JPH08136867A - 眼用レンズの親水化処理法 - Google Patents

眼用レンズの親水化処理法

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JPH08136867A
JPH08136867A JP6272188A JP27218894A JPH08136867A JP H08136867 A JPH08136867 A JP H08136867A JP 6272188 A JP6272188 A JP 6272188A JP 27218894 A JP27218894 A JP 27218894A JP H08136867 A JPH08136867 A JP H08136867A
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hydrophilic
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンタクトレンズのばあいには、手指洗浄を
行なっても親水性が容易に低下することがなく、親水性
の持続性にすぐれ、また眼内レンズのばあいには、移植
後に細胞が付着しにくい眼用レンズの親水化処理法を提
供すること。 【構成】 光反応性基を有する親水性ポリマーの水溶液
に眼用レンズを浸漬させたのち、前記水溶液を介して前
記眼用レンズに対して光線を照射することを特徴とする
眼用レンズの親水化処理法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼用レンズの親水化処
理法に関する。さらに詳しくは、涙液の濡れ性にすぐれ
たコンタクトレンズや、移植後に細胞が付着しにくい眼
内レンズなどの眼用レンズをうるための眼用レンズの親
水化処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンタクトレンズの表面を親水化
させる方法としては、たとえば親水性ポリマーを含有す
る溶液にコンタクトレンズを浸漬させる方法が知られて
いる(特開平4−53921号公報および特開平5−1
07512号公報)。
【0003】しかしながら、これらの方法によって親水
化されたコンタクトレンズの表面は、前記親水性ポリマ
ーがただ単に吸着されているだけであるので、該コンタ
クトレンズを手指洗浄した際に、前記親水性ポリマーが
簡単に除去され、親水化効果が低下するという問題があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、たとえばコンタクトレ
ンズのばあいには、手指洗浄を行なっても親水性が容易
に低下することがなく、親水性の持続性にすぐれ、また
眼内レンズのばあいには、移植後に細胞が付着しにくい
眼用レンズの親水化処理法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は光反
応性基を有する親水性ポリマーの水溶液に眼用レンズを
浸漬させたのち、前記水溶液を介して前記眼用レンズに
光線を照射することを特徴とする眼用レンズの親水化処
理法に関する。
【0006】
【作用および実施例】本発明によれば、前記したよう
に、光反応性基を有する親水性ポリマーの水溶液に眼用
レンズを浸漬させたのち、前記水溶液を介して前記眼用
レンズに光線を照射することにより、眼用レンズの親水
化が図られる。
【0007】前記親水性ポリマーは、前記光反応性基を
有するモノマーに由来する光反応性基を1分子中に複数
個有するので、前記親水性ポリマーの水溶液を介して眼
用レンズに光線を照射した際には、前記親水性ポリマー
の光反応性基から複数個のラジカルが生成する。ラジカ
ルを生成した親水性ポリマーは、再度その親水性ポリマ
ーと結合したり、他の親水性ポリマーと結合して架橋構
造を形成すると同時に、眼用レンズの表面を攻撃し、眼
用レンズとのあいだで共有結合を形成する。このように
架橋構造および共有結合が形成されるので、親水性ポリ
マーが眼用レンズに強固に固定化されるものと考えられ
る。
【0008】前記親水性ポリマーは、光反応性基を有す
るモノマーおよび親水性モノマーを含有したモノマー成
分からなる共重合体である。
【0009】前記光反応性基を有するモノマーは、前記
親水性ポリマーを眼用レンズに固定化させるための成分
である。
【0010】前記光反応性基を有するモノマーの代表例
としては、たとえばジメチルジチオカルバミン酸ナトリ
ウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどのジ
アルキルジチオカルバミン酸塩とクロロメチルスチレン
とを反応させてえられた、ビニルベンジル(N,N−ジ
メチルジチオカルバメート)やビニルベンジル(N,N
−ジエチルジチオカルバメート)などのビニルベンジル
(N,N−ジアルキルジチオカルバメート)などがあげ
られる。
【0011】前記親水性モノマーは、前記親水性ポリマ
ーに親水性を付与するための成分である。
【0012】前記親水性モノマーの代表例としては、た
とえば(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)ア
クリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル
(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系モ
ノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートな
どの水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート;N−ビ
ニルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン
などのN−ビニルラクラム;(メタ)アクリル酸などが
あげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用
いられる。これらの親水性モノマーのなかでは、(メ
タ)アクリルアミド系モノマー、とくにN,N−ジメチ
ルアクリルアミドは、えられる親水性ポリマーの水への
溶解度を高くさせるので、本発明においては好適に使用
しうるものである。
【0013】前記光反応性基を有するモノマーの配合量
があまりにも少ないばあい、すなわち親水性モノマーの
配合量があまりにも多いばあいには、えられる親水性ポ
リマーに光線を照射させた際に生成するラジカルの発生
量が少なくなり、該親水性ポリマーが眼用レンズに充分
に固定化されなくなる傾向があるので、前記光反応性基
を有するモノマーの配合量をモノマー成分に対して1モ
ル%以上、なかんづく2モル%以上とし、親水性モノマ
ーの配合量をモノマー成分に対して99モル%以下、な
かんづく98モル%以下とすることが好ましい。また、
前記光反応性基を有するモノマーの配合量があまりにも
多いばあい、すなわち親水性モノマーの配合量があまり
にも少ないばあいには、えられる親水性ポリマーの水へ
の溶解度が低下し、該親水性ポリマーの水溶液をうるこ
とが困難となる傾向があるので、前記光反応性基を有す
るモノマーの配合量をモノマー成分に対して6モル%以
下、なかんづく4モル%以下とし、親水性モノマーの配
合量をモノマー成分に対して94モル%以上、なかんづ
く96モル%以上とすることが好ましい。
【0014】本発明においては、本発明の目的が阻害さ
れない範囲内で疎水性モノマーを前記モノマー成分に適
宜配合することができる。
【0015】前記疎水性モノマーの具体例としては、た
とえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−
プロピル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)
アクリレート;トリフルオロメチル(メタ)アクリレー
ト、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラ
フルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタフルオ
ロプロピル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メ
タ)アクリレート;トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルメチル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシ
ロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、ペンタ
メチルジシロキサニルメチル(メタ)アクリレート、ペ
ンタメチルジシロキサニルプロピル(メタ)アクリレー
ト、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルメチル
(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキ
シ)シリルプロピル(メタ)アクリレートなどのシリコ
ン含有アルキル(メタ)アクリレート;ペンタフルオロ
スチレン、トリフルオロメチルスチレン、p−ビニル安
息香酸2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロ
メチル)エチルエステル、(p−ビニルフェニル)酢酸
2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチ
ル)エチルエステルなどのフッ素含有スチレン;トリメ
チルシリルスチレン、トリス(トリメチルシロキシ)シ
リルスチレンなどのシリコン含有スチレンなどがあげら
れ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いられ
る。
【0016】前記疎水性モノマーの配合量は、眼用レン
ズの使用目的に応じて適宜調整されればよいが、本発明
の目的が阻害されないようにするためには、通常、モノ
マー成分に対して5モル%以下、なかんづく2モル%以
下とすることが好ましい。
【0017】前記モノマー成分の重合は、光反応性基を
有するモノマーが有する光反応性基からラジカルが生成
することを防ぐために、遮光し、かつできるだけ酸素を
取り除いた条件のもとで行なうことが好ましい。
【0018】前記モノマー成分の重合法の一例をあげれ
ば、たとえばモノマー成分およびラジカル重合開始剤を
添加した反応容器を遮光し、かつ酸素を充分に除去した
のちに密閉し、約30℃に保ちながら重合を行なう方法
などがあげられる。
【0019】前記ラジカル重合開始剤の具体例として
は、たとえば2,2´−アゾビス−2,4−ジメチルバ
レロニトリル、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル
などのアゾ化合物、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物な
どがあげられ、これらのラジカル重合開始剤は単独でま
たは2種以上を混合して用いられる。前記ラジカル重合
開始剤の配合量は、重合を開始させるために充分な量以
上であればよく、通常、前記モノマー成分100重量部
に対して0.03〜0.15重量部、好ましくは0.0
5〜0.1重量部であることが望ましい。また、重合を
行なう際の反応温度、反応時間および反応雰囲気は、と
くに限定がないが、親水性ポリマーを充分に生成させる
ためには、反応温度は20〜40℃程度、なかんづく2
5〜35℃程度、反応時間は30〜70時間程度、なか
んづく40〜60時間程度、また反応雰囲気は、反応容
器内に脱酸素剤を備えつけたり、反応容器内にチッ素ガ
スやアルゴンガスなどの不活性ガスを導入することによ
り、酸素が除去されていることが好ましい。
【0020】なお、えられた親水性ポリマーは、必要に
より、たとえば再沈殿法などによって精製することが好
ましい。
【0021】前記親水性ポリマーの水溶液は、えられた
親水性ポリマーを水に溶解させることによって調製され
るが、かかる水溶液中の親水性ポリマーの濃度は、あま
りにも低いばあいには、前記親水性ポリマーが眼用レン
ズに充分に固定化されなくなる傾向があるので、1重量
%以上、なかんづく2重量%以上であることが好まし
く、またあまりにも高いばあいには、該親水性ポリマー
の水溶液の粘度が高くなり、取り扱いにくくなる傾向が
あるので、7重量%以下、なかんづく6重量%以下であ
ることが好ましい。
【0022】前記眼用レンズとしては、とくに限定がな
く、その表面に親水性を付与させたいものであればよ
い。その一例としては、たとえば酸素透過性ハードコン
タクトレンズなどのコンタクトレンズ、眼内レンズなど
があげられる。
【0023】前記眼用レンズに光線を照射する方法とし
ては、眼用レンズを劣化させないようにするために、親
水性ポリマーの水溶液を介して眼用レンズに光線を照射
することにより、眼用レンズに親水性ポリマーを固定化
させることができれば、とくに限定がない。
【0024】前記光線の種類は、照射した際に光反応性
基からラジカルが生成すればよく、とくに限定がない。
かかる光線の代表例としては、たとえば紫外線などがあ
げられ、かかる紫外線の光源としては、たとえば市販さ
れている高圧水銀ランプなどがあげられる。なお、前記
光線の照射時間は、親水性ポリマーが有する光反応性基
の量や、親水性ポリマーの水溶液中の親水性ポリマーの
濃度などによって異なるので一概には決定することがで
きないが、通常、20〜120分間程度、なかんづく3
0〜90分間程度であることが好ましい。
【0025】かくして、親水性ポリマーの水溶液に眼用
レンズを浸漬させたのち、前記水溶液を介して眼用レン
ズに光線を照射させ、親水性ポリマーを眼用レンズに強
固に固定させることにより、該眼用レンズを親水化させ
ることができる。
【0026】したがって、眼用レンズがコンタクトレン
ズであるばあい、手指洗浄を行なったばあいであっても
親水性がほとんど低下しないものとなり、コンタクトレ
ンズの涙液の濡れ性を向上させることができ、また眼用
レンズが眼内レンズであるばあいには、該眼内レンズに
細胞が付着するのを防止することができる。
【0027】つぎに本発明の眼用レンズの親水化処理法
を実施例にもとづいてさらに詳細に説明するが、本発明
はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0028】製造例1 (p−ビニルベンジル(N,N
−ジエチルジチオカルバメート)の合成) 滴下ロートおよびジムロートを装着した300ml容の
三つ口フラスコに、チッ素ガス気流下においてエタノー
ル180mlとN,N−ジエチルジチオカルバミン酸ナ
トリウム三水和物33.82gを加え、該N,N−ジエ
チルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物を溶解させ
たのち、撹拌しながらp−クロロメチルスチレン22.
96gを滴下ロートから室温で滴下した。反応の進行度
合を薄層クロマトグラフィーにて確認しながら室温で撹
拌を続け、滴下終了時から85分間経過後に撹拌を終了
した。えられたエタノール溶液中には、析出物が認めら
れた。
【0029】前記エタノール溶液からエタノールを留去
し、えられた反応生成物をベンゼン800mlに加えて
撹拌した。えられたベンゼン溶液を濾過し、えられた濾
液を蒸留水で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムを用い
て乾燥させた。
【0030】乾燥後のベンゼン溶液を濾過したのち、え
られた濾液からベンゼンを留去した。えられた粗生成物
をn−ヘキサンを用いて再結晶させたところ、収量2
3.78g、収率60%で精製物(融点56.2〜5
6.8℃)をえた。
【0031】えられた精製物について、赤外吸収スペク
トルを、日本分光工業(株)製、FT/IR−8300
を用いてKBr錠剤法により測定し、また質量スペクト
ルをヒューレット パッカード社製、GC−MS(58
90IIガスクロマトグラフ+5917A質量検出器)
を用いて測定した結果、えられた精製物がp−ビニルベ
ンジル(N,N−ジエチルジチオカルバメート)(以
下、VBETCという)であることが確認された。
【0032】製造例2 密閉可能なガラス製試験管に、製造例1でえられたVB
ETC2モル%およびN,N−ジメチルアクリルアミド
98モル%からなるモノマー成分と、かかるモノマー成
分100重量部に対して2,2´−アゾビス−2,4−
ジメチルバレロニトリル0.05重量部を混合したもの
とを加え、VBETCが光重合反応を起こさないように
該ガラス製試験管を遮光した。該ガラス製試験管に脱酸
素剤(三菱瓦斯化学(株)製、商品名エージレス)を備
えつけたのち、該ガラス製試験管を密閉した。
【0033】つぎにかかるガラス製試験管を30℃の恒
温水槽中に46時間浸漬させて重合させたのち、えられ
たポリマーをガラス製試験管から取り出し、テトラヒド
ロフランに溶解させ、えられた溶液をn−ヘキサンに加
え、ポリマーを再沈殿させることにより精製した。
【0034】精製後のポリマーの赤外吸収スペクトル
を、製造例1と同様にして測定し、さらに、精製後のポ
リマーの 1H−核磁気共鳴スペクトルを、日本電子
(株)製、JNM−PMX60を用いて測定した結果、
かかるポリマーにVBETCが導入されていることが確
認された。
【0035】製造例3 製造例2において、VBETCの使用量を4モル%と
し、N,N−ジメチルアクリルアミドの使用量を96モ
ル%としたほかは製造例2と同様にしてポリマーをえ
た。
【0036】えられたポリマーの赤外吸収スペクトルお
よび 1H−核磁気共鳴スペクトルを、製造例2と同様に
して測定した結果、かかるポリマー中にVBETCが導
入されていることが確認された。
【0037】製造例4 製造例2において、VBETCを用いず、またN,N−
ジメチルアクリルアミドの使用量を100モル%とした
ほかは製造例2と同様にしてポリマーをえた。
【0038】実施例1 シロキサニルスチレンを約50重量%およびフルオロア
ルキルメタクリレートを約50重量%含有したモノマー
成分を共重合させて酸素透過性ハードコンタクトレンズ
材料をえた。
【0039】えられたレンズ材料を切削し、その両面を
研磨して直径12.7mm、厚さ0.5mmのプレート
をえた。
【0040】製造例2でえられたポリマー2部(重量
部、以下同様)および蒸留水98部を混合させて水溶液
を調製し、かかる水溶液10mlと前記プレートとを2
0ml容の蓋付サンプル瓶(ガラス製)に入れ、プレー
ト全体を前記水溶液に浸漬させた。
【0041】紫外線の光源として高圧水銀灯(セン特殊
水源(株)製、AB−100−A)を用い、水溶液に浸
漬されたプレートの両面に、該プレートから約10cm
離れたところから均等に、表1に示された時間で紫外線
を照射させた。
【0042】紫外線を照射させたあとのプレートを、表
面のぬめりがなくなるまで中性洗剤と蒸留水とを用いて
手指で充分に洗浄したのち、室温で乾燥させた。えられ
たプレートの表面状態を、前記水溶液に浸漬させる前の
状態と比較すると、肉眼で見て、何らの差異が確認され
なかった。
【0043】えられたプレートの接触角を、ゴニオメー
ターを用いて、液滴法および気泡法にしたがって測定し
た。その結果を表1に示す。
【0044】比較例1 実施例1でえられたレンズ材料を切削し、その両面を研
磨して直径12.7mm、厚さ0.5mmのプレートを
えた。
【0045】えられたプレートの接触角を、実施例1と
同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0046】実施例2 実施例1において、製造例2でえられたポリマー2部の
かわりに、製造例3でえられたポリマー2部を用いたほ
かは実施例1と同様にして乾燥後のプレートをえた。え
られたプレートの表面状態を、前記ポリマーの水溶液に
浸漬させる前の状態と比較すると、肉眼で見て、何らの
差異が確認されなかった。
【0047】えられたプレートの接触角を、実施例1と
同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0048】比較例2 実施例1において、製造例2でえられたポリマー2部の
かわりに、製造例4でえられたポリマー2部を用いたほ
かは実施例1と同様にして乾燥後のプレートをえた。え
られたプレートの表面状態を、前記ポリマーの水溶液に
浸漬させる前の状態と比較すると、肉眼で見て、何らの
差異が確認されなかった。
【0049】えられたプレートの接触角を、実施例1と
同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0050】実施例3 メチルメタクリレートを約97重量%およびエチレング
リコールジメタクリレートを約3重量%含有したモノマ
ー成分を共重合させて眼用レンズ材料をえた。
【0051】えられた眼用レンズ材料を切削し、その両
面を研磨して直径12.7mm、厚さ0.5mmのプレ
ートをえた。
【0052】製造例3でえられたポリマー4部および蒸
留水96部を混合させて水溶液をえ、かかる水溶液の1
0mlと前記プレートとを20ml容の蓋付サンプル瓶
(ガラス製)に入れ、プレート全体を前記水溶液に浸漬
させたのち、実施例1と同様にして、表1に示された時
間で該プレートに紫外線を照射した。
【0053】紫外線を照射したあとのプレートを、実施
例1と同様にして洗浄し、乾燥させた。えられたプレー
トの表面状態を、前記水溶液に浸漬させる前の状態と比
較すると、肉眼で見て、何らの差異が確認されなかっ
た。
【0054】えられたプレートの接触角を、実施例1と
同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0055】比較例3 実施例3でえられたレンズ材料を切削し、その両面を研
磨して直径12.7mm、厚さ0.5mmのプレートを
えた。
【0056】えられたプレートの接触角を、実施例1と
同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0057】なお、表中の略号は、以下のことを意味す
る。
【0058】DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミ
ド V−65:2,2´−アゾビス−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル
【0059】
【表1】
【0060】表1に示された結果から、本発明の親水化
処理法によって親水化された実施例1〜2でえられたプ
レートは、本発明の親水化処理法が施されていない比較
例1でえられたプレートと比較して、接触角が小さいこ
とがわかる。
【0061】また本発明の親水化処理法によって親水化
された実施例3でえられたプレートは、本発明の親水化
処理法が施されていない比較例3でえられたプレートと
比較して、接触角が小さいことがわかる。
【0062】さらに、実施例1〜2でえられたプレート
は、光反応性基を有する親水性ポリマーが用いられてい
るので、かかる光反応性基を有していない親水性ポリマ
ーが用いられた比較例2と対比して、いずれも接触角が
小さいことがわかる。
【0063】また、実施例1〜3の結果から、紫外線の
照射時間を60分間としたばあいよりも120分間と長
くしたばあいのほうが、液滴法および気泡法での接触角
がいずれも小さくなることがわかる。
【0064】
【発明の効果】本発明の眼用レンズの親水化処理法によ
れば、該眼用レンズに親水性を付与することができる。
【0065】したがって、眼用レンズがコンタクトレン
ズであるばあいには、該コンタクトレンズに手指洗浄を
行なったばあいであっても親水性がほとんど低下しない
ものとなり、該コンタクトレンズの涙液の濡れ性を向上
させることができるというすぐれた効果を奏する。
【0066】また眼用レンズが眼内レンズであるばあい
には、該眼内レンズに細胞が付着しにくいというすぐれ
た効果を奏する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反応性基を有する親水性ポリマーの水
    溶液に眼用レンズを浸漬させたのち、前記水溶液を介し
    て前記眼用レンズに光線を照射することを特徴とする眼
    用レンズの親水化処理法。
  2. 【請求項2】 光反応性基を有する親水性ポリマーが、
    光反応性基を有するモノマーおよび親水性モノマーを含
    有したモノマー成分からなる共重合体である請求項1記
    載の眼用レンズの親水化処理法。
  3. 【請求項3】 光反応性基を有するモノマーが、ビニル
    ベンジル(N,N−ジエチルジチオカルバメート)であ
    る請求項2記載の眼用レンズの親水化処理法。
  4. 【請求項4】 親水性モノマーが、(メタ)アクリルア
    ミド系モノマーを含有したものである請求項2または3
    記載の眼用レンズの親水化処理法。
  5. 【請求項5】 光線が紫外線である請求項1、2、3ま
    たは4記載の眼用レンズの親水化処理法。
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