JPH08131016A - 廃棄物からなる漁礁及びその製造法 - Google Patents

廃棄物からなる漁礁及びその製造法

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JPH08131016A
JPH08131016A JP6302717A JP30271794A JPH08131016A JP H08131016 A JPH08131016 A JP H08131016A JP 6302717 A JP6302717 A JP 6302717A JP 30271794 A JP30271794 A JP 30271794A JP H08131016 A JPH08131016 A JP H08131016A
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waste
resin
glass
fish reef
slag
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JP6302717A
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Motoyuki Fujii
基志 藤井
Akira Ogawa
晶 小川
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SHUNAN CHIIKI JIBA SANGYO SHIN
SHUNAN CHIIKI JIBA SANGYO SHINKO CENTER
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SHUNAN CHIIKI JIBA SANGYO SHIN
SHUNAN CHIIKI JIBA SANGYO SHINKO CENTER
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大量の廃棄物を再利用する手段を提供し、か
くして省資源を図り、それと同時に海洋の環境改善に役
立ち、魚の生育に欠かすことのできないプランクトンや
海草などの増殖に適し、魚などが好むところの、海底に
魚場としての環境構築に資することのできる漁礁成型物
を提供する。 【構成】 プラスチック、ガラス、金属、鉱滓、及びス
ラグから成る群から選ばれた廃棄物破砕物及び鉄含有廃
棄物破砕物をバインダーとしての硬化性の合成樹脂ポリ
マー又はそのモノマーと混合し成形・硬化することによ
り、鉄イオンなどの栄養・塩類を定常的に溶出する性状
に優れている漁礁成型物を提供する。 【効果】 大量に廃棄物を処分することができる一方、
非常に安価でありかつ大量に入手できる材料を用いて様
々な大きさのものにできるので、広い海域に、大量の人
工の漁礁を設置するに適している。さらに鉄イオンなど
を定常的に溶出供給して、魚類その他の水産生物が、よ
り集まり繁殖し易い場を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大量の廃棄物を再利用
する手段を提供し、かくして省資源を図り、それと同時
に海洋の環境改善に役立ち、魚の生育に欠かすことので
きないプランクトンや海草などの増殖に適し、魚などが
好み、そして海底に魚場としての環境構築に資すること
のできる漁礁成型物に関する。
【0002】
【従来技術及び解決すべき課題】最近では乱獲などによ
り、魚などの海洋資源の枯渇などが危惧されており、採
る漁業から育てる漁業への転換が叫ばれている。また、
広大な海域において適切な環境保全を図りながら、その
高度な利用開拓をなす技術の開発が求められてきてい
る。こういうことのため、栽培漁業あるいは海洋牧場と
しての場所を先ず構築することが課題となっている。従
来、養殖漁業としては、比較的限られた地域、例えば、
遠浅の海岸におけるのりや貝類の養殖、いけすなどでの
魚の養殖などであったが、近年ではその様な地域だけで
なく、より沖合、さらには深海における深層の栄養塩類
に富んだ底部の海水を湧昇させるなどして利用すること
ができるように、漁礁などの施設を設けるなどして、プ
ランクトンなどを増殖し、沖合を回遊する比較的大型の
魚類、例えば、タラ、ニシン、サンマ、サバ、ブリ、カ
ツオ、カジキ、マグロなどを滞留させることのできる好
適な漁場形成に資する技術の開発が求められている。
【0003】こうした目的のためには、従来に較べて簡
単に、そして安価に得られかつ大量に調達できる資材が
必要になるという問題がある。漁場としては、一定の水
域にある種の水産生物が多量に生息していたり、とどま
っていることが重要であるが、さらに、もし魚類その他
の水産生物が通過をしても次々に新しい生物の群れが現
れるなどして、特定の期間相当多量の群れがあって適当
な方法で漁獲できることも重要である。そして、経費や
労力に対して収穫物の量が充分に引き合うほど得られる
ような場所である重要である。
【0004】一般的には、魚類その他の水産生物は、す
べてそれぞれに適した環境に生息するから、特に濃密な
魚類その他の水産生物の群れを形成するには、食物を追
い求めたり、産卵などに適した場所とする必要がある。
一定の水域に多量の魚類その他の水産生物が集まるため
には、多量の食物がそこにある必要があるが、これは以
下のような食物連鎖を達成することにより得られること
が認められつつある。すなわち、窒素、リン、ケイ酸、
マグネシウムなどの栄養・塩類の豊富な場所でかつ日光
が届いて炭酸同化作用を営むことができる場所に、浮遊
性の植物性プランクトンなどが繁殖する。このように浮
遊性のプランクトンなどが繁殖するためには、栄養・塩
類が絶えず供給されかつ日光が届いて炭酸同化作用を営
むことができる浅い海か、海水などの水の上下の混合が
起こって海底の豊富な栄養・塩類が海の表面近くで利用
できるところであると考えられている。
【0005】こうして植物性プランクトンなどが豊富に
繁殖すると、この繁殖している植物プランクトンを食物
とする動物性プランクトンなどが、そこで植物プランク
トンを食物としてさらに繁殖する。するとこの動物性プ
ランクトンなどを食物とする魚類その他の水産生物が集
まって、その結果良い漁場が形成される。最近では、特
に鉄イオンに富んだ場所では、魚類その他の水産生物
が、より集まり繁殖して良好な漁場を形成していること
も認められている。海水などの水の上下の混合が起こっ
て海底の豊富な栄養・塩類が海の表面近くまで湧き上が
り、植物性プランクトンなどが繁殖しやすい場所とする
ため、漁礁などを海底に設置してこのような植物性プラ
ンクトンなどが繁殖しやすい場所にし、好適な環境が形
成されるようにする必要があることが知られているが、
広い海域にその漁礁を設置するためには、大量の人工の
漁礁を使用することとなる。このように大量に人工漁礁
を用いるためには、非常に安価でありかつ大量に入手で
きる材料を調達しなければならない。そのような漁礁は
簡単かつ安価に製造する必要がある。また、上記したよ
うに鉄イオンなどを定常的に供給して、魚類その他の水
産生物が、より集まり繁殖し易い場を提供して、より優
れた漁場を形成することも経済的な観点から求められて
いる。
【0006】一方、産業が発達し、消費が活発化すると
ともに、ゴミなどの廃棄物の量が増大し、その処理が問
題となっている。紙などの廃棄物は一般的には燃やされ
て処理されていて、燃やした結果その量は大幅に少なく
することができるが、生ずる灰の処理などの問題がある
し、資源の浪費という点で大きな問題を有している。ま
た、このような焼却で処理することのできない廃棄物、
例えば、プラスチック廃棄物、ガラス廃棄物、金属廃棄
物、鉱滓、スラグなどは、埋め立てなどによるしかその
処理の道がないという大きな問題がある。埋め立てによ
る処理では環境上の問題が大きく、さらに近年では処分
場・埋立地の確保が大きな問題ともなっており、資源の
有効利用という点でもその扱いが大きな課題となってい
る。
【0007】プラスチック廃棄物のうち熱可塑性のもの
は、一部溶融し、不純物を除き、精製するなどして再生
利用されてはいるが、その処理には非常にコストと手間
がかかり実用的でないのが実情である。一方、熱硬化性
の合成樹脂や繊維強化プラスチックなどの廃棄物は、再
生利用するのが困難で、実際上利用されていないという
問題を有している。金属廃棄物では、ジュースなどの飲
料用の空き缶のうち、アルミニウム缶はその採算性の故
に、回収され溶解処理されて比較的その再利用が図られ
ているが、分別されていない金属廃棄物、鉄あるいはブ
リキ製の缶や缶詰の缶、自動車などのカーベキュー破砕
物などはその再利用がなかなか図られていないのが現状
である。さらに、空き缶などはそれを圧縮切断破砕処理
などを施さなければ、かさばりのためその廃棄物量が多
くならざるを得ないという問題もある。
【0008】また、ガラス廃棄物である、ビール瓶、ジ
ュース瓶などのガラス瓶、建築物からの廃棄ガラス、そ
の他のガラスについても、その再生利用が困難であり、
多くは廃棄物として埋め立てられるなどして処理されて
いる。ガラスについては、埋め立てなどして廃棄しても
そのもの自体が自然に還元されることは困難であるばか
りか、そのまま廃棄すること自体が危険でもあるので細
かく切断破砕処理されている。同様に、繊維強化プラス
チックや熱硬化性プラスチックなども、それを再生する
ことは困難で、その廃棄物としての処理に大きな問題を
有している。このように従来は、これらの廃棄物の処理
には、コスト、環境などの面で大変大きな問題があっ
た。またその再生利用の道も図られていないというのが
実情であった。
【0009】このようにその再利用が未だ十分に図られ
ていないそして従来は埋め立て処理する位しか処分法の
なかった廃棄物を、低いコストで処理し、所望の特性を
備える付加価値の高い製品とし、資源の有効利用ととも
に環境問題の解決に繋がる技術を提供することが求めら
れている。廃棄物を分別し、その一種類を単一の性状の
製品に還元加工する方法では、その廃棄物の利用量に限
度があるばかりでなく、その収集・処理コストや手間が
大きくなり実際上は実用的でない。このような方法では
処理できる廃棄物の量も限られ、大量に発生する廃棄物
を大量に処理できず、処理できる廃棄物の種類も限定さ
れ、複数種の廃棄物を同時に処理することができないと
いう問題もある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、これら廃
棄物の有効利用の道を見いだすべく鋭意研究した結果、
漁礁材料としてこれら廃棄物が好ましいことを見出し、
本発明に到達したものである。かくして、本発明はプラ
スチック廃棄物、ガラス廃棄物、金属廃棄物などを切断
破砕装置により、圧縮され切断し細片化された廃棄物、
鉱滓、スラグなどを、大量に、非常に安価にかつ大量に
入手できる材料として利用し、海水などの水の上下の混
合を生起させて海底の豊富な栄養・塩類を海の表面近く
まで湧き上がらせ、植物性プランクトンなどが繁殖しや
すい場所とするため、さらには鉄イオンなどを定常的に
供給して、魚類その他の水産生物が、より集まり繁殖し
易い場を提供することのできる漁礁成型物を提供する。
本発明は、切断破砕装置により、圧縮され切断細片化さ
れたプラスチック片、及び/又は金属片及び/又はガラ
ス片を主として含有する廃棄物の砕片及び鉱滓、スラグ
などを、少なくとも1つの鉄含有廃棄物破砕物と共に、
必要に応じバインダーとの混合物とし、成形・硬化して
なる漁礁成型物に関する。
【0011】本発明において、切断破砕化は、例えばロ
ールクラシャー、カッタータイプの破砕機を使用するこ
とで、廃棄物を適当な大きさに切断・破砕するこにより
行うことができる。廃棄物は、まず粗く切断破砕し、ふ
るいにかけてからさらに粗い切断・破砕された廃棄物を
細かく砕くこともできる。廃棄物のプラスチック、ブリ
キ、空き缶、ガラス瓶などを圧縮し破砕する装置として
は、例えば、鋼鉄などの金属を歯車の歯形にし、それを
僅かな隙間を持って対向させ、該対向させた歯車を回転
させ、互いに噛み合うようにされ、噛み合い部で被破砕
物を噛み込み破砕する形式のもの、歯車の代わりに対向
するキャタピラ付きチェーンを用い、V字形に対向さ
せ、チェーンを回転移動させ、被破砕物を挟み付け噛み
込み圧縮破砕する形式のものなどが挙げられる。特に好
ましい装置としては、例えば圧砕と切断の同時処理を可
能とする廃棄物砕破装置が挙げられ、複数組重ねて嵌挿
した加工歯車の各組を交互に異なった回転数で回転する
ようにせしめて廃棄物を圧砕と切断の同時処理を可能と
する砕破装置が挙げられる。このような装置の代表的な
ものは、本願出願人の先願に係る特開平6−27755
1号公報などに記載がある。
【0012】この切断・破砕された廃棄物は次に単純な
ミキサーを使用して、短時間でバインダーとしての廃棄
物(使用済み)熱可塑性プラスチック・ペレットあるい
は未使用の熱可塑性プラスチック・ペレットと混合する
ことができる。この廃棄物破砕物は合成樹脂ポリマーに
より成形せしめられ、その中に鉄砕片などを含んだ成型
物に加工される。このように、バインダーとしては、廃
棄物(使用済み)熱可塑性プラスチック・ペレットある
いは未使用の熱可塑性プラスチック・ペレットを用いる
ことができるが、廃棄物プラスチック中に充分量の熱可
塑性プラスチックが含まれてバインダーとして作用する
ことができる場合は、切断・破砕された廃棄物のみを、
圧縮など、必要に応じ加熱も加えて成型物に加工するこ
とができ、廃棄物プラスチック中の熱可塑性プラスチッ
クがバインダーとして働く。成形品を製造するにあたっ
ては、一旦合成樹脂で金属片などの廃棄物砕片を固着さ
せた後、その成形物の表面に他の廃棄物破砕物を被覆し
た後、成型することもできる。成型物は、いくつかの貫
通孔を有していてよく、またその中心部に向かっていく
つかの深い孔を有していてもあるいは数多くの細い孔を
有していてもよい。すなわち、いくつかの貫通孔あるい
は、中心部に向かって数多くの細い孔が開いているよう
な構造の漁礁成型物とすることで、成型物中の鉄を含有
する金属片が海水に接触する表面積が増加し、長期に渡
り鉄イオンなどがその金属片の表面から溶出し、漁礁と
して好ましく作用することとなる。
【0013】廃棄物金属細砕片及び/又は廃棄物ガラス
細砕片は、適当な廃棄物(使用済み)熱可塑性プラスチ
ック・ペレットあるいは未使用の熱可塑性プラスチック
・ペレットと混合処理されてから、振動、又はプレス、
あるいは振動プレスなどで一体成型を行う。また成型
は、混練材を押出成型用金型により押出成型することに
より行うこともできる。次にこの成型物を硬化養生処理
し、漁礁成型物が得られる。こうして得られた漁礁成型
物は、必要に応じその強度、外観などを良好にするた
め、薄く適当な廃棄物(使用済み)熱可塑性プラスチッ
ク・ペレットあるいは未使用の熱可塑性プラスチック・
ペレットを被覆してからさらに硬化養生処理されて、漁
礁成型物とすることもできる。
【0014】本発明の漁礁成型物では、その構造の中心
部分をあまり鉄イオン供給に寄与しない廃棄物破砕物で
構成し、その外側層部分をより鉄イオン供給性の高い廃
棄物金属細砕片及び/又は光を反射などして光の利用率
を高める廃棄物ガラス細砕片で被覆し、それに適当な合
成樹脂ポリマー又はそのモノマーを吹きつけ、成型を行
い、次にこの成型物を硬化養生処理して得ることもでき
る。
【0015】廃棄物細砕片には、更に必要に応じコンク
リート廃材などから得られた破砕物などを配合すること
もできる。この場合、ブロック成型物のより中心部にこ
れらコンクリート廃材などから得られた破砕物を配置し
て、ブロック成型物の強度を確保しうるように配合、成
形するのが好ましい。さらに、ブロック成型物を製造す
るにあたり、製鉄工程や鋳造工程で排出されるスラグ、
鋳物砂などを含む鉱滓などを配合することもできる。こ
の他、通常コンクリート成型物を製造する際に配合され
る、砂などの骨材を配合しておくこともできる。こうし
た廃棄物をその漁礁成型物の芯材として使用する場合、
廃棄物はセメントペースト、モルタル、未硬化コンクリ
ートなどの水硬性セメント組成物、ポリマーセメント、
レジンコンクリート用硬化性組成物などを配合して、硬
化処理し成型しておくことができる。そしてこうして成
型された廃棄物成型体に、廃棄物金属細砕片及び/又は
廃棄物ガラス細砕片を被覆配置、例えば、方向などがラ
ンダムになるように配置して、次に適当な硬化性の合成
樹脂ポリマー又はそのモノマーをその上に被覆配置して
固化成型する。
【0016】硬化性の合成樹脂としては、廃棄物から回
収された熱可塑性プラスチックス、廃棄物に混在したま
まの熱可塑性プラスチックス、あるいは必要に応じ廃棄
物ではなく未使用の熱可塑性プラスチックス又はそのモ
ノマーが挙げられ、熱可塑性プラスチックスとしては、
ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン
樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボ
ネイト樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂、変成ポリフェニレンエーテルなどが挙げら
れる。廃棄物から得られる熱可塑性プラスチックスは、
精製処理などすることなくそのまま配合して用いること
ができる。配合量は充分バインダーとしての働きを有す
る量であることが好ましい。硬化性の合成樹脂として
は、市販又は当該分野で知られた合成樹脂成型物を形成
するもののうちから選択することができる。
【0017】廃棄物としては、上記したように廃棄物を
破砕して得られた物で、プラスチックス廃棄物、金属廃
棄物、ガラス廃棄物、スラグ、及び鉱滓などからなる群
から選ばれたものである。プラスチックス廃棄物として
は、熱可塑性プラスチックス、熱硬化性プラスチック
ス、鋼繊維強化プラスチックス、ガラス繊維強化プラス
チックス、ロックウール強化プラスチックス、炭素繊維
強化プラスチックス、ポリマーセメント、レジンコンク
リートなどが挙げられる。
【0018】熱可塑性プラスチックスとしては、ポリス
チレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、
アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネイト
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート
樹脂、変成ポリフェニレンエーテルなどが挙げられ、熱
硬化性プラスチックスとしては、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などが
挙げられる。金属廃棄物としては、ジュースなどの飲料
用の空き缶、缶詰の缶、及び自動車などのカーベキュー
破砕物などから選ばれたものが挙げられる。金属廃棄物
の場合、破砕物を圧縮成型して所要の大きさのブロック
成型物とすることができ、単にその表面に適当な光透過
性でかつ硬化性の合成樹脂ポリマー又はそのモノマーを
被覆配置して固化成型して所要のブロック成型物とする
ことができる。
【0019】ガラス廃棄物としては、ジュースなどの飲
料用のガラス瓶、瓶詰のガラス、板ガラスなどの建築物
のガラス廃棄物、電球、ガラス繊維、及び自動車などの
ガラス廃棄物、ガラスカレットなどから選ばれたものが
挙げられる。ガラスなど光を乱反射するものが成型物の
表面に配置されると、太陽光を乱反射しその反射された
太陽光をプランクトンなどが利用してより炭酸同化作用
を活発に営み、栄養・塩類を利用して繁殖するといった
より好ましいことになる。本発明の漁礁成型物は、平板
状物、立体状物、箱型状物、駕籠型状物、テトラポット
状物、三角錐及び四角錐形状を有するもののいずれであ
ってもよく、また内部に貫通孔を有するか内部まで連通
する細径の多孔を有するか、蜂の巣状又はスポンジ状と
なっていると、海水がその内部を通過又はその中心部ま
で浸透し、成型物中に含まれる鉄と接触し、定常的に鉄
イオンを溶出して放出することができる。
【0020】本発明の漁礁成型物は、海底などに配設す
ることができる。本発明の漁礁成型物は、様々な大きさ
のものとし、広く様々な海域に適用することができる。
本発明の漁礁成型物は、海水などの水の上下の混合を生
起させ、海底の豊富な栄養・塩類を海の表面近くまで湧
き上がらせ、植物性プランクトンなどが繁殖しやすい場
所とするための漁礁として海底に設置するに優れてい
る。該漁礁は、海洋を植物性プランクトンなどが繁殖し
やすい場所にし、好適な環境が形成するために有用で、
広い海域に、大量の人工の漁礁を使用するに適し、非常
に安価でありかつ大量に入手できる材料を用いている。
さらに鉄イオンなどを定常的に供給して、魚類その他の
水産生物が、より集まり繁殖し易い場を提供する。本発
明に従えば、大量に廃棄物を処分することができ、一
方、それにより漁礁を安価かつ簡単に製造でき、広い海
域を漁場に転化できる。本発明の漁礁成型物は、その特
性及び光を乱反射しうるように廃棄物を配合して成型さ
れたもの、例えば、光を乱反射する断面をもつ金属砕片
及び/又はガラス砕片を配合して光を乱反射してキラキ
ラした外観を持つものは、小さく成型加工され、水槽用
の敷石、装飾岩等とすることもできる。
【0021】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこの具体例により限定されるもの
でなく、その思想に従うかぎり各種の形態で実施できる
ことは理解されるべきである。
【0022】ジュースなどの飲料用の空き缶廃棄物を、
特開平6−277551号公報に記載の圧砕と切断の同
時処理を可能とする廃棄物砕破装置で、複数組重ねて嵌
挿した加工歯車の各組を交互に異なった回転数で回転す
るようにせしめて廃棄物を圧砕と切断の同時処理を可能
とする砕破装置の、廃棄物投入口に挿入した。該装置に
おいては、A軸、及びB軸は互いに異なった速度で回転
し、A軸と一体に回転する複数の切断用歯車は、B軸と
一体に回転する複数の切断用歯車とは異なった速度で回
転することとなり、こうして隣接するA軸と一体に回転
する切断用歯車とB軸と一体に回転する切断用歯車との
間では相互に噛み合い速度が異なることとなりその加工
歯車の間で投入された缶廃棄物は切断される。同時に缶
廃棄物は歯車の噛み合いにより圧縮されてもいる。この
装置によれば、破砕物が装置に詰まることが減ぜられ、
スムーズに金属破砕物が得られる。
【0023】同様にして、プラスチックス廃棄物も、ガ
ラス廃棄物も該廃棄物砕破装置で破砕処理された。次に
こうして得られた破砕物を均一に混合し、プレス装置で
圧縮成型すると、プラスチックス廃棄物破砕物に混在し
ている熱可塑性プラスチックスが加圧圧縮により溶融
し、バインダーの働きをなし、ブロックに成型された。
この成型物は、漁礁として充分な強度と密度を持つが、
その成型体の中心部まで多くの細い孔があり、鉄イオン
などの栄養・塩類を海水中で定常的に放出する性状を持
つことが確かめられ、漁礁として利用できることが認め
られた。また、混在するガラス砕片により光を乱反射す
ることも確かめられた。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、従来、その再利用がな
かなか図られていない熱硬化性プラスチックス、繊維強
化プラスチックス等の各種プラスチックス、ジュースな
どの飲料用の空き缶、分別されていない金属廃棄物、鉄
あるいはブリキ製の缶や缶詰の缶、自動車などのカーベ
キュー破砕物など、さらにはビール瓶、ジュース瓶など
のガラス瓶、建築物からの廃棄ガラス、その他のガラス
について、それら廃棄物を再利用することが可能とな
り、かくして省資源を図り、簡単かつ低いコストでそれ
ら廃棄物を処理する道を与え、所望の特性を備える付加
価値の高い製品を提供し、資源の有効利用とともに環境
問題の解決を図ることができる。さらに漁礁として充分
な強度と密度を持ち、鉄イオンなどの栄養・塩類を海水
中で定常的に溶出する性状を持ち、魚類など水産生物が
好む環境構築に有用な魚礁が提供でき、かつ大量の廃棄
物を処理することが可能になり、そして広い海域を対象
とした漁場の開発に寄与できる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック、ガラス、金属、鉱滓、及
    びスラグから成る群から選ばれた廃棄物破砕物及び鉄含
    有廃棄物破砕物をバインダーとしての硬化性の合成樹脂
    ポリマー又はそのモノマーと混合し成形・硬化してなる
    ことを特徴とする鉄イオンなどの栄養・塩類を定常的に
    放出する性状に優れている漁礁成型物。
  2. 【請求項2】 平板状物、立体状物、箱型状物、駕籠型
    状物、テトラポット状物、三角錐及び四角錐形状を有す
    るものからなる群から選ばれたものであることを特徴と
    する請求項1記載の漁礁成型物。
  3. 【請求項3】 漁礁成型物が、互いに内部まで連通する
    貫通孔を有するか、蜂の巣状又はスポンジ状となってい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の漁礁成型物。
  4. 【請求項4】 硬化性の合成樹脂が、熱可塑性合成樹脂
    である請求項1〜3のいずれかに記載の漁礁成型物。
  5. 【請求項5】 硬化性の合成樹脂が、ポリスチレン樹
    脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル
    樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポ
    リアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレ
    フタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、及
    び変成ポリフェニレンエーテルから成る群から選ばれた
    ものである請求項1〜4のいずれかに記載の漁礁成型
    物。
  6. 【請求項6】 硬化性の合成樹脂が、廃棄物熱可塑性合
    成樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の漁礁成型
    物。
  7. 【請求項7】 廃棄物破砕物が、金属廃棄物、ガラス廃
    棄物、スラグ、及び鉱滓からなる群から選ばれたもので
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    漁礁成型物。
  8. 【請求項8】 金属廃棄物が、ジュースなどの飲料用の
    空き缶、缶詰の缶、及び自動車などのカーベキュー破砕
    物からなる群から選ばれたものであることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載の漁礁成型物。
  9. 【請求項9】 ガラス廃棄物が、ジュースなどの飲料用
    のガラス瓶、瓶詰のガラス、建築物のガラス廃棄物、及
    び自動車などのガラス廃棄物からなる群から選ばれたも
    のであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記
    載の漁礁成型物。
  10. 【請求項10】 廃棄物破砕物が、圧砕と切断の同時処
    理を可能とする廃棄物砕破装置において、複数組重ねて
    嵌挿した加工歯車の各組を交互に異なった回転数で回転
    するようにせしめて廃棄物を圧砕と切断の同時処理を可
    能とする砕破装置により破砕処理されて得られたもので
    あることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の
    漁礁成型物。
  11. 【請求項11】 プラスチック、ガラス、金属、鉱滓、
    及びスラグから成る群から選ばれた廃棄物破砕物及び鉄
    含有廃棄物破砕物をバインダーとして硬化性の合成樹脂
    ポリマー又はそのモノマーと混合し、ついで成形・硬化
    することを特徴とする鉄イオンなどの栄養・塩類を定常
    的に放出する性状に優れている漁礁成型物の製造方法。
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