JPH08133832A - 板状酸化物誘電体粒子 - Google Patents

板状酸化物誘電体粒子

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JPH08133832A
JPH08133832A JP6305316A JP30531694A JPH08133832A JP H08133832 A JPH08133832 A JP H08133832A JP 6305316 A JP6305316 A JP 6305316A JP 30531694 A JP30531694 A JP 30531694A JP H08133832 A JPH08133832 A JP H08133832A
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JP
Japan
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plate
earth element
titanium
oxide dielectric
barium
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JP6305316A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kimura
隆幸 木村
Kazuhiro Miyoshi
和弘 三好
Kazuo Hashimoto
和生 橋本
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明で得られる板状酸化物誘電体粒子
は、誘電特性に異方性のある材料を提供することができ
る 【構成】 バリウム、チタンおよび希土類元素を主成
分とする板状酸化物誘電体粒子であり、該板状酸化物誘
電体粒子の板の厚さをD、板の面の面積の平方根をAと
したとき、D/Aが0.7以下であることを特徴とする
板状酸化物誘電体粒子に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な板状の酸化物誘
電体粒子に関する。板状酸化物誘電体粒子は異方的な形
状を有することから、誘電特性に異方性のある新規な材
料の原料として有用である。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来、酸化物誘電体粉末
は誘電体磁器を製造する原料や樹脂などと複合するため
の粉末原料として用いられている。また、バリウム、チ
タンおよび希土類元素からなる酸化物材料、例えばBa
O−TiO−Nd系[D.Kolar,et
al.,Ber.Dt.Keram.Ges.55(1
978)pp.346−348、特開昭60−3540
6号公報]などは、マイクロ波帯域において比誘電率ε
や無付加Qが大きく、共振周波数の温度係数τが0
に近い誘電体材料であり、マイクロ波通信用などの共振
素子として重要である。
【0003】しかしながら、上記の酸化物誘電体粉末の
形状は粒状でありシート成形したような場合にも特性の
異方性は見られず、その特性には限度があり、適用範囲
も限定されていた。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、バリウム、
チタンおよび希土類元素を主成分とする板状誘電体粒子
からなり、該板状酸化物誘電体粒子の板の厚さをD、板
の面の面積の平方根をAとしたとき、D/Aが0.7以
下であることを特徴とする板状酸化物誘電体粒子に関す
る。
【0005】本発明で得られる酸化物誘電体粒子は板状
であるため、シート状に成形するなどの成形方法を適用
することにより、粒子を配向させて特性の2次元的異方
性を有する材料を製造することができる。特にD/Aが
0.5以下の場合には、さらに特性の2次元的異方性が
高くなるので好ましい。
【0006】さらに、前記板状酸化物誘電体粒子のD/
Aが0.7以下、特に0.5以下で、且つ板面の形状が
矩形状であるような場合には、シート成形物を積層する
などの成形方法を適用することにより、特性の3次元的
異方性を有する材料を製造することが容易となるので好
ましい。特に板面の平均長さをL、平均幅をWとしたと
き、D/Lが0.5以下、且つD/Wが0.7以下の場
合には、特性の3次元的異方性がさらに高められるので
好ましい。特に、D/Lが0.2以下、D/Wが0.4
以下の場合には、特性がさらに高められるので好まし
い。
【0007】この様な異方性を有する板状酸化物誘電体
粒子は、従来の異方性を有しない材料に比べ、誘電体磁
器等の特性をより優れたものにすることができ、異方性
を有する新規な誘電体材料を提供することができる。ま
た、本発明の板状酸化物誘電体粒子は機械的強度を高め
るための複合材料用原料としても使用することができ
る。
【0008】本発明の板状酸化物誘電体粒子は、バリウ
ム、チタンおよび希土類元素成分含有原料と溶融剤との
混合物を900℃〜1600℃の焼成温度で熱処理する
ことにより製造することができる。
【0009】本発明における板状酸化物誘電体粒子中の
バリウム、チタンおよび希土類元素の組成比は特に限定
されないが、希土類元素をRとし、組成式をXBaO−
yTiO−zR(式中、x、y、zはモル比率
であり、x+y+z=1である。)と表したとき、x、
y、zの範囲を0.1≦x≦0.2、0.6≦y≦0.
8、0.1≦z≦0.2とするのが誘電特性などの点か
ら好ましい。
【0010】本発明における希土類元素としては、L
a、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、YおよびS
cを挙げることができ、これら希土類元素の少なくとも
1種が使用される。これら希土類元素のうち要求される
誘電体の特性にもよるが、特にLa、Ce、Pr、N
d、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、DyおよびYなど
が好ましい。
【0011】バリウム成分の含有原料としては熱処理時
に酸化物となるものであれば特に限定されないが、バリ
ウムの炭酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、硝酸塩およ
びギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等の有機酸塩などを挙げ
ることができる。
【0012】チタン成分の含有原料としては熱処理時に
酸化物となるものであれば特に限定されないが、チタン
の酸化物、水酸化物、オキシ酸化物、塩化物、硫酸塩、
アルコキシドおよび有機酸塩などを挙げることができ
る。
【0013】希土類元素成分の含有原料としては熱処理
時に酸化物となるものであれば特に限定されないが、希
土類元素の酸化物、水酸化物、塩化物、硝酸塩などを挙
げることができる。
【0014】本発明の板状酸化物誘電体粒子を製造する
際に使用される溶融剤としては、熱処理時に溶融し、且
つバリウム、チタンおよび希土類元素と選択的な反応を
起こさないものが好ましく、例えばMg、Ca、Sr、
Baなどのアルカリ土類金属の塩化物、臭化物等のハロ
ゲン化物塩および硫酸塩、あるいはLa、Ce、Pr、
Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Y、Scなどの希土類元素の塩
化物、臭化物等のハロゲン化物および硫酸塩、およびこ
れらの水和物であり、これらの溶融剤の少なくとも1種
が適宜選択使用される。
【0015】溶融剤の添加量は、目的とする板状酸化物
誘電体粒子の組成および使用される溶融剤の種類によっ
て異なるが、少なすぎると酸化物誘電体粒子が板状とな
らなかったり、板状酸化物誘電体粒子同士の凝集が起こ
りやすくなるので、その添加量はバリウム、チタンおよ
び希土類元素の主成分の酸化物換算重量に対して0.2
〜2倍量、特に0.5〜2倍量が好ましい。
【0016】バリウム、チタン、希土類元素含有原料お
よび溶融剤の混合方法としては、特に限定されず、乳
鉢、ミキサー、ボールミル等を用いて混合する乾式法、
バリウム、チタンおよび希土類元素含有原料と溶液状の
溶融剤とを混合する湿式法が採用される。
【0017】バリウム、チタンおよび希土類元素成分含
有原料と溶融剤との混合物の熱処理温度としては、組成
によっても異なるが通常900℃〜1600℃、好まし
くは1000℃〜1500℃である。熱処理温度が90
0℃未満では板状酸化物誘電体粒子が得られ難く、また
1600℃を越えると不純物の生成が起こりやすく好ま
しくない。
【0018】溶融剤を含む反応生成物から板状酸化物誘
電体粒子を単離するには、熱水や場合により熱塩酸、熱
苛性ソーダなどを用いて洗浄し、溶融剤を除去した後水
洗する。
【0019】また、本発明においては、要求される誘電
体の特性に応じて第三成分、例えば、Mg、Ca、Sr
等のIIA族元素、Zn等のIIB族元素、Al、Tl
等のIIIA族元素、Si、Ge、Pb等のIVA族元
素、Zr、Hf等のIVB族元素、Sb、Bi等のVA
族元素、Cr等のVIA元素、Mn等のVIIB族元
素、Co、Ni等のVIII族元素等の少なくとも1種
以上を含有させることができ、その含有量は、過度に添
加量が多い場合には板状とならなっかたり、特性の低下
をもたらすので、前記主成分に対して酸化物換算で25
重量%以下が好ましい。
【0020】前記第三成分の含有原料としては熱処理時
に酸化物となるものであれば特に限定されないが、酸化
物、水酸化物、オキシ酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸
塩、アルコキシドおよびギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等
の有機酸塩などが好ましい。
【0021】本発明の板状酸化物誘電体粒子の好適な製
造法の一例を次に説明する。バリウム、チタン、希土類
元素含有原料および所望により第三成分含有原料を各所
定量秤量し、らいかい機等により粉砕、混合し、さらに
溶融剤を所定量加えて混合する。この混合物をアルミナ
るつぼに入れ、1000℃〜1500℃で1時間から1
5時間程度熱処理する。この熱処理物を冷却後、軽く粉
砕し、沸騰水にて洗浄することにより溶融剤を除去した
後、ろ過、乾燥し、板状酸化物誘電体粒子を製造した。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例1 表1に示す組成となるようにBaCO粉末(レアメタ
リック社製)、TiO粉末(東邦チタニウム社製)お
よびNd粉末(日本イットリウム社製)を秤量
し、さらに溶融剤として塩化バリウム二水和物粉末(B
aCl・2HO;関東化学社製)をバリウム、チタ
ンおよび希土類元素の主成分の酸化物換算重量に対して
表1に示す重量%となるように秤量し、これらを乳鉢、
乳棒を用いて1時間混合した。得られた混合物を表1の
温度で1時間熱処理した。この反応生成物を冷却し、熱
水洗浄することにより溶融剤を除去した後、濾過、乾燥
し、淡青色で矩形状(ほぼ長方形板状)の板状酸化物誘
電体粒子を得た。
【0023】エックス線回折法により結晶構造を調べた
結果、マイクロ波誘電体として有用なBaNdTi
12結晶構造であった。また、TEM観察および電子
線回折法により調べた結果、長方形板状体における長さ
方向が結晶格子のc軸(3.85オングストローム)、
幅方向がa軸(12.2オングストローム)、厚さ方向
がb軸(22.3オングストローム)に一致した。得ら
れた板状酸化物誘電体粒子の電子顕微鏡写真(倍率:5
000倍)を図1に示す。板状酸化物誘電体粒子の厚さ
Dは0.1〜1μm、粒子の板面の長さLは1〜15μ
m、幅Wは0.5〜10μm、粒子の板面の面積の平方
根Aは0.3〜13μmであり、平均のD/A、D/
L、D/Wはそれぞれ0.03、0.02、0.04で
あった。その結果を表2に示す。
【0024】この板状酸化物誘電体粒子にバインダ、可
塑剤、溶剤等を加えて混合し、ドクターブレード法によ
りシート状に成形し、それらを積層、加熱圧着し、空気
中で焼結を行うことによりセラミックスを作製した。こ
のセラミックスをシート成形方向(X軸方向)、積層方
向(Z軸方向)、これらに垂直な方向(Y軸方向)の3
つの方向に垂直な面の板状サンプルを切り出し、平行平
板コンデンサを形成した後、インピーダンスアナライザ
により静電容量を測定し比誘電率ε(1MHz)を求
めた。その結果、εは98(X軸方向)、78(Z軸
方向)、63(Y軸方向)であり、3つの方向で大きな
誘電異方性を有していた。
【0025】実施例2 表1記載のように製造条件をかえた以外は、実施例1と
同様に製造し、白色の板状酸化物誘電体粒子を得た。エ
ックス線回折により結晶構造を調べた結果、マイクロ波
誘電体として有用なBaSmTi12結晶構造で
あった。この板状酸化物誘電体粒子の電子顕微鏡写真
(倍率:5000倍)を図2に示す。板状酸化物誘電体
粒子の厚さDは0.2〜2μm、粒子の板面の長さLは
2〜20μm、幅Wは1.0〜15μm、粒子の板面の
面積の平方根Aは1.4〜18μmであり、平均のD/
A、D/L、D/Wはそれぞれ0.07、0.06、
0.08であった。その結果を表2に示す。
【0026】実施例3〜18 表1記載のように製造条件をかえた以外は、実施例1と
同様に製造し板状酸化物誘電体粒子を得た。エックス線
回折により結晶構造を調べた結果、何れの試料もマイク
ロ波誘電体として有用なBaRTiO12(ただし、
Rは希土類元素を表す。)結晶構造であった。なお、表
1中、Pr−Oと表したのは他の希土類原料と比較しや
すくするためにPr11/3、すなわちPr
11の1/3の式量をPr原料としたものである。得ら
れた板状酸化物誘電体粒子の厚さD、粒子の板面の長さ
L、幅W、粒子の板面の面積の平方根A、平均のD/
A、D/L、D/Wを表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明により得られる板状酸化物誘電体
粒子は異方的な形状を有することから、誘電特性に異方
性のある新規な材料の原料として有用である。また、複
合材料の原料として用いた場合、補強効果による機械的
特性の向上という点からも有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板状酸化物誘電体粒子の粒子構造を示
す図面に代わる電子顕微鏡写真図である。
【図2】本発明の板状酸化物誘電体粒子の粒子構造を示
す図面に代わる電子顕微鏡写真図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バリウム、チタンおよび希土類元素を
    主成分とする板状酸化物誘電体粒子であり、該板状酸化
    物誘電体粒子の板の厚さをD、板の面の面積の平方根を
    Aとしたとき、D/Aが0.7以下であることを特徴と
    する板状酸化物誘電体粒子。
JP6305316A 1994-11-04 1994-11-04 板状酸化物誘電体粒子 Pending JPH08133832A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6986879B2 (en) 2000-10-16 2006-01-17 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for producing complex metal oxide powder
JP2006347820A (ja) * 2005-06-16 2006-12-28 Ntn Corp 誘電体セラミックスおよびその製造方法
US7179844B2 (en) 2000-07-27 2007-02-20 Otsuka Chemical Co., Ltd. Dielectric resin foam and lens for radio waves using the same
JP2010235336A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Kyocera Corp 誘電体セラミックスおよび誘電体共振器
JP2011105547A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Tdk Corp 誘電体磁器組成物
KR20190106726A (ko) * 2018-03-09 2019-09-18 삼성전자주식회사 세라믹 유전체 및 그 제조 방법, 세라믹 전자 부품 및 전자장치

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