JPH08134526A - 精錬用石灰系フラックスのためのマグネシア系滓化促進剤およびその製造法 - Google Patents

精錬用石灰系フラックスのためのマグネシア系滓化促進剤およびその製造法

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JPH08134526A
JPH08134526A JP6059980A JP5998094A JPH08134526A JP H08134526 A JPH08134526 A JP H08134526A JP 6059980 A JP6059980 A JP 6059980A JP 5998094 A JP5998094 A JP 5998094A JP H08134526 A JPH08134526 A JP H08134526A
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JP
Japan
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magnesia
slag formation
flux
magnesium hydroxide
lime
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JP6059980A
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English (en)
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Ritsuo Tajima
律雄 但馬
Kazuo Wakabayashi
一男 若林
Akira Iwami
暁 岩見
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OSAKA KOUKAI KK
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OSAKA KOUKAI KK
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 融点の高い石灰系フラックスの造滓性を高め
るマグネシア系添加剤の滓化促進性を向上させることが
できるようにすること。 【構成】 精錬用石灰系フラックスの滓化作用を促進す
るため溶湯に投入されるマグネシア系滓化促進剤の主成
分は軽焼マグネシアMgOとするが、それに水酸化マグ
ネシウムMg(OH)2 を10重量%ないし30重量%
含ませておく。この水酸化マグネシウムは、主成分であ
る軽焼マグネシアに水を添加して適度な大きさに造粒し
乾燥させれば、おのずと軽焼マグネシアに混入させてお
いたようになる。水酸化マグネシウムの融点は350℃
と低く、融点の高いMgOと石灰系フラックスの主成分
であるCaOとの低融点化合物を生成しやすくなり、そ
れによって、CaOの造滓作用が促され、脱硫・脱燐を
早期に行わせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は精錬用石灰系フラックス
のためのマグネシア系滓化促進剤およびその製造法に係
り、詳しくは、溶湯に投入される石灰系フラックスの造
滓性を向上させるべく、融点降下による反応性を高める
ために添加されるマグネシア系の滓化促進剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】鋼材中の不純物元素を低減させるため
に、鋼の溶製中に、スラグよって脱酸,脱硫や脱燐さら
には介在物の形態制御などをすることが種々の方法で行
われている。その精錬過程において溶鋼中の硫黄分など
と反応させて製鋼スラグの生成の促進を図るために、転
炉や電気炉内の溶湯に造滓剤としてソーダ灰系フラック
スや石灰系フラックスをブリケットにして投入したり、
粉体状にしてサブランスから吹き込んだりされる。しか
し、ソーダ灰系フラックスは、生成されるスラグが環境
破壊をきたすなど再利用しにくいことから使われなくな
る傾向にあり、最近では生石灰を主成分とする石灰系フ
ラックスが使用されることが多い。
【0003】ところで、製鋼で使用される生石灰CaO
の融点は2,625℃といったように高い。そこで、溶
鋼中での反応滓化を促進するために上記したごとく粉体
化させたり、蛍石などのふっ化物CaF2 、アルミナA
2 3 もしくはマグネシアMgOを添加して低融点化
合物をつくり、スラグと溶鉄の反応を促進させるように
している。上記した蛍石は、製銑や製鋼作業などにおい
て、製品中に不純物が入らないように不純物と化合する
溶剤として鉱滓の分離を促進させたり、脱硫,脱燐させ
るなどするうえで重要な作用、すなわち、造滓時の石灰
系フラックスの融点を実質的に下げる効果を発揮する。
これは、CaOの溶融スラグへの溶解メカニズムにおい
て、CaO−SiO2系スラグで生成される化合物相2
CaO・SiO2 が、融点の低い蛍石の溶融によって生
じるぬれ層を通して滓化されやすくなるからであると言
われている。
【0004】その蛍石を添加した石灰系フラックスは、
溶融処理法もしくは焼結処理法によって製造される。前
者は、蛍石の塊状体と石灰石の塊状体とをロータリキル
ンや電気炉などで1,500℃以上の高温により溶融す
る方法であり、後者は、蛍石と石灰石とをそれぞれ予め
超微粉化しておき、ロータリキルンなどで1,200℃
ないし1,300℃の温度によって焼成させる方法であ
る。しかし、いずれの方法によって製造するにしても、
融点1,360℃の蛍石が反応を起こしてキルン耐火壁
を損傷させる問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近では、蛍石に代わ
るものとして上記したごとくのアルミナ、ドロマイト、
マグネシアなどが使用されるようになってきている。こ
れらの添加剤も、造滓時の石灰系フラックスの融点を実
質的に下げる効果を発揮するからである。上記のうちア
ルミナは高価であることから使用に制約を受けることが
多い。そこで、CaOの滓化を促すMgOを含むドロマ
イトもしくはマグネシアが一般に使用される。ドロマイ
トとしては軽焼ドロマイトが使用される。これは、ドロ
マイトMgCO3 ・CaCO3 を700℃ないし1,0
00℃で焼成し、CO2 ガスを除いたものであり、炉を
傷めない利点がある。
【0006】しかし、ドロマイトは産地によってCaO
とMgOの含有率にバラつきあり、スラグ中のMgOを
一定割合に保つことが困難となることが多い。それゆ
え、大部分がMgOであり、従前ではゴム混和剤などフ
ィラーとして使用されたりマグネシアセメントの原料と
して使用されるにすぎなかった軽焼マグネシアが利用さ
れるようになってきている。軽焼マグネシアは、海水マ
グネシアから製造することもできるが高価である。一
方、マグネサイトMgCO3 を700℃ないし800℃
で熱分解すると、比較的安価にMgOが得られる。この
MgOの融点は2,800℃であり、少しぐらい不純物
があっても滓化しにくい。すなわち、溶融するまで生石
灰との反応が起こらず、溶湯に投入してから滓化促進剤
としての機能を発揮するまでの時間が長くなり、溶融の
ために消費される熱エネルギ量も増大するという難点が
ある。
【0007】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、融点の高い石灰系フラックスの造滓性
を高めるマグネシア系添加剤の滓化促進性を向上させる
ことができるようにすること、炉体耐火壁の損傷を可及
的に抑えると共に安価に製造することができる精錬用石
灰系フラックスのためのマグネシア系滓化促進剤および
その製造法を提供することである。なお、本発明は、水
酸化マグネシウムMg(OH)2 がマグネシア系滓化促
進剤の主成分である軽焼マグネシアを使用して生成でき
ること、水酸化マグネシウムは融点がマグネシアMgO
より著しく低いこと、それによって、生石灰とマグネシ
アとの反応が進行して石灰系フラックスによる脱燐・脱
硫作用が促進されるということを種々の研究を重ねて見
出したことに基づく。それのみならず、溶湯中の水素を
増やすことになるということで省みられることのなかっ
た水酸化マグネシウムから発生するH2 Oは、マグネシ
ア系滓化促進剤をポーラス化したりバラけさせる作用が
あるという従来では着目されることのなかった現象を利
用するという知見にもよっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、精錬用石灰系
フラックスの滓化作用を促進するため溶湯に投入される
マグネシア系滓化促進剤に適用される。その特徴とする
ところは、マグネシア系滓化促進剤の主成分は軽焼マグ
ネシアMgOであって、水酸化マグネシウムMg(O
H)2 が10重量%ないし30重量%含まれていること
である。
【0009】製造方法の発明においては、マグネサイト
MgCO3 を700℃ないし800℃で加熱して軽焼マ
グネシアMgOを生成し、その生成された軽焼マグネシ
アを粗粉砕した後に1mm径以下に粉砕する。その粉砕
された軽焼マグネシアに5重量%ないし30重量%の水
を添加して水酸化マグネシウムMg(OH)2 を生成さ
せると共に、それを混練する。その混練物を5mmない
し50mm径に造粒した後に、付着水分を除去するよう
に乾燥させることである。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、精錬用石灰系フラック
スのためのマグネシア系滓化促進剤としての軽焼マグネ
シアの融点を低下させることができ、石灰系フラックス
の造滓性を高め、脱硫・脱燐などの作用を短時間で発揮
させることができる。製造法の発明にあっては、MgO
に混入される水酸化マグネシウムの生成において、炉体
耐火壁が損傷を受けることはなく、しかも、マグネシア
系滓化促進剤を構成する軽焼マグネシアから生成される
ので、安価に製造することができるようになる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明に係る精錬用石灰系フラック
スのためのマグネシア系滓化促進剤について、詳細に説
明する。マグネシア系滓化促進剤としては、軽焼ドロマ
イトや軽焼マグネシアなどが好適であることは従来技術
のところで説明した。前者の軽焼ドロマイトの場合には
滓化を促進するマグネシアMgOの含有率が一定しない
こともあって、軽焼マグネシアが有効である。その軽焼
マグネシアは融点が2,800℃と高いので、これに3
50℃といったごとく融点の低い水酸化マグネシウムM
g(OH)2 を混入させておく。この水酸化マグネシウ
ムは溶湯に投入されると、比較的早い時期に熱分解し
て、その際にマグネシアが砕かれる。これによって、M
gOが石灰系フラックスのCaOと反応して低融点化合
物を生成しやすくなる。これが石灰系フラックスの融点
を実質的に低下させたことになり、石灰系フラックスに
よる造滓作用が早期に実現される。少し表現を変えて述
べると、軽焼マグネシアに混在された水酸化マグネシウ
ムが熱分解する際にH2 Oが消散する。これによって軽
焼マグネシアはポーラス化したり、Mg(OH)2 の分
解時に軽焼マグネシアをバラけさせる。したがって、軽
焼マグネシアと生石灰との反応が促されて低融点化合物
が生成され、それによる熱伝導性の向上と滓化作用の増
強で脱燐・脱硫などが促進される。
【0012】上記したようなマグネシア系滓化促進剤
は、次のようにして製造することができる。マグネサイ
トMgCO3 をロータリキルン,反射炉,流動焙焼炉な
どにおいて700℃ないし800℃で加熱し、軽焼マグ
ネシアMgOを生成させる。その生成された軽焼マグネ
シアを例えばクラッシャで粗粉砕し、その後に1mm径
以下好ましくは100メッシュ以下にロールミルなどに
よって粉砕する。粉砕された軽焼マグネシアに5重量%
ないし30重量%、最も好ましくは20重量%の水を添
加して水酸化マグネシウムMg(OH)2 を生成させ
る。このとき生成されるMg(OH)2 は、30重量%
ないし40重量%程度となる。この水添加物を混練機な
どによって混練し、ペレタイザなどによって5mmない
し50mm径に造粒する。もしくは、ブリケットマシン
を用いて所定寸法のブリケット(塊)にする。これらの
造粒物をロータリドライヤなどによって乾燥させ、造粒
物の付着水分を除去する。このようにして軽焼マグネシ
アの一部を水酸化マグネシウムに置き換える。
【0013】水酸化マグネシウムの含有量が少なすぎる
と滓化の促進効果が減退する一方、多すぎると溶製され
た鋼中の水素が増加することになって好ましくない。そ
れゆえ、石灰系フラックスに添加されるマグネシア系滓
化促進剤における水酸化マグネシウムの含有率は10重
量%ないし20重量%程度としておくことが好適である
と言える。なお、精錬時間が長い場合には、その初期に
おいてH2 Oを消散させる時間が確保されやすいので、
水酸化マグネシウムの含有率を最大30重量%程度まで
にしておいても差し支えない。ちなみに、上記の工程を
経て製造されたマグネシア系滓化促進剤における水酸化
マグネシウムの含有率が上記したように30重量%ない
し40重量%にも及ぶ場合に、その含有率が高いと判断
されるときは、そのマグネシア系滓化促進剤に軽焼マグ
ネシアを追加して、例えば20重量%までに留めるよう
に調整すればよい。
【0014】以上の説明から分かるように、水酸化マグ
ネシウムMg(OH)2 は、マグネシア系滓化促進剤の
主成分であるMgOを使用して生成することができる。
そして、水酸化マグネシウムは融点がマグネシアMgO
より著しく低い350℃であるので、水酸化マグネシウ
ムの分解によるマグネシアの微細化が進み、生石灰とマ
グネシアとの反応が進行して溶湯の脱燐・脱硫が促進さ
れる。水酸化マグネシウムの生成や熱分解においては蛍
石を添加する場合のような炉体損傷を伴うことがなく、
また、軽焼マグネシアをそのまま用いて、すなわち、別
途原料を導入することがなく、安価に滓化促進剤を製造
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 一男 兵庫県尼崎市長洲中通1丁目1番1号 大 阪鋼灰株式会社内 (72)発明者 岩見 暁 大阪府大阪市淀川区西中島7―9―3 エ ステート新大阪ビル3F 日本マテリアル 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精錬用石灰系フラックスの滓化作用を促
    進するため溶湯に投入されるマグネシア系滓化促進剤に
    おいて、 上記マグネシア系滓化促進剤の主成分は軽焼マグネシア
    MgOであって、水酸化マグネシウムMg(OH)2
    10重量%ないし30重量%含まれていることを特徴と
    する精錬用石灰系フラックスのためのマグネシア系滓化
    促進剤。
  2. 【請求項2】 精錬用石灰系フラックスの滓化作用を促
    進するため溶湯に投入されるマグネシア系滓化促進剤の
    製造方法において、 マグネサイトMgCO3 を700℃ないし800℃で加
    熱して、軽焼マグネシアMgOを生成する工程と、 その生成された軽焼マグネシアを粗粉砕した後に、1m
    m径以下に粉砕する工程と、 粉砕された軽焼マグネシアに5重量%ないし30重量%
    の水を添加して水酸化マグネシウムMg(OH)2 を生
    成させると共に、それを混練する工程と、 該混練物を5mmないし50mm径に造粒する工程と、 該造粒物の付着水分を除去して乾燥させる工程とを経る
    ことを特徴とする精錬用石灰系フラックスのためのマグ
    ネシア系滓化促進剤の製造法。
JP6059980A 1994-03-04 1994-03-04 精錬用石灰系フラックスのためのマグネシア系滓化促進剤およびその製造法 Pending JPH08134526A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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