JPH06157084A - 金属精錬における塊状または粉状の石灰系フラックスの製造方法 - Google Patents

金属精錬における塊状または粉状の石灰系フラックスの製造方法

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JPH06157084A
JPH06157084A JP4332399A JP33239992A JPH06157084A JP H06157084 A JPH06157084 A JP H06157084A JP 4332399 A JP4332399 A JP 4332399A JP 33239992 A JP33239992 A JP 33239992A JP H06157084 A JPH06157084 A JP H06157084A
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flux
metal
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Kazuo Wakabayashi
一男 若林
Ritsuo Tajima
律雄 但馬
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OSAKA KOUKAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 石灰系フラックスを製造するに際して蛍石を
添加する場合、蛍石と煉瓦との反応を抑制して、焼成炉
の耐火壁を損傷させないようにすること。 【構成】 蛍石および石灰石などを1mm径以下の大き
さに粉砕し、蛍石を5重量%ないし60重量%含ませ、
5mmないし20mmに造粒した後、900℃ないし
1,000℃で焼成する。このような石灰系フラックス
は、転炉や電気炉などの金属精錬炉における溶湯内に供
給され、溶融金属中の硫黄分や燐酸分などと反応させて
金属スラグ生成の促進を図るために使用される融点の低
い造滓剤となる。石灰石の一部を消石灰と置き換えたり
全量を消石灰としてもよい。そして、石灰石をライムケ
ーキに代替させたり、消石灰をカーバイドスラグとする
こともでき、産業廃棄物の再利用も実現される。フラッ
クス製造時の温度も低下され、燃料原単位の低減も図ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属精錬における塊状
または粉状の石灰系フラックスの製造方法に係り、詳し
くは、炭酸カルシウムもしくは水酸化カルシウムもしく
はその混合物から石灰系フラックスの製造を実現すると
共に、蛍石を添加してフラックスの滓化性を向上させ、
かつ、低い温度での假焼によって蛍石と煉瓦の反応を抑
制し、焼成炉の内張り耐火壁の損傷を回避できるように
した石灰系造滓剤の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼材中の不純物元素を低減させるため
に、鋼の溶製中に、スラグよって脱酸,脱硫や脱燐さら
には介在物の形態制御などをすることが種々の方法で行
われている。その精錬過程において溶鋼中の硫黄分など
と反応させて製鋼スラグの生成の促進を図るために、転
炉や電気炉内の溶湯に造滓剤としてのソーダ灰系フラッ
クスや石灰系フラックス(主として生石灰CaO)がブ
リケットにして投入されたり、粉体状にしてサブランス
から吹き込まれたりする。上記したうちフラックスを粉
体状とする場合には、溶鋼の攪拌効果を上げるための窒
素やアルゴンガスなどと共にインジェクションされる
が、ガス単体のインジェクションに比べて、均一混合時
間が大幅に短縮され、かつ、スラグ生成の大幅な助長を
図ることができる。しかし、生成されたスラグが再利用
できないことなどの理由によって、ソーダ灰系フラック
スの使用は最近少なくなりつつあり、石灰系フラックス
が急速に脚光を浴びるようになってきている。なお、ラ
ンスから吹き込まれる石灰系フラックスの場合は細かい
ほど反応性が高く、100メッシュよりも200メッシ
ュ、200メッシュよりも300メッシュのものが好適
である。したがって、粉砕方法について種々の検討が加
えられている。一方、石灰はもともと融点が高い(Ca
Oの融点は2,572℃である)ので、溶鋼中での反応
滓化を促進するために、上記した石灰系フラックスの微
細化以外に、次の方法が考えられている。それは、水和
性をよくすること、石灰粉の中心に極めて僅かなCO2
を残存させること、蛍石などのふっ化物を添加して融点
を下げ、石灰粉の周辺に2CaO・SiO2 の膜を形成
させないようにすること、人工鋼滓をつくることなどが
挙げられる。
【0003】ところで、石灰系フラックスとしての生石
灰CaOは、石灰石CaCO3 を900℃ないし1,2
00℃で焼いて得ることができる。これは軟焼生石灰と
言われ、焼成によって炭酸ガスCO2 の抜けた空孔が存
在して比表面積は大きく、溶鋼中の硫黄分などと反応し
てスラグを生成する活性度も高いものである。しかし、
石灰石を焼成するときには大量の炭酸ガスが発生するこ
と、安定供給が何時までも保証されることのない天然資
源の石灰石を多量に消費することなどの難点があり、結
局は石灰石の消費量を少しでも節減することが好まし
い。そこで、石灰石を原料として石灰系フラックスを製
造しなければならない場合には、石灰石の消費量の低減
が望まれる。ちなみに、石灰石から脱硫や脱燐用の造滓
剤としての生石灰粉を製造する新しい方法が、特開平4
−149045号公報に記載されている。上記した蛍石
CaF2 は、製銑や製鋼作業などにおいて、製品中に不
純物が入らないように不純物と化合する溶剤として鉱滓
の分離を促進させたり、脱硫,脱燐させるなどするうえ
で重要な原料であり、とりわけ、製鋼作業において消費
される割合が大きい。この蛍石などのふっ化物を石灰系
フラックスに添加しておくと、造滓時の石灰系フラック
スの融点を実質的に下げる効果があることも知られてい
る。これは、CaOの溶融スラグへの溶解メカニズムに
おいて、CaO−SiO2系スラグで生成される化合物
相2CaO・SiO2 が、融点の低い蛍石の溶融によっ
て生じるぬれ層を通して滓化されやすくなるからである
と言われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、石灰系フ
ラックスに蛍石を添加して系内の酸素ポテンシャルを制
御し、かつ、フラックスの融点を下げれば、脱燐や脱硫
作用が著しく向上する。したがって、蛍石を添加した石
灰系フラックスを製造するための研究は従来から行われ
ているところであり、現在、溶融処理法と焼結処理法の
二つの製造方法が実用段階に入っている。前者は、蛍石
の塊状体と石灰石の塊状体とを、ロータリキルンや電気
炉などで1,500℃以上の高温により溶融させる方法
である。この場合は、溶融物を取り出した後に冷却し、
1mmないし2mm程度に粉砕したり、ローラミルなど
によって微粉化するなどして、造滓剤とされる。このよ
うな溶融処理法によって製造された石灰系の造滓剤はプ
リメルトされているので、滓化作用させる場合には溶鋼
中で迅速に融け、反応性が向上する利点がある。しか
し、融点の高い石灰をフラックス製造時に溶融させるた
めの高い温度が要求されること、炉から取り出した後に
冷却して粉砕しなければならず、インジェクション用フ
ラックスとする場合には、粉砕コストの著しい増大をき
たすなどの難点がある。後者の焼結処理法は、蛍石と石
灰石とをそれぞれ予め超微粉化しておき、ロータリキル
ンなどで1,200℃ないし1,300℃の温度によっ
て焼成させる方法である。これは、焼結体として取り出
され、ブリケットマシンなどによって塊状に整形して使
用される。このようなブリケット状の石灰系フラックス
は、先に述べた溶融処理法の場合よりも安価に製造する
ことができると言われている。すなわち、予め超粉砕し
ておくことによって焼結温度を低くできるという着想に
基づいているからであり、溶融処理法のように高い温度
は必要とされない。しかし、キルン投入前の超微粉砕工
程が必要とされるので、そのための動力消費量は避けら
れない。また、キルンに粉体を投入するという取り扱い
の厄介さがあり、さらには、投入物が集塵機へ逸失する
のを防ぐ手立ても施しておかなければならない問題があ
る。
【0005】なお、蛍石の融点は1,360℃であり、
いずれの方法を用いた場合も、蛍石が大なり小なり反応
を起こして、耐火壁を損傷させるという問題が生じる。
これは、脱燐効果を上げるために蛍石の投入量を多くし
た場合にますますひどく現れる。ましてや、溶融処理法
では蛍石や石灰石を溶融させるために炉内温度が高く、
蛍石によって耐火壁が溶損し、炉壁の補修を頻繁に行わ
なければならなくなる。蛍石の投入量を少なくすれば、
融点の高い石灰を溶融させるために2,000℃を越え
る温度が要求され、燃料消費量は一段と増大して、フラ
ックスの製造コストが大幅に上昇する難点がある。
【0006】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、蛍石を添加して滓化性を向上させるべ
く融点の低い石灰系フラックスを製造するに際して、蛍
石の反応を抑制して、炉耐火壁の損傷を可及的に軽減で
きること、焼成温度の上昇を抑えて燃料消費を少なくし
安価な石灰系フラックスを得ることができること、産業
廃棄物の利用の途を開き、天然資源である石灰石の消費
量を少なくできること、を実現した金属精錬における塊
状または粉状の石灰系フラックスの製造方法を提供する
ことである。なお、本発明は、石灰系フラックスを製造
するとき、石灰石に蛍石を添加するだけでなく、石灰石
の一部を消石灰や生石灰に置き換えると、石灰系フラッ
クスを製造するときの温度の低下が実現できること、そ
れによって、蛍石と煉瓦との反応よる炉壁の損傷を可及
的に軽減できることを種々の研究を重ねることによって
見出したことに基づく。それのみならず、それらの原料
を造粒して假焼するという従来からほとんど着目されて
いなかった手法の採用によって蛍石の包み込みを行え
ば、その反応性の低下を図ることができるという知見に
もよっている。加えて、石灰系フラックスの主構成物で
ある生石灰は、消石灰Ca(OH)2を脱水して製造す
ることができ、石灰石を假焼して得られる生石灰よりは
低い温度で得られること、その比表面積は著しく大きく
反応性の高いものになること、産業廃棄物であるカーバ
イドスラグには多量のCa(OH)2 が含まれ、純粋な
水酸化カルシウムでないカーバイドスラグであっても、
造粒して假焼すれば造滓剤として供しえること、また、
製糖産業からの廃棄物であるライムケーキ(製糖滓)の
主成分がCaCO3 であり、これを石灰石に代えて使用
できること、このように分野の異なる産業から出る廃棄
物を石灰系フラックスの製造に供しえること、といった
ごとく本発明は幅広い視野から検討し、完成されたもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、転炉や電気炉
などの金属精錬炉における溶湯内に供給し、溶融金属中
の硫黄分や燐酸分などと反応させて金属スラグ生成の促
進を図るために使用される石灰系フラックスの製造法に
適用される。その特徴とするところは、以下の工程を含
む。 (1)ふっ化カルシウムを1mm径以下の大きさに粉砕
する。 (2)炭酸カルシウムを1mm径以下の大きさに粉砕す
る。 (3)粉砕された炭酸カルシウムに、粉砕されたふっ化
カルシウムを5重量%ないし60重量%混合して、5m
mないし20mmに造粒する。 (4)その造粒物を900℃ないし1,000℃で假焼
する。 少なくとも上記の工程を経れば、金属精錬における塊状
石灰系フラックスを得ることができる。上記した(3)
の造粒工程において、粉砕された炭酸カルシウムの一部
を微細な水酸化カルシウムに置き換えるようにしてもよ
い。また、炭酸カルシウムとして、製糖工業における炭
酸石灰清浄法によって処理された後のライムケーキを使
用することができる。さらには、(3)の造粒工程にお
いて、炭酸カルシウムの全量を水酸化カルシウムで代替
させてもよい。この場合には、假焼温度は800℃ない
し900℃で済む。そして、水酸化カルシウムとして
は、カーバイドスラグを使用することができる。もしく
は、生石灰および水としてもよい。いずれの工程を経て
製造された塊状焼成物も、冷却した後に、1mm径以下
好ましくは100メッシュ以下に粉砕すれば、フラック
スインジェクション用の粉状石灰系フラックスとするこ
とができる。
【0008】
【作用】ふっ化カルシウムとしての蛍石と炭酸カルシウ
ムとしての石灰石とを、1mm径以下の大きさに予め粉
砕する。そして、蛍石が5重量%ないし60重量%とな
るように混合する。これを、5mmないし20mmに造
粒し、蛍石の露出を少なくした包み込み状態とする。そ
して、ロータリキルンなどにより、900℃ないし1,
000℃で假焼する。このようにして得られた石灰系フ
ラックスは5mmないし30mm程度の塊状をなしてお
り、転炉や電気炉などの金属精錬炉の溶湯内へ投入すれ
ば、溶融金属中の硫黄分や燐酸分などと反応させて金属
スラグ生成の促進を図ることができる。フラックス製造
時の温度は蛍石の溶融温度よりも低く、蛍石が炉壁材と
反応することはなく、その耐火壁材の損傷は可及的に抑
制される。そして、焼成炉で消費される燃料も低減され
る。なお、造粒物中の蛍石の含有量は5重量%ないし6
0重量%とされるが、その残分は粉砕された炭酸カルシ
ウムと微細な水酸化カルシウムの混合物であってもよ
い。また、水酸化カルシウムのみであってもよい。いず
れにしても、そのときの原料事情を考慮した任意の混入
比率とすることができる。水酸化カルシウムの假焼温度
は石灰石を假焼する場合よりも低くすることができる。
炭酸カルシウムとしてライムケーキを採用することがで
きるが、その場合には予め粉砕しておく必要がない。水
酸化カルシウムは生石灰と水とにも置き換えることがで
き、同様の工程を経て塊状石灰系フラックスが得られ
る。水酸化カルシウムとしてカーバイドスラグを使用す
れば、炭酸カルシウムとしてライムケーキを採用する場
合と同じく、産業廃棄物の利用が図られる。いずれの製
造法においても、假焼後に冷却して1mm径以下好まし
くは100メッシュ以下に粉砕すれば、インジェクショ
ン用の粉状石灰系フラックスとすることができる。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、それ自体滓化作用のあ
る蛍石を石灰系フラックスに添加することによってフラ
ックスの融点を降下させ、造滓剤としての機能を増大さ
せることができる。そのようなフラックスを製造する際
に、粉砕と造粒工程を経て假焼されるが、その粉砕は粗
粉砕でよく、そのためのエネルギー消費は、焼結処理法
により石灰系フラックスを得る場合に比べて著しく少な
くなる。また、造粒によって蛍石が包み込まれると共に
低い假焼温度によって蛍石と煉瓦の反応性が弱められ、
焼成炉の裏張り耐火材の損傷が可及的に軽減される。石
灰系フラックス中には造滓性を高める蛍石の顕在化も図
られ、しかも、石灰の融点も降下され、石灰系フラック
スの滓化機能も向上する。上記したごとく低い温度で製
造することができて、製造時の燃料消費も少なくなり、
溶融処理法に比べれば、その燃料原単位は著しく低下す
る。なお、水酸化カルシウムもしくは生石灰と水を採用
する場合には、天然資源である石灰石の消費を節減する
と共に、石灰石の投入比率を少なくすると假焼温度の低
下を促すことができ、しかも、大きい比表面積のフラッ
クスとすることができる。塊状焼成物を冷却した後に、
1mm径以下に粉砕すれば粉状石灰系フラックスとな
り、フラックスインジェクション法による使用も可能と
なる。なお、石灰石の代わりに、その一部もしくは全部
にライムケーキを採用することや、水酸化カルシウムの
代替物としてカーバイドスラグを使用することも可能で
あり、産業廃棄物の利用の途も開かれる。そして、石灰
石の消費が抑制されることによって省資源化も図られ、
また、焼成時の石灰石からの炭酸ガスの発生量が少なく
なり、環境保全にも寄与する。
【0010】
【実施例】以下に、本発明に係る金属精錬に使用される
造滓剤としての塊状石灰系フラックスの製造法につい
て、詳細に説明する。この塊状石灰系フラックスは、転
炉や電気炉などの製鋼炉内に投入され、溶融金属中の硫
黄分などと反応させて、金属スラグ生成の促進を図るた
めに使用される。すなわち、鋼材中の不純物元素を低減
させるため、溶鋼の精錬中に、石灰系フラックスを副原
料などと共に溶湯に投入し、溶融金属中の硫黄分や燐酸
分などと反応させて金属スラグ生成の促進を図り、さら
には介在物の形態も制御することができる。その石灰系
フラックスは、以下の工程を経て製造される。まず、ふ
っ化カルシウムCaF2 と炭酸カルシウムCaCO3
1mm径以下の大きさに粉砕する。その粉砕されたふっ
化カルシウムが5重量%ないし60重量%となるよう
に、粉砕された炭酸カルシウムに混合する。そして、ペ
レタイザーなどによって5mmないし20mmに、好ま
しくは、10mm前後に造粒する。そして、その造粒物
をベッケンバッハ炉,メルツ炉もしくはロータリキルン
などに投入して900℃ないし1,000℃で假焼す
る。このようにして得られた石灰系フラックスは、5m
mないし30mmの塊状となるが、そのまま、もしくは
整粒または粗粉砕し造滓剤として溶鋼に供給することが
できる。
【0011】具体的に述べると、ふっ化カルシウムとし
ては蛍石が採用される。これは、従来技術の項で述べた
ように、融点が低くて脱燐などの造滓作用が極めてよ
く、鋼質を向上させるうえで大きく寄与する。しかし、
造滓剤としての石灰系フラックスを焼成して製造する場
合に添加すると、蛍石が煉瓦と反応し、焼成炉の内張り
炉壁材を溶かしたり、侵食による損傷を与える弊害があ
る。そこで、上記したように造粒することにより、假焼
時の露出が抑えられる。一方、炭酸カルシウムとして
は、一般的に石灰石が使用される。石灰石はCaCO3
を主成分とする堆積岩であり、主に方解石からなる岩石
として採取することができ、わが国に豊富に存在する。
しかし、石灰石は多くの産業分野で使用される天然資源
であり、その消費量を少なくすることが望ましく、その
場合には、次に述べるライムケーキを採用することがで
きる。ライムケーキはビート糖を製造する製糖工場から
排出されるもので、細断した砂糖大根から滲出塔で糖分
を滲出汁として取り出し、石灰乳を加えた後に炭酸ガス
と接触させて炭酸飽充させたときに生じるものである。
このような炭酸石灰清浄法よって凝集沈澱する製糖滓
(ライムケーキ)は、製糖に消費された石灰の大部分を
含んでいる。上記したように、石灰系フラックスを製造
すべく假焼する前に、石灰石を1mm径以下の大きさに
粉砕するようにしているが、ライムケーキは石灰の微細
な結晶からなり、これを炭酸カルシウムとして全量使用
する場合には粉砕の必要がなくなり、石灰石の一部に充
てる場合には、石灰石の粉砕の手間を軽減することがで
きる利点がある。
【0012】上記した炭酸カルシウムの一部に水酸化カ
ルシウムCa(OH)2 を充てることができる。それの
みならず、炭酸カルシウムの全量を水酸化カルシウムで
代替させてもよい。水酸化カルシウムとしては消石灰を
使用すればよい。これは、石灰石を假焼して生石灰を得
る場合よりも低い温度で生石灰を生成させることができ
ること、その生石灰の比表面積は石灰石から得る場合の
二倍以上もあることなどの理由で、反応性の高い造滓剤
とすることができる。したがって、水酸化カルシウムを
多量に使用する場合には、假焼温度を800℃ないし9
00℃とすることができる。しかし、消石灰もまた安価
な工業用塩基であって、腐食剤や建築材料などに向けら
れるため入手が容易でないことが多い。そこで、消石灰
に代えてCa(OH)2 を多量に含むカーバイドスラグ
で代替させることができる。カーバイドスラグは、カー
バイドCaC2 に水を加えてアセチレンガスC2 2
製造するとき多量に発生する。これは、カーバイドを1
トン生産する際に1.16トンも排出され、わが国では
年間50万トン以上もの廃棄もしくは再利用処理が余儀
なくされていると言われている。その一方で、カーバイ
ドスラグは上記した消石灰と同じCa(OH)2 が90
%以上、多い場合には96%も含まれていることが知ら
れている。したがって、従来から、このカーバイドスラ
グは、セメント原料,肥料,耐火炉材,道路安定材,土
壌改良材や汚水処理用の廃液中和材などとしても利用さ
れているが、依然として産業廃棄物として処分される量
も多く、その処理や取り扱いには多くの問題を抱えてい
る。このようなことから、石灰石を原料とする他の産業
分野から廃棄されるものを、製鋼用などの造滓剤の製造
に供することができれば省資源の観点からも好ましい。
【0013】以上の説明から分かるように、焼成炉に投
入する前に造粒物をつくるとき、蛍石,石灰石および/
または消石灰を混合すればよい。炭酸カルシウムと水酸
化カルシウムを混合させる場合や水酸化カルシウムのみ
が使用されるのは、そのときの在庫事情などによるもの
であり、水酸化カルシウムが多いほど假焼温度を低くで
きるが、その混合比率については特に規定されるもので
はない。また、石灰石や消石灰の入手が十分でない場合
や、産業廃棄物の利用を促進する場合には、上記したご
とく、炭酸カルシウムとしてライムケーキを使用するこ
とができ、石灰石とライムケーキを混合したり、ライム
ケーキのみとすることもできる。また、水酸化カルシウ
ムついても、消石灰にカーバイドスラグを加えたり、カ
ーバイドスラグのみとしてもよい。これらを上記した大
きさに必要に応じて粉砕し、混合して造粒すればキルン
などに投入することが容易となり、投入原料がキルン集
塵機へ持ち去られることもなくなる。それのみならず、
ふっ化カルシウムが包み込まれた恰好となって露出する
量が少なくなり、煉瓦との反応が抑制されて焼成炉の内
張り耐火壁の溶損が生じると言ったことは可及的に軽減
される。
【0014】上記は消石灰を採用した場合の例である
が、それに代えて生石灰CaOを使用することもでき
る。この場合も前例と同様であり、塊状の石灰系フラッ
クスが得られる。これは、生石灰に水を加えると反応し
て消石灰になることが知られていることからも理解され
る。このような構成や工程を経て製造された石灰系フラ
ックスは、蛍石の顕在化によってフラックスとしての融
点が下げられ、造滓機能を増大させることができるだけ
でなく、蛍石自体の滓化性も維持される。もちろん、フ
ラックスの製造温度を低くすることができ、燃料消費も
低減される。そして、いずれの焼成物も塊状であり、従
来技術のところで説明したブリケットと同じく、5mm
ないし30mmの大きさの塊であり、多くの場合、その
まま溶鋼に投入して使用することができる。
【0015】一方、石灰系フラックスが粉末であれば、
転炉や電気炉などの製鋼炉内の溶鋼に吹き込まれ、金属
スラグ生成の促進を図るために使用することができる。
そこで、上記したいずれの工程を経て製造された塊状焼
成物をも冷却した後、1mm径以下好ましくは100メ
ッシュ以下に、ローラミルなどによって粉砕すればよ
い。サブランスを介して溶鋼中に窒素やアルゴンガスな
どと共にインジェクションすると、その不活性ガスによ
って溶鋼の攪拌効果が上げられると共に、粉末のフラッ
クスが均一混合時間を大幅に短縮し、かつ、溶鋼中の不
純物元素と反応してスラグ生成の助長が図られる。な
お、ステアリン酸をごく僅か吹きつけておくけば、石灰
系フラックスのフケるのを抑制し、また、吹き込み時の
フラックスの流動性も向上する。
【0016】このように、石灰系フラックスを製造する
とき、その造滓機能を向上させるために蛍石が添加され
るが、そのフラックスを生成する假焼工程において蛍石
と煉瓦石との反応が抑制され、焼成炉壁の損傷は回避さ
れる。これは、焼成炉に投入される時点で石灰石などと
共に造粒されていること、その造粒の際にCa(OH)
2 もしくはCaOと水が添加されている場合には、假焼
温度を低くできることに基づいている。また、その低い
焼成温度の実現によって燃料消費も低減される。石灰石
や消石灰としては産業廃棄物も利用することができ、資
源利用のサイクル化が図られる。これに加えて、焼成時
に石灰石から出る炭酸ガス量もある程度抑制され、環境
保全にも寄与することができる。ちなみに、本発明は、
造粒と焼成とが不可避な工程であるが、造粒時の原料粒
度の選定や造粒処理の必要性を見出したことが、本発明
を完成させるに至った大きな要因である。以上は、転炉
や電気炉など製鋼炉を例にして、それに使用される石灰
系フラックスの製造法として説明したが、製鉄に限らず
他の金属の精錬においても適用することができる。な
お、上記した材料は主たるものであり、焼成工程におい
て弊害が生じなく、また、フラックスとしての品質に悪
い影響を与えない限り、他の副資材例えばアルミナ,珪
酸,酸化鉄などを含ませることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転炉や電気炉などの金属精錬炉における
    溶湯内に供給し、溶融金属中の硫黄分や燐酸分などと反
    応させて金属スラグ生成の促進を図るために使用される
    石灰系フラックスの製造法において、 ふっ化カルシウムを1mm径以下の大きさに粉砕する工
    程と、 炭酸カルシウムを1mm径以下の大きさに粉砕する工程
    と、 粉砕された上記炭酸カルシウムに、粉砕された前記ふっ
    化カルシウムを5重量%ないし60重量%混合して、5
    mmないし20mmに造粒する工程と、 その造粒物を900℃ないし1,000℃で假焼する工
    程と、 を含むことを特徴とする金属精錬における塊状石灰系フ
    ラックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記粉砕された炭酸カルシウムの一部
    を、水酸化カルシウムに置き換えたことを特徴とする請
    求項1に記載された金属精錬における塊状石灰系フラッ
    クスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記炭酸カルシウムとして、製糖工業に
    おける炭酸石灰清浄法によって処理された後のライムケ
    ーキが、使用されることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載された金属精錬における塊状石灰系フラッ
    クスの製造方法。
  4. 【請求項4】 転炉や電気炉などの金属精錬炉における
    溶湯内に供給し、溶融金属中の硫黄分や燐酸分などと反
    応させて金属スラグ生成の促進を図るために使用される
    石灰系フラックスの製造法において、 ふっ化カルシウムを1mm径以下の大きさに粉砕する工
    程と、 微細な水酸化カルシウムに、粉砕された前記ふっ化カル
    シウムを5重量%ないし60重量%混合して、5mmな
    いし20mmに造粒する工程と、 その造粒物を800℃ないし900℃で假焼する工程
    と、 を含むことを特徴とする金属精錬における塊状石灰系フ
    ラックスの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記水酸化カルシウムとして、カーバイ
    ドスラグが採用されていることを特徴とする請求項2ま
    たは請求項4に記載された金属精錬における塊状石灰系
    フラックスの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記水酸化カルシウムに代えて、生石灰
    をおよび水とすることを特徴とする請求項2または請求
    項4に記載された金属精錬における塊状石灰系フラック
    スの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記塊状焼成物を冷却した後、1mm径
    以下好ましくは100メッシュ以下に粉砕する工程を含
    むことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか
    に記載された金属精錬における粉状石灰系フラックスの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100782262B1 (ko) * 2006-12-20 2007-12-04 주식회사 포스코 래들슬래그를 이용한 제강용 플럭스 제조방법 및 이를이용하여 제조된 제강용 플럭스
CN117843258A (zh) * 2024-03-07 2024-04-09 陕西金泰化学科技集团有限公司 一种电石渣碳化煅烧制氧化钙工艺及系统

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