JPH0813752B2 - シュードモナス・アエルギノーサに対して活性なワクチンおよび免疫グロブリンg含有製剤 - Google Patents

シュードモナス・アエルギノーサに対して活性なワクチンおよび免疫グロブリンg含有製剤

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JPH0813752B2 JP1222778A JP22277889A JPH0813752B2 JP H0813752 B2 JPH0813752 B2 JP H0813752B2 JP 1222778 A JP1222778 A JP 1222778A JP 22277889 A JP22277889 A JP 22277889A JP H0813752 B2 JPH0813752 B2 JP H0813752B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シュードモナス・アエルギノーサ感染症に
対して活性な製剤、とりわけその効果が部分べん毛
(H)抗原a0、a1、a2、a3、a4およびbのいずれかの組
み合わせに対するものである、能動免疫を意図するワク
チン、並びに細菌、シュードモナス・アエルギノーサに
対して活性な、受動的保護を意図する免疫グロブリンG
含有製剤に関するものである。
細菌、シュードモナス・アエルギノーサはしばしば、
主として、火傷に罹患している患者、のう胞性繊維症に
罹患しているかまたは器官機能不全を有する患者および
腫瘍患者の様な、免疫防御機能障害を有する患者におい
て、病院内感染症を起こすことのある病原微生物であ
る。耐性が生じるため、抗生物質は限られた範囲でのみ
シュードモナス感染症に対して活性であり、従って、シ
ュードモナス・アエルギノーサに起因する感染症に抗す
るための免疫学的方法を見いだすため、鋭意研究が続け
られてきた。
感染症は、O−抗原(リポ多糖)およびH−抗原(ベ
ン毛)、H−およびO−抗原タイプの自由な組み合わせ
によって特性化し得る種々の株によって惹起される。
シュードモナス・アエルギノーサの運動性が、この病
原菌の悪性の原因であるということは、知られている
(モンティエ等(Montie et al.,Infect.Immunity 38,1
296−1298,1982))。運動性シュードモナス・アエルギ
ノーサ株は、1株のべん毛を有している。火傷マウスモ
デルでの検定では、非運動性シュードモナス・アエルギ
ノーサ株が試験的に作られた火傷に接種される場合、運
動性株が使用される場合より高割合のマウスが生き残る
ということが示された(モンティエ等、上記参照)。シ
ュードモナス・アエルギノーサの病原性についての別の
検定から、べん毛抗原製剤で免疫された動物は、火傷を
設定し、運動性細菌株に感染させた時、保護されたとい
うことが証明された(ホルダー等(Holder et al.,Infe
ct.Immunity 35,276−280,1982))。
シュードモナス・アエルギノーサのべん毛は、血清学
的方法で研究され、アンソーグ(R.Ansorg)によって、
タイプaおよびタイプbと呼称される2つの主要なタイ
プに分類し得ることが示された(Zbl.Bakt.Hyg.I.Abt.O
rig.A,242,228−238,1978)。
べん毛(H)抗原タイプaでは、間接免疫蛍光法の使
用によって、部分抗原a0、a1、a2、a3およびa4に分類す
ることができ、これらは、シュードモナス・アエルギノ
ーサ株によって種々の組み合わせで発現され、部分抗原
a0はタイプaの全てのべん毛に見いだされる。べん毛
(H)抗原タイプbは、血清学的に均一な作用を示し、
サブグループを識別することはできない。
アンソーグによると、シュードモナス・アエルギノー
サについては、合計17種類のHタイプ、即ち、1種類の
Hタイプbべん毛抗原および、全てのaタイプに存在す
る部分抗原a0、および任意に部分抗原a1および/または
a2および/またはa3および/またはa4からなる16種類の
Hタイプべん毛抗原aを分類することができる。アンソ
ーグによって全くサブグループa0に属していると特性化
されたシュードモナス・アエルギノーサ5142および1303
0株のべん毛を詳しく研究したところ、これらは生化学
的および免疫学的にべん毛タイプbに一致することがわ
かった(モンティエ等(Montie et al.,Infect.Immunit
y 49(3),770−774(1985))。
多分散べん毛(H)抗原(FAgs)の調製法は、PCT公
開WO86/03974に記載されている。細菌培養を最小培地で
生育させ、次いで、界面活性剤で処理し、その後、培養
物からFAgsを分離する。界面活性剤で処理する前に、細
菌培養を分散させ、せん断工程に付す。界面活性剤を加
えることによって細菌叢からの抗原の分離を促進し、次
に、分別遠心によって分散液中の抗原を細胞から分離す
ることができる。
次いで、この様にして細菌叢から分離した抗原を、ク
ロマトグラフィー精製によって、リポ多糖類、核酸類、
塩類、多糖類等の様な付着している不純物から遊離させ
ることができる。残存する界面活性剤は、更にカラムク
ロマトグラフィー精製工程に付すことによって除去する
ことができる。
シュードモナス・アエルギノーサ細菌培養を調製する
ために使用した株および得られた抗原を、以下の表に挙
げる。 Hタイプ M−2 b 5142 a0(b) 5940 a0a2 WR−5 a0a2 5939 a0a3 1210 a0a1a2 170018 a0a3a4 ヨーロッパ特許公開0252064の記載から、PCT公開WO86
/03974にワクチンの成分として記載されたタイプの各べ
ん毛抗原全てが保護作用を示し、PCT公開WO86/03974に
記載されたべん毛抗原で能動免疫されたマウスから得た
血清がマウスの受動免疫に好適であることが理解され
る。
しかしながら、各抗原およびそれに由来する抗体の保
護効果は、動物モデルおよびホモローガスな系において
のみ検出し得、即ち、活性は免疫化のために使用された
べん毛血清型の病原体に対してのみ観察された。
アンソーグにより提案されたH抗原血清型検出概要
(Zbl.Bakt.Hyg.I.Abt.Orig.A242,228−238,1978)によ
る300の臨床上シュードモナス・アエルギノーサ単離体
の分析から、全ての運動性シュードモナス病原体の98%
にタイプaおよび/またはbの部分抗原が実際に検出さ
れたことが示されたので、部分べん毛(H)抗原a0
a1、a2、a3、a4およびbのいずれの組み合わせに対して
も効果のあるシュードモナス・アエルギノーサワクチン
を入手したいという医師の方からの要望がある。
ヨーロッパ特許公開0252064に記載の知見によると、
この種のワクチンは、必然的にこれらの部分抗原全てを
含有していなければならず、即ち、多価ワクチンでなけ
ればならない。
本発明は、ヒトにおいて、部分べん毛(H)抗原a0
a4およびbのいずれかの組み合わせの運動性シュードモ
ナス・アエルギノーサ病原体に対して、即ち臨床上重要
な全ての血清型に対して活性な抗体の生成を誘導する1
または2種の抗原を含有し、病原体の運動およびそれ以
上の増殖および再生産を阻害し、ヒト免疫系によるその
殺滅を誘導する二価ワクチンを提供することを目的とす
るものである。
更に、これらの抗原に対する抗体を含有し、シュード
モナス・アエルギノーサ感染症に対する受動免疫のため
に使用し得る製剤を提供することも、本発明の目的であ
る。
本発明によると、この目的は、ワクチンに血清型aの
単一べん毛(H)抗原と血清型bのべん毛(H)抗原の
組み合わせを含有させることで達成される。
本発明のワクチンは、血清型aの単一べん毛(H)抗
原および血清型bのべん毛(H)抗原の両者を含有して
いる二価の構造からなる。
本発明のワクチンの投与によって生成される免疫グロ
ブリンは、シュードモナス・アエルギノーサの臨床上重
要な全株の少なくとも95%と結合し、その運動を阻害し
得るということが証明された。更に、抗体のこの結合
が、ヒト免疫系の食菌細胞による運動性病原体の食菌お
よび殺滅を誘導する。
本発明のワクチンの代表例は、 抗原が単量体成分からなり、アミノ酸、即ち、アスパ
ラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシ
ン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロ
シン、フェニルアラニン、リシンおよびアルギニンを6
8:41:37:46:44:73:29:29:37:3:10:16:16の割合で含有
し、45,900の分子量を有する、血清型a0a2の1種類の単
一べん毛(H)抗原、 または、抗原が単量体成分からなり、アミノ酸、即
ち、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン
酸、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイ
シン、チロシン、フェニルアラニン、リシンおよびアル
ギニンを76:44:40:52:50:81:32:32:41:4:12:20:18の割
合で含有し、51,250の分子量を有する、血清型a0a1a2
1種類の単一べん毛(H)抗原、 または、抗原が単量体成分からなり、アミノ酸、即
ち、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン
酸、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイ
シン、チロシン、フェニルアラニン、リシンおよびアル
ギニンを69:35:38:44:47:73:30:30:60:3:12:21:16の割
合で含有し、46,700の分子量を有する、血清型a0a3の単
一べん毛(H)抗原、 または、抗原が単量体成分からなり、アミノ酸、即
ち、アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン
酸、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイ
シン、チロシン、フェニルアラニン、リシンおよびアル
ギニンを64:33:35:42:44:68:29:29:37:3:10:19:15の割
合で含有し、43,500の分子量を有する、血清型a0a3a4
単一べん毛(H)抗原 を含有し得る。
上記本発明のワクチンは更に、抗原が単量体成分から
なり、アミノ酸、即ち、アスパラギン酸、スレオニン、
セリン、グルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、
イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニ
ン、リシンおよびアルギニンを74:48:48:49:51:91:38:3
0:43:4:13:18:18の割合で含有し、53,050の分子量を有
する、血清型bべん毛(H)抗原を含有する。
本発明のワクチンは、シュードモナス・アエルギノー
サ培養から得た精製べん毛(H)抗原を滅菌濾過し、所
望によりAl(OH)の様なアジュバントと混合し、所望
により、メルチオラートの様な保存剤を加え、ガレン製
剤に製剤化することによって製造される。
シュードモナス・アエルギノーサ感染症に対して活性
な本発明の免疫グロブリンG含有製剤は、各べん毛
(H)抗原で免疫されたヒト供与者の血漿を硫酸アンモ
ニウムの様なタンパク沈澱剤で処理し、沈澱した免疫グ
ロブリンG含有フラクションを溶解し、それを精製し、
それをガエン製剤に製剤化することによって製造され
る。
以下に実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。
実施例1および2はワクチンの製造を例示し、実施例3
は免疫グロブリンG含有製剤の製造を例示する。
実施例1 単価シュードモナス・アエルギノーサべん毛
ワクチン用ワクチン製剤 記述した如く、細菌、シュードモナス・アエルギノー
サ5940培養から得、界面活性剤で処理し、せん断し、ク
ロマトグラフィー処理することによって精製したべん毛
溶液を、蒸留した発熱原(パイロジェン)不含の水で10
0myg/mlのタンパク濃度に調節し、固形塩化ナトリウム
およびメルチオラートを加えて等張性にした(終濃度、
0.9%NaClおよび0.01%メルチオラート)。次いで、溶
液を0.2mym滅菌フィルターで滅菌濾過した。
滅菌濾過試料をタンパク測定した後、べん毛懸濁液を
滅菌NaCl/メルチオラート溶液(0.9%/0.01%)で25myg
/mlタンパクに調節し、次いで、滅菌NaCl/メルチオラー
ト溶液中1%水酸化アルミニウム溶液の添加によって、
20myg/mlに希釈した。
アジュバントを加えたワクチンは、1ml当たり、 20myg べん毛タンパク血清型a0a2 2mg 水酸化アルミニウム 9mg NaCl 0.1mg メルチオラート(安定剤として) を含有した。
シュードモナス・アエルギノーサ1210(血清型a0a
1a2)、5939(血清型a0a3)および170018(血清型a0a3a
4)株を使用し、同様に別の単価ワクチンを製造するこ
とができる。
実施例2 二価シュードモナス・アエルギノーサべん毛
ワクチン用ワクチン製剤 細菌株M−2および5939の培養から得、前記の様にし
て界面活性剤で処理し、ゲル濾過することによって精製
したべん毛懸濁液を、蒸留した発熱原不含の水で100myg
/mlのタンパク濃度に調節し、固形塩化ナトリウムおよ
びメルチオラートを加えて等張性にした(終濃度、0.9
%NaClおよび0.01%メルチオラート)。次いで、溶液を
0.2mymフィルターで滅菌濾過した。
滅菌濾過試料をタンパク測定した後、べん毛懸濁液を
滅菌NaCl/メルチオラート溶液(0.9%/0.01%)で希釈
し、M−2べん毛懸濁液を50myg/mlに、5939べん毛懸濁
液を25myg/mlに調節した。この2懸濁液を等容量で合
し、滅菌NaCl/メルチオラート溶液中1%水酸化アルミ
ニウム溶液の添加によって、それぞれ20および10myg/ml
の抗原濃度に調節した。
アジュバントを加えたワクチンは、1ml当たり、 20myg べん毛タンパク血清型b 10myg べん毛タンパク血清型a0a3 2mg 水酸化アルミニウム 9mg NaCl 0.1mg メルチオラート(安定剤として) を含有した。
上記のシュードモナス5939株のべん毛の懸濁液の代わ
りに、前記血清型bのべん毛と混合したその他の株から
の血清型a0a3のべん毛、および血清型a0a2;a0a1a2また
はa0a3a4のべん毛を使用し、同様にワクチンに製剤化す
ることができる。
実施例3 3.1.べん毛ワクチンによる、血漿供与者の免疫 50人の自発被験者(ボランティア)にそれぞれ、実施
例1の5940培養から製造したワクチン20mygを皮下投与
した。4週間後、40人の被験者にそれぞれ更に20mygを
皮下投与し、更に4週間後、20mygのべん毛抗原で再び
免疫した。免疫によるべん毛抗体の生成を、下記の様な
べん毛ELISAで追跡した。免疫後、3回免疫した被験者
から血漿を採取し、貯蔵した。
3.2.特異性シュードモナス・アエルギノーサべん毛免疫
グロブリン製剤の製造 米国特許第4,276,283号に記載の方法によって、抗シ
ュードモナス・アエルギノーサ抗体を含有している免疫
グロブリンを分離した。供与者から得た貯蔵血漿を7.0
〜7.2のpHに調節し、−2℃の温度に維持した。この溶
液を8重量%のエタノールと混合すると、実質上フィブ
リノーゲンを含有する沈澱が生成した。この沈澱の分離
後、エタノール濃度を25重量%に高め、温度を−6℃に
低下させた。実質上粗製免疫グロブリンからなる生成し
た沈澱を、リン酸酢酸緩衝液で抽出し、12重量%エタノ
ール(pH5.3、−2℃)と混合した。沈澱(アルファ−
およびベータ−グロブリンを含有)を捨て、上清のエタ
ノール濃度を25重量%(pH7.2および温度−10℃)に高
めたところ、免疫グロブリンが沈澱した。この様にして
製造し、集めたペースト状ガンマ−グロブリンフラクシ
ョンを、本発明の以下の方法で更に処理した: 免疫グロブリンペースト1kgを攪拌下、0.9%NaCl溶液
2に溶解し、透析した。その後、タンパク濃度を20g/
lに調節し、イオン強度を0.15に調節した。6.25のpHで1
76g/lの硫酸アンモニウムを加え、沈澱を捨て、上清を2
75g/lの濃度になるまで硫酸アンモニウムと混合し、pH
を7.2に調節した。生成した免疫グロブリン含有沈澱を
水に溶解し、水道水に対して透析した。次いで、150g/l
グルコースの存在下、6.0のpHおよび0.15のイオン強度
にて、この溶液に80g/lのポリエチレングリコールを加
えた。沈澱を捨て、ポリエチレングリコール濃度を95g/
l(pH6.5〜6.6)に高めた。新たに生成した沈澱を捨て
た。
溶液のポリエチレングリコール含有量を180g/l(pH7.
2)に高めると、不純物を含まない免疫グロブリンが沈
澱した。生成物を遠心し、5回洗浄することによって、
残存するポリエチレングリコールを除去した。
この様にして得た静脈内投与用特異性シュードモナス
べん毛免疫グロブリンを、蒸留水で5%(w/v)溶液に
復元した。血清型a0a2のべん毛に対する特異抗体の力価
を、べん毛FLISAで測定し、第2表に示す。1:25,000で
示された力価は、ELISAで明瞭に検出し得る陽性反応を
示した5%免疫グロブリン溶液の1:25,000希釈を表す。
この方法によって、以下に記載のその他のシュードモ
ナス・アエルギノーサべん毛免疫グロブリン製剤全てを
製造した。
本発明のワクチンおよび本発明の、細菌シュードモナ
ス・アエルギノーサ感染症に対して活性な免疫グロブリ
ンG含有製剤(シュードモナス・アエルギノーサべん毛
免疫グロブリン製剤)の効果を証明するために、まず、
べん毛(H)抗原(血清型b、b(a0)、a0a2、a0a
1a2、a0a3およびa0a3a4(合計すると、臨床上重要なシ
ュードモナス病原菌の6種の部分抗原全てを含有する)
がヒトにおいて抗体を生成させることを説明する。
最後に、上記6種類の重要な血清型のべん毛を、SDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて、付着残存してい
る可能性のある極微量の不純物から分離した。界面活性
剤SDSとメルカプトエタノールによって脱重合されたフ
ラジェリン(べん毛抗原)を含有しているべん毛バンド
を、以下の分子量で得た:タイプb:53,050、タイプa0:5
2,000、タイプa0a1a2:51,250、タイプa0a2:45,900、タ
イプa0a3a4:43,500、タイプa0a3:46,700。分子量は、標
準タンパクカルボン酸無水物(31,000MW)、オバルブミ
ン(45,000MW)およびBSA(66,200)のレーンから算出
した。タンパクのバンドをエレクトロトランスファーに
よって、ポリアクリルアミドゲルからニトロセルロース
箔に移した。ツウィーン80を飽和させることによって、
遊離タンパク結合をニトロセルロース箔上でブロックし
た後、適当な希釈度のヒト血清中で箔をインキュベート
した。この血清は、上記抗原を含有している単価べん毛
ワクチンで数回免疫した供与者から得た。最初に、供与
者の血清が免疫前に有意なべん毛抗体力価を有していな
いことをELISA対照群によって確かめた。
免疫後のべん毛特異抗体の存在は、ニトロセルロース
箔上の各フラジェリンバンドに対するこれらの抗体の結
合によって検出することができた。これは、酵素標識し
た第2の抗体および発色性基質と一緒に展開されること
によって、箔上で見えるようにすることができる。染色
強度によって、結合した特異抗体の量を限定的に推断す
ることができる。
結果を第1表に示す。評価のために、ホモローガスな
抗血清で得た染色強度を“++”で記載し、他の血清型
を有するフラジェリンへの抗体の結合をそれに関連づけ
て評価する。ニトロセルロース箔上にバンドが認められ
なかった場合、表に“−”を記載した。
第1表から、例えば、ある種のaタイプフラジェリン
に対する血清は、タイプaのその他の抗原に対しても反
応するので、交差反応性をみることができる。また、抗
aタイプフラジェリン抗体は同じaタイプだけでなく、
bおよびb(a0)タイプフラジェリンにも結合する。し
かしながら、この結合の強さは通常、種々のaタイプ間
で観察される交差反応より明らかに小さい。一方、抗b
および抗b(a0)タイプフラジェリン抗体は、タイプa
フラジェリンに結合しないか、またはかろうじて結合す
る。
べん毛(H)抗原b、b(a0)、a0a2、a0a1a2、a
0a3、a0a3a4を使用して、高力価抗体および静脈内投与
用高力価ヒト免疫グロブリンG含有製剤を入手し得るこ
とを証明するために、臨床研究のフェーズIにおいて、
自発被験者を単価抗原b、a0a0a2、a0a1a2、a0a3および
a0a3a4にて定期的間隔で数回免疫した。これらの供与者
から血漿を集め、血清型によって別個に貯蔵した。これ
から、実施例3に記載の方法によって、静脈内投与用免
疫グロブリンG製剤を製造した。以下、これを、それぞ
れとべん毛血清型を加えたシュードモナスべん毛免疫グ
ロブリン(PsH)として記載する。即ち、例えばpsHbは
タイプb抗原からのべん毛ワクチンで免疫された供与者
の血漿から回収された製剤を意味する。
フラジェリンELISAによって、H血清型特異性力価を
調べた。高純度べん毛製剤を、ドデシル硫酸ナトリウム
の1%溶液中、室温で30分間インキュベートし、これに
よってべん毛を脱重合してフラジェリンモノマーとし
た。次いで、フラジェリン溶液を炭酸バッファー(pH9.
6)に対してゲル濾過カラムで再緩衝化し、タンパクの
評価の後、0.5myg/mlの濃度に調節した。次に、この溶
液からのフラジェリンを固相担体(微量滴定トレーまた
は巣板のウェル)に結合させた。遊離タンパク結合をリ
ン酸緩衝化食塩水中0.05%ツイーン20溶液でブロックし
た後、べん毛特異抗体のみが担体上固定化フラジェリン
に結合し得た。
数回洗浄後、結合した抗体を酵素標識した第2の抗体
(抗ヒトIgG−PODコンジュゲート)によって検出し、比
色分析法によって定量的に調べた。測定した力価を第2
表に示し、種々のべん毛抗原の等myg量に関連づける。
力価は、ELISAにおいてなお明瞭に陽性の反応を示す
5%シュードモナスべん毛免疫グロブリン溶液の希釈度
を示す。
10個のELISA巣板それぞれに結合したタンパクを加水
分解した後、固定されたタンパクの量を、EP−A−0252
064に記載の精製べん毛抗原のアミノ酸成分を使用し、
アミノ酸分析によって測定した。
次に証明することは、この様にして得たシュードモナ
ス免疫グロブリン製剤からの抗体がホモローガスなべん
毛血清型のフラジェリン分子に結合し、更に単一供与者
の血清で観察された交差反応性(第1表)が高免疫グロ
ブリン製剤でも起こることである。
前記と同様にしてべん毛製剤のウエスタンブロットを
調製した。ヒト血清の代わりに、5種類の高免疫グロブ
リン製剤の溶液を第1の抗体として使用し、これらをべ
ん毛ELISAによって等力価に調節し、次に更に適当に希
釈した。第1表の記載と同様にして、ブロットの展開お
よび評価を行った。
結果を第3表に示す。
単一供与者の血清で既に証明された様に、aサブクラ
ス成分のいずれかのフラジェリン分子を有するaタイプ
べん毛に対して導かれた全ての抗体の強い交差反応性
は、調べた免疫グロブリン製剤についても観察される。
aタイプべん毛に対して導かれた抗体の(より弱い)結
合がbタイプフラジェリンに対してもおこり得ること
が、同様に明らかである。aタイプフラジェリンに対す
るbタイプ抗体の結合は比較的弱いが、なお明瞭に検出
することができる。
運動性シュードモナス・アエルギノーサ病原体に対す
る本発明の抗体の活性は、その運動の阻害およびそれに
よる感染の病巣の広がりの阻害によるものであると考え
られる。
運動の阻害は、軟寒天遊送集落トレーにおいて証明す
ることができる。濾紙周縁をHBSSG中0.5%PsH溶液20myl
に浸した。これを、病原体懸濁液を軟寒天に浸透させた
後の10myl中10h5病原体の接種物の上に置いた。運動の
阻害の程度を、同様のトレーに適用した対照によって調
べた。この場合、ゼラチンを加えたハンク(Hank′s)
平衡塩類溶液に浸した濾紙周縁を接種物の上に置いた。
ウエスタンブロットと同様に、種々のa血清型べん毛お
よび調べた全ての病原体に対する抗体と、種々のaサブ
タイプ成分のべん毛の間に交差反応が認められた。ウエ
スタンブロットにおいて観察されたaタイプ抗体とbべ
ん毛間の交差反応も、観察することができた。bタイプ
抗体と全てのサブクラスのaタイプべん毛間の交差反応
は、ウエスタンブロットより顕著であた。
結果を第4表に示し、抗体と一緒にインキュベートし
た病原体の遊走ゾーンの直径を、同一トレー上抗体不含
の対照群と比較した。“++”は、遊走ゾーンの直径が
対照のそれより少なくとも40%小さいことを意味し、
“+”は、直径が対照のそれより少なくとも20%、多く
とも40%小さいことを意味する。
第4表の結果は、べん毛(H)抗原で得た本発明の抗
体がシュードモナス細菌株の運動を阻害することを示し
ている。
病巣に存在する細菌の運動を阻害することによって、
患者の体内においてコロニー形成した後にそれが更に広
がることは妨害されるが、病巣に存在する細菌は、例え
ば毒素、プロテアーゼ類等を放出することによって患者
の生体を圧迫するその活性をなお保持している。従っ
て、感染症に対する適切な保護は、能動免疫によって生
成された抗体が侵入物である細菌を急速に殺滅する場合
にのみ保証される。
以下に、べん毛(H)抗原が食菌作用およびホモロー
ガスなシュードモナス細菌株の細胞内殺滅を誘導する証
拠を提供する。
食菌作用試験を行うために、M−2(b)、WR−5
(a0a2)、1210(a0a1a2)、5939(a0a3)および170018
(a0a3a4)株の病原体をルリアブロス培地(Luria Brot
h Medium)で増殖させ、HBSSG中定常増殖期の開始直前
に、1ml当たり8.10h8病原体の生存病原体数に希釈し
た。
5%べん毛免疫グロブリン製剤全てについて、HBSSG
中1:18、1:72および1:288希釈液を調製した。これらの
希釈液からの各々450mylを、50myl病原体懸濁液および
4.5mlHBSSGと一緒に、氷上で2時間インキュベートし
た。このインキュベーションの間に、細菌細胞に対する
特異抗体の結合が生じた。
食菌細胞として、ヒト顆粒細胞を使用する。これら
は、新たに分離した軟膜(白血球層)から得た。この軟
膜は、食塩水デキストロースデキストラン溶液処理によ
って赤血球の大部分が除去された。次に遠心工程を数回
行うことによって、残存する赤血球および血小板が大部
分除去された。食塩水中で洗浄跡、クルター(Coulte
r)計数器で細胞の数を調べ、1.10h7細胞/ml HBSSGに調
節した。この細胞懸濁液から、血球分画をとった。リン
パ球に対する顆粒細胞の割合を、約6:4の標準範囲とし
た。単核細胞の含有率は通常、4〜8%の範囲である。
食菌作用試験では、これらの基準に適合する細胞単離物
を使用することができる。
血液型ABの供与者の貯蔵血液からと吸収ヒト血清(AB
A)を、補対供給源として使用した。その前に、血清を
前記の全ての病原体に吸着させ、病原体当たり1mlの血
清を5×10h9病原体と一緒に氷上で0.5時間インキュベ
ートした。それぞれインキュベーションした後、8,000g
で5分間遠心した。最後のインキュベーション後、これ
を14,000gで15分間、更に遠心した。吸収後、C′H50単
位中の血清の補体含有量を検定した。これは、出発物質
である血清のそれより15%低かった。この様にして得た
ABA血清をハンク(Hank′s)緩衝液中、1:50に予め希
釈し、食菌作用試験で使用した。
食菌作用試験混合物に、顆粒細胞懸濁液100myl、病原
体懸濁液60mylおよび吸収AB血清40mylを微量滴定トレー
のウェル中で混合した。混合直後および37℃で1時間イ
ンキュベートした後、試験混合物から25mylを採取し、
2回蒸留水5mlで希釈した。これによって、顆粒細胞は
浸透圧により崩壊され、それに含有された細菌細胞が放
出される。この懸濁液25mylをプレートし、生存病原体
数を調べた。0および60分の値のコロニー数に基づき、
以下の式: によって殺滅割合を算出した。
対照値の算出は、抗体が負荷された病原体の代わりに
非負荷病原体が使用された試験で得られたt=0および
t=60分の生存病原体値に基づいた。この様にして得た
60および0分の値からの商を上の式において対照値とし
て代用した。
食菌作用試験の結果を第5表に示す。
表に記載された力価は、食菌作用試験で使用された病
原体の50%の殺滅割合に達するために、混合物5ml中4
×10h8病原体のオプソニン化のために調節されねばなら
なかったHタイプ特異的べん毛免疫グロブリン製剤の濃
度を示す。これらの食菌作用力価は、べん毛ELISAで求
められたホモローガスな抗体力価の絶対値および使用さ
れた病原体の50%がそれぞれ(ホモローガスまたはヘテ
ロローガス)のべん毛免疫グロブリンによって殺滅され
た食菌作用検定で求められた希釈因子からの商として算
出された。
第5表から、シュードモナスべん毛免疫グロブリン製
剤がホモローガスおよびヘテロローガスなべん毛血清型
を有する病原体をオプソニン化することがわかる。とり
わけ印象的なことは、全てのPsHa製剤とaタイプおよび
bタイプ病原体との交差反応である。とりわけ低濃度の
PsHa0a2がaタイプおよびbタイプべん毛を有する病原
体の食菌作用を生じる。bタイプの病原体を殺滅するた
めには、PsHb製剤より高濃度のPsHa製剤が必要とされ
る。
これらの結果は、a0a2特異性を有する抗体が全ての臨
床上重要なべん毛血清型を有する病原体からの保護作用
を示し、この保護作用は、a0a2抗体bおよびb抗体から
なる混合物においては、bタイプべん毛を有する病原体
について増強されるに違いないことを示している。
高純度のべん毛抗原で免疫された供与者の血漿から分
離された抗体が、シュードモナス・アエルギノーサ感染
症に対する保護作用を有するか否かは、いままで知られ
ていなかった。前記食菌作用試験によって、全ての臨床
上重要なH血清型に特異性を有すPsH製剤について、こ
の作用が証明された。
以下の第6表に、本発明の単価抗体製剤PsHa0a2の効
果および実施例2に記載の方法によって製造された本発
明の二価製剤であるPsHb/a0a2、PsHb/a0a1a2、PsHb/a0a
3およびPsHb/a0a3a4の活性を示す。
第6表では、食菌作用試験における製剤PsHa0a2の効
果が最初に記載されている。力価データは、次の食菌作
用試験において病原体の50%殺滅に達せしめるために病
原体を負荷する時に調節されるべきこれらの免疫グロブ
リン濃度を表す。第1図は、これらの力価を調べた方法
を示している。即ち、この方法は、5%PsHa0a2溶液の
1:18、1:72および1:288前希釈液450mylを、8×10h8 5
940病原体/mlの懸濁液50mylおよびゼラチンを加えたハ
ンク緩衝液4.5mlと混合する。その後、1:200、1:800お
よび1:3,200の最終希釈液とする。べん毛ELISAで求めた
PsHa0a2の力価は、1:25,000である。細菌を負荷する間
のべん毛抗体の濃度を、1:125、1:31.3および1:7.8で評
価する。第1図では、食菌作用試験で得られた病原体殺
滅割合(絶滅)を、これらの免疫グロブリン濃度に対し
てグラフ化する。これらの殺滅曲線から、調べた病原菌
の50%が殺滅される、表に示された免疫グロブリンの濃
度を求めることができる。
PsHa0a2製剤の効果を評価するために、第6表に記載
の5種類のPsH製剤全ての混合物である標準物質を、各
成分全てを1:2,000のELISA力価に調節した対照として使
用した。
更に、第6表は、PsHbと、製剤PsHa0a2、PsHa0a1a2
PsHa0a3およびPsHa0a3a4各々との混合物の効果を示す。
これらの混合物を、約1:7,500の抗−b力価および同程
度のホモローガスな抗−a力価に調節した。第6表は、
全ての臨床上重要な血清型のべん毛エピトープを有する
シュードモナス・アエルギノーサ株について、これらの
免疫グロブリン混合物で求めた食菌作用力価を示す。
これらの力価は、1:7,500の力価に基づくと、次の食
菌作用試験で使用される病原体の50%殺滅を得るため
に、病原体を負荷するときに免疫グロブリン混合物濃度
を両成分について調節しなければならなかったというこ
とを表している。
第2図から、PsHbおよびPsHa0a3の混合物について、
これらの力価が求められた方法を理解することができ
る。即ち、1:7,500のb−およびa0a3力価を生じる、PsH
b 1mlおよびPsHa0a3 0.33mlの混合物を前記の様に更に
希釈し、食菌作用試験で使用した。第2図では、食菌作
用試験で得られた殺滅割合を、細菌を負荷している時に
存在するbおよびa0a3各成分についての抗体力価に対し
てグラフ化した。
第6表は、PsHa0a2製剤は全ての関連血清型に対して
活性であるが、その効果は標準物質の効果ほど明瞭では
ないということを示している。一方、PsHbおよび製剤Ps
Ha0a2、PsHa0a1a2、PsHa0a3またはPsHa0a3a4のうちの1
種からなる混合物は、標準物質である製剤の効果にほと
んど等しい効果を有しており、個々の成分の製剤の効果
より明らかに大きい(cf.第5表)。この事実を説明す
るために、種々の製剤および混合物についての平均力価
をコラム0に記載する。
血清型bおよびこれから試験しようとする4種類のa
サブタイプの組み合わせの1つのべん毛抗原で免疫され
た供与者の血漿から、混合することによって得られた免
疫グロブリン製剤は、全ての臨床上重要な血清型のべん
毛を有する病原体の殺滅を誘導することができる。上の
結果によると、べん毛抗原bおよび抗原a0a2、a0a1a2
a0a3またはa0a3a4の1種からなる本発明の二価ワクチ
ン、またはその適用後に得られる本発明の免疫グロブリ
ン製剤も、当然、べん毛を有するシュードモナス・アエ
ルギノーサ細菌を有する感染症から保護し得る。
能動免疫に使用しようとする抗原の保護的作用の直接
の証明は、動物モデルにおいてのみ可能であり、以下に
説明する。
患者がシュードモナス感染症に罹患し易い状況を模倣
するために、文献記載の2種類の動物モデル、即ち、火
傷を有するマウスモデル(スティエリッツおよびホルダ
ー(Stieritz,D.D.and I.A.Holder(1975)J.Infect.Di
s.131,688−691))、およびエンドキサン(Endoxan)
モデル(クリッツ、ヒューラー、ジャーマニアー(Cry
z,S,J,Jr.,Furer,E.,Germanier,R.(1983),Infect.Imm
unity 40,659−664))を使用した。
両モデルについて、非免疫動物におけるシュードモナ
ス・アエルギノーサのLD50投与量を調べた。エンドキサ
ンモデルの場合、免疫抑制され、火傷マウスモデルの場
合、一定サイズの火傷が設定された、第7表に記載のべ
ん毛(H)抗原で免疫した後、火傷動物および免疫抑制
動物を、複数の、予め決められたLD50病原体数のホモロ
ーガスなシュードモナス株で感染させた。第7表は、エ
ンドキサンおよび火傷マウスモデルにおいて、記載の抗
原濃度で免疫された動物が100%耐性な、LD50病原体数
(倍数)を示す。結果は、正常および免疫抑制動物にお
ける二価べん毛ワクチンの効果を実証している。
【図面の簡単な説明】
図面の第1図は、食菌試験における免疫グロブリン濃度
と病原体殺滅割合の関係を示すグラフであり、第2図
は、食菌試験における抗体力価と病原体殺滅割合の関係
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−5029(JP,A) 特開 昭62−501363(JP,A)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シュードモナス・アエルギノーサ感染症に
    対して活性な、部分べん毛(H)抗原a0、a1、a2、a3
    a4およびbのいずれかの組み合わせに対する効果を有す
    るワクチンであって、血清型aの単一べん毛(H)抗原
    と血清型bのべん毛(H)抗原の組み合わせを含有する
    ことを特徴とする二価ワクチン。
  2. 【請求項2】抗原が単量体成分からなり、アスパラギン
    酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシン、ア
    ラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、
    フェニルアラニン、リシンおよびアルギニンを68:41:3
    7:46:44:73:29:29:37:3:10:16:16の割合で含有し、45,9
    00の分子量を有する、血清型a0a2のべん毛(H)抗原を
    有する請求項1に記載の二価ワクチン。
  3. 【請求項3】抗原が単量体成分からなり、アスパラギン
    酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシン、ア
    ラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、
    フェニルアラニン、リシンおよびアルギニンを76:44:4
    0:52:50:81:32:32:41:4:12:20:18の割合で含有し、51,2
    50の分子量を有する、血清型a0a1a2のべん毛(H)抗原
    を含有する請求項1に記載の二価ワクチン。
  4. 【請求項4】抗原が単量体成分からなり、アスパラギン
    酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシン、ア
    ラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、
    フェニルアラニン、リシンおよびアルギニンを69:35:3
    8:44:47:73:30:30:60:3:12:21:16の割合で含有し、46,7
    00の分子量を有する、血清型a0a3のべん毛(H)抗原を
    含有する請求項1に記載の二価ワクチン。
  5. 【請求項5】抗原が単量体成分からなり、アスパラギン
    酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシン、ア
    ラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、
    フェニルアラニン、リシンおよびアルギニンを64:33:3
    5:42:44:68:29:29:37:3:10:19:15の割合で含有し、43,5
    00の分子量を有する、血清型a0a3a4のべん毛(H)抗原
    を含有する請求項1に記載の二価ワクチン。
  6. 【請求項6】更に、抗原が単量体成分からなり、アスパ
    ラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、グリシ
    ン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロ
    シン、フェニルアラニン、リシンおよびアルギニンを7
    4:48:48:49:51:91:38:30:43:4:13:18:18の割合で含有
    し、53,050の分子量を有する、血清型bべん毛(H)抗
    原を含有する請求項2、3、4または5に記載の二価ワ
    クチン。
  7. 【請求項7】シュードモナス・アエルギノーサ感染症に
    対して活性な、部分べん毛(H)抗原a0、a1、a2、a3
    a4およびbのいずれかの組み合わせに対する効果を有す
    る、血清型aの単一べん毛(H)抗原と血清型bのべん
    毛(H)抗原の組み合わせを含有してなる二価ワクチン
    の製造方法であって、シュードモナス・アエルギノーサ
    培養からべん毛(H)抗原を得、精製および滅菌濾過
    し、ガレン製剤に製剤化することからなる製造方法。
  8. 【請求項8】べん毛(H)抗原をアジュバントと混合す
    る請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】アジュバントがAl(OH)である請求項8
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】べん毛(H)抗原を保存剤と混合する請
    求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】保存剤がメルチオラートである請求項10
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】血清型aの単一べん毛(H)抗原と血清
    型bのべん毛(H)抗原の組み合わせを含有する二価ワ
    クチンで免疫された供与者の血漿から得た免疫グロブリ
    ンG含有製剤であって、シュードモナス・アエルギノー
    サ病原体の運動を阻害し、該病原体の食菌作用を促進
    し、オプソニン化された病原体の殺滅を誘導する免疫グ
    ロブリンG含有製剤。
  13. 【請求項13】シュードモナス・アエルギノーサ感染症
    に対して活性な、血清型aの単一べん毛(H)抗原と血
    清型bのべん毛(H)抗原の組み合わせを有してなる二
    価ワクチンで免疫された供与者の血漿から得た免疫グロ
    ブリンG含有製剤の製造方法であって、各べん毛(H)
    抗原で免疫されたヒト供与者の血漿をタンパク沈澱剤で
    処理して免疫グロブリンG含有フラクションを沈澱さ
    せ、該免疫グロブリンG含有フラクションを溶解し、精
    製し、ガレン製剤に製剤化することを特徴とする製造方
    法。
  14. 【請求項14】タンパク沈澱剤が硫酸アンモニウムであ
    る請求項13に記載の方法。
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