JPH08131587A - ゴルフクラブシャフト - Google Patents

ゴルフクラブシャフト

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JPH08131587A
JPH08131587A JP6298855A JP29885594A JPH08131587A JP H08131587 A JPH08131587 A JP H08131587A JP 6298855 A JP6298855 A JP 6298855A JP 29885594 A JP29885594 A JP 29885594A JP H08131587 A JPH08131587 A JP H08131587A
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JP
Japan
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shaft
golf club
tip
grip side
layer
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Application number
JP6298855A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Sugiyama
哲也 杉山
Naohiro Ohori
尚宏 大堀
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 超高キックポイントを有し、スィングスピー
ドが速いゴルファーに対し、フィーリングが良好で、且
つ打球が上方にふけ上がって失速することなく、ヘッド
スピードの速さに応じた飛距離が得られることを可能と
したゴルフクラブシャフトを提供することである。 【構成】 繊維強化複合材料のパイプからなるゴルフク
ラブシャフトにおいて、シャフトの先端からグリップ側
にかけてのシャフトの外径のテーパー率βが−2/10
00≦β≦0とし、且つシャフトの先端からグリップ側
にかけて曲げ剛性が徐々に小さくなるようにした。その
曲げ剛性の変化は、β≦0の条件下で内径のテーパー率
α等を規定することにより得る。 【効果】 上記の外径のテーパー率β≦0及び曲げ剛性
の漸減により、50%を超える高キックポイントが得ら
れるので、打球のふけがない等、目的の効果が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維等の繊維強化
複合材料のパイプからなるゴルフクラブシャフトに関
し、特にヘッドスピードの速いゴルファーに対して打球
の飛距離を増大することを可能としたゴルフクラブシャ
フトに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブシャフトとして、繊維強化
複合材料製のパイプからなるシャフトが知られており、
近年、軽量で且つ機械的強度が高く、又振動減衰特性が
良好であるという理由から多く利用されている。特にそ
の軽量性のために、繊維強化複合材料製ゴルフシャフト
クラブは、スチール製シャフトに比較して操作性が高
く、市場で確固たる地位を占めるに至りつつある。
【0003】このようなゴルフクラブシャフトは、複数
層の炭素繊維強化複合材料層等から構成されるが、図1
6に示すように、所定の形状寸法に裁断した炭素繊維強
化プリプレグ101を所定枚数だけ、型となるテーパー
付きのマンドレル100の周囲に巻き付け、プリプレグ
101のマトリクス樹脂を硬化してプリプレグ101を
炭素繊維強化複合材料とすることによって形成される。
【0004】このとき、捩り及び曲げ性能を向上させる
ために、炭素繊維強化プリプレグとしては、図16に示
すように、炭素繊維がマンドレル100の軸線(ゴルフ
クラブシャフトの軸線でもある)に対して互に反対方向
に角度(θ)、即ち時計方向に角度(±θ)(通常、θ
=35°〜45°)だけ傾斜するように配列されたプリ
プレグ101(アングル層101′)と、図17に示さ
れるように、炭素繊維がゴルフクラブシャフトの軸線に
対して平行(θ=0°)に配列されたプリプレグ102
(ストレート層102′)とが使用され、通常、図15
に示されるように、ゴルフクラブシャフトの内側層にプ
リプレグ101(アングル層101′)が、外側層にプ
リプレグ102(ストレート層102′)が使用される
ことが多い。
【0005】通常、内側層のプリプレグ101(アング
ル層101′)は約4〜10層、外側層のプリプレグ1
02(ストレート層102′)は約2〜5層積層され、
ゴルフクラブシャフト20は、基本的に、内側の炭素繊
維強化複合材料層4〜10層程度のアングル層101′
と、外側の炭素繊維強化複合材料層2〜5層程度のスト
レート層102′とで構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
繊維強化複合材料製のゴルフクラブシャフト20は図1
18に示すように、通常、先端径が8〜9mm、グリッ
プ径が14〜16mmの順テーパとなっており、先端か
らグリップ側にかけての曲げ剛性EIが徐々に大きくな
るように製作されている。
【0007】このようなシャフトにおいて、キックポイ
ントを上げる、つまりキックポイントをグリップ寄りに
するためには、図19(a)に示すように、外径の制約
の中で、先端部分の外面に補強層21を施すか、或いは
図19(b)に示すように、内径のテーパー率を更に大
きくして、先端部分の内面にも補強層22を施す方法が
採られる。
【0008】しかし、このような方法では、キックポイ
ントの値は高々48%程度にしかならず、然も先端に強
度上不必要な肉厚が配されるので、シャフト全体の重量
増が引き起こされる。更にキックポイントを上げるため
に、グリップ側の肉厚を薄くすると、グリップ側のつぶ
れに対する強度不足を招く。
【0009】上記のキックポイントが低いと、クラブフ
ェース面の回転角が大となり、シャフトのしなりの復元
時に、クラブフェース面の回転戻り角も大となるので、
特にヘッドスピードが速い場合、球の飛び出し角が過大
となって所謂”ふけ”が発生し、飛距離が増大しなくな
る。従ってスィングスピードの速い上級ゴルファーに
は、良く知られるように、キックポイントの高い(いわ
ゆる元調子の)ゴルフクラブシャフトが良いことにな
る。
【0010】ここで、キックポイントとは、図20に示
すように、長さLのゴルフクラブシャフト20に軸方向
の圧縮荷重を加えたときに、最大たわみηが発生する点
の相対的な長さとして定義される。先端側からの距離を
K とすると、キックポイント(K.P.)は、 K.P.(%)=LK /L×100 で表される。
【0011】本発明の目的は、超高キックポイントを有
し、スィングスピードが速いゴルファーに対し、フィー
リングが良好で、且つ打球が上方に拭け上がって失速す
ることなく、ヘッドスピードの速さに応じた飛距離が得
られることを可能としたゴルフクラブシャフトを提供す
ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
ゴルフクラブシャフトにて達成される。要約すれば本発
明は、繊維強化複合材料のパイプからなるゴルフクラブ
シャフトにおいて、前記シャフトの先端からグリップ側
にかけてのシャフトの外径のテーパー率βが−2/10
00≦β≦0であり、且つシャフトの先端からグリップ
側にかけて曲げ剛性が徐々に小さくなることを特徴とす
るゴルフクラブシャフトである。
【0013】本発明の一態様によれば、前記βが−2/
1000≦β<0、且つ前記シャフトの先端からグリッ
プ側にかけてのシャフトの内径のテーパー率αがα=0
又はβ≦α≦+2/1000である。更に他の態様によ
れば、前記βがβ=0、且つ前記αが0<α≦+2/1
000である。いずれも、シャフトの先端からグリップ
側にかけて、材料の弾性率を徐々に小さくすることがで
きる。本発明の更に他の態様によれば、前記β=0且つ
α=0で、更にシャフトの先端からグリップ側にかけ
て、材料の弾性率が徐々に小さくなる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明のゴルフクラブシャフトを示
す縦断面図で、図2は、同じく横断面図である。本発明
のゴルフクラブシャフト10は、先端からグリップ側に
かけての外径のテーパー率βが−2/1000≦β≦0
で、且つ先端からグリップ側にかけて曲げ剛性EIが徐
々に小さくなっていることが大きな特徴である。
【0015】このようなゴルフクラブシャフト10は、
先端からグリップ側にかけて曲げ剛性EIが徐々に小さ
くなるように、外径のテーパー率βが−2/1000≦
β≦0の条件下に、先端からグリップ側にかけての内径
のテーパー率α、又は材料の弾性率を変えることにより
得られる。
【0016】ここで、内径のテーパー率αは、ゴルフク
ラブシャフト10の先端側の内径をdT 、グリップ側の
内径をdG とし、シャフト10の長さをLとすると、 α=(dG −dT )/L で表される。同様に、外径のテーパー率βは、ゴルフク
ラブシャフト10の先端側の外径をDT 、グリップ側の
外径をDG とし、 β=(DG −DT )/L で表される。
【0017】本発明の実施例におけるゴルフクラブシャ
フトの諸態様を図3に示す。
【0018】図3(a)〜(c)に示す実施例のシャフ
ト10は、内径のテーパー率αを変えることにより(つ
まり断面形状を変えることにより)曲げ剛性EIを変え
たものである。図3(a)のシャフト10は外径のテー
パー率β<0(但し、−2/1000≦βである。以
下、同じ)で、内径のテーパー率α=0である。図3
(b)のシャフト10は外径のテーパー率β<0で、内
径のテーパー率α≧β(但し、α≦+2/1000であ
る。以下、同じ)である。図3(c)のシャフト10は
外径のテーパー率β=0で、内径のテーパー率α>0で
ある。
【0019】図3(d)に示す実施例のシャフト10
は、材料の弾性率を変えることにより曲げ剛性EIを変
えたもので、外径のテーパー率β=0、内径のテーパー
率α=0であり、シャフトの先端からグリップ側にかけ
て、材料の弾性率を徐々に小さくしている。
【0020】この図3(d)の態様のシャフト10は、
例えば図4に示すように、炭素繊維の弾性率40トン、
30トン及び24トンの3種のプリプレグ105a、1
05b及び105cを使用し、シャフト先端側にこの3
種のプリプレグ105a〜105cを、グリップ側にプ
リプレグ105cを、その中間に2種のプリプレグ10
5b〜105cを、同一外径及び同一内径となるように
一部重ねて巻回することにより実現することができる。
【0021】図3(a)〜(c)のシャフト10におい
ても、断面形状による曲げ剛性の変化を補助するため
に、先端からグリップ側へかけて材料の弾性率を徐々に
小さくすることができる。例えば図5(a)は、図3
(c)のゴルフクラブシャフト10に適用した場合、図
5(b)は、図3(a)のゴルフクラブシャフト10に
適用した場合である。
【0022】本発明のゴルフクラブシャフト10は、基
本的には、従来のシャフトと同様、先の図16に示した
ように、マンドレル100(但し、マンドレル100は
先太又はストレート)の軸線(シャフトの軸線)に対し
て、炭素繊維が角度(θ)(通常、θ=35°〜45
°)だけ傾斜するように配列された炭素繊維強化プリプ
レグ101(アングル層101′)と、炭素繊維がシャ
フトの軸線に対して平行に配列された炭素繊維強化プリ
プレグ102(ストレート層102′)とを積層し、硬
化して、炭素繊維強化複合材料とすることによって製造
される。その際、シャフト10の先端側又はグリップ側
でのプリプレグ101又102の巻き付数を調整するこ
とにより、外径のテーパー率βが所定値に設定される。
内径のテーパー率αは、使用するマンドレル100の外
径のテーパー率により設定される。
【0023】図2では、アングル層101′が内層とさ
れているが、ストレ−ト層102′を内層とすることも
可能である。通常、アングル層101′は全体で4〜1
0層程度、ストレ−ト層102′は2〜5層程度とされ
るが、その層数を適宜増減することができる。又ゴルフ
クラブシャフトの例えば先後端の強度不足を補うため
に、その箇所に図示しない補強層を加えることができ
る。
【0024】アングル層101′及びストレート層10
2′を形成するための繊維強化プリプレグ101及び1
02には、通常の炭素繊維強化プリプレグを使用するこ
とができる。つまり、炭素繊維強化プリプレグ101、
102は、強化繊維としては炭素繊維(黒鉛繊維をも含
む)を使用し、マトリクス樹脂としては、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジア
リルフタレ−ト樹脂、フェノ−ル樹脂などの熱硬化性マ
トリクス樹脂が使用可能である。又、更に、硬化温度が
50〜200℃となるように硬化剤その他の付与剤、例
えば可撓性付与剤などが適当に添加される。
【0025】勿論、アングル層101′及びストレート
層102′は、強化繊維として、炭素繊維以外のガラス
繊維などの他の繊維を使用した、当業者には周知の種々
のプリプレグを使用して形成することも可能である。
【0026】本発明のゴルフクラブシャフト10では、
先端からグリップ側にかけてのシャフトの外径のテーパ
ー率βがβ≦0であり、且つシャフトの先端からグリッ
プ側にかけて曲げ剛性が徐々に小さくしているので、容
易に50%程度以上の超高キックポイントが得られる。
従ってスィングスピードが速いゴルファーに対し、フィ
ーリングが良好で、且つ打球が上方にふけ上がって失速
することなく、ヘッドスピードの速さに応じた飛距離が
得られる。
【0027】本発明の具体例を述べる。
【0028】実施例1 図6及び下記表1の積層構成に示すように、外径6m
m、テーパ率0(ストレート)のマンドレル100に、
アングル層の第1層、ストレート層の第2層、及び
ストレート層の第3層用にそれぞれプリプレグを巻き
付けた。ストレート層に用いたプリプレグは、引張弾
性率40tonのPAN系炭素繊維プリプレグで、図7
(a)に示すように、先端側で幅広の直角台形状にカッ
トして、先端側で5周、グリップ側で2周巻き付けられ
るようにした。同様に、ストレート層に用いたプリプ
レグは、引張弾性率30tonのPAN系炭素繊維プリ
プレグで、図7(b)に示すように、グリップ側で幅広
の直角台形状にカットし、プリプレグが先端部で3周、
グリップ側で6周巻き付けられるようにした。このよう
に、炭素繊維の引張弾性率が高いプリプレグをシャフト
の先端側で多く、引張弾性率が低いプリプレグをシャフ
トのグリップ側で多く巻くようにして、シャフトの外径
のテーパー率β=0を変化させずに、先端からグリップ
側にかけて徐々に小さくなるような曲げ剛性が得られる
ようにした。
【0029】上記のプリプレグの巻き付け後、厚さ30
μm、幅20mmのポリプロピレン製テープを巻き付け
てから、硬化炉にて130℃で2時間硬化した後、所定
の後処理、即ち脱芯機によるマンドレルの引抜き、テー
プの除去を行ない、更にテープ跡の表面研磨を施して、
内径のテーパー率α=0、外径のテーパー率β=0であ
る内外が共にストレートのゴルフクラブシャフトを得
た。
【0030】このシャフトの全長Lは1143mm、外
径は9.6mmであった。シャフトにクラブヘッドを装
着するために、先端(ティップ)部のみ再度の表面研磨
によって8.5mmに外径合わせを行なった。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 各層〜を下記表2の積層構成にした。表2におい
て、第3層のプリプレグには、実施例1の第2層と同
様、図7(a)の先端側で幅広の直角台形状にカットし
たプリプレグを用い、プリプレグが先端側で5周、グリ
ップ側で2周巻き付けられるようにした。
【0033】それ以外は実施例1と基本的に同様にし
て、内径のテーパ率α=0、外径のテーパ率β=−0.
6/1000である内径がストレート、外径が逆テーパ
のゴルフクラブシャフトを得た。
【0034】このシャフトの全長は1143mm、グリ
ップ側の外径は9.2mmであった。シャフト先端のク
ラブヘッドの挿入部のみ、再度の表面研磨により8.5
mmに外径合わせした。
【0035】
【表2】
【0036】実施例3 図6のマンドレル100として、グリップ側の外径4.
0mm、先端側の外径6.0mmのテーパ率が−1.7
5/1000の逆テーパのマンドレルを用いた。これに
表3に示す積層構成でプリプレグを巻き付け、内径のテ
ーパ率α=−1.75/1000、外径のテーパ率β=
−1.75/1000である、内外が共に逆テーパのゴ
ルフクラブシャフトを得た。
【0037】このシャフトの全長は1143mm、外径
は10.5mmで、先端のクラブヘッド挿入部のみは、
表面研磨の外径合わせにより外径8.5mmである。
【0038】
【表3】
【0039】比較例1 図8及び表4の積層構成に示すように、グリップ側の外
径12.7mm、先端側の外径4.0mmの順テーパ
(テーパ率+7.54/1000)のマンドレル100
に、アングル層の第1層、ストレート層の第2層、
研磨層の第3層及び先端補強層の第4層用にそれぞ
れプリプレグを巻き付けた。それ以外は、実施例1と基
本的に同様にして、内径のテーパ率α=外径のテーパ率
β=+7.54/1000の内外が共に順テーパのゴル
フクラブシャフトを得た。
【0040】このシャフトの全長は1143mm、外径
は15.4mmで、先端部の外径は8.5mm(表面研
磨の外径合わせによる)である。
【0041】
【表4】
【0042】以上の実施例1〜3及び比較例1のゴルフ
クラブシャフトの曲げ剛性を図13に示す。実施例1〜
3では、シャフト先端からグリップ側にかけて、曲げ剛
性EIが徐々に小さくなっている。これに対し比較例1
では、シャフト先端部に補強を施しているために、シャ
フト先端部で曲げ剛性が急激に変化し、グリップ側に向
けて大きく増大している。
【0043】以上の4種類のゴルフクラブシャフトのキ
ックポイントK.P.を先の図20に示すようにして測
定した。それらの結果を表5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】上記表5に示されるように、本発明によれ
ば、50%以上のキックポイントを有するゴルフクラブ
シャフトが成形可能であることが分る。これは、外径の
テーパー率−2/1000≦β<0の範囲で内径のテー
パー率α=0とすることにより、シャフトの先端からグ
リップ側にかけての曲げ剛性EIを徐々に小さくする
か、又はβ=α=0であっても、炭素繊維の弾性率が高
いプリプレグを先端側で多く巻き付けることにより、シ
ャフトの先端からグリップ側にかけての曲げ剛性EIを
徐々に小さくしたので、高いキックポイントが得られた
ものと考えられる。
【0046】又これらゴルフクラブシャフトをゴルフク
ラブに仕上げて使用したところ、実施例1〜3のシャフ
トでは、打球が上方にふけることなく大きな飛距離を得
ることができた。比較例のシャフトでは、ヘッドスピー
ドが大きい場合に、打球が上り過ぎ(上方にふけてしま
い)、ヘッドスピードに応じた飛距離を得ることができ
なかった。
【0047】実施例4 図9及び下記表6の積層構成に示すように、グリップ側
外径6mm、テーパ率+0.8/1000のマンドレル
100に、アングル層の第1層及びストレート層の第
2層用に、それぞれプリプレグを巻き付け、その後、
厚さ30μm、幅20mmのポリプロピレン製テープを
巻き付けてから、硬化炉にて130℃で2時間硬化した
後、所定の後処理、即ち脱芯機によるマンドレルの引抜
き、テープの除去を行ない、更にテープ跡の表面研磨を
施してゴルフクラブシャフトを得た。
【0048】ストレート層のプリプレグは、先端側が
11周、グリップ側が7周となるように、先の図7
(a)に示したのと同様な先端側を幅広に形成したもの
を用いた。
【0049】このシャフトは全長1143mm、外径
9.4mmで、外径のテーパー率β=0、内径のテーパ
ー率α=+0.8/1000であった。先端のクラブヘ
ッド挿入部は、再度の表面研摩により外径8.5mmと
した。
【0050】
【表6】
【0051】実施例5 図9のマンドレル100として、長さ1260mm、先
端側外径6mm、グリップ側外径4.9mmのテーパー
率が−0.87/1000のものを用いた。これに、表
7に示す積層構成に示すように、アングル層の第1層
及びストレート層の第2層用に、それぞれプリプレグ
を巻き付けてゴルフクラブシャフトを作製した。
【0052】
【表7】
【0053】成形法は実施例4のときと同じである。そ
の結果、長さ1143mm、先端側外径が10.0m
m、グリップ側外径が8.6mmで、先端側内径が6m
m、グリップ側内径が5mmのゴルフクラブシャフトを
得た。このゴルフクラブシャフトの内径のテーパー率α
=−0.87/1000、外径のテーパー率β=−1.
27/1000であった。その後、先端部は表面研摩に
より8.5mmとした。
【0054】実施例6 図10及び表8の積層構成に示すように、先端側が外径
4.8mm、グリップ側外径が6.4mm、長さ133
5mmのテーパー率が+1.2/1000のマンドレル
100に、アングル層の第1層、ストレート層の第2
層、第3層及び第4層用に、それぞれプリプレグ
を巻き付けてゴルフクラブシャフトを作製した。
【0055】
【表8】
【0056】表8に示すように、グリップ側に行くに従
って剛性が小さくなるように、プリプレグを炭素繊維の
弾性率が高いものから順にストレート層〜に配置
し、最終的に外径のテーパー率βがβ=0となるように
した。
【0057】このゴルフクラブシャフトは、長さ114
3mm、外径9.5mmで、先端側の内径が5.0m
m、グリップ側の内径が6.4mmであり、内径のテー
パー率α=+1.2/1000、外径のテーパー率β=
0であった。
【0058】比較例2 図11及び表9の積層構成に示すように、先端側外径
2.55mm、グリップ側外径12.4mm、長さ12
00mmのテーパー率が+8.2/1000のマンドレ
ル100に、ストレート層の第1層、アングル層の第
2層、ストレート層の第3層及び第4層用に、そ
れぞれプリプレグを巻き付けてゴルフクラブシャフトを
作製した。
【0059】アングル層及びストレート層は先端補
強層で、キックポイントを高めるために、図12に示す
ように、アングル層及びストレート層用のプリプレ
グを直角三角形状に裁断し、シャフト中央部から先端側
にのみ巻き付けた。
【0060】
【表9】
【0061】このゴルフクラブシャフトは、長さ114
3mm、先端側の外径が8.5mm、グリップ側の外径
が15.0mmで、先端側の内径が3.0mm、グリッ
プ側の内径が12.4mmであり、内径のテーパー率α
=+8.2/1000、外径のテーパー率β=+5.6
/1000であった。
【0062】以上の実施例4〜6及び比較例2のゴルフ
クラブシャフトの曲げ剛性を図14に示す。実施例4〜
6では、シャフト先端からグリップ側にかけて、曲げ剛
性EIが徐々に小さくなっている。これに対し比較例2
では、シャフト先端から中央部にかけて補強を施してい
るために、シャフト中央部で曲げ剛性が急激に変化し、
グリップ側に向けて大きく増大している。シャフトの補
強箇所をよりグリップ側へ長くして行けば、図中点線で
示すように、急激な変化は緩和されるが、キックポイン
トはその分低い値となり、又重量も増加することにな
る。
【0063】実施例4〜6及び比較例2のシャフトのキ
ックポイント及び重量を表10に示す。
【0064】
【表10】
【0065】表10に示すように、実施例4〜6では、
いずれもキックポイントが50%以上となったのに対
し、比較例2はキックポイントが50%以下であり、し
かも重量も重いシャフトになった。
【0066】これらのシャフトをゴルフクラブに仕上げ
て使用したところ、実施例4、5及び6では、キックポ
ンイトが高く且つ曲げ剛性が徐々に変化しているため
に、フィーリングも良く、ヘッドスピードに応じた飛距
離が得られた。
【0067】一方、比較例2のシャフトを使用したクラ
ブでは、シャフト中央部から先端にかけて曲げ剛性が急
激に変化しいているために、スウィング中にシャフトが
中央で急に折れるような違和感が感じられた。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のゴルフク
ラブシャフトは、繊維強化複合材料のパイプからなり、
そのシャフトの先端からグリップ側にかけての外径のテ
ーパー率βが−2/1000β≦0で、且つシャフトの
先端からグリップ側にかけて、曲げ剛性を徐々に小さく
しているので、50%を超える超高キックポイントが容
易に得られる。従ってスィングスピードが速いゴルファ
ーに対し、フィーリングが良好で、且つ打球が上方にふ
け上がって失速することなく、ヘッドスピードの速さに
応じた飛距離を得ることを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフクラブシャフトの一実施例を示
す縦断面図である。
【図2】図1のゴルフクラブシャフトの横断面図であ
る。
【図3】本発明の実施例におけるゴルフクラブシャフト
の諸態様を示す縦断面図である。
【図4】本発明においてゴルフクラブシャフトの材料の
弾性率を変えるプリプレグの積層法を示す縦断面図であ
る。
【図5】ゴルフクラブシャフトの材料の弾性率を変える
プリプレグの他の積層法を示す縦断面図である。
【図6】実施例1のゴルフクラブシャフトの積層構成を
模式的に示す断面図である。
【図7】実施例1のゴルフクラブシャフトの第2層及び
第3層に使用するプリプレグを示す平面図である。
【図8】比較例1のゴルフクラブシャフトの積層構成を
模式的に示す断面図である。
【図9】実施例4のゴルフクラブシャフトの積層構成を
模式的に示す断面図である。
【図10】実施例6のゴルフクラブシャフトの積層構成
を模式的に示す断面図である。
【図11】比較例2のゴルフクラブシャフトの積層構成
を模式的に示す断面図である。
【図12】比較例2のゴルフクラブシャフトの先端の補
強用のプリプレグを示す平面図である。
【図13】実施例1〜3及び比較例1のゴルフクラブシ
ャフトの曲げ剛性を示すグラフである。
【図14】実施例4〜6及び比較例2のゴルフクラブシ
ャフトの曲げ剛性を示すグラフである。
【図15】従来のゴルフクラブシャフトを示す横断面図
である。
【図16】図15のゴルフクラブシャフトの製造方法を
示す説明図である。
【図17】図15のゴルフクラブシャフトのストレート
層に使用するプリプレグを示す平面図である。
【図18】従来のゴルフクラブシャフトを示す縦断面図
である。
【図19】従来のゴルフクラブシャフトにおいて補強層
を設けたところ示す縦断面図である。
【図20】ゴルフクラブシャフトのキックポイントを示
す説明図である。
【符号の説明】
10 ゴルフクラブシャフト 100 マンドレル 101 プリプレグ 101′ アングル層 102 プリプレグ 102′ ストレート層 105a〜105c プリプレグ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化複合材料のパイプからなるゴル
    フクラブシャフトにおいて、前記シャフトの先端からグ
    リップ側にかけてのシャフトの外径のテーパー率βが−
    2/1000≦β≦0であり、且つシャフトの先端から
    グリップ側にかけて曲げ剛性が徐々に小さくなることを
    特徴とするゴルフクラブシャフト。
  2. 【請求項2】 前記βが−2/1000≦β<0であ
    り、前記シャフトの先端からグリップ側にかけてのシャ
    フトの内径のテーパー率αがα=0である請求項1のゴ
    ルフクラブシャフト。
  3. 【請求項3】 前記βが−2/1000≦β<0であ
    り、前記シャフトの先端からグリップ側にかけてのシャ
    フトの内径のテーパー率αがβ≦α≦+2/1000で
    ある請求項1のゴルフクラブシャフト。
  4. 【請求項4】 前記βがβ=0であり、前記シャフトの
    先端からグリップ側にかけてのシャフトの内径のテーパ
    ー率αが0<α≦+2/1000である請求項1のゴル
    フクラブシャフト。
  5. 【請求項5】 前記シャフトの先端からグリップ側にか
    けて、材料の弾性率が徐々に小さくなる請求項2、3又
    は4のゴルフクラブシャフト。
  6. 【請求項6】 前記βがβ=0であり、前記シャフトの
    先端からグリップ側にかけてのシャフトの内径のテーパ
    ー率αがα=0であり、且つシャフトの先端からグリッ
    プ側にかけて、材料の弾性率が徐々に小さくなる請求項
    1のゴルフクラブシャフト。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003135635A (ja) * 2002-11-11 2003-05-13 Daiwa Seiko Inc ゴルフクラブシャフト
JP2003190343A (ja) * 2001-12-27 2003-07-08 Fujikura Rubber Ltd パター用シャフト及びパター
JP2004340153A (ja) * 2004-07-30 2004-12-02 Nissan Motor Co Ltd 筒内直接燃料噴射内燃機関
US7361098B2 (en) * 2004-10-04 2008-04-22 Sri Sports Limited Golf club shaft

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