JPH08133031A - 坂道発進補助装置 - Google Patents

坂道発進補助装置

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JPH08133031A
JPH08133031A JP26985494A JP26985494A JPH08133031A JP H08133031 A JPH08133031 A JP H08133031A JP 26985494 A JP26985494 A JP 26985494A JP 26985494 A JP26985494 A JP 26985494A JP H08133031 A JPH08133031 A JP H08133031A
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Takeshi Iwasaki
健 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキ保持動作を解除するクラッチストロ
ークの解除点を自動的にかつ最適に設定できるようにす
る。 【構成】 プログラム制御回路に解除点の自動設定モー
ドを備え、自動設定モードでは、車速センサの出力が実
質的に零であり、パーキングブレーキが解除され、変速
機が発進ギヤに投入された状態であり、クラッチがいっ
たん切断された後に接続方向に操作されているときに内
燃機関の回転速度が所定値pだけ低下した点を基準にク
ラッチが解放される方向に距離αだけ移動した位置を解
除点として設定する。 【効果】 発進時におけるクラッチのひきずりがなくな
るために、クラッチの摩耗を少なくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車に利用する。本発
明はブレーキ状態を保持する装置の改良に関する。本発
明は、車両が坂道に停車した状態から発進する場合に、
運転者がブレーキペダルから足を離しても自動的にブレ
ーキが保持され、クラッチペダルが設定された解除点を
越えたときに、自動的にブレーキを解放させる装置の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】坂道路上に停止した自動車を発進させる
ときには、運転者はいったんパーキング・ブレーキを引
いて車両に制動力を与え、変速ギヤを発進ギヤに選択
し、クラッチを緩やかにつなぎながらアクセル・ペダル
を踏み込みエンジンの出力を大きくするとともに、パー
キング・ブレーキを緩めるという複雑な操作を行うこと
が必要である。このような操作は自動車の運転操作では
基本事項であるが、トラックやバスなどでは積載荷重に
よってその操作が大きく異なるなど、エンストあるいは
車両後退を起こしやすい。
【0003】このような運転操作を補助するための装置
として、特開昭60−11719号公報、あるいは特開
平4−244462号公報などに開示された坂道発進補
助装置が知られている。
【0004】従来の坂道発進補助装置は、ブレーキ圧力
が一定値を越えて車速が零になったとき、すなわち車両
が走行状態を経て停車したときに、運転者がブレーキ・
ペダルから足を離しても自動的にブレーキ圧力を保持す
るように構成されている。この状態で、運転者が変速レ
バーを発進ギヤ(具体例では、ロー・ギヤ、セカンド・
ギヤである)に設定し、クラッチを繋ぎ、アクセル・ペ
ダルを踏み込んだときに、装置がそれを自動的に検出し
て、最も適切なタイミングで自動的にそのブレーキ圧力
を解放するように構成されている。このような坂道発進
補助装置を装備した車両では、運転者はパーキング・ブ
レーキの操作を伴うことなく坂道発進操作を行うことが
できる。
【0005】車両の走行方向に勾配がない場合でも、走
行状態から停車したときにブレーキ圧力を保持するよう
に構成しておくと、信号待ちなどの停車時にもブレーキ
圧力が自動的に保持されて便利な場合があり、そのよう
にも利用されている。
【0006】実用に供されている坂道発進補助装置は、
ブレーキ圧力が自動的に保持された後に、クラッチがい
ったん深く踏まれてから設定された解除点を通過すると
きにブレーキ圧力を解放するが、その解除点の設定は運
転者の操作により変更することができるようになってい
る。すなわち、この解除点の最適位置はクラッチの摩耗
状態によって変わるものであるし、運転者の好みにより
変わることもあるし、さらに、積荷の重量によっても変
わることもある。
【0007】具体的な例では、運転席に坂道発進補助装
置の操作表示パネルが設けられ、クラッチ操作をしなが
らその操作表示パネルの表示をみて、その操作表示パネ
ルに設けた操作ボタンを操作することにより、わずかず
つその解除点を変更することができるようになってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような装置では、
あらゆる運転者がその解除点の設定を適切に行うとは限
らないし、操作が繁雑である。この解除点の設定を正確
に行うには、車両をいったん適当な坂道に停車させるこ
となどが必要であり、実際に積荷を積載した状態で運行
中にはこのような解除点の設定変更の操作を行う適当な
場所は見つけられない。したがって、解除点の位置が違
っていることに気付くと、坂道発進補助装置の動作その
ものを停止させて運転することになる。また、解除点を
変更するとしても適当に1ステップだけ変更してみるな
どの操作が行われ、現実にはその1ステップだけ変更す
る方向を間違える場合もある。
【0009】本発明は、このような背景に行われたもの
であって、解除点を自動的にかつ最適に設定することが
できる装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブレーキ保持
動作を解除するクラッチストロークの解除点を自動的か
つ最適に設定することを特徴とする。
【0011】すなわち、車速センサの出力が実質的に零
であり、パーキングブレーキが解除されたときにブレー
キ圧を保持し、変速機が発進ギヤに投入された状態にあ
り、クラッチがいったん切断された後に設定された解除
点を越えて接続されたことを条件に前記ブレーキ圧を解
放させる制御手段を備えた坂道発進補助装置において、
前記制御手段は、解除点の自動設定モードを備え、この
自動設定モードでは、車速センサの出力が実質的に零で
あり、パーキングブレーキが解除され、変速機が発進ギ
ヤに投入された状態にあり、クラッチがいったん切断さ
れた後に接続方向に操作されているときに内燃機関の回
転速度が所定値pだけ低下した点を基準にクラッチが開
放される方向に距離αだけ移動した位置を解除点として
設定する手段を備えたことを特徴とする。前記設定値p
は30ないし100rpmに設定され、αはペダルのス
トロークで5ないし10mmに設定されることが望まし
い。
【0012】
【作用】本発明は、実用的な車両について繰り返し試験
を行った結果から得られたものであって、クラッチペダ
ルを緩やかに抜きながら、クラッチが接続しはじめ内燃
機関の回転速度がわずかに低下したことが検出されたと
きに、そのときのクラッチストロークよりわずかにクラ
ッチの切断側に設定することが、クラッチの摩耗を少な
くするとともに、円滑な坂道発進を行うことができる最
適点であることを認識したものである。
【0013】このような自動設定は多くの試験を行った
運転者には評判がよかった。一部の運転者はこれは適当
でないとの評価であったが、このような自動設定を行っ
た後に、坂道発進を行うときに車両が逆進するような現
象が発生すると、運転者は当然にブレーキ圧力の解除点
を手動操作により変更するであろうから、最初の解除点
の設定を本発明のように行うことには実用上の問題はな
い。
【0014】
【実施例】次に、本発明実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明実施例の要部の構成を示すブロック図
である。本発明実施例は、クラッチ油圧スイッチ1と、
ストップランプ・スイッチ2と、クラッチ・センサ3
と、パーキングブレーキ・スイッチ4と、回転センサ
(車速センサ)5と、変速レバーのニュートラルを示す
ニュートラル・スイッチ6と、勾配センサ7とを備え、
ブレーキ・ペダル11が解放されても制御信号にしたが
って一時的にブレーキ圧力を保持する制御弁9と、前記
各センサの出力を入力とし前記制御信号を制御弁9に送
出するプログラム制御回路10とを備え、このプログラ
ム制御回路10には、ストップランプ・スイッチ2の出
力が制動状態を示し車速が零であるときに、制御弁9に
対してブレーキ圧力を保持させるための制御信号を送出
する手段と、この手段によりブレーキ圧力が保持された
状態で、前進発進位置もしくは後退位置を示し、クラッ
チ・センサ3が所定のストロークを検出したときに、ブ
レーキ圧力を解除するための制御信号を送出する手段と
が備えられる。
【0015】また、プログラム制御回路10に操作入力
を行うコントロールユニット20と、プログラム制御回
路10からの警報出力にしたがって警報を発生する警報
装置25とが備えられ、コントロールユニット20に
は、本装置への電源供給の開閉を行うメインスイッチ2
1と、操作入力時の数字を表示するデシマル・ポイント
26付きの7セグメント表示器22と、解除点を調整す
るときに操作される解除点調整スイッチ23と、初期調
整時に操作される初期調整スイッチ24とが設けられ、
警報装置25には、音響により警報を発生する警報ブザ
ー25aと、点灯することにより警報を発生する警報ラ
ンプ25bとが設けられる。
【0016】さらに、本発明の特徴として、プログラム
制御回路10に、解除点の自動設定モードが備えられ、
この自動設定モードでは、車速センサの出力が実質的に
零であり、パーキングブレーキが解除され、変速機が発
進ギヤに投入された状態にあり、クラッチがいったん切
断された後に接続方向に操作されているときに内燃機関
の回転速度が所定値pだけ低下した点を基準にクラッチ
が開放される方向に距離αだけ移動した位置を解除点と
して設定する手段が備えられる。前記設定値pは30な
いし100rpmに設定され、αはペダルのストローク
で5ないし10mmに設定される。
【0017】次に、このように構成された本発明実施例
の動作について説明する。図2は本発明実施例の解除点
自動設定モードにおける制御動作の流れを示すフローチ
ャートである。
【0018】プログラム制御回路10は回転センサ(車
速センサ)5の検出出力を取込み、車速が実質的に零で
あれば、パーキングブレーキ・スイッチ4がオフ状態に
あるか否かを確認し、オフ状態にあればパーキングブレ
ーキが解除されているものとして装置の故障の有無を確
認する。故障状態にあれば警報装置25に警報信号を送
出し、警報ブザー25aから警報音を発生させるととも
に、警報ランプ25bを点灯させて故障状態にあること
を通報する。
【0019】異常がなければニュートラル・スイッチ6
がオフ状態にあるか否かを確認し、オフ状態にあれば変
速機が発進ギヤ(後退ギヤも含む)に投入された状態に
あるので、クラッチ・センサ3からの検出出力を取込
み、クラッチがいったん切断されたか否かを確認する。
クラッチがいったん切断された後であれば、クラッチが
接続方向に操作されたか否かを確認し、接続方向に操作
されているときには、図3に示すように、内燃機関の回
転速度が所定値p(この例ではp=50rpm)低下し
た距離Aの位置を基準点としてクラッチが開放される方
向に距離α(5ないし10mm)だけ移動した位置を解
除点として設定する。
【0020】このように、クラッチが接続しはじめて内
燃機関の回転速度がわずかに低下したことを検出したと
きに、そのときのクラッチストロークよりわずかに切断
側よりに解除点を設定することにより、クラッチのひき
ずりを少なくすることができるので、クラッチの摩耗を
少なくするとともに、円滑な坂道発進を行うに最適な解
除点を自動的に得ることができる。
【0021】ここで、本発明実施例における坂道発進補
助装置によって行われるブレーキ保持動作およびブレー
キ解除動作について説明する。図4は本発明実施例にお
けるブレーキ保持動作の流れを示すフローチャート、図
5は本発明実施例におけるブレーキ解除動作の流れを示
すフローチャートである。
【0022】まず、ブレーキ保持動作は、図4に示すよ
うに、プログラム制御回路10がストップランプ・スイ
ッチ2からの出力を取り込み、ブレーキが踏まれたか否
かを判定する。ブレーキが踏まれていなければ制動によ
り停車した状態ではないので制御弁9への制御信号の送
出を禁止して坂道発進の補助動作を停止する。ブレーキ
が踏まれている場合は回転センサ5からの出力を取り込
み車速が零であるか否かを判定する。車速が零でなけれ
ば車両は走行しているので、制御弁9への制御信号の送
出を禁止し坂道発進の補助動作を停止する。
【0023】車速が零である場合は勾配センサ7からの
出力を取り込み、現在の勾配センサ7の出力が設定され
た所定値Sを越えているか否かを判定する。勾配センサ
7の出力が所定値Sを越えている場合は、車両が動いて
いるものとして、制御弁9への制御信号の送出を禁止し
補助動作を停止する。所定値Sを越えていなければ車両
が停止しているものとして制御弁9に制御信号を送出
し、制御弁9を駆動してブレーキ・バルブ12を動作さ
せ坂道発進の補助動作を実行する。
【0024】次に、ブレーキ解除動作について説明す
る。車両が坂道でブレーキ保持状態にあるときにクラッ
チ・センサ3およびニュートラル・スイッチ6からの出
力を取り込みクラッチが踏み込まれてギヤが前進発進位
置(ローまたはセカンド)あるいは後退の位置に設定さ
れたか否かを判定する。
【0025】クラッチが踏み込まれギヤが発進状態に設
定された場合には、クラッチ・センサ3の出力からあら
かじめ設定された所定ストローク以下になったか否かを
判定する。所定ストローク以下になったときには発進が
行われるものとして、制御弁9への制御信号の送出を禁
止しブレーキを解除する。ギヤが発進状態に設定されて
いなく、もしくはクラッチの踏み込み量が所定ストロー
ク以上である場合は、制御弁9への制御信号の送出を継
続しブレーキ保持状態を維持する。
【0026】ブレーキの解除位置(クラッチペダルの踏
み込みストロークの値)設定は、運転者による好みおよ
びクラッチの摩耗による変化に適応し任意に行うことが
できる。設定されたクラッチペダルの踏み込みストロー
クの値は再設定されるまで保持される。クラッチペダル
の踏み込みストロークがその設定された基準値を越えて
いれば発進補助動作を継続する。メインスイッチ21を
オフ状態にすると装置への電源供給が停止され発進補助
動作は行われない。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ブ
レーキ保持動作を解除するクラッチストロークの解除点
を自動的にかつ最適に設定することができるので、発進
時におけるクラッチのひきずりをなくすことができ、ク
ラッチを不用意に摩耗させることを防止することができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の要部の構成を示すブロック図。
【図2】本発明実施例の解除点設定モードにおける制御
動作の流れを示すフローチャート。
【図3】本発明実施例における解除点の変更を説明する
図。
【図4】本発明実施例におけるブレーキ保持動作の流れ
を示すフローチャート。
【図5】本発明実施例におけるブレーキ解除動作の流れ
を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 クラッチ油圧スイッチ 2 ストップランプ・スイッチ 3 クラッチ・センサ 4 パーキングブレーキ・スイッチ 5 回転センサ 6 ニュートラル・スイッチ 7 勾配センサ 9 制御弁 10 プログラム制御回路 11 ブレーキ・ペダル 12 ブレーキ・バルブ 20 コントロールユニット 21 メインスイッチ 22 7セグメント表示器 23 解除点調整スイッチ 24 初期調整スイッチ 25 警報装置 25a 警報ブザー 25b 警報ランプ 26 デシマル・ポイント

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速センサの出力が実質的に零であり、
    パーキングブレーキが解除されたときにブレーキ圧を保
    持し、変速機が発進ギヤに投入された状態にあり、クラ
    ッチがいったん切断された後に設定された解除点を越え
    て接続されたことを条件に前記ブレーキ圧を解放させる
    制御手段を備えた坂道発進補助装置において、 前記制御手段は、解除点の自動設定モードを備え、この
    自動設定モードでは、車速センサの出力が実質的に零で
    あり、パーキングブレーキが解除され、変速機が発進ギ
    ヤに投入された状態にあり、クラッチがいったん切断さ
    れた後に接続方向に操作されているときに内燃機関の回
    転速度が所定値pだけ低下した点を基準にクラッチが開
    放される方向に距離αだけ移動した位置を解除点として
    設定する手段を備えたことを特徴とする坂道発進補助装
    置。
  2. 【請求項2】 前記設定値pは30ないし100rpm
    に設定され、αはペダルのストロークで5ないし10m
    mに設定された請求項1記載の坂道発進補助装置。
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