JPH08130315A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH08130315A
JPH08130315A JP7191654A JP19165495A JPH08130315A JP H08130315 A JPH08130315 A JP H08130315A JP 7191654 A JP7191654 A JP 7191654A JP 19165495 A JP19165495 A JP 19165495A JP H08130315 A JPH08130315 A JP H08130315A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】極めて微細なSOI−MOSトランジスタおよ
びその製造方法を得る。 【構成】支持基板1上に厚い酸化膜2、外部から絶縁さ
れた半導体膜31、拡散阻止絶縁膜として作用する薄い
酸化膜21および薄いSOI層3を順次形成し、SOI
層3に、MOSトランジスタのドレイン拡散層9、10
およびソース拡散層8、11を形成する。上記MOSト
ランジスタのチャネルの下方の上記薄い酸化膜21に
は、チャネルと同じ導電型を有する高不純物濃度領域3
8が形成される。 【効果】MOSトランジスタの短チャネル効果が抑制さ
れ、ソース・ドレイン耐圧が向上し、さらにドレイン接
合容量が低下するので、極めて微細なMOSトランジス
タをSOI層に形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置およびその製
造方法に関し、特に絶縁膜上の単結晶シリコン膜中にM
OS型電界効果トランジスタ等の素子が形成された、シ
リコン・オン・インシュレータ(Silicon On Insulator)
と呼ばれる構造(以下、SOI構造と称する)を有する
半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記SOI構造を有する半導体装
置としては、図2に示すような通常のMOSトランジス
タ(以下、MOSと略記する。)が、絶縁膜2の上に形
成された構造の半導体装置が知られている。なお、この
ようなSOI構造の半導体装置は、例えば、1989
年、アイ・イー・ディー・エム テクニカルダイジェス
ト、第829〜832頁(IEDM Technical Digest, pp8
29-832, 1989)に記載されている。
【0003】図2は相補型MOSの断面構造を示す図で
あり、図2において、参照符号1は支持基板、2は厚い
シリコン(Si)酸化膜、3は単結晶Si膜、4はゲー
ト絶縁膜、5および6はゲート電極、7はゲート保護絶
縁膜、8および9はそれぞれ単結晶Si膜3内に形成さ
れた、n型低抵抗ソース拡散層およびドレイン拡散層、
10および11はそれぞれ単結晶Si薄膜3内に形成さ
れたp型ドレイン拡散層およびソース拡散層、12は高
融点金属珪化膜、13は配線層間絶縁膜、14、15お
よび16はそれぞれ接地電源金属配線、出力金属配線お
よび電源金属配線を、それぞれ示す。
【0004】厚さが100nm以下という極めて薄い単
結晶Si膜3を用いて構成されたSOI構造を有するM
OSトランジスタは、各ソース拡散層およびドレイン拡
散層8〜11の底部が、誘電率がSiの約1/3と小さ
い、厚いSi酸化膜2上に直接形成されているため、通
常のSi半導体基板上に形成されたMOSトランジスタ
よりも、ソースおよびドレイン拡散層底面成分の容量を
極度に低減できる。また、ゲート容量に関しても、下地
である厚いSi酸化膜2内で電界が降下する成分だけ、
容量低減の効果を生じる。従って、従来のこのようなS
OI構造を有する半導体装置は、容量低減に比例してM
OSトランジスタの遅延時間が低減されて、高速動作が
可能となるという特長を有していた。
【0005】さらに、上記極めて薄いSi膜を用いたM
OSトランジスタにおいては、ソース・ドレイン拡散層
8〜11の上部を、低抵抗な高融点金属珪化膜12で置
換して、ソース・ドレイン直列抵抗を低減している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のS
OI構造を有する半導体装置は、ドレイン電界が単結晶
Si薄膜3と下地の厚いSi酸化膜2に分割されるた
め、単結晶Si薄膜3内のドレイン電界は、通常のSi
半導体基板に形成されたMOSトランジスタに比べて、
むしろ増大する。ここで、図3に、n導電型MOSトラ
ンジスタにおけるゲート電極端部付近のドレイン電界分
布を示す。図3はドレイン拡散層9に正の大きな電圧が
印加され(この場合、ドレイン電圧VDD=2.5Vが印
加され)、ゲート電極5にはほぼ接地電位に近い電圧が
印加された時の状態を示し、実線は厚さ500nmの厚
い酸化膜2が存在しない不純物濃度1×1016cm-3
通常のSi半導体基板を用いた場合の電界分布を示し、
破線は同じSi半導体基板を用いた支持基板1上に厚さ
500nmの厚い酸化膜2と厚さ100nmの単結晶S
i薄膜を有する、図2に示した超薄膜SOI構造の場合
の電界分布を示す。
【0007】すなわち、図3から明らかなように、通常
のSi半導体基板上に作成した場合よりも、従来のSO
I構造上に作成した場合のMOSトランジスタの方のド
レイン電界が高い。特に、ゲート電極5直下のドレイン
拡散層9の端部において電界集中が強まり、このため通
常のSi半導体基板上に形成されたMOSトランジスタ
に比べて、ソース・ドレイン間耐圧が低下するという問
題があった。
【0008】また、極めて薄い単結晶Si膜3を用いて
構成されたSOI構造を有するMOSトランジスタにお
いては、MOSトランジスタの基板電位の変動を防ぐた
めの基板電極を設置することが困難なため、MOSトラ
ンジスタ動作中に発生した正孔がチャネル部に蓄積し
て、基板電位浮遊効果、いわゆる寄生バイポーラ効果に
よる閾電圧の変動、あるいは電流・電圧特性におけるキ
ンク現象の発生等が生じるという問題もあった。
【0009】さらに、上記極めて薄いSi膜を有する構
造のMOSトランジスタにおいて、ソース・ドレイン拡
散層8〜11の上部を置換した高融点金属珪化膜12自
体は低抵抗であるが、高不純物濃度Siとの接触抵抗が
10Ω/μm2程度と無視できない。MOSトランジス
タの微細化にともなう極めて薄い単結晶Si層3がさら
に薄膜化されて、単結晶Si層3が極度に薄くなると、
ソース・ドレイン電流経路は実効的に高融点金属珪化膜
12の側面に集中する分布になり、そのため、上記接触
抵抗によってソース・ドレイン直列抵抗の低下が制限さ
れ、十分低くできないという問題もあった。
【0010】また、極めて薄い単結晶Si膜に形成され
たチャネル領域の不純物濃度を、極めて高くしないと、
パンチスルーが起こり、ゲート長が極度に短い微細なM
OSFETを形成するのは困難であった。
【0011】本発明の目的は、従来のSOI構造を有す
るMOSトランジスタトランジスタにおける上記問題を
解決し、ドレイン・ソース間耐圧特性に優れ、寄生バイ
ポーラ効果による閾電圧値の変動、あるいは電流・電圧
特性におけるキンク現象の発生等を防止できる半導体装
置およびその製造方法を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、単結晶Si層が極度
に薄くなっても、ソース・ドレイン抵抗が接触抵抗によ
ってより制限されることのない半導体装置およびその製
造方法を提供することである。
【0013】本発明のさらに他の目的は、チャネル領域
の高不純物濃度による障害を防止することができる、極
めて微細な半導体装置およびその製造方法を提供するこ
とである。
【0014】ここにおいて、従来のSOI構造を有する
MOSトランジスタトランジスタにおけるソースおよび
ドレイン接合底面成分容量の低減効果、すなわち動作速
度の向上という特長を損なわせないことは言うまでもな
い。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、支持基板の表面上に形成された第1の絶
縁膜、すなわち図1の場合で言えば単結晶Si基板であ
る支持基板1の表面に形成された第1の絶縁膜である酸
化膜2と、当該第1の絶縁膜上に形成されると共に外部
から絶縁された半導体膜すなわちSi膜31と、当該S
i膜31上の第2の絶縁膜である酸化膜21と、当該第
2の絶縁膜21上に形成された単結晶半導体膜すなわち
単結晶Si層(SOI層)3と、当該単結晶半導体膜3
内に所定の間隔を介してそれぞれ形成された上記単結晶
半導体膜と反対導電型を有する領域すなわちソースおよ
びドレイン領域8、9(または10および11)と、上
記単結晶半導体膜3上に形成された第3の絶縁膜すなわ
ちゲート酸化膜4と、当該第3の絶縁膜上に形成された
電極すなわちゲート電極5(または6)とを有すること
を特徴とするものである。
【0016】上記半導体装置において、上記外部から絶
縁された半導体膜31は、上記ソースおよびドレイン領
域8、9とは反対導電型の不純物を添加して構成するこ
とができる。この場合、上記外部から絶縁された半導体
膜31は、上記単結晶半導体膜3内に形成されたソー
ス、ドレイン領域8、9の、少なくとも底面と接する部
分の導入不純物を打ち消す程度に高抵抗に形成してもよ
い。
【0017】また、上記いずれかに記載の半導体装置を
同一支持基板上に互いに分離されて複数個形成するため
に、各半導体装置間の分離領域における上記半導体膜お
よび上記単結晶半導体膜を絶縁膜によって置換して構成
することができる。すなわち、図1の場合は、分離領域
におけるSi膜31および単結晶Si層3を、酸化膜2
2により置換すればよい。さらに、上記第1の絶縁膜2
の厚さを、第2の絶縁膜21、第3の絶縁膜4および上
記単結晶半導体膜3の厚さよりも厚くすれば極めて好ま
しい結果が得られる。
【0018】上記半導体装置において、上記電極がゲー
ト電極であり、上記反対導電型を有する領域がそれぞれ
ソース領域およびドレイン領域であるMOSトランジス
タとすることができる。この場合、上記MOSトランジ
スタのソースおよびドレイン領域の所定領域上に、それ
ぞれ導電性半導体膜を形成するのが好ましい。また、上
記MOSトランジスタは相補型トランジスタであっても
よい。
【0019】本発明に係る半導体装置の製造方法は、第
1の絶縁膜を表面に形成した支持基板となる第1の単結
晶半導体基板、すなわち図4で言えば、酸化膜2を表面
に形成した支持基板1となる第1のSi半導体基板と、
第2の絶縁膜および半導体膜すなわち酸化膜21および
後で外部から絶縁されるSi薄膜31を順次形成した第
2の単結晶半導体基板とを、上記第1の絶縁膜と上記半
導体膜とが対向するように貼合せるウエーハ貼合せ工程
と、このウエーハ貼合せ工程後に上記第2の単結晶半導
体基板を所要の厚さに薄くした単結晶半導体膜すなわち
SOI層3を形成する薄化工程とを有することを特徴と
するものである。
【0020】また、本発明に係る半導体基板の製造方法
は、第1の絶縁膜を表面に形成した支持基板となる第1
の単結晶半導体基板、すなわち図4で言えば、酸化膜2
を表面に形成した支持基板1となる第1のSi半導体基
板と、第2の絶縁膜および半導体膜すなわち酸化膜21
および後で外部から絶縁されるSi薄膜31を順次形成
した第2の単結晶半導体基板とを、上記第1の絶縁膜と
上記半導体膜とが対向するように貼合せるウエーハ貼合
せ工程を経た後、上記第2の単結晶半導体基板を所要の
厚さに薄くした単結晶半導体膜すなわちSOI層3を形
成する薄化工程によりSOI構造の半導体基板を形成す
る半導体基板の製造方法において、上記第1の単結晶半
導体基板すなわち支持基板1は、上記第2の単結晶半導
体基板の結晶引き上げ速度よりも速い速度で形成したも
のを用いれば好適である。
【0021】さらに、本発明に係る半導体基板の製造方
法は、第1の絶縁膜を表面に形成した支持基板となる第
1の単結晶半導体基板と、第2の単結晶半導体基板と
を、上記第1の絶縁膜と第2の単結晶半導体基板とが対
向するように貼合せるウエーハ貼合せ工程を経た後、上
記第2の単結晶半導体基板を所要の厚さに薄くした単結
晶半導体膜を形成する薄化工程によりSOI構造の半導
体基板を製造する半導体基板の製造方法において、上記
第1の単結晶半導体基板は、上記第2の単結晶半導体基
板の結晶引き上げ速度よりも速い速度で形成した基板を
用いることができる。
【0022】
【作用】本発明に係る半導体装置によれば、MOSトラ
ンジスタを形成するSOI構造の半導体基板自体を、支
持基板上に厚い第1の絶縁膜、低不純物濃度の半導体
膜、薄い第2の絶縁膜および極めて薄い単結晶半導体膜
を積層化した多層構造のSOI基板とし、低不純物濃度
の半導体膜の膜厚を適当な厚さ(使用電源電圧や膜の不
純物濃度にも依存するが、電源電圧2Vで膜の不純物濃
度が1016cm-3程度の場合は、300〜500nm程
度の膜厚)に設定することにより、ドレイン電界は主に
ゲート電極直下における極めて薄い単結晶半導体膜と低
不純物濃度の半導体膜で大部分分割されて、厚い第1の
絶縁膜での電圧降下成分を無視できるように構成するこ
とができる。すなわち、ドレイン電界は、従来の超薄膜
SOI構造のMOSトランジスタよりも、むしろ通常の
低不純物濃度のSi基板に形成したMOSトランジスタ
と類似したドレイン電界分布となる。従って、従来の超
薄膜SOI構造のMOSトランジスタのようにソース・
ドレイン耐圧の低下を生じること無く、かつ、従来の超
薄膜SOI構造のMOSトランジスタよりも配線容量を
低減することができる。
【0023】上記多層構造のSOI基板において、分離
領域すなわち活性領域以外の素子間分離領域の半導体膜
および極めて薄い単結晶半導体膜を絶縁膜に置換するこ
とにより、ドレイン底面接合容量および配線容量は、こ
の置換された絶縁膜および厚い第1の絶縁膜すなわち図
1で言えば、素子間分離酸化膜22と支持基板1直上の
厚い酸化膜2による寄生容量となるので、支持基板直上
の厚い酸化膜だけによる従来の超薄膜SOI構造での寄
生容量に比べて、さらに寄生容量が低減する。このよう
に、ゲート直下領域(活性領域)を除いて極めて薄い単
結晶半導体膜および低不純物濃度の半導体層を絶縁膜に
置換させたMOSトランジスタは、ソース・ドレイン拡
散層領域を可能な限り微細化する構造となる。
【0024】また、MOSトランジスタのソースおよび
ドレイン領域の所定領域上に、それぞれ導電性半導体膜
を形成することにより、すなわち図1の場合では、ソー
ス・ドレイン拡散層8〜11上に積上げた低抵抗の多結
晶Si膜による引出し電極23〜26を形成することに
より、ソース・ドレイン拡散層8〜11からの接続を引
出し電極23〜26を介して金属電極14〜16と行う
ことができるので、ソース・ドレイン拡散層8〜11が
形成されている極めて薄い単結晶Si層3の膜厚が、5
0nm以下と薄い場合においても、ソース・ドレイン接
続領域での電流経路は極めて薄い単結晶Si層3の膜
厚、または上記接触抵抗によって制限されない。従っ
て、従来のSOI構造のMOSトランジスタに比べてソ
ース・ドレイン直列抵抗を低減することができる。
【0025】MOSトランジスタのソース、ドレイン拡
散層が形成されている単結晶シリコン膜(SOI層)と
多結晶シリコン膜の間に形成された薄い第2の絶縁膜の
膜厚は、第1の絶縁膜の膜厚より小さく、また、単層の
シリコン酸化膜であってもよく、たとえばシリコン窒化
膜とシリコン酸化膜のように、複数の膜の積層膜であっ
てもよい。積層膜からなる場合は、シリコン窒化膜は電
荷の拡散を阻止する点ではすぐれているが、トランジス
タの安定化という点では、シリコン酸化膜の方がすぐれ
ている。そのため、SOI層と直接接する側にシリコン
酸化膜、多結晶シリコン側にシリコン窒化膜を、それぞ
れ配置するのが好ましい。
【0026】第2の絶縁膜の膜厚があまり小さいと、拡
散バリヤとしての作用が不十分になるので、トンネル効
果による電荷の拡散を防止できる3.5nm以上の膜厚
(シリコン酸化膜換算膜厚)を有していることが必要で
ある。しかし、シリコン酸化膜換算膜厚が、ほぼ100
nmより大きくなると、本発明の効果が得られなくなる
ので、良好な結果が得られる第2の酸化膜の膜厚は、シ
リコン酸化膜に換算して3.5nm以上100nm以
下、好ましくは3.5nm以上30nm以下、さらに好
ましくは3.5nm以上10nm以下である。この値
は、第2の絶縁膜が単層膜であっても、積層膜であって
も同じである。
【0027】ソース、ドレイン拡散層直下の多結晶シリ
コン膜は高抵抗であり、これによって、ソース、ドレイ
ン拡散層と半導体基板の間の寄生容量は従来の1/10
以下に減少された。
【0028】また、とチャネル領域直下の多結晶シリコ
ン膜には、ソース、ドレイン拡散層とは逆導電型の不純
物が多量にドープされた高濃度不純物領域が形成され、
この高濃度不純物領域とドレインの端部の間には、SO
I層が介在して、寄生容量の増加を防止する。
【0029】上記高濃度不純物領域の不純物濃度は、パ
ンチスルー現象の発生を効果的に防止するためには5×
1017/cm3以上であることが好ましく、イオン注入
の際におけるSOI膜の結晶性の破壊を防止するために
は1×1019/cm3以下であることが好ましい。この
ような理由から、上記高濃度不純物領域の不純物濃度
は、5×1017/cm3〜1×1019/cm3に設定され
る。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例を、図面を参照しなが
ら詳細に説明する。なお、添付図面において要部は他の
部分よりも拡大して示されている。また、各部の材質、
導電型および製造条件などは実施例の記載に限定される
ものではなく、それぞれ多くの変形が可能であることは
いうまでもない。
【0031】<実施例1>図1は、本発明の一実施例を
示す断面図であり、図4〜図6は図1に示した半導体装
置の製造方法を説明するための主要工程での断面図であ
る。これらの図は、何れもMOSトランジスタのチャネ
ル方向(チャネル長方向)の断面図である。
【0032】図4において、面方位(100)、抵抗率
30Ω・cm、直径12.5cmのp型単結晶Siから
なる支持基板1の主表面は、全面にわたって平坦度は2
μm以下であり、0.5μm2の微細領域における平均
表面粗さは4nm以下と極めて平坦であった。この支持
基板1の表面に厚さ500nmのSi酸化膜(以下、単
に酸化膜と称する)2を周知の熱酸化法によって形成し
た。さらに、支持基板1と同一仕様で、表面に厚さ8n
mの酸化膜21および厚さ500nmのSi薄膜31が
積層して形成されたSi基板3を別途準備した。Si薄
膜31は、原料ガスとしてSi 26(ジシラン)を用
い、温度520℃で化学気相蒸着(CVD)法によって
形成したが、形成された膜は非晶質であり、表面の平均
粗さは4nm以下と極めて平坦であった。
【0033】洗浄処理を行って、上記支持基板1および
Si基板3の表面上のゴミ等の異物を除去した後、支持
基板1上のSi酸化膜2の表面と、Si基板3上のSi
薄膜31の表面とを対向させ、これらの表面を気泡が生
じないように無塵環境の下で直接貼合せ、さらに貼合せ
の接合力を強化するために1100℃で1時間の熱処理
を行った。この熱処理によって貼合せの接合強度は、単
結晶Si基板の破壊強度と同程度にまで強化された。な
お、同時に、この熱処理によってSi薄膜31は非晶質
Siから多結晶Siへと変化した。
【0034】次に、貼合せた単結晶Si基板3の裏面側
から、周知の研削および研磨を行って厚さを減少させ、
酸化膜21上に厚さ約5μmの単結晶Si層(SOI
層)3を形成し、図4に示したSOI構造を有する半導
体基板(SOI基板)を得た。得られたSOI層3の面
内厚さ分布を光学的方法によって測定すると共に、測定
値を計算機に蓄積した。この測定はSOI面を1024
分割し、各分割面ごとにその位置の関数として厚さを求
めた。
【0035】さらに、このSOI基板をマイクロ波ドラ
イエッチング装置(不図示)に移し、反応ガスとしてS
6を用い、直径1mmに絞ったプラズマビームによっ
てSOI層3の全面をSOI層の膜厚に応じて局所エッ
チングし、膜厚の差を減少させた。このエッチングは、
予め測定しておいた前述の膜厚分布に基づいてエッチン
グ量を制御して行った。この局所エッチングにより、S
OI層3の厚さは100nmの設定膜厚に対して5nm
以内の誤差で制御できた。
【0036】このような方法により製造された、図4に
示したSOI基板に対して、周知の選択酸化法を用い
て、活性領域以外の素子間分離領域に厚い素子間分離酸
化膜22を形成した。この素子間分離酸化膜22は、底
面が下地である厚い酸化膜2に到達するように、膜厚は
600nmに設定した。なお、上記素子間分離酸化膜2
2の形成に先立ち、活性領域以外のSOI層3を選択的
に除去し、Si薄膜31のみを選択酸化しても良い。
【0037】次に、活性領域上のSOI層3の表面に厚
さ8nmのゲート酸化膜4を形成した後、n型不純物が
1020cm-3以上の高濃度に添加された厚さ0.35μ
mのSi膜を全面に形成し、パターニングを行ってゲー
ト電極5、6を形成した。本実施例では、ゲート電極長
は0.2μmに設定した。さらに、ゲート電極5,6の
露出部を覆うように厚さ0.2μmのゲート保護絶縁膜
7を形成した。
【0038】周知の化学気相蒸着(CVD)法を用いて
Si膜を全面に形成した後、周知のCVD方およびホト
エッチングによって、上記Si膜の所望領域のみを選択
的に覆う酸化膜(不図示)を形成し、この酸化膜をマス
クとしてPOCl3を拡散源とする燐の高濃度拡散を行
なって、上記Si膜の所望領域を低抵抗化し、n型低抵
抗Si膜17を形成した。
【0039】n型低抵抗Si膜17以外の領域上の酸化
膜を除去した後、不純物濃度差を利用して、上記n型低
抵抗Si膜17上に酸化膜を再び選択的に形成し、これ
をマスクとして用い、B26を拡散源とする気相拡散を
行なって、Si膜17のうち、不純物が導入されていな
い領域をp型低抵抗Si膜18とした。次に、例えば、
2雰囲気中で1000℃、10分間程度の熱処理によ
って、n型低抵抗Si膜17およびp型低抵抗Si膜1
8からSOI層3への固相拡散を行ない、n型高濃度ソ
ース拡散層8とn型高濃度ドレイン拡散層9、およびp
型のドレイン拡散層10とソース拡散層11をそれぞれ
形成した。
【0040】なお、上記ソースおよびドレイン拡散層8
〜11の形成は、低抵抗Si膜17、18からの固相拡
散によらずに、イオン注入法等の手段によって、SOI
層3に予め形成してもよい。また、n型低抵抗Si膜1
7およびp型低抵抗Si膜18の選択形成も上記のよう
な熱拡散法ではなく、レジスト膜を選択阻止マスクとし
て用いたイオン注入法によって形成してもよい。上記製
造工程により、図5に示した構造が形成された。
【0041】次に、図6に示したように、ゲート電極
5、6とは逆のパターンで、かつゲート電極5、6とは
1μmの間隔を有するレジストパターン19を形成した
後、第2のレジスト膜20を全面に塗布して表面を平坦
とし、上記レジスト膜19、20を垂直方向に全面ドラ
イエッチングして、ゲート保護絶縁膜7上の低抵抗Si
膜17、18の表面を露出させた。露出された低抵抗S
i膜17、18を等方性ドライエッチングして、ゲート
電極5、6上の低抵抗Si膜17および18を選択的に
除去し、図6に示した構造を形成した。
【0042】次に、上記レジスト膜19、20を除去し
た後、低抵抗Si膜17、18をホトリソグラフィ技術
によって所望形状にパターニングし、n型ソース引出し
電極23、n型ドレイン引出し電極24、p型ドレイン
引出し電極25、およびp型ソース引出し電極26を形
成した。
【0043】最後に、図1に示したように、周知の金属
配線形成工程にもとづいて、厚さが700〜800nm
程度の厚い配線保護絶縁膜13の形成、この絶縁膜13
の所望箇所への開口部の形成、アルミニウム(Al)を
主材料とする金属膜の形成とそのパターニングによる接
地電位線14、出力端子線15、電源電圧供給線16な
どを形成した。
【0044】このような製造工程を経て製造された薄い
酸化膜21および高抵抗Si膜31を有するの本実施例
SOI構造の半導体装置によれば、ソース・ドレイン間
耐圧が、従来の薄膜SOI基板に製造された同一寸法を
有するMOSトランジスタの4Vに比べて6Vと、1.
5倍にも向上した。このような耐圧向上は、ゲート電極
5、6の直下におけるドレイン拡散層9、10端部が、
薄い酸化膜21を介して高抵抗Si膜31上に構成され
ているために得られたものである。
【0045】すなわち、本実施例の半導体装置のゲート
電極直下におけるドレイン電位は、図3の実線で示した
通常の半導体基板を用いた場合と同様に分布して、SO
I層3および高抵抗Si膜31内でほぼ均一に降下し、
下方に形成された厚い酸化膜2の影響は小さい。これに
対して、図3の破線で示した従来の薄膜SOI基板に形
成されたMOSトランジスタのドレイン電位は、SOI
層3および厚い酸化膜2で完全に吸収され、電界集中が
SOI層3において発生する。従って、上記ドレイン端
部における電界集中の程度が、本実施例の半導体装置に
おいては、薄膜SOI基板に形成された従来のMOSト
ランジスタの場合より小さいいため、ソース・ドレイン
間耐圧が低下しない。
【0046】さらに、本実施例の半導体装置において
は、寄生容量となるソース・ドレイン接合容量を0.0
9fF/μm2と極めて小さくすることができた。この
容量値は従来の超薄膜SOI基板に形成した同一寸法の
MOSトランジスタの場合とほぼ同等の値であり、通常
Si基板に形成した従来構造のMOSトランジスタにお
ける値の1/10である。このような寄生容量低減効果
は、ソース拡散層およびドレイン拡散層を、低抵抗Si
膜からなる引出し電極23〜26を介して外部配線と接
続し、かつ、上記引出し電極を、誘電率がSi基板に比
べて約1/3と小さい、厚い素子間分離絶縁膜22およ
び厚い酸化膜2を介して、Si支持基板1上に形成した
ために得られたものである。
【0047】ソースおよびドレイン拡散層8〜11の占
有面積は極めて僅かであり、寄生容量に関与する領域の
直下は、ほとんど厚い素子間分離絶縁膜22と厚い酸化
膜2上に構成されている。すなわち、本実施例によれ
ば、従来の薄膜SOI基板に形成されたMOSトランジ
スタの、最大の問題であったドレイン耐圧の低下、およ
びそれに起因する閾電圧値の変動等の寄生バイポーラ効
果が根本的に解消され、極めて高い信頼性を有する半導
体装置を得ることができた。
【0048】さらに、本実施例において用いられた造方
法によれば、Si薄膜31は多結晶となるが、このSi
薄膜31は単結晶であっても、同様の効果が期待でき
る。しかし、多結晶Siの方が、結晶粒界の働きによっ
て抵抗値の不純物濃度依存性が単結晶Siに比べてより
大きくなること、結晶粒界の働きによって容量も単結晶
Siに比べて小さくなるので寄生容量(直列に接続され
る)も単結晶Siより小さくなる.すなわち、多結晶S
iの方が、同一不純物濃度における抵抗の絶対値が大き
くなり、容量の絶対値が小さくなるので、Si薄膜31
としては単結晶Siよりも多結晶(又は非晶質)Siの
方が、より好ましい。
【0049】本実施例の半導体装置は、図2に示した従
来の薄膜SOI基板に形成されたMOSトランジスタの
ように、薄いSOI層3内に形成された、ソースおよび
ドレイン拡散層の直列抵抗を低減させるための高融点金
属珪化膜12を形成しなくとも、厚い低抵抗Si膜によ
る引出し電極23〜26を用いることによって、直列抵
抗を低減できた。また、本実施例の半導体装置において
も、従来のSOIトランジスタの特長である、優れた耐
α線ソフトエラー特性、および相補型トランジスタのラ
ッチアップ現象に無関係であることなどが、損なわれな
いことは言うまでもない。
【0050】なお、本実施例では、pチャネル型MOS
トランジスタとnチャネル型MOSトランジスタを同一
基板上に形成する相補型MOSトランジスタを例にして
説明したが、nチャネル型MOSトランジスタ、または
pチャネル型MOSトランジスタのみで構成してもよい
ことは勿論である。
【0051】<実施例2>図7は、本発明の他の実施例
を示す断面図である。なお、上記実施例1で示したもの
と同一の構成部分は、同一の参照符号を用いた。
【0052】本実施例では、図4で示したSOI基板ま
で製造した段階において、n型MOSトランジスタの形
成予定領域のSi膜31には硼素イオンを、p型MOS
トランジスタの形成予定領域のSi膜31には燐イオン
を、それぞれ5×1017cm-3の不純物濃度となるよう
に、150KeV以上の高エネルギーイオン注入法によ
り導入し、それぞれp型Si層領域41およびn型Si
層領域42を形成している点が実施例1と相違し、その
後は上記実施例1と同様にして相補型MOSトランジス
タの半導体装置を製造した。
【0053】このように、チャネル領域を形成するSO
I層3直下に、薄い酸化膜21を介して各チャネル領域
と同一導電型の高濃度Si層領域41、42を形成した
ことによって、これらの領域がパンチスルー現象を抑制
する働きをするため、閾電圧値のゲート長依存性、いわ
つる短チャネル現象を緩和することができた。すなわ
ち、ゲート長が0.3μmのMOSトランジスタにおい
ても、ゲート長1.0μmのMOSトランジスタからの
閾電圧値の低下は僅かに0.2Vであり、0.2μmゲ
ート長のMOSトランジスタにおいても、ゲート長1.
0μmのMOSトランジスタからの閾電圧値の減少は
0.4Vであった。
【0054】さらに、チャネル領域を形成するSOI層
3の不純物濃度を、1×1016cm-3と低濃度にしたに
もかかわらず、n型MOSトランジスタの閾電圧値は、
ゲート長が0.2μmであっても、正の値すなわちエン
ハンスメントモードを維持することができた。これによ
って、従来の薄膜SOI基板に製造されたMOSトラン
ジスタにおいては、短チャネル現象の緩和およびエンハ
ンスメントモードの維持のためには、チャネルを構成す
るSOI層に、1017〜1018cm-3の不純物濃度とな
るように不純物の導入が不可欠であった欠点が解消でき
た。
【0055】従って、本実施例によれば、チャネルを構
成するSOI層は、低濃度不純物で動作可能であり、伝
達コンダクタンスを劣化させずにMOSトランジスタを
形成することができ、従来の薄膜SOI基板に製造され
たMOSトランジスタに比べて、伝達コンダクタンスが
約2割増加し、大電流化することができた。しかも、新
規の設備を導入する必要がないので、価格の上昇なしに
半導体装置を製造することができる。
【0056】さらに、本実施例の半導体装置では、p型
Si層領域41およびn型Si層領域42は外部から絶
縁され、電位が固定されない構成となっている。このた
め、p型Si層領域41、またはn型Si層領域42が
それぞれ関与するドレイン拡散層9および10の接合容
量成分は、薄い酸化膜21とp型Si層領域41、また
は薄い酸化膜21とn型Si層領域42、さらには厚い
酸化膜2によるそれぞれの容量の直列接続で決定される
ので、厚い酸化膜2による容量単独よりもさらに低減さ
れる。
【0057】また、ドレイン引出し電極24または25
に関する容量も、素子間分離絶縁膜22とp型Si層領
域41、または素子間分離絶縁膜22とn型Si層領域
42、および厚い酸化膜2によるそれぞれの容量の直列
接続であり、素子間分離絶縁膜22と厚い酸化膜2だけ
よりも容量は大幅に低減され、従来の超薄膜SOI基板
に形成されたMOSトランジスタに比べても寄生容量が
さらに低減される。尚、p型Si層領域41およびn型
Si層領域42に外部から電位が与えられる構成とした
場合には、容量値は直列接続とはならず、Si層領域4
1、またはSi層領域42内での電位降下成分がそのま
ま容量として現れるため、容量低減の効果は生じない。
【0058】本実施例において、p型Si層領域41お
よびn型Si層領域42を形成するために行なったイオ
ン注入工程において、不純物濃度が1×1018〜1×1
20cm-3となるようにドーズ量を変化させてMOSト
ランジスタを製造したが、上記特長は向上こそすれ何ら
問題は生じなかった。勿論、高濃度にイオン注入を行う
ためには、製造時間の増加を加味する必要があるが、上
記不純物濃度を1×1020cm-3以上にする必要はな
い。
【0059】また、薄い酸化膜21は、後の工程の熱処
理条件にもよるが、酸化膜厚の制御し易さの点で5nm
以上、ウエーハの反りの点から500nm以下、すなわ
ち5〜500nm程度の厚さの範囲内で、かつ、Si膜
31にイオン注入により導入された不純物がSOI層3
に拡散するのを防止するのに十分な膜厚を有すればよ
い。勿論、薄い酸化膜21はシリコン窒化膜等の他の絶
縁膜の単層膜、または積層膜であっても良い。
【0060】<実施例3>図8は、本発明の他の実施例
を示す断面図である。なお、上記実施例2と同一構成部
分については、同一の参照符号を用い、その詳細な説明
は省略した。図6から明らかなように、本実施例では、
p型Si膜41およびn型Si膜42のうち、ソースお
よびドレイン拡散層8〜11が形成される予定の領域、
特にソースおよびドレイン拡散層8〜11の少なくとも
底面領域に接する領域を高抵抗にして高抵抗Si層領域
43を形成している点が実施例2と相違する。
【0061】このような高抵抗Si層領域43の形成方
法は、次の通りである。まず、上記実施例2と同様に、
図4で示したSOI層3まで製造した段階において、n
型MOSトランジスタの形成予定領域のSi膜31には
硼素イオンを、p型MOSトランジスタの形成予定領域
のSi膜31には燐イオンを、それぞれ高エネルギーイ
オン注入法により導入するが、本実施例の場合にはそれ
ぞれ5×1018cm-3の不純物濃度となるようにイオン
注入を行って、それぞれp型Si層領域41およびn型
Si層領域42を形成した。なお、実施例2と同じ不純
物濃度になるようにイオン注入を行っても良いが、この
ように高濃度にすることにより、SOI構造を有するM
OSトランジスタでは負になりがちなしきい値を、正の
方向へ制御することができる。
【0062】この後、実施例2と同様に相補型MOSト
ランジスタを形成するが、本実施例では、ゲート電極5
および6を形成した後に、これらのゲート電極をイオン
注入のマスクとして、n型MOSトランジスタのソース
およびドレイン拡散層8、9を形成する予定のp型Si
層領域41には燐イオンを、p型MOSトランジスタの
ソースおよびドレイン拡散層11、10が形成される予
定のn型Si層領域42には硼素イオンを、高エネルギ
ーイオン注入法により導入し、形成予定のソースおよび
ドレイン拡散層8〜11の少なくとも底面領域に薄い酸
化膜21を介して隣接するそれぞれのSi層領域41、
42内の導入不純物を打ち消すことにより高抵抗化させ
て、高抵抗Si層領域43を形成する。なお、ここで燐
イオンおよび硼素イオンを用いずに、酸素イオン或いは
窒素イオンを高濃度にイオン注入することにより高抵抗
化を行ってもよい。
【0063】このように、本実施例の半導体装置によれ
ば、ソースおよびドレイン拡散層8〜11に薄い酸化膜
21を介して隣接するSi層領域43は、反対導電型の
イオン注入により高抵抗化されている。このため、薄い
酸化膜21を介してp型Si層領域41またはn型Si
層領域42を経路とするソースとドレイン間の容量は無
視できるほど低減でき、これにより、従来の薄膜SOI
基板に形成したMOSトランジスタに比べても寄生容量
がさらに低減される。
【0064】勿論、実施例2と同様に、チャネル領域と
なるSOI層3直下に薄い酸化膜21を介してチャネル
領域と同一導電型の高濃度Si層領域41または42が
形成されているので、この領域がパンチスルー現象を抑
制し、閾電圧値のゲート長依存性、所謂短チャネル現象
を緩和することができる。また、チャネルを構成するS
OI層は低不純物濃度で動作可能であるため、実施例2
と同様に、伝達コンダクタンスが劣化することはなく、
従来のSOI層に形成されたMOSトランジスタに比べ
て、伝達コンダクタンスは約2割増大した。
【0065】<実施例4>図9は、本発明の半導体基板
の製造方法の別の実施例を示す図であり、貼合せ工程直
前の断面図である。上記実施例1において、図4に示し
た貼合せ基板は、支持基板1と、SOI層を構成するS
i基板3は、同一仕様のSi基板を用いたが、本実施例
では仕様の異なる支持基板1aを用いている点が実施例
1と相違する。すなわち、支持基板1aとして用いるS
i基板に、周知のチョクラルスキー(CZ)法に基づく
単結晶インゴットの結晶引上げ速度を、通常の結晶引上
げ速度に比べて最大で5倍にまで速めて5mm/分にし
て形成したインゴットから得られた単結晶鏡面ウエーハ
を用いている点が異なってる。このインゴットの直径は
13cm、結晶引上げ方位は<100>、p型で抵抗率
は30Ω・cmに設定した。上記インゴットからの直径
12.5cmの単結晶ウエーハの形成は、周知の半導体
基板の製造工程に基づいてダイヤモンドカッターによる
切り出し、機械研磨および鏡面研磨などを行って形成し
た。
【0066】このようにして得られたSi基板を用いた
支持基板1aの表面に、実施例1と同様に、厚さ500
nmの酸化膜2を熱酸化法により形成し、別途準備して
おいたSi基板3の表面に厚さ8nmの薄い酸化膜2
1、この酸化膜21の上に厚さ500nmの厚いSi膜
31を、CVD法によって実施例1と同様に形成した。
Si基板3は、1mm/分と通常の結晶引上げ速度で引
き上げたインゴットから単結晶鏡面ウエーハに加工した
ものであり、仕様は実施例1と同一の、面方位(10
0)、抵抗率30Ω・cm、直径12.5cmのp型で
ある。
【0067】洗浄処理を行った後、実施例1と同様に、
上記支持基板1a上のSi酸化膜2の表面とSi基板3
上のSi薄膜31の表面とを対向させて貼合せ、熱処
理、Si基板3側からの研削、研磨および薄膜化を行
い、極めて薄いSOI層3を形成した。
【0068】支持基板1aには多数の微細結晶欠陥が観
察され、表面を鏡面仕上げする工程では、微小領域にお
ける平均表面粗さは6〜7nmと、比較的大きな値を示
したが、Si基板3との貼合せ、およびその後の接合強
度向上のための熱処理の段階で、上記の表面粗さに基づ
くボイドの発生は解消され、実施例1で示した半導体装
置製造工程には何ら影響がなく、製造された半導体装置
の特性においても、何ら差違が見られなかった。
【0069】本実施例において、支持基板1aの製造に
要した日数は12日であり、Si基板3を通常の引上げ
速度で形成した場合の製造日数の18日に比べて大幅に
短縮できた。この製造日数の短縮は、製造原価の低減に
大きく寄与し、SOI基板の製造原価を約2割低減する
ことができた。なお、本実施例において、支持基板1a
は転位等の結晶欠陥が存在する有転位結晶基板であって
も、表面の微細領域での表面粗さが5nm程度と小さ
く、且つ平坦度が確保されていれば何ら問題ない。
【0070】また、本実施例の半導体基板の製造方法
は、図2に示した従来のSOI構造の半導体装置に用い
るSOI基板の製造にも、図10に示すように適用する
ことができる。図10において、支持基板1aは単結晶
インゴットの結晶引上げ速度を、通常の結晶引上げ速度
に比べて最大で5倍にまで速めて5mm/分にして形成
したインゴットから得られた単結晶Si基板であり、こ
の支持基板1aの表面に厚い酸化膜2を形成し、別途準
備しておいた通常の引上げ速度1mm/分で引き上げた
インゴットからのSi基板3の鏡面仕上げされた表面
と、支持基板1a上の酸化膜2とを対向させて、貼合
せ、熱処理を行い、Si基板3側からの研削、研磨、お
よび超薄膜化を行い、従来の薄いSOI層を形成すれば
よい。このように形成することにより、上記本発明に係
るSOI基板と同様に従来のSOI基板の製造原価の低
減という効果を得ることができる。
【0071】<実施例5>図11は、実施例1に示した
半導体装置を信号伝送処理装置に適用した場合の一実施
例を示すシステム構成図である。この信号伝送処理装置
は、ATM交換器と呼ばれる非同期伝送方式の信号伝送
装置である。
【0072】図11において、参照符号200は光ファ
イバを示し、複数(図11の場合、32本。)の光ファ
イバ200は、それぞれ入力用の光インタフェースLI
に接続される。各入力用の光インタフェースLIは、光
信号を電気信号に変換するO/E変換機能、シリアル信
号をパラレル信号に変換するS/P変換機能、およびヘ
ッダ交換機能を有する。各入力用の光インタフェースL
Iの複数(図11の場合、8本。)の出力線210はそ
れぞれバッファメモリ集積回路BFMLSIに接続され
る。各バッファメモリ集積回路BFMLSIは多重器M
UX、バッファメモリBFM、分離器DMUXを有し、
これらの回路は実施例1の本発明に係る半導体装置に基
づいて製造された二重ゲート型MOSトランジスタで構
成され、メモリ制御LSI220および空アドレスFI
FOメモリLSI230により制御される。各バッファ
メモリ集積回路BFMLSIの出力線240の1本ずつ
(計8本)が並列に1個の出力用の光インタフェースL
Iに接続される。各出力用の光インタフェースLIは、
電気信号を光信号に変換するE/O変換機能、パラレル
信号をシリアル信号に変換するP/S変換機能、および
ヘッダ交換機能を有し、1本の出力用光ファイバ250
が接続されている。
【0073】このように構成される信号伝送処理装置
は、伝送すべき番地と無関係に送られてくる超高速伝送
信号を所望番地に超高速で伝送するスイッチの機能を有
する装置であり、次のように動作する。光ファイバ20
0により超高速で直列的に伝送されてきた情報信号は、
入力用の光インタフェースLIにおいて電気信号に変換
(O/E変換)すると共に、ヘッダ交換、および並列化
(S/P変換)を行い、バッファメモリ集積回路BFM
LSIへ複数の信号線210を介して導入される。バッ
ファメモリ集積回路BFMLSIにおいて、上記電気信
号に変換された情報信号は、メモリ制御LSI220、
および空アドレス振分け制御機能を有する空アドレスF
IFOメモリLSI230により制御されて番地付処理
され、この番地付処理された複数の電気信号は出力用の
光インタフェースLIで直列化(P/S変換)、ヘッダ
交換、および光信号化(E/O変換)されて出力用光フ
ァイバ250に出力される。
【0074】上記バッファメモリ集積回路BFMLSI
は、入力光信号の伝送速度に比べて著しく動作速度が遅
いため、入力信号を直接スイッチングできず、入力信号
を一時記憶させ、記憶された信号をスイッチングしてか
ら超高速な光信号に変換して所望番地に伝送する方式を
用いている。このバッファメモリ集積回路BFMLSI
の動作速度が遅ければ、大きな記憶容量が要求される。
しかしながら、本実施例のATM交換器においては、バ
ッファメモリ集積回路BFMLSIを実施例1に基づい
て製造した半導体装置で構成することにより、従来のバ
ッファメモリ集積回路に比べて動作速度が3倍と高速な
ため、記憶容量を従来比で約1/3と低減することが可
能となった。しかも、従来のバッファメモリ集積回路に
比べて廉価なため、ATM交換器の製造原価を低減する
ことができた。
【0075】<実施例6>図12は、実施例1〜実施例
3に示した半導体装置を、高速大型計算機を構成するプ
ロセッサや主記憶装置等に適用した場合の一実施例を示
す計算機構成図である。図12において、参照符号50
0は命令や演算を処理するプロセッサを示し、このプロ
セッサ500、システム制御装置501および主記憶装
置502等に本発明に係る半導体装置を適用した。本発
明に係る半導体装置は、従来の高速バイポーラトランジ
スタを用いた集積回路よりも集積度が高く廉価であるた
め、本発明に係る半導体装置を1辺が10〜30mmの
大きさで構成することができた。
【0076】これら命令や演算を処理する複数個のプロ
セッサ500、システム制御装置501、および化合物
半導体装置からなるデータ通信インタフェース503を
同一セラミック基板506に実装した。また、データ通
信インタフェース503、およびデータ通信制御装置5
04を同一セラミック基板507に実装した。これらセ
ラミック基板506、507と、主記憶装置502が実
装されたセラミック基板511とを、1辺の大きさが約
50cm程度、或いはそれ以下の基板に実装し、大型計
算機の中央処理ユニット508を形成した。この中央処
理ユニット508内データ通信や、複数の中央処理ユニ
ット間データ通信、或いはデータ通信インタフェース5
03と入出力プロセッサ505を実装した各基板509
との間のデータの通信は、図中の両端矢印線で示した光
ファイバ510を介して行われた。
【0077】この高速大型計算機では、本発明に係る半
導体装置を適用した、命令や演算を処理するプロセサ5
00、システム制御装置501、および主記憶装置50
2等が並列で、且つ高速に動作し、またデータの通信が
光を媒体に行われるため、1秒間当たりの命令処理回数
を大幅に増加することができた。
【0078】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は上記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更
をなし得ることは勿論である。
【0079】〈実施例7〉図13〜15は、本発明の他
の実施例を示す工程図である。まず、図13に示したよ
うに、直径12.5cm、抵抗率10Ωcm、面方位
(100)のp導電型の単結晶Si基板からなる支持基
板31上に、厚さ500nmの酸化シリコン膜32、厚
さ200nmの高抵抗多結晶Si膜33、厚さ5nmの
シリコン窒化膜と厚さ3nm厚の薄い酸化シリコン膜か
らなる重合せ膜34および、上記支持基板と同一仕様の
厚さ100nmの単結晶Si膜35からなるSOI基板
を形成した。
【0080】活性領域以外の単結晶Si膜35に素子間
分離絶縁膜36を、周知の方法によって形成した後、ゲ
ート電極が形成される領域にボロンを選択的にイオン注
入して、p型高濃度不純物領域38を形成した。この際
のイオン注入は、単結晶Si膜35を通過し、高抵抗多
結晶Si膜33内で、最大不純物濃度2×1018/cm
3になり、酸化シリコン膜32に達するように、加速エ
ネルギー100KeVちう条件で行なった。
【0081】周知のMOSトランジスタ製造方法にもと
づづいて、厚さ5nmのゲート酸化シリコン膜37、厚
さ100nmのタングステン(W)膜からなるゲート電
極39およびゲート保護絶縁膜40を形成した後、この
ゲート保護絶縁膜40を阻止マスクとして用いた砒素の
イオン注入および熱処理を行って、接合深さが20nm
のn型高濃度のソース拡散層41およびドレイン拡散層
42を形成し、さらにゲート側壁絶縁膜43を形成し
た。なお、高濃度のソース拡散層41とドレイン拡散層
42およびゲート側壁絶縁膜43は、燐が高濃度に添加
された珪燐酸ガラスを全面に堆積した後、熱処理を行っ
てソース、ドレイン拡散層41、42を形成してから異
方性ドライエッチングによりゲート側壁絶縁膜43を形
成してもよい。
【0082】次に、図14に示したように、周知ののM
OSトランジスタ製造方法に基づいて、酸化シリコン膜
32に達する相対的に深い拡散層を、燐の高濃度イオン
注入と熱処理によって形成し、第二のソース拡散層44
およびドレイン拡散層45とした。タングステン膜46
を周知の化学気相反応によって形成して、拡散層44、
45の露出されている表面を選択的に覆った。なお、上
記タングステン膜46はスパッタリングによってタング
ステンを全面に堆積した後、パターニングに行ってもよ
い。
【0083】周知の方法を用いて配線保護絶縁膜47を
形成した後、所望個所へ開口部を形成し、ソース金属電
極48とドレイン金属電極49を含む金属配線を、周知
の方法を用いて形成し、図15に示す半導体装置を形成
した。
【0084】本実施例において形成された半導体装置
は、p型高濃度多結晶Si領域38が薄い重合せ絶縁膜
34を介してチャネル直下に構成されているため、チャ
ネルを構成する単結晶Si膜35の不純物濃度が1×1
15/cm3と低いにもかかわらず、実効ゲート長0.
1μm、ドレイン電圧2Vという条件においても、パン
チスルーを生じることなしに正常に動作することが確認
された。また、この条件におけるソース・ドレイン電流
も、チャネル不純物濃度を高くしてパンチスルーを防止
した同一寸法の従来構造SOIトランジスタに比べて、
約1.5倍の大電流が得られた。さらに、実効ゲート長
が0.1μmと極度に短いにもかかわらず、ドレインコ
ンダクタンスが低ドレイン電圧では大きく、高ドレイン
電圧では小さい、いわゆる長チャネル特性が得られた。
そのため、本実施例において形成されたトランジスタを
用いて製造されたリングオシレータの遅延時間は、従来
SOIトランジスタを用いた場合の特性に比べて約1/
2倍となり、はるかに高速な動作特性が達成された。こ
のような大電流および高速動作は、本実施例において形
成されたトランジスタの、チャネル領域における不純物
濃度が低く、移動度が劣化しないために得られたものと
考えられる。製造工程中に高温度の熱処理が行なわれて
いるにもかかわらず、チャネル領域の不純物濃度が低く
保たれたのは、多結晶Si膜内の高濃度不純物領域38
からのボロンの拡散が、薄い重合せ絶縁膜34によって
完全に阻止されたためと考えられる。
【0085】重合せ絶縁膜34に代えて、同じ膜厚を有
する単一の酸化シリコン膜を用いた場合は、ソース・ド
レイン電流が従来のSOIトランジスタの1.1から
1.2倍程度に過ぎず、窒化シリコン膜と酸化シリコン
膜の重合せ膜が、不純物拡散阻止に極めて有効であるこ
とが確認された。重合せ絶縁膜34としては、不純物拡
散阻止能力以外に、単結晶Si膜35との間で電荷の充
放電が直接起こらないように、比誘電率を考慮して、酸
化シリコン膜換算での実効トンネル膜厚が3.5nm以
上であることが好ましく、また、パンチスルー抑制効果
を考慮して、シリコン酸化シリコン膜換算で100nm
以下が好ましく、10nm以下にするのが最も好まし
い。上記重合せ絶縁膜34の最適膜厚は、高濃度不純物
領域38に導入された不純物の種類および濃度にも依存
する。高濃度不純物多結晶Si領域38への導入不純物
濃度は、パンチスルー抑制効果の観点から5×1017
cm3以上、イオン注入時の単結晶Si膜5への結晶性
破壊防止の観点から1×1019/cm3以下であること
が好ましい。
【0086】本実施例において得られたトランジスタを
用いて製造されたリングオシレータの高い動作速度は、
ドレイン寄生容量の低減効果にも起因する。すなわち、
本実施例の半導体装置は、図16から明らかなように、
高濃度不純物領域38とドレイン拡散層45の端部間に
は、重合せ絶縁膜34と低濃度単結晶Si膜35が介在
されている。このような構造のドレイン・支持基板間容
量は、高濃度不純物領域38とドレイン拡散層45の端
部の間に、重合せ絶縁膜34のみが介在され、低濃度単
結晶Si膜35が介在されていない場合のドレイン・支
持基板間容量の約1/3に低減されることが認められ
た。このような顕著な効果は、ドレイン拡散層端部から
発し、高濃度不純物領域8に終端する電気力線が、低濃
度単結晶Si膜35によって分散され、寄生容量が大き
く低減されたために得られたものであり、したがって、
高濃度不純物領域38内における不純物分布を、チャネ
ル中央部直下では高濃度とし、ドレイン接合に接近する
に従って低濃度になるようにすれば、ドレイン・支持基
板間寄生容量をさらに低減できる。
【0087】本実施例において、半導体装置を製造する
SOI基板として多結晶高抵抗Si膜33を有する多層
構造のSOI基板を用いた。上記Si膜33は単結晶膜
ではなく多結晶あるいは非晶質膜であることが好まし
い。多結晶あるいは非晶質膜は結晶粒界が存在している
ため、不純物含有量が同じであっても、極めて活性化さ
れ難く、過渡的動作に対する応答が極めて遅い。そのた
め、高抵抗多結晶Si膜33は接地電位に対して実効的
に開放状態にあり、このような理由から、寄生容量を低
減するために、上記Si膜33は多結晶あるいは非晶質
膜であることが望ましい。
【0088】〈実施例8〉図16およびず17は本発明
の他の実施例を示す断面図である。上記実施例7におい
て、浅いソース拡散層41およびドレイン拡散層42の
接合深さを50nmとし、第二のソース拡散層44およ
びドレイン拡散層45を形成する代りに、浅いソース拡
散層41およびドレイン拡散層42の露出された表面
に、高濃度に燐が添加された厚さ100nmの単結晶S
i膜を選択エピタキシャル法によって形成して、積上げ
ソース拡散層141および積上げドレイン拡散層151
を形成した。なお、本実施例においては、上記実施例7
におけるW膜16の形成は行なわなかった。
【0089】以下、上記実施例7と同じの製造工程に従
って処理を行ない、図17に示す半導体装置を完成し
た。本実施例において形成された半導体装置において
は、上記実施例7の場合と同様に、同一寸法の従来のS
OIトランジスタに比べて、パンチスルーを生じること
なしに、電流を約1.5倍に増大させることができた。
このような電流増大の効果は、単結晶Si膜が低濃度で
あるのに加えて、積上げソース拡散層141を使用する
ことによってW膜16を省略することができ、ソース抵
抗が低減されたためと考えられる。本実施例の半導体装
置を用いて形成されたリングオシレータの遅延特性は、
上記実施例7の半導体装置を用いた場合と同様に高速で
あった。このような効果は、高濃度不純物領域38に終
端する電気力線が、上記実施例7の場合と同様に、低濃
度単結晶Si膜35によって分散され、寄生容量が著し
く低減されたために達成されたことを意味する。
【0090】〈実施例9〉図18は本発明の他の実施例
を示す断面図である。上記実施例8において、積上げソ
ース拡散層141および積上げドレイン拡散層151を
形成した後、タングステン膜46を全面に形成した後、
不要部分を除去して、上記ソースおよびドレイン拡散層
141、151の露出部分上のみに選択的に残した。上
記タングステン膜16はW、Ti、Mo、Ta、Co、
Ni、Al等の金属膜、またはその金属珪化膜であって
もよい。タングステン膜46を上記ソースおよびドレイ
ン拡散層141、151の露出部分上に選択的に残した
後、上記実施例8と同様に処理して半導体装置を製造し
た。
【0091】本実施例によって形成された半導体装置
は、上記実施例7の半導体装置と同様に、同一寸法の従
来のSOIトランジスタに比べて、パンチスルーを生じ
ることなしに、電流は約1.5倍のに増大した。本実施
例の半導体装置においては、タングステン膜46が用い
られているため、上記実施例8の半導体装置よりも、さ
らにソース抵抗が低減されたものと考えられる。
【0092】〈実施例10〉図19は、本発明の半導体
装置を論理回路装置の構成に適用した例を示すである。
図19は複合ゲート回路の例であるが、本発明の半導体
装置によって複合ゲート回路にNAND回路とNOR回
路を含む論理回路に適用した。図19に示した複合回路
は、Vout=V1・V2+V3・V4なる論理演算を行う回
路であり、上記演算をNAND回路とNOR回路の組合
せで構成することによってトランジスタ数を1/2に低
減できた。
【0093】本発明の半導体装置を用いることによっ
て、従来の論理回路装置に比べて遅延時間を20%以上
低減することができた。これは、SOI構造による寄生
容量低減効果および上記各実施例において示した電流の
増大と低電圧におけるドレインコンダクタンスの大幅な
向上によって得られたものである。
【0094】〈実施例11〉図20は、本発明の半導体
装置を用いて構成された随時書込み読出し型記憶装置
(DRAM)の例を示す図である。一記憶単位であるメ
モリセルは、図20(b)に示したように、一つの本発
明の半導体装置と一つの容量素子Csの直列接続により
構成され、データ伝達線であるビット線および入出力制
御のワード線に接続される。この随時書込み読出し型記
憶装置は、図21(a)に示したように、メモリセルが
行列状に配置されたメモリセルアレイと制御用周辺回路
から構成されるが、周辺回路も本発明の半導体装置を用
いて構成した。メモリセル選択のアドレス信号端子数を
低減するため、列アドレス信号と行アドレス信号をずら
し多重化して印加するが。RASとCASは、それぞれ
パルス信号であり、クロック発生器1および2を制御し
てアドレス信号を行デコーダと列デコーダに振分けてい
る。緩衝回路であるアドレスバッファにより行デコーダ
および列デコーダに振分られたアドレス信号に従って、
特定のワード線、およびビット線が選択される。各ビッ
ト線には、フリップフロップ型増幅器によるセンスアン
プが接続され、メモリセルから読出された信号を増幅す
る。パルス信号WEは書込みクロック発生器を制御する
ことにより、書込みと読出しの切換えが制御される。D
は書込みおよび読出し信号である。
【0095】本実施例の随時書込み読出し型記憶装置
を、本発明の半導体装置を用いて構成することにより、
アクセス時間を従来比で30%以上低減できるた。さら
に、リフレッシュ特性も16メガビットメモリ構成にお
いて、最悪で0.5秒と従来に比べて約10倍に向上す
ることができた。このような高速化は、SOI構造によ
る寄生容量の低減および大電流化によって得られたもの
である。リフレッシュ特性の向上はSOI構造による接
合面積の低減と基板浮遊効果の解消によって閾電圧変動
のなくなったためである。
【0096】〈実施例12〉図21は本発明の半導体装
置を用いて構成された常時書込み読出し型記憶装置(S
RAM)の例を示す図である。一記憶単位であるメモリ
セルは、図21(b)に示したように、本発明による相
補型MOS二組と信号の入出力を制御する二つのMOS
(トランスファMOSと称される)で構成される。本S
RAMは、図21(a)に示したように、メモリセルが
行列状に配置されたメモリセルアレイと制御用周辺回路
で構成されるが、周辺回路も本発明の半導体装置により
構成した。本実施例の構成は基本的に前記実施例5のも
のとほぼ同一であるが、SRAMの高速性、低消費電力
性を図るためにアドレス遷移検出器を設け、これによっ
て発生したパルスによって内部回路が制御される。さら
に、アドレスバッファからデコーダまでの回路を高速化
するため、行デコーダをプリデコーダと主デコーダの二
段によって構成されている。チップセレクトは、信号C
SびWEによって、情報の書込みおよび読出し時のデー
タの競合を避け、かつ書込みサイクル時間と読出しサイ
クル時間をほぼ同じにして、高速動作を可能にするため
の回路である。
【0097】本実施例の常時書込み読出し型記憶装置
を、本発明の半導体装置を用いて構成することにより、
電源電圧を3.5Vから2.0Vに低減でき、かつアク
セス時間を従来比で30%以上低減できた。このような
効果は、SOI構造による寄生容量の低減と本発明によ
る大電流化、および低電圧におけるドレインコンダクタ
ンスの大幅な向上によって得られたものである。さら
に、基板浮遊効果の解消によって閾電圧変動がなくな
り、センスアンプの動作範囲が縮小されて高速動作が実
現された。
【0098】〈実施例13〉本実施例は上記実施例7〜
9に示した半導体装置を用いて計算機を構成した例であ
り、図12を用いて説明する。本実施例は、命令や演算
を処理するプロセッサ500が、複数個並列に接続され
た高速大型計算機に、本発明の半導体装置を、使用した
例である。本実施例では本発明による半導体装置が従来
のバイポーラトランジスタを用いた集積回路よりも集積
度が高く低価格であるため、命令や演算を処理するプロ
セッサ500、システム制御装置501および主記憶装
置502等を1辺が10から30mmの本発明の半導体
装置で構成した。
【0099】これら命令や演算を処理するプロセッサ5
00、システム制御装置501および化合物半導体装置
からなるデータ通信インタフェース503を同一セラミ
ック基板506に実装した。また、データ通信インタフ
ェース503、およびデータ通信制御装置504を同一
セラミック基板507に実装した。これらセラミック基
板506、507および主記憶装置502が実装された
セラミック基板を大きさは、1辺が約50cm程度ある
いはそれ以下の基板に実装し、計算機の中央処理ユニッ
ト508を形成した。この中央処理ユニット508内デ
ータ通信や、複数の中央処理ユニット間データ通信、あ
るいはデータ通信インタフェース503と入出力プロセ
ッサ505を実装した基板509との間のデータの通信
は図中の両端矢印線で示される光ファイバ510を介し
て行われた。
【0100】この計算機では命令や演算を処理するプロ
セッサ500、システム制御装置501、および主記憶
装置502等の本発明による半導体装置が並列で、かつ
高速に動作し、またデータの通信が光を媒体に行われる
ため、1秒間当たりの命令処理回数を大幅に増加するこ
とができた。
【0101】〈実施例14〉本実施例は、本発明の半導
体装置を用いて構成された信号伝送処理装置、特に非同
期伝送方式(ATM交換器と称される)に関する信号伝
送処理装置を構成した例であり、図11を用いて説明す
る。
【0102】図11において、光ファイバーによって極
めて高速で直列的に伝送されてきた情報信号を電気信号
に変換し(O/E変換)、かつ並列化(S/P変換)さ
せる装置を介して、本発明の半導体装置により構成され
る集積回路(BFMLSI)に導入した。この集積回路
で番地付処理された電気信号は、直列化(P/S変換)
および光信号化(E/O変換)されて光ファイバーで出
力される。上記BFMLSIは、多重器(MUX)、バ
ッファメモリ(BEM)および分離器(DMUX)によ
って構成される。このMFMLSIは、メモリ制御LS
Iおよび空アドレス振分け制御の機能を有するLSI
(空アドレスFIFOメモリLSI)によって制御され
る。本信号伝送処理装置は伝送すべき番地と無関係に送
られてくる高速伝送信号を所望番地に高速で伝送するス
イッチの機能を有する装置である。BFMLSIは入力
光信号の伝送速度に比べて著しく動作速度が遅いため、
入力信号を直接スイッチングできず、入力信号を一時記
憶させ、記憶された信号をスイッチングしてから超高速
な光信号に変換して所望番地に伝送する方式を用いた。
BFMLSIの動作速度が遅ければ、大きな記憶容量が
要求される。本実施例のATM交換器に於いては、BF
MLSIが本発明の半導体装置により構成されることに
より、従来のBFMLSIに比べて動作速度が3倍と高
速であり、かつ低価格であるため、BFMLSIの記憶
容量を従来比で約1/3と低減することがとができ、こ
れにより、ATM交換器の製造原価を低減することがで
きた。
【0103】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、本発明
によれば、極めて薄いSOI層直下に薄い酸化膜と、外
部から絶縁されたSi層を、この薄い酸化膜の下に形成
し、さらに、このSi層の下に厚い酸化膜および支持基
板を重ねて形成したことにより、前記SOI層に形成さ
れたMOSトランジスタの短チャネル効果の抑制、ソー
ス・ドレイン耐圧の向上およびドレイン接合容量の低減
に極めて有効である。すなわち、極めて薄SOI層直下
の薄い酸化膜を介して、外部から絶縁された前記Si層
が存在することにより、ゲート電極直下のドレイン電界
が緩和されて、ソース・ドレイン耐圧が向上する。さら
に、チャネル領域直下の薄い酸化膜を介した前記Si層
をチャネル領域と同一導電型の高濃度とすることによ
り、チャネル領域のパンチスルー現象を抑制する働きを
するため、従来のように短チャネル効果の抑制にチャネ
ル領域を高濃度にする必要がない。このため、伝達コン
ダクタンスの劣化が生ぜず、従来の超薄膜SOI層に形
成したMOSトランジスタに比べて2割以上の大電流化
を図ることができる。
【0104】また、薄い酸化膜直下に設けた、外部から
絶縁された前記Si層は、電位が固定されない構造とな
っているため、ドレイン拡散層の接合容量成分は、薄い
酸化膜、前記Si層、および厚い酸化膜によるそれぞれ
の容量の直列接続となり、従来のSOI構造の厚い酸化
膜による容量単独よりも低減することができる。
【0105】さらに、前記大電流化は、超薄膜SOI層
の層厚で電流経路が制限されないように厚いソース・ド
レイン引出し電極を用いているため、超薄膜SOI層の
層厚がさらに薄膜化された超微細MOSトランジスタに
おいても制限されることがないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図、
【図2】従来のSOI構造を有する半導体装置を示す断
面図、
【図3】従来のSOI構造および通常のSi基板上に形
成されたMOSトランジスタの特性を比較した図、
【図4】本発明の製造方法を説明するための工程図、
【図5】本発明の製造方法を説明するための工程図、
【図6】本発明の製造方法を説明するための工程図、
【図7】本発明の他の実施例を示す断面図、
【図8】本発明の他の実施例を示す断面図、
【図9】本発明の半導体基板の製造方法を示す断面図、
【図10】本発明の半導体基板の製造方法を従来の製造
方法に適用した例を示す断面図、
【図11】本発明の半導体装置を信号伝送処理装置に適
用した一実施例を示図、
【図12】本発明の半導体装置を高速大型計算機のプロ
セッサなどに適用した例を示す図、
【図13】本発明の他の実施例を説明するための工程
図、
【図14】本発明の他の実施例を説明するための工程
図、
【図15】本発明の他の実施例を説明するための工程
図、
【図16】本発明の他の実施例を示す断面図、
【図17】本発明の他の実施例を示す断面図、
【図18】本発明の他の実施例を示す断面図、
【図19】本発明の半導体装置を論理回路装置に適用し
た例を示す図、
【図20】本発明の半導体装置を随時書込み読出し記憶
装置に適用した例を示す図、
【図21】本発明の半導体装置を常時書込み読出し記憶
装置に適用した例を示す図。
【符号の説明】
1、1a……支持基板、 2……厚い酸化膜、 3……
SOI層、4……ゲ-ト酸化膜、 5、6……ゲート電
極、 7……ゲート保護絶縁膜、8……n型ソース拡散
層、 9……n型ドレイン拡散層、10……p型ドレイ
ン拡散層、 11……p型ソース拡散層、12……高融
点金属珪化膜、 13……配線保護絶縁膜、14……接
地電位線、 15……出力端子線、 16……電源電圧
供給線、17……n型低抵抗Si膜、 18……p型低抵
抗Si膜、19、20……レジスト膜、 21……酸化
膜、 22……素子間分離絶縁膜、23……n型ソース
引出し電極、 24……n型ドレイン引出し電極、25
……p型ドレイン引出し電極、 26……p型ソース引
出し電極、31……Si膜、 31´……支持基板、
33……高抵抗Si膜、33´……重ね会わせ絶縁膜、
41……p型Si膜、41´……浅いソース拡散層、
42……n型Si膜、42……n型Si膜 42´……浅いドレイン拡散層、 43……高抵抗Si
層領域、43´……ゲート側壁絶縁膜、44……深いソ
ース拡散層、45……深いドレイン拡散層、46……金
属膜、 47……配線保護絶縁膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9056−4M H01L 29/78 616 S 9056−4M 627 D

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持基板の表面上に形成された第1の絶縁
    膜と、当該第1の絶縁膜上に形成されると共に外部から
    絶縁された半導体膜と、当該半導体膜上に形成された第
    2の絶縁膜と、当該第2の絶縁膜上に形成された単結晶
    半導体膜と、当該単結晶半導体膜内に所定の間隔を介し
    てそれぞれ形成された上記単結晶半導体膜と反対導電型
    を有する領域と、上記単結晶半導体膜上に形成された第
    3の絶縁膜と、当該第3の絶縁膜上に形成された電極を
    有することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】上記外部から絶縁された半導体膜は、上記
    単結晶半導体膜内に所定の間隔を介してそれぞれ形成さ
    れた領域とは反対導電型の不純物が添加されて成る請求
    項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】上記外部から絶縁された半導体膜は、上記
    単結晶半導体膜内に所定の間隔を介してそれぞれ形成さ
    れた領域の少なくとも底面と接する部分の導入不純物を
    打ち消す程度に高抵抗に形成して成る請求項2記載の半
    導体装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導
    体装置が同一支持基板上に互いに分離されて複数個構成
    され、上記半導体装置間の分離領域における上記半導体
    膜および上記単結晶半導体膜が絶縁膜に置換されて構成
    されることを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】上記第1の絶縁膜の厚さは、第2の絶縁膜
    および第3の絶縁膜並びに上記単結晶半導体膜の厚さよ
    りも厚く形成されて成る請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】上記電極がゲート電極となり、上記反対導
    電型を有する領域が各々ソース領域およびドレイン領域
    となるMOSトランジスタである請求項1〜5のいずれ
    か一に記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】上記MOSトランジスタのソースおよびド
    レイン領域の所定領域上に、それぞれ導電性半導体膜が
    形成されて成る請求項6記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】上記MOSトランジスタは相補型トランジ
    スタである請求項6又は7記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】上記第二の絶縁膜は少なくとも二種類の絶
    縁膜からなる積層膜からなることを特徴とする請求項1
    に記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】支持基板上に順次積層して形成された第
    一の絶縁膜、第一の半導体膜、第二の絶縁膜および単結
    晶半導体膜と、当該単結晶半導体膜に構成されたMOS
    型トランジスタを具備し、上記単結晶半導体膜に形成さ
    れた上記MOS型トランジスタのチャネル領域直下の上
    記第一の半導体膜には、上記単結晶半導体膜内に上記チ
    ャネル領域を介して互いに離間して形成された上記MO
    Sトランジスタのソース領域およびドレイン領域どは逆
    の導電型を有する高濃度不純物領域が形成されているこ
    とを特徴とする半導体装置。
  11. 【請求項11】上記高濃度不純物領域と上記ドレイン領
    域の間の最短領域には、上記第二の絶縁膜および上記単
    結晶半導体膜の低不純物濃度領域が介在していることを
    特徴とする請求項9若しくは10に記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】上記第二の絶縁膜は少なくとも二種類の
    絶縁膜からなる積層膜であり、かつ上記第一の絶縁膜よ
    り膜厚が小さいことを特徴とする請求項9から11のい
    ずれか一に記載の半導体装置。
  13. 【請求項13】上記第二の絶縁膜は少なくともシリコン
    窒化膜を含むことを特徴とする半請求項9から12のい
    ずれか一に記載の半導体装置。
  14. 【請求項14】上記第2の絶縁膜はシリコン窒化膜とシ
    リコン酸化膜の積層膜からなり、かつ上記シリコン窒化
    膜は上記上記単結晶半導体膜の側に配置されていること
    を特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
  15. 【請求項15】上記ドレイン領域は、浅い接合を有する
    第一領域と当該第1の領域より深い接合を有する第2の
    領域からなることを特徴とする請求項6から8、10お
    よび11のいずれか一に記載の半導体装置。
  16. 【請求項16】上記第2の絶縁膜の膜厚は、シリコン酸
    化膜に換算して3.5nm以上30nm以下であること
    を特徴とする請求項1から15のいずれか一に記載の半
    導体装置。
  17. 【請求項17】上記ドレイン拡散層直下の上記第一の半
    導体膜は、高抵抗であることを特徴とする請求項6から
    8、10、11および16のいずれか一に記載の半導体
    装置。
  18. 【請求項18】第1の絶縁膜を表面に形成した支持基板
    となる第1の単結晶半導体基板と、第2の絶縁膜および
    半導体膜を順次形成した第2の単結晶半導体基板とを、
    上記第1の絶縁膜と上記半導体膜とが対向するように貼
    合せるウエーハ貼合せ工程と、このウエーハ貼合せ工程
    後に上記第2の単結晶半導体基板を所要の厚さに薄くし
    た単結晶半導体膜を形成する薄化工程とを有することを
    特徴とする半導体装置の製造方法。
  19. 【請求項19】第1の絶縁膜を表面に形成した支持基板
    となる第1の単結晶半導体基板と、第2の絶縁膜および
    半導体膜を順次形成した第2の単結晶半導体基板とを、
    上記第1の絶縁膜と上記半導体膜とが対向するように貼
    合せるウエーハ貼合せ工程を経た後、上記第2の単結晶
    半導体基板を所要の厚さに薄くした単結晶半導体膜を形
    成する薄化工程によりシリコン・オン・インシュレータ
    構造の半導体基板を製造する半導体基板の製造方法にお
    いて、上記第1の単結晶半導体基板は、上記第2の単結
    晶半導体基板の結晶引き上げ速度よりも速い速度で形成
    したものを用いることを特徴とする半導体基板の製造方
    法。
  20. 【請求項20】第1の絶縁膜を表面に形成した支持基板
    となる第1の単結晶半導体基板と、第2の単結晶半導体
    基板とを、上記第1の絶縁膜と第2の単結晶半導体基板
    とが対向するように貼合せるウエーハ貼合せ工程を経た
    後、上記第2の単結晶半導体基板を所要の厚さに薄くし
    た単結晶半導体膜を形成する薄化工程によりシリコン・
    オン・インシュレータ構造の半導体基板を製造する半導
    体基板の製造方法において、上記第1の単結晶半導体基
    板は、上記第2の単結晶半導体基板の結晶引き上げ速度
    よりも速い速度で形成した基板を用いることを特徴とす
    る半導体基板の製造方法。
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