JPH08132130A - 硬質被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆サーメット製引抜ダイス - Google Patents
硬質被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆サーメット製引抜ダイスInfo
- Publication number
- JPH08132130A JPH08132130A JP34072294A JP34072294A JPH08132130A JP H08132130 A JPH08132130 A JP H08132130A JP 34072294 A JP34072294 A JP 34072294A JP 34072294 A JP34072294 A JP 34072294A JP H08132130 A JPH08132130 A JP H08132130A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 硬質被覆層のサーメット基体表面に対する密
着性にすぐれた表面被覆サーメット製引抜ダイスを提供
する。 【構成】 WC基超硬合金、TiC基サーメット、また
は(Ti,M)CN基サーメット(Mは金属元素)から
なるサーメットの基体表面に、TiC,TiN,TiC
N,TiCO、およびTiCNOのうちの1種の単層ま
たは2種以上の複層、さらにこれに必要に応じてAl2
O3 層を加えたものからなる硬質被覆層を0.5〜20
μmの平均層厚で形成してなる表面被覆サーメット製引
抜ダイスにおいて、上記硬質被覆層の上記サーメット基
体表面に接する第1層を、X線回折における(422)
面に最高ピーク強度が現われるTiCN層で構成する。
着性にすぐれた表面被覆サーメット製引抜ダイスを提供
する。 【構成】 WC基超硬合金、TiC基サーメット、また
は(Ti,M)CN基サーメット(Mは金属元素)から
なるサーメットの基体表面に、TiC,TiN,TiC
N,TiCO、およびTiCNOのうちの1種の単層ま
たは2種以上の複層、さらにこれに必要に応じてAl2
O3 層を加えたものからなる硬質被覆層を0.5〜20
μmの平均層厚で形成してなる表面被覆サーメット製引
抜ダイスにおいて、上記硬質被覆層の上記サーメット基
体表面に接する第1層を、X線回折における(422)
面に最高ピーク強度が現われるTiCN層で構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、硬質被覆層のサーメ
ット基体表面に対する密着性にすぐれた表面被覆サーメ
ット製引抜ダイスに関するものである。
ット基体表面に対する密着性にすぐれた表面被覆サーメ
ット製引抜ダイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、例えば特開平4−123
812号公報に記載されるように、炭化タングステン
(以下、WCで示す)基超硬合金や、炭化チタン(以
下、TiCで示す)基サーメット、さらに組成式:(T
i,M)CN{ただし、Mは周期律表の4a,5a、お
よび6a族元素のうちの1種以上を示す}で現わされる
複合金属炭窒化物を主成分とするサーメット(以下、
(Ti,M)CN基サーメットという、またこれらを総
称して「サーメット」という)で構成された基体の表面
に、化学蒸着法にて、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化
物、炭酸化物、および炭窒酸化物(以下、それぞれTi
C,TiN,TiCN,TiCO、およびTiCNOで
示す)のうちの1種の単層または2種以上の複層、さら
にこれに必要に応じて酸化アルミニウム(以下、Al2
O3 で示す)層を加えたものからなる硬質被覆層を0.
5〜20μmの平均層厚で形成してなる表面被覆サーメ
ット製引抜ダイスが、各種の線材や棒材、さらに管材な
どの引抜加工に用いられていることは良く知られるとこ
ろである。
812号公報に記載されるように、炭化タングステン
(以下、WCで示す)基超硬合金や、炭化チタン(以
下、TiCで示す)基サーメット、さらに組成式:(T
i,M)CN{ただし、Mは周期律表の4a,5a、お
よび6a族元素のうちの1種以上を示す}で現わされる
複合金属炭窒化物を主成分とするサーメット(以下、
(Ti,M)CN基サーメットという、またこれらを総
称して「サーメット」という)で構成された基体の表面
に、化学蒸着法にて、Tiの炭化物、窒化物、炭窒化
物、炭酸化物、および炭窒酸化物(以下、それぞれTi
C,TiN,TiCN,TiCO、およびTiCNOで
示す)のうちの1種の単層または2種以上の複層、さら
にこれに必要に応じて酸化アルミニウム(以下、Al2
O3 で示す)層を加えたものからなる硬質被覆層を0.
5〜20μmの平均層厚で形成してなる表面被覆サーメ
ット製引抜ダイスが、各種の線材や棒材、さらに管材な
どの引抜加工に用いられていることは良く知られるとこ
ろである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の引抜加工
技術の発展はめざましく、これに伴ない、引抜加工は高
速化および高加工率化の傾向にあるが、上記の従来表面
被覆サーメット製引抜ダイスにおいては、これを高速お
よび高加工率の条件で使用した場合、サーメット基体表
面に対する硬質被覆層の密着性が十分でないために、前
記硬質被覆層に剥離が発生し易く、したがって比較的短
時間で使用寿命に至るのが現状である。
技術の発展はめざましく、これに伴ない、引抜加工は高
速化および高加工率化の傾向にあるが、上記の従来表面
被覆サーメット製引抜ダイスにおいては、これを高速お
よび高加工率の条件で使用した場合、サーメット基体表
面に対する硬質被覆層の密着性が十分でないために、前
記硬質被覆層に剥離が発生し易く、したがって比較的短
時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来表面被覆サーメット
製引抜ダイスに着目し、これを構成する硬質被覆層のサ
ーメット基体表面に対する密着性を向上させるべく研究
を行なった結果、硬質被覆層のサーメット基体表面に接
する第1層をTiCN層に特定した上で、従来のTiC
N層形成条件である、 温度:880〜960℃、 圧力:30〜200torr、 反応ガス組成:1≦TiCl4 /CH3 CN≦9、 に比較して、相対的に低温で、高TiCl4 /CH3 C
N比である、 温度:700〜860℃、 圧力:30〜200torr、 反応ガス組成:9<TiCl4 /CH3 CN≦13、 とした条件でTiCN層を形成し、これをX線回折によ
り観察すると、上記の従来形成条件で形成されたTiC
N層においては、反応温度が高温側に移行するにつれ、
またTiCl4 /CH3 CN比が9から1へ変化するに
つれて、(220)面から(111)面、さらに(20
0)面へと最高ピーク強度が移行するが、上記の低温お
よび高TiCl4 /CH3 CN比とした条件で形成した
TiCN層においては、(422)面に最高ピーク強度
が現われるようになり、このX線回折で(422)面に
最高ピーク強度が現われるTiCN層は、最高ピーク強
度が(220)面、(111)面、および(200)面
に現われる上記の従来TiCN層に比してサーメット基
体表面に対する密着性にすぐれ、かつ硬質被覆層の上記
構成層のそれぞれに対する密着性も前記構成層相互間の
密着性と同等に高いものであり、したがってこの結果の
表面被覆サーメット製引抜ダイスは、これを高速および
高加工率の苛酷な条件で用いても硬質被覆層に剥離の発
生なく、すぐれた性能を長期に亘って発揮するという研
究結果を得たのである。
上述のような観点から、上記の従来表面被覆サーメット
製引抜ダイスに着目し、これを構成する硬質被覆層のサ
ーメット基体表面に対する密着性を向上させるべく研究
を行なった結果、硬質被覆層のサーメット基体表面に接
する第1層をTiCN層に特定した上で、従来のTiC
N層形成条件である、 温度:880〜960℃、 圧力:30〜200torr、 反応ガス組成:1≦TiCl4 /CH3 CN≦9、 に比較して、相対的に低温で、高TiCl4 /CH3 C
N比である、 温度:700〜860℃、 圧力:30〜200torr、 反応ガス組成:9<TiCl4 /CH3 CN≦13、 とした条件でTiCN層を形成し、これをX線回折によ
り観察すると、上記の従来形成条件で形成されたTiC
N層においては、反応温度が高温側に移行するにつれ、
またTiCl4 /CH3 CN比が9から1へ変化するに
つれて、(220)面から(111)面、さらに(20
0)面へと最高ピーク強度が移行するが、上記の低温お
よび高TiCl4 /CH3 CN比とした条件で形成した
TiCN層においては、(422)面に最高ピーク強度
が現われるようになり、このX線回折で(422)面に
最高ピーク強度が現われるTiCN層は、最高ピーク強
度が(220)面、(111)面、および(200)面
に現われる上記の従来TiCN層に比してサーメット基
体表面に対する密着性にすぐれ、かつ硬質被覆層の上記
構成層のそれぞれに対する密着性も前記構成層相互間の
密着性と同等に高いものであり、したがってこの結果の
表面被覆サーメット製引抜ダイスは、これを高速および
高加工率の苛酷な条件で用いても硬質被覆層に剥離の発
生なく、すぐれた性能を長期に亘って発揮するという研
究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、WC基超硬合金、TiC基サー
メット、および(Ti,M)CN基サーメットなどのサ
ーメットで構成された基体の表面に、化学蒸着法にて、
TiC,TiN,TiCN,TiCO、およびTiCN
Oのうちの1種の単層または2種以上の複層、さらにこ
れに必要に応じてAl2 O3 層を加えたものからなる硬
質被覆層を0.5〜20μmの平均層厚で形成してなる
表面被覆サーメット製引抜ダイスにおいて、上記硬質被
覆層の上記サーメット基体表面に接する第1層を、X線
回折における(422)面に最高ピーク強度を示すTi
CN層で構成してなる、硬質被覆層がすぐれた密着性を
有する表面被覆サーメット製引抜ダイスに特徴を有する
ものである。なお、この発明の表面被覆サーメット製引
抜ダイスにおいて、これを構成する硬質被覆層の平均層
厚を0.5〜20μmとしたのは、その平均層厚が0.
5μm未満では所望のすぐれた耐摩耗性を確保すること
ができず、一方その平均層厚が20μmを越えると、欠
けやチッピング(微小欠け)が発生し易くなるという理
由によるものである。
なされたものであって、WC基超硬合金、TiC基サー
メット、および(Ti,M)CN基サーメットなどのサ
ーメットで構成された基体の表面に、化学蒸着法にて、
TiC,TiN,TiCN,TiCO、およびTiCN
Oのうちの1種の単層または2種以上の複層、さらにこ
れに必要に応じてAl2 O3 層を加えたものからなる硬
質被覆層を0.5〜20μmの平均層厚で形成してなる
表面被覆サーメット製引抜ダイスにおいて、上記硬質被
覆層の上記サーメット基体表面に接する第1層を、X線
回折における(422)面に最高ピーク強度を示すTi
CN層で構成してなる、硬質被覆層がすぐれた密着性を
有する表面被覆サーメット製引抜ダイスに特徴を有する
ものである。なお、この発明の表面被覆サーメット製引
抜ダイスにおいて、これを構成する硬質被覆層の平均層
厚を0.5〜20μmとしたのは、その平均層厚が0.
5μm未満では所望のすぐれた耐摩耗性を確保すること
ができず、一方その平均層厚が20μmを越えると、欠
けやチッピング(微小欠け)が発生し易くなるという理
由によるものである。
【0006】
【実施例】つぎに、この発明の表面被覆サーメット製引
抜ダイスを実施例により具体的に説明する。原料粉末と
して、いずれも0.5〜2μmの範囲内の所定の平均粒
径を有するWC粉末、TiC粉末、TiCN粉末、Ta
C粉末、NbC粉末、Mo2 C粉末、Cr3 C2 粉末、
VC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら
原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボールミ
ルで72時間湿式混合し、乾燥した後、圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体を、0.05torrの真空中、138
0〜1450℃の範囲内の所定温度に1時間保持の条件
で焼結して、外径:14mm×厚さ:10mmの寸法を有
し、かつ中心部に、加工材装入側端面の孔径:10m
mφ、同出口側端面の孔径:3.2mmφにして、前記加
工材装入側端面から長さ方向6.5mmから8mmにかけて
直径:3mmの最小孔径がある加工孔を有するサーメット
基体A〜Eをそれぞれ製造した。
抜ダイスを実施例により具体的に説明する。原料粉末と
して、いずれも0.5〜2μmの範囲内の所定の平均粒
径を有するWC粉末、TiC粉末、TiCN粉末、Ta
C粉末、NbC粉末、Mo2 C粉末、Cr3 C2 粉末、
VC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら
原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボールミ
ルで72時間湿式混合し、乾燥した後、圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体を、0.05torrの真空中、138
0〜1450℃の範囲内の所定温度に1時間保持の条件
で焼結して、外径:14mm×厚さ:10mmの寸法を有
し、かつ中心部に、加工材装入側端面の孔径:10m
mφ、同出口側端面の孔径:3.2mmφにして、前記加
工材装入側端面から長さ方向6.5mmから8mmにかけて
直径:3mmの最小孔径がある加工孔を有するサーメット
基体A〜Eをそれぞれ製造した。
【0007】つぎに、上記サーメット基体A〜Eの表面
に、研磨した状態で、通常の化学蒸着装置を用い、それ
ぞれ表2,3に示される条件で第1層としてのTiCN
層を形成し、このTiCN層についてX線回折を行な
い、最高ピーク強度を示す結晶面を測定し(この測定結
果を表5,6に示す)、ついで第1層としての前記Ti
CN層の上に、それぞれ表4に示される条件で、表5,
6に示される組成および平均層厚の硬質被覆層を形成す
ることにより本発明表面被覆サーメット製引抜ダイス
(以下、本発明被覆ダイスという)1〜8および従来表
面被覆サーメット製引抜ダイス(以下、従来被覆ダイ
ス)1〜8をそれぞれ製造した。
に、研磨した状態で、通常の化学蒸着装置を用い、それ
ぞれ表2,3に示される条件で第1層としてのTiCN
層を形成し、このTiCN層についてX線回折を行な
い、最高ピーク強度を示す結晶面を測定し(この測定結
果を表5,6に示す)、ついで第1層としての前記Ti
CN層の上に、それぞれ表4に示される条件で、表5,
6に示される組成および平均層厚の硬質被覆層を形成す
ることにより本発明表面被覆サーメット製引抜ダイス
(以下、本発明被覆ダイスという)1〜8および従来表
面被覆サーメット製引抜ダイス(以下、従来被覆ダイ
ス)1〜8をそれぞれ製造した。
【0008】ついで、この結果得られた各種の被覆ダイ
スを、直径:42mmφ×厚さ:20mmの炭素鋼製台にろ
う付けした状態で線引加工装置に組み込み、 線引素材:重量%で、Ni−1.5%Co−22%Cr
−9%Mo−0.6%W−18%Fe−0.1%Cの組
成を有する直径:5.5mmφの耐熱耐食性Ni基合金、 線引線径:3mmφ(加工率:45%/パス)、 線引速度:25m/min 、 の加速条件で線引加工試験を行ない、摩耗により使用寿
命に至るまでの線引加工時間を測定した。これらの測定
結果を表5,6に示した。また、図1,2には、それぞ
れ本発明被覆ダイス1および従来被覆ダイス1のX線回
折測定結果を示した。
スを、直径:42mmφ×厚さ:20mmの炭素鋼製台にろ
う付けした状態で線引加工装置に組み込み、 線引素材:重量%で、Ni−1.5%Co−22%Cr
−9%Mo−0.6%W−18%Fe−0.1%Cの組
成を有する直径:5.5mmφの耐熱耐食性Ni基合金、 線引線径:3mmφ(加工率:45%/パス)、 線引速度:25m/min 、 の加速条件で線引加工試験を行ない、摩耗により使用寿
命に至るまでの線引加工時間を測定した。これらの測定
結果を表5,6に示した。また、図1,2には、それぞ
れ本発明被覆ダイス1および従来被覆ダイス1のX線回
折測定結果を示した。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】
【表4】
【0013】
【表5】
【0014】
【表6】
【0015】
【発明の効果】表4,5および図1,2に示される結果
から、硬質被覆層のX線回折で、第1層であるTiCN
層の(422)面に最高ピーク強度が現われる本発明被
覆ダイス1〜8は、いずれも硬質被覆層のサーメット基
体表面に対する密着性にすぐれているので、苛酷な条件
下での線引加工にも前記硬質被覆層に剥離の発生なく、
すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するのに対して、
TiCN層の(220)面、(111)面、および(2
00)面に最高ピーク強度が現われる従来被覆ダイス1
〜8では、硬質被覆層のサーメット基体表面に対する密
着性が不十分なので、線引加工途中で剥離が発生し、こ
れが原因で比較的短時間で使用寿命に至ることが明らか
である。上述のように、この発明の表面被覆サーメット
製引抜ダイスにおいては、これを構成する硬質被覆層の
第1層がX線回折で(422)面に最高ピーク強度を示
すTiCN層からなっており、これによりサーメット基
体表面に対する硬質被覆層の密着性が著しく向上したも
のになっているので、引抜加工を高速で行なっても、さ
らに高加工率で行なっても硬質被覆層に剥離の発生な
く、著しく長期に亘ってすぐれた性能を発揮するのであ
る。
から、硬質被覆層のX線回折で、第1層であるTiCN
層の(422)面に最高ピーク強度が現われる本発明被
覆ダイス1〜8は、いずれも硬質被覆層のサーメット基
体表面に対する密着性にすぐれているので、苛酷な条件
下での線引加工にも前記硬質被覆層に剥離の発生なく、
すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するのに対して、
TiCN層の(220)面、(111)面、および(2
00)面に最高ピーク強度が現われる従来被覆ダイス1
〜8では、硬質被覆層のサーメット基体表面に対する密
着性が不十分なので、線引加工途中で剥離が発生し、こ
れが原因で比較的短時間で使用寿命に至ることが明らか
である。上述のように、この発明の表面被覆サーメット
製引抜ダイスにおいては、これを構成する硬質被覆層の
第1層がX線回折で(422)面に最高ピーク強度を示
すTiCN層からなっており、これによりサーメット基
体表面に対する硬質被覆層の密着性が著しく向上したも
のになっているので、引抜加工を高速で行なっても、さ
らに高加工率で行なっても硬質被覆層に剥離の発生な
く、著しく長期に亘ってすぐれた性能を発揮するのであ
る。
【図1】本発明被覆ダイス1の硬質被覆層のX線回折測
定結果を示す図である。
定結果を示す図である。
【図2】従来被覆ダイス1の硬質被覆層のX線回折測定
結果を示す図である。
結果を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 サーメット基体の表面に、Tiの炭化
物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、および炭窒酸化物の
うちの1種の単層または2種以上の複層からなる硬質被
覆層を0.5〜20μmの平均層厚で形成してなる表面
被覆サーメット製引抜ダイスにおいて、 上記硬質被覆層の上記サーメット基体表面に接する第1
層を、X線回折における(422)面に最高ピーク強度
を示す炭窒化チタンで構成したことを特徴とする硬質被
覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆サーメット製引
抜ダイス。 - 【請求項2】 サーメット基体の表面に、Tiの炭化
物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、および炭窒酸化物の
うちの1種の単層または2種以上の複層と、酸化アルミ
ニウム層からなる硬質被覆層を0.5〜20μmの平均
層厚で形成してなる表面被覆サーメット製引抜ダイスに
おいて、 上記硬質被覆層の上記サーメット基体表面に接する第1
層を、X線回折における(422)面に最高ピーク強度
を示す炭窒化チタンで構成したことを特徴とする硬質被
覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆サーメット製引
抜ダイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34072294A JPH08132130A (ja) | 1994-11-10 | 1994-11-10 | 硬質被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆サーメット製引抜ダイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34072294A JPH08132130A (ja) | 1994-11-10 | 1994-11-10 | 硬質被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆サーメット製引抜ダイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08132130A true JPH08132130A (ja) | 1996-05-28 |
Family
ID=18339692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34072294A Withdrawn JPH08132130A (ja) | 1994-11-10 | 1994-11-10 | 硬質被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆サーメット製引抜ダイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08132130A (ja) |
Cited By (10)
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-
1994
- 1994-11-10 JP JP34072294A patent/JPH08132130A/ja not_active Withdrawn
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