JPH08134254A - 発泡ポリスチレンの溶解方法およびその装置 - Google Patents

発泡ポリスチレンの溶解方法およびその装置

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JPH08134254A
JPH08134254A JP28038294A JP28038294A JPH08134254A JP H08134254 A JPH08134254 A JP H08134254A JP 28038294 A JP28038294 A JP 28038294A JP 28038294 A JP28038294 A JP 28038294A JP H08134254 A JPH08134254 A JP H08134254A
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JP
Japan
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expanded polystyrene
dissolving agent
water
dissolving
polystyrene
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JP28038294A
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English (en)
Inventor
Masahide Uchino
正英 内野
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Japan Field Co Ltd
Original Assignee
Japan Field Co Ltd
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Publication date
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡ポリスチレン溶解剤の使用量を少なくし
ながら、発泡ポリスチレンとの効率的な接触を可能と
し、安全で廉価な発泡ポリスチレンの溶解を可能とす
る。また、引火し易い発泡ポリスチレン溶解剤も水との
接触により、引火を抑制したり、発泡ポリスチレンを水
を通過することにより、静電気の除去と付着している汚
物の除去も可能となる。 【構成】 水よりも比重の軽いd−リモネン等の発泡ポ
リスチレン溶解剤を、水の表面に浮かべる。この発泡ポ
リスチレン溶解剤に発泡ポリスチレンを接触させて溶解
を行うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡ポリスチレンを溶解
し、回収して再利用する事を目的とする発泡ポリスチレ
ンの溶解方法および装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、物品の包装等に発泡ポリスチレン
の成形体が大量に使用されている。この発泡ポリスチレ
ンは、衝撃緩衝性に優れ、任意の形状に加工する事が容
易であるから、極めて多く使用されているが、焼却等に
高熱を発生したり、土壌中で分解されない事等の問題点
を有している。
【0003】そこで、この発泡ポリスチレンを溶解し、
体積を極めて小さくするとともにこれを再度回収して再
利用しようとする発明が、特開平5−263065号公
報記載の発明として知られている。この発明は、リモネ
ン、酢酸イソアミル、プロピオン酸ベンジル、酪酸エチ
ル等の化合物を含む液体組成物に発泡ポリスチレンを接
触させ、発泡ポリスチレンを溶解収縮させるものであ
る。この方法は、発泡ポリスチレンを容易に溶解させ、
極めて体積を縮小し、更にこの溶解液を蒸留再生する事
により、発泡ポリスチレンを回収して、再利用する事が
できるという大きな利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来方法に於て用いられる発泡ポリスチレン溶解剤は、
いずれも可燃性であって引火の危険が大きく、これを大
量に使用する場合には、消防法の危険物と成り取り扱い
条件を厳しいものとする。また、更に発泡ポリスチレン
は、静電気等の帯電性が強く、この静電気による発泡ポ
リスチレン溶解剤の引火爆発等の危険も含んでいる。
【0005】また、市場に出回り、使用済みの発泡ポリ
スチレンは、その使用過程に於て、表面に種々の付着物
を有している。例えば、魚の収納箱、運搬箱として発泡
ポリスチレンは、断熱性に優れているため、極めて多く
使われているが、この魚の運搬に使用された発泡ポリス
チレンには、魚の鱗、血液等が多量に付着している。こ
れを、発泡ポリスチレン溶解剤で溶解する場合は、発泡
ポリスチレン溶解剤内に、発泡ポリスチレンとともに魚
の鱗、血液等が一緒に混入してしまう。そして、後の工
程に於ける発泡ポリスチレンの蒸留再生過程に於て、こ
れらの付着物が極めてやっかいな問題を生じる場合が多
い。
【0006】また、発泡ポリスチレン溶解剤として用い
られるd−リモネン等は、強い臭気を有し、これを開放
状態で使用すると、作業者に極めて不快な臭気を与える
とともに周囲の環境にも悪影響を与え、新たな公害問題
を発生させるものとなる。
【0007】本発明は上述の如き課題を解決しようとす
るものであって、少量の発泡ポリスチレン溶解剤を用い
て、多量の発泡ポリスチレンの溶解を可能にする事がで
きるとともに引火等の危険を極力減少し、安全な発泡ポ
リスチレンの溶解作業を可能とするものである。また、
発泡ポリスチレン溶解剤の有する臭気を、簡易な手段に
より密封し、周囲に臭気の拡散を伴う事なく、発泡ポリ
スチレンの溶解再生を可能にする事ができるものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の如き課題
を解決するため、水よりも比重の軽い発泡ポリスチレン
溶解剤を水の表面に浮かべ、この発泡ポリスチレン溶解
剤に発泡ポリスチレンを接触させて溶解を行う事を特徴
として成るものである。
【0009】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、発泡ポリスチレン溶解剤の上面か
ら、発泡ポリスチレンを直接接触させるものであっても
良い。
【0010】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、発泡ポリスチレンを水を介して、発
泡ポリスチレン溶解剤の下面から接触させる事により行
うものであっても良い。
【0011】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンとの接触は、下端の開口縁を水中に挿入してシ
ールした密閉溶解室内の表面に発泡ポリスチレン溶解剤
を浮かべ、この発泡ポリスチレン溶解剤に、水を介して
下端の開口縁から導入した発泡ポリスチレンを接触させ
る事により行うものであっても良い。
【0012】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンとの接触は、発泡ポリスチレンを水に浮かべ、
この発泡ポリスチレンに発泡ポリスチレン溶解剤を散布
して行うものであっても良い。
【0013】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、水に浮かべた発泡ポリスチレン溶解
剤を流動させながら、発泡ポリスチレンと接触させて行
うものであっても良い。
【0014】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、地表面に凹部を形成し、この地表面
凹部に水を充填し、この水の表面に発泡ポリスチレン溶
解剤を浮かべ、この発泡ポリスチレン溶解剤に発泡ポリ
スチレンを接触させて行うものであっても良い。
【0015】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、用水路に水を流動させ、この水の表
面に浮かべた発泡ポリスチレン溶解剤を水と共に流動さ
せ、この発泡ポリスチレン溶解剤に発泡ポリスチレンを
接触させて行うものであっても良い。
【0016】また、発泡ポリスチレンと接触し、この発
泡ポリスチレンを溶解した発泡ポリスチレン溶解剤は、
発泡ポリスチレン液と発泡ポリスチレン溶解剤の蒸留再
生器に導入して分離し、この分離後の発泡ポリスチレン
溶解剤を、再度発泡ポリスチレンに接触させるように循
環するものであっても良い。
【0017】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、耐発泡ポリスチレン溶解剤を有する
収納袋中に、発泡ポリスチレン溶解剤と水とを収納し、
この収納袋中に発泡ポリスチレンを収納し、収納袋の口
を閉止して行うものであっても良い。
【0018】また、上記発明を実施する装置としては、
溶解槽に充填した水の表面に、水よりも比重の軽い発泡
ポリスチレン溶解剤を浮かべ、この発泡ポリスチレン溶
解剤の液面の一方に、流通管の一端の導入口を接続し、
この流通管の他端の導出口を、発泡ポリスチレン溶解剤
の液面の他方に接続するとともにこの流通管の、導入口
と導出口との間に蒸留再生器を接続し、導入口から導入
した発泡ポリスチレンの溶解した発泡ポリスチレン溶解
剤を、発泡ポリスチレンの溶解液と、発泡ポリスチレン
溶解剤とに分離し、発泡ポリスチレン溶解剤を導出口か
ら溶解槽に循環させて成るものである。
【0019】また、溶解槽に充填した水の表面に、水よ
りも比重の軽い発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべるとと
もに溶解槽の上部に形成した溶解室を、上面を密閉する
とともに下端に開口部を設け、この開口部の開口縁を水
中に挿入し、この水を介した溶解槽の上面に、発泡ポリ
スチレンの投入口を形成して成るものである。
【0020】また、投入口には、内部にスクリューコン
ベアーを装着した投入筒を、下端が溶解室の下面に臨ま
せて位置するよう配置したものであっても良い。
【0021】また、 溶解槽に充填した水の表面に、水
よりも比重の軽い発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべると
ともに溶解槽の一端の上部に発泡ポリスチレンの投入口
を形成し、この投入口の下端側面に、発泡ポリスチレン
溶解剤に臨ませて水の噴出ノズルを形成し、この噴出ノ
ズルを、ポンプを介して溶解槽内の水に接続して成るも
のである。
【0022】また、発泡ポリスチレン溶解剤は、テルペ
ン系溶媒液であっても良い。
【0023】また、発泡ポリスチレン溶解剤は、トルエ
ン、酢酸イソアルミ、酪酸エチルから選ばれる少なくと
も一種または複数種であっても良い。
【0024】また、テルペン系溶媒液は、d−リモネ
ン、ジペンテンであっても良い。
【0025】
【作用】本発明は上述の如く構成したものであるから、
溶解槽中に少量の発泡ポリスチレン溶解剤を充填した場
合であっても、溶解槽の内部に充填した水の表面全部に
発泡ポリスチレン溶解剤が拡散するため、広い面積に発
泡ポリスチレン溶解剤が配置されるものとなる。そのた
め、少量の発泡ポリスチレン溶解剤により広い面積での
発泡ポリスチレンの多量の溶解作業を行う事ができる。
【0026】また、発泡ポリスチレンが大型のものであ
っても、水の存在によりその一部が水に接触しながら、
他の部分が溶解するため、一部のみが発泡ポリスチレン
溶解剤に接触する場合にも、順次、発泡ポリスチレンの
溶解を促進する事ができるものである。
【0027】また、この発泡ポリスチレンは、静電気を
帯び易いものであるが、水の存在により静電気の発生を
防止できる。また、引火性の強い発泡ポリスチレン溶解
剤に於ても、水の存在により引火性を抑制し、安全な発
泡ポリスチレンの溶解を可能とする事ができる。
【0028】また、発泡ポリスチレンに付着している魚
の鱗、血液、その他の種々の汚物は、発泡ポリスチレン
の溶解に伴って、水中に分離して沈澱する事ができる。
そのため、発泡ポリスチレン溶解剤内に混入する事が少
なく、発泡ポリスチレン溶解剤の蒸留再生工程に於て、
これらの汚物が発泡ポリスチレン溶解剤に混入して障害
となる割合が少ないものとなる。
【0029】また、この発泡ポリスチレンと発泡ポリス
チレン溶解剤との接触は、発泡ポリスチレン溶解剤の上
面から発泡ポリスチレンを投入して接触させるものであ
っても良い。
【0030】また、他の方法では、発泡ポリスチレンを
発泡ポリスチレンが浮いている水中を通して、この溶解
剤に接触するものとすれば、先に述べた静電気の除去
が、さらに確実に行えるものとなる。また、発泡ポリス
チレンに付着している汚物が、水中を通る段階で、ある
程度除去されてから発泡ポリスチレン溶解剤と接触する
ものとなり、更に好ましい溶解作業を行う事が可能とな
る。
【0031】また、この発泡ポリスチレン溶解剤と発泡
スチロールとの接触は、断面コ字型等に形成した密閉溶
解室の下端に設けた開口部を水中に挿入し、この密閉溶
解室内で行うものとしても良い。この場合は、密閉溶解
室の水の表面に、発砲ポリスチレン溶解剤を浮かべる事
により、発砲ポリスチレンを、水を介して密閉溶解室の
下端の開口から導入し、発泡ポリスチレンと発泡ポリス
チレン溶解剤との接触溶解を行う。
【0032】このように行うことにより、上記で説明し
た水中を通して、発泡ポリスチレンを発泡ポリスチレン
溶解剤に接触させる利点を生じるとともに密閉溶解室
は、下端の開口縁を水中に挿入する事により、密閉され
るものとなる。そして、臭気の強いd−リモネン等の発
泡ポリスチレン溶解剤の臭気を、外部に拡散する事な
く、密閉した状態で溶解作業を行う事ができるものとな
る。そのため、作業環境を良好とするし、周囲への臭気
公害等の発生も防止する事ができるものである。
【0033】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンとの接触は、発泡ポリスチレンを水に浮かべ
て、この発泡ポリスチレンに発泡ポリスチレン溶解剤を
散布して行うようにすれば、発泡ポリスチレン溶解剤の
使用量を少なくする事ができる。しかも、発泡ポリスチ
レンと発泡ポリスチレン溶解剤との接触を良好にする事
ができるものとなる。ただ、この場合は、発泡ポリスチ
レン溶解剤の周囲への拡散が生じる可能性があるため、
前述した密閉溶解室内で行うようにする事が好ましいも
のである。
【0034】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンとの接触を、水に浮かべた発泡ポリスチレン溶
解剤を流動させながら、発泡ポリスチレンと接触させる
ようにしても良い。この方法での接触により、発泡ポリ
スチレン溶解剤の流動方向に蒸留再生器を配置し、この
蒸留再生器により再生した発泡ポリスチレン溶解剤を、
流動元方向に循環させる。この循環により、常に良好な
純度の高い状態の発泡ポリスチレン溶解剤を供給しなが
ら、効率の良い発泡ポリスチレンの溶解作業を行う事が
可能となる。
【0035】上記の場合、発泡ポリスチレン溶解剤のみ
を流動させても良いが、発泡ポリスチレン溶解剤を水と
ともに流動させ、蒸留再生器を用いて、水と発泡ポリス
チレン溶解剤および発泡ポリスチレンの溶解成分とを分
離する。そして、発泡ポリスチレン成分は、発泡ポリス
チレンの再生器に分離し、水は溶解槽に、また、発泡ポ
リスチレン溶解剤は、水の表面に復元させる事により、
連続した再使用を可能とする事ができるものである。
【0036】また、発泡ポリスチレン溶解剤は、従来公
知のものを用いる事ができるが、本発明に於ては、水よ
り比重が軽いものであることが必要である。そして、そ
の発泡ポリスチレン溶解剤は、テルペン系溶剤を用いる
事ができるものである。また、このテルペン系溶媒液
は、d−リモネン、ジペンテンの、いずれかもしくはそ
の双方を選択的に使用する事ができる。
【0037】また、発泡ポリスチレン溶解剤は、トルエ
ン、酢酸イソアルミ、酪酸エチル等から選ばれる少なく
とも一種または複数種のものであっても良い。
【0038】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、上述の如く、溶解槽等を用いて行う
事が勿論可能であるが、他の異なる実施例に於て、さら
に簡便に行おうとする場合には、耐発泡ポリスチレン溶
解剤性を有するポリエチレン、ナイロン等の収納袋の中
に、発泡ポリスチレン溶解剤と水とを収納する。そし
て、この収納袋中に発泡ポリスチレンを収納して、収納
袋の口を閉止する事により行っても良い。
【0039】この簡便な方法を用いる場合には、どこで
も、簡便に発泡ポリスチレンの溶解作業を行う事ができ
る。例えば、各家庭の発泡ポリスチレンを、トラック等
で回収する場合に於ては、収納袋中に水と発泡ポリスチ
レン溶解剤および発泡ポリスチレンを混在させる。これ
を、トラック等で収集基地等に運ぶ場合には、その移動
過程に於て、発泡ポリスチレンの溶解が完了する。そし
て、収集基地にトラック等が到着した場合には、発泡ポ
リスチレンの収納袋から溶解液を取り出し、蒸留再生器
等にかける事によって、水と発泡ポリスチレン溶解剤お
よび溶解した発泡ポリスチレンを容易に分離し、迅速な
作業を簡便に行う事が可能となるものである。
【0040】また、上述の如き、簡便な方法および溶解
槽等を用いて工業的に行う方法の他に、発泡ポリスチレ
ンは、体積が大きいのものであるため、装置を大掛かり
とする事なく、簡便にしかも大量の発泡ポリスチレンの
溶解を行う方法もある。
【0041】この場合には、休耕田、沼、池等の地表面
凹部を使用するものであって、この地表面凹部に水を充
填し、この水の表面に発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべ
る事により、大量の発泡ポリスチレンの溶解を迅速に行
う事が可能となるものである。
【0042】この場合、地表面凹部の大部分に直接接触
するのは水であって、発泡ポリスチレン溶解剤等が地表
面に接触する部分は少ない。そのため、特別なコンクリ
ート打ち等は行う必要がないが、漏洩防止の為には、地
表面凹部の穴部分にビニールシートを敷き詰めて行う事
が好ましい。また、地表面凹部の表面をビニールシート
等で被覆すれば、臭気の拡散等を防止し、発泡ポリスチ
レン溶解剤の揮発減少を防止する事ができるものとな
る。
【0043】また、さらに大掛かりに行うような場合に
は、冬季等に於て、使用されていない用水路に水と発泡
ポリスチレン溶解剤とを流動させ、この用水路に発泡ポ
リスチレンを投入する事により極めて大量の発泡ポリス
チレンの溶解を行う事が可能となる。
【0044】この場合は、当然の事ながら、用水路の流
出方向の適宜の位置に、溶解した発泡ポリスチレンおよ
び発泡ポリスチレン溶解剤および水の回収装置を設け、
蒸留再生器等により、これらを再生分離した後、発泡ポ
リスチレン溶解剤および水を、流出元方向に循環させる
事により、自然界への発泡ポリスチレン溶解剤等の汚染
が発生する事のないようにする必要が生じる。
【0045】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1に於て説明すれ
ば、(1)は溶解槽で、内部に水(2)を充填するととも
に、その水(2)の表面に水(2)よりも比重の軽い発泡ポ
リスチレン溶解剤(3)を浮かべている。この発泡ポリス
チレン溶解剤(3)は、テルペン系溶媒液であるd−リモ
ネン、ジペンテン等を用いる事ができる。また、トルエ
ン、酢酸イソアルミ、酪酸エチル等から選ばれる少なく
とも一種又は複数種を用いる事も可能となる。
【0046】そして、この発泡ポリスチレン溶解剤(3)
の液面の一方、図面に於て左側には、流通管(4)の一端
の導入口(5)を接続し、発泡ポリスチレン溶解剤(3)の
オーバーフロー時の導出を可能としている。また、この
流通管(4)の他端には、導出口(6)を形成し、発泡ポリ
スチレン溶解剤(3)の液面の他方、図面に於ては右側に
接続する事により、発泡ポリスチレン溶解剤(3)の循環
を可能としている。そして、この流通管(4)の導入口
(5)と導出口(6)との間に、真空蒸留再生器(7)を接続
している。
【0047】このように構成したものに於て、発泡ポリ
スチレン(8)の溶解を行うには、溶解槽(1)の上部か
ら、溶解槽(1)内に発泡ポリスチレン(8)を投入する。
この投入により発泡ポリスチレン(8)は、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)と接触し、その溶解が行われる。
【0048】この溶解作業に於て、発泡ポリスチレン溶
解剤(3)は、水(2)の表面に浮かべるものであるから、
少量の発泡ポリスチレン溶解剤(3)を水面の広い面積に
拡散する事ができ、少量であっても、大量の発泡ポリス
チレン(8)の溶解を可能とする。また、水(2)の表面に
発泡ポリスチレン溶解剤(3)を配置するものであるか
ら、引火の危険を最小限とする事が可能となる。
【0049】また、発泡ポリスチレン(8)に付着してい
る、魚の鱗、血液、その他、種々の汚物が発泡ポリスチ
レンの溶解とともに水中に落下し、発泡ポリスチレン溶
解剤(3)と混合する事が少ない。そのため、発泡ポリス
チレン溶解剤(3)を蒸留再生する場合に於て、この蒸留
再生作業の妨げとなる事が少ないものである。
【0050】そして、発泡ポリスチレン溶解剤(3)によ
る発泡ポリスチレン(8)の溶解が、ある程度進行した場
合に於ては、発泡ポリスチレン溶解剤(3)を流通管(4)
により導入口(5)から導入し、減圧蒸留再生器(7)に誘
導して蒸留再生を行い、発泡ポリスチレン(8)の成分と
発泡ポリスチレン溶解剤(3)とを分離する。
【0051】そして、発泡ポリスチレン溶解剤(3)を、
流通管(4)を介して、導出口(6)から再度に溶解槽(1)
内に充填して循環し、発泡ポリスチレン(8)の溶解に再
使用する事が可能となる。また、蒸留再生器(7)で分離
された発泡ポリスチレン(8)の溶解液は別個に分離収納
され、発泡ポリスチレン(8)の再生に用いる事が可能と
なる。
【0052】この蒸留再生器(7)による蒸留再生に於て
は、前述の如く汚物等が水中に分離しているから、比較
的汚物の付着の少ない発泡ポリスチレン溶解剤(3)の蒸
留再生が可能となる。そのため、作業効率を高める事が
できるし、発泡ポリスチレン(8)の純粋な成分を取り出
す事が可能となる。
【0053】また、発泡ポリスチレン溶解剤(3)の導入
口(5)への誘導は、発泡ポリスチレン(8)の溶解による
増量分のみを、導出口(6)に誘導するものとしても良い
し、溶解槽(1)の水部分に水(2)の供給管を接続して、
水(2)を供給する事により、発泡ポリスチレン溶解剤
(3)の液面レベルを押し上げ、流通管(4)に導入するも
のとしても良い。また、この発泡ポリスチレン溶解剤
(3)の水面レベルを下げる場合には、水(2)を排出する
事によって可能となる。
【0054】また、上記実施例に於ては、発泡ポリスチ
レン(8)と発泡ポリスチレン溶解剤(3)との接触を、溶
解槽(1)の上面に於てオープンの状態で行い、発泡ポリ
スチレン(8)は、直接発泡ポリスチレン溶解剤(3)に接
触する作業工程としている。しかしながら、このような
状態にすると、臭気の強いリモネン等の発泡ポリスチレ
ン溶解剤(3)から、臭気が外部に漏れ易く、作業環境を
悪くしたり、臭気公害を発生させる可能性がある。
【0055】また、水(2)の表面に発泡ポリスチレン溶
解剤(3)を浮かべる事により、作業の安全性を高くして
いるものの、発泡ポリスチレン(8)が静電気等を帯電し
ている場合は、その静電気が発泡ポリスチレン溶解剤
(3)中で放電され、引火等を生じる可能性が絶無とは言
えない。
【0056】そこで、他の異なる実施例に於ては、図2
に示す如く溶解槽(1)の上面に溶解室(10)を形成す
る。これは、断面コ字型の溶解室(10)の上面を密閉す
るとともに下端に開口部(11)を設け、この開口部(1
1)の開口縁(12)を水中に挿入する。そして、溶解槽
(1)の水(2)の表面に、水(2)よりも比重の軽い発泡ポ
リスチレン溶解剤(3)を浮かべる。溶解室(10)は、上
面を密閉状態とされ、下端の開口縁(12)を水中に挿入
するものであるから、溶解室(10)内は、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)が存在する密閉状態となる。
【0057】また、溶解槽(1)の上面には、発泡ポリス
チレン(8)の投入口(13)を形成する。この投入口(1
3)は、水(2)とのみ連通して溶解室(10)の外周に形
成し、発泡ポリスチレン溶解剤(3)は、溶解室(10)内
に位置させるものとしている。
【0058】そして、投入口(13)から投入した発泡ポ
リスチレン(8)は、水(2)を介して溶解室(10)内に導
入し、この溶解室(10)内で、発泡ポリスチレン溶解剤
(3)と接触して溶解するものである。また、発泡ポリス
チレン(8)は、強い浮力を有するものであるから、投入
口への投入後、適宜の棒、板、網等の適宜の押圧手段に
より、水中に発泡ポリスチレン(8)を強制力で押し込む
ことによって、溶解室(10)に発泡ポリスチレン(8)を
導くものである。
【0059】このように形成する事により、発泡ポリス
チレン溶解剤(3)の一例であるリモネン等が有する臭気
を外部に漏らす事がなくなる。また、発泡ポリスチレン
(8)は、水中を通過する過程で帯電している静電気を消
滅させる事ができる。また、その周囲に付着している汚
物の多くを水中に水(2)にて除去し、その除去されて比
較的清浄化された発泡ポリスチレン(8)が、発泡ポリス
チレン溶解剤(3)と接触するものとなる。そのため、発
泡ポリスチレン溶解剤(3)内に、例えば魚の鱗等の汚物
が混入する事がなく、比較的清浄な状態での発泡ポリス
チレン溶解液の蒸留再生が可能となる。
【0060】また、発泡ポリスチレン溶解剤(3)は溶解
槽(1)の溶解室(10)内に密閉され、外部とは水(2)を
介する以外接触する事ができないから、引火等の危険も
大幅に低下する事ができる。
【0061】また、図2に示す実施例に於ては、溶解槽
(1)の中央部に円筒状の投入口(13)を形成し、この円
筒状の投入口(13)の外周に溶解室(10)を形成してい
るが、他の異なる実施例に於ては、図3に示す如く、溶
解槽(1)の一側に、上端の開口を大きな直径とした漏斗
状の投入口(13)を形成し、この漏斗状の投入口(13)
から発泡ポリスチレン(8)を、投入する事も可能とな
る。
【0062】この場合には、発泡ポリスチレン(8)の投
入口(13)の開口面積を大きく取る事ができるから、浮
力の強い発泡ポリスチレン(8)を、効率的に水中に押し
込み、発泡ポリスチレン溶解剤(3)との接触を行わせる
事が可能となるものである。
【0063】また、このようにして、発泡ポリスチレン
(8)を溶解した発泡ポリスチレン溶解剤(3)は、図4に
示す如く、前記実施例と同じく、溶解室(10)に流通管
(4)を接続し、循環させながら、減圧蒸留再生器(7)に
より再生する。そして、この再生液を溶解室(10)内に
戻して、循環をさせ効率的な発泡ポリスチレン(8)の溶
解を行うものである。
【0064】また、上記実施例に於て、発泡ポリスチレ
ン(8)の水中への導入は、主に人力等により、強引に水
中に押し込む方式を用いている。しかし、他の異なる実
施例に於ては、図5に示す如く、発泡ポリスチレン(8)
の投入口(13)に、内部にスクリューコンベアー(14)
を装着した投入筒(15)を挿入する。この投入筒(15)
は、上端を投入口(13)に臨ませて位置するとともに下
端を、溶解室(10)の下面に臨ませて位置するよう、傾
斜して溶解室(10)に配置する。
【0065】このように形成する事により、投入筒(1
5)の上部から投入した発泡ポリスチレン(8)は、スク
リューコンベアー(14)によって、強制的に下端まで導
かれ排出され、自身の浮力によって浮上し、溶解室(1
0)内の発泡ポリスチレン溶解剤(3)と接触する事が可
能となる。また、スクリューコンベアー(14)に投入す
る事により、大型の発泡ポリスチレン(8)もスクリュー
コンベアー(14)の回転力によって破砕する事ができる
から、比較的小さなものとなり、発泡ポリスチレン溶解
剤(3)との接触効率を良好とし、溶解速度を速める事が
可能となるものである。
【0066】また、この場合に於ても、当然の事なが
ら、発泡ポリスチレン溶解剤(3)は、蒸留再生器(7)と
接続し循環使用するものとしても良いし、適宜、液を全
部交換するものとしても良い。
【0067】また、上記実施例に於ては、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)の循環は、一方から流通管(4)で導入す
るとともにその他方から、流通管(4)より再生した発泡
ポリスチレン溶解剤(3)を循環させるようにしている。
しかし、他の異なる実施例では、図6に示す如く、溶解
槽(1)内の水(2)を溶解槽(1)の一端に循環させ、噴出
ノズル(16)により水(2)を強く噴出するように形成し
たものであっても良い。
【0068】この場合は、噴出ノズル(16)の上部位置
に発泡ポリスチレン(8)の投入口(13)を形成し、この
投入口(13)から投入し、発泡ポリスチレン(8)を溶解
する発泡ポリスチレン溶解剤(3)を、水(2)の圧力によ
り、一方向に付勢するように形成する。
【0069】このように形成する事により、量の少ない
発泡ポリスチレン溶解剤(3)が強制的に一方向に寄せ集
められる形となり、発泡ポリスチレン(8)と発泡ポリス
チレン溶解剤(3)の接触を良好とし、効率の良い接触を
可能とする事ができる。また、発泡ポリスチレン溶解剤
(3)には、付勢力が生じるため流動を生じ、蒸留再生器
(7)への流出を速める事となるから、迅速に発泡ポリス
チレン溶解剤(3)の蒸留再生が可能となる。この蒸留再
生したものを、再度溶解槽(1)に循環する事によって、
効率的な溶解作業を可能とする。
【0070】また、投入口(13)された発泡ポリスチレ
ン(8)は、噴出ノズル(16)の噴出圧力により、その汚
物を除去され水(2)中に落下させるから、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)への汚物の混入を少なくする事が可能と
なるものである。
【0071】また、上記の各実施例に於ては、板材によ
り形成した箱状の溶解槽(1)を用いるものとした。しか
し、他の異なる実施例に於ては、図7に示す如く、耐発
泡ポリスチレン溶解剤性を有する、ポリエチレン、ナイ
ロン等で形成した収納袋(17)中に、水(2)と発泡ポリ
スチレン溶解剤(3)とを収納し、この収納袋(17)中に
発泡ポリスチレン(8)を投入して、発泡ポリスチレン
(8)の溶解を行うようにしても良い。
【0072】この場合は、一般家庭等から発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)を、収納した収納袋(17)をトラック
(18)等に積んで、発泡ポリスチレン(8)を回収する事
により、発泡ポリスチレン(8)が、その収集基地等への
トラック(18)の運送中に溶解を完了し、効率的な発泡
ポリスチレン(8)の回収作業を可能とする。しかも、特
別の装置を必要とする事なく、極めて簡便に発泡ポリス
チレン(8)の溶解が可能となる。
【0073】また、上記実施例に於ては、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)と発泡ポリスチレン(8)の接触に、溶解
槽(1)を用いたり、溶解用の収納袋(17)を用いてい
る。しかし、他の異なる実施例に於ては、図9、10に
示す如く、休耕田、沼、池等の地表面凹部(20)を用い
て大規模な発泡ポリスチレン(8)の溶解を行う事が可能
となる。
【0074】この方法は、休耕田等の地表面凹部(20)
に水(2)を充填し、この水(2)の表面に、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)を浮かべ、この発泡ポリスチレン溶解剤
(3)に発泡ポリスチレン(8)を接触するものである。そ
して、発泡ポリスチレン(8)の使用量は少なくしても、
水(2)の表面全面に発泡ポリスチレン溶解剤(3)は拡散
するから、広い面積で発泡ポリスチレン(8)との接触を
可能にする事ができる。
【0075】また、休耕田等の地表面凹部(20)と接触
する部分の大部分は水(2)であるから、周囲の環境に与
える害は、比較的少ないものとなる。また、好ましくは
ビニールシート(21)等により、休耕田等の地表面凹部
(20)の底面を被覆する事が望ましいものとなる。そし
て、このビニールシート(21)等で被覆した地表面凹部
(20)に、水(2)と発泡ポリスチレン溶解剤(3)を充填
し、発泡ポリスチレン(8)をこの中に投入して溶解を行
う。
【0076】このようにすることにより、極めて大掛か
りで大量の発泡ポリスチレン(8)を廉価に効率よく溶解
する事が可能となる。また、その溶解作業の上面を被覆
ビニールシート(22)により被覆すれば、周囲への臭気
の拡散と発泡ポリスチレン溶解剤(3)の揮発を防止する
事ができるから、公害等の発生もなく、また経済的な溶
解作業を可能とする事ができるものである。
【0077】更には、休耕田等を使用する方法ではな
く、用水路等を用い、用水路等を流れる水(2)の表面に
発泡ポリスチレン溶解剤(3)を浮かべる事により、発泡
ポリスチレン(8)の大掛かりな溶解作業を可能とする事
ができる。勿論、この場合に於ては、水(2)及び発泡ポ
リスチレン溶解剤(3)の流出方向に回収装置を配設さ
せ、最終的には、全ての発泡ポリスチレン溶解剤(3)を
回収する事ができるようにする事は勿論である。ただ、
発泡ポリスチレン(8)の溶解作業の途中に於ては、この
蒸留再生器(7)で回収し、分離した発泡ポリスチレン溶
解剤(3)は、流出元方向に循環させて、再度発泡ポリス
チレン(8)の溶解作業に投入する事ができるものであ
る。
【0078】
【発明の効果】本発明は上述の如く、発泡ポリスチレン
溶解剤を水の表面に浮かべて、発泡ポリスチレンの溶解
作業を行うものであるから、発泡ポリスチレン溶解剤の
使用量を極めて少なくしながら、広い範囲に発泡ポリス
チレン溶解剤を配置し、発泡ポリスチレンとの効率的な
接触を可能とする事ができる。
【0079】また、発泡ポリスチレン溶解剤の使用量を
少なくする事ができるから、消防法等の危険物としての
取り扱いを受ける事もなく、安全で廉価な発泡ポリスチ
レンの溶解を可能とする。
【0080】また、引火し易い発泡ポリスチレン溶解剤
に、引火等の事故が万一生じた場合にも、発泡ポリスチ
レン溶解剤は水と接触しているため、燃焼を抑制して危
険を低下するし、消火も容易なものとなる。
【0081】また、発泡ポリスチレンを水を通過して、
発泡ポリスチレン溶解剤と接触させるようにすれば、静
電気の除去とともに発泡ポリスチレンに付着している汚
物の大まかではあるが除去も可能となり、発泡ポリスチ
レン溶解剤への汚物の混入を少なくし、蒸留再生器によ
る再生を効率良く、容易に純度の高い再生作業が可能と
なる。
【0082】また、発泡ポリスチレンに付着している汚
物は、発泡ポリスチレン溶解剤による溶解中も水中に落
下し、発泡ポリスチレン溶解剤中に混入する事が少ない
効果を生じる。
【0083】また、密閉した溶解室の下端を水中に挿入
し、その水中に位置する開口縁から発泡ポリスチレンを
導入して、密閉溶解室内の発泡ポリスチレン溶解剤と発
泡ポリスチレンを接触させるようにすれば、周囲への臭
気の拡散を防止する事ができるし、外部からの静電気等
の引火の危険を大幅に減少させる事ができるものとな
る。
【0084】また、この密閉によって、発泡ポリスチレ
ン溶解剤の揮発が防止されるために、効率的でしかも経
済的な発泡ポリスチレン溶解剤の使用が可能となるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡ポリスチレンを直接発泡ポリスチレン溶解
剤と接触させるようにした実施例の断面図である。
【図2】密閉溶解室を設けた状態の断面図で、溶解槽の
中央部に発泡ポリスチレンの投入口を形成している。
【図3】密閉溶解室に隣接して、漏斗状の投入口を形成
した実施例の断面図である。
【図4】図3に示す実施例の平面図である。
【図5】溶解槽の発泡ポリスチレン投入口にスクリュー
コンベアーを設置した状態の断面図である。
【図6】溶解槽内の水をノズルにより噴射し、発泡ポリ
スチレン溶解液を一方に付勢流動させる実施例の断面図
である。
【図7】収納袋中に水と発泡ポリスチレン溶解剤及び発
泡ポリスチレンを収納した状態の断面図である。
【図8】図7の収納袋をトラックで輸送する事例を示す
側面図である。
【図9】休耕田等の地表面凹部に発泡ポリスチレン溶解
剤と水とを充填した状態の斜視図である。
【図10】図9の作業状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 溶解槽 2 水 3 発泡ポリスチレン溶解剤 4 流通管 5 導入口 6 導出口 7 蒸留再生器 8 発泡ポリスチレン 10 溶解室 11 開口部 12 開口縁 13 投入口 14 スクリューコンベアー 15 投入筒 16 噴出ノズル 17 収納袋 18 トラック 20 地表面凹部 21 ビニールシート 22 被覆ビニールシート
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 発泡ポリスチレンの溶解方法および
その装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡ポリスチレンを溶解
し、回収して再利用する事を目的とする発泡ポリスチレ
ンの溶解方法および装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、物品の包装等に発泡ポリスチレン
の成形体が大量に使用されている。この発泡ポリスチレ
ンは、衝撃緩衝性に優れ、任意の形状に加工する事が容
易であるから、極めて多く使用されているが、焼却等に
高熱を発生したり、土壌中で分解されない事等の問題点
を有している。
【0003】そこで、この発泡ポリスチレンを溶解し、
体積を極めて小さくするとともにこれを再度回収して再
利用しようとする発明が、特開平5−263065号公
報記載の発明として知られている。この発明は、リモネ
ン、酢酸イソアミル、プロピオン酸ベンジル、酪酸エチ
ル等の化合物を含む液体組成物に発泡ポリスチレンを接
触させ、発泡ポリスチレンを溶解収縮させるものであ
る。この方法は、発泡ポリスチレンを容易に溶解させ、
極めて体積を縮小し、更にこの溶解液を蒸留再生する事
により、発泡ポリスチレンを回収して、再利用する事が
できるという大きな利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来方法に於て用いられる発泡ポリスチレン溶解剤は、
いずれも可燃性であって引火の危険が大きく、これを大
量に使用する場合には、消防法の危険物と成り取り扱い
条件を厳しいものとする。また、更に発泡ポリスチレン
は、静電気等の帯電性が強く、この静電気による発泡ポ
リスチレン溶解剤の引火爆発等の危険も含んでいる。
【0005】また、市場に出回り、使用済みの発泡ポリ
スチレンは、その使用過程に於て、表面に種々の付着物
を有している。例えば、魚の収納箱、運搬箱として発泡
ポリスチレンは、断熱性に優れているため、極めて多く
使われているが、この魚の運搬に使用された発泡ポリス
チレンには、魚の鱗、血液等が多量に付着している。こ
れを、発泡ポリスチレン溶解剤で溶解する場合は、発泡
ポリスチレン溶解剤内に、発泡ポリスチレンとともに魚
の鱗、血液等が一緒に混入してしまう。そして、後の工
程に於ける発泡ポリスチレンの蒸留再生過程に於て、こ
れらの付着物が極めてやっかいな問題を生じる場合が多
い。
【0006】また、発泡ポリスチレン溶解剤として用い
られるd−リモネン等は、強い臭気を有し、これを開放
状態で使用すると、作業者に極めて不快な臭気を与える
とともに周囲の環境にも悪影響を与え、新たな公害問題
を発生させるものとなる。
【0007】本発明は上述の如き課題を解決しようとす
るものであって、少量の発泡ポリスチレン溶解剤を用い
て、多量の発泡ポリスチレンの溶解を可能にする事がで
きるとともに引火等の危険を極力減少し、安全な発泡ポ
リスチレンの溶解作業を可能とするものである。また、
発泡ポリスチレン溶解剤の有する臭気を、簡易な手段に
より密封し、周囲に臭気の拡散を伴う事なく、発泡ポリ
スチレンの溶解再生を可能にする事ができるものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の如き課題
を解決するため、水よりも比重の軽い発泡ポリスチレン
溶解剤を水の表面に浮かべ、この発泡ポリスチレン溶解
剤に発泡ポリスチレンを接触させて溶解を行う事を特徴
として成るものである。
【0009】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、発泡ポリスチレン溶解剤の上面か
ら、発泡ポリスチレンを直接接触させるものであっても
良い。
【0010】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、発泡ポリスチレンを水を介して、発
泡ポリスチレン溶解剤の下面から接触させる事により行
うものであっても良い。
【0011】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンとの接触は、下端の開口縁を水中に挿入してシ
ールした密閉溶解室内の表面に発泡ポリスチレン溶解剤
を浮かべ、この発泡ポリスチレン溶解剤に、水を介して
下端の開口縁から導入した発泡ポリスチレンを接触させ
る事により行うものであっても良い。
【0012】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンとの接触は、発泡ポリスチレンを水に浮かべ、
この発泡ポリスチレンに発泡ポリスチレン溶解剤を散布
して行うものであっても良い。
【0013】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、水に浮かべた発泡ポリスチレン溶解
剤を流動させながら、発泡ポリスチレンと接触させて行
うものであっても良い。
【0014】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、地表面に凹部を形成し、この地表面
凹部に水を充填し、この水の表面に発泡ポリスチレン溶
解剤を浮かべ、この発泡ポリスチレン溶解剤に発泡ポリ
スチレンを接触させて行うものであっても良い。
【0015】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、用水路に水を流動させ、この水の表
面に浮かべた発泡ポリスチレン溶解剤を水と共に流動さ
せ、この発泡ポリスチレン溶解剤に発泡ポリスチレンを
接触させて行うものであっても良い。
【0016】また、発泡ポリスチレンと接触し、この発
泡ポリスチレンを溶解した発泡ポリスチレン溶解剤は、
発泡ポリスチレン液と発泡ポリスチレン溶解剤の蒸留再
生器に導入して分離し、この分離後の発泡ポリスチレン
溶解剤を、再度発泡ポリスチレンに接触させるように循
環するものであっても良い。
【0017】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、耐発泡ポリスチレン溶解剤を有する
収納袋中に、発泡ポリスチレン溶解剤と水とを収納し、
この収納袋中に発泡ポリスチレンを収納し、収納袋の口
を閉止して行うものであっても良い。
【0018】また、上記発明を実施する装置としては、
溶解槽に充填した水の表面に、水よりも比重の軽い発泡
ポリスチレン溶解剤を浮かべ、この発泡ポリスチレン溶
解剤の液面の一方に、流通管の一端の導入口を接続し、
この流通管の他端の導出口を、発泡ポリスチレン溶解剤
の液面の他方に接続するとともにこの流通管の、導入口
と導出口との間に蒸留再生器を接続し、導入口から導入
した発泡ポリスチレンの溶解した発泡ポリスチレン溶解
剤を、発泡ポリスチレンの溶解液と、発泡ポリスチレン
溶解剤とに分離し、発泡ポリスチレン溶解剤を導出口か
ら溶解槽に循環させて成るものである。
【0019】また、溶解槽に充填した水の表面に、水よ
りも比重の軽い発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべるとと
もに溶解槽の上部に形成した溶解室を、上面を密閉する
とともに下端に開口部を設け、この開口部の開口縁を水
中に挿入し、この水を介した溶解槽の上面に、発泡ポリ
スチレンの投入口を形成して成るものである。
【0020】また、投入口には、内部にスクリューコン
ベアーを装着した投入筒を、下端が溶解室の下面に臨ま
せて位置するよう配置したものであっても良い。
【0021】また、 溶解槽に充填した水の表面に、水
よりも比重の軽い発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべると
ともに溶解槽の一端の上部に発泡ポリスチレンの投入口
を形成し、この投入口の下端側面に、発泡ポリスチレン
溶解剤に臨ませて水の噴出ノズルを形成し、この噴出ノ
ズルを、ポンプを介して溶解槽内の水に接続して成るも
のである。
【0022】また、発泡ポリスチレン溶解剤は、テルペ
ン系溶媒液であっても良い。
【0023】また、発泡ポリスチレン溶解剤は、トルエ
ン、酢酸イソアミル、酪酸エチルから選ばれる少なくと
も一種または複数種であっても良い。
【0024】また、テルペン系溶媒液は、d−リモネ
ン、ジペンテンであっても良い。
【0025】
【作用】本発明は上述の如く構成したものであるから、
溶解槽中に少量の発泡ポリスチレン溶解剤を充填した場
合であっても、溶解槽の内部に充填した水の表面全部に
発泡ポリスチレン溶解剤が拡散するため、広い面積に発
泡ポリスチレン溶解剤が配置されるものとなる。そのた
め、少量の発泡ポリスチレン溶解剤により広い面積での
発泡ポリスチレンの多量の溶解作業を行う事ができる。
【0026】また、発泡ポリスチレンが大型のものであ
っても、水の存在によりその一部が水に接触しながら、
他の部分が溶解するため、一部のみが発泡ポリスチレン
溶解剤に接触する場合にも、順次、発泡ポリスチレンの
溶解を促進する事ができるものである。
【0027】また、この発泡ポリスチレンは、静電気を
帯び易いものであるが、水の存在により静電気の発生を
防止できる。また、引火性の強い発泡ポリスチレン溶解
剤に於ても、水の存在により引火性を抑制し、安全な発
泡ポリスチレンの溶解を可能とする事ができる。
【0028】また、発泡ポリスチレンに付着している魚
の鱗、血液、その他の種々の汚物は、発泡ポリスチレン
の溶解に伴って、水中に分離して沈澱する事ができる。
そのため、発泡ポリスチレン溶解剤内に混入する事が少
なく、発泡ポリスチレン溶解剤の蒸留再生工程に於て、
これらの汚物が発泡ポリスチレン溶解剤に混入して障害
となる割合が少ないものとなる。
【0029】また、この発泡ポリスチレンと発泡ポリス
チレン溶解剤との接触は、発泡ポリスチレン溶解剤の上
面から発泡ポリスチレンを投入して接触させるものであ
っても良い。
【0030】また、他の方法では、発泡ポリスチレンを
発泡ポリスチレンが浮いている水中を通して、この溶解
剤に接触するものとすれば、先に述べた静電気の除去
が、さらに確実に行えるものとなる。また、発泡ポリス
チレンに付着している汚物が、水中を通る段階で、ある
程度除去されてから発泡ポリスチレン溶解剤と接触する
ものとなり、更に好ましい溶解作業を行う事が可能とな
る。
【0031】また、この発泡ポリスチレン溶解剤と発泡
スチロールとの接触は、断面コ字型等に形成した密閉溶
解室の下端に設けた開口部を水中に挿入し、この密閉溶
解室内で行うものとしても良い。この場合は、密閉溶解
室の水の表面に、発砲ポリスチレン溶解剤を浮かべる事
により、発砲ポリスチレンを、水を介して密閉溶解室の
下端の開口から導入し、発泡ポリスチレンと発泡ポリス
チレン溶解剤との接触溶解を行う。
【0032】このように行うことにより、上記で説明し
た水中を通して、発泡ポリスチレンを発泡ポリスチレン
溶解剤に接触させる利点を生じるとともに密閉溶解室
は、下端の開口縁を水中に挿入する事により、密閉され
るものとなる。そして、臭気の強いd−リモネン等の発
泡ポリスチレン溶解剤の臭気を、外部に拡散する事な
く、密閉した状態で溶解作業を行う事ができるものとな
る。そのため、作業環境を良好とするし、周囲への臭気
公害等の発生も防止する事ができるものである。
【0033】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンとの接触は、発泡ポリスチレンを水に浮かべ
て、この発泡ポリスチレンに発泡ポリスチレン溶解剤を
散布して行うようにすれば、発泡ポリスチレン溶解剤の
使用量を少なくする事ができる。しかも、発泡ポリスチ
レンと発泡ポリスチレン溶解剤との接触を良好にする事
ができるものとなる。ただ、この場合は、発泡ポリスチ
レン溶解剤の周囲への拡散が生じる可能性があるため、
前述した密閉溶解室内で行うようにする事が好ましいも
のである。
【0034】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンとの接触を、水に浮かべた発泡ポリスチレン溶
解剤を流動させながら、発泡ポリスチレンと接触させる
ようにしても良い。この方法での接触により、発泡ポリ
スチレン溶解剤の流動方向に蒸留再生器を配置し、この
蒸留再生器により再生した発泡ポリスチレン溶解剤を、
流動元方向に循環させる。この循環により、常に良好な
純度の高い状態の発泡ポリスチレン溶解剤を供給しなが
ら、効率の良い発泡ポリスチレンの溶解作業を行う事が
可能となる。
【0035】上記の場合、発泡ポリスチレン溶解剤のみ
を流動させても良いが、発泡ポリスチレン溶解剤を水と
ともに流動させ、蒸留再生器を用いて、水と発泡ポリス
チレン溶解剤および発泡ポリスチレンの溶解成分とを分
離する。そして、発泡ポリスチレン成分は、発泡ポリス
チレンの再生器に分離し、水は溶解槽に、また、発泡ポ
リスチレン溶解剤は、水の表面に復元させる事により、
連続した再使用を可能とする事ができるものである。
【0036】また、発泡ポリスチレン溶解剤は、従来公
知のものを用いる事ができるが、本発明に於ては、水よ
り比重が軽いものであることが必要である。そして、そ
の発泡ポリスチレン溶解剤は、テルペン系溶剤を用いる
事ができるものである。また、このテルペン系溶媒液
は、d−リモネン、ジペンテンの、いずれかもしくはそ
の双方を選択的に使用する事ができる。
【0037】また、発泡ポリスチレン溶解剤は、トルエ
ン、酢酸イソアミル、酪酸エチル等から選ばれる少なく
とも一種または複数種のものであっても良い。
【0038】また、発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリ
スチレンの接触は、上述の如く、溶解槽等を用いて行う
事が勿論可能であるが、他の異なる実施例に於て、さら
に簡便に行おうとする場合には、耐発泡ポリスチレン溶
解剤性を有するポリエチレン、ナイロン等の収納袋の中
に、発泡ポリスチレン溶解剤と水とを収納する。そし
て、この収納袋中に発泡ポリスチレンを収納して、収納
袋の口を閉止する事により行っても良い。
【0039】この簡便な方法を用いる場合には、どこで
も、簡便に発泡ポリスチレンの溶解作業を行う事ができ
る。例えば、各家庭の発泡ポリスチレンを、トラック等
で回収する場合に於ては、収納袋中に水と発泡ポリスチ
レン溶解剤および発泡ポリスチレンを混在させる。これ
を、トラック等で収集基地等に運ぶ場合には、その移動
過程に於て、発泡ポリスチレンの溶解が完了する。そし
て、収集基地にトラック等が到着した場合には、発泡ポ
リスチレンの収納袋から溶解液を取り出し、蒸留再生器
等にかける事によって、水と発泡ポリスチレン溶解剤お
よび溶解した発泡ポリスチレンを容易に分離し、迅速な
作業を簡便に行う事が可能となるものである。
【0040】また、上述の如き、簡便な方法および溶解
槽等を用いて工業的に行う方法の他に、発泡ポリスチレ
ンは、体積が大きいのものであるため、装置を大掛かり
とする事なく、簡便にしかも大量の発泡ポリスチレンの
溶解を行う方法もある。
【0041】この場合には、休耕田、沼、池等の地表面
凹部を使用するものであって、この地表面凹部に水を充
填し、この水の表面に発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべ
る事により、大量の発泡ポリスチレンの溶解を迅速に行
う事が可能となるものである。
【0042】この場合、地表面凹部の大部分に直接接触
するのは水であって、発泡ポリスチレン溶解剤等が地表
面に接触する部分は少ない。そのため、特別なコンクリ
ート打ち等は行う必要がないが、漏洩防止の為には、地
表面凹部の穴部分にビニールシートを敷き詰めて行う事
が好ましい。また、地表面凹部の表面をビニールシート
等で被覆すれば、臭気の拡散等を防止し、発泡ポリスチ
レン溶解剤の揮発減少を防止する事ができるものとな
る。
【0043】また、さらに大掛かりに行うような場合に
は、冬季等に於て、使用されていない用水路に水と発泡
ポリスチレン溶解剤とを流動させ、この用水路に発泡ポ
リスチレンを投入する事により極めて大量の発泡ポリス
チレンの溶解を行う事が可能となる。
【0044】この場合は、当然の事ながら、用水路の流
出方向の適宜の位置に、溶解した発泡ポリスチレンおよ
び発泡ポリスチレン溶解剤および水の回収装置を設け、
蒸留再生器等により、これらを再生分離した後、発泡ポ
リスチレン溶解剤および水を、流出元方向に循環させる
事により、自然界への発泡ポリスチレン溶解剤等の汚染
が発生する事のないようにする必要が生じる。
【0045】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1に於て説明すれ
ば、(1)は溶解槽で、内部に水(2)を充填するととも
に、その水(2)の表面に水(2)よりも比重の軽い発泡ポ
リスチレン溶解剤(3)を浮かべている。この発泡ポリス
チレン溶解剤(3)は、テルペン系溶媒液であるd−リモ
ネン、ジペンテン等を用いる事ができる。また、トルエ
ン、酢酸イソアミル、酪酸エチル等から選ばれる少なく
とも一種又は複数種を用いる事も可能となる。
【0046】そして、この発泡ポリスチレン溶解剤(3)
の液面の一方、図面に於て左側には、流通管(4)の一端
の導入口(5)を接続し、発泡ポリスチレン溶解剤(3)の
オーバーフロー時の導出を可能としている。また、この
流通管(4)の他端には、導出口(6)を形成し、発泡ポリ
スチレン溶解剤(3)の液面の他方、図面に於ては右側に
接続する事により、発泡ポリスチレン溶解剤(3)の循環
を可能としている。そして、この流通管(4)の導入口
(5)と導出口(6)との間に、真空蒸留再生器(7)を接続
している。
【0047】このように構成したものに於て、発泡ポリ
スチレン(8)の溶解を行うには、溶解槽(1)の上部か
ら、溶解槽(1)内に発泡ポリスチレン(8)を投入する。
この投入により発泡ポリスチレン(8)は、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)と接触し、その溶解が行われる。
【0048】この溶解作業に於て、発泡ポリスチレン溶
解剤(3)は、水(2)の表面に浮かべるものであるから、
少量の発泡ポリスチレン溶解剤(3)を水面の広い面積に
拡散する事ができ、少量であっても、大量の発泡ポリス
チレン(8)の溶解を可能とする。また、水(2)の表面に
発泡ポリスチレン溶解剤(3)を配置するものであるか
ら、引火の危険を最小限とする事が可能となる。
【0049】また、発泡ポリスチレン(8)に付着してい
る、魚の鱗、血液、その他、種々の汚物が発泡ポリスチ
レンの溶解とともに水中に落下し、発泡ポリスチレン溶
解剤(3)と混合する事が少ない。そのため、発泡ポリス
チレン溶解剤(3)を蒸留再生する場合に於て、この蒸留
再生作業の妨げとなる事が少ないものである。
【0050】そして、発泡ポリスチレン溶解剤(3)によ
る発泡ポリスチレン(8)の溶解が、ある程度進行した場
合に於ては、発泡ポリスチレン溶解剤(3)を流通管(4)
により導入口(5)から導入し、減圧蒸留再生器(7)に誘
導して蒸留再生を行い、発泡ポリスチレン(8)の成分と
発泡ポリスチレン溶解剤(3)とを分離する。
【0051】そして、発泡ポリスチレン溶解剤(3)を、
流通管(4)を介して、導出口(6)から再度に溶解槽(1)
内に充填して循環し、発泡ポリスチレン(8)の溶解に再
使用する事が可能となる。また、蒸留再生器(7)で分離
された発泡ポリスチレン(8)の溶解液は別個に分離収納
され、発泡ポリスチレン(8)の再生に用いる事が可能と
なる。
【0052】この蒸留再生器(7)による蒸留再生に於て
は、前述の如く汚物等が水中に分離しているから、比較
的汚物の付着の少ない発泡ポリスチレン溶解剤(3)の蒸
留再生が可能となる。そのため、作業効率を高める事が
できるし、発泡ポリスチレン(8)の純粋な成分を取り出
す事が可能となる。
【0053】また、発泡ポリスチレン溶解剤(3)の導入
口(5)への誘導は、発泡ポリスチレン(8)の溶解による
増量分のみを、導出口(6)に誘導するものとしても良い
し、溶解槽(1)の水部分に水(2)の供給管を接続して、
水(2)を供給する事により、発泡ポリスチレン溶解剤
(3)の液面レベルを押し上げ、流通管(4)に導入するも
のとしても良い。また、この発泡ポリスチレン溶解剤
(3)の水面レベルを下げる場合には、水(2)を排出する
事によって可能となる。
【0054】また、上記実施例に於ては、発泡ポリスチ
レン(8)と発泡ポリスチレン溶解剤(3)との接触を、溶
解槽(1)の上面に於てオープンの状態で行い、発泡ポリ
スチレン(8)は、直接発泡ポリスチレン溶解剤(3)に接
触する作業工程としている。しかしながら、このような
状態にすると、臭気の強いリモネン等の発泡ポリスチレ
ン溶解剤(3)から、臭気が外部に漏れ易く、作業環境を
悪くしたり、臭気公害を発生させる可能性がある。
【0055】また、水(2)の表面に発泡ポリスチレン溶
解剤(3)を浮かべる事により、作業の安全性を高くして
いるものの、発泡ポリスチレン(8)が静電気等を帯電し
ている場合は、その静電気が発泡ポリスチレン溶解剤
(3)中で放電され、引火等を生じる可能性が絶無とは言
えない。
【0056】そこで、他の異なる実施例に於ては、図2
に示す如く溶解槽(1)の上面に溶解室(10)を形成す
る。これは、断面コ字型の溶解室(10)の上面を密閉す
るとともに下端に開口部(11)を設け、この開口部(1
1)の開口縁(12)を水中に挿入する。そして、溶解槽
(1)の水(2)の表面に、水(2)よりも比重の軽い発泡ポ
リスチレン溶解剤(3)を浮かべる。溶解室(10)は、上
面を密閉状態とされ、下端の開口縁(12)を水中に挿入
するものであるから、溶解室(10)内は、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)が存在する密閉状態となる。
【0057】また、溶解槽(1)の上面には、発泡ポリス
チレン(8)の投入口(13)を形成する。この投入口(1
3)は、水(2)とのみ連通して溶解室(10)の外周に形
成し、発泡ポリスチレン溶解剤(3)は、溶解室(10)内
に位置させるものとしている。
【0058】そして、投入口(13)から投入した発泡ポ
リスチレン(8)は、水(2)を介して溶解室(10)内に導
入し、この溶解室(10)内で、発泡ポリスチレン溶解剤
(3)と接触して溶解するものである。また、発泡ポリス
チレン(8)は、強い浮力を有するものであるから、投入
口への投入後、適宜の棒、板、網等の適宜の押圧手段に
より、水中に発泡ポリスチレン(8)を強制力で押し込む
ことによって、溶解室(10)に発泡ポリスチレン(8)を
導くものである。
【0059】このように形成する事により、発泡ポリス
チレン溶解剤(3)の一例であるリモネン等が有する臭気
を外部に漏らす事がなくなる。また、発泡ポリスチレン
(8)は、水中を通過する過程で帯電している静電気を消
滅させる事ができる。また、その周囲に付着している汚
物の多くを水中に水(2)にて除去し、その除去されて比
較的清浄化された発泡ポリスチレン(8)が、発泡ポリス
チレン溶解剤(3)と接触するものとなる。そのため、発
泡ポリスチレン溶解剤(3)内に、例えば魚の鱗等の汚物
が混入する事がなく、比較的清浄な状態での発泡ポリス
チレン溶解液の蒸留再生が可能となる。
【0060】また、発泡ポリスチレン溶解剤(3)は溶解
槽(1)の溶解室(10)内に密閉され、外部とは水(2)を
介する以外接触する事ができないから、引火等の危険も
大幅に低下する事ができる。
【0061】また、図2に示す実施例に於ては、溶解槽
(1)の中央部に円筒状の投入口(13)を形成し、この円
筒状の投入口(13)の外周に溶解室(10)を形成してい
るが、他の異なる実施例に於ては、図3に示す如く、溶
解槽(1)の一側に、上端の開口を大きな直径とした漏斗
状の投入口(13)を形成し、この漏斗状の投入口(13)
から発泡ポリスチレン(8)を、投入する事も可能とな
る。
【0062】この場合には、発泡ポリスチレン(8)の投
入口(13)の開口面積を大きく取る事ができるから、浮
力の強い発泡ポリスチレン(8)を、効率的に水中に押し
込み、発泡ポリスチレン溶解剤(3)との接触を行わせる
事が可能となるものである。
【0063】また、このようにして、発泡ポリスチレン
(8)を溶解した発泡ポリスチレン溶解剤(3)は、図4に
示す如く、前記実施例と同じく、溶解室(10)に流通管
(4)を接続し、循環させながら、減圧蒸留再生器(7)に
より再生する。そして、この再生液を溶解室(10)内に
戻して、循環をさせ効率的な発泡ポリスチレン(8)の溶
解を行うものである。
【0064】また、上記実施例に於て、発泡ポリスチレ
ン(8)の水中への導入は、主に人力等により、強引に水
中に押し込む方式を用いている。しかし、他の異なる実
施例に於ては、図5に示す如く、発泡ポリスチレン(8)
の投入口(13)に、内部にスクリューコンベアー(14)
を装着した投入筒(15)を挿入する。この投入筒(15)
は、上端を投入口(13)に臨ませて位置するとともに下
端を、溶解室(10)の下面に臨ませて位置するよう、傾
斜して溶解室(10)に配置する。
【0065】このように形成する事により、投入筒(1
5)の上部から投入した発泡ポリスチレン(8)は、スク
リューコンベアー(14)によって、強制的に下端まで導
かれ排出され、自身の浮力によって浮上し、溶解室(1
0)内の発泡ポリスチレン溶解剤(3)と接触する事が可
能となる。また、スクリューコンベアー(14)に投入す
る事により、大型の発泡ポリスチレン(8)もスクリュー
コンベアー(14)の回転力によって破砕する事ができる
から、比較的小さなものとなり、発泡ポリスチレン溶解
剤(3)との接触効率を良好とし、溶解速度を速める事が
可能となるものである。
【0066】また、この場合に於ても、当然の事なが
ら、発泡ポリスチレン溶解剤(3)は、蒸留再生器(7)と
接続し循環使用するものとしても良いし、適宜、液を全
部交換するものとしても良い。
【0067】また、上記実施例に於ては、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)の循環は、一方から流通管(4)で導入す
るとともにその他方から、流通管(4)より再生した発泡
ポリスチレン溶解剤(3)を循環させるようにしている。
しかし、他の異なる実施例では、図6に示す如く、溶解
槽(1)内の水(2)を溶解槽(1)の一端に循環させ、噴出
ノズル(16)により水(2)を強く噴出するように形成し
たものであっても良い。
【0068】この場合は、噴出ノズル(16)の上部位置
に発泡ポリスチレン(8)の投入口(13)を形成し、この
投入口(13)から投入し、発泡ポリスチレン(8)を溶解
する発泡ポリスチレン溶解剤(3)を、水(2)の圧力によ
り、一方向に付勢するように形成する。
【0069】このように形成する事により、量の少ない
発泡ポリスチレン溶解剤(3)が強制的に一方向に寄せ集
められる形となり、発泡ポリスチレン(8)と発泡ポリス
チレン溶解剤(3)の接触を良好とし、効率の良い接触を
可能とする事ができる。また、発泡ポリスチレン溶解剤
(3)には、付勢力が生じるため流動を生じ、蒸留再生器
(7)への流出を速める事となるから、迅速に発泡ポリス
チレン溶解剤(3)の蒸留再生が可能となる。この蒸留再
生したものを、再度溶解槽(1)に循環する事によって、
効率的な溶解作業を可能とする。
【0070】また、投入口(13)された発泡ポリスチレ
ン(8)は、噴出ノズル(16)の噴出圧力により、その汚
物を除去され水(2)中に落下させるから、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)への汚物の混入を少なくする事が可能と
なるものである。
【0071】また、上記の各実施例に於ては、板材によ
り形成した箱状の溶解槽(1)を用いるものとした。しか
し、他の異なる実施例に於ては、図7に示す如く、耐発
泡ポリスチレン溶解剤性を有する、ポリエチレン、ナイ
ロン等で形成した収納袋(17)中に、水(2)と発泡ポリ
スチレン溶解剤(3)とを収納し、この収納袋(17)中に
発泡ポリスチレン(8)を投入して、発泡ポリスチレン
(8)の溶解を行うようにしても良い。
【0072】この場合は、一般家庭等から発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)を、収納した収納袋(17)をトラック
(18)等に積んで、発泡ポリスチレン(8)を回収する事
により、発泡ポリスチレン(8)が、その収集基地等への
トラック(18)の運送中に溶解を完了し、効率的な発泡
ポリスチレン(8)の回収作業を可能とする。しかも、特
別の装置を必要とする事なく、極めて簡便に発泡ポリス
チレン(8)の溶解が可能となる。
【0073】また、上記実施例に於ては、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)と発泡ポリスチレン(8)の接触に、溶解
槽(1)を用いたり、溶解用の収納袋(17)を用いてい
る。しかし、他の異なる実施例に於ては、図9、10に
示す如く、休耕田、沼、池等の地表面凹部(20)を用い
て大規模な発泡ポリスチレン(8)の溶解を行う事が可能
となる。
【0074】この方法は、休耕田等の地表面凹部(20)
に水(2)を充填し、この水(2)の表面に、発泡ポリスチ
レン溶解剤(3)を浮かべ、この発泡ポリスチレン溶解剤
(3)に発泡ポリスチレン(8)を接触するものである。そ
して、発泡ポリスチレン(8)の使用量は少なくしても、
水(2)の表面全面に発泡ポリスチレン溶解剤(3)は拡散
するから、広い面積で発泡ポリスチレン(8)との接触を
可能にする事ができる。
【0075】また、休耕田等の地表面凹部(20)と接触
する部分の大部分は水(2)であるから、周囲の環境に与
える害は、比較的少ないものとなる。また、好ましくは
ビニールシート(21)等により、休耕田等の地表面凹部
(20)の底面を被覆する事が望ましいものとなる。そし
て、このビニールシート(21)等で被覆した地表面凹部
(20)に、水(2)と発泡ポリスチレン溶解剤(3)を充填
し、発泡ポリスチレン(8)をこの中に投入して溶解を行
う。
【0076】このようにすることにより、極めて大掛か
りで大量の発泡ポリスチレン(8)を廉価に効率よく溶解
する事が可能となる。また、その溶解作業の上面を被覆
ビニールシート(22)により被覆すれば、周囲への臭気
の拡散と発泡ポリスチレン溶解剤(3)の揮発を防止する
事ができるから、公害等の発生もなく、また経済的な溶
解作業を可能とする事ができるものである。
【0077】更には、休耕田等を使用する方法ではな
く、用水路等を用い、用水路等を流れる水(2)の表面に
発泡ポリスチレン溶解剤(3)を浮かべる事により、発泡
ポリスチレン(8)の大掛かりな溶解作業を可能とする事
ができる。勿論、この場合に於ては、水(2)及び発泡ポ
リスチレン溶解剤(3)の流出方向に回収装置を配設さ
せ、最終的には、全ての発泡ポリスチレン溶解剤(3)を
回収する事ができるようにする事は勿論である。ただ、
発泡ポリスチレン(8)の溶解作業の途中に於ては、この
蒸留再生器(7)で回収し、分離した発泡ポリスチレン溶
解剤(3)は、流出元方向に循環させて、再度発泡ポリス
チレン(8)の溶解作業に投入する事ができるものであ
る。
【0078】
【発明の効果】本発明は上述の如く、発泡ポリスチレン
溶解剤を水の表面に浮かべて、発泡ポリスチレンの溶解
作業を行うものであるから、発泡ポリスチレン溶解剤の
使用量を極めて少なくしながら、広い範囲に発泡ポリス
チレン溶解剤を配置し、発泡ポリスチレンとの効率的な
接触を可能とする事ができる。
【0079】また、発泡ポリスチレン溶解剤の使用量を
少なくする事ができるから、消防法等の危険物としての
取り扱いを受ける事もなく、安全で廉価な発泡ポリスチ
レンの溶解を可能とする。
【0080】また、引火し易い発泡ポリスチレン溶解剤
に、引火等の事故が万一生じた場合にも、発泡ポリスチ
レン溶解剤は水と接触しているため、燃焼を抑制して危
険を低下するし、消火も容易なものとなる。
【0081】また、発泡ポリスチレンを水を通過して、
発泡ポリスチレン溶解剤と接触させるようにすれば、静
電気の除去とともに発泡ポリスチレンに付着している汚
物の大まかではあるが除去も可能となり、発泡ポリスチ
レン溶解剤への汚物の混入を少なくし、蒸留再生器によ
る再生を効率良く、容易に純度の高い再生作業が可能と
なる。
【0082】また、発泡ポリスチレンに付着している汚
物は、発泡ポリスチレン溶解剤による溶解中も水中に落
下し、発泡ポリスチレン溶解剤中に混入する事が少ない
効果を生じる。
【0083】また、密閉した溶解室の下端を水中に挿入
し、その水中に位置する開口縁から発泡ポリスチレンを
導入して、密閉溶解室内の発泡ポリスチレン溶解剤と発
泡ポリスチレンを接触させるようにすれば、周囲への臭
気の拡散を防止する事ができるし、外部からの静電気等
の引火の危険を大幅に減少させる事ができるものとな
る。
【0084】また、この密閉によって、発泡ポリスチレ
ン溶解剤の揮発が防止されるために、効率的でしかも経
済的な発泡ポリスチレン溶解剤の使用が可能となるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡ポリスチレンを直接発泡ポリスチレン溶解
剤と接触させるようにした実施例の断面図である。
【図2】密閉溶解室を設けた状態の断面図で、溶解槽の
中央部に発泡ポリスチレンの投入口を形成している。
【図3】密閉溶解室に隣接して、漏斗状の投入口を形成
した実施例の断面図である。
【図4】図3に示す実施例の平面図である。
【図5】溶解槽の発泡ポリスチレン投入口にスクリュー
コンベアーを設置した状態の断面図である。
【図6】溶解槽内の水をノズルにより噴射し、発泡ポリ
スチレン溶解液を一方に付勢流動させる実施例の断面図
である。
【図7】収納袋中に水と発泡ポリスチレン溶解剤及び発
泡ポリスチレンを収納した状態の断面図である。
【図8】図7の収納袋をトラックで輸送する事例を示す
側面図である。
【図9】休耕田等の地表面凹部に発泡ポリスチレン溶解
剤と水とを充填した状態の斜視図である。
【図10】図9の作業状態を示す断面図である。
【符号の説明】 1 溶解槽 2 水 3 発泡ポリスチレン溶解剤 4 流通管 5 導入口 6 導出口 7 蒸留再生器 8 発泡ポリスチレン 10 溶解室 11 開口部 12 開口縁 13 投入口 14 スクリューコンベアー 15 投入筒 16 噴出ノズル 17 収納袋 18 トラック 20 地表面凹部 21 ビニールシート 22 被覆ビニールシート ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】また、溶解槽に充填した水の表面に、水よ
りも比重の軽い発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべるとと
もに溶解槽の一端の上部に発泡ポリスチレンの投入口を
形成し、この投入口の下端側面に、発泡ポリスチレン溶
解剤に臨ませて水の噴出ノズルを形成し、この噴出ノズ
ルを、ポンプを介して溶解槽内の水に接続して成るもの
である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】また、この発泡ポリスチレン溶解剤と発
ポリスチレンとの接触は、断面コ字型等に形成した密閉
溶解室の下端に設けた開口部を水中に挿入し、この密閉
溶解室内で行うものとしても良い。この場合は、密閉溶
解室の水の表面に、発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべる
事により、発泡ポリスチレンを、水を介して密閉溶解室
の下端の開口から導入し、発泡ポリスチレンと発泡ポリ
スチレン溶解剤との接触溶解を行う。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正内容】
【0070】また、投入口(13)から投入された発泡ポ
リスチレン(8)は、噴出ノズル(16)の噴出圧力によ
り、その汚物を除去され水(2)中に落下させるから、発
泡ポリスチレン溶解剤(3)への汚物の混入を少なくする
事が可能となるものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29B 17/00 9350−4F C08K 5/01 KFW 5/10 KFY // B29K 25:00 105:04 105:26 C08L 25:04

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水よりも比重の軽い発泡ポリスチレン溶
    解剤を水の表面に浮かべ、この発泡ポリスチレン溶解剤
    に発泡ポリスチレンを接触させて溶解を行う事を特徴と
    する発泡ポリスチレンの溶解方法。
  2. 【請求項2】 発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリスチ
    レンの接触は、発泡ポリスチレン溶解剤の上面から、発
    泡ポリスチレンを直接接触させるものである事を特徴と
    する請求項1の発泡ポリスチレンの溶解方法。
  3. 【請求項3】 発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリスチ
    レンの接触は、発泡ポリスチレンを水を介して、発泡ポ
    リスチレン溶解剤の下面から接触させる事により行うも
    のである事を特徴とする請求項1の発泡ポリスチレンの
    溶解方法。
  4. 【請求項4】 発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリスチ
    レンとの接触は、下端の開口縁を水中に挿入してシール
    した密閉溶解室内の表面に発泡ポリスチレン溶解剤を浮
    かべ、この発泡ポリスチレン溶解剤に、水を介して下端
    の開口縁から導入した発泡ポリスチレンを接触させる事
    により行うものである事を特徴とする請求項1の発泡ポ
    リスチレンの溶解方法。
  5. 【請求項5】 発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリスチ
    レンとの接触は、発泡ポリスチレンを水に浮かべ、この
    発泡ポリスチレンに発泡ポリスチレン溶解剤を散布して
    行うものである事を特徴とする請求項1の発泡ポリスチ
    レンの溶解方法。
  6. 【請求項6】 発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリスチ
    レンの接触は、水に浮かべた発泡ポリスチレン溶解剤を
    流動させながら、発泡ポリスチレンと接触させて行うも
    のである事を特徴とする請求項1の発泡ポリスチレンの
    溶解方法。
  7. 【請求項7】 発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリスチ
    レンの接触は、地表面に凹部を形成し、この地表面凹部
    に水を充填し、この水の表面に発泡ポリスチレン溶解剤
    を浮かべ、この発泡ポリスチレン溶解剤に発泡ポリスチ
    レンを接触させて行うものである事を特徴とする請求項
    1の発泡ポリスチレンの溶解方法。
  8. 【請求項8】 発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリスチ
    レンの接触は、用水路に水を流動させ、この水の表面に
    浮かべた発泡ポリスチレン溶解剤を水と共に流動させ、
    この発泡ポリスチレン溶解剤に発泡ポリスチレンを接触
    させて行うものである事を特徴とする請求項1の発泡ポ
    リスチレンの溶解方法。
  9. 【請求項9】 発泡ポリスチレンと接触し、この発泡ポ
    リスチレンを溶解した発泡ポリスチレン溶解剤は、発泡
    ポリスチレン液と発泡ポリスチレン溶解剤の蒸留再生器
    に導入して分離し、この分離後の発泡ポリスチレン溶解
    剤を、再度発泡ポリスチレンに接触させるように循環す
    るものである事を特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6、7、または8の発泡ポリスチレンの溶解方法。
  10. 【請求項10】 発泡ポリスチレン溶解剤と発泡ポリス
    チレンの接触は、耐発泡ポリスチレン溶解剤を有する収
    納袋中に、発泡ポリスチレン溶解剤と水とを収納し、こ
    の収納袋中に発泡ポリスチレンを収納し、収納袋の口を
    閉止して行う事を特徴とする請求項1の発泡ポリスチレ
    ンの溶解方法。
  11. 【請求項11】 発泡ポリスチレン溶解剤は、テルペン
    系溶媒液である事を特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6、7、8、9、または10の発泡ポリスチレンの
    溶解方法。
  12. 【請求項12】 発泡ポリスチレン溶解剤は、トルエ
    ン、酢酸イソアルミ、酪酸エチルから選ばれる少なくと
    も一種または複数種である事を特徴とする請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8、9、または10の発泡ポ
    リスチレンの溶解方法。
  13. 【請求項13】 テルペン系溶媒液は、d−リモネン、
    ジペンテンである事を特徴とする請求項9の発泡ポリス
    チレンの溶解方法。
  14. 【請求項14】 溶解槽に充填した水の表面に、水より
    も比重の軽い発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべ、この発
    泡ポリスチレン溶解剤の液面の一方に、流通管の一端の
    導入口を接続し、この流通管の他端の導出口を、発泡ポ
    リスチレン溶解剤の液面の他方に接続するとともにこの
    流通管の、導入口と導出口との間に蒸留再生器を接続
    し、導入口から導入した発泡ポリスチレンの溶解した発
    泡ポリスチレン溶解剤を、発泡ポリスチレンの溶解液
    と、発泡ポリスチレン溶解剤とに分離し、発泡ポリスチ
    レン溶解剤を導出口から溶解槽に循環させるものである
    事を特徴とする発泡ポリスチレンの溶解装置。
  15. 【請求項15】 溶解槽に充填した水の表面に、水より
    も比重の軽い発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべるととも
    に溶解槽の上部に形成した溶解室を、上面を密閉すると
    ともに下端に開口部を設け、この開口部の開口縁を水中
    に挿入し、この水を介した溶解槽の上面に、発泡ポリス
    チレンの投入口を形成した事を特徴とする発泡ポリスチ
    レンの溶解装置。
  16. 【請求項16】 投入口には、内部にスクリューコンベ
    アーを装着した投入筒を、下端が溶解室の下面に臨ませ
    て位置するよう配置したものである事を特徴とする請求
    項15の発泡ポリスチレンの溶解装置。
  17. 【請求項17】 溶解槽に充填した水の表面に、水より
    も比重の軽い発泡ポリスチレン溶解剤を浮かべるととも
    に溶解槽の一端の上部に発泡ポリスチレンの投入口を形
    成し、この投入口の下端側面に、発泡ポリスチレン溶解
    剤に臨ませて水の噴出ノズルを形成し、この噴出ノズル
    を、ポンプを介して溶解槽内の水に接続した事を特徴と
    する発泡ポリスチレンの溶解装置。
  18. 【請求項18】 発泡ポリスチレン溶解剤は、テルペン
    系溶媒液である事を特徴とする請求項14、15、16
    または17の発泡ポリスチレンの溶解方法。
  19. 【請求項19】 発泡ポリスチレン溶解剤は、トルエ
    ン、酢酸イソアルミ、酪酸エチルから選ばれる少なくと
    も一種または複数種である事を特徴とする請求項14、
    15、16または17の発泡ポリスチレンの溶解方法。
  20. 【請求項20】 テルペン系溶媒液は、d−リモネン、
    ジペンテンである事を特徴とする請求項18の発泡ポリ
    スチレンの溶解方法。
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