起因して、長さABのスロット8bからプラズ
マ室7に放射されるマイクロ波は、図40のT3−T
3’線に沿った断面図を示す図42におけるマイクロ波
W1、W2及びW3にて示すように、プラズマ室7内の
片側に偏った伝搬様式になり、その結果としての電界強
度は図43に示されるようにプラズマ室7の長手方向に
亘り均一でない。
【0012】また、プラズマ室結合用方形導波管8に設
けた長さABのスロット8bからプラズマ室7に放射さ
れるマイクロ波電界は、終端装置9をマイクロ波吸収体
から構成しているにもかかわらず、長尺スロット8a,
8bを設けることで生じる反射波による定在波の山谷が
存在し、結果としての電界強度は図43に示されるよう
に山谷を有した不均一な分布となっている。したがっ
て、発生するプラズマの分布は不均一となっており、被
処理物13に対して広い面積に亘って均一にプラズマ処
理することができないという問題があった。
【0013】さらに、プラズマ室結合用方形導波管8に
入力されるマイクロ波電力のうち、スロット8bからプ
ラズマ室7に放射されなかった電力は、方形導波管8を
通って終端装置9内のマイクロ波吸収体に消費されて全
て電力損失となるため、電力の使用効率が悪いと共に、
生成されるプラズマ密度が低くなるという問題点があっ
た。
【0014】本発明の目的は以上の問題点を解決し、被
処理物に対して広い面積に亘って均一にプラズマ処理す
ることができ、しかも電力の使用効率を従来例に比較し
て改善することができるプラズマ処理装置を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のプラズマ処理装置は、側壁に細長い窓部を有し、上
記窓部の内側に被処理物が配置されるプラズマ室と、長
尺スロットが上記プラズマ室の窓部に対向しかつ管軸方
向に沿って延在するようにE面に形成され、管軸方向が
上記プラズマ室の窓部の長手方向と平行となるように配
置されたプラズマ室結合用方形導波管と、上記方形導波
管にマイクロ波を供給するマイクロ波電源手段とを備
え、上記方形導波管から上記長尺スロットを介して上記
プラズマ室へマイクロ波を放射させるプラズマ処理装置
において、少なくとも2つの上記長尺スロットをそれぞ
れ少なくとも1つの上記方形導波管に設け、上記各長尺
スロットの長手方向の長さがマイクロ波の自由空間波長
の1/2以上に設定され、上記各長尺スロットを互いに
平行に、かつ隣り合う上記各長尺スロットを互いに交互
に上記方形導波管の管軸方向にマイクロ波の自由空間波
長の(2n−1)/4(ここで、nは自然数である。)
だけずらせて形成したことを特徴とする。
【0016】また、請求項2記載のプラズマ処理装置
は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、それぞ
れ少なくとも1つの長尺スロットを有する少なくとも2
つの上記方形導波管を備え、隣り合う上記各方形導波管
において互いに異なる方向にマイクロ波を供給する別の
マイクロ波電源手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0017】さらに、請求項3記載のプラズマ処理装置
は、請求項2記載のプラズマ処理装置において、上記各
長尺スロットは、上記長尺スロットを管軸方向に細等分
化することによって形成された複数のサブスロットにて
なるスロットアレイであり、上記プラズマ処理装置は、
上記方形導波管の終端に設けられ、管軸方向に沿って移
動可能な可動短絡板を有する終端装置をさらに備え、上
記方形導波管に生じる電圧定在波の山の中央部を、上記
各サブスロットの長手方向の中央部にそれぞれ一致する
ように、上記可動短絡板を移動設定したことを特徴とす
る。
【0018】またさらに、請求項4記載のプラズマ処理
装置は、請求項1記載のプラズマ処理装置において、1
つの長尺スロットを有する1つの上記方形導波管を備
え、上記各長尺スロットは、上記長尺スロットを管軸方
向に細等分化することによって形成された複数のサブス
ロットにてなるスロットアレイであり、上記プラズマ処
理装置は、上記方形導波管の終端に設けられ、管軸方向
に沿って移動可能な可動短絡板を有する終端装置をさら
に備え、上記方形導波管に生じる電圧定在波の山の中央
部を、上記各サブスロットの長手方向の中央部にそれぞ
れ一致するように、上記可動短絡板を移動設定したこと
を特徴とする。
【0019】また、請求項5記載のプラズマ処理装置
は、側壁に細長い窓部を有し、上記窓部の内側に被処理
物が配置されるプラズマ室と、長尺スロットが上記プラ
ズマ室の窓部に対向しかつ管軸方向に沿って延在するよ
うにE面に形成され、管軸方向が上記プラズマ室の窓部
の長手方向と平行となるように配置されたプラズマ室結
合用方形導波管と、上記方形導波管にマイクロ波を供給
するマイクロ波電源手段とを備え、上記方形導波管から
上記長尺スロットを介して上記プラズマ室へマイクロ波
を放射させるプラズマ処理装置において、上記長尺スロ
ットの長手方向の長さがマイクロ波の自由空間波長の1
/2以上に設定され、上記プラズマ処理装置は、上記長
尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間に設けられ、
上記長尺スロットの開口形状と同一断面のマイクロ波導
波路を有するマイクロ波導波路形成部材と、マイクロ波
を吸収しない材料にてなり、上記方形導波管の終端側近
傍の上記マイクロ波導波路内の位置に管軸方向に沿って
挿入され、マイクロ波の一部を反射しかつ一部を透過す
るための誘電体をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】さらに、請求項6記載のプラズマ処理装置
は、請求項5記載のプラズマ処理装置において、上記長
尺スロットの長手方向に沿った上記誘電体の長さは、マ
イクロ波の自由空間波長のn/2(ここで、nは自然数
である。)に設定され、上記プラズマ室の長手方向に沿
ったマイクロ波の電界強度が実質的に均一となるよう
に、上記誘電体のマイクロ波の透過率を調節することに
より、上記マイクロ波導波路への誘電体の挿入長を設定
したことを特徴とする。
【0021】また、本発明に係る請求項7記載のプラズ
マ処理装置は、側壁に細長い窓部を有し、上記窓部の内
側に被処理物が配置されるプラズマ室と、長尺スロット
が上記プラズマ室の窓部に対向しかつ管軸方向に沿って
延在するようにE面に形成され、管軸方向が上記プラズ
マ室の窓部の長手方向と平行となるように配置されたプ
ラズマ室結合用方形導波管と、上記方形導波管にマイク
ロ波を供給するマイクロ波電源手段とを備え、上記方形
導波管から上記長尺スロットを介して上記プラズマ室へ
マイクロ波を放射させるプラズマ処理装置において、上
記長尺スロットの長手方向の長さがマイクロ波の自由空
間波長の1/2以上に設定され、上記プラズマ処理装置
は、上記方形導波管の終端に、マイクロ波の管内波長の
1/2以上の長さにわたって管軸方向に沿って移動可能
に設けられた可動短絡板と、上記可動短絡板を周期的ま
たは非周期的に管軸に沿って移動させる移動駆動手段を
備えたことを特徴とする。
【0022】さらに、本発明に係る請求項8記載のプラ
ズマ処理装置は、側壁に細長い窓部を有し、上記窓部の
内側に被処理物が配置されるプラズマ室と、長尺スロッ
トが上記プラズマ室の窓部に対向しかつ管軸方向に沿っ
て延在するようにE面に形成され、管軸方向が上記プラ
ズマ室の窓部の長手方向と平行となるように配置された
プラズマ室結合用方形導波管と、上記方形導波管にマイ
クロ波を供給するマイクロ波電源手段とを備え、上記方
形導波管から上記長尺スロットを介して上記プラズマ室
へマイクロ波を放射させるプラズマ処理装置において、
上記長尺スロットの長手方向の長さがマイクロ波の自由
空間波長の1/2以上に設定され、上記プラズマ処理装
置は、上記方形導波管に設けた上記長尺スロットと上記
プラズマ室の窓部との間の空間に、管軸方向の上記長尺
スロットの長さよりも短く、上記長尺スロットと等しい
幅寸法の開口部を有し、上記長尺スロットと上記開口部
とを対向させるように、かつ管軸方向に沿って移動可能
に設けられた可動スロット板と、上記可動スロット板
を、マイクロ波の自由空間波長の1/2以上の長さにわ
たって周期的または非周期的に移動させる移動駆動手段
とを備えたことを特徴とする。
【0023】またさらに、請求項9記載のプラズマ処理
装置は、側壁に細長い窓部を有し、上記窓部の内側に被
処理物が配置されるプラズマ室と、長尺スロットが上記
プラズマ室の窓部に対向しかつ管軸方向に沿って延在す
るようにE面に形成され、管軸方向が上記プラズマ室の
窓部の長手方向と平行となるように配置されたプラズマ
室結合用方形導波管と、上記方形導波管にマイクロ波を
供給するマイクロ波電源手段とを備え、上記方形導波管
から上記長尺スロットを介して上記プラズマ室へマイク
ロ波を放射させるプラズマ処理装置において、上記長尺
スロットの長手方向の長さがマイクロ波の自由空間波長
の1/2以上に設定され、上記プラズマ処理装置は、上
記プラズマ室内に配置された被処理物と上記窓部との間
の空間に磁界を発生しかつその磁界の向き及び強度を変
動させる磁界発生手段を備えたことを特徴とする。
【0024】また、請求項10記載のプラズマ処理装置
は、請求項2記載のプラズマ処理装置において、上記各
長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間に設けら
れ、上記各長尺スロットの開口形状と同一断面のマイク
ロ波導波路を有する少なくとも2つのマイクロ波導波路
形成部材と、マイクロ波を吸収しない材料にてなり、上
記各方形導波管の終端側近傍の上記マイクロ波導波路内
の位置に管軸方向に沿って挿入され、マイクロ波の一部
を反射しかつ一部を透過するための少なくとも2つの誘
電体をさらに備え、上記各長尺スロットの長手方向に沿
った上記各誘電体の長さは、マイクロ波の自由空間波長
のn/2(ここで、nは自然数である。)に設定され、
上記プラズマ室の長手方向に沿ったマイクロ波の電界強
度が実質的に均一となるように、上記各誘電体のマイク
ロ波の透過率を調節することにより、上記マイクロ波導
波路への誘電体の挿入長を設定したことを特徴とする。
【0025】さらに、請求項11記載のプラズマ処理装
置は、請求項9記載のプラズマ処理装置において、それ
ぞれ少なくとも1つの長尺スロットを有する少なくとも
2つの上記方形導波管を備え、隣り合う上記各方形導波
管において互いに異なる方向にマイクロ波を供給する別
のマイクロ波電源手段をさらに備え、上記各長尺スロッ
トを互いに平行に、かつ隣り合う上記各長尺スロットを
互いに交互に上記方形導波管の管軸方向にマイクロ波の
自由空間波長の(2n−1)/4(ここで、nは自然数
である。)だけずらせて形成したことを特徴とする。
【0026】またさらに、請求項12記載のプラズマ処
理装置は、請求項11記載のプラズマ処理装置におい
て、上記長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間に
設けられ、上記長尺スロットの開口形状と同一断面のマ
イクロ波導波路を有するマイクロ波導波路形成部材と、
マイクロ波を吸収しない材料にてなり、上記方形導波管
の終端側近傍の上記マイクロ波導波路内の位置に管軸方
向に沿って挿入され、マイクロ波の一部を反射しかつ一
部を透過するための誘電体をさらに備えたことを特徴と
する。
【0027】さらに、請求項13記載のプラズマ処理装
置は、請求項9記載のプラズマ処理装置において、上記
長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間に設けら
れ、上記長尺スロットの開口形状と同一断面のマイクロ
波導波路を有するマイクロ波導波路形成部材と、マイク
ロ波を吸収しない材料にてなり、上記方形導波管の終端
側近傍の上記マイクロ波導波路内の位置に管軸方向に沿
って挿入され、マイクロ波の一部を反射しかつ一部を透
過するための誘電体をさらに備え、上記長尺スロットの
長手方向に沿った上記誘電体の長さは、マイクロ波の自
由空間波長のn/2(ここで、nは自然数である。)に
設定され、上記プラズマ室の長手方向に沿ったマイクロ
波の電界強度が実質的に均一となるように、上記誘電体
のマイクロ波の透過率を調節することにより、上記マイ
クロ波導波路への誘電体の挿入長を設定したことを特徴
とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施の形態について説明する。 <第1の実施形態>図1は、本発明に係る第1の実施形
態を示すプラズマ処理装置の全体構成図であり、図2
は、図1のI−I’線に沿った断面図である。図1にお
いて、1はマイクロ波電源、2はアイソレータ、3,6
はコーナ方形導波管、4は方向性結合器、5は自動イン
ピーダンス整合器、7はプラズマ室であって、従来例の
図40と同様に構成される。18は長尺スロット18
b,18cを設けたプラズマ室結合用方形導波管、19
は可動短絡板19aを備えた終端装置である。なお、図
2は図41と同様であり、図1及び図2において、同一
の構成部分には同一の符号を付している。
【0029】この第1の実施形態のプラズマ処理装置
は、長尺スロット18b,18cを互いに、管軸方向に
マイクロ波の自由空間波長λ0の(2n−1)/4(こ
こで、nは自然数である。)だけずらせて配置し、かつ
適宜の間隔で、管軸方向に対して互いに平行に配置した
ことを特徴としている。
【0030】図2に示すように、プラズマ室7において
は、方形導波管18側の側壁7aにプラズマ室7内と連
通する長尺の突出部7bが設けられ、この突出部7bを
方形導波管18の片方のE面18aに対向させた状態で
配置されている。突出部7bには、その外周に第1の磁
界発生手段としての電磁石10が設けられ、また、方形
導波管18側に導波管18の管軸方向に沿って延在する
細長い矩形状の窓部7cが設けられ、この窓部7cは石
英ガラス板からなるマイクロ波透過窓11によりプラズ
マ室7内が真空封じされている。さらに、プラズマ室7
には排気口7dが設けられ、この排気口7dは真空ポン
プ(図示せず。)に接続されており、またプラズマ室7
の1つの壁部を気密に貫通させるようにプロセスガス導
入パイプ12が取り付けられている。このプラズマ室7
内には、シート状の被処理物13が巻かれたローラ14
と、処理が終了した被処理物13を巻き取る巻取りロー
ラ15とが対向配置され、被処理物13は、プラズマ処
理すべきその表面が窓部7cに対向するように配置され
ている。
【0031】プラズマ室結合用方形導波管18には、そ
のE面18aに管軸方向に沿って延在する長尺スロット
18b,18cが設けられている。長尺スロット18
b,18cは互いに、管軸方向にマイクロ波の自由空間
波長λ0の(2n−1)/4(ここで、nは自然数であ
る。)だけずらせて配置され、かつ適宜の間隔で平行に
配置されている。そして、プラズマ室7は、方形導波管
18側の側壁7aに管軸方向に沿って延在する窓部7c
が設けられるが、この窓部7cは、上記に示したよう
に、1つのスロットの長さにλ0(2n−1)/4を加
えた長さとほぼ等しく設定される。ここで、結合用方形
導波管18は、スロット18b,18cをプラズマ室7
の窓部7cに対向させた状態で電気的に接続されてい
る。
【0032】プラズマ室7と結合用方形導波管18との
間には、第2の磁界発生手段として永久磁石10cがス
ロット18b,18cに沿ってE面18aの幅方向の中
央部に配置され、またこの永久磁石10cを支持しつつ
永久磁石10cの長手方向の周囲にマイクロ波導波路1
6a,16a’を形成するアルミニウム、銅又はステン
レス等からなる矩形筒形状のマイクロ波導波路形成部材
16が配置され、適宜の手段により固定されている。
【0033】終端装置19は、従来例に示すマイクロ波
吸収体から構成された終端装置の代わりに、可動短絡板
19aを備えているため、この可動短絡板19a及び自
動インピーダンス整合器5を適宜に所定のインピーダン
スに調整することにより、方形導波管18に導入された
マイクロ波を効率良くプラズマ室7に供給することがで
きる。
【0034】以上のように構成されたプラズマ処理装置
において、マイクロ波電源1によって発生されたマイク
ロ波は、アイソレータ2とコーナ方形導波管3と方向性
結合器4と自動インピーダンス整合器5とコーナ方形導
波管6とを介して、方形導波管18に導入され、当該マ
イクロ波は、スロット18b,18cからマイクロ波導
波路16a,16a’、マイクロ波透過窓11及び窓部
7cを介してプラズマ室7に放射される。
【0035】本実施形態のプラズマ処理装置において
は、各スロット18b,18cから放射されるマイクロ
波電界が図43に示したように、マイクロ波の自由空間
波長λ0の2分の1毎に強弱を有するために、スロット
18b,18cを互いにその長手方向に沿って、すなわ
ち管軸方向に沿ってマイクロ波の自由空間波長λ0の2
分の1だけずらすことにより、電界の強い箇所と弱い箇
所とがそれぞれ重ねられるように、2つのマイクロ波電
界が合成される。スロット18b,18cを互いにずら
せる長さは、好ましくは(1/4)λ0または(3/
4)λ0が望ましい。もし、それ以上ずらせると、1つ
のスロット18b又は18cのみによるマイクロ波電界
の分布が広くなる。すなわち、各スロット18b,18
cの長手方向の両端部では、マイクロ波電界が合成され
ることなく、強弱を有したマイクロ波電界の分布にな
る。なお、各スロット18b,18cの長手方向の長さ
は、n(λ0/2)(ここで、nは自然数である。)の
n=1以上の長さに設定され、好ましくは、n=2以上
の長さに設定することが好ましい。しかしながら、被処
理物13の長さに対して例えばn=4を超えるような大
きなnに設定すると、マイクロ波電界の減衰がスロット
18b,18cの長手方向に大きくなる。
【0036】スロット18b,18cによる長さCDの
スロットから放射されるマイクロ波電界の分布は図3の
実線で示されるようになり、電界の強弱の大きさがより
緩和されて、ほぼ一定の電界強度が得られる。なお、図
3に示す点線301,302はそれぞれ、スロット18
b,18cから放射されるそれぞれのマイクロ波電界の
分布を示している。また、インピーダンスを調整するこ
とができる終端装置19を用いる本実施形態において
は、終端装置19で反射されたマイクロ波もプラズマ室
7に導入することができるので、ダミーロードである終
端装置9を用いる従来例の場合に比較して、大きな電界
強度を得ることができ、従って、電界強度が向上され
る。それ故、より均一でかつ密度の高いプラズマを生成
することができる。また、電力の使用効率を従来例に比
較して改善することができる。
【0037】<第2の実施形態>図4は、本発明に係る
第2の実施形態を示すプラズマ処理装置の全体構成図で
あり、図5は、図4のI−I’線に沿った断面図であ
る。図4において、1,1’はマイクロ波電源、2,
2’はアイソレ−タ、3,3’はコーナ方形導波管、
4,4’は方向性結合器、5,5’は自動インピーダン
ス整合器、7はプラズマ室であって、図1及び図40と
同様に構成される。また、19,19’は終端装置、2
8,28’はそれぞれ長尺スロット28b,28b’を
設けたプラズマ室結合用方形導波管である。また、図5
において、プラズマ室結合用方形導波管28,28’以
外は図41と同様であり、図4及び図5において同一の
構成部分には同一の符号を付している。
【0038】図4に示すように、マイクロ波電源1’と
アイソレ−タ2’とコーナ方形導波管3’と方向性結合
器4’と自動インピーダンス整合器5’とプラズマ室結
合用方形導波管28b’と終端装置19’とは、マイク
ロ波電源1とアイソレ−タ2とコーナ方形導波管3と方
向性結合器4と自動インピーダンス整合器5とプラズマ
室結合用方形導波管28bと終端装置19と同様に、縦
続に連結される。
【0039】方形導波管28,28’は互いに並べて配
置されており、それらの方形導波管28,28’の各E
面28a,28a’に管軸方向に沿ってそれぞれスロッ
ト28b,28b’が設けられており、スロット28
b,28b’は互いに管軸方向にマイクロ波の自由空間
波長λ0の1/4または3/4ずらせて配置され、かつ
適宜の間隔で平行に配置されている。また、方形導波管
28,28’は、その一端にマイクロ波を供給する方向
が異なるように、それぞれマイクロ波電源1,1’、ア
イソレ−タ2,2’、コーナ方形導波管3,3’、方向
性結合器4,4’、自動インピーダンス整合器5,5’
がI−I’線に対し対称に設けられている。すなわち、
方形導波管28には図4の図上左側端部からマイクロ波
が供給される一方、方形導波管28’には図4の図上右
側端部からマイクロ波が供給される。
【0040】本実施形態のプラズマ処理装置において、
スロット28bから放射されるマイクロ波電界の分布は
図43のパターンで示され、またスロット28b’から
放射されるマイクロ波電界の分布は図43に示されるパ
ターンの逆パターンとなるので、マイクロ波の自由空間
波長λ0の1/4または3/4の長さだけずらせること
により、第1の実施形態と同様に、電界の強い箇所と弱
い箇所とがそれぞれ重ねられるように、2つのマイクロ
波電界が合成される。
【0041】本実施形態のプラズマ処理装置において、
スロット28b,28b’から放射されるマイクロ波電
界の分布は、図6の実線で示されるようになり、マイク
ロ波合成電界の分布がスロットの長手方向の全体に亘っ
てより均一となり、その均一性が向上される。なお、図
6に示す点線311,312はそれぞれ、スロット28
b,28b’から放射されるそれぞれのマイクロ波電界
の分布を示している。
【0042】<第3の実施形態>図7は、本発明に係る
第3の実施形態を示すプラズマ処理装置の全体構成図で
あり、第3の実施形態は、2つのプラズマ室結合用方形
導波管38,38’にそれぞれスロットアレイ80b,
80b’を設けた以外は第2の実施形態を示す図5と同
様に構成される。図7において、図1及び図4と同一の
構成部分には同一の符号を付している。
【0043】図8に示されているように、スロットアレ
イ80b,80b’はそれぞれ、プラズマ室結合用方形
導波管38,38’の各E面38a,38a’に管軸に
沿って設けられ、管軸方向に沿って伸びる小さな複数個
のサブスロット80sを集合して直線上に配列させてな
る。この各サブスロット80sの長手方向の長さはマイ
クロ波の自由空間波長λ0の2分の1とし、各サブスロ
ット80sを方形導波管38,38’内のマイクロ波の
管内波長λgの2分の1の間隔で配置されており、スロ
ットアレイ80b,80b’は互いに適宜の間隔で平行
に配置され、かつ管軸方向に沿ってマイクロ波の自由空
間波長λ0の1/4または3/4ずらせて配置されてい
る。ここで、λg>λ0である。
【0044】本実施形態のプラズマ処理装置において、
終端装置19,19’の可動短絡板19a,19a’を
管軸方向に動かすことにより方形導波管38,38’内
に生じる電圧定在波の山の中央部を、スロットアレイ8
0b,80b’の1つのサブスロット80sの長手方向
の中央部にそれぞれ一致させると、マイクロ波がスロッ
トアレイ80b,80b’から効率良くプラズマ室7に
向かって放射されるとともに、スロットアレイ80b,
80b’の各サブスロット80sから放射されるマイク
ロ波電界のピークがほぼ一定になるが、1つのスロット
アレイ80b又は80b’では、放射されるマイクロ波
電界がマイクロ波の自由空間波長λ0の2分の1毎に強
弱を有するために、その長さ分だけずらせることによ
り、電界の強い箇所と弱い箇所とがそれぞれ重ねられる
ように、2つのマイクロ波電界が合成される。
【0045】各スロットアレイ80b,80b’から放
射されるそれぞれのマイクロ波の電界分布はそれぞれ図
9の点線321,322に示すようになり、したがっ
て、2つのアレイ80b,80b’による長さCDのス
ロットから放射されるマイクロ波電界の分布は、図9の
実線に示すようにスロットアレイ80b,80b’の長
手方向の全体に亘ってほぼ均一になる。このマイクロ波
合成電界を用いてプラズマを発生させると、管軸方向に
対するプラスマ密度の強弱が緩和され、より均一度の高
いプラズマ生成が可能となる。
【0046】<第4の実施形態>図10は、本発明に係
る第4の実施形態を示すプラズマ処理装置の全体構成図
であり、1つのプラズマ室結合用方形導波管48に1つ
のスロットアレイ80bを設けた以外は第1の実施形態
を示す図1と同様に構成される。図10において、図1
と同一の構成部分には同一の符号を付している。
【0047】本実施形態において用いるスロットアレイ
80bは、図8に示されたスロットアレイ80bと全く
同じであり、図8と同様に、各サブスロット80sの長
手方向の長さはマイクロ波の自由空間波長λ0の2分の
1とし、各サブスロット80sをプラズマ室結合用方形
導波管38内のマイクロ波の管内波長λgの2分の1の
間隔で配置されている。
【0048】本実施形態のプラズマ処理装置において、
終端装置19の可動短絡板19aを管軸方向に動かすこ
とにより、方形導波管48に生じる電圧定在波の山の中
央部を、スロットアレイ80bの各サブスロット80s
の長手方向の中央にそれぞれ一致させると、マイクロ波
がスロットアレイ80bからプラズマ室7に向かって効
率良く放射されると共に、スロットアレイ80bの各サ
ブスロット80sから放射されるマイクロ波電界のピー
クがほぼ一定になる。
【0049】スロットアレイ80bから放射されるマイ
クロ波の電界分布は図11の点線に示すように、スロッ
トアレイ80bの全長に亘って、管軸方向に対する電界
の強弱の大きさが緩和される。このマイクロ波合成電界
を用いて、例えばガス圧が比較的低い状態でプラズマを
発生させると、プラズマ密度分布は図11の実線に示す
ようになり、電界の強弱があるにも拘らず均一性の良い
プラズマが生成される。
【0050】<第5の実施形態>図12は、本発明に係
る第5の実施形態を示す全体構成図であり、図13は図
1のI−I’線に沿った部分断面図である。図12にお
いて、1はマイクロ波電源、2はアイソレータ、3,6
はコーナ方形導波管、4は方向性結合器、5は自動イン
ピーダンス整合器、7はプラズマ室、19は終端装置で
あって、これらの構成要素は第1の実施形態を示す図1
と同様に構成される。また、58は、長尺スロット58
bをそのE面58aに設けたプラズマ室結合用方形導波
管である。また、図13において、26はマイクロ波導
波路26aを有するマイクロ波導波路形成部材、27は
マイクロ波導波路26aに挿入した固体の誘電体であ
り、図12及び図13において、図1と図2と同一の構
成部分には同一の符号を付している。
【0051】本実施形態においては、マイクロ波導波路
形成部材26は、銅又はアルミニウム等の良導電性金属
からなり、プラズマ室7と方形導波管58とを電気的に
接続しており、その断面は細長い矩形形状で、スロット
58bと同一形状となるように構成されている。
【0052】図14は、図12のT−T’線に沿った部
分断面図であり、マイクロ波導波路形成部材26のマイ
クロ波導波路26aには、例えば直方体状の誘電体27
が挿入されており、誘電体27は、マイクロ波を吸収し
ない物質である、例えば、セラミックス又は合成樹脂に
てなる。この誘電体27としてマイクロ波を吸収しない
物質を選択することにより、マイクロ波は誘電体で一部
は反射し、残りは誘電体中を透過してプラズマ室7の窓
部7cに至る。
【0053】本実施形態のプラズマ処理装置において、
方形導波管58の終端側すなわちマイクロ波電界の強い
位置に誘電体27を挿入することにより、マイクロ波W
2は誘電体で反射されマイクロ波W21となり、残りは
透過してマイクロ波W22となる。マイクロ波W21
は、プラズマ室7内におけるマイクロ波電界の元々弱い
部分を強めるのに作用し、逆にマイクロ波W22はマイ
クロ波W2より電力が減衰しているので、プラズマ室7
内におけるマイクロ波電界の元々強い部分を弱めるのに
作用する。マイクロ波W3に関しても同様で、誘電体2
7にて反射されたマイクロ波W31は可動短絡板19a
で反射され、最終的にプラズマ室7へと供給される。一
方、誘電体27中を透過したマイクロ波W32は、マイ
クロ波W22と同様にして電力が減衰しているので、マ
イクロ波電界の元々強い部分を弱めるのに作用する。
【0054】スロット58bから放射されるマイクロ波
電界強度分布は、図15に示されるように、プラズマ室
7の長手方向に亘りほぼ均一な分布になるので、マイク
ロ波の電界強度分布の均一性がより改善され、これによ
り、密度の高いプラズマが生成される。
【0055】図16及び図17に示す誘電体27a,2
7bは、誘電体27の形状に変化を持たせたもので、マ
イクロ波電界の強い部分から弱い部分にかけて、その厚
さを徐々に減らすことによりマイクロ波電界分布の均一
化を図るものである。すなわち、図16においては、誘
電体27aの断面形状は、方形導波管58側の幅L1a
と、プラズマ室7側の幅L1(>L1a)と、厚さL2
とを有する。また、図17においては、誘電体27bの
断面形状は、最大の厚さL2(=L2a+L2b)と最
大の幅L1とを有し、誘電体27bの厚さは、方形導波
管58側の厚さL2aの部分でその長さが0からL1ま
で変化される。
【0056】図18に示す誘電体27cは寸法を規定し
たものであって、幅L1と厚さL2とを有する。プラズ
マ室7へ放射されるマイクロ波の電界強度は、図43に
示すように、マイクロ波の自由空間波長λ0の2分の1
に対応した強弱を有している。したがって、誘電体27
cのスロット58bの長手方向に沿った長さL1をマイ
クロ波の自由空間波長λ0のn/2(ここで、nは自然
数である。)に設定することにより、プラズマ室7側の
空間との整合が良くなり、マイクロ波の供給効率を高め
ると共に、プラズマ室7へ放射されるマイクロ波の電界
分布の乱れを最小にすることができる。
【0057】さらに、誘電体27cの厚さL2とマイク
ロ波の透過率との関係を示す図19に基づいて、例え
ば、マイクロ波電界の強い部分から弱い部分にかけて、
マイクロ波導波路26aへの誘電体の挿入長L2を減少
又は増大させることにより、マイクロ波の透過率を調節
すると、プラズマ室7の長手方向に亘る電界分布の均一
化が図れる。すなわち、マイクロ波の電界が比較的強い
領域では、誘電体27cの透過率を小さくする一方、マ
イクロ波の電界が比較的弱い領域では、誘電体27cの
透過率を大きくするように、挿入長L2を選択設定す
る。言い換えれば、プラズマ室7の長手方向に亘る電界
分布を均一にするように、誘電体27cの透過率を調整
することにより、挿入長L2を設定する。
【0058】誘電体27,27a,27b,27cによ
りマイクロ波の反射を増やす場合は、誘電体媒質中の特
性インピーダンスは比誘電率εrにより決まり、真空中
の値の1/{(εr1/2}倍となるので、比誘電率εr
が大きい物質を選べば良い。この場合、例えば、アルミ
ナ等のセラミックを用いると良い。一方、誘電体27,
27a,27b,27cによるマイクロ波の反射を少な
く抑える場合は、誘電率εrが小さい物質を選べば良
い。例えば、ポリエチレンまたはテフロン等の合成樹脂
を用いると良い。合成樹脂の場合は、加工が容易である
ので任意の形状を得ることができる利点がある。
【0059】<第6の実施形態>図20は、本発明に係
る第6の実施形態を示す全体構成図であり、図21は図
20のT−T’線に沿った部分断面図である。図20に
おいて、1はマイクロ波電源、2はアイソレータ、3,
6はコーナ方形導波管、4は方向性結合器、5は自動イ
ンピーダンス整合器、7はプラズマ室、58はプラズマ
室結合用方形導波管、19は終端装置であり、これらの
構成要素は第5の実施形態を示す図12と同様に構成さ
れる。図20において、91は、可動短絡板19aを方
形導波管58の管軸方向に往復運動するように駆動させ
る短絡板駆動装置である。
【0060】短絡板駆動装置91は、円板91aの中心
において軸110で軸支されかつステッピングモータ等
で矢印100の回転方向で回転される円板91aと、円
板91aの中心から離れた縁端部において軸111によ
って回転可能に駆動棒91bの一端が軸支された駆動棒
91bとを備え、ここで、駆動棒91bの他端は可動短
絡板19aの中央部に連結される。上記ステッピングモ
ータの回転、すなわち円板91aの回転をパーソナルコ
ンピュータ(図示せず。)で外部制御することにより、
可動短絡板19aを自動的に、しかも周期的または非周
期的にかつ200で示す管軸方向に沿って往復移動させ
ることができる。
【0061】本実施形態のプラズマ処理装置において、
図21に示すように、可動短絡板19aを管軸方向に沿
って移動させることにより、方形導波管58内の定在波
もそれに連れて移動するので、可動短絡板19aを管軸
方向に沿って周期的に往復運動させることにより、定在
波W1,W2,W3,W2,W1,W2,W3,…と移
動することになる。図21において、定在波W1は一点
鎖線で示され、定在波W2は点線で示され、定在波W3
は実線で示されている。本実施形態においては、スロッ
ト8bから放射されるマイクロ波電界の強い部分を管軸
方向に沿って前後移動させることにより、被処理物13
の各部に対して見掛け上、実質的に均一にプラズマを照
射することができる。
【0062】スロット58bから放射されるマイクロ波
電界によるプラズマ密度分布は、図22の実線で示され
るように、プラズマ室7の長手方向に亘りさらに均一な
分布になる。なお、図22に示す点線は、各時刻t1,
t2でのプラズマ密度分布を示している。
【0063】本実施形態において、可動短絡板19aの
移動距離は、少なくとも方形導波管58の管内波長λg
の1/2程度に設定し、その間を連続的に移動させるこ
とが望ましい。可動短絡板19aの移動周期として、例
えばシート状の被処理物13の処理時間の10分の1以
下の時間に設定すると良い。
【0064】<第7の実施形態>図23は、本発明に係
る第7の実施形態を示し、第5の実施形態を示す図12
のI−I’線に相当する線に沿った部分断面図であり、
図24は図12のT−T’線に相当する線に沿った断面
図である。図23及び図24において、22は可動スロ
ット板、23a,23bはベアリング、24a,24
b,24c,24dは撓み導体、92は可動スロット板
22を駆動させるスロット板駆動装置である。図23及
び図24において、図12及び図13と同一の構成部分
には同一の符号を付している。
【0065】可動スロット板22は、アルミニウム、
銅、ステンレス等の良導電性金属からなり、長尺スロッ
ト58bとマイクロ波透過窓11の間の空間に設けら
れ、可動スロット板22の上部及び下部に配置されたベ
アリング23a,23b並びに、可動スロット板22の
側面部に配置された撓み導体24a,24b,24c,
24dにより、周期的または非周期的に管軸方向に沿っ
て移動可能に設けられる。この可動スロット板22に
は、管軸方向に沿った長さがスロット58bの長さより
も例えばλ0/2だけ短くかつこのスロット58bの幅
と等しい幅寸法の矩形の開口部22aが形成されてお
り、長尺スロット58bとマイクロ波導波路26aと開
口部22aとは、マイクロ波が方形導波管58からプラ
ズマ室7側へと伝搬する導波路を形成している。しか
も、プラズマ室7とマイクロ波導波路形成部材26と
は、撓み導体24a乃至24dにより電気的に接続され
ている。また、管軸方向に沿って滑らかに移動できるよ
うに、ベアリング23a,23bが設けられている。な
お、マイクロ波導波路形成部材26は、プラズマ室7と
方形導波管58とを電気的に接続している。
【0066】スロット板駆動装置92は、円板92aの
中心において軸110で軸支されかつステッピングモー
タ等で矢印100の回転方向で回転される円板92a
と、円板92aの中心から離れた縁端部において軸11
1によって回転可能に駆動棒92bの一端が軸支された
駆動棒92bとを備え、ここで、駆動棒92bの他端は
可動短絡板19aの中央部に連結される。上記ステッピ
ングモータの回転、すなわち円板92aの回転をパーソ
ナルコンピュータ(図示せず。)で外部制御することに
より、可動短絡板19aを自動的に、しかも周期的また
は非周期的に、200で示す管軸方向に沿って往復移動
させることができる。
【0067】本実施形態のプラズマ処理装置において、
図25に示すように、可動スロット板22を、方形導波
管58の管軸方向に沿って移動させることにより、長尺
スロット58bから放射されるマイクロ波電界もそれに
連れて移動するので、可動スロット板22を管軸方向に
沿って周期的に往復運動させることにより、可動スロッ
ト板22の位置が時刻t1,時刻t2,時刻t3,時刻
1,時刻t2,時刻t3,…の各位置となるように移動
することになる。すなわち、長尺スロット58bから放
射されるマイクロ波電界の強い部分を管軸方向に沿って
前後移動させることにより、被処理物13の各部に見掛
け上、実質的に均一にプラズマを照射することができ
る。
【0068】スロット58bから放射されるマイクロ波
電界によるプラズマ密度分布は、第6の実施形態で示し
た図22の実線で示されるように、プラズマ室7の長手
方向に亘りさらに均一な分布になる。
【0069】<第8の実施形態>図26は、本発明に係
る第8の実施形態を示し、第5の実施形態を示す図12
のT−T’線に相当する線に沿った部分断面図であり、
10a,10bはそれぞれ磁界発生装置である。
【0070】磁界発生装置10a,10bはそれぞれ、
電源(図示せず。)に接続された、空心コイルより成
り、その中心軸を互いに角度θ(rad)ずらした位置
関係で、マイクロ波透過窓11付近で磁界を発生するよ
うに、プラズマ室7と方形導波管58との間の連結部の
回りに配置されている。この磁界発生装置10a,10
bは詳細後述するように発散磁界発生手段を構成してい
る。
【0071】本実施形態のプラズマ処理装置において、
磁界発生装置10a,10bにそれぞれ互いに90°だ
け位相が異なる半波整流された電流を流すことにより、
その大きさは一定であって、磁力線が実線H1から点線
H2へと連続的に向きを変える振動磁界を得ることがで
きる。プラズマ中の電子やイオンはこの磁力線に拘束さ
れるようにして被処理物13へと照射される。すなわ
ち、磁力線を時間的及び空間的に変動させることによ
り、不均一なプラズマを被処理物13上に平均的に等し
い照射量となるように掃射して、プラズマ処理の均一性
を向上することができる。
【0072】スロット58bから放射されるマイクロ波
電界によるプラズマ密度分布は、第6の実施形態で示し
た図22の実線で示されるように、プラズマ室7の長手
方向に亘りさらに均一な分布になる。
【0073】磁界発生装置10a,10bの中心軸の成
す角度θは、スロット58bからプラズマ室7へ放射さ
れるマイクロ波電界の定在波の山谷の間隔がλ0/4で
あることを考慮すると、ほぼ(λ0/2)dに設定すれ
ば良い。ここで、dはマイクロ波透過窓11から被処理
物13までの距離であり、λ0はマイクロ波の自由空間
波長である。
【0074】<第9の実施形態>図27は、本発明に係
る第9の実施形態であり、第2の実施形態と第5の実施
形態5を組み合わせた実施形態を示すプラズマ処理装置
の概略構成図である。
【0075】図27において、7はプラズマ室で、5
8,58’はプラズマ室結合用方形導波管で、そのE面
58a,58a’に管軸方向に伸びる1つの長尺スロッ
ト58b,58b’がそれぞれ設けられている。この長
尺スロット58b,58b’は互いに適宜の間隔で平行
に配置され、かつ管軸方向にマイクロ波の自由空間波長
λの1/4または3/4ずらせて配置されている。ま
た、上記方形導波管58,58’は、その一端にマイク
ロ波を供給する方向が異なるように、例えば図27に示
すように、上側の方形導波管58には紙面手前から裏側
へ、下側の方形導波管58’にはその逆方向へマイクロ
波が伝搬するように、マイクロ波電源(図示せず。)に
それぞれ接続されている。
【0076】また、上記方形導波管58,58’の他端
には、図4の第2の実施形態と同様に、短絡板を備えた
終端装置が接続されており、上記各方形導波管58,5
8’とマイクロ波電源との間に設けた自動インピーダン
ス整合器と、上記短絡板とを調整することにより、マイ
クロ波をプラズマ室7へ効率よく供給することができ
る。
【0077】マイクロ波導波路形成部材36によりそれ
ぞれ形成されたマイクロ波導波路36a,36a’は、
上記方形導波管58,58’とプラズマ室7を電気的に
接続しており、その断面は細長い矩形状で、スロット5
8b,58b’と同一形状となるように構成されてい
る。
【0078】図28は図27のT1−T1’線に沿った
断面図を示し、図29は図27のT2−T2’線に沿っ
た断面図を示す。本実施形態においては、上記各マイク
ロ波導波路36a,36a’内には、それぞれマイクロ
波の放射電界が相対的に強くなる上記方形導波管58の
終端側に、固体の誘電体27,27’が挿入されてい
る。上記誘電体27,27’として、上述のように、マ
イクロ波を吸収しない物質を選ぶことにより、マイクロ
波は誘電体27,27’にてその一部は反射し、残りは
誘電体27,27’中を透過してプラズマ室7の窓部7
cに至る。
【0079】プラズマ室結合用方形導波管58,58’
の内部をマイクロ波は斜めに伝搬しているため、プラズ
マ室7内のマイクロ波の放射電界は上記方形導波管5
8,58’の終端側が強い分布になっている。マイクロ
波電界の強い位置に誘電体27,27’を挿入すること
で生じる効果を、上側のマイクロ波導波路36aと下側
のマイクロ波導波路36a’について別々に述べる。
【0080】上側のマイクロ波導波路36aで、図28
に示すように、マイクロ波W2は誘電体で反射されマイ
クロ波W21となり、残りは透過してマイクロ波W22
となる。マイクロ波W21は、プラズマ室7内における
マイクロ波の元々弱い部分を強めるのに作用し、逆にマ
イクロ波W22はマイクロ波W2より電力が減衰してい
るので、プラズマ室7内におけるマイクロ波の元々強い
部分を弱めるのに作用する。マイクロ波W3に関しても
同様で、誘電体27にて反射されたマイクロ波W31は
上記方形導波管58の終端部で可動短絡板にて反射さ
れ、最終的にプラズマ室7へと供給される。一方、誘電
体27中を透過したマイクロ波W32は、上記マイクロ
波W22と同様にして電力が減衰しているので、マイク
ロ波の元々強い部分を弱めるのに作用する。従って、プ
ラズマ室7に放射されるマイクロ波の電界分布は、誘電
体27を挿入しない場合と比較してより均一化され、図
30の点線にて示す分布となる。
【0081】下側のマイクロ波導波路36a’で、図2
9に示すように、マイクロ波W2’は誘電体で反射され
マイクロ波W21’となり、残りは透過してマイクロ波
W22’となる。マイクロ波W21’は、プラズマ室7
内におけるマイクロ波の元々弱い部分を強めるのに作用
し、逆にマイクロ波W22’はマイクロ波W2’より電
力が減衰しているので、プラズマ室7内におけるマイク
ロ波の元々強い部分を弱めるのに作用する。マイクロ波
W3’に関しても同様で、誘電体27’にて反射された
マイクロ波W31’は上記方形導波管58’の終端部で
可動短絡板にて反射され、最終的にプラズマ室へと供給
される。一方、誘電体27’中を透過したマイクロ波W
32’は、上記マイクロ波W22’と同様にして電力が
減衰しているので、マイクロ波の元々強い部分を弱める
のに作用する。従って、プラズマ室7に放射されるマイ
クロ波の電界分布は、誘電体27’を挿入しない場合と
比較してより均一化され、図30の一点鎖線にて示す分
布となる。
【0082】さらに、上記方形導波管58,58’にそ
れぞれ設けたスロット58b,58b’は互いに管軸方
向に1/4λあるいは3/4λずれているので、結果と
してのマイクロ波の電界分布は、図30の実線に示すよ
うに、管軸方向に実質的に均一な分布となる。
【0083】<第10の実施形態>図31は、本発明に
係る第10の実施形態であり、第2の実施形態と第8の
実施形態とを組み合わせた実施形態を示す概略構成図で
ある。10a,10bで示されている磁界発生装置を除
くと、方形導波管58,58’、マイクロ波導波路形成
部材36、プラズマ室7の構成は、第2の実施形態と同
様である。図32及び図33はそれぞれ、図31のT1
−T1’線に沿った断面図及び図31のT2−T2’線
に沿った断面図を示す。
【0084】磁界発生装置10a、10bはそれぞれ電
源に接続された、空心コイルより成り、互いにθ(ra
d)だけ交差させた状態で、上記マイクロ波導波路16
a,16a’を囲むように設けられている。例えば、磁
界発生装置10aと10bには、互いに90°位相の異
なる半波整流された電流を流すことで、その大きさは一
定で、磁力線が実線H1から点線H2へと連続的に向き
を変える磁界すなわち振動磁界を、プラズマ室7の窓部
7cと被処理物13の間の空間に発生することができ
る。プラズマ中の電子やイオンはこの磁力線に拘束され
るようにして被処理物13へと照射される。すなわち、
磁力線を時間的および空間的に変動させることにより、
不均一なプラズマを処理基板上に平均的に等しい照射量
となるように掃射して、プラズマ処理の均一性を向上す
ることができる。
【0085】長尺スロット58b,58b’からプラズ
マ室7へ放射されるマイクロ波の放射電界の山谷の間隔
がλ0/4であることを考慮すると、上記マイクロ波の
放射電界により生ずるプラズマ密度の濃淡を、上記磁界
発生装置10a,10bによる振動磁界の作用により、
互いに補い合うためには、好ましくは、磁界発生装置1
0a,10bの中心軸の成す角度θ(rad)は、次の
関係式を満足するように設定される。
【0086】
【数1】dθ≒λ0/2
【0087】ここで、dは、マイクロ波透過窓11から
被処理物13までの距離、λ0はマイクロ波の自由空間
波長である。
【0088】図34には、上側の方形導波管58のスロ
ット58bから放射されたマイクロ波と振動磁界により
得られるプラズマ密度分布を点線で、下側の方形導波管
58’のスロット58b’から放射されたマイクロ波と
振動磁界により得られるプラズマ密度分布を一点鎖線で
示す。さらに、2本のスロット58b,58b’を用い
た本実施形態の結果として得られるプラズマ密度の分布
を実線で示す。図34から明らかなように、プラズマ室
7の長手方向に対して均一なプラズマ密度分布を得るこ
とができる。
【0089】<第11の実施形態>図35は、本発明に
係る第11の実施形態であって、第2の実施形態と第5
の実施形態と第8の実施形態とを組み合わせた実施形態
を示すプラズマ処理装置の概略構成図である。
【0090】マイクロ波導波路形成部材36は、プラズ
マ室結合用方形導波管58,58’とプラズマ室7を電
気的に接続しており、その断面は細長い矩形状で、スロ
ット58b,58b’と同一形状となるように構成され
ている。
【0091】マイクロ波導波路36a,36a’内に
は、それぞれマイクロ波の放射電界が相対的に強くなる
上記方形導波管58,58’の終端側に、固体の誘電体
27,27’が挿入されている。上記誘電体27,2
7’の構成および配設方法は第5の実施形態と同様であ
る。
【0092】磁界発生装置10a,10bはそれぞれ電
源に接続された空心コイルより成り、それらの装置10
a,10bの中心軸が互いにθ(rad)だけ交差させ
た状態で、上記マイクロ波導波路16a,16a’を囲
むように構成されている。上記磁界発生装置10a,1
0bは、プラズマ密度分布を均一化するのに用いられ
る。プラズマ密度の均一化の原理及び、均一化に有効な
角度θ(rad)の設定方法は第8の実施形態と同様で
ある。
【0093】本実施形態により得られるプラズマ密度分
布は図34の実線で示される分布と同様になり、均一性
が良いプラズマ密度分布が得られる。
【0094】<第12の実施形態>図36は、本発明に
係る第12の実施形態であり、第5の実施形態と第8の
実施形態とを組み合わせた実施形態を示す、プラズマ室
7とプラズマ室結合用方形導波管58の縦断面図であ
る。
【0095】図36において、プラズマ室結合用方形導
波管58には、マイクロ波電源からアイソレ−タ、方向
性結合器、自動インピーダンス整合器、コーナ方形導波
管を通り、マイクロ波が導入されている。また、上記方
形導波管58の終端は可動短絡板を備えた終端装置が取
り付けられている。この第12の実施形態のマイクロ波
立体回路は、第1の実施形態を示す図1と同一の構成を
有する。
【0096】マイクロ波導波路形成部材36は、上記方
形導波管58とプラズマ室7とを電気的に接続してお
り、その断面は細長い矩形状で、スロット58bと同一
形状となるように構成されている。
【0097】図37は、図36のT−T’線に沿った断
面図である。上記マイクロ波導波路36a内には、プラ
ズマ室7側へのマイクロ波の放射電界強度が強い部分、
すなわち上記方形導波管58の終端側に固体の誘電体2
7が挿入されている。上記誘電体27として、上述のよ
うに、マイクロ波を吸収しない物質を選ぶことにより、
マイクロ波は誘電体にてその一部は反射し、残りは誘電
体中を透過してプラズマ室の窓部7cに至る。従って、
上記誘電体27は、プラズマ室7内におけるマイクロ波
の元々弱い部分を強め、マイクロ波の元々強い部分を弱
めるのに作用する。誘電体27の挿入による、プラズマ
室7内のマイクロ波電界強度分布を均一化する原理は、
第5の実施形態と同様である。
【0098】磁界発生装置10a,10bはそれぞれ電
源に接続された、空心コイルより成り、それらの装置1
0a,10bの中心軸を互いにθ(rad)だけ交差さ
せた状態で、上記マイクロ波導波路16aの外周に設け
られている。例えば、磁界発生装置10aと10bに、
第8の実施形態にて明示した互いに90°位相の異なる
半波整流された電流を流すことで、その大きさは一定
で、磁力線が点線H1から点線H2へと連続的に向きを
変える磁界すなわち振動磁界を、プラズマ室7の窓部7
cと被処理物13の間の空間に発生することができる。
プラズマ中の電子やイオンはこの磁力線に拘束されるよ
うにして被処理物13へと照射される。すなわち、磁力
線を時間的および空間的に変動させることにより、不均
一なプラズマを処理基板上に平均的に等しい照射量とな
るように掃射して、プラズマ処理の均一性を向上するこ
とができる。
【0099】図38に、プラズマ室7へ放射されるマイ
クロ波の電界強度を示す。図38に示すように、スロッ
ト58bからプラズマ室7へ放射されるマイクロ波の放
射電界の山谷の間隔がλ0/4であることを考慮する
と、上記マイクロ波の放射電界により生ずるプラズマ密
度の濃淡を、上記磁界発生装置10a,10bによる振
動磁界の作用により、互いに補い合うためには、好まし
くは、磁界発生装置10a,10bの中心軸の成す角度
θ(rad)を、次の関係式を満足するように設定す
る。
【0100】
【数2】dθ≒λ0/2
【0101】ここで、dはマイクロ波透過窓11から被
処理物13までの距離であり、λ0はマイクロ波の自由
空間波長である。
【0102】図37の磁界H1およびH2により、被処
理物13上でのプラズマ密度分布はそれぞれ、図39の
点線および一点鎖線にてそれぞれ示ようになる。以上よ
り、連続的に磁力線の向きが変わる振動磁界とすること
により、得られるプラズマ密度分布を実線で示すように
平坦化することができる。従って、被処理物13の全領
域に渡りプラズマ密度分布を均一にすることができる。
【0103】<その他の実施形態>上記の第1の実施形
態においては、方形導波管18の一端にマイクロ波を供
給したが、本発明はこれに限らず、この方形導波管18
の他端に接続されている終端装置19を取り外し、この
他端にも別のマイクロ波電源等を接続することにより、
マイクロ波を供給してプラズマ室結合用方形導波管18
の両端にマイクロ波を供給してもよい。この場合におい
て、第2の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0104】上記の第1及び第2の実施形態では、1つ
の方形導波管18又は2つの方形導波管28,28’に
それぞれ、2つの長尺スロット18b,18c又は28
b,28b’を形成しているが、本発明はこれに限ら
ず、3つ以上の長尺スロットを形成してもよい。この場
合、隣り合う長尺スロットを互いに交互に{(2n−
1)/4}λ0(ここで、nは自然数である。)だけず
らせて配置する。また、3つ以上の方形導波管を設けて
も良い。この場合、隣り合う長尺スロットを互いに交互
に{(2n−1)/4}λ0(ここで、nは自然数であ
る。)だけずらせて配置し、しかも隣り合う方形導波管
に異なる方向からマイクロ波を供給するように、マイク
ロ波電源とアイソレ−タとコーナ方形導波管と方向性結
合器と自動インピーダンス整合器とを設ける。
【0105】上記の第3の実施形態においては、2つの
方形導波管38,38’が設けられているが、本発明は
これに限らず、3つ以上の方形導波管を設けても良い。
上記の第4の実施形態においては、1つの方形導波管4
8が設けられているが、本発明はこれに限らず、2つ以
上の方形導波管を設けても良い。上記の第9乃至第11
の実施形態においては、1つの方形導波管に1つの長尺
スロットを設けているが、本発明はこれに限らず、1つ
の方形導波管に2つ以上の長尺スロットを設けてもよ
い。また、ここで、方形導波管の数は、3つ以上でも良
い。
【0106】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る請求項
1記載のプラズマ処理装置によれば、少なくとも2つの
長尺スロットをそれぞれ少なくとも1つの方形導波管に
設け、上記各長尺スロットの長手方向の長さがマイクロ
波の自由空間波長の1/2以上に設定され、上記各長尺
スロットを互いに平行に、かつ隣り合う上記各長尺スロ
ットを互いに交互に上記方形導波管の管軸方向にマイク
ロ波の自由空間波長の(2n−1)/4(ここで、nは
自然数である。)だけずらせて形成している。従って、
各長尺スロットからプラズマ室に放射されるマイクロ波
電界がマイクロ波の自由空間波長に対応した山谷を有し
ていても、各長尺スロットの位置をマイクロ波の自由空
間波長の(2n−1)/4の位相だけずらせることによ
り、電界の強い箇所と弱い箇所とをそれぞれ重ねること
ができ、プラズマ室へ放射されるマイクロ波の電力をプ
ラズマ室の窓部の長手方向に沿って均一にすることがで
き、幅広い領域に亘りプラズマ密度を均一にすることが
できる。
【0107】また、請求項2記載のプラズマ処理装置に
よれば、請求項1記載のプラズマ処理装置において、そ
れぞれ少なくとも1つの長尺スロットを有する少なくと
も2つの上記方形導波管を備え、隣り合う上記各方形導
波管において互いに異なる方向にマイクロ波を供給する
別のマイクロ波電源手段をさらに備える。従って、一方
の方形導波管から一方の長尺スロットを介して放射され
るマイクロ波の電界が比較的弱い領域は、他方の方形導
波管から他方の長尺スロットを介して放射されるマイク
ロ波の電界は比較的強いので、これにより、電界の強い
箇所と弱い箇所とをそれぞれ重ねることができ、プラズ
マ室へ放射されるマイクロ波の電力をプラズマ室の窓部
の長手方向に沿って均一にすることができ、幅広い領域
に亘りプラズマ密度を均一にすることができる。
【0108】さらに、請求項3記載のプラズマ処理装置
によれば、請求項2記載のプラズマ処理装置において、
上記各長尺スロットは、上記長尺スロットを管軸方向に
細等分化することによって形成された複数のサブスロッ
トにてなるスロットアレイであり、上記プラズマ処理装
置は、上記方形導波管の終端に設けられ、管軸方向に沿
って移動可能な可動短絡板を有する終端装置をさらに備
え、上記方形導波管に生じる電圧定在波の山の中央部
を、上記各サブスロットの長手方向の中央部にそれぞれ
一致するように、上記可動短絡板を移動設定している。
この場合、スロットアレイの各サブスロットから放射さ
れるマイクロ波電界のピークがほぼ一定になるので、ス
ロットアレイの全長に亘って電界の強弱の大きさが緩和
され、このマイクロ波合成電界を用いてガス圧の低い状
態でプラズマを発生させると、プラズマ密度分布は電界
の強弱があるにも拘らず均一性の良いプラズマが生成さ
れる。
【0109】またさらに、請求項4記載のプラズマ処理
装置によれば、請求項1記載のプラズマ処理装置におい
て、1つの長尺スロットを有する1つの上記方形導波管
を備え、上記各長尺スロットは、上記長尺スロットを管
軸方向に細等分化することによって形成された複数のサ
ブスロットにてなるスロットアレイであり、上記プラズ
マ処理装置は、上記方形導波管の終端に設けられ、管軸
方向に沿って移動可能な可動短絡板を有する終端装置を
さらに備え、上記方形導波管に生じる電圧定在波の山の
中央部を、上記各サブスロットの長手方向の中央部にそ
れぞれ一致するように、上記可動短絡板を移動設定して
いる。この場合、スロットアレイの各サブスロットから
放射されるマイクロ波電界のピークがほぼ一定になるの
で、スロットアレイの全長に亘って電界の強弱の大きさ
が緩和され、このマイクロ波合成電界を用いてガス圧の
低い状態でプラズマを発生させると、プラズマ密度分布
は電界の強弱があるにも拘らず均一性の良いプラズマが
生成される。
【0110】また、請求項5記載のプラズマ処理装置に
よれば、上記長尺スロットの長手方向の長さがマイクロ
波の自由空間波長の1/2以上に設定され、上記プラズ
マ処理装置は、上記長尺スロットと上記プラズマ室の窓
部との間に設けられ、上記長尺スロットの開口形状と同
一断面のマイクロ波導波路を有するマイクロ波導波路形
成部材と、マイクロ波を吸収しない材料にてなり、上記
方形導波管の終端側近傍の上記マイクロ波導波路内の位
置に管軸方向に沿って挿入され、マイクロ波の一部を反
射しかつ一部を透過するための誘電体をさらに備えてい
る。すなわち、マイクロ波の一部は反射し一部は透過
し、かつマイクロ波を吸収しない誘電体を、マイクロ波
の電界強度が比較的強い部分に設けることにより、電界
強度が強い部分は弱められ、逆に電界強度が弱い部分は
誘電体から反射された電力により補われ、プラズマ室へ
放射されるマイクロ波の電力をプラズマ室の窓部の長手
方向に沿って均一にすることができ、幅広い領域に亘り
プラズマ密度を均一にすることができる。
【0111】さらに、請求項6記載のプラズマ処理装置
によれば、請求項5記載のプラズマ処理装置において、
上記長尺スロットの長手方向に沿った上記誘電体の長さ
は、マイクロ波の自由空間波長のn/2(ここで、nは
自然数である。)に設定され、上記プラズマ室の長手方
向に沿ったマイクロ波の電界強度が実質的に均一となる
ように、上記誘電体のマイクロ波の透過率を調節するこ
とにより、上記マイクロ波導波路への誘電体の挿入長を
設定している。これにより、請求項5記載のプラズマ処
理装置に比較して、プラズマ室へ放射されるマイクロ波
の電力をプラズマ室の窓部の長手方向に沿ってより均一
にすることができる。
【0112】また、本発明に係る請求項7記載のプラズ
マ処理装置によれば、長尺スロットの長手方向の長さが
マイクロ波の自由空間波長の1/2以上に設定され、上
記プラズマ処理装置は、上記方形導波管の終端に、マイ
クロ波の管内波長の1/2以上の長さにわたって管軸方
向に沿って移動可能に設けられた可動短絡板と、上記可
動短絡板を周期的または非周期的に管軸に沿って移動さ
せる移動駆動手段を備えている。従って、長尺スロット
からプラズマ室に放射されるマイクロ波電界の強弱によ
り、発生するプラズマが空間的にむらや不均一性を有し
ていても、被処理物に対するプラズマの照射を時間的及
び空間的に変動させることにより、プラズマの不均一性
を補い、見かけ上均一性の良いプラズマ処理を達成する
ことができる。
【0113】さらに、本発明に係る請求項8記載のプラ
ズマ処理装置によれば、長尺スロットの長手方向の長さ
がマイクロ波の自由空間波長の1/2以上に設定され、
上記プラズマ処理装置は、上記方形導波管に設けた上記
長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間の空間に、
管軸方向の上記長尺スロットの長さよりも短く、上記長
尺スロットと等しい幅寸法の開口部を有し、上記長尺ス
ロットと上記開口部とを対向させるように、かつ管軸方
向に沿って移動可能に設けられた可動スロット板と、上
記可動スロット板を、マイクロ波の自由空間波長の1/
2以上の長さにわたって周期的または非周期的に移動さ
せる移動駆動手段とを備えている。従って、長尺スロッ
トからプラズマ室に放射されるマイクロ波電界の強弱に
より、発生するプラズマが空間的にむらや不均一性を有
していても、被処理物に対するプラズマの照射を時間的
及び空間的に変動させることにより、プラズマの不均一
性を補い、見かけ上均一性の良いプラズマ処理を達成す
ることができる。
【0114】またさらに、請求項9記載のプラズマ処理
装置によれば、長尺スロットの長手方向の長さがマイク
ロ波の自由空間波長の1/2以上に設定され、上記プラ
ズマ処理装置は、上記プラズマ室内に配置された被処理
物と上記窓部との間の空間に磁界を発生しかつその磁界
の向き及び強度を変動させる磁界発生手段を備えてい
る。従って、長尺スロットからプラズマ室に放射される
マイクロ波電界の強弱により、発生するプラズマが空間
的にむらや不均一性を有していても、被処理物に対する
プラズマの照射を時間的及び空間的に変動させることに
より、プラズマの不均一性を補い、見かけ上均一性の良
いプラズマ処理を達成することができる。
【0115】また、請求項10記載のプラズマ処理装置
によれば、請求項2記載のプラズマ処理装置において、
上記各長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間に設
けられ、上記各長尺スロットの開口形状と同一断面のマ
イクロ波導波路を有する少なくとも2つのマイクロ波導
波路形成部材と、マイクロ波を吸収しない材料にてな
り、上記各方形導波管の終端側近傍の上記マイクロ波導
波路内の位置に管軸方向に沿って挿入され、マイクロ波
の一部を反射しかつ一部を透過するための少なくとも2
つの誘電体をさらに備え、上記各長尺スロットの長手方
向に沿った上記各誘電体の長さは、マイクロ波の自由空
間波長のn/2(ここで、nは自然数である。)に設定
され、上記プラズマ室の長手方向に沿ったマイクロ波の
電界強度が実質的に均一となるように、上記各誘電体の
マイクロ波の透過率を調節することにより、上記マイク
ロ波導波路への誘電体の挿入長を設定している。従っ
て、マイクロ波の一部は反射し一部は透過し、かつマイ
クロ波を吸収しない誘電体を、マイクロ波の電界強度が
比較的強い部分に配設することで、電界強度が強い部分
は弱められ、逆に電界強度が弱い部分は誘電体から反射
された電力により補われ、プラズマ室へ放射されるマイ
クロ波の電力をプラズマ室の窓部の長手方向に沿って均
一にすることができ、幅広い領域に亘りプラズマ密度を
均一にすることができる。
【0116】さらに、請求項11記載のプラズマ処理装
置によれば、請求項9記載のプラズマ処理装置におい
て、それぞれ少なくとも1つの長尺スロットを有する少
なくとも2つの上記方形導波管を備え、隣り合う上記各
方形導波管において互いに異なる方向にマイクロ波を供
給する別のマイクロ波電源手段をさらに備え、上記各長
尺スロットを互いに平行に、かつ隣り合う上記各長尺ス
ロットを互いに交互に上記方形導波管の管軸方向にマイ
クロ波の自由空間波長の(2n−1)/4(ここで、n
は自然数である。)だけずらせて形成している。従っ
て、一方の方形導波管から一方の長尺スロットを介して
放射されるマイクロ波の電界が比較的弱い領域は、他方
の方形導波管から他方の長尺スロットを介して放射され
るマイクロ波の電界は比較的強いので、これにより、電
界の強い箇所と弱い箇所とをそれぞれ重ねることがで
き、プラズマ室へ放射されるマイクロ波の電力をプラズ
マ室の窓部の長手方向に沿って均一にすることができ、
幅広い領域に亘りプラズマ密度を均一にすることができ
る。
【0117】またさらに、請求項12記載のプラズマ処
理装置によれば、請求項11記載のプラズマ処理装置に
おいて、上記長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との
間に設けられ、上記長尺スロットの開口形状と同一断面
のマイクロ波導波路を有するマイクロ波導波路形成部材
と、マイクロ波を吸収しない材料にてなり、上記方形導
波管の終端側近傍の上記マイクロ波導波路内の位置に管
軸方向に沿って挿入され、マイクロ波の一部を反射しか
つ一部を透過するための誘電体をさらに備えている。従
って、マイクロ波の一部は反射し一部は透過し、かつマ
イクロ波を吸収しない誘電体を、マイクロ波の電界強度
が比較的強い部分に配設することで、電界強度が強い部
分は弱められ、逆に電界強度が弱い部分は誘電体から反
射された電力により補われ、プラズマ室へ放射されるマ
イクロ波の電力をプラズマ室の窓部の長手方向に沿って
均一にすることができ、幅広い領域に亘りプラズマ密度
を均一にすることができる。
【0118】さらに、請求項13記載のプラズマ処理装
置によれば、請求項9記載のプラズマ処理装置におい
て、上記長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間に
設けられ、上記長尺スロットの開口形状と同一断面のマ
イクロ波導波路を有するマイクロ波導波路形成部材と、
マイクロ波を吸収しない材料にてなり、上記方形導波管
の終端側近傍の上記マイクロ波導波路内の位置に管軸方
向に沿って挿入され、マイクロ波の一部を反射しかつ一
部を透過するための誘電体をさらに備え、上記長尺スロ
ットの長手方向に沿った上記誘電体の長さは、マイクロ
波の自由空間波長のn/2(ここで、nは自然数であ
る。)に設定され、上記プラズマ室の長手方向に沿った
マイクロ波の電界強度が実質的に均一となるように、上
記誘電体のマイクロ波の透過率を調節することにより、
上記マイクロ波導波路への誘電体の挿入長を設定してい
る。従って、マイクロ波の一部は反射し一部は透過し、
かつマイクロ波を吸収しない誘電体を、マイクロ波の電
界強度が比較的強い部分に配設することで、電界強度が
強い部分は弱められ、逆に電界強度が弱い部分は誘電体
から反射された電力により補われ、プラズマ室へ放射さ
れるマイクロ波の電力をプラズマ室の窓部の長手方向に
沿って均一にすることができ、幅広い領域に亘りプラズ
マ密度を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態であるプラズマ
処理装置の全体の構成を示す平面図である。
【図2】 図1のI−I’線に沿った断面図である。
【図3】 図1のプラズマ処理装置におけるスロットの
長さに対するマイクロ波の電界強度を示すグラフであ
る。
【図4】 本発明に係る第2の実施形態であるプラズマ
処理装置の全体の構成を示す平面図である。
【図5】 図4のI−I’線に沿った断面図である。
【図6】 図4のプラズマ処理装置におけるスロットの
長さに対するマイクロ波の電界強度を示すグラフであ
る。
【図7】 本発明に係る第3の実施形態であるプラズマ
処理装置の全体の構成を示す平面図である。
【図8】 図7のスロットアレイの正面図である。
【図9】 図7のプラズマ処理装置におけるスロットの
長さに対するマイクロ波の電界強度を示すグラフであ
る。
【図10】 本発明に係る第4の実施形態であるプラズ
マ処理装置の全体の構成を示す平面図である。
【図11】 図10のプラズマ処理装置におけるスロッ
トの長さに対するプラズマ密度とマイクロ波の電界強度
を示すグラフである。
【図12】 本発明に係る第5の実施形態であるプラズ
マ処理装置の全体の構成を示す平面図である。
【図13】 図12のI−I’線に沿った断面図であ
る。
【図14】 図12のT−T’線に沿った断面図であ
る。
【図15】 図12のプラズマ処理装置におけるスロッ
トの長さに対するマイクロ波の電界強度を示すグラフで
ある。
【図16】 本発明に係る第5の実施形態の第1の変形
例であるプラズマ処理装置を示す、図14の一部に対応
する断面図である。
【図17】 本発明に係る第5の実施形態の第2の変形
例であるプラズマ処理装置を示す、図14の一部に対応
する断面図である。
【図18】 本発明に係る第5の実施形態の第3の変形
例であるプラズマ処理装置を示す、図14の一部に対応
する断面図である。
【図19】 図18のプラズマ処理装置における誘電体
の厚さに対するマイクロ波の透過率を示すグラフであ
る。
【図20】 本発明に係る第6の実施形態であるプラズ
マ処理装置の全体の構成を示す平面図である。
【図21】 図20のT−T’線に沿った断面図であ
る。
【図22】 図20のプラズマ処理装置におけるスロッ
トの長さに対するプラズマ密度を示すグラフである。
【図23】 本発明に係る第7の実施形態であるプラズ
マ処理装置を示す、図14の一部に対応する断面図であ
る。
【図24】 図23のプラズマ処理装置を示す、図15
に対応する断面図である。
【図25】 図23のプラズマ処理装置の可動スロット
板を移動したときの開口部との関係を示す正面図であっ
て、(a)は時刻t11のときの図であり、(b)は時
刻t12のときの図であり、(c)は時刻t13のとき
の図である。
【図26】 本発明に係る第8の実施形態であるプラズ
マ処理装置を示す、図24に対応する断面図である。
【図27】 本発明に係る第9の実施形態であるプラズ
マ処理装置を示す、図23に対応する断面図である。
【図28】 図27のT1−T1’線に沿った断面図で
ある。
【図29】 図27のT2−T2’線に沿った断面図で
ある。
【図30】 図27のプラズマ処理装置におけるスロッ
トの長さに対するマイクロ波の電界強度を示すグラフで
ある。
【図31】 本発明に係る第10の実施形態であるプラ
ズマ処理装置を示す、図23及び図27に対応する断面
図である。
【図32】 図31のT1−T1’線に沿った断面図で
ある。
【図33】 図31のT2−T2’線に沿った断面図で
ある。
【図34】 図31のプラズマ処理装置におけるスロッ
トの長さに対するプラズマ密度を示すグラフである。
【図35】 本発明に係る第11の実施形態であるプラ
ズマ処理装置を示す、図23、図27及び図31に対応
する断面図である。
【図36】 本発明に係る第12の実施形態であるプラ
ズマ処理装置を示す、図23、図27、図31及び図3
5に対応する断面図である。
【図37】 図36のT−T’線に沿った断面図であ
る。
【図38】 図36のプラズマ処理装置におけるスロッ
トの長さに対するマイクロ波の電界強度を示すグラフで
ある。
【図39】 図36のプラズマ処理装置におけるスロッ
トの長さに対するプラズマ密度を示すグラフである。
【図40】 従来例のプラズマ処理装置の全体の構成を
示す平面図である。
【図41】 図40のI−I’線に沿った断面図であ
る。
【図42】 図40のT3−T3’線に沿った断面図で
ある。
【図43】 図40のプラズマ処理装置におけるスロッ
トの長さに対するマイクロ波の電界強度を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1,1’…マイクロ波電源、 2,2’…アイソレータ、 3,3’,6…コーナ方形導波管、 4,4’…方向性結合器、 5,5’…自動インピーダンス整合器、 7…プラズマ室、 7a…プラズマ室の側壁、 7c…プラズマ室の窓部、 7d…排気口、 11…電磁石、 10a,10b…磁界発生装置、 10c…永久磁石、 11…マイクロ波透過窓、 12…プロセスガス導入パイプ、 13…被処理物、 16,26,36…マイクロ波導波路形成部材、 16a,16a’26a,36a,36a’…マイクロ
波導波路、 18,28,28’,38,38’,48,58…方形
導波管、 18a,28a,28a’,38a,38a’,48
a,58a,58a’…方形導波管のE面、 18b,18b’,28b,28b’,58b,58
b’…長尺スロット、 19,19’…終端装置、 19a…可動短絡板、 22…可動スロット板、 22a…可動スロット板の開口部22a、 23a,23b…ベアリング、 24a,24b,24c,24d…撓み導体、 27,27’,27a,27b,27c…誘電体、 80b,80b’…スロットアレイ、 80s…サブスロット、 91…短絡板駆動装置、 92…スリット板駆動装置。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】特に、第2の磁界発生手段である永久磁石
10cを設けたことにより、プラズマ室7の窓部7cと
被処理物13との間の空間に磁界が生じているため、プ
ラズマ中の電子が磁界により力を受けて螺旋運動する。
これにより、プロセスガスのイオン化が促進され、被処
理物13に照射されるプラズマの密度が高められる。さ
らに、この空間で電子サイクロトロン共鳴を生じさせる
ように、磁界発生手段により発生させる磁界の強さを設
定しておくと、プラズマ密度を飛躍的に高めることがで
きる。また、上記磁界がプラズマ室7の窓部7cの幅方
向の中央部でプラズマ室7に向かうように、発散磁界を
形成させる発散磁界発生手段である電磁石10を設ける
ことにより、プラズマを被処理物13に効率よく照射さ
せることができると共に、プラズマ密度をより一層飛躍
的に高めることができる。なお、第1の磁界発生手段で
ある電磁石10と、第2の磁界発生手段である永久磁石
10cを設けなくても、プラズマを発生させることがで
きることは、従来から当業者によく知られている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】図4に示すように、マイクロ波電源1’と
アイソレ−タ2’とコーナ方形導波管3’と方向性結合
器4’と自動インピーダンス整合器5’とプラズマ室結
合用方形導波管28’と終端装置19’とは、マイクロ
波電源1とアイソレ−タ2とコーナ方形導波管3と方向
性結合器4と自動インピーダンス整合器5とプラズマ室
結合用方形導波管28と終端装置19と同様に、縦続に
連結される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】本実施形態のプラズマ処理装置において、
終端装置19,19’の可動短絡板19a,19a’を
管軸方向に動かすことにより方形導波管38,38’内
に生じる電圧定在波の山の中央部を、スロットアレイ8
0b,80b’の1つのサブスロット80sの長手方向
の中央部にそれぞれ一致させると、マイクロ波がスロッ
トアレイ80b,80b’から効率良くプラズマ室7に
向かって放射されるとともに、スロットアレイ80b,
80b’の各サブスロット80sから放射されるマイク
ロ波電界のピークがほぼ一定になるが、1つのスロット
アレイ80b又は80b’では、放射されるマイクロ波
電界がマイクロ波の自由空間波長λ0の2分の1毎に強
弱を有するために、(1/4)λ0または(3/4)λ0
だけずらせることにより、電界の強い箇所と弱い箇所と
がそれぞれ重ねられるように、2つのマイクロ波電界が
合成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】本実施形態において用いるスロットアレイ
80bは、図8に示されたスロットアレイ80bと全く
同じであり、図8と同様に、各サブスロット80sの長
手方向の長さはマイクロ波の自由空間波長λ0の2分の
1とし、各サブスロット80sをプラズマ室結合用方形
導波管48内のマイクロ波の管内波長λgの2分の1の
間隔で配置されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】<第5の実施形態>図12は、本発明に係
る第5の実施形態を示す全体構成図であり、図13は図
12のI−I’線に沿った部分断面図である。図12に
おいて、1はマイクロ波電源、2はアイソレータ、3,
6はコーナ方形導波管、4は方向性結合器、5は自動イ
ンピーダンス整合器、7はプラズマ室、19は終端装置
であって、これらの構成要素は第1の実施形態を示す図
1と同様に構成される。また、58は、長尺スロット5
8bをそのE面58aに設けたプラズマ室結合用方形導
波管である。また、図13において、26はマイクロ波
導波路26aを有するマイクロ波導波路形成部材、27
はマイクロ波導波路26aに挿入した固体の誘電体であ
り、図12及び図13において、図1と図2と同一の構
成部分には同一の符号を付している。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】本実施形態のプラズマ処理装置において、
図21に示すように、可動短絡板19aを管軸方向に沿
って移動させることにより、方形導波管58内の定在波
もそれに連れて移動するので、可動短絡板19aを管軸
方向に沿って周期的に往復運動させることにより、定在
波W1,W2,W3,W2,W1,W2,W3,…と移
動することになる。図21において、定在波W1は一点
鎖線で示され、定在波W2は点線で示され、定在波W3
は実線で示されている。本実施形態においては、スロッ
ト58bから放射されるマイクロ波電界の強い部分を管
軸方向に沿って前後移動させることにより、被処理物1
3の各部に対して見掛け上、実質的に均一にプラズマを
照射することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】スロット板駆動装置92は、円板92aの
中心において軸110で軸支されかつステッピングモー
タ等で矢印100の回転方向で回転される円板92a
と、円板92aの中心から離れた縁端部において軸11
1によって回転可能に駆動棒92bの一端が軸支された
駆動棒92bとを備え、ここで、駆動棒92bの他端は
可動スロット板22の中央部に連結される。上記ステッ
ピングモータの回転、すなわち円板92aの回転をパー
ソナルコンピュータ(図示せず。)で外部制御すること
により、可動スロット板22を自動的に、しかも周期的
または非周期的に、200で示す管軸方向に沿って往復
移動させることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】図27において、7はプラズマ室で、5
8,58’はプラズマ室結合用方形導波管で、そのE面
58a,58a’に管軸方向に伸びる長尺スロット58
b,58b’がそれぞれ設けられている。この長尺スロ
ット58b,58b’は互いに適宜の間隔で平行に配置
され、かつ管軸方向にマイクロ波の自由空間波長λ0
1/4または3/4ずらせて配置されている。また、上
記方形導波管58,58’は、その一端にマイクロ波を
供給する方向が異なるように、例えば図27に示すよう
に、上側の方形導波管58には紙面手前から裏側へ、下
側の方形導波管58’にはその逆方向へマイクロ波が伝
搬するように、マイクロ波電源(図示せず。)にそれぞ
れ接続されている。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正内容】
【0077】マイクロ波導波路形成部材36は、上記方
形導波管58,58’とプラズマ室7を電気的に接続し
ており、その断面は細長い矩形状で、スロット58b,
58b’と同一形状となるように構成されている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正内容】
【0082】さらに、上記方形導波管58,58’にそ
れぞれ設けたスロット58b,58b’は互いに管軸方
向に(1/4)λ0あるいは(3/4)λ0ずれているの
で、結果としてのマイクロ波の電界分布は、図30の実
線に示すように、管軸方向に実質的に均一な分布とな
る。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正内容】
【0084】磁界発生装置10a、10bはそれぞれ電
源に接続された、空心コイルより成り、互いにθ(ra
d)だけ交差させた状態で、上記マイクロ波導波路36
a,36a’を囲むように設けられている。例えば、磁
界発生装置10aと10bには、互いに90°位相の異
なる半波整流された電流を流すことで、その大きさは一
定で、磁力線が実線H1から点線H2へと連続的に向き
を変える磁界すなわち振動磁界を、プラズマ室7の窓部
7cと被処理物13の間の空間に発生することができ
る。プラズマ中の電子やイオンはこの磁力線に拘束され
るようにして被処理物13へと照射される。すなわち、
磁力線を時間的および空間的に変動させることにより、
不均一なプラズマを処理基板上に平均的に等しい照射量
となるように掃射して、プラズマ処理の均一性を向上す
ることができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正内容】
【0092】磁界発生装置10a,10bはそれぞれ電
源に接続された空心コイルより成り、それらの装置10
a,10bの中心軸が互いにθ(rad)だけ交差させ
た状態で、上記マイクロ波導波路36a,36a’を囲
むように構成されている。上記磁界発生装置10a,1
0bは、プラズマ密度分布を均一化するのに用いられ
る。プラズマ密度の均一化の原理及び、均一化に有効な
角度θ(rad)の設定方法は第8の実施形態と同様で
ある。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正内容】
【0098】磁界発生装置10a,10bはそれぞれ電
源に接続された、空心コイルより成り、それらの装置1
0a,10bの中心軸を互いにθ(rad)だけ交差さ
せた状態で、上記マイクロ波導波路36aの外周に設け
られている。例えば、磁界発生装置10aと10bに、
第8の実施形態にて明示した互いに90°位相の異なる
半波整流された電流を流すことで、その大きさは一定
で、磁力線が点線H1から点線H2へと連続的に向きを
変える磁界すなわち振動磁界を、プラズマ室7の窓部7
cと被処理物13の間の空間に発生することができる。
プラズマ中の電子やイオンはこの磁力線に拘束されるよ
うにして被処理物13へと照射される。すなわち、磁力
線を時間的および空間的に変動させることにより、不均
一なプラズマを処理基板上に平均的に等しい照射量とな
るように掃射して、プラズマ処理の均一性を向上するこ
とができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図25
【補正方法】変更
【補正内容】
【図25】 図23のプラズマ処理装置の可動スロット
板を移動したときの開口部との関係を示す正面図であっ
て、(a)は時刻t1のときの図であり、(b)は時刻
t2のときの図であり、(c)は時刻t3のときの図で
ある。
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図32
【補正方法】変更
【補正内容】
【図32】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図33
【補正方法】変更
【補正内容】
【図33】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図41
【補正方法】変更
【補正内容】
【図41】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/3065 (72)発明者 天立 茂樹 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 西條 達也 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 板谷 耕司 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 青山 隆浩 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側壁に細長い窓部を有し、上記窓部の内
    側に被処理物が配置されるプラズマ室と、 長尺スロットが上記プラズマ室の窓部に対向しかつ管軸
    方向に沿って延在するようにE面に形成され、管軸方向
    が上記プラズマ室の窓部の長手方向と平行となるように
    配置されたプラズマ室結合用方形導波管と、 上記方形導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波電源
    手段とを備え、 上記方形導波管から上記長尺スロットを介して上記プラ
    ズマ室へマイクロ波を放射させるプラズマ処理装置にお
    いて、 少なくとも2つの上記長尺スロットをそれぞれ少なくと
    も1つの上記方形導波管に設け、 上記各長尺スロットの長手方向の長さがマイクロ波の自
    由空間波長の1/2以上に設定され、 上記各長尺スロットを互いに平行に、かつ隣り合う上記
    各長尺スロットを互いに交互に上記方形導波管の管軸方
    向にマイクロ波の自由空間波長の(2n−1)/4(こ
    こで、nは自然数である。)だけずらせて形成したこと
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 上記プラズマ処理装置は、 それぞれ少なくとも1つの長尺スロットを有する少なく
    とも2つの上記方形導波管を備え、 隣り合う上記各方形導波管において互いに異なる方向に
    マイクロ波を供給する別のマイクロ波電源手段をさらに
    備えたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装
    置。
  3. 【請求項3】 上記各長尺スロットは、上記長尺スロッ
    トを管軸方向に細等分化することによって形成された複
    数のサブスロットにてなるスロットアレイであり、上記
    プラズマ処理装置は、 上記方形導波管の終端に設けられ、管軸方向に沿って移
    動可能な可動短絡板を有する終端装置をさらに備え、 上記方形導波管に生じる電圧定在波の山の中央部を、上
    記各サブスロットの長手方向の中央部にそれぞれ一致す
    るように、上記可動短絡板を移動設定したことを特徴と
    する請求項2記載のプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 上記プラズマ処理装置は、 1つの長尺スロットを有する1つの上記方形導波管を備
    え、 上記各長尺スロットは、上記長尺スロットを管軸方向に
    細等分化することによって形成された複数のサブスロッ
    トにてなるスロットアレイであり、上記プラズマ処理装
    置は、 上記方形導波管の終端に設けられ、管軸方向に沿って移
    動可能な可動短絡板を有する終端装置をさらに備え、 上記方形導波管に生じる電圧定在波の山の中央部を、上
    記各サブスロットの長手方向の中央部にそれぞれ一致す
    るように、上記可動短絡板を移動設定したことを特徴と
    する請求項1記載のプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 側壁に細長い窓部を有し、上記窓部の内
    側に被処理物が配置されるプラズマ室と、 長尺スロットが上記プラズマ室の窓部に対向しかつ管軸
    方向に沿って延在するようにE面に形成され、管軸方向
    が上記プラズマ室の窓部の長手方向と平行となるように
    配置されたプラズマ室結合用方形導波管と、 上記方形導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波電源
    手段とを備え、 上記方形導波管から上記長尺スロットを介して上記プラ
    ズマ室へマイクロ波を放射させるプラズマ処理装置にお
    いて、 上記長尺スロットの長手方向の長さがマイクロ波の自由
    空間波長の1/2以上に設定され、上記プラズマ処理装
    置は、 上記長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間に設け
    られ、上記長尺スロットの開口形状と同一断面のマイク
    ロ波導波路を有するマイクロ波導波路形成部材と、 マイクロ波を吸収しない材料にてなり、上記方形導波管
    の終端側近傍の上記マイクロ波導波路内の位置に管軸方
    向に沿って挿入され、マイクロ波の一部を反射しかつ一
    部を透過するための誘電体をさらに備えたことを特徴と
    するプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 上記長尺スロットの長手方向に沿った上
    記誘電体の長さは、マイクロ波の自由空間波長のn/2
    (ここで、nは自然数である。)に設定され、上記プラ
    ズマ室の長手方向に沿ったマイクロ波の電界強度が実質
    的に均一となるように、上記誘電体のマイクロ波の透過
    率を調節することにより、上記マイクロ波導波路への誘
    電体の挿入長を設定したことを特徴とする請求項5記載
    のプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】 側壁に細長い窓部を有し、上記窓部の内
    側に被処理物が配置されるプラズマ室と、 長尺スロットが上記プラズマ室の窓部に対向しかつ管軸
    方向に沿って延在するようにE面に形成され、管軸方向
    が上記プラズマ室の窓部の長手方向と平行となるように
    配置されたプラズマ室結合用方形導波管と、 上記方形導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波電源
    手段とを備え、 上記方形導波管から上記長尺スロットを介して上記プラ
    ズマ室へマイクロ波を放射させるプラズマ処理装置にお
    いて、 上記長尺スロットの長手方向の長さがマイクロ波の自由
    空間波長の1/2以上に設定され、上記プラズマ処理装
    置は、 上記方形導波管の終端に、マイクロ波の管内波長の1/
    2以上の長さにわたって管軸方向に沿って移動可能に設
    けられた可動短絡板と、 上記可動短絡板を周期的または非周期的に管軸に沿って
    移動させる移動駆動手段を備えたことを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  8. 【請求項8】 側壁に細長い窓部を有し、上記窓部の内
    側に被処理物が配置されるプラズマ室と、 長尺スロットが上記プラズマ室の窓部に対向しかつ管軸
    方向に沿って延在するようにE面に形成され、管軸方向
    が上記プラズマ室の窓部の長手方向と平行となるように
    配置されたプラズマ室結合用方形導波管と、 上記方形導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波電源
    手段とを備え、 上記方形導波管から上記長尺スロットを介して上記プラ
    ズマ室へマイクロ波を放射させるプラズマ処理装置にお
    いて、 上記長尺スロットの長手方向の長さがマイクロ波の自由
    空間波長の1/2以上に設定され、上記プラズマ処理装
    置は、 上記方形導波管に設けた上記長尺スロットと上記プラズ
    マ室の窓部との間の空間に、管軸方向の上記長尺スロッ
    トの長さよりも短く、上記長尺スロットと等しい幅寸法
    の開口部を有し、上記長尺スロットと上記開口部とを対
    向させるように、かつ管軸方向に沿って移動可能に設け
    られた可動スロット板と、 上記可動スロット板を、マイクロ波の自由空間波長の1
    /2以上の長さにわたって周期的または非周期的に移動
    させる移動駆動手段とを備えたことを特徴とするプラズ
    マ処理装置。
  9. 【請求項9】 側壁に細長い窓部を有し、上記窓部の内
    側に被処理物が配置されるプラズマ室と、 長尺スロットが上記プラズマ室の窓部に対向しかつ管軸
    方向に沿って延在するようにE面に形成され、管軸方向
    が上記プラズマ室の窓部の長手方向と平行となるように
    配置されたプラズマ室結合用方形導波管と、 上記方形導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波電源
    手段とを備え、 上記方形導波管から上記長尺スロットを介して上記プラ
    ズマ室へマイクロ波を放射させるプラズマ処理装置にお
    いて、 上記長尺スロットの長手方向の長さがマイクロ波の自由
    空間波長の1/2以上に設定され、上記プラズマ処理装
    置は、 上記プラズマ室内に配置された被処理物と上記窓部との
    間の空間に磁界を発生しかつその磁界の向き及び強度を
    変動させる磁界発生手段を備えたことを特徴とするプラ
    ズマ処理装置。
  10. 【請求項10】 上記プラズマ処理装置は、 上記各長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間に設
    けられ、上記各長尺スロットの開口形状と同一断面のマ
    イクロ波導波路を有する少なくとも2つのマイクロ波導
    波路形成部材と、 マイクロ波を吸収しない材料にてなり、上記各方形導波
    管の終端側近傍の上記マイクロ波導波路内の位置に管軸
    方向に沿って挿入され、マイクロ波の一部を反射しかつ
    一部を透過するための少なくとも2つの誘電体をさらに
    備え、 上記各長尺スロットの長手方向に沿った上記各誘電体の
    長さは、マイクロ波の自由空間波長のn/2(ここで、
    nは自然数である。)に設定され、上記プラズマ室の長
    手方向に沿ったマイクロ波の電界強度が実質的に均一と
    なるように、上記各誘電体のマイクロ波の透過率を調節
    することにより、上記マイクロ波導波路への誘電体の挿
    入長を設定したことを特徴とする請求項2記載のプラズ
    マ処理装置。
  11. 【請求項11】 上記プラズマ処理装置は、 それぞれ少なくとも1つの長尺スロットを有する少なく
    とも2つの上記方形導波管を備え、 隣り合う上記各方形導波管において互いに異なる方向に
    マイクロ波を供給する別のマイクロ波電源手段をさらに
    備え、 上記各長尺スロットを互いに平行に、かつ隣り合う上記
    各長尺スロットを互いに交互に上記方形導波管の管軸方
    向にマイクロ波の自由空間波長の(2n−1)/4(こ
    こで、nは自然数である。)だけずらせて形成したこと
    を特徴とする請求項9記載のプラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】 上記プラズマ処理装置は、 上記長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間に設け
    られ、上記長尺スロットの開口形状と同一断面のマイク
    ロ波導波路を有するマイクロ波導波路形成部材と、 マイクロ波を吸収しない材料にてなり、上記方形導波管
    の終端側近傍の上記マイクロ波導波路内の位置に管軸方
    向に沿って挿入され、マイクロ波の一部を反射しかつ一
    部を透過するための誘電体をさらに備えたことを特徴と
    する請求項11記載のプラズマ処理装置。
  13. 【請求項13】 上記プラズマ処理装置は、 上記長尺スロットと上記プラズマ室の窓部との間に設け
    られ、上記長尺スロットの開口形状と同一断面のマイク
    ロ波導波路を有するマイクロ波導波路形成部材と、 マイクロ波を吸収しない材料にてなり、上記方形導波管
    の終端側近傍の上記マイクロ波導波路内の位置に管軸方
    向に沿って挿入され、マイクロ波の一部を反射しかつ一
    部を透過するための誘電体をさらに備え、 上記長尺スロットの長手方向に沿った上記誘電体の長さ
    は、マイクロ波の自由空間波長のn/2(ここで、nは
    自然数である。)に設定され、上記プラズマ室の長手方
    向に沿ったマイクロ波の電界強度が実質的に均一となる
    ように、上記誘電体のマイクロ波の透過率を調節するこ
    とにより、上記マイクロ波導波路への誘電体の挿入長を
    設定したことを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理
    装置。
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