JPH0813775B2 - 3,3−ジメチル酪酸の製造法 - Google Patents

3,3−ジメチル酪酸の製造法

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JPH0813775B2
JPH0813775B2 JP15783288A JP15783288A JPH0813775B2 JP H0813775 B2 JPH0813775 B2 JP H0813775B2 JP 15783288 A JP15783288 A JP 15783288A JP 15783288 A JP15783288 A JP 15783288A JP H0813775 B2 JPH0813775 B2 JP H0813775B2
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明 竹下
融 徳丸
金四郎 佃
重文 徳増
正吾 工藤
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住友化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、医薬、農薬の中間体及びその他有機合成原
料として重要な3,3−ジメチル酪酸を製造する方法の工
業的に優れた改良方法に関するものである。
<従来技術およびその問題点> 3,3−ジメチル酪酸の製法としては、ターシャルブチ
ルハロゲン、ターシャルブチル低級アルキルエーテル、
ターシャルブチルアルコール或いはトリメチルカルボニ
ウムイオンを生成する化合物と塩化ビニリデンを硫酸の
存在下に反応させる方法が知られている。(例えば、ア
メリカ特許3637821号、特開昭57−206636号公報)。
上記文献には、イソブチレンと塩化ビニリデンを用い
る方法も示唆されているが、実施例はなく、しかも本発
明者らが同文献の記載に準じて追試しても目的物の収率
は低く、工業的方法としては不満足なものであった。
<発明が解決しようとする課題> イソブチレンは安価なtert−ブチルカチオン源にもか
かわらず、硫酸の存在下、塩化ビニリデンと反応させて
3,3−ジメチル酪酸を高収率で得ることは困難であっ
た。これは、イソブチレンを液仕込みした場合、中間体
のtert−ブチルカチオンと近傍にあるイソブチレンがオ
リゴマーを生成するために、tert−ブチル骨格が失わ
れ、塩化ビニリデンの硫酸による潰れが先行するためで
あることが判った。
<課題を解決するための手段> 本発明者等は、3,3−ジメチル酪酸を工業的に有利に
製造する方法を開発すべく種々検討した結果、塩化ビニ
リデンとイソブチレンとを、硫酸の存在下に反応させて
3,3−ジメチル酪酸を製造する方法において、イソブチ
レンをガス状で用いることにより、イソブチレン由来の
オリゴマーの生成を抑制し、安定かつ高収率で、工業的
有利に3,3−ジメチル酪酸を製造し得ることを見出し、
本発明を完成した。
即ち、本発明は、塩化ビニリデンとイソブチレンと
を、硫酸の存在下に反応させて3,3−ジメチル酪酸を製
造する方法において、イソブチレンとしてガス状イソブ
チレンを用いることを特徴とする3,3−ジメチル酪酸の
製造法である。
以下、本発明の方法を更に詳しく説明する。
本発明の方法の特徴は、イソブチレンをガス状で反応
系に導入することである。このイソブチレンは、塩化ビ
ニリデンのガスあるいは窒素のような不活性ガスを希釈
して仕込んでも良い。イソブチレンをガス仕込みするた
め、気液接触効率のよい濡れ壁塔、充填塔方式の反応器
等を用いることが好ましいが、イソブチレンガスの硫酸
中への吸収は非常に速く、通常の反応釜に硫酸を仕込ん
だ状態の反応方式で十分である。仕込み場所は、気相で
も液相でも良いが、より気相仕込がイソブチレン由来の
オリゴマーが抑制でき収率が向上するので好ましい。
一般に、本発明の原料となるイソブチレンなどの低沸
点化合物を用いる反応は、低温の状態で液中に仕込むの
が好ましいと考えられ、特に本発明の反応のように、脱
塩化水素の反応においては、塩化水素ガスと共に原料が
系外に散逸するのを防止する必要もあり、気相仕込みは
採用し難いものであることからみれば、本発明の方法は
特異な方法である。
本発明の方法を工業的に実施するための処方は、次の
通りである。反応釜に、硫酸を仕込んだ後、好ましくは
気相にイソブチレンのガスと塩化ビニリデンの液を滴下
し、併注する。この時、塩化ビニリデンは、液またはガ
ス化して仕込んでもよく、気相または液注仕込みでもよ
い。反応温度は約一20〜30℃、好ましくは−10〜20℃で
行い、原料が残っている場合は、熟成操作を行っても良
い。このとき使用される硫酸濃度は、75%以上が望まし
く、この濃度以下であると反応速度が極端に低下する。
硫酸量は重要で、塩化ビニリデンに対し約1.5モル比以
上が望ましく、これ以下であると徐々に3,3−ジメチル
酪酸の収率は低下する。硫酸モル比が約2.0モル比以上
では安定な収率が達成され、5モル比以上の使用は不経
済である。
また、イソブチレンのモル比は塩化ビニリデンに対し
約0.7〜3モル比、好ましくは約1.0〜1.5モル比が更に
好ましい。0.7モル比以下では収率が低下する。
イソブチレンの最適仕込速度は、モル比により異なる
が、塩化ビニリデンに対し、約0.8〜3モル倍の速さで
仕込むことが適当で、この範囲外になると収率は低下す
る傾向を示す。このようにして得られた反応マスは、水
に注加する事により3,3−ジメチル酪酸をオイルとして
分離し蒸留して精製することができる。硫酸層中に溶解
している3,3−ジメチル酪酸は、抽出あるいは蒸留によ
って回収することができる。
<発明の効果> 本発明によれば、安価なイソブチレンと塩化ビニリデ
ンより3,3−ジメチル酪酸を高収率で工業的有利に得る
ことができる。
次に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例中の部は特に断わらない限り、重量部を表
すこととする。
実施例−1 塩化ビニリデン(116.16部)液とイソブチレン(80.8
部)ガスを、93%硫酸(291部)を仕込んだ反応釜の気
相中に−5℃で3時間かけて併注した。添加後1時間−
5℃で保温、その後この反応マスを、249部の水に注加
し、分液を行ない主成分3,3−ジメチル酪酸のオイル層
を得た。一方、硫酸層中に溶解している3,3−ジメチル
酪酸は蒸留により取り出した。先の油層とあわせ、分析
したところ、3,3−ジメチル酪酸118.6部(収率;85.1%
対塩化ビニリデン)が得られた。
実施例−2 塩化ビニリデン(116.16部)液とイソブチレン(80.8
部)ガスを、93%硫酸(392部)を仕込んだ反応釜の気
層中に10℃で3時間かけて併注した。添加後1時間10℃
で保温、その後この反応マスを、337部の水に注加し、
分液を行ない主成分3,3−ジメチル酪酸のオイル層を得
た。一方、硫酸層中に溶解している3,3−ジメチル酪酸
は蒸留により取り出した。先の油層とあわせ、分析した
ところ、3,3−ジメチル酪酸117.5部(収率;84.3%対塩
化ビニリデン)が得られた。
実施例−3 塩化ビニリデン(116.16部)液とイソブチレン(107.
7部)ガスを、93%硫酸(291部)を仕込んだ反応釜の気
相中に−5℃で3時間かけて併注した。添加後1時間−
5℃で保温、その後この反応マスを、249部の水に注加
し、分液を行ない主成分3,3−ジメチル酪酸のオイル層
を得た。一方、硫酸層中に溶解している3,3−ジメチル
酪酸は蒸留により取り出した。先の油層とあわせ、分析
したところ、3,3−ジメチル酪酸126.1部(収率;90.5%
対塩化ビニリデン)が得られた。
実施例−4 93%硫酸(291部)を温度を5℃で保った反応釜の気
相中に、塩化ビニリデン(116.16部)液を3時間かけ、
イソブチレン(80.8部)ガスは塩化ビニリデンと同時に
仕込み始め1時間48分で併注した。添加後1時間5℃で
保温、その後この反応マスを、337部の水に注加し、分
液を行ない主成分3,3−ジメチル酪酸のオイル層を得
た。一方、硫酸層中に溶解している3,3−ジメチル酪酸
は蒸留により取り出した。先の油層とあわせ、分析した
ところ、3,3−ジメチル酪酸115.7部(収率;83.0%対塩
化ビニリデン)が得られた。
実施例−5 塩化ビニリデン(116.16部)液とイソブチレン(134.
7部)ガスを、85%硫酸(354.0部)を仕込んだ反応釜の
気層中に−5℃で5時間かけて併注した。添加後1時間
20℃で保温、その後この反応マスを、252部の水に注加
し、分液を行ない主成分3,3−ジメチル酪酸のオイル層
を得た。一方、硫酸層中に溶解している3,3−ジメチル
酪酸は蒸留により取り出した。先の油層とあわせ、分析
したところ、3,3−ジメチル酪酸109.37部(収率;78.4%
対塩化ビニリデン)が得られた。
実施例−6 実施例−1において、仕込時の内温を15℃にした以外
は、全く同様の操作を行ない、3,3−ジメチル酪酸112.1
部(収率;80.4%対塩化ビニリデン)が得られた。
実施例−7 実施例−1において、仕込時の内温を−15℃にした以
外は、まったく同様の操作を行ない、3,3−ジメチル酪
酸120.6部(収率;86.5%対塩化ビニリデン)が得られ
た。
比較例−1 実施例−1において、塩化ビニリデン(116.16部)と
液状イソブチレン(134.7部)を混合し、−15℃に冷や
した混合液を、93%硫酸(291.0部)を仕込んだ反応釜
の気相中に10時間かけて滴下した以外は、まったく同様
の操作を行ない、3,3−ジメチル酪酸91.2部(収率;65.4
%対塩化ビニリデン)が得られた。
比較例−2 実施例−1において、塩化ビニリデン(116.16部)と
イソブチレン(134.7部)を混合し−15℃に冷やした混
合液を、93%硫酸(291.0部)を仕込んだ反応釜の液中
に10時間かけて仕込んだ以外は、まったく同様の操作を
行ない、3,3−ジメチル酪酸78.1部(収率;56.0%対塩化
ビニリデン)が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳増 重文 大分県大分市大字鶴崎2200番地 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 工藤 正吾 大分県大分市大字鶴崎2200番地 住友化学 工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニリデンとイソブチレンとを、硫酸
    の存在下に反応させて3,3−ジメチル酪酸を製造する方
    法において、イソブチレンとしてガス状イソブチレンを
    用いることを特徴とする3,3−ジメチル酪酸の製造法。
  2. 【請求項2】イソブチレンガスを塩化ビニリデン1モル
    に対し、約0.7〜3モル比用いることを特徴とする請求
    項(1)に記載の方法。
  3. 【請求項3】イソブチレンガスと塩化ビニリデンガスを
    硫酸を仕込んだ反応容器に併注することを特徴とする請
    求項(1)又は(2)に記載の方法。
  4. 【請求項4】イソブチレンガスを反応容器の気相に導入
    して反応を行うことを特徴とする請求項(1)〜(3)
    のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】濃度約75%以上の硫酸を用いることを特徴
    とする請求項(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】硫酸量を、塩化ビニリデン1モルに対して
    約1.5〜5モル比で行うことを特徴とする請求項(1)
    〜(5)のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】反応温度を約−20℃〜30℃で行うことを特
    徴とする請求項(1)〜(6)のいずれかに記載の方
    法。
  8. 【請求項8】イソブチレンの仕込速度が、塩化ビニリデ
    ンに対して約0.8〜3モル倍の速さで仕込むことを特徴
    とする請求項(1)〜(7)のいずれかに記載の方法。
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